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JP3113804B2 - レーザ加工装置、レーザ加工方法、およびダムバー加工方法 - Google Patents

レーザ加工装置、レーザ加工方法、およびダムバー加工方法

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Publication number
JP3113804B2
JP3113804B2 JP07265401A JP26540195A JP3113804B2 JP 3113804 B2 JP3113804 B2 JP 3113804B2 JP 07265401 A JP07265401 A JP 07265401A JP 26540195 A JP26540195 A JP 26540195A JP 3113804 B2 JP3113804 B2 JP 3113804B2
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Japan
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light
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義昭 下村
直毅 三柳
義也 長野
信也 奥村
茂行 桜井
泰 美野本
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00

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  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)
  • Lasers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所望の加工位置を
高速で加工することができるパルスレーザ加工装置及び
パルスレーザ加工方法、さらにICパッケージのダムバ
ーを切断するダムバー加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パルス状のレーザ光(以下、パルスレー
ザ光という)を利用した加工としては、切断、穴あけ、
溶接等の加工方法が機械、電子、半導体装置などの多方
面の分野の製造過程で利用されている。従来のレーザ加
工装置の構成を図8及び図9を参照しながら説明する。
【0003】従来のパルスレーザ加工装置は、図8にそ
の一例を示すように、レーザヘッド31、加工光学系3
2、レーザ電源33、被加工物であるワーク40を搭載
し水平面内(XY平面内)に移動可能なXYテーブル4
1、レーザヘッド31及び加工光学系32を上下方向
(Z軸方向)に移動させるZテーブル42、XYテーブ
ル41の水平面内の移動動作とZテーブル42の上下方
向の移動動作とパルスレーザ光の発振動作を自動または
手動で制御するメインコントローラ43を備える。な
お、レーザヘッド31およびレーザ電源33はレーザ発
振器30を構成する。
【0004】また、レーザ電源33は、図示しないレー
ザコントローラ、安定化電源、コンデンサ部及びスイッ
チ部等から構成される。レーザコントローラから指令さ
れた電圧値に従って、供給された交流電源が安定化電源
により直流に変えられ、コンデンサ部に供給され、コン
デンサ部に蓄積された電荷がスイッチ部を介してスイッ
チ部の所定の開閉タイミングに基づきレーザヘッド部の
図示しない励起ランプに放電される。前記スイッチ部の
開閉はレーザコントローラからパルス幅及びパルス周波
数を指令するトリガ信号に従って行われる。以上のよう
にして、レーザヘッド31よりパルスレーザ光が射出さ
れる。
【0005】また、レーザヘッド31には図示しないビ
ームシャッタが内蔵されており、このビームシャッタが
開閉することによって、ワーク40へのパルスレーザ光
の照射を制御する。すなわちワーク40を加工する場合
には上記ビームシャッタを開き、加工しない場合には上
記ビームシャッタを閉じる。このビームシャッタの開閉
動作時間は100〜300msec程度であり、その制
御は前述のレーザコントローラから行うが、前記メイン
コントローラ43からレーザコントローラを介して行う
ことも可能である。
【0006】上記のようなパルスレーザ加工装置を用い
て、例えばICパッケージのダムバーの除去を行う場合
を説明する。図9(a)はICパッケージの平面図、図
9(b)は図9(a)のB部の拡大図である。図9
(b)に示すように、ダムバー2は、ICに使用される
リードフレームのピン(以下、リードともいう)を連結
しており、ICのモールド時にレジンをせき止める役割
と、リードフレームのピンを補強する役割を持ち、製造
過程の最後に除去される部分である。前記ダムバー2を
パルスレーザ光で除去する加工手順を、図9(b)のK
点の除去(切断)が終了し、続いてL点の加工(除去)
を行う場合を例にとって説明すると、以下のようにな
る。
【0007】(1)XYテーブル41により、ワーク4
0上へのパルスレーザ光の照射位置を図9(b)中K点
からL点の方向(X軸の方向)に移動させる。 (2)L点で位置決めし、XYテーブル41を停止す
る。 (3)ビームシャッタを開く。 (4)パルスレーザ光を照射してL点のダムバーを除去
する。 (5)ビームシャッタを閉じる。 以上(1)から(5)の加工手順を繰り返すことによ
り、図9(a)に示すICパッケージの4辺にあるダム
バー2を順次除去していく。このとき、XYテーブルの
移動及び停止、ビームシャッタの開閉は、メインコント
ローラ43に予め入力したプログラムに従って実行され
る。また、この間、パルスレーザ光は常時パルス状に発
振するか、またはビームシャッタの開いたのと同期して
発振し、これらの制御は前述のレーザコントローラで行
われる。
【0008】なお、上記のようなダムバーの除去に用い
て好適なレーザ加工装置またはレーザ加工方法に関する
従来技術としては、例えば特開昭56−9090号公報
や特開平4−41092号公報に記載されたものがあ
る。前者の特開昭56−9090号公報に記載の方法
は、加工速度(XYテーブルの移動速度)の変化にレー
ザ光の発振を対応させ均一にレーザ光を照射させるもの
であり、後者の特開平4−41092号公報に記載の装
置は、予め記憶しておいた複数の加工位置情報とXYテ
ーブルの移動量との比較結果に応じてレーザ光のON/
OFFや照射タイミングを制御するものである。
【0009】さらに、加工位置が等間隔である場合のみ
ならず等間隔でない場合にも所望の加工位置を高速で加
工することができるレーザ加工装置およびレーザ加工方
法として、特開平6−81876号公報に記載のものが
ある。この従来技術では、加工位置近傍における被加工
物の有無を検出して対応する検出信号を発生する検出手
段と、その検出信号に基づいて矩形波信号を発生する矩
形波信号発生手段と、その矩形波信号に基づいたタイミ
ングでパルスレーザ光が照射されるようパルスレーザ光
の発振を制御する制御手段とを備えたレーザ加工装置が
開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記ICパッケージの
ダムバーの寸法は幅0.1〜0.3mm程度、厚さ0.
