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JP3100976B2 - 高膜厚型一液ウレタン塗料の調合方法 - Google Patents

高膜厚型一液ウレタン塗料の調合方法

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JP3100976B2
JP3100976B2 JP02290149A JP29014990A JP3100976B2 JP 3100976 B2 JP3100976 B2 JP 3100976B2 JP 02290149 A JP02290149 A JP 02290149A JP 29014990 A JP29014990 A JP 29014990A JP 3100976 B2 JP3100976 B2 JP 3100976B2
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JP
Japan
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curing
filler
coating
thickness
coating film
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信一 英
英夫 山下
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Aisin Chemical Co Ltd
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Aisin Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、自動車の外板用の中塗り型層間耐チッピン
グ塗料として利用される高膜厚型一液ウレタン塗料の調
合方法に関する。
[従来の技術] 従来、一液硬化型ウレタン塗料が、耐チッピング性塗
料として有用であることが知られている。たとえば、特
開昭61−218664号公報にはブロック化されたイソシアネ
ートをもつウレタンプレポリマーおよび活性水素を5以
上有するポリアルキレンポリアミンのオキシアルキレン
エーテルを含有する塗料組成物が開示されている。この
一液硬化型ウレタン塗料は自動車の外板の耐チッピング
性を要する部分に塗布される。一液硬化型ウレタン塗料
は、通常ウレタン結合を形成するイソシアネート基がブ
ロックされており、塗布後焼付けによりポリオールと反
応してウレタン塗膜を形成する。
この一液硬化型ウレタン塗料には、一般に反応を促進
する硬化触媒が配合されている。この触媒としては、有
機スズ化合物やアミンなどが用いられ、その種類や添加
量で硬化速度の調整をおこない所望の塗膜を形成するの
が通例である。
[発明が解決しようとする課題] ところでウレタン塗料の硬化速度は、触媒量が多いと
表面硬化が内部より速くなりワキが発生しやすい、一方
触媒量が少ないと硬化反応が不十分で耐チッピング性が
低下する。また、硬化速度は素地の材質の影響をも受け
やすいことが知られている。たとえば、塩化ビニルプラ
スチゾルから形成されたシール材表面では硬化速度が遅
くなることが知られている。これは触媒が優先的に多孔
質の塩化ビニル樹脂中に吸収されるためと推定されてい
る。したがって被塗布面に電着塗膜、シール材などが共
存する自動車用の塗料にあっては、最適量の把握が困難
である。また有用な触媒である有機スズ化合物は人体に
有害であることも知られている。
さらに、ウレタンの硬化反応は水分の影響を受けやす
く、配合される添加物は吸水性の少ないものを用いるこ
とが、塗膜にワキの発生を抑制するために好ましいとさ
れている。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、触
媒性能が素地の影響をうけにくくすることを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] 本発明の高膜厚型一液ウレタン塗料の調合方法は、ブ
ロックポリイソシアネートとポリオールとを塗膜形成成
分とし、フイラーと、溶媒とを調合してなり有機化合物
触媒を含まない高膜厚型一液ウレタン塗料の調合方法で
あって、該フィラーは、pH値が8〜10のウレタン塗膜硬
化促進性の硬化促進フイラーとpH値が5〜6のウレタン
塗膜硬化遅延性の硬化遅延フイラーとを体積比で8/2〜6
/4の割合で調合し、該硬化促進フイラーと該遅延フイラ
