JP3186514B2 - テープカセット装填装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、再生、或いは記録及び
再生を行う磁気記録再生装置においてテープカセットを
装着位置からプレイ位置に搬送するテープカセット装填
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】テープカセットを使用する磁気記録再生
装置において、テープカセットを着脱自在に収納するカ
セットトレイを設け、このカセットトレイをテープカセ
ットの着脱を行う引出位置である第１位置と、テープに
記録や再生を行う引込み位置である第２位置との間をモ
ータの回転力を利用して可逆的に移動させるようにした
テープカセット装填装置が従来より種々提供されてい
る。このようなテープカセット装填装置にあっては、カ
セットトレイが上記の第１位置及び第２位置に位置した
時には、直ちにトレイ移動用のモータを停止させる必要
がある。そこで、従来よりカセットトレイが第１位置及
び第２位置にそれぞれ位置したことを検出するため、第
１位置及び第２位置にそれぞれ検出スイッチを設けてい
た。

【０００３】そこで、特開平4−337555号公報において
は、上述のように２つの検出スイッチを必要としていた
従来技術を改良し、モータを停止させるための検出スイ
ッチは１つ用意し、この検出スイッチを操作する第１の
レバーと、カセットトレイを駆動するピニオンギア及び
突起により駆動される第２のレバーとを設け、カセット
トレイが第１位置に位置した時は第１のレバーで検出ス
イッチを操作し、カセットトレイが第２位置に位置した
時は第２のレバーを介して第１のレバーを駆動して検出
スイッチを操作するように構成し、これにより１つの検
出スイッチでカセットトレイが第１位置及び第２位置に
位置したことを検出することが提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術では、いずれにしてもカセットトレイの位置を検
出するための検出スイッチは別個に設けなければなら
ず、かつ前記従来技術では、１つの検出スイッチで２つ
の位置を検出する場合には、その構造が複雑になる欠点
がある。

【０００５】本発明の目的は、カセットトレイの位置を
検出するスイッチを既存のスイッチを利用して構成でき
るようにし、カセットトレイの位置検出用スイッチを新
たに設ける必要のないテープカセット装填装置を提供す
ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的は、テープカセ
ットを着脱自在に収納するカセットトレイと、このカセ
ットトレイを前記テープカセットが着脱可能な第１位置
と、プレイを行う第２位置との間を可逆的に移動させる
カセットトレイ移動手段と、前記第２位置に位置した
時、前記テープカセットと接触することによりオンもし
くはオフ動作させられる検出スイッチ手段と、この検出
スイッチ手段を前記第１位置で前記カセットトレイと連
動させる連動手段とを備え、前記カセットトレイ移動手
段によって前記カセットトレイを前記第２位置から前記
第１位置に移動させて前記第１位置に到達した時、前記
連動手段により前記カセットトレイの移動動作に連動し
て前記検出スイッチ手段を動作させるようにしたことに
より達成される。また、検出スイッチ手段は、前記テー
プカセットの有無を検出するカセット検出スイッチとし
たことにより達成される。

【０００７】

【作用】テープカセットを収納したカセットトレイが第
２位置に位置すると、検出スイッチ手段にテープカセッ
トが接触してこの検出スイッチ手段はオンあるいはオフ
動作し、移動手段の駆動を停止させる。逆に、カセット
トレイが第２位置から第１位置に移動する時は、カセッ
トトレイが第１位置に位置すると操作手段によって検出
スイッチ手段をオンオフ動作させ移動手段の駆動を停止
させる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。図１は一実施例におけるカセットト
レイのトレイオープン時の要部を示す平面図、図２は図
１の検知レバー部分を示す拡大斜視図、図３はカセット
トレイのトレイクローズ時の要部を示す平面図、図４
(a),(b)は検知レバーの動作状態を示す説明図である。

【０００９】これらの図において、１はカセットトレイ
で、カセットトレイ１は、その上面部でテープカセット
２を保持するカセット載置板３と、このカセット載置板
３の移動方向に平行な両端部にそれぞれ摺動自在に係合
しカセット載置板３を略水平に保持する一対の支持板部
材４と、この支持板部材４を摺動自在に保持するトレイ
筐体５とを有している。一対の支持板部材４の下端に
は、図１及び図２に示すように、ラック６がそれぞれ形
成されており、またこれら支持板部材４の側面には、所
定量カセット載置板３が後退した時に下降させるガイド
溝７が形成されている。カセット載置板３は、これらガ
イド溝７にその側部の一部が嵌合するように構成されて
いる。

