JP3130816B2 - 巻取シート状物の残芯回収装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属するの技術分野】本発明は、輪転機に供給さ
れる新聞巻取紙や、加工機に供給される合成樹脂フィル
ムや布、金属ストリップ等のような、巻芯の外周に円筒
状に巻かれた巻取シート状物が巻かれていた残芯を無人
搬送車等の移動体から受け取って残芯集積部へ回収する
ための残芯回収装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、輪転機にかけられる新聞巻取紙
は、図９に示すように床面Ｇ上を走行する無人搬送車Ａ
１によって、新聞巻取紙の保管場所から輪転機の設置さ
れている場所まで搬送されている。

【０００３】前記無人搬送車Ａ１の車体Ａ２上には、新
聞巻取紙Ｐの搭載位置の側方に図示していないシリンダ
装置で駆動されるパンタグラフ機構Ａ３を介して昇降さ
れる残芯受台Ａ４が設けられている。

【０００４】前記残芯受台Ａ４は、新聞巻取紙が巻かれ
ていた残芯Ｃを輪転機から受け取るためのもので、無人
搬送車Ａ１は、残芯受台Ａ４上に輪転機から回収した残
芯を残芯回収装置Ａ５の設置されている場所まで搬送す
る。前記残芯回収装置Ａ５は、昇降自在な残芯つかみ装
置Ａ６と、台車で構成されている残芯集積部Ａ７へ向け
て傾斜する伸縮シュートＡ８から構成されている。

【０００５】無人搬送車Ａ１は残芯回収装置Ａ５の位置
で停止し、残芯Ｃが載っている残芯受台Ａ４を上昇させ
る。一方、残芯回収装置Ａ５の残芯つかみ装置Ａ６は下
降して、無人搬送車Ａ１の残芯受台Ａ４上から残芯Ｃを
つかみ取って上昇する。

【０００６】次に、伸縮シュートＡ８の上端側が残芯つ
かみ装置Ａ６の直下位置まで伸長する。ここで、残芯つ
かみ装置Ａ６は、残芯Ｃを開放して、伸縮シュートＡ８
上へ落下させる。伸縮シュートＡ８上へ落下した残芯は
その上面に沿って残芯集積部Ａ７へ転がり落ちる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】前述した従来の残芯回
収装置では、残芯受台から残芯つかみ装置でつかみ上げ
た残芯は、伸縮シュート上へ落とされるため、落下時に
残芯がゆがみ、また、伸縮シュート上を転がり落ちる際
に曲がって転がり、残芯集積部からはみ出すことがあ
る。

【０００８】特に、輪転機から残芯受台が残芯を受け取
る際に、残芯受台に対して軸方向に偏った位置に残芯が
載った場合には、伸縮シュート上へ落下した残芯が前記
伸縮シュート上を曲がって転がる傾向はさらに大きくな
り、残芯集積部への回収に支障をきたす問題があった。

【０００９】そこで、本発明は、前述したような従来技
術の問題を解決し、無人搬送車等の移動体から受け取っ
た新聞巻取紙等の巻取シート状物の残芯を確実に残芯集
積部へ回収することのできる残芯回収装置を提供するこ
とを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本請求項１に係る発明の巻取シート状物の残芯回収
装置は、無人搬送車等の移動体に設けられた昇降自在な
残芯受台に移動体の走行方向に向けて載置されている残
芯を受け取って残芯集積部へ回収するものであり、前面
に前記移動体が横付けされる基枠と、前記基枠の前面か
ら斜め上方に向けて進退自在に支持された残芯受けガイ
ドとを備えている。

【００１１】前記残芯受けガイドは斜め上方に前進した
位置において、基枠前面に横付けされた移動体の上昇位
置にある残芯受台に載置された残芯の直下へ侵入し、且
つ、前記上昇位置からの残芯受台のみ下降を可能とする
位置に配置され、残芯受台の下降時に残芯受台上の残芯
を受けてその自重で上面を転動させ、残芯集積部側へ誘
導するように構成されている。

