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JP3185748U - タッチセンサパネルに対する圧力の影響を較正するための装置 - Google Patents

タッチセンサパネルに対する圧力の影響を較正するための装置 Download PDF

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Abstract

【課題】デバイスに加えられている外力に起因するタッチ検出信号レベルの変化に感応しないように較正するタッチセンサパネルの較正装置を提供する。
【解決手段】タッチセンサパネルに力を加え、パネルの少なくとも1つのタッチノードに関連付けられたドライブ回路またはセンス回路のパラメータを変化させ、センス回路のある範囲の第1の出力値を捕捉する手段と、パネルに力が加えられていない状態を作り出し、ドライブ回路またはセンス回路のパラメータを変化させ、センス回路のある範囲の第2の出力値を捕捉する手段と、ドライブ回路またはセンス回路のパラメータの特定の値であり、第1および第2の出力値の関数である性能測定基準を向上させる特定の値を選択する手段とを備える。タッチセンス回路の設定を調整して、デバイスに力が加えられたときにタッチ信号のDCレベルが変化しないようにする。
【選択図】図6

Description

本出願は、米国特許法第119条(e)項の下、2012年3月6日出願の米国特許仮出願第61/607,538号の恩典を主張するものであり、この仮出願の内容は、その全体が、あらゆる目的のために参照によって本明細書に組み込まれる。
本出願は一般に、タッチセンサパネルを含むデバイスに加えられた外力を考慮するためのタッチセンサパネルの較正に関し、より具体的には、タッチシステムの全体性能が向上するようなタッチ信号復調器の位相設定の較正に関する。
コンピューティングシステムにおいて操作を実行する目的には、ボタンないしキー、マウス、トラックボール、ジョイスティック、タッチセンサパネル、タッチスクリーンなど、多くのタイプの入力デバイスを使用することができる。特にタッチスクリーンは、操作しやすく、操作の汎用性に富み、価格も安くなっているため、ますます普及している。タッチスクリーンでは一般に、表示デバイスによって表示されているユーザインタフェース(UI)によってしばしば指示されるタッチセンサパネル上のある位置に、手指、スタイラスまたは他の物体を使用して触れること(例えば物理的な接触または近接場近接(near−field proximity))によって、さまざまな機能を実行することができる。タッチスクリーンは一般に、タッチセンサパネル上でのタッチ事象およびそのタッチ事象の位置を認識することができ、コンピューティングシステムは、この認識に続いて、そのタッチ事象が生じたときに表示されていた表示内容に従ってそのタッチ事象を解釈することができ、その後に、そのタッチ事象に基づく1つまたは複数の動作を実行することができる。
相互容量式のタッチスクリーンは、酸化インジウムスズ(ITO)などの実質的に透明な導電材料でできたドライブ線とセンス線のマトリックスから形成することができる。ドライブ線とセンス線はしばしば、実質的に透明な基板の表面に互いに対して直角に配置され、ドライブ線およびセンス線は、タッチ事象または近接事象に応答して信号を生成するように構成される。
タッチスクリーンは、タッチ感受面を有する透明なパネルとすることができるタッチセンサパネルと、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示デバイスとを含むことができる。この表示デバイスは、表示デバイスの表示可能エリアの少なくとも一部分をタッチ感受面が覆うことができるように、その一部または全体をタッチセンサパネルの後ろに配置することができる。タッチスクリーンを含むデバイスの機械的な構造または構成のため、デバイスに加えられた外力が、タッチセンサパネル内のタッチ信号に影響を及ぼすことがある。デバイスに加えられる力の量は、ユーザがそのデバイスをどのように保持しているのかによって、および他の外部環境条件によって変化する。この動的な力が、タッチ事象および近接事象を高い信頼性で検出するパネルの能力に影響を及ぼしうる信号の歪みをタッチセンサパネル上において生み出すことがある。
本出願は、デバイスに加えられている外力に起因するタッチ検出信号レベルの変化に感応しないように較正することができるタッチセンサパネルに関する。デバイスに圧力が加えられていないときの復調されたタッチ信号の直流電流(DC)レベルが最大になるように、タッチ感知回路を調整することができる。タッチセンサパネルのそれぞれのタッチノードに対応するそれぞれの局所発振器を、復調されたタッチ信号が最大になるように調整することができる。
次いで、デバイスに力が加えられているのかまたは加えられていないのかに関わらず実質的に同じDCレベルを有することができる検出タッチ信号を生み出すことができる局所発振器の設定を決定するための計算を実行することができる。