15mm程度であるので、ダムバーを除去する場合には
レーザ光の1パルスで十分除去可能である。従って、実
際の加工に要する時間はパルスレーザ光のパルス幅の時
間に相当し、0.1〜1msec程度である。ところ
が、前述の(1)〜(5)の加工手順においてはビーム
シャッタの開閉動作時間である200〜600msec
とテーブルの移動時間とにより、一つのダムバーを除去
するために1sec程度の時間を費やし、ダムバーの切
断個数やICパッケージの製造個数を考慮すると加工時
間がかかり過ぎることになる。
【0011】また、一般的にピン(リード)のピッチは
等ピッチであることが多いが、リードフレームの製造誤
差や、レジンでモールドする時の温度履歴による歪み
や、ハンドリングによる外力などで変形し、ダムバーの
除去時には必ずしも等ピッチになっていない場合があ
る。前述の(1)〜(5)で説明したダムバー除去方法
では、ダムバーを除去する箇所をプログラムとして予め
メインコントローラに登録しておくが、この方法では上
記ピンが等ピッチになっていないことには対応できず、
さらに製造誤差や変形が累積して誤差が増大するような
最悪の場合には、残しておくべきリードフレームの部分
にダメージを与える可能性もある。
【0012】また、特開昭56−9090号公報に記載
された従来技術をダムバーの除去に応用する場合、均一
にレーザ光を照射させるため、ピンが等ピッチでなく不
規則な配列になってしまった時には対応できず、上記と
同様の問題が生じる。さらに、特開平4−41092号
公報に記載された従来技術を応用する場合、予め記憶
(想定)した所定の形状に従う制御しかできないため、
やはりピンが不規則な配列になってしまった時には対応
できず、同様の問題が生じる。
【0013】これに対し、特開平6−81876号公報
に記載の従来技術によれば、加工位置が等間隔である場
合のみならず等間隔でない場合にも所望の加工位置を高
速で加工することができるため、ピンが等ピッチでなく
不規則な配列になった場合でもダムバーの除去にある程
度対応できる。しかしながら、レーザ加工時には溶融飛
散物(スパッタ)がリード表面に付着するため、特開平
6−81876号公報に記載の従来技術をダムバーの除
去に応用する場合、リード表面に付着した溶融飛散物に
よって検出光の反射光が散乱され、リード部からの反射
光量が減少し、あたかもリードのエッジ部を通過した、
即ちリードの存在しないスリット部に突入したと誤認し
て加工用のパルスレーザ光の誤照射をしてしまう可能性
がある。
【0014】つまり、検出光の反射光に対応する検出信
号に基づいて矩形波信号発生手段で矩形波信号を発生す
る時に、リード表面に付着した溶融飛散物に起因する検
出信号の変化、即ち検出信号のレベルの低下が矩形波信
号発生のためのしきい値よりも大きい場合は問題ない
が、それが所定のしきい値より小さくなる場合には、出
力される矩形波信号はリードのエッジ部だけでなくリー
ド表面に飛散した溶融飛散物にも同期して発生してしま
う(誤検出してしまう)ため、この誤検出した矩形波信
号によってもパルスレーザ光が発振(誤発振)されてし
まう。従って、所定のレーザ加工位置以外の誤った位置
にも誤照射が行われレーザ加工が施されてしまうという
不具合が生じる。
【0015】本発明の目的は、加工位置が等間隔である
場合のみならず等間隔でない場合にも被加工物が存在す
る所望の加工位置を高速で加工することができると共
に、レーザ加工に伴って生じる溶融飛散物に基づいて不
必要にレーザ加工が施されることがないレーザ加工装置
及びレーザ加工方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、トリガ信号に基づいて、パルス状
のレーザ光を発振するレーザ発振器と、前記レーザ光を
被加工物の加工位置まで誘導する加工光学系と、前記被
加工物を移動させその加工位置を決定する搬送手段とを
備えるレーザ加工装置において、前記加工位置近傍にお
ける被加工物の有無を検出するための検出光を発生する
検出光源と、前記加工位置近傍からの前記検出光の反射
光を検出しその反射光に対応する検出信号を発生する検
出手段と、パルス状のレーザ光を発振させるためのトリ
ガ信号の発生から所定期間のゲート幅を有するゲート信
号を発生するゲート信号発生器と、前記検出手段から発
生された検出信号が入力され、前記ゲート信号発生器か
ら発生されたゲート信号のゲート幅内以外の期間に発生
された検出信号のみを出力するゲート回路と、前記ゲー
ト回路から出力された検出信号に基づき、前記被加工物
の所定の加工位置に前記レーザ光が照射されるように
記トリガ信号を出力し、前記レーザ光の発振を制御する
制御手段と、を備え、前記検出信号のうちレーザ加工時
に前記加工位置近傍に付着した溶融飛散物に起因して発
生する検出信号を削除し、前記加工位置近傍における被
加工物の有無に基づく検出信号のみを取り出し、取り出
した検出信号に基づいてレーザ光の発振を制御してレー
ザ加工を行う。
【0017】上記のように構成した本発明においては、
検出光源から加工位置近傍における被加工物の有無を検
出するための検出光を発生しておき、検出手段で被加工
物からの光を検出しその光に対応する検出信号を発生す
る。この時、検出手段から発生する検出信号において
は、被加工物の有無に応じた変化に加え、レーザ加工時
に加工部から飛散し加工位置近傍に付着した溶融飛散物
(スパッタ)に起因する変化も存在することになる。そ
こで、ゲート信号発生回路及びゲート回路によって、上
記検出信号のうちレーザ加工時に加工位置近傍に付着し
た溶融飛散物に起因する検出信号を除き、加工位置近傍
における被加工物の有無に基づく検出信号のみを取り出
して制御手段に入力することにより、制御手段で上記被