【００１２】そして、前記残芯受けガイドと同方向に傾
斜した残芯載置面を有し前記残芯載置面の下端側を垂直
な残芯案内面に沿って昇降自在に設けられた残芯リフタ
ーを備え、前記残芯リフターはその下降位置で、前記残
芯受けガイドを上方から転がり落ちてくる残芯を残芯載
置面上へ受け入れ、前記残芯案内面は前記残芯リフター
が下降位置から上昇位置へ移動する範囲に設けられて残
芯載置面上の残芯の移動を阻止するとともに姿勢を矯正
し、残芯リフターが上昇位置へ達したときに残芯を開放
して残芯載置面の傾斜によって残芯集積部側へ排出する
ように構成されている。

【００１３】また、本請求項２に係る発明の巻取シート
状物の残芯回収装置においては、本請求項１に係る発明
に加えて、上昇位置にある残芯受台に載置されている残
芯を軸方向両側から挟み込んでセンタリングを行う一対
の位置決めアームを有する残芯センタリング機構を備え
ている。

【００１４】

【作用】無人搬送車等の移動体から残芯回収装置で残芯
を回収する場合には、残芯を運んできた移動体を本発明
の残芯回収装置の基枠前面に横付けして停止する。次い
で、残芯を載せている移動体の残芯受台を上昇させ、上
昇位置で停止させる。

【００１５】次に、残芯回収装置の残芯受けガイドを基
枠前面より斜め上方に前進させて、残芯受台に載置され
ている残芯の直下へ侵入させる。次いで、移動体の残芯
受台を下降させていくと、残芯は下降途中で前記残芯受
けガイドの前端部上面と当接して残芯受けガイド上に受
け止められ、残芯受台のみが下降していく。残芯受けガ
イド上に乗り移った残芯は、その自重によって残芯受け
ガイドの傾斜に沿って下方へ転がり落ちて残芯集積部へ
回収される。

【００１６】また、残芯回収装置に残芯リフターと残芯
案内面とが設けられているので、残芯受台から残芯受け
ガイド上へ乗り移った残芯は、さらにその下端側で下降
位置に待機している残芯リフターの傾斜した残芯載置面
上へ移動し、残芯案内面と当接して停止する。

【００１７】次に、残芯リフターが残芯案内面に沿って
上昇する。この際、残芯受けガイドを転がり落ちる間に
生じた残芯の向きが残芯案内面によって矯正される。残
芯案内面は残芯リフターの下降位置から上昇位置の範囲
にのみ設けられているため、残芯リフターがその上昇位
置に至ると、残芯案内面は残芯案内面の上端から開放さ
れて、残芯載置面の傾斜によって残芯リフターから残芯
集積部側へ排出される。

【００１８】また、残芯回収装置が残芯センタリング機
構を備えている場合には、残芯が短く、その軸方向に偏
って移動体の残芯受台上に載置されているときに、残芯
受台を上昇させた位置で、残芯センタリング装置の一対
のアームを軸方向両側から残芯を挟むように移動して、
残芯受けガイドが適正な位置で残芯を受け取れるように
残芯の位置をセンタリングする。

【００１９】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図１は、本発明の一実施例を示す残芯回収装置の
側面図、図２はその正面図であって、残芯回収装置１
は、無人搬送車２の走行する床面Ｇに設置されており、
また、前記残芯回収装置１の後方に隣接して残芯集積部
３が配置されている。本実施例では残芯集積部３とし
て、多数の残芯Ｃを収容することができる上方が開放さ
れた台車が用いられている。

【００２０】前記無人搬送車２は、図示していない輪転
機へ新聞巻取紙Ｐを供給するとともに、輪転機から新聞
巻取紙Ｐが巻かれていた残芯Ｃを回収するためのもの
で、その車体には新聞巻取紙Ｐと残芯Ｃとをそれぞれ車
体の走行方向に向けて載置するための受台４と残芯受台
５が設けられている。前記残芯受台５は、受台４に載置
される新聞巻取紙Ｐの側方を図示していないシリンダ装
置によって駆動されるパンタグラフ機構６によって昇降
できるように構成されている。

