JP3132272B2 - シート反転搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、シート反転搬送手段を
設けたシート反転搬送路に第１のシート搬送路からシー
トを搬送導入し、該シート反転搬送路に導入したシート
を反転搬送排出させて第１のシート搬送路とは異なる第
２のシート搬送路へ導入するシート反転搬送装置（シー
トのスイッチバック搬送装置）に関する。

【０００２】

【従来の技術】上記のようなシート反転搬送装置は、例
えば、両面画像形成機能を有するプリンタ（印字装置）
・複写機・ファクシミリ等の画像形成装置におけるシー
トの表裏反転循環搬送系（両面搬送部）、原稿自動給送
装置の表裏反転搬送系、シートのフェースアップ・フェ
ースダウン切り替え排出系等に具備させて使用されてい
る。

【０００３】．図９にそのシート反転搬送装置の一例
の概略構成を示した。

【０００４】１・２はシート反転搬送手段としての、シ
ート搬送ローラと、該ローラに圧接させたコロである。
シート搬送ローラ１は不図示の駆動系・制御系により所
定の制御タイミングにて反時計方向ａに正転制御、時計
方向ｂに逆転制御される。コロ２はこのシート搬送ロー
ラ１の正転ａ・逆転ｂにつれ回る従動コロである。

【０００５】このシート搬送ローラ１・コロ２の正転ａ
によりシート反転搬送路ＰＳへのシート導入ｃがなさ
れ、逆転ｂにより該シート反転搬送路ＰＳから該導入シ
ートの反転搬送排出ｄ（逆送）がなされる。

【０００６】Ｐ１はシート反転搬送路ＰＳへシートＳを
導く第１のシート搬送路、Ｐ２はシート反転搬送路ＰＳ
から反転搬送排出されるシートを導く、第１のシート搬
送路とは異なる第２のシート搬送路である。

【０００７】３・４・５は上記の第１のシート搬送路Ｐ
１，第２のシート搬送路Ｐ２及びシート反転搬送路ＰＳ
の一部を構成させたガイド部材である。

【０００８】而して、例えばプリンタにおいて両面印字
モードの場合、不図示の印字部（Ａ）にて一面目の印字
処理を受けたシートＳが第１のシート搬送路Ｐ１へ導入
される。このときはシート反転搬送路ＰＳのシート搬送
ローラ１・コロ２は正転ａされている。シートＳは第１
のシート搬送路Ｐ１を通って先端部がシート搬送ローラ
１とコロ２にくわえ込まれてシート搬送ローラ１・コロ
２の正転ａによりシート反転搬送路ＰＳに導入ｃされて
いく。このシートＳのシート反転搬送路ＰＳへの導入ｃ
が進行して該シートＳの後端が、第１のシート搬送路Ｐ
１と第２のシート搬送路Ｐ２の分岐ポイント４ａを通過
した後、シート搬送ローラ１とコロ２の圧接ニップ部を
抜け切る前に、シートセンサ６ａ・６ｂによりその後端
検知がなされる。

【０００９】このシートセンサ６ａ・６ｂのシート後端
検知信号によりシート搬送ローラ１・コロ２の正転ａが
直ちに逆転ｂに切り換えられる。これによりシート反転
搬送路ＰＳへ導入されたシートはシート反転搬送路ＰＳ
から反転搬送排出ｄされてその先端（反転搬送前は後
端）が第２のシート搬送路Ｐ２へ入って不図示の循環経
路（Ｂ）を経由して再び印字部（Ａ）へ表裏反転状態で
再送されることにより二面目の印字処理を受ける。

【００１０】本例のシート反転搬送装置の場合は、図の
ようにシート搬送ローラ１とコロ２との圧接ニップ部の
ニップ方向Ｎ（圧接ニップ部におけるローラ接線方向）
を予め第２のシート搬送路Ｐ２に向かう方向に設定し、
かつ第１のシート搬送路Ｐ１と第２のシート搬送路Ｐ２
の分岐ポイント４ａを上記のニップ方向Ｎを境にして第
１の搬送路Ｐ１側に位置させて設けてある。

