JP3111903B2 - 亜鉛系メッキ鋼板の製造方法 - Google Patents
亜鉛系メッキ鋼板の製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プレス成形性、
スポット溶接性、接着性および化成処理性に優れた亜鉛
系メッキ鋼板の製造方法に関するものである。
スポット溶接性、接着性および化成処理性に優れた亜鉛
系メッキ鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】亜鉛系メッキ鋼板は種々の優れた特徴を
有するために、各種の防錆鋼板として広く使用されてい
る。この亜鉛系メッキ鋼板を自動車用防錆鋼板として使
用するためには、耐食性、塗装適合性等のほかに、車体
製造工程において要求される性能として、プレス成形
性、スポット溶接性、接着性および化成処理性に優れて
いることが重要である。
有するために、各種の防錆鋼板として広く使用されてい
る。この亜鉛系メッキ鋼板を自動車用防錆鋼板として使
用するためには、耐食性、塗装適合性等のほかに、車体
製造工程において要求される性能として、プレス成形
性、スポット溶接性、接着性および化成処理性に優れて
いることが重要である。
【0003】しかし、亜鉛系メッキ鋼板は、一般に冷延
鋼板に比べてプレス成形性が劣るという欠点を有する。
これは亜鉛系メッキ鋼板とプレス金型との摺動抵抗が、
冷延鋼板の場合に比較して大きいことが原因である。即
ち、この摺動抵抗が大きいので、ビードと亜鉛系メッキ
鋼板との摺動抵抗が著しく大きい部分で、亜鉛系メッキ
鋼板がプレス金型に流入しにくくなり、鋼板の破断が起
こりやすくなる。
鋼板に比べてプレス成形性が劣るという欠点を有する。
これは亜鉛系メッキ鋼板とプレス金型との摺動抵抗が、
冷延鋼板の場合に比較して大きいことが原因である。即
ち、この摺動抵抗が大きいので、ビードと亜鉛系メッキ
鋼板との摺動抵抗が著しく大きい部分で、亜鉛系メッキ
鋼板がプレス金型に流入しにくくなり、鋼板の破断が起
こりやすくなる。
【0004】亜鉛系メッキ鋼板のプレス成形性を向上さ
せる方法としては、一般に高粘度の潤滑油を塗布する方
法が広く用いられている。しかしこの方法では、潤滑油
の高粘性のために、塗装工程で脱脂不良による塗装欠陥
が発生したり、またプレス時の油切れにより、プレス性
能が不安定になる等の問題がある。従って、亜鉛系メッ
キ鋼板のプレス成形性が改善されることが強く要請され
ている。
せる方法としては、一般に高粘度の潤滑油を塗布する方
法が広く用いられている。しかしこの方法では、潤滑油
の高粘性のために、塗装工程で脱脂不良による塗装欠陥
が発生したり、またプレス時の油切れにより、プレス性
能が不安定になる等の問題がある。従って、亜鉛系メッ
キ鋼板のプレス成形性が改善されることが強く要請され
ている。
【0005】一方、亜鉛系メッキ鋼板は、スポット溶接
時に電極である銅が溶融した亜鉛と反応して脆い合金層
を形成しやすいために、銅電極の損耗が激しく、その寿
命が短く、冷延鋼板に比べて連続打点性が劣るという問
題がある。
時に電極である銅が溶融した亜鉛と反応して脆い合金層
を形成しやすいために、銅電極の損耗が激しく、その寿
命が短く、冷延鋼板に比べて連続打点性が劣るという問
題がある。
【0006】更に、自動車車体の製造工程においては、
車体の防錆、制振等の目的で各種の接着剤が使用される
が、近年になって亜鉛系メッキ鋼板の接着性は冷延鋼板
の接着性に比較して劣ることが明らかになってきた。
車体の防錆、制振等の目的で各種の接着剤が使用される
が、近年になって亜鉛系メッキ鋼板の接着性は冷延鋼板
の接着性に比較して劣ることが明らかになってきた。
【0007】上述した問題を解決する方法として、特開
昭53-60332号公報および特開平2-190483号公報は、亜鉛
系メッキ鋼板の表面に電解処理、浸漬処理、塗布酸化処
理、または加熱処理を施すことにより、ZnO を主体とす
る酸化膜を形成させて溶接性、または加工性を向上させ
る技術(以下、「先行技術1」という)を開示してい
る。
昭53-60332号公報および特開平2-190483号公報は、亜鉛
系メッキ鋼板の表面に電解処理、浸漬処理、塗布酸化処
理、または加熱処理を施すことにより、ZnO を主体とす
る酸化膜を形成させて溶接性、または加工性を向上させ
る技術(以下、「先行技術1」という)を開示してい
る。
【0008】特開平3-249182号公報は、亜鉛系メッキ鋼
板表面にMn酸化物、リン酸およびその他酸化物からなる
Mn系酸化物皮膜を被覆したプレス成形性、化成処理性を
向上させる技術(以下、「先行技術2」という)を開示
している。
板表面にMn酸化物、リン酸およびその他酸化物からなる
Mn系酸化物皮膜を被覆したプレス成形性、化成処理性を
向上させる技術(以下、「先行技術2」という)を開示
している。
【0009】特開平3-191093号公報は、亜鉛系メッキ鋼
板の表面に電解処理、浸漬処理、塗布処理、塗布酸化処
理または加熱処理により、Ni酸化物を生成させることに
よりプレス成形性および化成処理性を向上させる技術
(以下、「先行技術3」という)を開示している。
板の表面に電解処理、浸漬処理、塗布処理、塗布酸化処
理または加熱処理により、Ni酸化物を生成させることに
よりプレス成形性および化成処理性を向上させる技術
(以下、「先行技術3」という)を開示している。
【0010】特開平3-17282 号公報は、Fe、NiおよびCo
から選ばれた1種または2種以上の金属を亜鉛系メッキ
鋼板の表面に置換析出させる方法、特開昭58-67785号公
報は、亜鉛系メッキ鋼板の表面に、例えば、電気メッキ
または化学メッキにより、NiおよびFe等の金属を生成さ
せて耐食性を向上させる技術(以下、「先行技術4」と
いう)を開示している。
から選ばれた1種または2種以上の金属を亜鉛系メッキ
鋼板の表面に置換析出させる方法、特開昭58-67785号公
報は、亜鉛系メッキ鋼板の表面に、例えば、電気メッキ
または化学メッキにより、NiおよびFe等の金属を生成さ
せて耐食性を向上させる技術(以下、「先行技術4」と
いう)を開示している。
【0011】特公昭58-15554号公報は、Zn40wt.%以下か
らなるFe-Zn 系連続被覆表面層、あるいはこの系に少量
のNi等を含む表面層を設けることにより、カチオン電着
塗装性を向上させる技術(以下、「先行技術5」とい
う)を開示している。
らなるFe-Zn 系連続被覆表面層、あるいはこの系に少量
のNi等を含む表面層を設けることにより、カチオン電着
塗装性を向上させる技術(以下、「先行技術5」とい
う)を開示している。
【0012】特開昭61-207597 号公報は、合金化亜鉛メ
ッキ鋼板の上層としてNi:30wt.% 以下を含有する電気Zn
-Ni 合金メッキ層を形成することにより、加工性を向上
させる技術(以下、「先行技術6」という)を開示して
いる。
ッキ鋼板の上層としてNi:30wt.% 以下を含有する電気Zn
-Ni 合金メッキ層を形成することにより、加工性を向上
させる技術(以下、「先行技術6」という)を開示して
いる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た先行技術には下記の問題がある。先行技術1は、上述
した各種処理により、メッキ層表面にZnO を主体とする
酸化物を生成させる方法であるため、プレス金型とメッ
キ鋼板との摺動抵抗の低減効果は少なく、プレス成形性
の改善効果は少く、また、ZnO 主体の酸化物がメッキ表
面に存在すると接着性が劣化するという問題を有する。
た先行技術には下記の問題がある。先行技術1は、上述
した各種処理により、メッキ層表面にZnO を主体とする
酸化物を生成させる方法であるため、プレス金型とメッ
キ鋼板との摺動抵抗の低減効果は少なく、プレス成形性
の改善効果は少く、また、ZnO 主体の酸化物がメッキ表
面に存在すると接着性が劣化するという問題を有する。
【0014】先行技術2は、Mn酸化物およびP 酸化物を
亜鉛系メッキ鋼板の表面に形成する方法であるため、プ
レス成形性および化成処理性の改善効果は大きいが、ス
ポット溶接性、接着性は劣化するという問題を有する。
亜鉛系メッキ鋼板の表面に形成する方法であるため、プ
レス成形性および化成処理性の改善効果は大きいが、ス
ポット溶接性、接着性は劣化するという問題を有する。
【0015】先行技術3は、Ni酸化物単相の皮膜を生
成させる方法であるため、耐食性は向上するが、一方、
接着性が低下するという問題がある。先行技術4は、Ni
等の金属のみを形成させる方法であるため、耐食性は向
上するが、皮膜の金属的性質が強いためプレス成形性の