【００２１】一方、前記残芯回収装置１の基枠７の前面
には、上昇位置における残芯受台５に載置されている残
芯Ｃよりも上方位置に残芯センタリング機構８が取り付
けられている。無人搬送車２は、残芯回収装置１の位置
を図示していない検知手段で検知して所定の位置に正確
に停止するように制御されているが、残芯受台５に載置
されている残芯Ｃのサイズが短いものでは、輪転機から
外された残芯Ｃが残芯受台５に対して軸方向に偏って載
る場合がある。

【００２２】そこで、前記残芯センタリング機構８は、
残芯回収装置１の基枠７前面に横付けされた状態で停止
する無人搬送車２の残芯受台５から残芯Ｃを受け取る際
に、残芯受台５上に載置されている残芯Ｃの軸方向の偏
りを矯正して基枠７の幅方向中央へセンタリングするた
めに設けられている。

【００２３】基枠７の前面の左右両側には一対の支柱
９，９が立設されており、図３及び図４に示すように、
前記残芯センタリング機構８はこれらの支柱９，９の上
端間を連結している連結枠１０に対して前方に並行して
支持されている水平フレーム１１に設けられている。

【００２４】前記水平フレーム１１の連結枠１０との対
向面側の両端付近には、水平フレーム１１の長手方向に
沿って一対のリニアガイド１２がそれぞれ固定されてい
る。それぞれのリニアガイド１２にはスライドフレーム
１３がリニアベアリング１４を介してスライド自在に支
持されている。これらのスライドフレーム１３の上端
は、水平フレーム１１の両側に長手方向に沿って取り付
けられている一対のロッドレスシリンダ装置１５，１５
のそれぞれに連結されている。

【００２５】一方、それぞれのスライドフレーム１３の
下端には、支軸１６によって位置決めアーム１７が揺動
自在に支持されている。前記位置決めアーム１７は、通
常は、自重によって前端側が斜め下方に下りた位置で、
その後端側がスライドフレーム１３に設けられているス
トッパ１８に当接して所定位置に保持されている。

【００２６】位置決めアーム１７の後端には、その前端
が下方にあるか、上方へ揺動しているかを判別する非接
触センサ１９を動作させるためのストライカ２０が設け
られている。また、前記スライドフレーム１３には、そ
の軸方向位置を検出するための非接触センサ２１を動作
させるためのストライカ２２が設けられている。

【００２７】図１及び図２に示すように、残芯回収装置
１には、無人搬送車２の残芯受台５から残芯Ｃを受け取
るための残芯受けガイド２３が基枠７の前面から斜め上
方に向けて進退自在に設けられている。

【００２８】前記残芯受けガイド２３は、図２に示すよ
うに左右一対配置されており、これらの対向間隔は、無
人搬送車２の残芯受台５の幅よりも大きく、且つ、回収
される最も短い残芯Ｃの長さよりも小さく設定されてい
る。

【００２９】また、図５及び図６に示すように、残芯受
けガイド２３の先端には上方へ折り曲げられた折曲部２
３Ａが形成され、残芯Ｃが残芯受台５から残芯受けガイ
ド２３側に移る際に残芯受けガイド２３の先端から落下
することを防止している。

【００３０】それぞれの残芯受けガイド２３は、基枠７
側に固定されているリニアガイド２４にリニアベアリン
グ２５を介してスライド自在に支持されており、基枠７
の前方斜め上方へ傾斜した方向への進退移動が自在にな
っている。

【００３１】また、リニアガイド２４と並行してロッド
レスシリンダ装置２６が基枠７側に固定されていて、前
記ロッドレスシリンダ装置２６によって残芯受けガイド
２３が進退駆動されるように構成されている。

【００３２】図６に示すように、一対の残芯受けガイド
２３，２３の間には、これらの残芯受けガイドと同じ傾
斜を有する固定板２７が基枠７側に固定されており、そ
の中央部後方には、残芯検知レバー２８が前端側を揺動
自在に軸支され、後端側が両側の残芯受けガイド２３，
２３の上面より上方へ突出する位置にバネで付勢されて
いる。

【００３３】前記残芯検知レバー２８は、一対の残芯受
けガイド２３，２３上を残芯Ｃが上方から移動してきた
ときにその後端が前記残芯Ｃの自重で下方に揺動し、下
方に設置されている残芯検知スイッチ２９を動作させる
ようになっている。

