JP3188007B2 - 磁気記録媒体用結合剤および磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体用結合剤および磁気記録媒体Info
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Description
する磁気記録媒体用結合剤、および強磁性微粉末と結合
剤を分散させてなる磁性層を非磁性支持体上に設けた磁
気記録媒体において、優れた電磁変換特性及び耐久性、
保存性をもつ磁気記録媒体に関する。
テープ、フロッピーディスクあるいはハードディスクな
どとして広く用いられている。磁気記録媒体は、強磁性
粉末が結合剤(バインダ)中に分散された磁性層を非磁
性支持体上に積層している。磁気記録媒体は、電磁変換
特性、走行耐久性および走行性能などの諸特性において
高いレベルにあることが必要とされる。すなわち、音楽
録音再生用のオーディオテープにおいては、より高度の
原音再生能力が要求されている。また、ビデオテープに
ついては、原画再生能力が優れているなど電磁変換特性
が優れていることが要求されている。このような優れた
電磁変換特性を有すると同時に、磁気記録媒体は前述の
ように良好な走行耐久性を持つことが要求されている。
そして、良好な走行耐久性を得るために、研磨材および
潤滑剤が磁性層中に添加されている。
耐久性を得るためには、その添加量をある程度増加する
必要があり、そのため強磁性粉末の含有量が低下する。
また優れた走行耐久性を得るために粒子径の大きな研磨
材を使用した場合には、磁性層表面に研磨材が過度に突
出し易くなる。従って、研磨材による走行耐久性の改良
は上記の電磁変換特性の劣化をもたらす場合が多く問題
となる。そして、潤滑剤によって上記走行耐久性を向上
させる場合には、その添加量を多くする必要があり、こ
のため結合剤が可塑化され易くなり、磁性層の耐久性が
低下する傾向がある。
上させるためには、磁性層の主成分の一つである結合剤
も、当然のことながら重要な働きを担っている。従来か
ら用いられている塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹
脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等では、磁性層の
耐摩耗性が劣り、磁気テープの走行系部材を汚染すると
いう問題があった。このような問題を改善する方法とし
て、硬い結合剤を用いて磁性層の硬度を上げる方法が行
われている。しかし磁性層の硬度を上げることにより磁
性層の脆さが顕著となり、磁気ヘッドとの接触によりド
ロップアウトが発生したり、スチル特性が劣化するとの
問題がある。
性層(中間層)を有する磁気記録媒体では、研磨剤やカ
ーボンブラックを分散させるための結合剤として従来か
ら用いられている結合剤では研磨剤やカーボンブラック
の分散性が劣り平滑な上層に位置する磁性層の良好な表
面性が得られなかった。
ルアセタール樹脂を有する磁気記録媒体が特開平1−2
36290号公報において提案されている。この結合剤
は、強磁性粉末の分散性に優れ、良好な電磁変換特性と
ともに、耐摩耗性、耐熱性に優れた磁気記録媒体を得る
ことができる。ところが、ポリビニルアセタール樹脂中
の極性基は、ビニルアルコールのOH基のみであって、
COOM、SO3 Mのような極性基を含まないので、強
磁性微粉末を使用した磁気記録媒体においては分散性の
点で不十分であった。
に、極性性基を含有した原子団を結合したポリビニルア
セタール樹脂を結合剤とすることによって、ポリビニル
アセタール樹脂の分散性を高めた磁気記録媒体が特開平
2−220221号公報において提案されている。これ
は、ポリビニルアセタール樹脂の主鎖に極性基を有する
原子団を導入したことによって、分散性はある程度は改
善されるが、極性基を強磁性粉末に吸着させる際に、充
分にその能力を発揮することができず分散性の点では不
十分であった。
めたポリビニルアルキラール樹脂からなる磁気記録材料
用の結合剤を提供することを目的とするものであり、ま
た電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を提供することを
課題とするものである。
ルキラール樹脂を含有する磁気記録媒体用結合剤におい
て、前記ポリビニルアルキラール樹脂がサルトンで変性
されている磁気記録媒体用結合剤である。
下記の構造式で表されるポリビニルアルコールをアルデ
ヒドでアルキラール化したものである磁気記録媒体用結
合剤である。