改善効果が十分ではない。更に、金属の接着剤に対する
濡れ性が低く、十分な接着性が得られないと言う問題が
ある。
成させる方法であるため、耐食性は向上するが、一方、
接着性が低下するという問題がある。先行技術4は、Ni
等の金属のみを形成させる方法であるため、耐食性は向
上するが、皮膜の金属的性質が強いためプレス成形性の
改善効果が十分ではない。更に、金属の接着剤に対する
濡れ性が低く、十分な接着性が得られないと言う問題が
ある。
【0016】先行技術5あるいは先行技術6は、Fe,Zn,
Ni等の金属のみを形成させる方法であるため、皮膜の金
属的性質が強いためプレス成形性の改善効果が十分では
ない。更に、金属の接着剤に対する濡れ性が低く、十分
な接着性が得られないと言う問題がある。
Ni等の金属のみを形成させる方法であるため、皮膜の金
属的性質が強いためプレス成形性の改善効果が十分では
ない。更に、金属の接着剤に対する濡れ性が低く、十分
な接着性が得られないと言う問題がある。
【0017】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決して、プレス成形性、スポット溶接性、接着性お
よび化成処理性に優れた亜鉛系メッキ鋼板を提供するこ
とにある。
を解決して、プレス成形性、スポット溶接性、接着性お
よび化成処理性に優れた亜鉛系メッキ鋼板を提供するこ
とにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
問題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、亜鉛系メッ
キ鋼板のメッキ層の表面に、Fe-Ni-O 系の適正な皮膜を
形成することによりプレス成形性、スポット溶接性、接
着性および化成処理性を改善できることを見出し、特願
平6ー257499号により、プレス成形性に優れてい
ることを前提とし、用途に応じて適宜、スポット溶接
性、接着性および化成処理性に優れた亜鉛系メッキ鋼板
について特許出願をした。
問題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、亜鉛系メッ
キ鋼板のメッキ層の表面に、Fe-Ni-O 系の適正な皮膜を
形成することによりプレス成形性、スポット溶接性、接
着性および化成処理性を改善できることを見出し、特願
平6ー257499号により、プレス成形性に優れてい
ることを前提とし、用途に応じて適宜、スポット溶接
性、接着性および化成処理性に優れた亜鉛系メッキ鋼板
について特許出願をした。
【0019】本発明者らは、前記した亜鉛系メッキ鋼板
では、Fe-Ni-O 系皮膜付着量が多い場合に化成処理皮膜
の密着性がやや劣るという問題を見出だし、化成処理性
をさらに改善すべく、鋭意研究を重ねた結果、亜鉛系メ
ッキ鋼板のメッキ層の表面に、適正なFe-Ni-Zn-O系皮膜
を形成することによりプレス成形性、スポット溶接性、
接着性および化成処理性を改善できることを見出した。
では、Fe-Ni-O 系皮膜付着量が多い場合に化成処理皮膜
の密着性がやや劣るという問題を見出だし、化成処理性
をさらに改善すべく、鋭意研究を重ねた結果、亜鉛系メ
ッキ鋼板のメッキ層の表面に、適正なFe-Ni-Zn-O系皮膜
を形成することによりプレス成形性、スポット溶接性、
接着性および化成処理性を改善できることを見出した。
【0020】ここで、適正なFe−Ni−Zn−O系皮
膜とは、下記(1)から(4): (1)Ni含有量が、10〜1500mg/m2 の範囲内にあり、
(2)Zn含有量が、5 〜1500mg/m2 の範囲内にあり、
(3)皮膜中のFe/(Fe+Ni)(重量比)が、0.05〜0.9 の
範囲内にあり、(4)酸素含有率が、0.5 〜10wt.%の範
囲内にあることを満たすものであることを知見した。
膜とは、下記(1)から(4): (1)Ni含有量が、10〜1500mg/m2 の範囲内にあり、
(2)Zn含有量が、5 〜1500mg/m2 の範囲内にあり、
(3)皮膜中のFe/(Fe+Ni)(重量比)が、0.05〜0.9 の
範囲内にあり、(4)酸素含有率が、0.5 〜10wt.%の範
囲内にあることを満たすものであることを知見した。
【0021】従来の亜鉛系メッキ鋼板は、プレス成形性
において、冷延鋼板に比較して劣る。それは、亜鉛系メ
ッキ鋼板とプレス金型との摺動抵抗が大きいからであ
る。その原因は、高面圧下において、低融点の亜鉛と金
型が凝着現象を起こすためである。これを防ぐために
は、亜鉛系メッキ鋼板のメッキ層の表面に、亜鉛または
亜鉛合金メッキ層より硬質で、且つ高融点の皮膜を形成
することが有効である。この発明におけるFe-Ni-Zn-O系
皮膜は硬質かつ高融点であるから、亜鉛系メッキ鋼板の
表面に、Fe-Ni-Zn-O系皮膜を形成することにより、プレ
ス成形時におけるメッキ層表面とプレス金型との摺動抵
抗が低下し、亜鉛系メッキ鋼板がプレス金型へ滑り込み
やすくなり、プレス成形性が向上する。また、この発明
におけるFe-Ni-Zn-O系皮膜のNiは高面圧下での摺動時に
新生面が露出した場合に、プレス油の成分を吸着しやす
い性質があり、その吸着膜により凝着現象を防ぐ効果が
ある。
において、冷延鋼板に比較して劣る。それは、亜鉛系メ
ッキ鋼板とプレス金型との摺動抵抗が大きいからであ
る。その原因は、高面圧下において、低融点の亜鉛と金
型が凝着現象を起こすためである。これを防ぐために
は、亜鉛系メッキ鋼板のメッキ層の表面に、亜鉛または
亜鉛合金メッキ層より硬質で、且つ高融点の皮膜を形成
することが有効である。この発明におけるFe-Ni-Zn-O系
皮膜は硬質かつ高融点であるから、亜鉛系メッキ鋼板の
表面に、Fe-Ni-Zn-O系皮膜を形成することにより、プレ
ス成形時におけるメッキ層表面とプレス金型との摺動抵
抗が低下し、亜鉛系メッキ鋼板がプレス金型へ滑り込み
やすくなり、プレス成形性が向上する。また、この発明
におけるFe-Ni-Zn-O系皮膜のNiは高面圧下での摺動時に
新生面が露出した場合に、プレス油の成分を吸着しやす
い性質があり、その吸着膜により凝着現象を防ぐ効果が
ある。
【0022】従来の亜鉛系メッキ鋼板は、スポット溶接
における連続打点性において、冷延鋼板に比較して劣
る。その原因は、溶接時に溶融した亜鉛が電極の銅に拡
散して脆弱な合金層を生成するために、合金層の剥離に
よる電極先端径の拡大を生じるためである。従って、亜
鉛系メッキ鋼板の連続打点性を改善する方法としては、
メッキ表面に、高融点の皮膜を形成し、メッキ金属と銅
電極との反応を抑制することが有効である。本発明者ら
は亜鉛系メッキ鋼板のスポット溶接性を改善するため
に、各種の皮膜について検討した結果、NiあるいはNi酸
化物皮膜が特に有効であることを見出した。この理由は
明らかでないが、NiがZnと反応し高融点のZn−Ni合金を
形成し、亜鉛と銅電極との反応を抑制する、あるいは、
非常に高融点のNi酸化物が亜鉛の銅電極への拡散を抑制
し、銅電極の損耗を低減することによるものと推定され
る。
における連続打点性において、冷延鋼板に比較して劣
る。その原因は、溶接時に溶融した亜鉛が電極の銅に拡
散して脆弱な合金層を生成するために、合金層の剥離に
よる電極先端径の拡大を生じるためである。従って、亜
鉛系メッキ鋼板の連続打点性を改善する方法としては、
メッキ表面に、高融点の皮膜を形成し、メッキ金属と銅
電極との反応を抑制することが有効である。本発明者ら
は亜鉛系メッキ鋼板のスポット溶接性を改善するため
に、各種の皮膜について検討した結果、NiあるいはNi酸
化物皮膜が特に有効であることを見出した。この理由は
明らかでないが、NiがZnと反応し高融点のZn−Ni合金を
形成し、亜鉛と銅電極との反応を抑制する、あるいは、
非常に高融点のNi酸化物が亜鉛の銅電極への拡散を抑制
し、銅電極の損耗を低減することによるものと推定され
る。
【0023】従来の亜鉛系メッキ鋼板の接着性が、冷延
鋼板に比較して劣ることは知られていたが、この原因は
明らかになっていなかった。そこで、本発明者らは、こ
の原因について調査した結果、鋼板表面の酸化皮膜の組
成により、接着性が支配されることが明らかになった。
すなわち、冷延鋼板の場合には鋼板表面の酸化皮膜はFe
酸化物主体となるのに対し、亜鉛系メッキ鋼板では主に
Zn酸化物が主体となる。この、酸化皮膜の組成により接
着性が異なっており、Zn酸化物はFe酸化物に比べて接着
性が劣っていた。従って、本発明のように亜鉛系メッキ
鋼板の表面にFe酸化物を含有する酸化膜で被覆された皮
膜を形成することによって、接着性を改善することが可
能である。
鋼板に比較して劣ることは知られていたが、この原因は
明らかになっていなかった。そこで、本発明者らは、こ
