JP3131004B2 - 積層磁器電子部品の製造方法 - Google Patents
積層磁器電子部品の製造方法Info
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Description
層形アクチュエータ,積層形バリスタ等の積層磁器電子
部品の製造方法に関する。
した積層磁器電子部品が多数使われている。
で酸化してその体積が膨脹するため、内部欠陥(デラミ
ネーション,クラック等)を招く原因となっている。
ことは、積層磁器電子部品の生産効率の向上を図る上で
極めて重要なことであり、従来より、金属パラジウムの
酸化による体積膨脹を緩和する方法として、以下の方法
が主に採られていた。
ムの酸化を抑制する。
パラジウムの酸化速度を遅らせる。
抑制したり、パラジウムの焼成を促進させ、体積膨脹を
緩和させる。
ム粉を使用し、体積膨脹を緩和させる。
し、パラジウムの酸化による体積膨脹の絶対量を減ら
す。
品においては、小型高容量化及び低コスト化の観点か
ら、磁器誘電体層の厚さ及び内部電極層の厚さを薄くす
るとともに、内部電極層の数を多くすることが試みられ
ている。
とると、容量を増大させるためには、電極層間の誘電体
層の厚みを薄くし、かつ、互いに対向する内部電極層の
数を多くすることが望ましい。
0μm以下と薄く、内部電極層の数が例えば50層以上
と多い高容量の積層磁器電子部品の場合は、金属パラジ
ウムの酸化による体積膨脹を緩和する上述した従来の方
法では、内部欠陥(デラミネーション,クラック等)を
完全に防止することができず、次のような問題を生じて
いた。
パラジウムの酸化は完全に抑制することができるが、パ
ラジウムが過焼結化し、電極ぎれが発生する。この結
果、静電容量が低下してしまう。
場合は、内部電極層の厚みを薄くすることができず、コ
スト高となってしまう。
ものを使用した場合は、内部電極面の被覆率が低下し、
誘電体損失,等価直列抵抗等が悪化する。
ム粉を使用した場合は、電極の数が50層を超えると、
内部欠陥が発生することがある。
た場合は、内部欠陥の発生は抑制されるが、電極厚みの
ばらつきにより電極がとぎれて静電容量が低下すること
もある。
れたものであり、小型で高容量の積層磁器電子部品を効
率良く製造できる積層磁器電子部品の製造方法を提供す
ることを目的とする。
に本発明は、磁器層間に金属パラジウムからなる内部電
極層を積層したものを、焼成する工程を有する積層磁器
電子部品の製造方法において、前記焼成する工程は、室
温乃至400℃の昇温領域における昇温速度を300℃
/hとし、400乃至900℃の昇温領域における昇温
速度を600℃/h以上とし、900乃至1360℃の
昇温領域における昇温速度を300℃/hとしたことを
特徴とするものである。
方法の作用を説明する。
大気中で約400乃至800℃において酸化し、800
℃以上では還元して金属パラジウムに戻る。また、この
酸化速度は、金属パラジウムの状態により異なるが、い
ずれにしても時間と温度の関数で定まる。800℃以下
の温度領域において、温度が高い程、また、時間が長い
程、酸化反応は進み、それに比例した体積膨脹も起き
る。室温から一瞬にして800℃以上の温度領域まで昇
温することができれば、反応時間は0となり酸化反応は
起きない。すなわち、昇温速度が速くなる程、酸化反応
時間は短くなり、パラジウムの酸化量及び体積膨脹量も
少なくなる。この結果、内部欠陥が発生しにくい積層磁
器電子部品を得ることができる。しかし、このように一
瞬にして昇温することは不可能であるから、徐々に昇温
し、前記酸化反応が顕著な400乃至900℃の領域を
急速昇温し、900℃以上では再び徐々に昇温するとい
う構成を採用している。
する。
積層磁器電子部品の一部欠損のある斜視図である。
えば10μmの磁器誘電体シートを積層してなる磁器誘
電体2と、この磁器誘電体2内に厚み方向に配設され、
金属パラジウム粉からなる複数(本例では100層)の
内部電極3と、一対の外部電極4,4とを具備してい
る。また、この積層磁器電子部品1は、全体として小型
な矩形状を有し、外部電極4が対向する方向をL、その
直角方向をW、内部電極3に対して垂直方向をTとする
と、全体の寸法を例えば、L=3.3mm,W=1.6
5mm,T=1.35mmとしている。
法を説明する。
て互いに対向するように金属パラジウム粉からなる電極
ペーストを厚み方向に積層した後、脱バインダを行い、
焼成工程を経て、一対の外部電極4,4を被着形成し、
図1に示す積層磁器電子部品1を得るものである。
領域を300℃/hの遅い昇温速度とし、400乃至9
00℃の昇温領域を600℃/h以上の速い昇温速度と
し、900乃至1360℃の昇温領域を300℃/hの
遅い昇温速度とし、1360°Cまで昇温した後は、こ
の1360°Cで2時間保持し、1360℃乃至室温の
降温領域を300℃/hの遅い降温速度で行うものであ
る。
法の効果を表1及び図2,3を参照して説明する。
150℃/h,300℃/h,600℃/h,1200
℃/h,2400℃/hと変化させた場合の内部欠陥
(デラミネーション,クラック等)の発生率を示すもの