ル%以下であり、Rはアルキル基を示す。
に強磁性粉末と結合剤を含む磁性層を形成した磁気記録
媒体において、前記結合剤が重合度が200〜600
で、かつサルトンで変性したポリビニルアルキラール樹
脂を含む磁気記録媒体である。
に下層磁性層または下層非磁性層を設け、その上に上層
磁性層を設けた磁気記録媒体において、磁性層もしくは
非磁性層の少なくとも一層には、強磁性粉末もしくは非
磁性粉末を結合する結合剤が重合度が200〜600
で、かつサルトンで変性したポリビニルアルキラール樹
脂を含有する磁気記録媒体である。
ルをアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニル
アセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等のポリビ
ニルアルキラール樹脂をサルトン類で変性し、極性基含
有原子団を導入したポリビニルアルキラール樹脂を含有
する磁気記録媒体用結合剤および磁気記録媒体である。
本発明のサルトンで変性したポリビニルアルキラール
樹脂は、下記に示すように、
する極性基含有の原子団の長さが長いので、強磁性粉末
に吸着させた際には充分に分散性を発揮することができ
る。
220221号公報に記載の原子団は、同公報の第3ペ
ージには、下記の化合物を反応させて親水性原子団を導
入することが記載されている。
化合物(A)では、これらの極性基は主鎖と極性基をつ
なぐ結合が短く、強磁性粉末に吸着させる際に充分にそ
の持てる能力を発揮できなかった。そのため分散性が十
分ではなかったり、また、化合物(B)のように、主鎖
から比較的離れた位置に極性基を有するものも開示され
ているが、これらは主鎖と極性基との間にエステル結合
を有し、これらのエステル結合は加水分解しやすく、分
散には役立たなくなってしまう。すなわち、分散性に充
分寄与せず、むしろ悪影響を及ぼしてしまうのである。
いために強磁性粉末との吸着が良く行われると共に、大
きく包む形となり、分散性が極めて良好である。
サルトン類で変性するポリビニルアルキラール樹脂にお
いて、lが50モル%以上、nは35モル%以下である
ことが好ましく、nがこれよりも大きくなると溶剤への
溶解性が悪くなり分散性が低下する。
しく、炭素数が多くなくと分散性が低下するのみではな
く、ガラス転移温度Tgが低下して磁気記録媒体の耐久
性が低下する。ガラス転移温度Tgは、例えばl=6
5、m=5、n=30の場合、R:メチル基のときTg
はほぼ100℃、R:プロピル基のときTg=70℃の
ように鎖長とともに低下する。R:プロピル基、すなわ
ちブチラール樹脂の場合には、ほぼ塩化ビニル系結合剤
と同等で走行耐久性も塩化ビニル系結合剤に対する優位
性はなくなる。
キラール樹脂は、複数のものの混合物であっても良い。
ポリビニルアルキラールの重合度は200〜600が好
ましく、大きすぎると粘度が高く、分散性が低下する。
一方、低すぎると強度が低下し、耐久性の面で好ましく
ない。本発明のポリビニルアルキラール樹脂を変性する
サルトンには、下記に示すプロパンサルトン、ブタンサ
ルトン等を用いることができ、とくにブタンサルトンが
好ましい。
て、1×10-6mol〜50×10-5molとすること
が好ましく、この範囲よりも多くても少なくても分散性
は低下する。ポリビニルアルキラール樹脂のサルトンに
よる変性は、ポリビニルアルキラール樹脂をジメチルア
セトアミドなどの有機溶剤に溶解し、水素化ナトリウム
(NaH)のジメチルホルムアミド1%溶液を添加し
て、アルゴン気流中において−5〜0℃に保持して45
分間攪拌した後に、サルトン類を添加して室温で2時間
攪拌する。得られた樹脂溶液をアセトン−メタノール混
合溶媒を加えて、固形分を取り出して乾燥する。また、
本発明の結合剤には、各種の合成樹脂を併用することが
できる。例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ニト
ロセルロース樹脂などのセルロース誘導体、アクリル樹
脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂
である。これらは、単独でも組み合わせでも使用するこ
とができる。他の合成樹脂を併用する場合には、磁性層
に含まれる本発明のサルトンで変性したポリビニルアル
キラール樹脂は、20重量%以上を含有されていること
が好ましく、さらに好ましくは30重量%以上の量であ
る。ビニル系の樹脂と併用して特性の改善に大きな効果
を発揮するポリウレタンを使用する場合には、ポリウレ
