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JP3128635B2 - 多価不飽和脂肪酸含有発酵乳の製造方法 - Google Patents

多価不飽和脂肪酸含有発酵乳の製造方法

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Publication number
JP3128635B2
JP3128635B2 JP04264141A JP26414192A JP3128635B2 JP 3128635 B2 JP3128635 B2 JP 3128635B2 JP 04264141 A JP04264141 A JP 04264141A JP 26414192 A JP26414192 A JP 26414192A JP 3128635 B2 JP3128635 B2 JP 3128635B2
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JP
Japan
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fish oil
fermented milk
dha
epa
milk
Prior art date
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JP04264141A
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JPH0690662A (ja
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実 大岡
孝義 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=17399034&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3128635(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
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  • Fats And Perfumes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、魚油を配合してドコサ
ヘキサエン酸(以下DHAという)及び/又はエイコサ
ペンタエン酸(以下EPAという)を含有せしめ、DH
AやEPAの有する生理活性効果を付与し、かつ魚油特
有の臭気をマスキングした発酵乳の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】DHAやEPAは多価不飽和脂肪酸の一
種であって、マグロの脂身、イクラ、ブリ、サバ、サン
マ、ウナギ、マイワシ、ニジマス、サケ、アジ等の魚類
の油脂(以下魚油という)中に多く含まれている。これ
らの魚油に含有するDHAやEPAは、生理活性効果と
して血小板凝集抑制作用、血中中性脂肪酸低下作用、血
中VLDL及びLDLコレステロール低下作用等を有し
ていて、動脈硬化性疾患の予防及び治療効果を有するこ
と、またDHAが欠乏すると記憶学習能が低下すること
も知られている。このようにDHAやEPAには多くの
生理活性効果があるが、一方DHAやEPAを含有する
魚油には、特異な臭気があり、DHAは1分子中に22個
の炭素と6個の二重結合を持ち、またEPAは1分子中
に20個の炭素と5個の二重結合を持っていることから極
めて酸化され易く、風味の劣化が起こって不快な臭いや
味を呈するようになることも知られている。
【0003】このためDHAやEPAを含有する魚油を
食品として利用する場合、臭気あるいは酸化を防止する
目的で種々な手段が講じられている。例えば臭気を防止
する方法としてDHAやEPAを含有する油脂にライム
フレーバーを含有せしめてマスキングする方法(特公昭
60-18382号公報)、また酸化を防止するためにDHAや
EPAを含有する油脂をアイスクリームに配合する方法
(特開昭63-216435 号公報)あるいはカプセル内に封じ
込めた後チューイングガム、チョコレート、キャラメル
又はキャンディーに含有させる方法(特公平 2-51589号
公報)やマーガリンに含有させる方法(特開平2-203741
号公報) 、更には栄養補助食品として利用する方法(特
開昭59-82070号公報、特開昭 61-126016号公報) 等が提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た臭気マスキング方法にあっては、その効果が充分に期
待することができないため、摂取にあたってかなりの不
快臭や異味を伴うものであり、また酸化防止方法でアイ
スクリームに配合したものは、アイスクリーム自体を冷
凍保存することから酸化に対する保存性は高まるもの
の、摂取にあたっては魚油臭が直接的に不快臭や異味と
して感じられるという問題がある。更には、カプセル内
に封じ込めたものにあっては、カプセルを噛み砕いたと
きにやはり不快臭を避けることができないという問題が
あって、これらの問題は完全に解決されるまでに至って
いないのが現状である。また上記したこれらの食品は、
健康維持あるいは健康増進のために特別食として摂取し
なければならないという問題もある。従って本発明は、
日常食としてDHAやEPAが摂取でき、かつ不快臭や