【００３４】固定板２７の後端から上方に連続して、前
面が残芯案内面として利用される垂直板３０が連設され
ており、前記垂直板３０の下部には、残芯受けガイド２
３を上方から転がり落ちてくる残芯を緩衝して停止させ
るためのクッション材３１が取り付けられている。

【００３５】また、前記垂直板３０の上端には後方へ下
り傾斜する残芯シュート板３２が連接されており、前記
残芯シュート板３２の下端は、図１に示すように残芯集
積部３の上端開口部に位置している。

【００３６】図６及び図８に示すように、固定板２７の
下端寄りの両側位置には、一対の残芯リフター３３，３
３が、基枠７内に設けられている門型のリフトフレーム
３４の両側前面に垂直方向に固定されているリニアガイ
ド３５に図示しないリニアベアリングを介して昇降自在
に支持されている。

【００３７】前記一対の残芯リフター３３，３３は、一
体に昇降するように連結されていて、リフトフレーム３
４の中央に垂直に設けられている図１に破線で示すロッ
ドレスシリンダ装置３６によって、下降位置と上昇位置
との間で昇降駆動されるようになっている。

【００３８】これらの残芯リフター３３の上面は、残芯
受けガイド２３と同方向に傾斜した残芯載置面３３Ａと
なっていて、図８に実線で示す残芯リフター３３の下降
位置では、両側の残芯受けガイド２３の上面よりも僅か
に下がっており、また、同図に２点鎖線で示す上昇位置
では、その傾斜方向下端が残芯シュート板３２の上端よ
り僅かに上方へ突出するようになっている。

【００３９】残芯リフター３３が下降位置と上昇位置に
それぞれ到達したことを検知するために、リフトフレー
ム３４の側面に下降位置検知センサ３７と上昇位置検知
センサ３８が取り付けられており、また、残芯リフター
３３には、これらのセンサ３７，３８を動作させるため
のストライカ３９が設けられている。

【００４０】なお、垂直板３０の幅は、一対の残芯受け
ガイド２７，２７の両外側間の間隔よりも広く形成さ
れ、一対の残芯リフター３３，３３の昇降する部分だけ
が切り欠かれていて、前記リフトフレーム３４のリニア
ガイド３５にに支持されているこれらの残芯リフターを
垂直板３０前方に突出させている。また、垂直板３０に
は、残芯受けガイド２３の後端側を前記垂直板３０の後
方まで退避させるための切り欠きが両側に設けられてい
る。

【００４１】次に、本発明の残芯回収装置の動作を説明
する。図１に示すように、回収される残芯Ｃは、図示し
ていない輪転機の設置されている場所から無人搬送車２
によって残芯回収装置１の位置まで搬送され、無人搬送
車２は残芯回収装置１の基枠７前面に横付けの姿勢で停
止する。この時点では、図２に示すように、残芯センタ
リング機構８の一対の位置決めアーム１７，１７はそれ
ぞれ左右両側へ開いた位置に退避している。

【００４２】次に、無人搬送車２の残芯受台５が残芯Ｃ
を支持して上昇する。この際、前記残芯Ｃの長さのデー
タは、無人搬送車２側に記憶されており、前記データは
残芯回収装置側へ出力され、残芯センタリング機構８は
残芯Ｃがセンタリング動作が必要となる長さである場合
のみ、残芯受台５が上昇位置へ到達した時点で左右のロ
ッドレスシリンダ１５，１５によって一対の位置決めア
ーム１７，１７を接近方向に駆動し、両側の位置決めア
ーム１７，１７間に残芯Ｃを挟み込んで、残芯受台５上
の残芯Ｃが基枠７の幅方向中央に位置するようにセンタ
リングする。

【００４３】すなわち、輪転機で使用される新聞巻取紙
には、Ａ巻、Ｃ巻、Ｄ巻の３種類の幅のものがあり、そ
れぞれの新聞巻取紙に対応して、残芯の長さは、Ａ巻が
１６２６ｍｍ、Ｃ巻が１２１９ｍｍ、Ｄ巻が８１３ｍｍ
のものが用いられている。このうち、Ｄ巻の新聞巻取紙
の残芯は短いため、輪転機から無人搬送車２の残芯受台
５が残芯Ｃを受け取る際に軸方向位置が一方に寄りやす
く、残芯受けガイド２３への残芯の受け渡しに支障を生
じないように前記残芯センタリング機構８によるセンタ
リングが必要になる。