タンの分子量は重量平均で、1〜15万とすることが好
ましく、これよりも大きいと粘度が高く分散性が低下
し、これよりも小さいと機械的な強度が低く耐久性が悪
化する。
リイソシアネートとを主要原料とした反応生成物である
ポリウレタンを用いることができる。すなわち、ポリオ
ールとポリイソシアネートとを主要原料とし、鎖延長剤
等の各種の添加剤を含んだ原料から製造したポリウレタ
ンであって、ポリオールとしてはとくに脂肪族ポリオー
ルを有するものが好ましく、脂肪族ポリオールには好ま
しくは分子量が500〜5000の炭化水素鎖の末端に
OH基を有するポリオールであり、OH基は炭素鎖の末
端以外にあっても良い。また、分子量の好ましい範囲は
800〜3000であり、分子量が小さいと分散性が好
ましくなく、分子量が大きすぎると溶剤への溶解性が低
下し分散性が低下する。炭素鎖は直鎖、分岐のいずれの
構造のものも用いることができ、また炭素鎖には飽和、
不飽和のいずれのものも用いることができる。脂肪族ポ
リオールとして不飽和のポリオレフィンポリオール、ポ
リブタジエンポリオールを用いる場合には、不飽和二重
結合は少ない方が好ましい。
ルの含有率は、20〜90重量%とすることが好ましく
少ないと分散性が好ましくなく、耐久性の効果が小さ
い。一方多すぎるとガラス転移温度(Tg)が低下し、
得られる組成物の物性の調整が困難となる。また、ポリ
イソシアネートには、MDI(4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネート)、TDI(トリレンジイソシア
ネート)、XDI(キシリレンジイソシアネート)等の
芳香族のポリイソシアネートが好ましい。ポリオレフィ
ンポリオールのセグメントは柔らかいので、芳香族ジイ
ソシアネートの方が物性の調整がしやすい。
鎖延長剤等の添加剤を加えることができるが、鎖延長剤
にはエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
2,3−ブタンジオール、ビスフェノールAのジヒドロ
キシエチルエーテル、ハイドロキノンジヒドロキシエチ
ルエーテル等のグリコール類やジフェニルメタンジアミ
ン、m−フェニレンジアミン等のジアミン等を用いるこ
とができる。ポリウレタンの分子の末端は、OH基末端
が好ましい。OH基は、磁性層中のイソシアネート硬化
剤と反応架橋して磁性層塗膜強度を強くする。また、ポ
リウレタンのガラス転移温度(Tg)は、−20〜+5
0℃が好ましい。ガラス転移温度が低いと硬化前の磁性
塗膜がブロッキング性が低く、高いと脆くなり耐久性の
面で好ましくない。
キラール樹脂と併用する結合剤には−SO3 M、−OS
O3 M、−COOM、−PO3 M' 2、−OPO3 M' 2、
−NR2 、−N+ R3 X- 、−N+ R2 R' SO3 - 、
−N+ R2 R' COO- (ただし、Mは水素、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、アンモニウム塩であり、M'
は水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウ
ム塩、アルキル基であり、R、R' はアルキル基であ
り、Xはハロゲンを示す)から選ばれた少なくとも1種
の極性基を含有させることによって分散性を高めること
ができ、これらの極性基の量はポリマー1g当たり1×
10-6〜2×10-3当量含むことが好ましい。2×10
-3当量より多いと粘度が上昇し、分散性が低下しやすく
1×10-6当量より少ないと分散性が低下しやすい。
シアネート化合物等の硬化剤を使用することができる。
ポリイソシアネート化合物の例としては、トリレンジイ
ソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルと
の反応生成物(例、デスモジュールL−75(バイエル
社製))、キシリレンジイソシアネートあるいはヘキサ
メチレンジイソシアネートなどのジイソシアネート3モ
ルとトリメチロールプロパン1モルとの反応生成物、ヘ
キサメチレンジイソシアネート3モルとのビューレット
付加化合物、トリレンジイソシアネート5モルのイソシ
アヌレート化合物、トリレンジイソシアネート3モルと
ヘキサメチレンジイソシアネート2モルのイソシアヌレ
ート付加化合物、イソホロンジイソシアネートおよびジ
フェニルメタンジイソシアネートのポリマーを挙げるこ
とができる。磁性層に含まれるポリイソシアネート化合
物は、結合剤中に10〜50重量%の範囲で含有されて
