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JP3126987U - 三次元可撓性面ファスナー - Google Patents

三次元可撓性面ファスナー Download PDF

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JP3126987U JP2006007158U JP2006007158U JP3126987U JP 3126987 U JP3126987 U JP 3126987U JP 2006007158 U JP2006007158 U JP 2006007158U JP 2006007158 U JP2006007158 U JP 2006007158U JP 3126987 U JP3126987 U JP 3126987U
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藤田  明
裕 伊藤
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Abstract

【課題】平面的な柔軟性のみならず、三次元的な可撓性をもつ面ファスナーを提供する。
【解決手段】柔軟な線状芯体に面ファスナーテープをらせん状に巻回し、該線状芯体と該面ファスナーテープを接合してなる面ファスナーであって、該面ファスナーテープが線状芯体上に間隙をあけてらせん状に巻回されている三次元可撓性面ファスナー。
【選択図】 図2

Description

本考案は面ファスナーに関し、さらに詳しくは三次元可撓性、すなわち屈曲性に優れた面ファスナーに関する。
面ファスナーは係止部材として広く使用されているが、小片やテープの形状で使用されることが多い。これらの形状の面ファスナーは平面的には可撓性であるが、三次元的可撓性をもつことはできない。
面ファスナーが多くの用途に使用されるにつれて、衣類、自動車用シートカバーなどの複雑な形状に追随して係止する要求が高まっている。衣類やシートカバーなどにボタンの代替としての使用でなく、長い線状の係止部材として面ファスナーが使用される場合、複雑な形状に追随できる三次元的可撓性を持つ面ファスナーが求められている。
かかる三次元的可撓性の面ファスナーは、特開平7−186160号公報に開示されており、すなわち、断面が円形またはそれに近い形状の棒状物あるいはチューブ状物を芯素材とし、その外周面に面ファスナーテープをらせん状や芯素材長手方向に並べて、または円周方向に並べて接着して得られるものである。同公報に記載された、面ファスナーテープを芯体にらせん状に巻回した構造においては、巻回されるらせん状の面ファスナーテープは隙間なく巻回されている。上記の技術で得られる面ファスナーはかなりの屈曲性を有するが、まだ十分な三次元的可撓性を有しない。
特開平7−186160号公報(0016段落及び図3)
本考案は、多くの用途に用いることが可能な、特に三次元的可撓性に優れた面ファスナーに関するものであり、三次元的な可撓性を持つとともにある程度の伸縮性をも有することから、衣類、シートカバーなど、複雑な形状に追随させ係止することを求められる分野や簡便で伸縮性が求められる結束分野へ新しい係止部材を提供することができる。
すなわち、本考案は、柔軟な線状芯体に面ファスナーテープをらせん状に巻回し、該線状芯体と該面ファスナーテープを接合してなる面ファスナーであって、該線状芯体がJIS硬度A90以下であるプラスチックスからなり、該面ファスナーテープが線状芯体上に間隙をあけてらせん状に巻回されている三次元可撓性面ファスナーである。
そして、好ましくは、該線状芯体がJIS硬度A90以下であるプラスチックスからなる場合であり、また、上記三次元可撓性面ファスナーにおいて、該面ファスナーテープのらせん間の間隙部分の面積と面ファスナーテープの面積比が1:1〜1:10の範囲である場合であり、また、該線状芯体の剛軟度が、ハンドルオメーター法による測定数値で2N以下である場合であり、そして、線状芯体に巻回される面ファスナーテープが、フック面ファスナー、ループ面ファスナーおよびフック・ループ混在型面ファスナーからなる群から選ばれる1種または2種以上の面ファスナーテープである場合であり、更に、該線状芯体が中空部を有し、その中空部にケーブルが挿通されている場合である。
本考案による面ファスナーは、それ自体が、上記先行文献に記載された三次元可撓性を有する面ファスナーよりも一層可撓性に優れ、かつ棒状の形状を有している。例えば、面ファスナーとしてフック面ファスナーを表面に持つ本考案の面ファスナーは、ループ部材として機能する布帛張りの壁、カーペット床などに任意の形状で係止し、その上に、目的とする部材、例えば装飾用部材や表示用部材などの裏面にループ面ファスナーを一体化したものを係止することができる。装飾用部材や表示用部材が円形や複雑な形状であっても、その形状に合わせて本考案の面ファスナーを屈曲させて配置できることから、上記付設部材を容易にかつ十分に係止することができる。従来のテープ状面ファスナーや小片の面ファスナーでは、複雑な形状の付設部材の輪郭に合わせて、多くのテープ状の面ファスナーを付設するので、その作業は手間がかかり不便であるのに対して、本考案の面ファスナーはそのような不便さが解消される。