【００１１】これにより、第１のシート搬送路Ｐ１から
シート搬送ローラ・コロ２の正転ａによりシート反転搬
送路ＰＳへ導入ｃされたシートＳの後端が上記の分岐ポ
イント４ａを通過すると、シートの後端部はシートの湾
曲戻りで自然にニップ方向Ｎ、即ち第２のシート搬送路
Ｐ２側に寄り移行して、次いでシートＳがシート反転搬
送路ＰＳ側から反転搬送排出ｄされたときは該反転搬送
シートＳは第１のシート搬送路Ｐ１へは入ることなく第
２のシート搬送路Ｐ２へ入っていくようになっている。

【００１２】．図１０に他のシート反転搬送装置の概
略構成を示した。上述図９の装置と共通する構成部材・
部分には同一の符号を付して再度の説明を省略する。

【００１３】この装置の場合は、ガイド４に第１と第２
のシート搬送路Ｐ１・Ｐ２を切り換える部材７（以下、
フラッパーと記す）を設けてある。

【００１４】而して、第１のシート搬送路Ｐ１からシー
ト反転搬送路ＰＳへのシートＳの導入ｃのときにはフラ
ッパー７は実線示のように支軸７ａを中心に反時計方向
ｅへ揺動されて第１のシート搬送路Ｐ１を開放した第１
の角度姿勢に切り替え保持されており、シートＳは第１
のシート搬送路Ｐ１からシート反転搬送路ＰＳへ正転ａ
している搬送ローラ１・コロ２により導入ｃされてい
く。

【００１５】シートＳのシート反転搬送路ＰＳへの導入
ｃが進行してシート後端が、フラッパー７の先端７ｂを
通過した後、シート搬送ローラ１とコロ２の圧接ニップ
部を抜け切る前に、シートセンサ６ａ・６ｂによりその
後端検知がなされる。

【００１６】このシートセンサ６ａ・６ｂのシート後端
検知信号により、シート搬送ローラ１の正転ａが直ちに
逆転ｂに切り替えられると共に、フラッパー７が破線示
のように支軸７ａを中心に時計方向ｆへ揺動されて第１
のシート搬送路Ｐ１を閉じ、第２のシート搬送路Ｐ２を
開放した第２の角度姿勢に切り替え保持される。

【００１７】これによりシート反転搬送路ＰＳへ導入ｃ
されたシートは反転搬送排出ｄされてその先端が破線示
の第２の角度姿勢に切り替え保持されたフラッパー７に
ガイドされて第２のシート搬送路Ｐ２へ導入される。

【００１８】

【発明が解決しようとする課題】前述図９の構成の装置
は前述したように、シート搬送ローラ１・コロ２の逆転
ｂによりシート反転搬送路ＰＳから反転搬送排出ｄされ
るシートが第２のシート搬送路Ｐ２へ自然に導入される
ように、シート搬送ローラ１とコロ２との圧接ニップ部
のニップ方向Ｎを予め第２のシート搬送路Ｐ２に向かう
方向に設定し、かつ第１のシート搬送路Ｐ１と第２のシ
ート搬送路Ｐ２の分岐ポイント４ａをニップ方向Ｎを境
にして第１のシート搬送路Ｐ１側に設けてあるので、第
１のシート搬送路Ｐ１からシート反転搬送路ＰＳへ導入
されるシートＳに関してはそのシート先端がシート搬送
ローラ１とコロ２との圧接ニップ部に入りずらくてジャ
ムになりやすいし、搬送路がシートを湾曲させて分岐ポ
イント４ａに無理に擦る構成であるためシートＳにカー
ルがついてジャムになったり、シートが摩擦帯電して画
像形成装置にあっては形成画像が乱れたりする。

