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JP3132786B2 - 積層チップインダクタおよびその製造方法 - Google Patents

積層チップインダクタおよびその製造方法

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JP3132786B2
JP3132786B2 JP04242652A JP24265292A JP3132786B2 JP 3132786 B2 JP3132786 B2 JP 3132786B2 JP 04242652 A JP04242652 A JP 04242652A JP 24265292 A JP24265292 A JP 24265292A JP 3132786 B2 JP3132786 B2 JP 3132786B2
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JP
Japan
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coil
hole
conductor pattern
coil conductor
chip inductor
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高橋  宏
理 藤井
侃 山中
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Taiyo Yuden Co Ltd
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  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小形化しても優れた磁
気特性を有する積層チップインダクタおよびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】積層チップインダクタは、磁性フェライ
ト素体内にらせん状のコイルが埋設され、この磁性フェ
ライト素体におけるコイル末端が導出された一対の対向
する端面に、外部端子電極が形成されてなるものであっ
て、このような積層チップインダクタは、一般に次のよ
うな方法で製造されてきた。
【0003】まず、フェライト磁性粉末原料と有機バイ
ンダーとを混練して得たスラリーと、例えばポリエチレ
ンテレフタレートフィルムからなる長尺なベースフィル
ムとを塗工機にセットし、ドクターブレード法によって
ベースフィルム上にスラリーを数十〜数百μmの厚さで
連続的に塗布した後、ベースフィルム上のスラリーを乾
燥させる。次いで、乾燥したスラリーをベースフィルム
から剥離し、例えば 100mm角に切断して磁性フェライト
グリーンシート1を得る。
【0004】次に、上記のようにして得たフェライトグ
リーンシート1における所定の位置にスルーホール2を
形成し、その表面に、導電ペーストによって図2に示す
ようなコイル導体パターン3を印刷形成する。なお、上
記グリーンシート上に印刷されるコイル導体パターン
は、スルーホールの径よりも広い幅を有するものであ
り、積層してスルーホール接続されることによってらせ
ん状のコイルが構成されるように、数種類の異なる方向
を向いた略コの字状をしている。
【0005】また、上記コイル導体パターンは、図2に
示すように、その線幅内にスルーホール全体を包含して
いるため、コイル導体パターン形成の際、一方の主面に
印刷された導電ペーストは、コイル導体パターンを形成
すると共に、スルーホール内壁を伝って他方の主面にお
けるスルーホール周辺部にも付着する。したがって、こ
のようなシートを積層することにより、隣接するコイル
導体パターンは導電接続され、らせん状のコイルが構成
されるのである。
【0006】次に、上記のようなスルーホールおよびコ
イル導体パターンが形成されたシートを所定枚数と、そ
の上下にスルーホールおよびコイル導体パターンが形成
されていないダミーシートとを積層して圧着し、所定の
巻数を有するらせん状のコイルが埋設された磁性フェラ
イト素体を得る。
【0007】次いで、この素体をチップサイズに裁断す