自動車用シートカバーの係止部材として使用する場合、シートクッションが三次元的に複雑な形状であると、従来のテープ状面ファスナー部材では、三次元的可撓性がないために、クッションの形状に追随できず、クッションカバー材をクッションに密着して係止することができなかった。本考案の面ファスナーは、柔軟で三次元的可撓性をもつから、複雑な形状のクッション側に設けた係止部材に対応したカバー部材を容易に準備することができ、デザイン性に優れた高品位のシートを製造することができる。
さらに、本考案の面ファスナーをフック面ファスナーとループ面ファスナーの併用、またはフック・ループ混在型面ファスナーとすると、本考案の面ファスナーを曲げてその表面を接触させれば自己係合するから、伸縮性の結束体として使用することもできる。
さらに、中空部を有する線状芯体を用いた場合には、その中空部にケーブル等を挿通させ、フック面ファスナーを巻回す場合には、室内のループカーペット上におけるケーブルの位置固定が容易にできる。また、中空部を設けることにより、本考案面ファスナーのコロコロ感を低減することができる。
以下、図面により本考案を説明する。
図1は本考案の一例を示す面ファスナーの平面図である。本考案による面ファスナー1は、柔軟性ある線状芯体2の表面に面ファスナーテープ3がらせん状に巻回されており、そして、両者は、接着または融着などで接合されている。面ファスナーテープ3は芯体2上に間隔をおいて(図1に示す4)、らせん状に巻回されている。上記の特許文献1に記載される可撓性の棒状面ファスナーでは、芯体に隙間なく面ファスナーテープが巻回されているので、該面ファスナーを曲げようとすると、芯体に比して硬質な面ファスナーテープが抵抗となり、その屈曲性はきわめて低い。
図2は、図1の面ファスナーを丸く曲げた状態を示す平面図である。図2に示すように、本考案の面ファスナー1は、芯体のらせん状の面ファスナーテープ間に間隙4があるので、曲げた場合に面ファスナーテープ3が抵抗とならず、芯体の柔軟性に応じて、十分な屈曲性をしめす。該面ファスナーは2次元的屈曲に限らず、三次元的に屈曲することができる。特許文献1に示す面ファスナーは、らせん状に巻回した面ファスナーテープ間に間隙がないため、平面的にも図2のように曲げることは難しい。なお、図2は、らせん状に巻きつける面ファスナーとして、ループ面ファスナーとフック面ファスナーを交互に配した場合であり、このような構造とすることにより、自己係合性や被係合物がフック面のみを有している場合とループ面のみを有している場合の両方に対応できることとなる。
本考案を構成する柔軟な線状芯材としては、熱可塑性エラストマーおよび架橋ゴムなど、あらゆる柔軟性可撓性プラスチックスが材質として用いられる。例えば、オレフィン・スチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリエーテル系エラストマー、アクリル系エラストマー、可塑化された塩化ビニル樹脂、天然ゴム、合成ゴムなどは好ましい例である。芯体と面ファスナーテープを効率的に連続的に一括成形する場合、溶融押出時の熱を利用し融着によって面ファスナーテープを芯体に接合することが望ましく、このことから熱可塑性エラストマーが好適な芯体の材質である。さらに、線状の発泡樹脂を用いることも可能である。発泡させることにより柔軟性及び可撓性が得られる。
本考案で使用される芯体の断面形状は、円、楕円、正方形、長方形、多角形、台形、またはそれらの中空型(チューブ)を含む。なお、断面形状が楕円や長方形の芯体は、その三次元的可撓性が損なわれない範囲で、長辺と短片の比を選ぶ必要がある。断面形状が扁平に近づくと芯体の可撓性は低下する。
本考案で使用される芯体の断面形状が中空型の場合は、三次元的可撓性フック面ファスナーの中空部に光ファイバーケーブル等を挿通させておくことにより、ループ機能を有する床面、壁面等にケーブル等を傷つけることなく任意に簡便に配置固定することが可能となる。中空型の芯体の製造時にケーブル等を一体化することも可能である。また、中空部を設けることにより、上記載したように、芯材のコロコロ感が低減され、例えば衣類等に用いた場合の異物感が低減することとなる。更に、必要により該中空部に熱媒や冷却媒を流すことにより、床暖房や床冷房の部材として使用することもできる。
芯体はJIS硬度A90以下の硬度を有するのが好ましい。より好ましくはA80以下の硬度の材質である。A90以上の硬度の芯体では十分な三次元的可撓性の面ファスナーを製造することが困難である。芯体硬度はJIS A硬度計により、本考案に使用する芯材を測定する。
また、芯体は2N以下の剛軟度を有するのが好ましい。より好ましくは1N以下である。2N以上では高度の可撓性を有する面ファスナーにならない。芯体剛軟度は、JIS L 1096に記載されているハンドルオメーター型試験機を用いて、スロット幅を60mmにして測定する。ハンドルオメーター型試験機による剛軟度は、使用する芯体の形態で測定されるから、実際の面ファスナーの柔軟性を評価する場合に好ましい。一方。JIS硬度は使用する芯材用プラスチック材料の選定上において重要なファクターである。
