JP3132275B2 - 繊維強化金属の製造装置及びその製造方法 - Google Patents
繊維強化金属の製造装置及びその製造方法Info
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Description
た繊維強化金属の製造装置及びその製造方法に関するも
のである。
の金属機械部品には、特に強度や耐摩耗性に優れた繊維
強化金属が適している。この繊維強化金属はFRP(繊
維強化プラスチック)等と同様に金属母材中に、繊維状
の炭化ケイ素やアルミナ等からなるプリフォームを備え
たものであり、これらの殆どは高圧鋳造法によって製造
されている。この高圧鋳造法は予め所定の形状に形成さ
れたプリフォームを金型内に設置した後、油圧ピストン
等によりその金型内のプリフォームに金属溶湯を100
気圧以上の高圧で押し出し含浸させる方法である。しか
しながら、この方法では金属溶湯の押出し圧力が大きい
ことから、その押出し圧によって金型内のプリフォーム
が割れたり、圧縮されて大きく変形したり等の不都合が
あり、良好な繊維強化金属を得にくいといった欠点があ
る。そこで、この欠点を補う方法として、金型を金属母
材の融点近くまで加熱して金属溶湯の粘度の上昇を防止
すると共に、ガス圧を利用して30気圧以下の押出し圧
によって金属溶湯を金型内のプリフォーム中に含浸させ
る方法が提案されている(特開昭59−500135号
公報)。
ガス圧を用いた製造方法では、プリフォーム中への金属
溶湯の含浸を容易にするために予め金型内を真空に排気
する必要があることから、金型には排気口及びこれと擦
り合わせる方式の真空弁が備えられている。しかしなが
ら、この真空弁は金属同志を擦り合わせる方式であるた
め、そのシール面にゴミ等が付着して僅かな隙間が生ず
ると、打ち込まれた金属溶湯がその隙間から漏れて大き
な事故につながる虞れがある。また、この真空弁のシー
ル面には構造上、若干の溶湯が差し込むことから、鋳造
作業毎に清掃をしなければならず、連続作業が困難で作
業効率も悪いと言った欠点がある。そのため、この真空
弁の構造を改良することも考えられているが、現状では
このシール面を完全にシールすることができる機構は提
案されていない。また、金属溶湯を金型内に導くための
ストークは常時金属溶湯内に差し込まれた状態となって
いるため、金型内に侵入した空気によって酸化されてス
トーク内の湯面に“のろ”が発生し、これがそのまま、
次の鋳造時に金型内に打ち込まれて、鋳造体の構造欠陥
を招くことがあった。
決するために案出されたものであり、その目的は良質な
繊維強化金属を安全かつ容易に生産すると共に、その生
産効率を向上させることができる新規な繊維強化金属の
製造装置及びその製造方法を提供するものである。
に第一の発明は金型内に配置されたプリフォームに金属
溶湯を含浸させて繊維強化金属を形成するための繊維強
化金属の製造装置において、圧力容器内に設けられ、金
属溶湯を収容する溶解炉と、上端部が上記金型に接続さ
れると共に下端部が上記圧力容器を貫通して上記溶解炉
側に臨んで、該溶解炉内の金属溶湯を上記金型内に導く
ためのストークと、上記圧力容器に設けられ、その圧力
容器内部及び金型内のガスを吸排気するための吸排気手
段と、上記溶解炉を圧力容器内で昇降動させて上記スト
ークの下端部を上記溶解炉内の金属溶湯面に挿入挿脱す
るための溶解炉昇降動手段と、上記金型及びストークを
加熱するための加熱手段とからなるものであり、第二の
発明は金型内に配置されたプリフォームに金属溶湯を含
浸させて繊維強化金属を形成するための繊維強化金属の
製造方法において、吸排気手段が接続された圧力容器内
に、上記金属溶湯を貯溜した溶解炉を昇降動自在に収容
すると共に、上記金型を接続したストークの下端部を上
記溶解炉の湯面上方に臨ませ、上記吸排気手段によって
圧力容器及び加熱されたストーク、金型内を同時に排気
して真空にした後、上記溶解炉を上昇させて上記ストー
クの下端部をその金属溶湯内に浸し、その後、上記吸排
気手段によって圧力容器内にガスを供給し、そのガス圧
によって上記金属溶湯を上記ストークを通過させて上記
金型内のプリフォームに含浸させるものである。
よって圧力容器内に収容された金属溶湯を貯溜した溶解
炉を降下させてストークの下端部をその金属溶湯を開放
するようにしたため、圧力容器内を排気することで、こ
れと同時にストーク及びストークの上端部に接続された
金型内も真空引きすることができる。従って、従来の如
く、金型に真空弁を設ける必要がなくなり、真空弁のシ
ール面の清掃作業が省略できると共に、そのシール面か
らの金属溶湯の洩れを未然に防止することができる。ま
た、ストークの下端部を金属溶湯面から離した状態で、