ーとの混合比で塗膜の硬化反応を調節することを特徴と
するいることを特徴とする この一液ウレタン塗料は、通常の一液ウレタン塗料に
使用されるブロックポリイソシアネートとポリオールと
を塗膜形成成分とし、公知の溶媒中に配合されている。
この一液ウレタン塗料には、通常の硬化触媒の代りに
塗膜硬化促進性の硬化促進フイラーと塗膜硬化遅延性の
硬化遅延フイラーとを特定の体積比で用いることで塗布
膜の硬化速度を調整することができる。
硬化促進フイラーとしては、pHが8〜10の弱塩基性フ
イラーが使用できる。たとえば、バライト、沈降性硫酸
バリウム、などが利用できる。
硬化遅延フイラーとしては、pHが5〜6の弱酸性フイ
ラーが使用できる。たとえば、硅石、表面処理炭酸カル
シウムなどが利用できる。
上記のフイラーは平均粒径が5〜30μmの範囲である
ことが望ましい。平均粒径が5μm未満であるとワキ発
生を抑制できないので好ましくない。また平均粒径が30
μmを超えると塗布ときのエアレススプレーのノズル詰
まりが発生し塗布の作業性が低下するので好ましくな
い。
硬化促進フイラーと硬化遅延フイラーの割合は、体積
比で8/2〜6/4の範囲で使用する。硬化促進フイラーの体
積比が80%を超え硬化遅延フイラーの体積比が20%未満
となると、硬化塗膜はワキが発生しやすくなり好ましく
ない。また、硬化促進フイラーの体積比が6未満となり
硬化遅延フイラーの体積比が4を超えると、耐チッピン
グ性などの塗膜物性が低下するので好ましくない。
これらのフイラーは、塗膜中に通常の高厚膜を形成す
るに適した量配合される。体積比が本発明の範囲であれ
ば塗料中の配合量による影響は受けない。
硬化促進フイラーと硬化遅延フイラーは吸水性の小さ
いものであることが好ましく、たとえば、含水分率0.3
%以下のものであることが望ましい。これより水分率が
大きいとワキが発生しやすくなり好ましくない。
この塗料の塗布には、通常の塗装方法がいずれも適用
可能である。
この硬化促進フイラーと硬化遅延フイラーを組合せて
使用することで、従来使用されている液体の硬化触媒を
使用しなくても所定の物性を持つ耐チッピング性の硬化
塗膜が形成できる。このためシール材のような多孔質の
塩化ビニル素地に塗布された場合、液体の硬化触媒が素
地に吸収され易く、表面部分の塗布膜の硬化が遅くなる
といった不均一な硬化となることがない。
[発明の作用および効果] 本発明の高膜厚型一液ウレタン塗料の調合方法によれ
ば、硬化促進フイラーと硬化遅延フイラーとを特定の体
積比で調合する。このため従来のスズなどの有害な金属
硬化触媒を使用することなく耐チッピング性の硬化塗膜
を形成することができる。
またフイラーが直接触媒となるので、比較的安価でし
かもフイラーにより厚膜の硬化塗膜を容易に形成でき
る。さらに塗布される素地の種類に関係なく所期の硬化
反応により塗膜を形成することができる。したがって塗
布工程の作業性が向上できる。
[実施例] 以下、実施例により具体的に説明する。
(実施例1) ブロックイソシアネート(タケネートB−830 武田
薬品工業(株)製)70重量%、ポリオール(オレスター
Q202 三井東圧化学(株)製)30重量%、消泡剤(BYK
−070BYK(株)製)2重量部、フイラー(バライト 硬
化促進型 日本化学工業(株)製、水分率0.2%)127重
量部、フイラー(シリカ#325 硬化遅延型 マルエス
(株)製、水分率0.2%)20重量部、溶剤ソルベッソ150
10重量部、ブチルジグリコールアセテート10重量部、
とを混合して塗布用の塗料とした。
なお、この塗料に配合したフイラー特性は体積比でpH
8〜10の硬化促進フイラーが80体積%、pH5〜6の硬化遅
延フイラーが20体積%である。また粒径は5〜30μmの
ものを用いた。吸水性は小で水分率として0.2%以下で
ある。
(実施例2) 実施例1において硬化促進フイラーと硬化遅延フイラ
ーとの体積比率を7/3とした他は同一の配合割合の塗料
とした。
(実施例3) 実施例1において硬化促進フイラーと硬化遅延フイラ
ーとの体積比率を6/4とした他は同一の配合割合の塗料
とした。
(比較例1) 実施例1の樹脂組成にたいして、フイラーとして吸水
性のある重質炭酸カルシウム(pH8〜10平均粒径5〜30
μm)100重量部、触媒U−100(有機錫系 日東化成
(株)社製)0.2重量部(触媒%0.1%)の他消泡剤およ
び溶剤は同一の配合の塗料とした。
(比較例2) 比較例1において触媒U−100を1重量部(0.5%)に
増やした以外は同じ配合割合の塗料である。