芯体の太さは必要に応じて適宜選択できるが、断面円形の場合、直径約1mmから10mmが好適に使用できる。直径1mm以下では、面ファスナーの巻回し作業効率が悪く、また、10mm以上ではJIS硬度がA90以上となり、適切な可撓性が得られにくい。より好ましくは、直径2mm〜8mmの範囲である。また中空部の断面積は、芯体断面積の5〜80%が好ましい。もちろん、中空部は芯材断面中に1個存在している場合でも、2個以上の多中空部を有している場合でもかまわない。芯体の断面形状が円形以外の場合には、円形断面の断面積に相当する断面積が好適範囲である。
本考案を構成する面ファスナーテープは、基板上に係合素子が一体成形で立設された成形面ファスナー、および編織成された基布上に係合素子が立設された布製面ファスナーのいずれでも使用できる。該面ファスナーはフック面ファスナー、ループ面ファスナー、またはフック・ループ混在型面ファスナーの1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。フック面ファスナーは、かぎ状係合素子、キノコ型係合素子、矢じり型係合素子などが立設した面ファスナーである。ループ面ファスナーは、ループ状繊維が基布に立設した布製ループ面ファスナー、ナップ処理された不織布、波状繊維束が基板に接着された成形ループ面ファスナーなどを含む。フック・ループ混在型面ファスナーは同一基布上に、フック状係合素子とループ状係合素子を併有する面ファスナーであり、フック状係合素子がループ状係合素子とほぼ同じ高さ、またはフック状係合素子がループ状係合素子よりわずかに低い構造の面ファスナーが好適に使用される。各係合素子の形状、密度などは、目的により適宜選択される。これらの面ファスナーテープは市販品から容易に入手することができる。
柔軟な線状芯体と面ファスナーテープの材質組み合わせの好適例としては、オレフィン・スチレン系エラストマーによる柔軟芯材に対し、ポリプロピレン、ポリエチレンに代表されるオレフィン系樹脂による面ファスナーテープの組み合わせが、融着性および汎用性の面から挙げられる。さらに、係合耐久性および引張強度を一層向上させる場合においては、ポリウレタンエラストマーからなる柔軟芯体に対し、ポリアミド樹脂による面ファスナーテープの組み合わせが好ましい。
また、繊維材として汎用的なポリエステル繊維による面ファスナーテープを用いる場合は、変成ポリオレフン系ホットメルト層や変性ポリエステル系ホットメルト層を柔軟芯体の外層に設けることが、適切な一体化技術である。
また、本発明において、芯体にらせん状に巻きつける面ファスナーの幅としては、2〜6mmの範囲が好ましい。幅が2mm未満の場合には、らせん状にファスナー面を外側にして巻きつける操作が難しく、一方、幅が6mmを超える場合には、必然的に設けた間隔の数が少なくなり、均一な可撓性が得られなくなる。
図1および図2に示すように、本考案の面ファスナーは、面ファスナーテープ3を芯体2上に間隙4を設けつつらせん状に巻回して構成されるが、該間隙の比率は、間隙と面ファスナーテープの面積比が1:1〜1:10の範囲にあることが望ましく、さらに好ましくは1:3〜1:8の範囲である。該面積比が1:1未満であると本考案面ファスナーの可撓性は優れるが、面ファスナーテープ即ち係合素子領域の面積が少なく十分な係合力をもつことができない。該面積比が1:10を超えると、面ファスナーの係合力は高いが、間隙が少ないことにより十分な三次元的可撓性が得られない。
本考案において、上記面積比は以下の方法により測定される。
本考案の三次元的可撓性面ファスナーを無張力状態で直線状に配置し、真上から写真撮影し、面ファスナー部の面積及び隙間部の面積を測定し、面積比率を測定する。
本考案の面ファスナーは、押出機より吐出された線状芯体が、引き取り方向に延伸され、所定の断面形状になった後、面ファスナーテープを延伸方向にそった方向にボビンなどから順次供給しつつ、芯体外周面にらせん状に巻回して、融着するか接着剤を付与しつつ接合する方法により製造することができる。芯体上の間隙は面ファスナーテープの巻回らせん角度により調整するこ
とができる。
次に実施例により本考案を説明するが、この実施例により何ら制限を受けるものではない。
実施例1
芯径3mm、JISA硬度70度、スチレン系熱可塑エラストマー(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体を水素添加したもの)の柔軟な、断面が円形の線状芯体に対し、巾3mmの全PP製フック面ファスナーテープ(基板厚さ50ミクロン)を、芯体押出時に0.5mmの間隙を設けながらラセン巻回して融着し、フック面ファスナー係合部材を得た。この間隙と面ファスナーテープの面積比は1:5であった。
比較例1
芯体押出時に、間隙なくラセン巻回して融着した以外は、実施例1と同様にしてフック面ファスナー係合部材を作製した。
実施例1と比較例1のフック面ファスナー係合部材の、最少曲げ半径を測定すると、実施例1の係合部材は2.0mmであり、比較例1の係合部材は18.3mmであり、実施例1のものが可撓性で比較例のものよりもはるかに優れていることが分かる。
本考案の1例を示す面ファスナーの平面図。 図1の面ファスナーを丸く曲げた状態を示す平面図。
符号の説明
1:面ファスナー
2:芯体
3:面ファスナーテープ
4:間隙