いることが好ましく、さらに好ましくは20〜40重量
%の範囲である。
合には、反応性二重結合を有するウレタンアクリレート
等の化合物を使用することができる。樹脂成分と硬化剤
との合計(すなわち結合剤)の重量は、強磁性粉末10
0重量部に対して、通常15〜40重量部の範囲内にあ
ることが好ましく、さらに好ましくは20〜30重量部
である。本発明の磁気記録媒体に使用される強磁性粉末
は、強磁性酸化鉄、コバルト含有強磁性酸化鉄又は強磁
性合金粉末でSBET 比表面積が40m2 /g以上(好ま
しくは50m2 /g以上)、結晶子サイズは35nm以
下、好ましくは25nm以下である。強磁性粉末として
はFe、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、
Co−Ni−Fe等が挙げられ、金属成分の20重量%
以下の範囲内で、アルミニウム、ケイ素、硫黄、スカン
ジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、
亜鉛、イットリウム、モリブデン、ロジウム、パラジウ
ム、金、錫、アンチモン、ホウ素、バリウム、タンタ
ル、タングステン、レニウム、金、水銀、鉛、リン、ラ
ンタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、テルル、
ビスマスを含む合金を挙げることができる。また、強磁
性金属粉末が少量の水、水酸化物または酸化物を含むも
のなどであってもよい。
り、本発明で用いる強磁性粉末についても公知の方法に
従って製造することができる。強磁性粉末の形状に特に
制限はないが、通常は針状、粒状、サイコロ状、米粒状
および板状のものなどが使用される。とくに針状の強磁
性粉末を使用することが好ましい。
を、通常磁性塗料の調製の際に使用されているメチルエ
チルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチ
ル等の溶剤と共に混練分散して磁性塗料とする。混練分
散は通常の方法に従って行うことができる。なお、磁性
塗料中には、上記成分以外に、α−Al2 O3 、Cr2
O3 等の研磨材、カーボンブラック等の帯電防止剤、脂
肪酸、脂肪酸エステル、シリコーンオイル等の潤滑剤、
分散材など通常使用されている添加剤あるいは充填剤を
含むものであってもよい。以上の材料により調製した磁
性塗料を非磁性支持体上に塗布して磁性層を形成する。
ば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性層塗布液を
好ましくは磁性層の乾燥後の層厚が0.5〜10μmの
範囲内、より好ましくは0.5〜7.0μmになるよう
に塗布する。ここで複数の磁性塗料を逐次あるいは同時
に重層塗布してもよい。重層磁性層または下層非磁性
層、上層磁性層などの二層以上の複数の層を有する磁気
記録媒体の各層の組成、物性、材料、製法等については
特開平2−240824号、特開平2−21782号等
に記載したものを使用することができる。
エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコー
ト、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコー
ト、含浸コート、リバースロールコート、トランスファ
ーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャス
トコート、スプレイコート、スピンコート等が利用でき
る。これらの塗布方法については、「コーティング工
学」(朝倉書店(1972年))、または「コーティン
グ技術の進歩」(株式会社総合技術センター(1988
年))に記載されている。
塗布されていない面にバック層(バッキング層)が設け
られていてもよい。通常バック層は、非磁性支持体の磁
性塗料が塗布されていない面に、研磨材、帯電防止剤な
どの粒状成分と結合剤とを有機溶剤に分散したバック層
形成塗料を塗布して設けられた層である。なお、非磁性
支持体の磁性塗料およびバック層形成塗料の塗布面に接
着剤層が設けられいてもよい。
の塗布層中に含まれる強磁性粉末を磁場配向処理を施し
た後に乾燥される。このようにして乾燥された後、塗布
層に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、たと
えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面