の原因について調査した結果、鋼板表面の酸化皮膜の組
成により、接着性が支配されることが明らかになった。
すなわち、冷延鋼板の場合には鋼板表面の酸化皮膜はFe
酸化物主体となるのに対し、亜鉛系メッキ鋼板では主に
Zn酸化物が主体となる。この、酸化皮膜の組成により接
着性が異なっており、Zn酸化物はFe酸化物に比べて接着
性が劣っていた。従って、本発明のように亜鉛系メッキ
鋼板の表面にFe酸化物を含有する酸化膜で被覆された皮
膜を形成することによって、接着性を改善することが可
能である。
【0024】従来の亜鉛系メッキ鋼板の化成処理性が、
冷延鋼板に比較して劣るのは、鋼板表面のZn濃度が高い
ために、形成されるリン酸塩結晶が粗大で不均一となる
こと、および、リン酸塩結晶の質が異なることに起因す
る。鋼板表面のZn濃度が高い場合には、リン酸塩結晶は
ホパイトが主体となり、塗装後の温水2次密着性に劣
る。これは、リン酸塩皮膜中のFe濃度が低いため、塗装
後湿潤環境下に曝されると、化成処理皮膜が復水し、鋼
板との密着力を失うことが原因である。
冷延鋼板に比較して劣るのは、鋼板表面のZn濃度が高い
ために、形成されるリン酸塩結晶が粗大で不均一となる
こと、および、リン酸塩結晶の質が異なることに起因す
る。鋼板表面のZn濃度が高い場合には、リン酸塩結晶は
ホパイトが主体となり、塗装後の温水2次密着性に劣
る。これは、リン酸塩皮膜中のFe濃度が低いため、塗装
後湿潤環境下に曝されると、化成処理皮膜が復水し、鋼
板との密着力を失うことが原因である。
【0025】化成処理皮膜の復水を抑制するためには、
リン酸塩結晶中にFeおよびNi等の金属を含有させること
が有効である。本発明者らは、亜鉛系メッキ鋼板のメッ
キ層の表面に、Fe-Ni-O 系の適正な皮膜を形成すること
により化成処理性を改善できることを見出し、特願平6
ー257499号により、プレス成形性に優れているこ
とを前提とし、用途に応じて適宜、スポット溶接性、接
着性および化成処理性に優れた亜鉛系メッキ鋼板につい
て特許出願をした。前記亜鉛系メッキ鋼板では、化成処
理の際にFe-Ni-O 系皮膜中のNiおよびFeがリン酸塩結晶
中に取り込まれ、良好な密着性を有する化成処理皮膜と
なり、また、緻密で均一なリン酸塩の結晶が形成され、
温水2次密着のみならず、耐食性も向上することが判明
した。
リン酸塩結晶中にFeおよびNi等の金属を含有させること
が有効である。本発明者らは、亜鉛系メッキ鋼板のメッ
キ層の表面に、Fe-Ni-O 系の適正な皮膜を形成すること
により化成処理性を改善できることを見出し、特願平6
ー257499号により、プレス成形性に優れているこ
とを前提とし、用途に応じて適宜、スポット溶接性、接
着性および化成処理性に優れた亜鉛系メッキ鋼板につい
て特許出願をした。前記亜鉛系メッキ鋼板では、化成処
理の際にFe-Ni-O 系皮膜中のNiおよびFeがリン酸塩結晶
中に取り込まれ、良好な密着性を有する化成処理皮膜と
なり、また、緻密で均一なリン酸塩の結晶が形成され、
温水2次密着のみならず、耐食性も向上することが判明
した。
【0026】しかしながら、本発明者らが更に検討を行
った結果、元来Niは化成処理液との反応性に劣り、純Ni
金属板上にはリン酸亜鉛結晶は生成しにくいことが判明
した。即ち、化成処理のリン酸塩結晶形成には、化成処
理液中にZnが溶出し、溶液中で水素が発生することを必
要とする。しかしながら、Niが鋼板表面を完全に覆って
しまうと、化成処理液中への金属の溶出が抑制され、反
応性に劣る結果となる。前記亜鉛系メッキ鋼板におい
て、Fe-Ni-O 系皮膜付着量が多くなると、密着性が劣化
した原因は、この点にある。一方、Fe-Ni-O 系皮膜付着
量が低い場合に優れた性能を示したのは、化成処理の際
にFe-Ni-O 系皮膜が一部溶解し、原板のZnが露出した部
分が形成され、化成処理の反応性が向上するものと推定
された。
った結果、元来Niは化成処理液との反応性に劣り、純Ni
金属板上にはリン酸亜鉛結晶は生成しにくいことが判明
した。即ち、化成処理のリン酸塩結晶形成には、化成処
理液中にZnが溶出し、溶液中で水素が発生することを必
要とする。しかしながら、Niが鋼板表面を完全に覆って
しまうと、化成処理液中への金属の溶出が抑制され、反
応性に劣る結果となる。前記亜鉛系メッキ鋼板におい
て、Fe-Ni-O 系皮膜付着量が多くなると、密着性が劣化
した原因は、この点にある。一方、Fe-Ni-O 系皮膜付着
量が低い場合に優れた性能を示したのは、化成処理の際
にFe-Ni-O 系皮膜が一部溶解し、原板のZnが露出した部
分が形成され、化成処理の反応性が向上するものと推定
された。
【0027】そこで、本発明者らが更に検討を進めた結
果、亜鉛系メッキ鋼板のメッキ層の表面に、Fe-Ni-Zn-O
系の適正な皮膜を形成することにより皮膜付着量が多い
場合でも化成処理性が劣化しないこと、また、緻密で均
一なリン酸塩の結晶が形成され、温水2次密着のみなら
ず、耐食性も向上することが判明した。
果、亜鉛系メッキ鋼板のメッキ層の表面に、Fe-Ni-Zn-O
系の適正な皮膜を形成することにより皮膜付着量が多い
場合でも化成処理性が劣化しないこと、また、緻密で均
一なリン酸塩の結晶が形成され、温水2次密着のみなら
ず、耐食性も向上することが判明した。
【0028】上述したように、亜鉛系メッキ鋼板の表面
に、少なくとも、Ni、FeおよびZnの金属並びにNi、Feお
よびZnの酸化物を含み、表層が酸化物である皮膜(以
下、「Fe-Ni-Zn-O系皮膜」という)が適性に形成されて
いることにより、亜鉛系メッキ鋼板は、プレス成形性、
スポット溶接性、接着性および化成処理性において優れ
たものが得られることを知見した。即ち、上記Fe-Ni-Zn
-O系皮膜がメッキ層の表面に形成されていることが、こ
の発明の必須条件である。
に、少なくとも、Ni、FeおよびZnの金属並びにNi、Feお
よびZnの酸化物を含み、表層が酸化物である皮膜(以
下、「Fe-Ni-Zn-O系皮膜」という)が適性に形成されて
いることにより、亜鉛系メッキ鋼板は、プレス成形性、
スポット溶接性、接着性および化成処理性において優れ
たものが得られることを知見した。即ち、上記Fe-Ni-Zn
-O系皮膜がメッキ層の表面に形成されていることが、こ
の発明の必須条件である。
【0029】上述したように、Fe-Ni-Zn-O系皮膜の酸素
含有量は、0.5〜10wt.%の範囲内にあることが必須
である。この酸素含有量を実現するための下記知見をも
得た。
含有量は、0.5〜10wt.%の範囲内にあることが必須
である。この酸素含有量を実現するための下記知見をも
得た。
【0030】電解時、亜鉛系メッキ鋼板表面では副反応
として水素発生反応が起こる。このため表面近傍では水
素イオン濃度が減少し、pHが上昇する。そこで析出皮
膜中に酸素を含有させるには、表面近傍でのpH上昇を
利用し、電解液中の金属イオンを水酸化物として共沈さ
せる方法が有効である。電解液中に含まれる金属イオン
の中では、Fe3+イオンの水酸化物生成pHが低く、水
酸化物を生成し易い。そこで、皮膜中に酸素を含有させ
るためには電解液中のFe3+の濃度を高めた方が有利で
あり、電解液中のFe3+/(Fe2++Fe3+)の比率を
制御することにより、Fe−Ni−Zn−O系皮膜の酸
素含有量を制御することができる。
として水素発生反応が起こる。このため表面近傍では水
素イオン濃度が減少し、pHが上昇する。そこで析出皮
膜中に酸素を含有させるには、表面近傍でのpH上昇を
利用し、電解液中の金属イオンを水酸化物として共沈さ
せる方法が有効である。電解液中に含まれる金属イオン
の中では、Fe3+イオンの水酸化物生成pHが低く、水
酸化物を生成し易い。そこで、皮膜中に酸素を含有させ
るためには電解液中のFe3+の濃度を高めた方が有利で
あり、電解液中のFe3+/(Fe2++Fe3+)の比率を
制御することにより、Fe−Ni−Zn−O系皮膜の酸
素含有量を制御することができる。
【0031】この発明は、上述した知見に基づいてなさ
れたものでありその要旨は下記の通りである。請求項1
記載の亜鉛系メッキ鋼板の製造方法は、硫酸ニッケル、
硫酸第1鉄、硫酸第2鉄および硫酸亜鉛を含有するメッ
キ液中で亜鉛系メッキ鋼板を陰極にして電解することに
より亜鉛系メッキ鋼板のメッキ層の表面に皮膜を形成す
ることからなる亜鉛系メッキ鋼板の製造方法において、
Ni2+、Fe2+、Fe 3+およびZn2+イオンの合計濃度
が0.3〜2.0mol/l の範囲内にあって、更にFe2+
およびFe3+の濃度の和(mol/l)に対するFe3+の濃度
(mol/l )の比率Fe3+/(Fe2++Fe3+)が、0.