加工物の有無に基づく検出信号のみに基づいてレーザ光
の発振が制御され、被加工物の表面の情報に応じて所望
の加工位置に確実にレーザ光が照射されて加工が行われ
る。これにより、溶融飛散物に起因する検出信号の変化
に基づいてレーザ光が発振されることがなく、所定の加
工位置以外の誤った位置にレーザ光が不必要に照射され
ることがない。また、被加工物の有無の情報を検出した
位置より一定の距離だけ離れた位置にレーザ光が照射さ
れるため、加工位置が等間隔である場合のみならず等間
隔でない場合にでも、被加工物の有無の情報に応じて切
断すべき所望の位置が確実かつ高速に加工される。
【0018】また、前述の目的を達成するため、本発明
によれば、被加工物を移動させて加工位置を決定し、
リガ信号に基づいて、レーザ発振器よりパルス状のレー
ザ光を前記加工位置に照射して前記被加工物を加工する
レーザ加工方法において、前記加工位置近傍における被
加工物の有無を検出するための検出光を前記加工位置近
傍に照射して、その反射光を検出し、検出した反射光に
対応する検出信号のうち、前記トリガ信号の発生から所
定期間のゲート幅を有するゲート信号の、このゲート幅
内以外の期間に発生された検出信号のみに基づき、前記
被加工物の所定の加工位置に前記レーザ光が照射される
ように前記トリガ信号を出力して、前記レーザ光の発振
を制御し、前記反射光に対応する検出信号のうちレーザ
加工時に前記加工位置近傍に付着した溶融飛散物に起因
して発生する反射光に対応する検出信号を削除し、前記
加工位置近傍における被加工物の有無に基づく検出信号
のみに基づいてレーザ光の発振を制御してレーザ加工を
行う。
【0019】さらに、前述の目的を達成するため、本発
明によれば、リードフレームに半導体チップを搭載し樹
脂モールドで一体に封止したICパッケージにおけるダ
ムバーを、トリガ信号に基づいて、パルス状のレーザ光
照射により切断するダムバー加工方法において、検出光
を前記ダムバー近傍に照射し、その反射光を検出し、検
出した反射光に対応する検出信号のうち、前記トリガ信
号の発生から所定期間のゲート幅を有するゲート信号
の、このゲート幅内以外の期間に発生された検出信号の
みに基づき、前記ダムバーの所定の加工位置に前記レー
ザ光が照射されるように前記トリガ信号を出力して、前
記レーザ光の発振を制御し、前記反射光に対応する検出
信号のうちレーザ加工時に前記加工位置近傍に付着した
溶融飛散物に起因して発生する反射光に対応する検出信
号を削除し、前記加工位置近傍における被加工物の有無
に基づく検出信号のみに基づいてレーザ光の発振を制御
してレーザ加工を行う。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明によるレーザ加工装置及び
レーザ加工方法の一実施形態について、図1〜図7によ
り説明する。但し、以下では、おもに等間隔のピンを有
するICパッケージのダムバーの除去について説明す
る。
【0021】図1に示すように、本実施形態のレーザ加
工装置には、レーザヘッド11とレーザ電源13とから
構成されるレーザ発振器10、加工ヘッド12、被加工
物であるワーク(ICパッケージ)1を搭載し水平面内
(XY平面内)に移動させる搬送手段としてのXYテー
ブル21、レーザヘッド11及び加工ヘッド12を上下
方向(Z軸方向)に移動させるZテーブル22、メイン
コントローラ23とトリガユニット24を有するコント
ロールユニット25が備えられている。メインコントロ
ーラ23は、XYテーブル21の水平面内の移動動作と
Zテーブル22の上下方向の移動動作とレーザ発振器1
0の発振動作を自動的に制御する。
【0022】レーザ電源13は、安定化電源部130、
コンデンサ部131、スイッチ部132、及びレーザコ
ントローラ26を有する。このレーザ電源13では、ま
ず、交流電源133より供給された交流電流が安定化電
源部130に供給され、レーザコントローラ26から指
令された電圧値に従って直流に変えられ、コンデンサ部
131に供給される。コンデンサ部131に上記電圧値
で供給された電荷は、レーザコントローラ26からのト
リガ信号TP2(後述する)による所定のパルス幅に従
うスイッチ部132の開閉動作により、レーザヘッド1
1に備えられた励起ランプ110に供給される。このパ
ルス状の電荷により上記励起ランプ110が発光し、こ
れによりレーザ媒体が励起されパルスレーザ光が射出さ
れる。
【0023】図1に示すレーザヘッド11にはビームシ
ャッタ111が内蔵されている。このビームシャッタ1
11は、開閉することによってレーザ発振器10より放
出されるパルスレーザ光をON/OFFし、ワーク1へ
のレーザ光の照射を制御する。即ちワーク1を加工する
場合にはビームシャッタ111を開き、加工しない場合
にはビームシャッタ111を閉じる。このビームシャッ
タ111の開閉動作時間は100〜300msec程度
である。またビームシャッタ111の開閉動作の制御
は、レーザコントローラ26から行うが、メインコント
ローラ23からレーザコントローラ26を介して行うこ
とも可能である。
【0024】また、図2に示すように、加工ヘッド12
内部には、レーザ光の波長に対し高い反射率特性を持つ
ダイクロミラー120、集光レンズ121が備えられて
おり、これらの構成は従来のレーザ加工装置の構成と同
様である。本実施形態では上記構成に検出光としてのレ
ーザ光を発生する検出光源122、コリメータレンズ1
23、ハーフミラー124、回転式ウェッジ基板装置3
00、結像レンズ125、光検出器126から構成され
る検出光学系学系127が追加されている。上記検出光
源122としてはレーザダイオード(半導体レーザ)等
のレーザ光源が用いられており、この検出光学系127
は基本的にはCDプレーヤのディスク信号を読みとる光