異味がないDHA及び/又はEPA含有食品を提供する
ことを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、DHA及び/又は
EPAを含有する魚油を発酵乳に含有せしめることによ
り、魚油特有の不快臭がマスキングされて日常食として
DHAやEPAの摂取を可能にし、かつDHAやEPA
のもつ生理活性効果を発酵乳に付与できるとの知見を得
て、本発明を完成したものである。本発明はこのDHA
及び/又はEPAを含有する発酵乳を製造するにあた
、原料乳又はミックスにドコサヘキサエン酸及び/又
はエイコサペンタエン酸を含有する魚油を配合して乳酸
菌及び/又は酵母で発酵させるか、もしくは原料乳又は
ミックスを乳酸菌及び/又は酵母で発酵させた後、該発
乳にドコサヘキサエン酸及び/又はエイコサペンタエ
ン酸を含有する魚油を配合することを特徴とする発酵乳
製造方法である。そして、発酵乳に対するDHA及び
/又はEPAの含有量は0.01〜0.4 重量%とすることが
好ましい。
【0006】本発明における発酵乳とは、乳を主原料と
して乳酸菌及び/又は酵母で発酵させたものであって、
発酵乳、乳酸菌飲料が例示できる。そしてこれらの発酵
乳にDHA及び/又はEPAを含有せしめる製造方法と
しては、まず常法に従って発酵乳の成分構成により原料
乳の無脂乳固形率や脂肪率を調整する。そしてこれに嗜
好により砂糖やフレーバー等を添加し、更にはゼラチン
や寒天等の安定剤を加えてミックスを調製する。この原
料乳又はミックスを調製する際にDHA及び/又はEP
Aを含有する魚油を最終製品中でDHA及び/又はEP
Aの含有率が0.01〜0.4 重量%になるように配合する。
配合する魚油は、DHA又はEPAそれぞれ単独で含有
しているものでも、あるいは両者が一緒に混在している
ものでもよく、精製魚油あるいは含有率を高めた濃縮物
を使用することができる。ここでDHA及び/又はEP
Aの配合量が0.01重量%以下では、前記した生理活性効
果を期待することができず、一方 0.4重量%以上になる
と、発酵乳が有する発酵臭でも魚油臭をマスキングする
ことが困難となり、食品として不適当である。
【0007】次に上記のように調製したミックスを殺菌
して冷却後乳酸菌及び/又は酵母を加えて遮光性の容器
に分注して発酵する。このミックスを発酵するのに用い
られる乳酸菌あるいは酵母は、特に限定されるものでは
なく、乳酸菌としてはラクトバチルス・ブルガリクス
(L.bulgaricus) 、ストレプトコッカス・サーモフイル
ス (S.thermophilus) 、ラクトバチルス・ユーグルティ
(L.jugurti)、ストレプトコッカス・ダイアセチラクテ
ィス (S.diacetylactis)等があり、また酵母としてはサ
ッカロミセス・セレビジエ (S.cerevisiae) 、サッカロ
ミセス・エリプソイディス (S.ellipsoideus) 等が例示
でき、その他ビール酵母あるいはパン酵母等も利用可能
である。そしてこれらの乳酸菌や酵母の一種または二種
以上を混合して利用する。
【0008】上記の方法では、発酵乳の原料乳又はミッ
クスにDHA及び/又はEPAを含有する魚油を配合し
た後、発酵して発酵乳としたが、本発明では原料乳又は
ミックスを調製後、乳酸菌及び/又は酵母によって発酵
させ、この発酵乳に魚油を配合してDHA及び/又はE
PAの含有量が上記範囲になるように含有せしめる方法
でもよく、そしてこのDHAやEPA含有発酵乳を遮光
性容器に分注する。この方法によっても不快臭のないD
HAやEPA含有発酵乳を得ることができる。そしてこ
れらの発酵乳が有する発酵臭に更にレモンフレーバー等
を加えることによりマスキング効果をより高めることも
可能である。このように本発明は、発酵乳の発酵臭でD
HA及び/又はEPAを含有する魚油の不快臭をマスキ
ングすることによって、各種の生理活性効果を有するD
HAやEPAを日常食として摂取することができるよう
にしたものである。
【0009】
【発明の効果】従来、魚油に含有するDHAやEPAを
摂取するには、健康食品としてあるいは栄養補助食品と
して、健康維持あるいは健康増進のために特別食として
摂取するものが多く、特に魚油特有の不快臭や異味が完
全に抑制されていないため食品として美味しく摂取する
という感覚からは程遠いものであった。しかし、本発明
のDHA及び/又はEPAを含有する魚油を配合した発
乳は、発酵臭により魚油特有の臭気がマスキングされ
て不快臭や異味がなく、かつ発酵乳本来の風味が損なわ
れていないので美味しく日常食として継続的に摂取で
き、DHAやEPAの有する生理活性効果が最大限に生
かされるという効果がある。
【0010】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。まず、DHAを20重量%、EPAを5重量%含有す
る魚油を発酵乳に配合したときに、どの程度の配合量で
魚油臭が発現するか、またマスキング効果についてレモ
ンフレーバーとの比較においてどの程度有効かを実験例
で示す。
【0011】実験例に用いたDHA及びEPA含有発酵
乳の調製。生乳30kgに脱脂粉乳8kg、無塩バター3kg、
熱水に溶解したゼラチン300g、寒天150gを混合したミッ
クスを、7個の遮光性容器に分注した。この容器に分注
したミックスにDHAを20重量%、EPAを5重量%含
有する魚油を0(コントロール) 、0.2 、0.5 、1.0 、
1.5 、2.0 、2.5 重量%、それぞれ配合して混合した。
そして均質、殺菌、冷却保持後、サッカロミセス・セレ
