JP3102696B2 - 被覆組成物および該組成物を用いる被覆樹脂成形品 - Google Patents
被覆組成物および該組成物を用いる被覆樹脂成形品Info
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Description
びその組成物を被覆して得られる樹脂成形品に関する。
にすぐれているため透明樹脂材料として広く使用されて
いるが、耐摩耗性、耐溶剤性に乏しく表面に傷がつきや
すく、また有機溶剤に侵されやすいという欠点がある。
これらの欠点を改良する方法として、熱硬化性樹脂で被
覆する方法が種々提案されている。
の耐摩耗性等の性質を改善するために、アクリル系ポリ
マーを下塗り層とし、ケイ素化合物あるいはケイ素化合
物とコロイダルシリカを中心としたコロイダル金属酸化
物との部分加水分解物を上塗り層とした被覆組成物を用
いた樹脂物品が良く知られている(特開昭59−109528号
等)。そして、アクリル系ポリマー下塗り層中には、紫
外線による基板表面の光酸化劣化のために生じるクラッ
クの発生や被覆層との付着性低下を防止するために紫外
線吸収剤を添加されていることが多い。
線、水分、熱等の影響で黄変したり、クラックが発生し
たり、被覆膜が剥がれたりすることがあった。これは長
期使用において、紫外線吸収剤が被覆膜表面にマイグレ
ーションを起こし、被覆膜の外へ逃げてしまい、樹脂物
品の基板表面に滞留しないために紫外線吸収効果が漸次
減少することによる。
ート法など上塗り液をくり返し使用する被覆方法で上塗
り層を被覆すると、下塗り層中に含有されている紫外線
吸収剤が上塗り液に接触する際に溶出し、上塗り液中の
紫外線吸収剤の濃度が次第に増大して上塗り液の硬度不
良、付着性低下等の悪影響が生じて、上塗り液のポット
ライフの寿命が短くなることがあった。
クラック発生、付着性の低下を防止するための紫外線吸
収能を有するポリマーを下塗り層として用いる耐候性、
耐摩耗性樹脂成形品用被覆組成物および該組成物を被覆
用材料として用いる樹脂成形品を提供することである。
る単量体から得られる共重合体を含有する下塗り用被覆
組成物。
ち、少なくともいずれかの化合物を含むアクリルまたは
メタクリル化合物に、 (式中R1は水素またはメチル基、R2はアルキル基を表
す。) (式中R1は水素またはメチル基、R3はアルキレン基、X
は水酸基、カルボキシル基、アミン基、エポキシ基、ア
ミド基またはSi(OR4)3基を表す。但し、R4はアルキ
ル基を表す。) (ii)一般式(III)で表されるアルコキシシリル基含
有アクリルまたはメタクリル化合物、 (式中、R1は水素またはメチル基、R5は炭素数1〜6の
炭化水素基、R6は炭素数1〜5の炭化水素基、アルコキ
シアルキル基または炭素数1〜4のアシル基、dは0,1
または2を表す。) および、 (iii)紫外線吸収性を有するアクリルまたはメタクリ
ル化合物、 上記組成物を被覆し、ついでオルガノポリシロキサン
含有塗料を上塗り層として被覆してなる耐候性、耐摩性
の優れた樹脂成形品、 である。
(iii)の化合物としては、例えば一般式(IV) (式中、R1は水素またはメチル基、R7は−(CH2)n−
(n=1〜5)のアルキレン基あるいはヒドロキシアル
キレン基、Zは水素、水酸基またはカルボキシル基、T
は水素またはアルキルオキシ基(OR8)、Yは水素、塩
素またはスルフオン酸基を表す。なお、R8はCnH
2n+1(n=1〜20)のアルキル基を表す。) で表されるベンゾフェノン置換アクリルモノマー、また
は一般式(V) (式中、R1は水素またはメチル基、R7は−(CH2)n−
(n=1〜5)のアルキレン基あるいはヒドロキシアル
キレン基、R8はCnH2n+1(n=1〜20)のアルキル基、
Qは水素または塩素を表す。)で表されるトリアゾール
置換アクリルモノマーのそれぞれ単独または混合物から
なるアクリルまたはメタクリル化合物として用いられ
る。
が5〜85重量%、好ましくは30〜70重量%、(ii)の化
合物が5〜45重量%、好ましくは15〜30重量%、(ii
i)の化合物が10〜50重量%、好ましくは15〜40重量%
の割合で用いられる。なお、(ii)と(iii)の化合物
はそれぞれ5重量%、10重量%以上の割合で存在しない
とそれぞれ成分の前記添加効果がなくなる。また、(i
i)と(iii)の化合物がそれぞれ45%、50%を超えた割
合で存在すると樹脂物品との付着性が低下する。
ましくは0.5〜10μmである。0.2μm未満では耐候性が
それほど向上せず、15μmを越えると耐候テストでクラ
ックが発生しやすくなる。
ロキサン含有塗料は次式(VI)で表されるシラノール R8Si(OH)3 (VI) (式中、R8は1〜3の炭素数をもつアルキル基、ビニル
基、トリフルオロプロピル基、γ−グリシドキシプロピ
ル基、γ−アミノプロピル基またはγ−メタクリルオキ
シプロピル基を表す。) をコロイダル金属酸化物の水性あるいはアルコール分散
液に加えて、部分加水分解して得られるケイ素化合物含
有被覆塗料である。
として用いることができる。上塗り層の厚みは1.0〜8
μmが好ましく、最も好ましくは3〜5μmである。1.