【００４４】それぞれの位置決めアーム１７は、図３に
示すスライドフレーム１３に設けられているストライカ
２２がセンタリングされる前記Ｄ巻の残芯Ｃの長さに対
応した位置にある非接触センサ２１を動作させるまで両
側から接近移動して残芯Ｃの軸方向位置を矯正した後、
もとの位置まで退避する。

【００４５】また、残芯受台５にＤ巻より長いＡ巻、Ｃ
巻の残芯Ｃが載っている場合には、残芯受台５の上昇時
に、両側に開いた退避位置で待機している一対の位置決
めアーム１７，１７に残芯Ｃが接触し、これらの位置決
めアーム１７が支軸１６回りに回動してその前端側が上
方へ押し上げられる。

【００４６】その結果、後端に設けられているストライ
カ２０が非接触センサ１９の対向位置から外れることに
より、非接触センサ１９が前記位置決めアーム１７が残
芯Ｃへ乗り上げたことを検知する。

【００４７】非接触センサ２１がストライカ２２を検知
した時点、または、センタリングを要しない長さの残芯
Ｃの場合では残芯受台５が上昇位置へ到達し且つ非接触
センサ１９が検知信号を出力した時点で、図５及び図６
に示すロッドレスシリンダ２６，２６により、一対の残
芯受けガイド２３，２３が前進し、その先端側が残芯受
台５に載置されている残芯Ｃの直下へ侵入する。

【００４８】なお、残芯受台５上に載置されている残芯
Ｃが、あらかじめ無人搬送車２側に記憶されているデー
タではセンタリングを必要としない長さであるにも拘わ
らず、途中で人手によってセンタリングが必要なＤ巻に
代えられてしまったような場合、残芯受台５の上昇時に
位置決めアーム１７は回動されないため、非接触センサ
１９からは検知信号が出力されず、このような場合に
は、前述した位置決めアーム１７によるセンタリング動
作が行われた後に一対の残芯受けガイド２３，２３が前
進するように制御される。

【００４９】そして、残芯受けガイド２３が前進位置で
停止した後、残芯受台５が残芯Ｃとともに下降を開始
し、残芯Ｃはその途中で残芯受けガイド２３，２３の前
端部上面に受け止められる。その後は残芯受台５のみが
下降し続け、残芯受台５が下降位置へ戻った後、無人搬
送車２は次工程へ向けて発進する。

【００５０】一方、一対の残芯受けガイド２３，２３上
に乗り移った残芯は、その自重によってこれらの残芯受
けガイド２３の傾斜に沿って下方へ転がり落ち、垂直板
３０に取り付けられているクッション材３１に衝突して
停止して停止される。

【００５１】この時、一対の残芯受けガイド２３，２３
の内側に配置されている一対の残芯リフター３３，３３
は、図８の実線で示すように下降した位置に待機してい
て、図７に示す残芯検知レバー２８の後端が残芯Ｃの自
重によって下方へ押し下げられ、残芯検知スイッチ２９
が動作すると、残芯受けガイド２３，２３が後方へ退避
移動した後、これらの残芯リフター３３，３３は、図１
に示すロッドレスシリンダ装置３６によって図８に仮想
線で示した上昇位置まで持ち上げられる。

【００５２】残芯リフター３３の上昇によって、残芯Ｃ
は残芯載置面３３Ａ上へ支持され、前記残芯載置面３３
Ａの後方への傾斜によって、垂直板３０の前面に自重で
当接した状態で押し上げられる。この際、一対の残芯受
けガイド２３上を転がり落ちる間に生じた残芯Ｃの向き
のずれは、残芯案内面として利用されている垂直板３０
の前面によって矯正される。なお、残芯受けガイド２
３，２３の退避移動時にも残芯は垂直板３０側に引き込
まれてその姿勢が補助的に矯正される。

【００５３】そして、残芯リフター３３が上昇位置へ到
達すると、後方へ傾斜した残芯載置面３３Ａ上に支持さ
れている残芯は、垂直板３０の上端から外れて開放され
るため、その自重で残芯シュート３２側へ移動し、前記
残芯シュート３２上を転がって図１に示す残芯集積部３
へ回収される。