平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によ
って生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率
が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得
ることができる。
均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて4nm以
下(好ましくは3〜1nmの範囲)という極めて優れた
平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法と
して、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合剤
を選んで形成した記録層を上記カレンダー処理を施すこ
とにより行われる。カレンダー処理条件としては、カレ
ンダーロールを温度を60〜100℃の範囲、圧力を1
00〜400kg/cmの範囲の条件で作動させること
によって行われることが好ましい。このようにして硬化
処理された積層体を次に所望の形状にする。裁断はスリ
ッターなどの通常の裁断機などを使用して通常の条件で
行うことができる。
磁性層、非磁性層、バック層、保護層のいずれにも使用
可能であり、優れた分散性はそれぞれの層の特性を高め
る働きをする。
体は、サルトンで変性したポリビニルアルキラール樹脂
を含有するので、本発明の結合剤を使用した磁性層また
は非磁性層は、分散性が極めて大きく電磁変換特性が優
れているとともに、長期保存性および耐久性に優れた磁
気記録媒体が得られる。
詳細に説明する。 ポリビニルアルキラール樹脂の変性例 表1に記載のポリビニルアルキラール樹脂200gを8
00gのジメチルアセトアミドに溶解した溶液に、水素
化ナトリウム(NaH)のジメチルホルムアミド1%溶
液を38ml添加して、アルゴン気流中において−5〜
0℃に保持して45分間攪拌した。次いで、プロパンサ
ルトンあるいはブタンサルトンを2.1g添加して室温
で2時間攪拌し、得られた樹脂溶液にアセトン−メタノ
ール混合溶媒を加えて、固形分を取り出して乾燥した。
乾燥後の樹脂を蛍光X線で硫黄量を定量して変性量を確
認した。
2%、Hc1500Oe、結晶子サイズ20nm)10
0重量部をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いで
表1の結合剤を15重量部、メチルエチルケトン20重
量部、シクロヘキサノン30重量部を加えて60分間混
練し、次いで ポリウレタン(東洋紡績(株)製 UR8300) 5重量部(固形分) 研磨剤(アルミナ 粒子サイズ0.3μm 2重量部 カーボンブラック(粒子サイズ 400nm) 2重量部 メトルエトルケトン:トルエン=1:1 200重量部 を加えてサンドミルで120分間分散した。これに ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製 コロネート3041) 3重量部(固形分) sec−ブチルステアレート 1重量部 ブトキシエチルステアレート 1重量部 ステアリン酸 1重量部 メチルエチルケトン 50重量部 を加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1μmの平
均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性塗料を
調整した。得られた磁性塗料を乾燥後の厚さが2.5μ
mになるように、厚さ8μmのアラミド支持体の表面に
リバースロールを用いて塗布した。
性塗料が未乾燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配
向を行い、さらに乾燥後、金属ロール−金属ロール−金
属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属
ロールの組み合わせによるカレンダー処理を速度100
m/分、線圧300kg/cm、温度90℃で行った後
8mm幅にスリットし、8mmビデオテープを作製し
た。
方法によって、その特性を測定し、測定結果を表1に示
す。 (測定方法) 電磁変換特性:試料テープにHi8−VTR(SON
Y(株)製 TR−705)を用いて信号を記録し再生
した。このときのS/N比をノイズメーターで測定し比
較例4の値を0dBとして相対値で表した。 表面粗さRa:デジタルオプチカルプロフィメーター
(WYKO製)による光干渉法により、カットオフ0.