【００１０】１１は本体シャーシで、両端にラック６に
噛合する歯車１２が取り付けられた連結軸１３を回転自
在に支持している。この連結軸１３は図示しない可逆モ
ータにより回転駆動される。本体シャーシ１１には、後
退してきたカセット載置板３が下降して定位置に位置し
た時、その上に載置されたテープカセット２のリールハ
ブ（図示しない）に嵌合するリール軸１４が設けられて
いる。また、本体シャーシ１１のカセットトレイ１のト
レイオープン方向端部には、テープカセット２の装填の
有無を検出するパック検出レバー１５と、装填されたテ
ープカセット２の磁気テープの種類を判別するテープ判
別レバー１６が揺動自在に設けられている。これら２本
のレバー１５，１６はそれぞれその上端部が本体シャー
シ１１の上面より上方に突出され、その下端部は本体シ
ャーシ１１の下部に延在されている。

【００１１】パック検出レバー１５はその中央部付近で
軸２６に嵌め込まれて回動自在に支持されている。ま
た、パック検出レバー１５の上端部の一面には係合凹部
１５ａが形成されて後述する操作レバー２２の他端２２
ｂが係合され、更にその上端部には断面三角形状に突部
１５ｂが突出されている操作レバー２２の他端２２ｂが
外れないようになっている。また、パック検出レバー１
５の下端部１５ｃは、本体シャーシ１１の下部に設けら
れたパック検出用プッシュスイッチ１７のプッシュ片１
８に係合している。このプッシュ片１８は通常は突出す
るようにスプリング等により弾性的に偏倚されており、
この弾性力に抗してプッシュ片１８をスイッチ１７内に
押圧することによりオンする形式のものである。なお、
図示していないが、テープ判別レバー１６にも対応する
検出用プッシュスイッチが設けられている。

【００１２】パック検出レバー１５は、テープカセット
２がカセット載置板３に載置されて図３及び図４(a)に
示すトレイクローズ位置にある時に、テープカセット２
によって図４(a)において反時計方向に回動し、パック
検出用プッシュスイッチ１７のプッシュ片１８を押圧し
てオンさせる。このオン信号によりテープカセット２が
定位置(第１位置)に位置したことを表す。また、図示し
ていないが、テープ判別レバー１６の下端部もテープ判
別用プッシュスイッチのプッシュ片に係合しており、テ
ープカセット２が定位置に位置した時にはパック検出用
プッシュスイッチ１７と同様にオン信号を出す。

【００１３】なお、テープカセット２がクロムテープの
ようにノーマルテープとは異なる場合には、テープ判別
レバー１６の上端部がテープカセット２に設けられた開
口に入り、スイッチはオフとなるので、テープ判別用プ
ッシュスイッチにおいてはテープカセット２が定位置に
位置した時にオンとなるかオフとなるかによってテープ
の種類を識別している。これらテープカセットの装填の
有無を検出する検出手段や装填されたテープカセットの
磁気テープの種類を判別するテープ判別検出手段は従来
と同様な構成となっている。

【００１４】パック検出レバー１５の上端部には、図４
(a),(b)に示すように、操作レバー２２の他端２２ｂが
係合されてており、この操作レバー２２の一端２２ａは
本体シャーシ１１の側壁部２１に回動自在に取り付けら
れて回動軸部となっている。この操作レバー２２の一端
２２ａから上方に屈曲された立上り部２２ｃは、操作レ
バー２２が必要以上に傾斜しないように側壁部２１に形
成された爪状の規制フレーム２３内に位置してある。こ
の規制フレーム２３はその一端側を側壁部２１から一体
に突設され、側方に延びた先端部２３ａの側壁部２１側
に突起２３ｂが形成されている。したがって、側壁部２
１と規制フレーム２３並びに突起２３ｂによって操作レ
バー２２のガイド溝２７が構成されており、規制フレー
ム２３の突起２３ｂと側壁部２１との間から規制フレー
ム２３の弾性を利用して操作レバー２２の立上り部２２
ｃをガイド溝２７内に押し込み、そして、ガイド溝２７
内にある操作レバー２２の立上り部２２ｃは通常の操作
レバー２２の動作力に対して突起２３ｂによって抜け止
めされている。

【００１５】操作レバー２２が設けられている側のトレ
イ筐体５には、カセットトレイ１がテープカセット２を
着脱するために引き出された（図１の状態）時に操作レ
バー２２と係合し、パック検出用プッシュスイッチ１７
のプッシュ片１８を押圧する方向にパック検出レバー１
５を回動させるための突出片２４が支持板部材４の開口
２５から内部方向に突出するように設けられている。な
お、３０は、カセットトレイ２の移動用のモータ、３１
は連結軸１３の一端に固設されたギヤ及びプーリ（図示
せず）に掛け回されたベルトである。

【００１６】次に、本実施例の動作を説明する。まず、
図３及び図４(a)に示すようにトレイクローズ位置にあ
るカセットトレイ１を引き出して、テープカセット２を
装着する場合を説明する。このカセットトレイ１の引き
出しは、図示しない可逆モータを駆動して連結軸１３そ
して歯車１２を回転させ、歯車１２に噛合するラック６
を移動させることにより行われる。カセットトレイ１が
所定量だけ引き出されると、トレイ筐体５に設けられた
突出片２４が操作レバー２２と係合し、パック検出用プ
ッシュスイッチ１７のプッシュ片１８を押圧する方向に
パック検出レバー１５を操作レバー２２が回動させる。