である。
陥発生率は小さくなり、600℃/h以上では発生率が
0となった。この結果、内部欠陥が発生しにくい積層磁
器電子部品1を得ることができる。
もいえる。
℃/h,2400℃/hと変化させた場合の昇温過程に
おける積層磁器電子部品の体積変化率(体積膨脹率)を
示すグラフである。同図によれば、400乃至900℃
の昇温領域では、昇温速度が速くなる程、積層磁器電子
部品の膨脹率が小さくなり、特に800℃付近では、そ
れが顕著に現れていることが判る。また、この800℃
付近での体積膨脹は、内部電極3に使用しているパラジ
ウムの酸化による膨脹が原因である。
600℃/h,2400℃/hと変化させた場合の昇温
過程における内部電極3の重量変化率を示すグラフであ
る。同図によれば、400乃至900℃の昇温領域で
は、昇温速度が速くなる程金属パラジウムの酸化による
重量変化率は小さくなっていることが判る。なお、20
0乃至350℃の温度領域にて、急激に重量が減少して
いるが、これは内部電極3中の溶剤及び樹脂等の有機物
の分解または燃焼によるものである。また、600℃付
近からゆっくりと重量が増加しているのは、金属パラジ
ウムの酸化による重量増であり、800℃付近で急激に
減少しているのは、金属パラジウムの還元による重量減
である。
その要旨を変更しない範囲内で種々に変形実施できる。
例えば、本発明は、磁器層が圧電性磁器からなる積層形
アクチュエータや磁器層がZnO系,SrTiO3 系の
積層形サーミスタ,バリスタにも同様に適用できる。
成工程で400乃至900℃の昇温領域における昇温速
度を600℃/h以上としているので、内部電極に使用
している金属パラジウムの酸化反応は抑制され、体積膨
脹は小さくなるため、内部欠陥が発生しにくくなる。こ
のため、低コストで電気的特性の劣化等を招くことな
く、磁器誘電体層の厚さを薄くして、内部電極層の数を
増加させた小型高容量の積層磁器電子部品を安定に生産
でき、また、昇温速度を速くすることで焼成時間は短縮
され、生産効率を上げることもできる。そして、上記4
00乃至900℃の範囲以外の前後の領域では通常の昇
温速度としているので焼成工程に無理が生じない。従っ
て、小型で高容量の積層磁器電子部品を効率良く製造で
きる積層磁器電子部品の製造方法を提供することができ
る。
子部品の一部欠損のある斜視図である。
果を示すための積層磁器電子部品の体積変化率を示すグ
ラフである。
果を示すための内部電極の重量変化率を示すグラフであ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 磁器層間に金属パラジウムからなる内部
電極層を積層したものを、焼成する工程を有する積層磁
器電子部品の製造方法において、 前記焼成する工程は、室温乃至400℃の昇温領域にお
ける昇温速度を300℃/hとし、400乃至900℃
の昇温領域における昇温速度を600℃/h以上とし、
900乃至1360℃の昇温領域における昇温速度を3
00℃/hとしたことを特徴とする積層磁器電子部品の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04048740A JP3131004B2 (ja) | 1992-03-05 | 1992-03-05 | 積層磁器電子部品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04048740A JP3131004B2 (ja) | 1992-03-05 | 1992-03-05 | 積層磁器電子部品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05251264A JPH05251264A (ja) | 1993-09-28 |
JP3131004B2 true JP3131004B2 (ja) | 2001-01-31 |
Family
ID=12811688
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04048740A Expired - Lifetime JP3131004B2 (ja) | 1992-03-05 | 1992-03-05 | 積層磁器電子部品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3131004B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4041082B2 (ja) * | 2004-03-23 | 2008-01-30 | Tdk株式会社 | バリスタ及びバリスタの製造方法 |
-
1992
- 1992-03-05 JP JP04048740A patent/JP3131004B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05251264A (ja) | 1993-09-28 |
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