ピックアップ部の光学系の構成に類似している。勿論、
検出光として使用されるレーザ光は、レーザ加工を行う
ためのレーザ光とは異なるものであることはいうまでも
ない。
【0025】回転式ウェッジ基板装置300は、一枚の
ウェッジ基板301、ウェッジ基板301を支持する枠
体302、枠体302の外周に取り付けられたピニオン
303、ピニオン303に噛み合うピニオン304、ピ
ニオン304を回転駆動するモータ305を備える。枠
体302、従ってウェッジ基板301は、モータ305
の回転がピニオン304及びピニオン303を介して伝
達されることにより、検出用レーザ光200の元の光軸
に平行なウェッジ基板301の軸Rのまわりに回転し、
任意の回転角を設定することができる。また、ウェッジ
基板301に入射した検出用レーザ光200は、その元
の光軸に対して一定の角度φ1だけ傾斜して進む。この
角度φ1は、ウェッジ基板301の斜面の傾斜角度θ1
依存する。
【0026】また、図3に示すように、トリガユニット
24には、コンパレータ241、トリガ信号発生回路2
42、ゲート回路245、ディレイ回路243、ゲート
信号発生器244が備えられている。このトリガユニッ
ト24においては、光検出器126からの検出信号がコ
ンパレータ241においてあるしきい値VTHで二値化さ
れて矩形波信号TPが生成され、トリガ信号発生回路2
42においてこの矩形波信号TPの立ち上がりに同期し
たトリガ信号TP0,TP0 *(後述する)が出力され、
このトリガ信号TP0,TP0 *がゲート回路245に入
力される。一方、ゲート信号発生器244は、レーザコ
ントローラ26のトリガ回路262からのトリガ信号T
2(後述する)を入力し、このトリガ信号TP2の立ち
上がりに同期したゲート信号GPを所定のゲート幅WG
でゲート回路245に出力する。ゲート回路245から
は、ゲート信号発生器244からのゲート信号GPがO
FF(LOW)の場合にはトリガ信号発生回路242か
ら入力されるトリガ信号の立ち上がりに同期したトリガ
信号TPGpが出力され、GPがON(HIGH)の場合
にはトリガ信号発生回路242からトリガ信号が入力さ
れても信号は出力されない。さらにトリガ信号TP
Gは、ディレイ回路243に入力され、ここでメインコ
ントローラ23から指令された遅延時間TDが与えられ
TP1としてレーザコントローラ26に出力される。な
お、ゲート信号発生器244およびゲート回路245は
誤検出防止手段を構成する。
【0027】また、図4に示すように、レーザコントロ
ーラ26には、入出力部260、中央演算部261、ト
リガ回路262が備えられている。トリガ回路262
は、トリガユニット24からのトリガ信号TP1の立ち
上がりに同期してメインコントローラ23から中央演算
部261に指示されたパルス幅のトリガ信号TP2を生
成し、このトリガ信号TP2がスイッチ部132に入力
される。また、コンデンサ部131に供給される電荷の
電圧値は、入出力部260より中央演算部261に入力
され、中央演算部261から安定化電源部130に指示
される。これ以後は、前述したような過程に従ってレー
ザ光が発振する。一方、トリガ回路262からのトリガ
信号TP2はトリガユニット24のゲート信号発生器2
44にも入力される(図3参照)。
【0028】図2に戻り、加工ヘッド12及び検出光学
系127の機能を説明する。まずレーザヘッド11から
発振したパルスレーザ光100は、ダイクロミラー12
0で方向が変えられ、集光レンズ121で集光されてワ
ーク1上に照射される。また、検出光源122から射出
された検出光200は、コリメータレンズ123で平行
光にされ、ハーフミラー124、ウェッジ基板301及
びダイクロミラー120を通り、集光レンズ121によ
りワーク1上に微少なスポットで結像する。
【0029】ここで、ウェッジ基板301の斜面の傾斜
角度がθ1で一定であるので、ウェッジ基板301から
出射する検出用レーザ光200は元の光軸Rに対して一
定の角度φ1だけ傾斜して進み、パルスレーザ光100
の照射位置から一定の距離r0離れた位置に達する。こ
のr0とθ1との関係は、集光レンズ121の焦点距離を
F、ウェッジ基板301の検出用レーザ光200に対す
る屈折率をnとすると、 r0=F・(n−1)・θ1 … (1) と表される。また、ウェッジ基板301をその軸Rの廻
りに回転させることにより、上記検出用レーザ光200
はパルスレーザ光100の集光位置(スポット位置)を
中心とした半径r0の円周上の任意の位置に結像させる
ことができる。パルスレーザ光100の集光位置を基準
とした検出用レーザ光200の集光位置をベクトル[δ
r]で表すと、 [δr]=(δrX,δrY)=(r0cosω,r0sinω) … (2) と表される。但し、ωはウェッジ基板301の軸R廻り
の回転角である。
【0030】ワーク1表面で反射した検出光200は、
集光レンズ121、ダイクロミラー120、ウェッジ基
板301、ハーフミラー124を通り、結像レンズ12
5によって光検出器126に集められ、ワーク1表面の
情報が電気信号として検出される。本実施形態において
は、検出光源122としてレーザ光源を用いるため、そ
のレーザ光をコリメータレンズ123及び集光レンズ1
21により極めて小さく絞ることができ、ワーク1表面
の情報(リードの有無等)を検出する際に、信号の立ち
上がり(応答)が速くなり、高い分解能で検出すること
ができる。
【0031】以上の構成を有するパルスレーザ加工装置
の動作を説明する。図5は、ICパッケージの一つの辺
におけるダムバー2を除去する場合の状況を示す図であ
る。ワーク1(ICパッケージ)をXYテーブル21に
よって、例えば図5のようにX軸の正方向に一定速度v