5〜1.0未満の範囲内にあり、且つ、pHが1.0〜
2.0の範囲内にある上記メッキ液中で電解を行なうこ
とによりFe−Ni−Zn−O系皮膜を形成することに
特徴を有するものである。
れたものでありその要旨は下記の通りである。請求項1
記載の亜鉛系メッキ鋼板の製造方法は、硫酸ニッケル、
硫酸第1鉄、硫酸第2鉄および硫酸亜鉛を含有するメッ
キ液中で亜鉛系メッキ鋼板を陰極にして電解することに
より亜鉛系メッキ鋼板のメッキ層の表面に皮膜を形成す
ることからなる亜鉛系メッキ鋼板の製造方法において、
Ni2+、Fe2+、Fe 3+およびZn2+イオンの合計濃度
が0.3〜2.0mol/l の範囲内にあって、更にFe2+
およびFe3+の濃度の和(mol/l)に対するFe3+の濃度
(mol/l )の比率Fe3+/(Fe2++Fe3+)が、0.
5〜1.0未満の範囲内にあり、且つ、pHが1.0〜
2.0の範囲内にある上記メッキ液中で電解を行なうこ
とによりFe−Ni−Zn−O系皮膜を形成することに
特徴を有するものである。
【0032】請求項2記載の亜鉛系メッキ鋼板の製造方
法は、請求項1記載の発明の方法において、亜鉛系メッ
キ鋼板のメッキ層が、Feを7〜15wt.%含む合金化溶
融亜鉛メッキ層であることに特徴を有するものである。
法は、請求項1記載の発明の方法において、亜鉛系メッ
キ鋼板のメッキ層が、Feを7〜15wt.%含む合金化溶
融亜鉛メッキ層であることに特徴を有するものである。
【0033】請求項3記載の亜鉛系メッキ鋼板の製造方
法は、請求項1記載の発明の方法において、亜鉛系メッ
キ鋼板のメッキ層が、電気亜鉛メッキ層または溶融亜鉛
メッキ層であることに特徴を有するものである。
法は、請求項1記載の発明の方法において、亜鉛系メッ
キ鋼板のメッキ層が、電気亜鉛メッキ層または溶融亜鉛
メッキ層であることに特徴を有するものである。
【0034】
【発明の実施の形態】次に、この発明の製造条件の限定
理由を述べる。電解液として硫酸ニッケル、硫酸第1
鉄、硫酸第2鉄および硫酸亜鉛を含有する酸性硫酸塩水
溶液を用いるのは、効率よくFe、Ni、ZnおよびO
を含有させて皮膜を形成するのに適しているからであ
る。
理由を述べる。電解液として硫酸ニッケル、硫酸第1
鉄、硫酸第2鉄および硫酸亜鉛を含有する酸性硫酸塩水
溶液を用いるのは、効率よくFe、Ni、ZnおよびO
を含有させて皮膜を形成するのに適しているからであ
る。
【0035】電解液中のFe2+、Fe3+、Ni2+および
Zn2+の合計濃度は0.3mol/l 未満では、浴の伝導度
が低く電解電圧が高くなり、電流密度が低くてもメッキ
焼けが進行して酸素含有率が10wt.%を超えて溶接性が
低下し易い。一方、上記合計濃度が2.0mol/l を超え
ると溶解度の限界に達して温度が低い場合には硫酸ニッ
ケル、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄および硫酸亜鉛の沈殿を
生じる。従って、電解液中のFe2+、Fe3+、Ni2+お
よびZn2+の合計濃度は0.3〜2.0mol/lの範囲内
に限定すべきである。
Zn2+の合計濃度は0.3mol/l 未満では、浴の伝導度
が低く電解電圧が高くなり、電流密度が低くてもメッキ
焼けが進行して酸素含有率が10wt.%を超えて溶接性が
低下し易い。一方、上記合計濃度が2.0mol/l を超え
ると溶解度の限界に達して温度が低い場合には硫酸ニッ
ケル、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄および硫酸亜鉛の沈殿を
生じる。従って、電解液中のFe2+、Fe3+、Ni2+お
よびZn2+の合計濃度は0.3〜2.0mol/lの範囲内
に限定すべきである。
【0036】浴のpHが1.0未満では、水素発生が陰
極反応の主体となって電流効率が大きく低下し、一方、
pHが2.0を超えると第2Feの水酸化物が沈殿析出
する。
極反応の主体となって電流効率が大きく低下し、一方、
pHが2.0を超えると第2Feの水酸化物が沈殿析出
する。
【0037】電解液中のFe3+/(Fe2++Fe3+)の
モル比率を0.5〜1.0未満と高くしなければならな
い理由は、下記の通りである。Fe3+/(Fe2++Fe
3+)のモル比率が0.5未満ではFe−Ni−Zn−O
系皮膜中の酸素含有量が0.5wt.%未満となる。そし
て、このモル比率が高いほどFe−Ni−Zn−O系皮
膜に鉄の酸化物を共析させるのに効率がよい。従って、
このモル比率は0.5〜1.0未満の範囲内に限定すべ
きである。
モル比率を0.5〜1.0未満と高くしなければならな
い理由は、下記の通りである。Fe3+/(Fe2++Fe
3+)のモル比率が0.5未満ではFe−Ni−Zn−O
系皮膜中の酸素含有量が0.5wt.%未満となる。そし
て、このモル比率が高いほどFe−Ni−Zn−O系皮
膜に鉄の酸化物を共析させるのに効率がよい。従って、
このモル比率は0.5〜1.0未満の範囲内に限定すべ
きである。
【0038】電解液の温度については特に限定する必要
はないが、30℃未満では浴の伝導度が低く、電解電圧
が高くなり、一方、70℃を超えると電解液の蒸発量が
多くなってニッケルイオンおよび鉄イオン濃度のコント
ロールが困難になる。従って、電解液の温度は30〜7
0℃の範囲内であることが望ましい。
はないが、30℃未満では浴の伝導度が低く、電解電圧
が高くなり、一方、70℃を超えると電解液の蒸発量が
多くなってニッケルイオンおよび鉄イオン濃度のコント
ロールが困難になる。従って、電解液の温度は30〜7
0℃の範囲内であることが望ましい。
【0039】電流密度も特に制限する必要はないが、1
A/dm2 未満では水素発生が陰極反応の主体となって
電流効率が大きく低下し、一方、150A/dm2 を超
えるとメッキ焼けが進行して酸素含有率が10wt.%を超
えて溶接性が低下し易い。従って、電流密度は1〜15
0A/dm2 の範囲内にするのが望ましい。
A/dm2 未満では水素発生が陰極反応の主体となって
電流効率が大きく低下し、一方、150A/dm2 を超
えるとメッキ焼けが進行して酸素含有率が10wt.%を超
えて溶接性が低下し易い。従って、電流密度は1〜15
0A/dm2 の範囲内にするのが望ましい。
【0040】また、電解液中にはこの発明において用い
られる亜鉛系メッキ鋼板のメッキ層に含まれるCo、M
n、Mo、Al、Ti、Sn、W、Si、Pb、Nbお
よびTa等の陽イオン並びに水酸化物および酸化物、更
に硫酸イオン以外の陰イオンを含有していてもよい。
られる亜鉛系メッキ鋼板のメッキ層に含まれるCo、M
n、Mo、Al、Ti、Sn、W、Si、Pb、Nbお
よびTa等の陽イオン並びに水酸化物および酸化物、更
に硫酸イオン以外の陰イオンを含有していてもよい。
【0041】この発明において用いられる亜鉛系メッキ
鋼板とは、母材である鋼板表面に溶融メッキ法、電気メ
ッキ法および気相メッキ法等の方法の内1種以上の方法
でメッキ層を形成させた鋼板である。
鋼板とは、母材である鋼板表面に溶融メッキ法、電気メ
ッキ法および気相メッキ法等の方法の内1種以上の方法
でメッキ層を形成させた鋼板である。
【0042】亜鉛系メッキ層の化学成分組成は、純亜鉛
の他、Fe、Ni、Co、Mn、Cr、Al、Mo、T
i、Si、W、Sn、Pb、NbおよびTa等の金属も
しくは酸化物、水酸化物、または、有機物等の内、1種
または2種以上を所定量含有する単層または複層のメッ
キ層からなるものであればよい。また、上記メッキ層に
SiO2 、Al2 O3 等の微粒子を含有してもよい。そ
の他、亜鉛系メッキ鋼板として、メッキ層の成分元素は
同じであって組成の異なる複数の層からなる複層メッキ
鋼板や、メッキ層の構成元素は同じであってメッキ層の
厚さ方向に組成を連続的に変化させた機能傾斜メッキ鋼
板を使用することも可能である。
の他、Fe、Ni、Co、Mn、Cr、Al、Mo、T
i、Si、W、Sn、Pb、NbおよびTa等の金属も
しくは酸化物、水酸化物、または、有機物等の内、1種
または2種以上を所定量含有する単層または複層のメッ
キ層からなるものであればよい。また、上記メッキ層に
SiO2 、Al2 O3 等の微粒子を含有してもよい。そ
の他、亜鉛系メッキ鋼板として、メッキ層の成分元素は
同じであって組成の異なる複数の層からなる複層メッキ
鋼板や、メッキ層の構成元素は同じであってメッキ層の
厚さ方向に組成を連続的に変化させた機能傾斜メッキ鋼
板を使用することも可能である。
【0043】なお、この発明において用いられる原板の
亜鉛系メッキ鋼板としては、Fe含有率が7〜15wt.%
の合金化溶融亜鉛メッキ鋼板、並びに、電気亜鉛メッキ
鋼板および溶融亜鉛メッキ鋼板が最適である。これらの
亜鉛系メッキ鋼板は冷延鋼板や亜鉛−ニッケル合金メッ
キ鋼板に比較して加工性および溶接性等に劣るため本発
明を適用したときに得られる効果が大きい。