25mmの条件で中心線平均粗さRaとして求めた。
た下塗液を調製した。 ポリエステル樹脂(−SO3 Na基含有) 100重量部 Tg 65℃ Na含有量 4600ppm シクロヘキサノン 9900重量部 得られた下塗液を用いて、ポリエチレンテレフタレート
(厚味10μm、F5値:MD方向 20Kg/m
m2 、TD方向 14Kg/mm2 、ヤング率:MD方
向750Kg/mm2 、TD方向 470Kg/m
m2 )からなる非磁性支持体上にバーコートによって乾
燥厚味0.1μmで塗布した。
下層非磁性層用塗布液を調製した。
ポリイソシアネート(コロネートL)及びオレイン酸5
重量部、ステアリン酸7重量部、ステアリン酸ブチル1
5重量部を加えて上層磁性層用塗布液を得た。
ポリイソシアネート(コロネートL)5重量部、オレイ
ン酸5重量部、ステアリン酸5重量部、ステアリン酸ブ
チル15重量部を加えて下層非磁性層用塗布液を得た。
クターを用いて、湿潤状態で塗布したのち、3500ガ
ウスの永久磁石、次いで1600ガウスの電磁石にて配
向処理後、乾燥した。その後、金属ロールと金属ロール
によるスーパーカレンダー処理を温度80℃で行った。
塗布厚味は磁性層0.3μm、非磁性層3.0μmであ
った。次いで以下の処方によりバックコート層の塗布液
を調製した。
た組成物100重量部に対して、 カーボンブラック 100重量部 SBET 200m2 /g 平均粒径 0.2μm DBP吸油量 36ml/100g pH 8.5 α−Al2 O3 (平均粒径 0.2μm) 0.1重量部 を添加した組成にてサンドグラインダーで分散を行い、
濾過後、上記組成物100重量部に対して以下の組成を
添加し、塗布液を調製した。 メチルエチルケトン 120重量部 ポリイソシアネート 5重量部 得られた塗布液をバーコーターにより、非磁性支持体の
磁性層を設けた側の反対側に乾燥厚味0.5μmになる
よう塗布した。このようにして得られた原反を8mm幅
に裁断し8mmビデオテープを作成し、実施例1〜2と
同様の方法によって測定した結果を表2に示す。
液を調整した。 上層液 CO−γ−FeOx 100重量部 (x=1.45、長軸長0.20μm、Hc950Oe、Br1600ガウス) ポリビニルアルキラール樹脂(表3) 10重量部 ポリウレタン(東洋紡績(株)製 UR8300) 5重量部 ポリイソシアネート(コロネートL) 6重量部 ステアリン酸(工業用) 1重量部 ブチルステアレート(工業用) 1重量部 α−アルミナ(粒径0.2μm) 10重量部 導電性カーボン(粒径70nm) 1重量部 メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=7/3溶剤 200重量部 下層液(B液) CO−γ−FeOx 100重量部 (x=1.45、長軸長0.25μm、Hc850Oe、Br1400ガウス) ポリビニルアルキラール樹脂(表3) 11重量部 ポリウレタン(東洋紡績(株)製 UR8300) 4重量部 ポリイソシアネート(コロネートL) 6重量部 ステアリン酸(工業用) 1重量部 ブチルステアレート(工業用) 1重量部 導電性カーボン(粒径20nm) 5重量部 メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=7/3溶剤 200重量部
ンダ等を使用して行い、同時重層塗布を行った。非磁性
支持体は中心線平均表面粗さ(Ra)が4nm、14μ
m厚のポリエチレンテレフタレートフイルムを使用し
た。塗布後、長手方向に配向、乾燥してバルクロールを
得た。得られたバルクロールを更にカレンダーロール処