0μm未満では耐摩耗性がそれほど向上せず、8μmを
越えるとクラックが発生しやすくなる。
ることも可能である。
よる光酸化劣化をうけやすいポリカーボネートに有効で
あるが、他の基材、例えばポリアクリル(耐熱アク
リ)、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ア
クリロニトリル/スチレンコポリマー等への応用が可能
である。また、本発明の被覆用塗料組成物は透明性にす
ぐれているので、透明性のある上記樹脂基材の被覆用
に、特に適している。
樹脂成形物品の表面に塗布し、得られる塗膜を該樹脂成
形物品の熱変形温度より低い温度での焼付け、または風
乾することにより下塗り塗膜が得られる。さらに、前記
下塗り層の上に上塗り層を被覆し、硬化させる。
i)成分20重量%、(iii)成分ベンゾフェノン10重量%
となるように配合した。
ルメタクリレート78.4g{(i)成分}、γ−アクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン22.4g{(ii)成分}
および2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メ
タクリロキシ)−プロポキシベンゾフェノン11.2g{(i
ii)成分}とアゾビスイソブチロニトリル0.5gを溶解
し、窒素雰囲気下で85℃で4時間加熱撹拌して共重合さ
せた。
1000cpsであった。該共重合体を100gにプロピレングリ
コールモノメチルエーテル100gを加えて下塗り塗料溶液
とした。
メチルトリメトキシシラン207g、酢酸7.0gを加え、温度
50℃に保ちながら2時間撹拌し加水分解を行う。その後
n−ブタノール195g、イソプロピルアルコール195g、酢
酸ナトリウム1.26g、酢酸11.0gを添加し上塗り溶液とし
た。
塗り溶液を塗布し、風乾15分後、熱風乾燥炉で125℃、2
0分間加熱乾燥した。乾燥後の下塗り層の膜厚は3.7μm
であった。次にこのようにして得られた下塗り層で被覆
されたポリカーボネートに前記(b)の上塗り溶液を塗
布し、風乾15分後、熱風乾燥炉で125℃、60分間加熱乾
燥した。乾燥後の上塗り層の厚みは3.8μmであった。
は、透明で耐摩耗性はA、付着性は100/100、耐水性も
良好で、さらに、サンシャインウェザオメーターテスト
3000時間後の外観、硬度、付着性も良好であった。
塗り液に約100枚程浸漬し、サンプルを作成した場合で
も付着性も低下しないことが観測された。また、塗料の
ポットライフも長かった。
くさを調べ次の様に判定した。
面にナイフで1mm間隔で縦横に各11本の平行線を入れて1
00個のマス目をクロスカットし、その上にセロファン粘
着テープを付着させた後、テープを剥離して100個のマ
ス目の中で剥離しないマス目の個数をもって表示した。
ック、剥離等異常の有無を確認する。
オメーターにて耐候性を評価した。なお、ブラックパネ
ル温度は63±3℃、水スプレーは12分/時間のサイクル
で実施した。
i)成分20重量%、(iii)成分トリアゾール20重量%と
なるように配合した。
メタクリレート63g{(i)成分}、γ−アクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン21g{(ii)成分}および
2−{2′−ヒドロキシ−3′−カブチル−5′−(2
−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシフェニ
ル)プロポキシベンゾトリアゾール21g{(iii)成分}
とアゾビスイゾブチロニトリル0.5gを溶解し、窒素雰囲
気下で90℃で4時間加熱撹拌して共重合させた。
0cpsであった。該共重合体を100gにエレングリコールモ
ノエチルエーテル400gを加えて下塗り塗料溶液とした。
トリメトキシシラン80g、メチルトリメトキシシラン144
g、コロイダルシリカ15gおよび0.1規定塩酸水溶液170g
を混合し、80〜85℃で2時間還流して加水分解を行っ
た。このようにして得られた3元共加水分解溶液410gに
エチルセロソルブ73g、過塩素酸アンモニウム1.3gを添
加し、上塗り溶液とした。
塗り溶液を塗布し、風乾15分後、熱風乾燥炉で125℃、1
5分間加熱乾燥した。乾燥後の膜厚は0.8μmであった。
次にこのようにして得られた下塗り層で被覆されたポリ
カーボネートに前記(b)の上塗り溶液を塗布し、風乾
15分後、熱風乾燥炉で125℃、60分間加熱乾燥した。乾
燥後の膜厚は4.3μmであった。
は、透明で耐摩耗性はA、付着性は100/100、耐水性も
良好で、さらに、サンシャインウェザオメーターテスト
3000時間後の外観、硬度、付着性も良好であった。
量組成比の共重合体を作成した。この共重合体100gにプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル100gを加えて下