亜鉛系メッキ鋼板としては、Fe含有率が7〜15wt.%
の合金化溶融亜鉛メッキ鋼板、並びに、電気亜鉛メッキ
鋼板および溶融亜鉛メッキ鋼板が最適である。これらの
亜鉛系メッキ鋼板は冷延鋼板や亜鉛−ニッケル合金メッ
キ鋼板に比較して加工性および溶接性等に劣るため本発
明を適用したときに得られる効果が大きい。
【0044】上述した限定条件で製造された亜鉛系メッ
キ鋼板のメッキ層の表面に形成されるFe−Ni−Zn
−O系皮膜により、プレス成形性、スポット溶接性、接
着性および化成処理性が向上する。しかしながら、Fe
−Ni−Zn−O系皮膜中のNi含有量は10mg/m2 未満
ではプレス成形性の向上効果が得られない。一方、その
含有量が1500mg/m2 を超えると、上記効果が飽和する。
従って、Fe−Ni−Zn−O系皮膜中のNi含有量は
10〜1500mg/m2 の範囲内にあることが望ましい。
キ鋼板のメッキ層の表面に形成されるFe−Ni−Zn
−O系皮膜により、プレス成形性、スポット溶接性、接
着性および化成処理性が向上する。しかしながら、Fe
−Ni−Zn−O系皮膜中のNi含有量は10mg/m2 未満
ではプレス成形性の向上効果が得られない。一方、その
含有量が1500mg/m2 を超えると、上記効果が飽和する。
従って、Fe−Ni−Zn−O系皮膜中のNi含有量は
10〜1500mg/m2 の範囲内にあることが望ましい。
【0045】Fe−Ni−Zn−O系皮膜中のZn含有
量は5mg/m2未満では化成処理性の向上効果が得られな
い。一方、その含有量が1500mg/m2 を超えると、化成処
理性改善効果が飽和し、更に、スポット溶接性および接
着性を劣化させ、また、プレス成形性が劣化することが
あり好ましくない。従って、Fe−Ni−Zn−O系皮
膜のZn含有量は5 〜1500mg/m2 の範囲内にあることが
望ましい。
量は5mg/m2未満では化成処理性の向上効果が得られな
い。一方、その含有量が1500mg/m2 を超えると、化成処
理性改善効果が飽和し、更に、スポット溶接性および接
着性を劣化させ、また、プレス成形性が劣化することが
あり好ましくない。従って、Fe−Ni−Zn−O系皮
膜のZn含有量は5 〜1500mg/m2 の範囲内にあることが
望ましい。
【0046】Fe−Ni−Zn−O系皮膜中の酸素含有
率が0.5 wt.%未満では、皮膜の金属的性質が強くなるた
めプレス成形性および接着性の改善効果が発揮されな
い。一方、酸素含有率が10wt.%を超えると、酸化物の量
が多くなりすぎるため、リン酸塩結晶の生成が抑制され
て、化成処理性が劣化する。また、表面の電気抵抗が増
加し、溶接性が低下する。従って、Fe−Ni−Zn−
O系皮膜の酸素含有率は0.5 〜10wt.%の範囲内にあるこ
とが望ましい。
率が0.5 wt.%未満では、皮膜の金属的性質が強くなるた
めプレス成形性および接着性の改善効果が発揮されな
い。一方、酸素含有率が10wt.%を超えると、酸化物の量
が多くなりすぎるため、リン酸塩結晶の生成が抑制され
て、化成処理性が劣化する。また、表面の電気抵抗が増
加し、溶接性が低下する。従って、Fe−Ni−Zn−
O系皮膜の酸素含有率は0.5 〜10wt.%の範囲内にあるこ
とが望ましい。
【0047】Fe−Ni−Zn−O系皮膜中のFe含有
量(mg/m2)とNi含有量(mg/m2)との和に対するFe含
有量(mg/m2)の比率Fe/(Fe+Ni)が、0.05未満
では、接着性の改善効果が発揮されない。一方、Fe/
(Fe+Ni)が、0.9 を超えると、皮膜中に存在する
Ni含有量が減少するため、溶接時に形成される高融点
のZn- Ni合金に比率が少なくなり、そのため電極の
劣化が激しくなり、スポット溶接性の改善効果が発揮さ
れない。従って、皮膜中Fe/(Fe+Ni)は、0.05
〜0.9 の範囲内にあることが望ましい。
量(mg/m2)とNi含有量(mg/m2)との和に対するFe含
有量(mg/m2)の比率Fe/(Fe+Ni)が、0.05未満
では、接着性の改善効果が発揮されない。一方、Fe/
(Fe+Ni)が、0.9 を超えると、皮膜中に存在する
Ni含有量が減少するため、溶接時に形成される高融点
のZn- Ni合金に比率が少なくなり、そのため電極の
劣化が激しくなり、スポット溶接性の改善効果が発揮さ
れない。従って、皮膜中Fe/(Fe+Ni)は、0.05
〜0.9 の範囲内にあることが望ましい。
【0048】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。この実施例で使用する、Fe−Ni−Zn−O系
皮膜を形成する前の亜鉛系メッキ鋼板(以下、「原板」
という)のメッキ種は次の3種(符号GA、GIおよび
EG)である。
する。この実施例で使用する、Fe−Ni−Zn−O系
皮膜を形成する前の亜鉛系メッキ鋼板(以下、「原板」
という)のメッキ種は次の3種(符号GA、GIおよび
EG)である。
【0049】GA:合金化溶融亜鉛メッキ鋼板(10wt.%
Fe、残部Zn)であり付着量は両面共に60g/m2である。 GI:溶融亜鉛メッキ鋼板であり、付着量は両面共に90
g/m2である。
Fe、残部Zn)であり付着量は両面共に60g/m2である。 GI:溶融亜鉛メッキ鋼板であり、付着量は両面共に90
g/m2である。
【0050】EG:電気亜鉛メッキ鋼板であり付着量は
両面共に40g/m2である。 上記亜鉛系メッキ鋼板を陰極とし、所定濃度のFe2+、
Fe3+、Ni2+およびZn2+を含む酸性硫酸塩浴中で電
解処理を行なって原板の亜鉛系メッキ鋼板の表面にFe
−Ni−Zn−O系皮膜を形成させた供試体を調製し
た。但し、一部のものは電解処理をしなかった。
両面共に40g/m2である。 上記亜鉛系メッキ鋼板を陰極とし、所定濃度のFe2+、
Fe3+、Ni2+およびZn2+を含む酸性硫酸塩浴中で電
解処理を行なって原板の亜鉛系メッキ鋼板の表面にFe
−Ni−Zn−O系皮膜を形成させた供試体を調製し
た。但し、一部のものは電解処理をしなかった。
【0051】電解液中のFe2+、Fe3+、Ni2+および
Zn2+の濃度は、添加する硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫
酸ニッケルおよび硫酸亜鉛の添加量を調整して制御した
が、電解の進行に伴ってFe2+とFe3+との比率が変化
する場合には、電解液に過酸化水素等の酸化剤を添加し
てFe2+をFe3+に酸化させ、または逆に、電解液に金
属鉄を接触させてFe3+をFe2+に還元させることによ
りその比率を制御した。
Zn2+の濃度は、添加する硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫
酸ニッケルおよび硫酸亜鉛の添加量を調整して制御した
が、電解の進行に伴ってFe2+とFe3+との比率が変化
する場合には、電解液に過酸化水素等の酸化剤を添加し
てFe2+をFe3+に酸化させ、または逆に、電解液に金
属鉄を接触させてFe3+をFe2+に還元させることによ
りその比率を制御した。
【0052】表1および2に、本発明の範囲内の条件で
電解処理をした実施例1〜24、および、少なくとも1
つの条件が本発明の範囲外の条件で電解処理をした比較
例2〜9、11〜14および16〜19の電解条件を示
す。なお、比較例1、10および15は全く電解処理を
施さなかったものである。
電解処理をした実施例1〜24、および、少なくとも1
つの条件が本発明の範囲外の条件で電解処理をした比較
例2〜9、11〜14および16〜19の電解条件を示
す。なお、比較例1、10および15は全く電解処理を
施さなかったものである。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】各供試体のFe−Ni−Zn−O系皮膜に
ついて、皮膜中のNiおよびZnの含有量、皮膜中Fe/Fe+N
i、および、皮膜の酸素含有率を下記のようにして測定
した。 「皮膜中のNiおよびZnの含有量、および、皮膜中Fe/Fe+
Ni」下層のメッキ層中にはFe-Ni-Zn-O系皮膜中の成分元
素を含むので、ICP法では、上層のFe-Ni-Zn-O系皮膜
中の成分と下層のメッキ層中の成分元素とを完全に分離
することは困難である。そこで、ICP法により、Fe-N
i-Zn-O系皮膜中の元素の内、下層のメッキ層中に含まれ
ていない元素のみを定量分析した。更に、Arイオンス
パッタした後、XPS法によりFe-Ni-Zn-O系皮膜中各成
分元素の測定を表面から繰り返すことによって、メッキ
層の深さ方向に対する各成分元素の組成分布を測定し
た。この測定方法においては、下層のメッキ層中に含ま
れていないFe-Ni-Zn-O系皮膜の元素が最大濃度を示す表
面からの深さ(xとする)に、その元素が検出されなく
なる表面からの深さ(yとする)と上記最大濃度を示す
表面からの深さ(x)との差(y−x)の1/2を加え
た表面からの深さ(x+(y−x)/2)、即ち、最大