(比較例3) 比較例1において触媒U−100を2重量部(1.0%)に
増やした以外は同じ配合割合の塗料である。
(比較例4) 実施例1の樹脂組成にたいして、フイラーとして吸水
性のある炭酸カルシウム(pH8〜10平均粒径1〜5μ
m)100重量部、触媒U−1000.2重量部(触媒%0.1%)
の他消泡剤および溶剤は同一の配合の塗料とした。
(比較例5) 実施例1において硬化促進フイラーと硬化遅延フイラ
ーとの体積比率を9/1とした他は同一の配合割合の塗料
とした。
(比較例6) 実施例1において硬化促進フイラーと硬化遅延フイラ
ーとの体積比率を5/5とした他は同一の配合割合の塗料
とした。
(参考例1) 実施例1において硬化促進フイラー(バリコ#100)
と硬化遅延フイラー(シリカ#5)との体積比率を7/3
とし、フイラーの平均粒径1〜5μmとした他は同一の
配合割合の塗料とした。
(評価と結果) 上記の各塗料を電着塗膜上および塩化ビニルシール材
(多孔質PVC)上に、乾燥膜圧が100〜400μmになるよ
うにエアレススプレーで塗布して硬化してそのワキ発生
膜厚みを調べた。塗膜の硬化条件は140℃30分である。
さらに硬化前に30℃RH80%の加湿状態に10日間放置後硬
化して、そのワキ発生膜厚みを調べた。さらに膜厚100
μmの硬化塗膜を電着面とPVC面上に形成して耐チッピ
ング性を調べた。結果を第1表に示す。
耐チッピング性の試験片はチッピング材を塗装後、予
備乾燥110℃で10分焼付け中塗り塗料(日本ペイント
(株)製 OP−2 グレー)を乾燥塗膜が30μmになる
ように塗装する。塗装後10分間セッティングした後140
℃で30分焼付けをおこない、さらに上塗塗料(日本ペイ
ント(株)製 3ES)を乾燥塗膜が40μmになるように
塗装し10分間セッテングした後140℃で30分間焼付けを
おこなった。
ワキ試験はチッピング材を乾燥塗膜が100μmになる
ように塗装する。ついで中塗り塗料(日本ペイント
(株)製 OP−2 グレー)を乾燥塗膜に30μmになる
ように塗装し、10分間セッティングした後140℃で30分
焼付けをおこなった。さらに上塗塗料(日本ペイント
(株)製 3ES)を乾燥塗膜が40μmになるように塗装
し10分間セッティングした後140℃で30分間焼付けをお
こなった。
なお、耐チッピング性は素地が露出するまでの ナットの重量で評価した。
実施例1〜3では、ワキの発生までの膜厚が厚く塗布
素地に関係なく良好で、耐チッピング性も優れている。
比較例1〜3の従来の炭酸カルシウムをフイラーとした
場合では、吸水によりワキ発生の膜厚が低くなってい
る。さらに耐チッピング性が塗布素材によって著しく影
響を受けて低くなる。比較例4は、フイラーの平均粒径
を1〜5μmと小さくした場合で、耐チッピング性が塗
布素材、特にPVCにおいて小さくなりその差が著しく大
きくなり、塗布素材による変化が大きい。比較例5〜6
は硬化促進フイラーと硬化遅延フイラーとの差が本発明
の範囲外の場合の例で硬化遅延フイラーが少ないと、ワ
キが発生しやすい。ところが硬化遅延フイラーが多い比
較例6ではワキの発生は抑制できるが、耐チッピング性
が低下している。参考例1はフイラーの平均粒径が1〜
5μmと小さい場合で硬化促進フイラーと硬化遅延フイ
ラーが本発明の範囲であっても、ワキが発生しやすいこ
とを示している。
したがって硬化促進フイラーと硬化遅延フイラーを特
定の体積比で配合した本発明のウレタン塗料の調合方法
では、素材の種類には無関係に硬化反応を適切に調整す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 1/00 - 201/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブロックポリイソシアネートとポリオール
    とを塗膜形成成分とし、フイラーと、溶媒とを調合して
    なり有機化合物触媒を含まない高膜厚型一液ウレタン塗
    料の調合方法であって、 該フイラーは、pH値が8〜10のウレタン塗膜硬化促進性
    の硬化促進フイラーとpH値が5〜6のウレタン塗膜硬化
    遅延性の硬化遅延フイラーとを体積比で8/2〜6/4の割合
    で調合し、該硬化促進フイラーと該遅延フイラーとの混
    合比で塗膜の硬化反応を調節することを特徴とする高膜
    厚型一液ウレタン塗料の調合方法。
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