で移動させると、微少スポットに絞られた検出光200
はワーク1上を軌跡5に沿って移動する。これにより、
光検出器126で検出された検出信号の変化はウエブ部
(リード部)4で高い出力となり、スリット部3で低い
出力となる。この時、ワーク1のウエブ部4とスリット
部3が等ピッチで並んでいれば、XYテーブルが一定速
度で移動する際の検出信号は一定周期の波形として検出
される。一方、ワーク1のウエブ部4とスリット部3が
等ピッチで並んでいない場合には、検出信号はピッチの
変化に比例した時間変化を持つ波形として検出される。
【0032】但し、前述のようにパルスレーザ光100
の集光位置を基準とした検出用レーザ光200の集光位
置は、X軸方向にδrX=r0cosω、Y軸方向にδrY
0sinωだけずれるが、X軸の正方向に移動させる際に
は、 270°<ω<0° … (3) とし、検出光200の集光位置がパルスレーザ100の
集光位置に対し移動方向(X軸正方向)にδrX=r0co
sωだけ先行するようにしておく。このようにすると、
検出光200の集光位置がパルスレーザ100の集光位
置に対して先行していない場合(δrX=0)に対し
て、TAD=δrX/vの時間だけ先行した波形となる
(図5のδrX≠0の場合)。
【0033】また、ωが上記(3)式を満たす場合、検
出光200の集光位置はパルスレーザ100の集光位置
に対して図5のようにY軸負方向へずれ、そのずれ量で
あるδrY=r0sinωは、ダムバー中心線よりリード長
手方向への検出用レーザ光200の集光位置(検出位
置)のシフト量となる。但し、検出光200の集光位置
がウエブ部4の平行部分に交差して走査するようにδr
Yを設定しておく。なお、本実施形態では、回転式ウェ
ッジ基板装置300を用いたが、それ以外の手段、例え
ば、ハーフミラー124の角度を変更可能とする等の手
段によって検出光200の集光位置をパルスレーザ10
0の集光位置に対してずらせてもよい。
【0034】また、本実施形態では後述するようにダム
バー2の中央部にパルスレーザ光100が照射されてダ
ムバーが除去されるが、このようにレーザ光をワークに
照射して加工を行う場合、加工位置からは溶融飛散物
(以下、スパッタという)9が生じる。このスパッタ9
がウエブ部4に付着した場合、検出光200はこのスパ
ッタ9に散乱され、光検出器126で検出される検出信
号の波形に影響を及ぼし、スパッタ9に対応する部分が
図5の矢印9aで示すように低い出力となる。
【0035】光検出器126からの検出信号はトリガユ
ニット24に入力され、図6のタイムチャートに示すよ
うな処理で二値化される。但し、図6の横軸は時間を示
し、さらに図6では、ワーク1を一定速度vで動かした
時のウエブ部4とスリット部3を時間変化として模式的
に付記しているが、ウエブ部4とスリット部3を表す図
はパルスレーザ100の集光位置を基準にしているた
め、検出光200の集光位置の波形がパルスレーザ10
0の集光位置に対する先行分だけずれている。
【0036】光検出器126からトリガユニット24に
入力された検出信号は、コンパレータ241において図
中破線で示す所定のしきい値電圧VTHをもとに二値化さ
れて矩形波信号TPとなり、トリガ信号発生回路242
に入力される。この時、上記スパッタ9で散乱された検
出光200の検出信号のレベル(光の強さ)がしきい値
THより大きい場合には問題ないが、図6のようにVTH
より小さくなる場合には、上記スパッタ9によって出力
レベルの下がった検出信号に対してもコンパレータ24
1から矩形波信号TPが出力されてしまうことになる。
トリガ信号発生回路242では矩形波信号TPの立ち上
がりをもとにトリガ信号TP0,TP0 *を出力する。こ
こでトリガ信号TP0はワーク1の形状パターンに伴う
ものであり、TP0 *はウエブ部4の表面に付着したスパ
ッタ9に伴うものである。本実施形態では、このウエブ
部4の表面に付着したスパッタ9に伴う信号(トリガ信
号TP0 *)を削除するためにトリガユニット24にゲー
ト回路245及びゲート信号発生器244が設けられて
いる。
【0037】トリガ信号TP0,TP0 *はゲート回路2
45に入力されるが、ゲート回路245は、前述のよう
にゲート信号発生器244からのゲート信号GPがOF
F(LOW)の場合にはトリガ信号発生回路242から
のトリガ信号の立ち上がりに同期したトリガ信号TPG
を出力し、GPがON(HIGH)の場合にはトリガ信
号発生回路242からのトリガ信号が入力されてもその
立ち上がりに同期した信号を出力しない。トリガ信号T
Gはディレイ回路243に入力され、このトリガ信号
TPGにメインコントローラ23から指令された遅延時
間TDが与えられトリガ信号TP1としてレーザコントロ
ーラ26に入力される。尚、光検出器126からの検出
信号をトリガユニット24に入力する前にアンプで増幅
しておいてもよい。
【0038】次にレーザコントローラ26では、トリガ
信号TP1がトリガ回路262に入力され、このトリガ
回路262からは、トリガ信号TP1の立ち上がりに同
期したトリガ信号TP2が出力される。このトリガ信号
TP2のパルス幅は、前述のようにメインコントローラ
23から中央演算部261を介して指示される。さらに
トリガ信号TP2はスイッチ部132に入力され、トリ
ガ信号TP2の立ち上がりに同期してスイッチ部132
がONとなり、励起ランプ110にコンデンサ部131
からの電荷が供給され、さらにトリガ信号TP2の立ち
下がりに同期して、スイッチ部132がOFFとなり、
励起ランプ110への電荷の供給は停止する。以上のよ
うにしてトリガ信号TP2に同期したパルスレーザ光が
発振する。なお、図中のトリガ信号TP2及びパルスレ
ーザ光は実際にはある幅を持ったパルス波形を有する