Claims (6)

  1. 柔軟な線状芯体に面ファスナーテープをらせん状に巻回し、該線状芯体と該面ファスナーテープを接合してなる面ファスナーであって、該面ファスナーテープが線状芯体上に間隙をあけてらせん状に巻回されている三次元可撓性面ファスナー。
  2. 線状芯体がJIS硬度A90以下であるプラスチックスからなる請求項1に記載の三次元可撓性面ファスナー。
  3. 該面ファスナーテープのらせん間の間隙部分の面積と面ファスナーテープの面積比が1:1〜1:10の範囲である請求項1又は2に記載の三次元可撓性面ファスナー。
  4. 該線状芯体の剛軟度が、ハンドルオメーター法による測定数値で2N以下である請求項1〜3のいずれかに記載の三次元可撓性面ファスナー。
  5. 線状芯体に巻回される面ファスナーテープが、フック面ファスナー、ループ面ファスナーおよびフック・ループ混在型面ファスナーからなる群から選ばれる1種または2種以上の面ファスナーテープである請求項1ないし4のいずれかに記載の三次元可撓性面ファスナー。
  6. 該線状芯体が中空部を有し、その中空部にケーブルが挿通されてなる請求項1ないし5のいずれかに記載の三次元可撓性面ファスナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013158646A (ja) * 2012-02-01 2013-08-19 Taiwan Paiho Ltd 発泡物品に用いられる面ファスナにおけるフック部材、それを含む発泡物品、及びその製造方法
JP2015087435A (ja) * 2013-10-29 2015-05-07 クラレファスニング株式会社 立看板

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