ることによってチップ素体における一対の対向する端面
にコイル末端を導出させ、これを焼成する。焼成後、素
体におけるコイル末端が導出した端面に導電ペーストを
塗布し、これを焼き付けることによって外部端子電極を
形成し、積層チップインダクタを得る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、電子部品の小形
化に伴って積層チップインダクタの小形化が要望されて
いるが、これに対して従来の技術では、セラミックシー
トを薄くしたり、コイル導体パターンおよびスルーホー
ルを小さくすることによって小形化を図っていた。しか
しながら、打ち抜きによって形成することができるスル
ーホールの径には限界があったため、フェライトシート
の薄さやコイル導体パターンの大きさに対して、スルー
ホール径の大きさには不満があるという問題点があっ
た。
【0009】すなわち、径の小さいスルーホールを打ち
抜くためには、スルーホール径に対応した細いシート打
ち抜き用ピンを必要とするが、シート打ち抜き用ピンの
径が小さすぎるとシートを打ち抜くことができず、シー
トを押し広げて貫通したり、シートによってはいわゆる
差し抜きになってしまうのである。そのため、ピンをシ
ートから抜いた際、孔が塞がったり、シートにおけるス
ルーホール縁部が盛り上がってしまい、スクリーン印刷
によるスルーホール接続の信頼性が著しく低下してしま
っていた。
【0010】また、従来の技術においては、スルーホー
ルをコイル導体パターンの線幅内に包含することによ
り、積層圧着によるスルーホール接続を可能にしていた
ため、チップ素体が小さくなってもスルーホールの径が
大きいと、コイル導体パターンの線幅を細くすることが
できず、コイル導体が捲回する中央部、すなわち捲芯部
の断面積が小さくなり、インダクタンス等の磁気特性が
低下してしまうという問題点があった。
【0011】そこで本発明は、上述従来の技術の問題点
を解決し、磁気特性が低下することなく、高い信頼性を
維持したままで小形化することができる積層チップイン
ダクタおよびその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために鋭意研究した結果、スルーホール径よ
りも小さい線幅のコイル導体パターンを、コイル捲芯側
においてスルーホール周縁部の一部と重なるように印刷
形成することにより、上記課題が解決されることを見い
出し、本発明に到達した。
【0013】 すなわち、本発明は、磁性フェライト素
体内に、スルーホールと導電ペーストによるコイル導体
パターンが形成された磁性体セラミックシートの積層圧
着により前記コイル導体パターンをスルーホール接続す
ることによって構成されたらせん状のコイルが埋設さ
れ、前記磁性フェライト素体におけるコイル末端が導出
された一対の対向する端面に、外部端子電極が形成され
てなる積層チップインダクタであって、前記コイル導体
パターンが、一定幅のコイルの線幅よりも大きい径を有
しかつコイルに囲まれたコイル捲芯部分とコイル部分と
に跨がって、好ましくは円周の2/3程度がコイル部分
に重なるように位置するスルーホールによって接続され
ていることを特徴とする積層チップインダクタ;およ
び、スルーホールを有する複数枚の磁性体セラミックグ
リーンシートにコイル導体パターンを印刷し、これらの
シートを積層圧着することによって隣接するコイル導体
パターンをスルーホール接続し、得られたらせん状のコ
イルが埋設された磁性フェライト素体を焼成した後、磁
性フェライト素体におけるコイル末端が導出された一対
の対向する端面に外部端子電極を形成する積層チップイ
ンダクタの製造方法であって、前記スルーホールを有す
る磁性体セラミックグリーンシートに、導電ペーストに
よってスルーホール径よりも小さい一定線幅のコイル導
体パターンを、スルーホールがコイルに囲まれたコイル
捲芯部分とコイル部分とに跨がって位置するように、す
なわち、一定線幅のコイル導体パターンがコイル捲芯側
においてスルーホール周縁部の一部、好ましくはスルー
ホール円周の2/3程度と重なるように印刷することを
特徴とする積層チップインダクタの製造方法を提供する
ものである。
【0014】
【作用】本発明の積層チップインダクタの製造方法によ