濃度を示す表面からの深さ(x)と、その元素が検出さ
れなくなる表面からの深さ(y)との、表面からの平均
深さ((x+y)/2)をFe-Ni-Zn-O系皮膜の厚さと定
義した。そして、ICP法の結果とXPS法の結果か
ら、Fe-Ni-Zn-O系皮膜の付着量および組成を算定した。
次いで、皮膜中Fe/(Fe+Ni)を算定した。 「皮膜の酸素含有率」また、酸素含有率は、オージェ電
子分光法(AES)の深さ方向分析結果から求めた。
ついて、皮膜中のNiおよびZnの含有量、皮膜中Fe/Fe+N
i、および、皮膜の酸素含有率を下記のようにして測定
した。 「皮膜中のNiおよびZnの含有量、および、皮膜中Fe/Fe+
Ni」下層のメッキ層中にはFe-Ni-Zn-O系皮膜中の成分元
素を含むので、ICP法では、上層のFe-Ni-Zn-O系皮膜
中の成分と下層のメッキ層中の成分元素とを完全に分離
することは困難である。そこで、ICP法により、Fe-N
i-Zn-O系皮膜中の元素の内、下層のメッキ層中に含まれ
ていない元素のみを定量分析した。更に、Arイオンス
パッタした後、XPS法によりFe-Ni-Zn-O系皮膜中各成
分元素の測定を表面から繰り返すことによって、メッキ
層の深さ方向に対する各成分元素の組成分布を測定し
た。この測定方法においては、下層のメッキ層中に含ま
れていないFe-Ni-Zn-O系皮膜の元素が最大濃度を示す表
面からの深さ(xとする)に、その元素が検出されなく
なる表面からの深さ(yとする)と上記最大濃度を示す
表面からの深さ(x)との差(y−x)の1/2を加え
た表面からの深さ(x+(y−x)/2)、即ち、最大
濃度を示す表面からの深さ(x)と、その元素が検出さ
れなくなる表面からの深さ(y)との、表面からの平均
深さ((x+y)/2)をFe-Ni-Zn-O系皮膜の厚さと定
義した。そして、ICP法の結果とXPS法の結果か
ら、Fe-Ni-Zn-O系皮膜の付着量および組成を算定した。
次いで、皮膜中Fe/(Fe+Ni)を算定した。 「皮膜の酸素含有率」また、酸素含有率は、オージェ電
子分光法(AES)の深さ方向分析結果から求めた。
【0056】表3および4に、実施例および比較例の供
試体について、Fe-Ni-Zn-O系皮膜の、Ni含有 量、Zn含
有量、皮膜中Fe/Fe+Ni、および酸素含有率の測定結果を
示す。
試体について、Fe-Ni-Zn-O系皮膜の、Ni含有 量、Zn含
有量、皮膜中Fe/Fe+Ni、および酸素含有率の測定結果を
示す。
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】次に、実施例および比較例の供試体につい
て、プレス成形性、スポット溶接性、接着性および化成
処理性を評価するために、摩擦係数測定、スポット溶接
における連続打点性試験、接着性試験、およびリン酸塩
結晶の形成状態・密着性調査試験を行なった。各評価試
験方法は下記の通りである。 「摩擦係数測定試験」プレス成形性を評価するために、
各供試体の摩擦係数を、下記装置により測定した。
て、プレス成形性、スポット溶接性、接着性および化成
処理性を評価するために、摩擦係数測定、スポット溶接
における連続打点性試験、接着性試験、およびリン酸塩
結晶の形成状態・密着性調査試験を行なった。各評価試
験方法は下記の通りである。 「摩擦係数測定試験」プレス成形性を評価するために、
各供試体の摩擦係数を、下記装置により測定した。
【0060】図1は、摩擦係数測定装置を示す概略正面
図である。同図に示すように、供試体から採取した摩擦
係数測定用試料1が試料台2に固定され、試料台2は、
水平移動可能なスライドテーブル3の上面に固定されて
いる。スライドテーブル3の下面には、これに接したロ
ーラ4を有する上下動可能なスライドテーブル支持台5
が設けられ、これを押上げることにより、ビード6によ
る摩擦係数測定用試料1への押付荷重Nを測定するため
の第1ロードセル7が、スライドテーブル支持台5に取
付けられている。上記押付力を作用させた状態で、スラ
イドテーブル3の水平移動方向の一方の端部には、スラ
イドテーブル3を水平方向へ移動させるための摺動抵抗
力Fを測定するための第2ロードセル8が、スライドテ
ーブル3の一方の端部に取付けられている。なお、潤滑
油として、日本パーカライジング社製ノックスラスト5
50HNを試料1の表面に塗布して試験を行った。
図である。同図に示すように、供試体から採取した摩擦
係数測定用試料1が試料台2に固定され、試料台2は、
水平移動可能なスライドテーブル3の上面に固定されて
いる。スライドテーブル3の下面には、これに接したロ
ーラ4を有する上下動可能なスライドテーブル支持台5
が設けられ、これを押上げることにより、ビード6によ
る摩擦係数測定用試料1への押付荷重Nを測定するため
の第1ロードセル7が、スライドテーブル支持台5に取
付けられている。上記押付力を作用させた状態で、スラ
イドテーブル3の水平移動方向の一方の端部には、スラ
イドテーブル3を水平方向へ移動させるための摺動抵抗
力Fを測定するための第2ロードセル8が、スライドテ
ーブル3の一方の端部に取付けられている。なお、潤滑
油として、日本パーカライジング社製ノックスラスト5
50HNを試料1の表面に塗布して試験を行った。
【0061】供試体とビードとの間の摩擦係数μは、
式:μ=F/Nで算出した。但し、押付荷重N:400
kgf、試料の引き抜き速度(スライドテーブル3の水
平移動速度):100cm/minとした。
式:μ=F/Nで算出した。但し、押付荷重N:400
kgf、試料の引き抜き速度(スライドテーブル3の水
平移動速度):100cm/minとした。
【0062】図2は、使用したビードの形状・寸法を示
す概略斜視図である。ビード6の下面が試料1の表面に
押しつけられた状態で摺動する。その下面形状は、幅1
0mm、摺動方向長さ60mmの平面を有し、その前後
面の幅10mmの各々の線には4.5mmRを持つ筒面
の1/4部分が同図のように接している。 「連続打点性試験」スポット溶接性を評価するために、
各供試体について連続打点性試験を行った。
す概略斜視図である。ビード6の下面が試料1の表面に
押しつけられた状態で摺動する。その下面形状は、幅1
0mm、摺動方向長さ60mmの平面を有し、その前後
面の幅10mmの各々の線には4.5mmRを持つ筒面
の1/4部分が同図のように接している。 「連続打点性試験」スポット溶接性を評価するために、
各供試体について連続打点性試験を行った。
【0063】同じ供試体を2枚重ね、それを両面から1
対の電極チップで挟み、加圧通電して電流を集中させた
抵抗溶接(スポット溶接)を、下記条件で連続的に実施
した。 ・電極チップ:先端径6mmのドーム型 ・加圧力:250kgf ・溶接時間:0.2秒 ・溶接電流:11.0kA ・溶接速度:1点/sec. 連続打点性の評価としては、スポット溶接時に、2枚重
ねた溶接母材(供試体)の接合部に生じた溶融凝固した
金属部(ナゲット)の径が、4xt1/2 (t:1枚の板
厚)未満になるまでに連続打点した打点数を用いた。な
お、上記打点数を以下、電極寿命という。 「接着性試験」各供試体から次の接着性試験用試験体を
調製した。
対の電極チップで挟み、加圧通電して電流を集中させた
抵抗溶接(スポット溶接)を、下記条件で連続的に実施
した。 ・電極チップ:先端径6mmのドーム型 ・加圧力:250kgf ・溶接時間:0.2秒 ・溶接電流:11.0kA ・溶接速度:1点/sec. 連続打点性の評価としては、スポット溶接時に、2枚重
ねた溶接母材(供試体)の接合部に生じた溶融凝固した
金属部(ナゲット)の径が、4xt1/2 (t:1枚の板
厚)未満になるまでに連続打点した打点数を用いた。な
お、上記打点数を以下、電極寿命という。 「接着性試験」各供試体から次の接着性試験用試験体を
調製した。
【0064】図3は、その組み立て過程を説明する概略
斜視図である。同図に示すように、幅25mm、長さ2
00mmの2枚の供試体10を、その間に0.15mm
のスペーサー11を介して、接着剤12の厚さが0.1
5mmとなるように重ね合わせて接着し、接着性試験体
13を作製し、150℃x10min.の焼き付けを行
う。このようにして調製された前記試験体を図4に示す
ようにT型に折り曲げ、引張試験機を用いて200mm
/min.の速度で引張試験をし、試験体が剥離したと
きの平均剥離強度(n=3回)を測定した。剥離強度
は、剥離時の引張荷重曲線の荷重チャートから、平均荷
重を求め、単位:kgf/25mmで表した。図4中、
Pは引張荷重を示す。なお、接着剤は塩ビ系のヘミング
用アドヒシブを用いた。 「化成処理性試験」化成処理性を評価するために、次の
試験を行った。
斜視図である。同図に示すように、幅25mm、長さ2
00mmの2枚の供試体10を、その間に0.15mm
のスペーサー11を介して、接着剤12の厚さが0.1
5mmとなるように重ね合わせて接着し、接着性試験体