が、他の信号に比べて非常にそのパルス幅が短いため
に、図では線状に示してある。
【0039】さらに、トリガ信号TP2はゲート信号発
生器244にも入力(フィードバック)され、このトリ
ガ信号TP2の立ち上がりに同期したゲート信号GPが
所定のゲート幅WGでゲート回路245に出力される。
つまり、ゲート信号GPはレーザ光発振のためのトリガ
信号TP2の発生と共に出力されることになる。ゲート
信号GPをこのような条件で発生させ、そのゲート幅W
Gを適当な長さに設定することにより、トリガ信号発生
回路242からトリガ信号TP0が出力されている時に
はゲート信号GPがOFF(LOW)となり、トリガ信
号発生回路242からウエブ部4に付着したスパッタ9
に伴うトリガ信号TP0 *が出力されている時にはゲート
信号GPがON(HIGH)となる。この結果、ゲート
回路245ではトリガ信号TP0 *が無視され、トリガ信
号TP0のみの立ち上がりに同期したトリガ信号TPG
出力されることになる。ゲート回路245における具体
的な処理としては、ゲート信号GPを反転し、その反転
した信号とトリガ信号発生回路242からのトリガ信号
とのANDをとればよい。
【0040】つまり、ダムバー2の切断時において、X
Yテーブルを加工軌跡に沿って一定速度vで移動させる
と、スリット部3及びウエブ部4のピッチとテーブル2
1の移動速度vとで決まる周期でレーザ光が発振し、ま
たスパッタ9に伴うトリガ信号TP0 *は削除され、ダム
バー2の中央でレーザ光の照射が行われ、ダムバー2の
切断が実行される。従って、パルスレーザ光100の発
振周期程度の短時間でダムバー2を切断することがで
き、確実かつ高速な加工が行える。
【0041】もし、トリガユニット24にゲート回路2
45及びゲート信号発生器244が設けられていない場
合には、トリガ信号発生回路242から出力されるトリ
ガ信号TP1だけでなくスパッタ9に伴うトリガ信号T
0 *も同様に信号処理され、トリガ信号TP0に基づく
パルスレーザ光だけでなく、トリガ信号TP0 *に基づく
パルスレーザ光も発振する。これにより、レーザ光10
0は、目的とするダムバー2の中央に加え、ダムバー2
以外の位置にも不必要に照射されることになり、所定の
レーザ加工を実現できない。
【0042】本実施形態では、レーザ光発振のためのト
リガ信号TP2をゲート信号発生器244にフィードバ
ックしてゲート信号GPを発生させ、ゲート回路245
においてこのゲート信号GPに基づきトリガ信号発生回
路242からのスパッタ9に伴うトリガ信号TP0 *が削
除されるので、ウエブ部(リード部)4の有無のパター
ンに伴うトリガ信号TP0のみが取り出されてその後の
信号処理が行われ、トリガ信号TP0に基づくパルスレ
ーザ光のみが発振する。従って、ウエブ部4の有無に応
じて所望の加工位置に確実にレーザ光が照射されて加工
が行われ、所定の加工位置以外の誤った位置にレーザ光
が不必要に照射されることがない。
【0043】ここでディレイ回路243で与える遅延時
間TDについて説明する。ワーク1の移動速度をv、ス
リット部3の幅をLsとすると、検出光200がウエブ
部4端部を検出してから、パルスレーザ100のスポッ
ト位置が上記ウエブ部4の前のスリット部3の中央まで
移動する時間T1は、 T1=(δrX−Ls/2)/v … (4) となる。また、矩形波信号TP0の立ち上がりから、パ
ルスレーザ光100がダムバー2に照射されるまでの時
間T2は、ディレイ回路243で与えられる遅延時間TD
を用いて、 T2=TD+δt … (5) と表される。但し、δtはトリガ回路262での遅れ、
スイッチ部132での遅れ、及びレーザ発振までの遅れ
を総合した遅延時間を表す。
【0044】レーザ光がダムバー2の中央に照射される
べき条件は、 T1=T2 … (6) であるから、式(4)〜(6)より遅延時間TDは、 TD=(δrX−Ls/2)/v−δt … (7) に設定されることになる。なお、遅延時間δt、ワーク
1の移動速度v、スリット部3の幅Ls、及びベクトル
[δr]は予めメインコントローラ23に入力される。
【0045】また、上記式(7)より、遅延時間TD
適正に設定可能であるためには、少なくとも、TD>0
即ち、 δrX>Ls/2+v・δt … (8) を満たす必要がある。
【0046】次に、上記ゲート信号GPのゲート幅WG
の長さについて説明する。パルスレーザ光100はダム
バー2の中央で照射されるが、そのパルスレーザ光10
0の照射時以前にはスパッタは生じない。従って、ゲー
ト幅WGの最小値は、ダムバー2の中央にパルスレーザ
光100が照射された時から、検出光200のスポット
位置が次のウエブ4の終端まで動くまでの時間である。
そこで、Luをウエブ部4の幅とすると、ダムバー2の
中央位置から次のウエブ4終端までの距離、即ち、 δL2=Ls/2+Lu−δrX … (9) の距離を移動する時間がゲート幅WGの最小値となる。
【0047】一方、ゲート幅WGの最大値は、ダムバー
2の中央にパルスレーザ光100が照射された時から、
検出光200のスポット位置がさらにその次のウエブ4
の始まりまで動くまでの時間であり、 δL1=(3/2)Ls+Lu−δrX … (10) の距離を移動する時間がゲート幅WGの最大値となる。
【0048】従って、ゲート幅WGの範囲は、 δL1/v>WG>δL2/v … (11) を満たすように設定すればよい。このゲート幅WGも予
めメインコントローラ23に入力される。
【0049】上記では、ICパッケージの図5に示す辺
のダムバー2を切断、除去する場合を中心に説明した
が、それに引き続いて、ICパッケージの残り3つの各
辺にあるダムバー2を順次切断、除去する場合につい
て、図7により説明する。図5に示す辺のダムバーの切