【００１９】また図１０の装置の場合は図のようにシー
ト搬送ローラ１・コロ２との圧接ニップ部のニップ方向
Ｎを第１のシート搬送路Ｐ１に向かう方向に設定するこ
とで上記のような不具合を解消できるけれども、第１と
第２のシート搬送路Ｐ１・Ｐ２を切り替える新たな部材
としてのフラッパー７の設置のためにコストは高くな
り、フラッパー７の動作制御も加わり複雑になる。この
ため、フラッパー７の動作不良によるジャムも発生しや
すい。

【００２０】そこで本発明は、上述の図９や図１０の装
置のような問題のない、即ち、第１のシート搬送路Ｐ１
からシート反転搬送路ＰＳへのシートの導入搬送過程時
も、シート反転搬送路ＰＳから第２のシート搬送路Ｐ２
へのシートの反転搬送排出過程時の何れのときもシート
に無理な負荷をかけることなくスムーズにシートを搬送
させてジャムトラブルを生じさせることなく常に確実・
安定にシート反転搬送処理を実行させることができ、し
かも構成が簡単でコストも安い等の特長を有するシート
反転搬送装置を提供することを目的とする。

【００２１】

【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とするシート反転搬送装置である。

【００２２】（１）正転・逆転制御されるシート搬送ロ
ーラと、該シート搬送ローラに圧接してニップを形成す
るコロを有するシート反転搬送手段を設けたシート反転
搬送路と、このシート反転搬送路へシートを導く手段を
有する第１のシート搬送路と、シート反転搬送路から反
転搬送されて排出されるシートを導く手段を有する、前
記第１のシート搬送路とは異なる第２のシート搬送路を
有し、前記コロの軸は側板に設けられた軸受穴に支持さ
れてコロがこの軸受穴の長さ範囲において前記シート搬
送ローラの回転中心を中心に前記シート搬送ローラの正
転と逆転に伴って揺動可能であり、このコロの揺動によ
り第１のシート搬送路からシート反転搬送路へシートが
導入搬送されてくる時と、シート反転搬送路からシート
を反転搬送させて排出する時とで、前記シート反転搬送
手段のニップ方向が異なることを特徴とするシート反転
搬送装置。

【００２３】

【００２４】（２）シート反転搬送手段のニップ方向
が、第１のシート搬送路からシート反転搬送路へシート
が搬送導入されてくる時は第１のシート搬送路の方向を
向き、シート反転搬送路からシートを反転搬送させて排
出する時は第２のシート搬送路の方向を向いていること
を特徴とする（１）に記載のシート反転搬送装置。

【００２５】（３）画像形成装置における二面目を印字
するための両面搬送部に備えられていることを特徴とす
る（１）または（２）に記載のシート反転搬送装置。

【００２６】

【作用】即ち、正転・逆転制御されるシート搬送ローラ
と、該シート搬送ローラに圧接してニップを形成するコ
ロを有するシート反転搬送手段を設けたシート反転搬送
路のシート反転搬送手段についてそのニップ方向を、第
１のシート搬送路からシート反転搬送路へシートが搬送
導入されてくる時は第１のシート搬送路の方向に向か
せ、シート反転搬送路からシートを反転搬送させて排出
する時は第２のシート搬送路の方向に向かせるという具
合に、異ならせることにより、第１のシート搬送路から
シート反転搬送路へのシートの導入搬送過程時も、シー
ト反転搬送路から第２のシート搬送路へのシートの反転
搬送排出過程時の何れのときもシートに無理な負荷をか
けることなくスムーズにシートを搬送させ得てジャムト
ラブルを生じさせることなく常に確実・安定にシート反
転搬送処理を実行させることが可能となる。