【００５４】前述した実施例においては、輪転機に供給
される新聞巻取紙の残芯を回収する場合について説明し
たが、本発明の残芯回収装置は、新聞巻取紙の残芯に限
定されるものではなく、加工機に供給される合成樹脂フ
ィルムや布、金属ストリップ等のような、巻芯の外周に
円筒状に巻かれた巻取シート状物が巻かれていた残芯を
回収する場合においても適用可能である。

【００５５】また、移動体としては、無人搬送車の他、
床面に敷設されたレールの上を走行する台車や、巻取シ
ート状物をコンベヤ等の間で受け渡すトラバーサ等の移
載装置に残芯受台が設けられているものであってもよ
い。

【００５６】また、前述した実施例においては、残芯受
けガイドと同方向に傾斜した残芯載置面を有し、前記残
芯載置面の下端側を垂直板に沿って昇降自在に設けられ
た残芯リフターを備えており、残芯リフターの上昇位置
で残芯を一度残芯シュート板へ受け渡し、残芯シュート
板下端から残芯集積部へ前記残芯を排出するようにして
いるが、残芯シュート板を省略して残芯リフターの傾斜
した残芯載置面の下端側から直接残芯集積部へ残芯を排
出するようにしてもよい。

【００５７】なお、この場合には、残芯リフターを昇降
を案内するためのリニアガイドやロッドレスシリンダ等
の残芯リフターを昇降させるための機構は、残芯リフタ
ーの側方へ移動する等の設計変更をして残芯リフターの
後面が残芯集積部へ直接臨接させる必要がある。

【００５８】さらに、残芯受台側から残芯受けガイドへ
残芯を正確な向きで受け渡すことができ、残芯受けガイ
ドを転がり落ちる際にも残芯の向きが曲がる恐れがない
場合には、前記残芯リフターと垂直板とを省略して、残
芯受けガイドの下端側から直接残芯集積部へ残芯を排出
するようにしてもよい。

【００５９】また、前述した実施例では、移動体の残芯
受台から残芯を残芯受けガイドが受け取る前に、一対の
位置決めアームを有する残芯センタリング機構によっ
て、前記残芯受台上の残芯の軸方向位置をセンタリング
しているが、取り扱う残芯が長尺で残芯受台上に軸方向
の偏りが少ない状態で載っている場合には、残芯センタ
リング機構を省略してもよい。

【００６０】また、本実施例では、残芯集積部を台車に
よって構成しているが、これに代えて上方が開放されて
いる運搬可能な箱等の容器、あるいは、コンベヤの荷受
面で構成してもよく、残芯集積部をコンベヤの荷受面に
よって構成した場合には、前記コンベヤの連続的な移動
あるいは間欠的な移動によって、回収した残芯を次工程
へ効率的に送り込むことも可能である。

【００６１】

【発明の効果】前述したように、本請求項１に係る発明
の巻取シート状物の残芯回収装置によれば、無人搬送車
等の移動体の残芯受台から残芯を受け取る際に、残芯受
台の下降動作によって残芯受けガイド上に残芯を受け取
るようにしているため、残芯受けガイドに残芯を受け取
る際に残芯に衝撃力が作用して残芯の向きや位置にずれ
を生じる恐れがなく、残芯集積部へ残芯を確実に回収す
ることができる。

【００６２】また、従来の残芯回収装置のような、残芯
受台から残芯をつかみ上げるための残芯つかみ装置が不
要であるため、構造が簡略化され、製造や保守が容易に
なるとともに、製造コストを下げることができる。

【００６３】そして、本請求項１に係る発明の巻取シー
ト状物の残芯回収装置においては、残芯リフターと残芯
案内面とが設けられているので、残芯受台上の残芯の向
きがずれている場合や、残芯が短く残芯受けガイドを転
がり落ちる途中でその向きがずれてしまう場合でも、残
芯受けガイドを転がり落ちた残芯が一旦停止されて残芯
案内面で向きの修正が行われてから残芯集積部側へ排出
されるため、残芯を残芯集積部へ確実に回収することが
できる。