断が完了すると、モータ305によってウェッジ基板3
01を軸Rを中心に反時計まわりに90°回転させる。
そして、XYテーブル21により加工位置をY軸の正方
向に一定速度vで移動させ、検出光200の反射光に基
づく(軌跡6に沿った)検出信号をもとにして前述のよ
うにパルスレーザ光100によるダムバー2の切断、除
去を行う。次に、ウェッジ基板301をさらに90°反
時計まわりに回転させた後に、XYテーブル21により
加工位置をX軸の負方向に一定速度vで移動させ、検出
光200の反射光に基づく(軌跡7に沿った)検出信号
をもとにして前述のようにパルスレーザ光100による
ダムバー2の切断、除去を行う。次に、ウェッジ基板3
01をさらに90°反時計まわりに回転させた後に、X
Yテーブル21により加工位置をY軸の負方向に一定速
度vで移動させ、検出光200の反射光に基づく(軌跡
8に沿った)検出信号をもとにして前述のようにパルス
レーザ光100によるダムバー2の切断、除去を行う。
以上により、ICパッケージの4つの辺全てにおけるダ
ムバー2の切断、除去が完了する。
【0050】また、ウエッジ式プリズム301の回転制
御を行うモータ305の制御はメインコントローラ23
の指令に基づき、軌跡に応じたXYテーブル21の動き
等に同期して自動的に行われる。但し、図7において
は、検出用レーザ光200の集光位置のベクトル[δ
r]を、ICパッケージの各辺におけるダムバーの切断
動作に対応させて矢印で示し、そのベクトル[δr]先
端の検出用レーザ光200の集光位置を200Aで示し
た。
【0051】本実施形態の場合、ウェッジ基板301の
斜面の傾斜角度θ1が一定である限り、パルスレーザ光
100の照射位置に対する検出用レーザ光200の照射
位置の相対的な距離r0は変わらず一定であるが、一つ
のICパッケージのダムバーを切断、除去する場合に
は、四つの各辺にあるダムバーの形状はほぼ同様である
と考えられるため、r0が一定であっても、各辺に対応
してウェッジ基板301を90°ずつ反時計まわりに回
転させるだけで十分対応できる。また、同じ形状の別の
ICパッケージのダムバーを切断、除去する場合には同
じウェッジ基板301を用いて同様の方法を用いること
ができる。さらに、ICパッケージの形状が異なる場合
には、それに応じてウェッジ基板を傾斜角度θ1の異な
る斜面を有するものに変更すればよい。
【0052】以上のような本実施形態によれば、パルス
レーザ光100の発振のためのトリガ信号TP2をゲー
ト信号発生器244にフィードバックしてその立ち上が
りに同期したゲート信号GPを発生させ、ゲート回路2
45でゲート信号GPに基づいてトリガ信号発生回路2
42からのスパッタ9に伴うトリガ信号TP0 *を削除す
るので、ウエブ部4の有無のパターンに伴うトリガ信号
TP0のみを取り出すことができ、その後のディレイ回
路243及びレーザコントローラ26における信号処理
により、トリガ信号TP0のみに基づいてパルスレーザ
光を発振させることができる。従って、ワーク1の形状
パターンに応じて所定の加工位置(ダムバー2の中央
部)にパルスレーザ光が照射されて加工が行われ、所定
の加工位置以外の誤った位置に不必要にパルスレーザ加
工が施されることがない。
【0053】また、スリット部3及びウエブ部4のピッ
チとXYテーブル21の移動速度vとで決まるパルスレ
ーザ光の発振周期程度の短時間でダムバー2を切断する
ことができ、確実かつ高速な加工が可能となる。
【0054】さらに、ウエブ部4の端部より一定の距離
だけ離れた位置にパルスレーザ光が照射されるため、ピ
ンが等間隔である場合のみならず等間隔でない場合にで
も、ワーク1の形状に応じて切断すべき所定の位置を確
実かつ高速に加工することができる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、加工位置近傍からの光
に基づく検出信号のうちワーク表面に付着する溶融飛散
物(スパッタ)に起因する変化を除き、被加工物の有無
に基づく検出信号のみに基づいてパルスレーザ光の発振
を制御するので、被加工物の表面の情報に応じて所望の
加工位置に確実にレーザ光を照射して加工を行うことが
でき、所定の加工位置以外の誤った位置にレーザ光が不
必要に照射されることがない。また、加工位置が等間隔
である場合のみならず等間隔でない場合にも、所定の加
工位置で高速に加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるレーザ加工装置の構
成の概略図である。
【図2】図1の加工ヘッド及び検出光学系の構成の概略
図である。
【図3】図1のトリガユニットの構成を示す図である。
【図4】図1のレーザコントローラの構成を示す図であ
る。
【図5】ダムバーと光検出器からの検出信号との対応関
係を表す図である。
【図6】光検出器からの検出信号の出力からレーザ光の
発振までのタイムチャートである。
【図7】ICパッケージの4つの各辺にあるダムバーを
順次切断、除去する状況を示す図である。
【図8】従来のレーザ加工装置の構成の概略図である。
【図9】(a)はダムバーを有するICパッケージを示
す図であり、(b)は(a)のB部拡大図である。
【符号の説明】