【００２７】そしてシート反転搬送手段のニップ方向を
異ならせる手段構成として、コロの軸は側板に設けられ
た軸受穴に支持され、コロがこの軸受穴の長さ範囲にお
いてシート搬送ローラの回転中心を中心にシート搬送ロ
ーラの正転と逆転に伴って揺動可能であり、このコロの
揺動により第１のシート搬送路からシート反転搬送路へ
シートが導入搬送されてくる時と、シート反転搬送路か
らシートを反転搬送させて排出する時とで、シート反転
搬送手段のニップ方向を異ならせることにより、シート
搬送ローラとコロのニップ方向の切り替えはシート搬送
ローラの正転・逆転の切り替えに伴って自然になされて
別段に切り替え制御手段を必要とせず、また機構構成も
コロの軸を側板の軸受穴に揺動自由に配設するだけの簡
単なものであり、構造が簡単で部品点数の少なく低コス
トに構成することが可能であるというメリットがある。

【００２８】

【実施例】〈実施例１〉（図１〜図５） 前述図９の装置と共通する構成部材・部分には同一の符
号を付して再度の説明を省略する。

【００２９】本実施例において、シート搬送ローラ１に
対するコロ２はその回転軸２ａの両側をそれぞれ側板１
０（図５）に設けた軸受穴１１に嵌入させてある。その
軸受穴１１はシート搬送ローラ１の回転軸１ａを中心と
する円弧状長穴形状としてあり、従ってコロ２はこの円
弧状長穴形状の軸受穴１１の長さ範囲においてシート搬
送ローラ１に対して公転移動自由である。

【００３０】またコロ２は、図４・図５に示したよう
に、コロ２の両側において回転軸２ａに細長板ばね１２
を当接させ湾曲させてたわめて両端部をそれぞれ定置ピ
ン１３・１３に掛止させることで回転軸２ａをシート搬
送ローラ１の方向へ加圧してコロ２をシート搬送ローラ
１に対して所定の押圧力Ｆをもって圧接状態にさせてあ
る。

【００３１】細長板ばね１２の湾曲の曲率は円弧状長穴
形状の軸受穴１１の曲率に略対応させてあり、コロ２は
この湾曲した細長板ばね１２の内面に沿って円弧状長穴
形状の軸受穴１１の長さ範囲においてシート搬送ローラ
１に対して圧接を保って公転移動自由である。

【００３２】而して、第１のシート搬送路Ｐ１側からシ
ート反転搬送路ＰＳへのシート導入時はシート搬送ロー
ラ１正転ａしている。このときこのシート搬送ローラ１
の正転ａに伴いこれに圧接しているコロ２はシート搬送
ローラ１の正転ａに従動して回転すると共に、シート搬
送ローラ１の回転軸１ａを中心とする反時計方向への公
転力Ｆａ（図２）が働く。

【００３３】このためコロ２はその回転軸２ａが円弧状
長穴形状の軸受穴１１内をシート搬送ローラ１の回転軸
１ａを中心とする反時計方向へその側の軸受穴終端部１
１ａに受け止められるまで位置移動し、その位置におい
てシート搬送ローラ１に圧接した状態を保ってシート搬
送ローラ１の正転ａに従動して回転する。図１・図２・
図４はこの状態時を示している。

【００３４】この状態時においてはシート搬送ローラ１
・コロ２のニップ方向Ｎ１は第１のシート搬送路Ｐ１の
方向を向いた関係となるように軸受穴１１の上記終端部
１１ａの位置を設定してある。

【００３５】従って第１のシート搬送路Ｐ１からのシー
トＳはシート搬送ローラ１・コロ２の圧接ニップ部に対
してその先端部がほぼまっすぐに導入されてニップ部に
スムーズにくわえ込まれ、シート搬送ローラ１・コロ２
の正転ａによりシート反転搬送路ＰＳへ導入されてい
く。

【００３６】このシートＳのシート反転搬送路ＰＳへの
導入が進行して該シートＳの後端が、第１のシート搬送
路Ｐ１と第２のシート搬送路Ｐ２の分岐ポイント４ａを
通過した後、シート搬送ローラ１とコロ２の圧接ニップ
部を抜け切る前に、シートセンサ６ａ・６ｂによりその
後端検知がなされる。