その湯面に発生した“のろ”を除去することができるた
め、“のろ”の巻き込みも未然に防止することができ
る。
て詳述する。
置の一実施例を示したものである。図示するように、こ
の製造装置は作業ハッチ2が形成された圧力容器1内に
溶解炉3が収容されると共に、その圧力容器1の上部に
管状のストーク4がこれを貫通するように設けられてい
る。
金型5が設けられており、その金型5の各キャビティ
6,6内にはそれぞれ繊維状のプリフォーム7,7が収
容されている。一方、このストーク4の下端部は圧力容
器1内に貫通して下方に延出され、溶解炉3の上部に臨
むように位置されている。
り、その上端部が金型5の各キャビティ6の湯道6aと
接続されて圧力容器1内と金型5の各キャビティ6内と
が連通された状態となっている。また、このストーク4
の周囲には、これを囲繞するように電気ヒータ等の加熱
手段8が設けられており、ストーク4を所望の温度に加
熱昇温できるようになっている。また、これと同様に金
型5にも電気ヒータ等の加熱手段8が設けられており、
ストーク4と同様に金型5を所望の温度に加熱できるよ
うになっている。
や排気バルブ9b、ポンプ(図示せず)等からなる給排
気手段9が設けられており、必要に応じて圧力容器1内
のガスを排気したり、圧力容器1内にガスを瞬時に送り
込むようになっている。
設けられており、圧力容器1内に収容された溶解炉3を
圧力容器1内で任意に昇降するようになっている。そし
て、これを上昇させた時にストーク4の下端部が溶解炉
3内に貯溜された金属溶湯Y内に没入し、降下させた時
にストーク4の下端部が金属溶湯Yの湯面上方に露出し
て位置するようになっている。尚、図中13は金型5を
ストーク4の上端部に連結固定するための固定部材、1
1は作業ハッチ2に着脱自在に設けられた盲目蓋であ
る。
の製造方法の一実施例を説明する。先ず、図1に示すよ
うに、二つ割金型5の各キャビティ6,6内にそれぞれ
プリフォーム7,7を配置し、加熱手段8によってこの
金型5及びストーク4を所定の温度に加熱すると共に、
溶解炉昇降手段10によって圧力容器1内の最下部に位
置させた溶解炉3に、作業ハッチ2から材料金属あるい
は予め溶融させた金属を供給して加熱し、金属溶湯Yを
製造する。
属溶湯Yが所定の温度に達したなら、図示するように作
業ハッチ2から圧力容器1内に除去棒12を差し込んで
溶解炉3の金属溶湯Yの表面に浮遊している“のろN”
を除去した後、この作業ハッチ2に盲目蓋11を取り付
けて圧力容器1内を密閉し、その後、給排気手段9の排
気バルブ9bを開いて、瞬時に圧力容器1内の真空引き
を行うと、圧力容器1内は勿論、これと連通しているス
トーク4内及び金型5内が真空状態となる。
したならば排気バルブ9bを閉じると共に、溶解炉昇降
手段10によって溶解炉3を圧力容器1内の最上位置に
上昇させてストーク4の下端部をその金属溶湯Y内に没
入させた後、給排気手段9のガス導入バルブ9aを開く
と共に、図示しない空気溜から圧力容器1内に所定の圧
力まで瞬時にガスを導入する。すると、そのガス圧が金
属溶湯Y面に加わり、これがストーク4の下端部からス
トーク4内を上昇し、その上端部より湯道6aを通過し
て金型5のキャビティ6,6内に流れ込み、それぞれの
プリフォーム7,7に含浸して鋳造されることになる。
この時、従来方法と同様にストーク4及びは金型5は加
熱手段8によって所定の温度に加熱されていることか
ら、溶解炉3から送り込まれた金属溶湯Yは冷却されて
粘度が上昇することがなく、その鋳造は良好に行われ
る。
ば、金型5を開いて鋳造体を取り出すと共に、この金型
5のキャビティ6,6内に新たなプリフォーム7,7を
配置して再び金型5を閉じ、溶解炉昇降手段10によっ
て溶解炉3を圧力容器1内の最下部の降下させた後、上
記と同様な操作を繰り返すことで次々と新たな繊維強化
金属を製造することとなる。尚、これら溶解炉昇降手段
10、給排気手段9の制御及び鋳造体の取り出し、プリ
フォーム7の設置“のろ”の除去作業等は手作業は勿
論、自動遠隔操作によっても行うことができる。また、
分割された金型5a,5bのシール面に用いられるセラ
ミックファイバーヤーン等のシール部材はこの取り出し
作業時に必要に応じて交換すれば良い。
t mmのホウ酸アルミニウムウィスカーからなるプリフ
ォーム(Vt=25%)を用い、5分間真空引きをした
後、750℃のAC8A合金からなる金属溶湯をこのプ
リフォームに30気圧で打ち込み、3分間保持した鋳造
体を製造したところ、図3に示すように“のろ”の巻き
込みやプリフォームの変形及びガス欠陥等のない、良好
な繊維強化金属を得ることができた。尚、図3は光学顕
微鏡による組織写真図であり、図中黒く見える部分はホ