1 ワーク 2 ダムバー 3 スリット部 4 ウエブ部 10 レーザ発振器 11 レーザヘッド 12 加工ヘッド 13 レーザ電源 21 XYテーブル 22 Zテーブル 23 メインコントローラ 24 トリガユニット 25 コントロールユニット 26 レーザコントローラ 100 パルスレーザ光 120 ダイクロミラー 121 集光レンズ 122 検出光源 123 コリメータレンズ 124 ハーフミラー 125 結像レンズ 126 光検出器 127 検出光学系 130 安定化電源部 131 コンデンサ部 132 スイッチ部 133 交流電源 200 検出光 200A 検出用レーザ光200の集光位置 241 コンパレータ 242 トリガ信号発生回路 243 ディレイ回路 244 ゲート信号発生器 245 ゲート回路 261 中央演算部 262 トリガ回路 300 回転式ウェッジ基板装置 301 ウェッジ基板 305 モータ TP1,TP2 トリガ信号 GP ゲート信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥村 信也 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社 土浦工場内 (72)発明者 桜井 茂行 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社 土浦工場内 (72)発明者 美野本 泰 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−316463(JP,A) 特開 平2−67717(JP,A) 特開 平4−37493(JP,A) 特開 昭58−75050(JP,A) 特開 平4−1508(JP,A) 実開 平2−133656(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 26/00 B23K 26/08 H01L 23/50 H01S 3/00 H01S 3/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリガ信号に基づいて、パルス状のレーザ
    光を発振するレーザ発振器と、前記レーザ光を被加工物
    の加工位置まで誘導する加工光学系と、前記被加工物を
    移動させその加工位置を決定する搬送手段とを備えるレ
    ーザ加工装置において、 前記加工位置近傍における被加工物の有無を検出するた
    めの検出光を発生する検出光源と、 前記加工位置近傍からの前記検出光の反射光を検出しそ
    の反射光に対応する検出信号を発生する検出手段と、パルス状のレーザ光を発振させるためのトリガ信号の発
    生から所定期間のゲート幅を有するゲート信号を発生す
    るゲート信号発生器と、 前記検出手段から発生された検出信号が入力され、前記
    ゲート信号発生器から発生されたゲート信号のゲート幅
    内以外の期間に発生された検出信号のみを出力するゲー
    ト回路と、 前記ゲート回路から出力された検出信号に基づき、 前記
    被加工物の所定の加工位置に前記レーザ光が照射される
    ように前記トリガ信号を出力し、前記レーザ光の発振を
    制御する制御手段と を備え、前記検出信号のうちレーザ加工時に前記加工位
    置近傍に付着した溶融飛散物に起因して発生する検出信
    号を削除し、前記加工位置近傍における被加工物の有無
    に基づく検出信号のみを取り出し、取り出した検出信号
    に基づいてレーザ光の発振を制御してレーザ加工を行う
    ことを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 【請求項2】被加工物を移動させて加工位置を決定し、
    トリガ信号に基づいて、レーザ発振器よりパルス状のレ
    ーザ光を前記加工位置に照射して前記被加工物を加工す
    るレーザ加工方法において、 前記加工位置近傍における被加工物の有無を検出するた
    めの検出光を前記加工位置近傍に照射して、その反射光
    を検出し、 検出した反射光に対応する検出信号のうち、前記トリガ
    信号の発生から所定期間のゲート幅を有するゲート信号
    の、このゲート幅内以外の期間に発生された検 出信号の
    みに基づき、前記被加工物の所定の加工位置に前記レー
    ザ光が照射されるように前記トリガ信号を出力して、前
    記レーザ光の発振を制御し、 前記反射光に対応する検出信号のうちレーザ加工時に前
    記加工位置近傍に付着した溶融飛散物に起因して発生す
    る反射光に対応する検出信号を削除し、前記加工位置近
    傍における被加工物の有無に基づく検出信号のみに基づ
    いてレーザ光の発振を制御してレーザ加工を行う ことを
    特徴とするレーザ加工方法。
  3. 【請求項3】リードフレームに半導体チップを搭載し樹
    脂モールドで一体に封止したICパッケージにおけるダ
    ムバーを、トリガ信号に基づいて、パルス状のレーザ光
    照射により切断するダムバー加工方法において 出光を前記ダムバー近傍に照射し、その反射光を検出
    し、検出した反射光に対応する検出信号のうち、前記ト
    リガ信号の発生から所定期間のゲート幅を有するゲート
    信号の、このゲート幅内以外の期間に発生された検出信
    号のみに基づき前記ダムバーの所定の加工位置に前記レ
    ーザ光が照射されるように前記トリガ信号を出力して、
    前記レーザ光の発振を制御し、 前記反射光に対応する検出信号のうちレーザ加工時に前
    記加工位置近傍に付着した溶融飛散物に起因して発生す
    る反射光に対応する検出信号を削除し、前記加工位置近
    傍における被加工物の有無に基づく検出信号のみに基づ
    いてレーザ光の発振を制御してレーザ加工を行う ことを
    特徴とするダムバー加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101994461B1 (ko) 2018-08-30 2019-07-02 김소현 커버 간편 장착 휠체어

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