【００３７】このシートセンサ６ａ・６ｂのシート後端
検知信号によりシート搬送ローラ１の正転ａが直ちに逆
転ｂに切り換えられる。このシート搬送ローラ１の逆転
ｂに伴いこれに圧接しているコロ２はシート搬送ローラ
１の逆転ｂに従動して回転すると共に、シート搬送ロー
ラ１の回転軸１ａを中心とする時計方向への公転力Ｆｂ
（図３）が働く。

【００３８】このためコロ２はその回転軸２ａが円弧状
長穴形状の軸受穴１１内をシート搬送ローラ１の回転軸
１ａを中心とする時計方向へその側の軸受穴終端部１１
ｂに受け止められるまで位置移動してその位置において
シートＳを挟み込んだ状態でシート搬送ローラ１に圧接
した状態を保ってシート搬送ローラ１の逆転ｂに従動し
て回転する。図３はこの状態時を示している。

【００３９】この状態時においてはシート搬送ローラ１
・コロ２のニップ方向Ｎ２は第２の搬送路Ｐ２の方向を
向いた関係となるように軸受穴１１の上記終端部１１ｂ
の位置を設定してある。

【００４０】従って、シート反転搬送路ＰＳへ導入され
たシートＳは逆転ｂしたシート搬送ローラ１・コロ２に
よりシート反転搬送路ＰＳから反転搬送排出ｄされてい
く。この場合上記したようにシート搬送ローラ１・コロ
２のニップ方向Ｎ２は第２のシート搬送路Ｐ２の方向を
向いた状態になっているから、上記の反転搬送排出シー
トは、第１のシート搬送路Ｐ１へは入ることなく、第２
のシート搬送路Ｐ２側へ確実にスムーズにへ進入してい
く。

【００４１】このように、シート反転搬送路ＰＳのシー
ト反転搬送手段としてのシート搬送ローラ１・コロ２の
ニップ方向が、第１のシート搬送路Ｐ１からシート反転
搬送路ＰＳへシートＳが搬送導入されてくる時は第１の
シート搬送路Ｐ１の方向Ｎ１に向くように切り替えら
れ、またシート反転搬送路ＰＳからシートを反転搬送さ
せて排出する時は第２のシート搬送路Ｐ２の方向Ｎ２に
向くように切り替えられるので、第１のシート搬送路Ｐ
１からシート反転搬送路ＰＳへのシートの導入搬送過程
時も、シート反転搬送路ＰＳから第２のシート搬送路Ｐ
２へのシートの反転搬送排出過程時の何れのときも、シ
ートに無理な負荷をかけることなくスムーズにシートを
搬送させ得て、ジャムトラブルを生じさせることなく、
常に確実・安定にシート反転搬送処理を実行させること
ができる。

【００４２】シート搬送ローラ１・コロ２のニップ方向
Ｎ１・Ｎ２の切り替えはシート搬送ローラ１の正転ａ・
逆転ｂの切り替えに伴って自然になされて別段に切り替
え制御手段を必要とせず、また機構構成もコロ２を円弧
状長穴形状の軸受穴１１に揺動自由に配設するだけの簡
単なものであり、コストも安い。

【００４３】〈参考例１〉（図６） ２０はシート搬送ローラ１とコロ２を保持している保持
部材である。コロ２は保持部材２０に両端部を掛止した
コイルばね２１をコロ２の回転軸２ａに引っ掛けること
によりシート搬送ローラ１に所定の押圧力Ｆをもって圧
接させてある。保持部材２０はシート搬送ローラ１の回
転軸１ａを中心に揺動可能である。