【００６４】さらに、本請求項２に係る発明の巻取シー
ト状物の残芯回収装置においては、残芯センタリング機
構を備えているので、残芯が短く、移動体の残芯受台に
軸方向に偏って載置される傾向にある場合にも、残芯セ
ンタリング機構の一対の位置決めアームによって、残芯
受台上の残芯をセンタリングした後、残芯受けガイドへ
受け渡すことができるため、残芯集積部へ残芯を確実に
回収することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の残芯回収装置の一実施例を示す側面
図である。

【図２】 本発明の残芯回収装置の一実施例を示す正面
図である。

【図３】 残芯センタリング機構の構造を示す側面図で
ある。

【図４】 残芯センタリング機構の構造を示す正面図で
ある。

【図５】 残芯受けガイドの進退駆動機構を示す側面図
である。

【図６】 本発明の残芯回収装置の要部を示す平面図で
ある。

【図７】 残芯検知レバーの取付構造を示す側面図であ
る。

【図８】 残芯リフターの側面図である。

【図９】 従来の残芯回収装置の側面図である。

【符号の説明】

１ 残芯回収装置 ２ 無人搬送車（移動体） ３ 残芯集積部 ４ 受台 ５ 残芯受台 ６ パンタグラフ機構 ７ 基枠 ８ 残芯センタリング機構 ９ 支柱 １０ 連結枠 １１ 水平フレーム １２ リニアガイド １３ スライドフレーム １４ リニアベアリング １５ ロッドレスシリンダ装置 １６ 支軸 １７ 位置決めアーム １８ ストッパ １９ 非接触センサ ２０ ストライカ ２１ 非接触センサ ２２ ストライカ ２３ 残芯受けガイド ２４ リニアガイド ２５ リニアベアリング ２６ ロッドレスシリンダ ２７ 固定板 ２８ 残芯検知レバー ２９ 残芯検知スイッチ ３０ 垂直板 ３１ クッション材 ３２ 残芯シュート ３３ 残芯リフター ３３Ａ 残芯載置面 ３４ リフトフレーム ３５ リニアガイド ３６ ロッドレスシリンダ装置 ３７ 下降位置検知センサ ３８ 上昇位置検知センサ ３９ ストライカ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65H 19/12

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無人搬送車等の移動体に設けられた昇降
   自在な残芯受台に移動体の走行方向に向けて載置されて
   いる残芯を受け取って残芯集積部へ回収する巻取シート
   状物の残芯回収装置において、 前面に前記移動体が横付けされる基枠と、前記基枠の前
   面から斜め上方に向けて進退自在に支持された残芯受け
   ガイドとを備え、前記残芯受けガイドは斜め上方に前進
   した位置において、基枠前面に横付けされた移動体の上
   昇位置にある残芯受台に載置された残芯の直下へ侵入
   し、且つ、前記上昇位置からの残芯受台のみ下降を可能
   とする位置に配置され、残芯受台の下降時に残芯受台上
   の残芯を受けてその自重で上面を転動させ、残芯集積部
   側へ誘導するように構成されているとともに、 前記残芯受けガイドと同方向に傾斜した残芯載置面を有
   し前記残芯載置面の下端側を垂直な残芯案内面に沿って
   昇降自在に設けられた残芯リフターを備え、前記残芯リ
   フターはその下降位置で、前記残芯受けガイドを上方か
   ら転がり落ちてくる残芯を残芯載置面上へ受け入れ、前
   記残芯案内面は前記残芯リフターが下降位置から上昇位
   置へ移動する範囲に設けられて残芯載置面上の残芯の移
   動を阻止するとともに姿勢を矯正し、残芯リフターが上
   昇位置へ達したときに残芯を開放して残芯載置面の傾斜
   によって残芯集積部側へ排出するように構成されている
   ことを特徴とする 巻取シート状物の残芯回収装置。
2. 【請求項２】 上昇位置にある残芯受台に載置されてい
   る残芯を軸方向両側から挟み込んでセンタリングを行う
   一対の位置決めアームを有する残芯センタリング機構を
   備えていることを特徴とする請求項１記載の巻取シート
   状物の残芯回収装置。