ると、スルーホールを有する磁性体セラミックグリーン
シートに、導電ペーストによってスルーホール径よりも
小さい線幅のコイル導体パターンを、スルーホールがコ
イル捲芯部分とコイル部分とに跨がって位置するよう
に、すなわちコイル導体パターンがコイル捲芯側におい
てスルーホール周縁部の一部、好ましくはスルーホール
円周の2/3程度と重なるように印刷している。
【0015】このようにコイル導体パターンをスルーホ
ール円周の2/3程度と重ねることにより、シートに上
記コイル導体パターンの線幅以下の径のスルーホールを
形成し、このスルーホール全体が線幅内に包含されるよ
うにコイル導体パターンを印刷した場合と同等の精度で
スルーホール接続を行うことができる。
【0016】また、コイル捲芯部に位置したスルーホー
ルの一部分は、積層体を圧着した際にグリーンシートの
伸びによって埋められ、コイルの捲芯として作用する。
すなわち、本発明の積層チップインダクタの製造方法に
おいてシートに形成されるスルーホールは、その一部が
コイル導体パターンの接続用部分として作用し、残りの
部分がコイル捲芯部分として作用するのである。そのた
め、本発明の積層チップインダクタは、コイル捲芯部分
に部分的に位置したスルーホールによってコイル捲芯の
断面積が減少してしまうことはない。
【0017】上記のような構成でスルーホールおよびコ
イル導体を形成することにより、シートを小形化した場
合においても、打ち抜きによって形成することができな
くなるほどスルーホールの径を小さくしなくても良く、
しかも捲芯部の断面積を大きくとることができるため、
インダクタンス等の磁気特性の低下が防止され、高い信
頼性を有する積層チップインダクタを得ることができ
る。
【0018】以下、実施例により本発明をさらに詳細に
説明する。しかし本発明の範囲は以下の実施例により制
限されるものではない。
【0019】
【実施例1】本発明の積層チップインダクタの製造方法
の一例を以下に示す。
【0020】まず、Ni−Zn−Cu系の磁性フェライ
トグリーンシート1( 100mmW × 100mmL × 0.1mmT
に、 0.3mm径のスルーホール2を縦1.92mm、横0.96mmの
間隔で約3400個形成した。次いで、上記スルーホール2
を形成したグリーンシート1に、Agペーストを用い、
線幅0.16mmで図1に示すような形状、すなわち一方の端
部が円弧状に 180度屈曲し、他方の端部が円弧状に90度
屈曲した略コの字状のコイル導体パターン3を印刷し
た。このとき、コイル導体パターン3における円弧状に
90度屈曲した端部は、コイル捲芯側においてスルーホー
ル2の周縁の一部(スルーホール円周の約2/3)と重
なっている。なお、本実施例においてシート上に形成し
たコイル導体パターンは、円弧状に屈曲した略コの字状
のものとしたが、直角に屈曲させたものであっても良
い。
【0021】次に、スルーホール2およびコイル導体パ
ターン3を形成したシート1を、図1に示すような構成
で積層し、その上下にダミーシートをそれぞれ5枚づつ
積層して圧着した後、1.92mm×0.96mmのチップ寸法に裁
断した。なお、図1はチップ1個分が示されており、そ
れぞれのシートに形成されたスルーホールは、これらの
シートを積層した際にコイルの内側で対角状に配置され
る。
【0022】次いで、これらのチップ素体を 900℃で焼
成し(チップ寸法 1.6mm× 0.8mm)、チップ素体におけ
るコイル末端が導出された対向する一対の端面に、外部
端子電極を形成し、積層チップインダクタを得た。
【0023】上記のようにして得た積層チップインダク
タから無作為に 300個を抜き取り、インダクタンス
(L)と品質係数(Q)を測定したところ、Lの平均値
は 0.068μH、Qの平均値は30であり、優れた磁気特性
を有していた。
【0024】
【実施例2】本発明の積層チップインダクタの製造方法
の別の一例を以下に示す。
【0025】まず、Ni−Zn−Cu系の磁性フェライ
トグリーンシート( 100mmW × 100mmL × 0.1mmT
に、 0.3mm径のスルーホールを縦 1.2mm、横 0.6mmの間
隔で約8800個形成した。次いで、上記スルーホールを形
成したグリーンシートに、Agペーストを用い、線幅0.