ビジエ (S.cerevisiae) からなる酵母スターター0.5 重
量%と、ストレプトコッカス・ダイアセチラクティス
(S.diacetylactis)からなる乳酸菌スターター2重量%
を接種し、28℃で15時間培養して発酵乳を得た。
【0012】この得られた発酵乳を10人のパネラーに試
食させ、魚油臭についての有無を確認し、そのまとめた
結果を表1に示す。表1は発酵乳に対する魚油の配合量
の相違による魚油臭の有無を示す。表中、%は重量%を
示す。
【0013】
【表1】
【0014】註1)上記表中魚油臭の有無の評価は、 ◎は10人中 9人以上が全く魚油臭を感じないと答えたも
の。 ○は10人中 7人以上が全く魚油臭を感じないと答えたも
の。 △は10人中 5人以上が魚油臭を感じると答えたもの。 ×は10人中 8人以上が魚油臭を感じると答えたもの。 魚油の配合量が 1.0重量%(DHAの含有量20重量%、
EPAの含有量5重量%)のときのマスキング効果を無
発酵乳と発酵乳及びレモンフレーバーを配合した場合と
で比較した。その結果を表2に示す。表2は無発酵乳と
発酵乳及びレモンフレーバーのマスキング効果の比較を
示す。表中、%は重量%を示す。
【0015】
【表2】
【0016】註2)魚油臭の有無の評価については、表
1と同じである。 表1から明らかなように発酵乳の発酵臭で、魚油臭を有
効的にマスキングでき、また表2からレモンフレーバー
より発酵乳の方が効果的であることが判る。次に本発明
のDHA及びEPAを含有する魚油を配合した発酵乳の
製造方法について実施例をあげて説明する。
【0017】実施例1 生乳30kgに脱脂粉乳8kg、無塩バター3kg、DHA20重
量%、EPA5重量%を含有する精製魚油(植田製油
(株) 製、精製魚油TS(商品名))400gを分散溶解した
ものに、熱水に溶解したゼラチン300g、寒天150gを混合
し、ミックスを調製した。このミックスを均質、殺菌・
冷却保持後、サッカロミセス・セレビジエ(S.cerevisia
e) からなる酵母スターター0.5 重量%と、ストレプト
コッカス・ダイアセチラクティス (S.diacetylactis)か
らなる乳酸菌スターター2重量%を接種し、遮光性容器
に充填して28℃で15時間培養して発酵乳を得た。得られ
た発酵乳を5℃で冷蔵した。2週間保存しても、魚油臭
の発生は認められなかった。
【0018】実施例2 脱脂粉乳8kg、無塩バター3kg、DHA20重量%、EP
A5重量%を含有する精製魚油(植田製油 (株) 製、精
製魚油TS(商品名))500gを温水75kgに溶解混合し、更
に砂糖9kg、ゼラチン120g、寒天100gを溶解混合しミッ
クスを調製した。このミックスにレモンフレーバー100g
を添加して均質、殺菌・冷却保持後、ラクトバチルス・
ブルガリクス (L.bulgaricus) とストレプトコッカス・
サーモフイルス (S.thermophilus) からなる乳酸菌スタ
ーター5重量%を接種し、遮光性容器に充填して40℃で
pHが4.2 になるまで培養して発酵乳を得た。得られた
発酵乳を10℃で冷蔵した。2週間保存しても、魚油臭の
発生は認められなかった。
【0019】実施例3 生乳30kgに脱脂粉乳8kg、無塩バター3kg、を分散溶解
したものに、熱水に溶解したゼラチン300g、寒天150gを
混合しミックスを調製した。このミックスを均質、殺菌
・冷却保持後、サッカロミセス・セレビジエ (S.cerevi
siae) からなる酵母スターター0.5%と、ストレプトコ
ッカス・ダイアセチラクティス (S.diacetylactis)から
なる乳酸菌スターター2重量%を接種し、タンク内で28
℃で15時間培養して発酵乳を得た。得られた発酵乳にD
HA20重量%、EPA5重量%を含有する精製魚油(植
田製油 (株) 製、精製魚油TS(商品名))400gを加え攪
拌混合した後、遮光性容器に充填して5℃で冷蔵した。
2週間保存しても、魚油臭の発生は認められなかった。
【0020】実施例4 脱脂粉乳2kg、砂糖8kg、異性化糖8kg、安定剤300gを
温水70kgに溶解し、クエン酸100g、着色料、香料を適量
添加後、殺菌、冷却した。これにDHA 0.5重量%を含
む脱脂粉乳12重量%溶液をラクトバチルス・ユーグルテ
ィ (L.jugurti)で培養したスターター10kgを混合し、均
質、冷却した。遮光性容器に充填して乳製品乳酸菌飲料
を得た。得られた乳製品乳酸菌飲料を5℃で2週間冷蔵
保存しても魚油臭の発生は認められなかった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドコサヘキサエン酸及び/又はエイコサ
    ペンタエン酸を最終製品に対し0.01〜0.4重量%
    含有する発酵乳を製造するに当たり、原料乳又はミック
    スにドコサヘキサエン酸及び/又はエイコサペンタエン
    酸を含有する魚油を配合して乳酸菌及び/又は酵母で発
    酵させるか、もしくは原料乳又はミックスを乳酸菌及び
    /又は酵母で発酵させた後、該発酵乳にドコサヘキサエ
    ン酸及び/又はエイコサペンタエン酸を含有する魚油を
    配合することを特徴とする発酵乳の製造方法。
JP04264141A 1992-09-08 1992-09-08 多価不飽和脂肪酸含有発酵乳の製造方法 Expired - Lifetime JP3128635B2 (ja)

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