【００１７】図１，図２及び図４(b)に示すように、プ
ッシュ片１８が押圧されることにより、パック検出用プ
ッシュスイッチ１７はオンあるいはオフ動作し、その動
作信号によって連結軸１３駆動用の可逆モータは停止
し、カセットトレイ１は図１に示すトレイオープン位置
に止まる。ここでカセットトレイ１のカセット載置板３
上にテープカセット２を置き、カセットトレイ１を本体
シャーシ１１内に収納するため、連結軸１３駆動用の可
逆モータを逆転させる。これにより、歯車１２は逆転し
てカセットトレイ１は後退する。このカセットトレイ１
の後退により、突出片２４と操作レバー２２の係合も解
かれ、パック検出レバー１５によるパック検出用プッシ
ュスイッチ１７のプッシュ片１８に対する押圧も解除さ
れる。

【００１８】カセットトレイ１が本体シャーシ１１内に
収納され、カセット載置板３がガイド溝７により下降を
始めると、テープカセット２の後部の下縁部がパック検
出レバー１５及びテープ判別レバー１６の各上端部に係
合し、これら２つのレバー１５，１６を回動させてその
状態を保持する。パック検出レバー１５の回動でパック
検出用プッシュスイッチ１７はオンあるいはオフ動作
し、連結軸１３駆動用の可逆モータを停止させる。この
ようにして、カセットトレイ１が本体シャーシ１１内に
入り、図３に示すようにテープカセット２をプレイ位置
に位置させることができる。

【００１９】一方、テープ判別レバー１６の回動で図示
していないテープ判別用プッシュスイッチも動作する。
テープカセット２の磁気テープがクロムテープのような
ハイポジションのテープの場合、テープカセット２の誤
消去防止用開口の近傍にもう１つの開口を有しており、
この開口にテープ判別レバー１６の先端が入り、テープ
判別用プッシュスイッチをオフあるいはオン状態にす
る。したがって、ノーマルテープの場合は、テープ判別
用プッシュスイッチからの出力信号はオンあるいはオフ
信号のままであるが、ハイポジションのテープの場合は
テープ判別用プッシュスイッチからの出力信号はオンあ
るいはオフ信号の後、オフあるいはオン信号に切り替わ
り、この切り替わりの有無によりテープの種類を判別す
ることができる。

【００２０】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、カセット
トレイの位置検出は検出スイッチ手段と操作手段とを設
けることにより行うことができ、極めて簡単に構成する
ことができる。また検出スイッチ手段は第２位置に位置
した時テープカセットと接触することによりオンオフ動
作するものであり、これは従来のテープカセットの有無
を検出するカセット検出スイッチや、テープカセットの
磁気テープの種類を判別するテープ判別スイッチ、ある
いはその他の判別スイッチと同様であるので、これら検
出ないし判別スイッチを利用することができる。

【００２１】請求項２記載の発明によれば、検出スイッ
チ手段をテープカセットの有無を検出するカセット検出
スイッチとしたため、簡単な構成で、別個にカセットト
レイの検出スイッチ手段を設けることなく、カセットト
レイの位置を検出することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例におけるカセットトレイのト
レイオープン時の斜視図である。

【図２】カセットトレイのトレイオープン時における検
知レバー部分を示す斜視図である。

【図３】この実施例におけるカセットトレイのトレイク
ローズ時の要部を示す平面図である。

【図４】(a),(b)は検知レバーの動作状態を示す説明図
である。

【符号の説明】

１ カセットトレイ ２ テープカセット ３ カセット載置板 ４ 支持板部材 ６ ラック １１ 本体シャーシ １５ パック検出レバー １６ テープ判別レバー １７ パック検出用プッシュスイッチ １８ プッシュ片 ２２ 操作レバー

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 テープカセットを着脱自在に収納するカ
   セットトレイと、 このカセットトレイを前記テープカセットが着脱可能な
   第１位置と、プレイを行う第２位置との間を可逆的に移
   動させるカセットトレイ移動手段と、 前記第２位置に位置した時、前記テープカセットと接触
   することによりオンもしくはオフ動作させられる検出ス
   イッチ手段と、 この検出スイッチ手段を前記第１位置で前記カセットト
   レイと連動させる連動手段とを備え、 前記カセットトレイ移動手段によって前記カセットトレ
   イを前記第２位置から前記第１位置に移動させて前記第
   １位置に到達した時、前記連動手段により前記カセット
   トレイの移動動作に連動して前記検出スイッチ手段を動
   作させるようにしたことを特徴とするテープカセット装
   填装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載において、前記検出スイッ
   チ手段は、前記テープカセットの有無を検出するカセッ
   ト検出スイッチであることを特徴とするテープカセット
   装填装置。