08mmで、両方の端部が円弧状に 180度屈曲した略C字状
のコイル導体パターンを印刷した。このとき、コイル導
体パターンにおける一方の端部は、コイル捲芯側におい
てスルーホールの周縁の一部(スルーホール円周の約3
/4)と重なっている。なお、本実施例においてシート
上に形成したコイル導体パターンは、円弧状に屈曲した
略C字状のものとしたが、直角に屈曲させたものであっ
ても良い。
【0026】次に、スルーホールおよびコイル導体パタ
ーンを形成したシートを、所定の構成で積層し、その上
下にダミーシートをそれぞれ5枚づつ積層して圧着した
後、1.2mm× 0.6mmのチップ寸法に裁断した。なお、上
記それぞれのシートに形成されたスルーホールは、これ
らのシートを積層した際にコイルの内側で対向して配置
される。
【0027】次いで、これらのチップ素体を 900℃で焼
成し(チップ寸法 1.0mm× 0.5mm)、チップ素体におけ
るコイル末端が導出された対向する一対の端面に、外部
端子電極を形成し、積層チップインダクタを得た。
【0028】上記のようにして得た積層チップインダク
タから無作為に 300個を抜き取り、インダクタンス
(L)と品質係数(Q)を測定したところ、Lの平均値
は 0.042μH、Qの平均値は20であり、優れた磁性特性
を有していた。
【0029】
【比較例】コイル導体の線幅を 0.3mmとしたこと以外は
実施例1と同様にして積層チップインダクタを複数個製
造し、無作為に 300個を抜き取ってインダクタンス
(L)と品質係数(Q)を測定したところ、Lの平均値
は 0.052μH、Qの平均値は32であった。
【0030】
【発明の効果】本発明の開発により、スルーホールの径
を小さくしなくとも、コイル導体パターンの線幅を細く
することができるようになった。そのため、スルーホー
ルを差し抜きによらず打ち抜きで形成することができる
ようになり、信頼性を保ったままで小形化することが可
能になった。また、本発明によると、スルーホールはコ
イル導体パターンとコイル捲芯部分とに跨がって位置し
ているが、そのうちコイル捲芯部分に位置した部分は、
積層体の圧着時におけるシートの伸びによって埋められ
るため、捲芯部の断面積が狭まることはない。そのた
め、コイル捲芯部を広くとることができるようになり、
従来の小形化した積層チップインダクタのように磁気特
性が低下してしまうことが防止されるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層チップインダクタを構成するコイ
ル導体パターンおよびスルーホールが形成されたシート
を示す斜視図である。
【図2】従来の積層チップインダクタを構成するコイル
導体パターンおよびスルーホールが形成されたシートを
示す斜視図である。
【符号の説明】
1‥‥‥磁性フェライトグリーンシート 2‥‥‥スルーホール 3‥‥‥コイル導体パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−52291(JP,A) 実開 平4−77213(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 17/00,41/04 H05K 3/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性フェライト素体内に、スルーホール
    と導電ペーストによるコイル導体パターンが形成された
    磁性体セラミックシートの積層圧着により前記コイル導
    体パターンをスルーホール接続することによって構成さ
    れたらせん状のコイルが埋設され、前記磁性フェライト
    素体におけるコイル末端が導出された一対の対向する端
    面に、外部端子電極が形成されてなる積層チップインダ
    クタであって、前記コイル導体パターンが、一定幅の
    イルの線幅よりも大きい径を有しかつコイルに囲まれた
    コイル捲芯部分とコイル部分とに跨がって位置するスル
    ーホールによって接続されていることを特徴とする積層
    チップインダクタ。
  2. 【請求項2】 スルーホールを有する複数枚の磁性体セ
    ラミックグリーンシートにコイル導体パターンを印刷
    し、これらのシートを積層圧着することによって隣接す
    るコイル導体パターンをスルーホール接続し、得られた
    らせん状のコイルが埋設された磁性フェライト素体を焼
    成した後、磁性フェライト素体におけるコイル末端が導
    出された一対の対向する端面に外部端子電極を形成する
    積層チップインダクタの製造方法であって、前記スルー
    ホールを有する磁性体セラミックグリーンシートに、
    スルーホールがコイルに囲まれたコイル捲芯部分とコ
    イル部分とに跨がって位置するように、導電ペーストに
    よってスルーホール径よりも小さい一定線幅のコイル導
    体パターンを印刷することを特徴とする積層チップイン
    ダクタの製造方法。
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