【００４４】シート搬送ローラ１が正転ａされると、コ
ロ２もそれに従動回転すると共に、コロ２を介して保持
部材２０にシート搬送ローラ１の回転軸１ａを中心とす
る反時計方向への回動力Ｆａが作用して該保持部材２０
が第１のストッパピン２２に受け止められてそれ以上の
反時計方向への回動が阻止された実線示の角度姿勢に保
持される。保持部材２０のこの角度姿勢においてシート
搬送ローラ１・コロ２のニップ方向Ｎ１が第１のシート
搬送路Ｐ１の方向に向いているように第１のストッパピ
ン２２の位置を設定してある。

【００４５】またシート搬送ローラ１が逆転ｂされる
と、コロ２もこれに従動回転すると共に、コロ２を介し
て保持部材２０にシート搬送ローラ１の回転軸１ａを中
心とする時計方向への回動力Ｆｂが作用して該保持部材
２０が第２のストッパピン２３に受け止められてそれ以
上の時計方向への回動が阻止された２点鎖線示の角度姿
勢に保持される。保持部材２０のこの角度姿勢において
シート搬送ローラ１・コロ２のニップ方向Ｎ２が第２の
シート搬送路Ｐ２の方向に向いているように第２のスト
ッパピン２３の位置を設定してある。

【００４６】本参考例の場合もシート搬送ローラ１の正
転ａ・逆転ｂに伴ってシート搬送ローラ１・コロ２のニ
ップ方向Ｎ１・Ｎ２の切り替えが自然になされる。

【００４７】また本参考例の場合はコロ２の加圧ばね２
１もコロ２を保持させた保持部材２０と一緒に揺動する
ため、シート搬送ローラ１とコロ２によって形成される
シート搬送力も安定する。

【００４８】〈参考例２〉（図７）本参考例 は上述参考例１の装置において、シート搬送ロ
ーラ１の回転軸１ａと保持部材２０との間に両者間に若
干の摩擦をかける摩擦部材２４を介在させたものであ
り、他の構成は同じである。

【００４９】本参考例の場合はシート搬送ローラ１が正
転ａ又は逆転ｂされると、回転軸１ａから摩擦部材２４
を介して保持部材２０につれ回り力が伝わるためコロ２
を含む保持部材が反時計方向又は時計方向により確実に
揺動してニップ方向Ｎ１・Ｎ２の切り替えがなされる。

【００５０】〈実施例２〉（図８） 本実施例は本発明のシート反転搬送装置を用いた画像形
成装置例である。

【００５１】３１は給紙部としての給紙カセットであ
り、給紙ローラ３２によりシートＳが１枚分離給送され
て搬送ローラ対３３・レジストローラ対３４を通って例
えば電子写真プロセス機構、その他適宜の作像プロセス
機構の印字部（作像部）Ａへ所定のタイミングで給送さ
れて、その一面目に目的の画像情報に対応した画像が形
成され、次いで、画像定着を必要とする場合は定着装置
３５へ導入されることで画像定着をうける。そして片面
画像形成モードのときはそのシートはフラッパー３６の
上側を通って排出ローラ対３７から排紙トレイ３８上に
排紙される。

【００５２】両面画像形成モードの場合は定着装置３５
を出た、一面目画像形成済のシートがフラッパー３６に
より下方へ進路変更されて、本発明に係るシート反転搬
送装置１００の第１のシート搬送路Ｐ１へ導入されるこ
とで前述実施例１〜３のように反転搬送され、第２のシ
ート搬送路Ｐ２から循環経路Ｂを経由して再び印字部Ａ
へ表裏反転状態で再送されることにより二面目の印字処
理を受け、定着装置３５→フラッパー３６の上側→排紙
ローラ対３７の経路を通って両面画像形成物として排紙
トレイ３８上に排紙される。