13を作製し、150℃x10min.の焼き付けを行
う。このようにして調製された前記試験体を図4に示す
ようにT型に折り曲げ、引張試験機を用いて200mm
/min.の速度で引張試験をし、試験体が剥離したと
きの平均剥離強度(n=3回)を測定した。剥離強度
は、剥離時の引張荷重曲線の荷重チャートから、平均荷
重を求め、単位:kgf/25mmで表した。図4中、
Pは引張荷重を示す。なお、接着剤は塩ビ系のヘミング
用アドヒシブを用いた。 「化成処理性試験」化成処理性を評価するために、次の
試験を行った。
【0065】各供試体を、自動車塗装下地用の浸漬型リ
ン酸亜鉛処理液(日本パーカライジング社製PBL30
80)で通常の条件で処理し、その表面にリン酸亜鉛皮
膜を形成させた。このようにして形成されたリン酸亜鉛
皮膜の結晶状態を走査型電子顕微鏡(SEM)により観
察した。その結晶状態により3段階に区分した。評価区
分の符号とその内容は、次の通りである。 ○:リン酸亜鉛皮膜の結晶が緻密で小さい。 △:リン酸亜鉛皮膜の結晶がやや粗大で大きい。 ×:リン酸亜鉛皮膜の結晶が粗大であるか、生成しな
い。 「化成処理皮膜の密着性試験」供試体を、上記自動車塗
装下地用の浸漬型リン酸亜鉛処理剤で処理し、更に20
μmの塗膜圧のED塗装を行った後、化成処理皮膜密着
性試験を行った。図5に化成処理皮膜と亜鉛系めっき層
自体との密着力を評価する方法の概略を示す。100×
25mmサイズの供試体14の間に0.15mmのスペ
ーサー15を介して接着剤16の厚みが0.15mm、
接着面積が25×10mmとなるように試験体を作成
し、170℃×30分の焼き付けを行なった。接着剤は
エポキシ系の構造用接着剤を用いた。尚、供試体14は
板厚0.8mmの各種鋼板であるが、材質によっては強
度が小さく、引張試験を行う際に母材破断を生じる可能
性があるため、供試体には板厚2mmの鋼板を補強板1
7とし、化成処理皮膜の密着性試験体18とした。この
試験体を引っ張り試験機を用いて200mm/minの
速度で引っ張り、剥離時の平均剥離強度を測定するとと
もに、剥離面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察
した。
ン酸亜鉛処理液(日本パーカライジング社製PBL30
80)で通常の条件で処理し、その表面にリン酸亜鉛皮
膜を形成させた。このようにして形成されたリン酸亜鉛
皮膜の結晶状態を走査型電子顕微鏡(SEM)により観
察した。その結晶状態により3段階に区分した。評価区
分の符号とその内容は、次の通りである。 ○:リン酸亜鉛皮膜の結晶が緻密で小さい。 △:リン酸亜鉛皮膜の結晶がやや粗大で大きい。 ×:リン酸亜鉛皮膜の結晶が粗大であるか、生成しな
い。 「化成処理皮膜の密着性試験」供試体を、上記自動車塗
装下地用の浸漬型リン酸亜鉛処理剤で処理し、更に20
μmの塗膜圧のED塗装を行った後、化成処理皮膜密着
性試験を行った。図5に化成処理皮膜と亜鉛系めっき層
自体との密着力を評価する方法の概略を示す。100×
25mmサイズの供試体14の間に0.15mmのスペ
ーサー15を介して接着剤16の厚みが0.15mm、
接着面積が25×10mmとなるように試験体を作成
し、170℃×30分の焼き付けを行なった。接着剤は
エポキシ系の構造用接着剤を用いた。尚、供試体14は
板厚0.8mmの各種鋼板であるが、材質によっては強
度が小さく、引張試験を行う際に母材破断を生じる可能
性があるため、供試体には板厚2mmの鋼板を補強板1
7とし、化成処理皮膜の密着性試験体18とした。この
試験体を引っ張り試験機を用いて200mm/minの
速度で引っ張り、剥離時の平均剥離強度を測定するとと
もに、剥離面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察
した。
【0066】剥離は、強度が最も弱い箇所で発生する。
GA(合金化溶融亜鉛メッキ鋼板)を用いた場合には、
剥離はGA皮膜と鋼板の界面で発生し、剥離強度はGA
皮膜と鋼板の界面密着強度となる。GI(溶融亜鉛メッ
キ鋼板)およびEG(電気亜鉛メッキ鋼板)を用いた場
合には、接着剤内部の凝集破壊となり、剥離強度は接着
剤自体の強度となる。
GA(合金化溶融亜鉛メッキ鋼板)を用いた場合には、
剥離はGA皮膜と鋼板の界面で発生し、剥離強度はGA
皮膜と鋼板の界面密着強度となる。GI(溶融亜鉛メッ
キ鋼板)およびEG(電気亜鉛メッキ鋼板)を用いた場
合には、接着剤内部の凝集破壊となり、剥離強度は接着
剤自体の強度となる。
【0067】化成処理皮膜と亜鉛系めっき層自体との密
着力の評価は、剥離強度が無処理材と同等のものを○、
剥離強度が無処理材より低下しているものを×とした。
表3および4に、以上のプレス成形性、スポット溶接
性、接着性および化成処理性の評価試験結果を併記し
た。表1〜4より、下記事項が明らかである。
着力の評価は、剥離強度が無処理材と同等のものを○、
剥離強度が無処理材より低下しているものを×とした。
表3および4に、以上のプレス成形性、スポット溶接
性、接着性および化成処理性の評価試験結果を併記し
た。表1〜4より、下記事項が明らかである。
【0068】はじめに比較例の結果について述べると、 (1)比較例1、10および15は電解処理を施さなか
ったので、Fe−Ni−Zn−O系皮膜は形成されてい
ない。従って、原板のメッキ種の如何にかかわらずいず
れも、化成処理性における化成皮膜の密着性を除きプレ
ス成形性、スポット溶接性、接着性および化成処理性に
おける皮膜の結晶状態に劣っている。
ったので、Fe−Ni−Zn−O系皮膜は形成されてい
ない。従って、原板のメッキ種の如何にかかわらずいず
れも、化成処理性における化成皮膜の密着性を除きプレ
ス成形性、スポット溶接性、接着性および化成処理性に
おける皮膜の結晶状態に劣っている。
【0069】(2)比較例2〜4、11〜13、および
16〜18は、電解浴中にZn2+イオンを含有しない場
合である。従って、この他の電解条件は本発明の範囲内
にあっても電解処理皮膜中にZnが含有されず、そのた
め原板のメッキ種の如何にかかわらずいずれも化成皮膜
の密着性に劣っている。
16〜18は、電解浴中にZn2+イオンを含有しない場
合である。従って、この他の電解条件は本発明の範囲内
にあっても電解処理皮膜中にZnが含有されず、そのた
め原板のメッキ種の如何にかかわらずいずれも化成皮膜
の密着性に劣っている。
【0070】(3)比較例5、6、14および19は、
電解浴中のFe3+/(Fe2++Fe 3+)(モル比率)が
本発明の条件より小さい場合である。従って、この他の
電解条件は本発明の範囲内にあってもFe−Ni−Zn
−O系皮膜中の酸素含有率が適正範囲を外れて小さい。
そのため原板のメッキ種の如何にかかわらずいずれも、
接着性における剥離強度およびプレス成形性における摩
擦係数に劣っている。
電解浴中のFe3+/(Fe2++Fe 3+)(モル比率)が
本発明の条件より小さい場合である。従って、この他の
電解条件は本発明の範囲内にあってもFe−Ni−Zn
−O系皮膜中の酸素含有率が適正範囲を外れて小さい。
そのため原板のメッキ種の如何にかかわらずいずれも、
接着性における剥離強度およびプレス成形性における摩
擦係数に劣っている。
【0071】これに対して、 (4)比較例7〜9はNi2+、Fe2+、Fe3+およびZ
n2+イオンの合計濃度が本発明の条件より小さい場合で
ある。従って、この他の電解条件は本発明の範囲内にあ
ってもFe−Ni−Zn−O系皮膜中の酸素含有率が適
正範囲を外れて大きい。そのため、スポット溶接性にお
ける連続打点性および化成皮膜の結晶状態に劣ってい
る。
n2+イオンの合計濃度が本発明の条件より小さい場合で
ある。従って、この他の電解条件は本発明の範囲内にあ
ってもFe−Ni−Zn−O系皮膜中の酸素含有率が適
正範囲を外れて大きい。そのため、スポット溶接性にお
ける連続打点性および化成皮膜の結晶状態に劣ってい
る。
【0072】(5)実施例1〜24はいずれもプレス成
形性、スポット溶接性、接着性および化成処理性のすべ
てについて優れている。
形性、スポット溶接性、接着性および化成処理性のすべ
てについて優れている。
【0073】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、亜
鉛系メッキ鋼板のメッキ層の表面に形成されたFe−N
i−Zn−O系皮膜が、亜鉛または亜鉛合金メッキ層に
比べて硬質、且つ、高融点であるために、亜鉛系メッキ
鋼板のプレス成形時におけるメッキ層表面とプレス金型
との摺動抵抗が低下し、亜鉛系メッキ鋼板がプレス金型
へ滑り込み易くなる。また、Fe−Ni−Zn−O系皮
膜の存在、特に、Niが所定量含有されるために溶接時
に高融点のZn−Ni合金の形成が確保されるために、
電極の損耗が抑制され、その結果スポット溶接における
連続打点性が向上する。更に、Fe−Ni−Zn−O系