塗り塗料溶液とした。
液を調製した。
に第1表の各下塗り溶液を塗布し、風乾15分後、熱風乾
燥炉で125℃、15分間加熱乾燥した。乾燥後の膜厚はす
べて3.7μmであった。次に実施例1の(b)上塗り塗
料溶液を塗布し、風乾15分後、熱風乾燥炉で125℃、60
分間加熱乾燥した。乾燥後の膜厚はいずれも3.8μmで
あった。
第2表に示された如く、付着性が不良で耐水性も不良で
あった。
チルエーテル160gにメチルメタクリレート62g、γ−ア
クリロキシプロピルトリメトキシシラン27gとアゾビス
イソブチロニトリル0.4gを溶解し窒素雰囲気下で90℃、
4時間加熱撹拌して共重合させた。
0cpsであった。該共重合体100gにエチレングリコールモ
ノエチルエーテル328g、2,4−ジヒドロキシベンゾフェ
ノン(紫外線吸収剤)7.5gを加えて下塗り塗料溶液とし
た。(b)上塗り層溶液の調製:実施例2の(b)上塗
り溶液を用いた。
塗り溶液を塗布し、風乾15分後熱風乾燥炉で125℃、20
分間加熱乾燥した。乾燥後の膜厚は1.0μmであった。
次にこのようにして得られた下塗り層で被覆されたポリ
カーボネートに前記(b)の上塗り溶液を塗布し、風乾
15分後、熱風乾燥炉で125℃、60分間加熱乾燥した。乾
燥後の膜厚は4.3μmであった。
は、透明で耐摩耗性はA、付着性は100/100、耐水性も
良好であった。しかし、サンシャインウェザオメーター
テスト2000〜2500時間で黄変が激しく、一部クラックも
観測された。
塗り液に約100枚程浸漬し、サンプルを作成することで
上塗り液中に紫外線吸収剤が溶出していき、その結果耐
摩耗性はB〜C、付着性も低下してくることが観測され
た。この付着性低下は紫外線吸収剤が上塗り溶液全体に
対して2500ppm以上溶出すると、その傾向を示すことが
わかった。
共重合物を100g取り、さらに蒸留水8.5g、過塩素酸アン
モニウム0.6g、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル400gを加えて十分撹拌し、下塗り塗料溶液とした。
びコロイダルアンチモンオキサイド14gにメチルトリメ
トキシシラン207g、酢酸7.0gを加え温度を50℃に保ちな
がら3時間撹拌し加水分解を行う。その後n−ブタノー
ル195g、イソプロピルアルコール195g、酢酸ナトリウム
1.26g、酢酸11.0gを添加し、上塗り溶液とした。
塗り溶液を塗布し、風乾15分後、熱風乾燥炉で125℃、2
0分間加熱乾燥した。乾燥後の膜厚は0.7μmであった。
次にこのようにして得られた下塗り層で被覆されたポリ
カーボネートに前記(b)の上塗り溶液を塗布し、風乾
15分後、熱風乾燥炉で125℃、60分間加熱乾燥した。乾
燥後の膜厚は3.8μmであった。
は、透明で耐摩耗性はA、付着性は100/100、耐水性も
良好で、さらに、サンシャインウェザオメーターテスト
3000時間後の外観、硬度、付着性も良好であった。
するアクリルポリマーが被覆されているため、水分や熱
による溶出やマイグレーションの問題がなく、長期使用
において紫外線での光酸化劣化を防止することを維持で
きる。
マーはポリマー状態のため溶剤に溶出することが少な
く、いつまでも初期の上塗り特性を保つことができるの
で、上塗り塗料のライフを短くする様な悪影響を防止で
きる。
Claims (3)
- 【請求項1】次の(i)、(ii)および(iii)からな
る単量体から得られる共重合体を含有する下塗り用被覆
組成物。 (i)一般式(I)または(II)で表される化合物のう
ち、少なくともいずれかの化合物を含むアクリルまたは
メタクリル化合物 5〜85重量% (式中R1は水素またはメチル基、R2はアルキル基を表
す。) (式中R1は水素またはメチル基、R3はアルキレン基、X
は水酸基、カルボシル基、アミン基、エポキシ基、アミ
ド基またはSi(OR4)3基を表す。但し、R4はアルキル
基を表す。) (ii)一般式(III)で表されるアルコキシシリル基含
有アクリルまたはメタクリル化合物 5〜45重量% (式中、R1は水素またはメチル基、R5は炭素数1〜6の
炭化水素基、R6は炭素数1〜5の炭化水素基、アルコキ
シアルキル基または炭素数1〜4のアシル基、dは0、
1または2を表す。) および、 (iii)ベンゾフェノン置換アクリルモノマー、また
は、トリアゾール置換アクリルモノマーのそれぞれ単独
または混合物からなる紫外線吸収性を有するアクリルま
たはメタクリル化合物 10〜50重量% - 【請求項2】前記(i)はメチルメタクリレートである
請求項1記載の下塗り用被覆組成物。 - 【請求項3】請求項1記載の組成物を被覆し、ついでオ
ルガノポリシロキサン含有塗料を上塗り層として被覆し
てなる耐候性、耐摩耗性の優れた樹脂成形品。
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