【００５３】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、正転・逆
転制御されるシート搬送ローラと、該シート搬送ローラ
に圧接してニップを形成するコロを有するシート反転搬
送手段を設けたシート反転搬送路に第１のシート搬送路
からシートを搬送導入し、該シート反転搬送路に導入し
たシートを反転搬送排出させて第１のシート搬送路とは
異なる第２のシート搬送路へ導入するシート反転搬送装
置について、第１のシート搬送路からシート反転搬送路
へのシートの導入搬送過程時も、シート反転搬送路から
第２のシート搬送路へのシートの反転搬送排出過程時の
何れのときもシートに無理な負荷をかけることなくスム
ーズにシートを搬送させてジャムトラブルを生じさせる
ことなく常に確実・安定にシート反転搬送処理を実行さ
せることができる。また、シート反転搬送手段のニップ
方向を異ならせる手段構成として、コロの軸は側板に設
けられた軸受穴に支持され、コロがこの軸受穴の長さ範
囲においてシート搬送ローラの回転中心を中心にシート
搬送ローラの正転と逆転に伴って揺 動可能であり、この
コロの揺動により第１のシート搬送路からシート反転搬
送路へシートが導入搬送されてくる時と、シート反転搬
送路からシートを反転搬送させて排出する時とで、シー
ト反転搬送手段のニップ方向を異ならせることにより、
シート搬送ローラとコロのニップ方向の切り替えはシー
ト搬送ローラの正転・逆転の切り替えに伴って自然にな
されて別段に切り替え制御手段を必要とせず、また機構
構成もコロの軸を側板の軸受穴に揺動自由に配設するだ
けの簡単なものであり、構造が簡単で部品点数の少なく
低コストに構成することが可能であるというメリットが
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例１の装置の概略構成図

【図２】 シート搬送ローラが正転している状態時の要
部図

【図３】 シート搬送ローラが逆転している状態時の要
部図

【図４】 シート搬送ローラとコロの部分の側面図

【図５】 コロと軸受け穴と加圧ばね部分の斜視図

【図６】 参考例１の装置の要部図

【図７】 参考例２の装置の要部図

【図８】 シート反転搬送装置を用いた画像形成装置例
の概略図

【図９】 従来の装置例の概略図

【図１０】 従来の他の装置例の概略図

【符号の説明】

１ シート搬送ローラ ２ コロ ３〜５ ガイド部材 ６ａ・６ｂ シートセンサ Ｐ１・Ｐ２ 第１と第２のシート搬送路 ＰＳ シート反転搬送路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藁谷 強 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 星井 修 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 小松 照夫 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−143162（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−117912（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−181556（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65H 29/58

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 正転・逆転制御されるシート搬送ローラ
   と、該シート搬送ローラに圧接してニップを形成するコ
   ロを有するシート反転搬送手段を設けたシート反転搬送
   路と、このシート反転搬送路へシートを導く手段を有す
   る第１のシート搬送路と、シート反転搬送路から反転搬
   送されて排出されるシートを導く手段を有する、前記第
   １のシート搬送路とは異なる第２のシート搬送路を有
   し、前記コロの軸は側板に設けられた軸受穴に支持さ
   れ、コロがこの軸受穴の長さ範囲において前記シート搬
   送ローラの回転中心を中心に前記シート搬送ローラの正
   転と逆転に伴って揺動可能であり、このコロの揺動によ
   り第１のシート搬送路からシート反転搬送路へシートが
   導入搬送されてくる時と、シート反転搬送路からシート
   を反転搬送させて排出する時とで、前記シート反転搬送
   手段のニップ方向が異なることを特徴とするシート反転
   搬送装置。
2. 【請求項２】 シート反転搬送手段のニップ方向が、第
   １のシート搬送路からシート反転搬送路へシートが搬送
   導入されてくる時は第１のシート搬送路の方向を向き、
   シート反転搬送路からシートを反転搬送させて排出する
   時は第２のシート搬送路の方向を向いていることを特徴
   とする請求項１に記載のシート反転搬送装置。
3. 【請求項３】 画像形成装置における二面目を印字する
   ための両面搬送部に備えられていることを特徴とする請
   求項１または同２に記載のシート反転搬送装置。