皮膜表層の酸化膜に含有されるFe酸化物の存在によ
り、接着板の剥離強度が向上する。更に、化成処理皮膜
は、Fe−Ni−Zn−O系皮膜中のNiおよびFeが
リン酸塩結晶中に取り込まれるので密着性に優れ、且
つ、緻密で均一なリン酸塩の結晶形成により温水2次密
着性にも優れたものとなる。また、化成処理の際に、F
e−Ni−Zn−O系皮膜中のZnが溶出するため、反
応が抑制されることがないので、Fe−Ni−Zn−O
系皮膜付着量が多くなっても、密着性が劣化しない。
鉛系メッキ鋼板のメッキ層の表面に形成されたFe−N
i−Zn−O系皮膜が、亜鉛または亜鉛合金メッキ層に
比べて硬質、且つ、高融点であるために、亜鉛系メッキ
鋼板のプレス成形時におけるメッキ層表面とプレス金型
との摺動抵抗が低下し、亜鉛系メッキ鋼板がプレス金型
へ滑り込み易くなる。また、Fe−Ni−Zn−O系皮
膜の存在、特に、Niが所定量含有されるために溶接時
に高融点のZn−Ni合金の形成が確保されるために、
電極の損耗が抑制され、その結果スポット溶接における
連続打点性が向上する。更に、Fe−Ni−Zn−O系
皮膜表層の酸化膜に含有されるFe酸化物の存在によ
り、接着板の剥離強度が向上する。更に、化成処理皮膜
は、Fe−Ni−Zn−O系皮膜中のNiおよびFeが
リン酸塩結晶中に取り込まれるので密着性に優れ、且
つ、緻密で均一なリン酸塩の結晶形成により温水2次密
着性にも優れたものとなる。また、化成処理の際に、F
e−Ni−Zn−O系皮膜中のZnが溶出するため、反
応が抑制されることがないので、Fe−Ni−Zn−O
系皮膜付着量が多くなっても、密着性が劣化しない。
【0074】従って、本発明によれば、プレス成形性、
スポット溶接性、接着性および化成処理性に優れた亜鉛
系メッキ鋼板の製造方法を提供することができ、工業上
極めて有用な効果がもたらされる。
スポット溶接性、接着性および化成処理性に優れた亜鉛
系メッキ鋼板の製造方法を提供することができ、工業上
極めて有用な効果がもたらされる。
【図1】摩擦係数測定装置を示す概略正面図である。
【図2】図1中のビードの形状・寸法を示す概略斜視図
である。
である。
【図3】接着性試験体の組み立て過程を説明する概略斜
視図である。
視図である。
【図4】接着性試験における剥離強度測定時の引張荷重
の負荷を説明する概略斜視図である。
の負荷を説明する概略斜視図である。
【図5】化成処理皮膜と亜鉛系めっき層自体との密着力
を評価する方法を説明する概略斜視図である。
を評価する方法を説明する概略斜視図である。
1 摩擦係数測定用試料 2 試料台 3 スライドテーブル 4 ローラ 5 スライドテーブル支持台 6 ビード 7 第1ロードセル 8 第2ロードセル 9 レール 10 供試体 11 スペーサー 12 接着剤 13 接着性試験体 14 供試体 15 スペーサー 16 接着剤 17 補強板 18 密着性試験体 N 押付荷重 F 摺動抵抗力 P 引張荷重
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 櫻井 理孝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 稲垣 淳一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 山下 正明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−25597(JP,A) 特開 平9−263970(JP,A) 特開 平10−259467(JP,A) 国際公開96/10103(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/00 - 2/40 C23C 22/00 - 22/86 C23C 28/00 - 30/00 C25D 3/00 - 7/12
Claims (3)
- 【請求項1】 硫酸ニッケル、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄
および硫酸亜鉛を含有するメッキ液中で亜鉛系メッキ鋼
板を陰極にして電解することにより前記亜鉛系メッキ鋼
板のメッキ層の表面に皮膜を形成することからなる亜鉛
系メッキ鋼板の製造方法において、Ni2+、Fe2+、F
e3+およびZn2+イオンの合計濃度が0.3mol/l 以上
2.0mol/l 以下の範囲内にあって、更に前記Fe2+お
よびFe3+の濃度の和(mol/l)に対する前記Fe3+の濃
度(mol/l)の比率が、0.5以上1.0未満の範囲内に
あり、且つ、pHが1.0以上2.0以下の範囲内にあ
る前記メッキ液中で前記電解を行なうことによりFe−
Ni−Zn−O系皮膜を形成することを特徴とする亜鉛
系メッキ鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 前記亜鉛系メッキ鋼板の前記メッキ層
は、鉄含有量が7〜15wt.%の合金化溶融亜鉛メッキ層
である請求項1記載の亜鉛系メッキ鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 前記亜鉛系メッキ鋼板の前記メッキ層
は、電気亜鉛メッキ層または溶融亜鉛メッキ層である請
求項1記載の亜鉛系メッキ鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08183756A JP3111903B2 (ja) | 1996-07-12 | 1996-07-12 | 亜鉛系メッキ鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08183756A JP3111903B2 (ja) | 1996-07-12 | 1996-07-12 | 亜鉛系メッキ鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1025596A JPH1025596A (ja) | 1998-01-27 |
JP3111903B2 true JP3111903B2 (ja) | 2000-11-27 |
Family
ID=16141435
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08183756A Expired - Fee Related JP3111903B2 (ja) | 1996-07-12 | 1996-07-12 | 亜鉛系メッキ鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3111903B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3368846B2 (ja) * | 1998-10-26 | 2003-01-20 | 日本鋼管株式会社 | プレス成形性、スポット溶接性および接着性に優れた亜鉛系メッキ鋼板の製造方法 |
JP2003213393A (ja) * | 2002-01-25 | 2003-07-30 | Jfe Engineering Kk | 亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 |
JP5771890B2 (ja) * | 2009-04-08 | 2015-09-02 | Jfeスチール株式会社 | 亜鉛系めっき鋼板 |
JP5838542B2 (ja) | 2010-09-29 | 2016-01-06 | Jfeスチール株式会社 | 冷延鋼板の製造方法 |
JP5750852B2 (ja) | 2010-09-29 | 2015-07-22 | Jfeスチール株式会社 | 冷延鋼板 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996010103A1 (fr) | 1994-09-27 | 1996-04-04 | Nkk Corporation | Tole d'acier galvanisee et son procede d'elaboration |
-
1996
- 1996-07-12 JP JP08183756A patent/JP3111903B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996010103A1 (fr) | 1994-09-27 | 1996-04-04 | Nkk Corporation | Tole d'acier galvanisee et son procede d'elaboration |
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---|---|
JPH1025596A (ja) | 1998-01-27 |
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