理を行った。カレンダロール処理はショアA硬度80
度、Raが0.5nmの金属ロールを7段重ね、温度8
0℃、線圧300kg/cmで処理した。上記カレンダ
ーロール処理を行った後、60℃で24時間バルクサー
モ処理を行い磁性層を硬化させ、その後1/2インチ幅
にスリットしビデオテープを得た。得られたビデオテー
プの表面粗さを測定したところすべて5〜6nmであっ
た。得られたビデオテープをS−VHS形カセットに組
み込みビデオカセットテープを作成し、実施例1〜2と
同様の方法によって測定した結果を表3に示す。
ル樹脂を変性し、主鎖に脂肪鎖でその先端にSO3 Na
を有する原子団を結合したポリビニルアルキラール樹脂
を結合剤としたので、SO3 Naの部分は主鎖に対して
かなり離れた部分に存在しているので、これは強磁性粉
末に極めて吸着しやすいものである。主鎖および側鎖は
炭素鎖であり、これらは強磁性粉末を大きく包む形とな
り分散性がよくなる。
そのものは従来よく使用されている塩化ビニル共重合体
に比べて脱塩酸が起こらないので、結合剤としての耐久
性が高くなる。
械的特性が高く耐久性が極めた良好である。すなわち、
耐久性が高くかつ分散性も高い磁気記録媒体用結合剤が
達成することができ、また、強磁性粉末と結合する磁性
層でも非磁性粉末、例えば研磨剤や充填剤、カーボンブ
ラックなどと結合する非磁性層やバック層に用いてもよ
いし、粉体を加えないで用いる保護層や下塗層など、磁
気記録媒体のあらゆる部分に使用可能である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリビニルアルキラール樹脂を含有する
磁気記録媒体用結合剤において、前記ポリビニルアルキ
ラール樹脂の水酸基がサルトンで変性されて極性基含有
原子団が導入され、前記ポリビニルアルキラール樹脂が
ポリビニルアルコールをアルデヒドでアルキラール化し
た下記の構造を有するものであることを特徴とする磁気
記録媒体用結合剤。 【化1】 ここで、lは68モル%以上、75モル%以下、mは
0.5モル%以上、5モル%以下、nは24.5モル%
以上、28モル%以下であり、Rはアルキル基を表す。 - 【請求項2】 非磁性支持体の少なくとも一方の面に強
磁性粉末と結合剤を含む磁性層を形成した磁気記録媒体
において、前記結合剤が重合度が200〜600で、か
つ水酸基がサルトンで変性されて極性基含有原子団が導
入され、前記ポリビニルアルキラール樹脂がポリビニル
アルコールをアルデヒドでアルキラール化した下記の構
造を有するものであることを特徴とする磁気記録媒体。 【化2】 ここで、lは68モル%以上、75モル%以下、mは
0.5モル%以上、5モル%以下、nは24.5モル%
以上、28モル%以下であり、Rはアルキル基を表す。 - 【請求項3】 非磁性支持体の少なくとも一方の面に下
層磁性層または下層非磁性層を設け、その上に上層磁性
層を設けた磁気記録媒体において、磁性層もしくは非磁
性層の少なくとも一層には、強磁性粉末もしくは非磁性
粉末を分散する結合剤が重合度が200〜600で、か
つ水酸基がサルトンで変性されて極性基含有原子団が導
入され、前記ポリビニルアルキラール樹脂がポリビニル
アルコールをアルデヒドでアルキラール化した下記の構
造を含むことを特徴とする磁気記録媒体。 【化3】 ここで、lは68モル%以上、75モル%以下、mは
0.5モル%以上、5モル%以下、nは24.5モル%
以上、28モル%以下であり、Rはアルキル基を表す。
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