ウ酸アルミニウムウィスカーからなるプリフォームであ
り、白く見える部分はこのプリフォームに含浸固化した
AC8A合金である。また、従来装置及び方法では、金
型に取り付けられた真空弁からの溶湯漏れ事故が3回/
年間程度見られたが、本発明によれば、これらの事故は
未然に防止できる。
する溶解炉を昇降動自在としたため、圧力容器、ストー
ク、金型内の真空引きが同時に行うことが可能となり、
“のろ”の除去が容易となると共に、従来装置のような
金型に設けられていた真空弁が不要となる。従って、
“のろ”の巻き込み欠陥がない良品質な繊維強化金属を
得ることができる上に、金型からの溶湯金属の漏れが防
止されて安全性が向上し、さらに清掃作業が不要となっ
て生産効率を大巾に向上させることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 金型内に配置されたプリフォームに金属
溶湯を含浸させて繊維強化金属を形成するための繊維強
化金属の製造装置において、圧力容器内に設けられ、金
属溶湯を収容する溶解炉と、上端部が上記金型に接続さ
れると共に下端部が上記圧力容器を貫通して上記溶解炉
側に臨んで、該溶解炉内の金属溶湯を上記金型内に導く
ためのストークと、上記圧力容器に設けられ、その圧力
容器内部及び金型内のガスを吸排気するための吸排気手
段と、上記溶解炉を圧力容器内で昇降動させて上記スト
ークの下端部を上記溶解炉内の金属溶湯面に挿入挿脱す
るための溶解炉昇降動手段と、上記金型及びストークを
加熱するための加熱手段とからなることを特徴とする繊
維強化金属の製造装置。 - 【請求項2】 金型内に配置されたプリフォームに金属
溶湯を含浸させて繊維強化金属を形成するための繊維強
化金属の製造方法において、吸排気手段が接続された圧
力容器内に、上記金属溶湯を貯溜した溶解炉を昇降動自
在に収容すると共に、上記金型を接続したストークの下
端部を上記溶解炉の湯面上方に臨ませ、上記吸排気手段
によって圧力容器及び加熱されたストーク、金型内を同
時に排気して真空にした後、上記溶解炉を上昇させて上
記ストークの下端部をその金属溶湯内に浸し、その後、
上記吸排気手段によって圧力容器内にガスを供給し、そ
のガス圧によって上記金属溶湯を上記ストークを通過さ
せて上記金型内のプリフォームに含浸させることを特徴
とする繊維強化金属の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05333364A JP3132275B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 繊維強化金属の製造装置及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05333364A JP3132275B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 繊維強化金属の製造装置及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07185777A JPH07185777A (ja) | 1995-07-25 |
JP3132275B2 true JP3132275B2 (ja) | 2001-02-05 |
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ID=18265284
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP05333364A Expired - Fee Related JP3132275B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 繊維強化金属の製造装置及びその製造方法 |
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Country | Link |
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CN109435316A (zh) * | 2018-11-09 | 2019-03-08 | 苏州益耐特电子工业有限公司 | 一种自动胶饼机 |
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-
1993
- 1993-12-27 JP JP05333364A patent/JP3132275B2/ja not_active Expired - Fee Related
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