他の実施形態では、局部発振器の位相の値を掃引し、力が加えられた状態でのパフォーマンスを測定することができる。この掃引は、力が加えられた状態でのパフォーマンスが予め決められた指定値を満たすときに終了することができる。
本開示の開示された1つの実施形態に基づく例示的な相互容量式タッチ感知システムを示す図である。 カバーガラスの裏面に形成することができる行および列を有する本開示の一実施形態に基づく例示的なタッチスクリーンセンサパネル積層物を示す図である。 最上部のカバーガラスに外力が加えられた本開示の実施形態に基づく例示的なタッチスクリーンセンサパネル積層物を示す図である。 本開示のいくつかの実施形態に基づく例示的なタッチセンサパネルを示す図である。 本開示の一実施形態に基づく例示的なタッチ信号感知回路を示す図である。 本開示の一実施形態に基づく例示的な力試験/較正装置を示す図である。 本開示の実施形態に従って力の影響に関してデバイスを較正するために試験装置のプロセッサが実行することができる例示的なステップの概要を示す流れ図である。 デバイスに力が加えられていないときの復調された信号の例示的なDCレベルを、調整された復調器の位相の関数として示す、本開示の実施形態に基づくグラフである。 本開示の実施形態に基づく相互容量式タッチ感知システムの例示的な列トレースおよび対応するセンス回路を示す図である。 デバイスに力が加えられている状態およびデバイスに力が加えられていない状態における復調された信号の例示的なDCレベルを、調整された復調器位相の関数として示す、本開示の実施形態に基づくグラフである。 センス回路の局部発振器に対して設定する最適な過補償ファクタ(overcompensation factor)を決定する本開示の実施形態に基づく例示的な方法の流れ図である。 実行された図11の流れ図のステップに応答した、力が加えられている場合および力が加えられていない場合の復調された信号の本開示の実施形態に基づく例示的な応答を示す図である。 本開示の実施形態に基づくタッチセンサパネルを含むことができる例示的なコンピューティングシステムを示す図である。 本開示の実施形態に基づくタッチセンサパネルおよび表示デバイスを含むことができる例示的な携帯電話を示す図である。 本開示の実施形態に基づくタッチセンサパネルおよび表示デバイスを含むことができる例示的なディジタルメディアプレーヤを示す図である。 タッチセンサパネル(トラックパッド)およびディスプレイを含むことができる例示的なパーソナルコンピュータを示す図であり、このパーソナルコンピュータのタッチセンサパネルおよび/またはディスプレイは本開示の実施形態に基づく。
実施形態の以下の説明では、実施形態の部分を構成する添付図面を参照する。添付図面には、実施することができる特定の実施形態が例示的に示されている。他の実施形態を使用することもでき、開示された実施形態の範囲から逸脱することなく構造を変更することができることを理解されたい。
以下の説明は、タッチ事象または近接事象を感知する際に、外部からデバイスに加えられた力に起因する誤りを生じにくい容量式のタッチ入力デバイスに関する。製造工程中に、タッチ事象または近接事象の存在を検出する目的に使用する感知回路を、タッチ事象および近接事象を高い信頼性で感知する能力がデバイスに加えられている外力の影響をあまり受けないように較正することができる。
本明細書では、本明細書に開示される実施形態が、相互容量式のタッチセンサパネルに関して説明され、図示されることがあるが、開示される実施形態はそのような実施形態だけに限定されず、自己容量式のセンサパネル、シングルタッチセンサパネルおよびマルチタッチセンサパネルに対しても、それらの実施形態を使用することができることを理解すべきである。さらに、本明細書では、タッチセンサパネルとLCDなどのディスプレイとの間に存在する空隙を変化させる外力に関して実施形態が説明され、図示されることがあるが、実施形態はそのような実施形態だけに限定されず、静電容量および抵抗の変化、またはタッチ信号および近接信号の忠実度に影響を及ぼす他の特性の変化を含む、タッチセンサパネルのタッチ信号および近接信号の忠実度に対して外力が与えうる任意の影響に対しても、それらの実施形態を使用することができることを理解すべきである。さらに、非導電性のプローブを利用する試験装置に関して実施形態が説明され、図示されることがあるが、実施形態はそのような実施形態だけに限定されず、導電性のプローブを利用する試験装置に対しても、それらの実施形態を使用することができることを理解すべきである。さらに、実透明なタッチスクリーンを含むタッチデバイスに関して実施形態が説明され、図示されることがあるが、実施形態はそのような実施形態だけに限定されず、トラックパッドなどの不透明なタッチスクリーンを有するタッチ入力デバイスに対しても、それらの実施形態を使用することができることを理解すべきである。
図1は、開示された1つの実施形態に従って形成することができる例示的なタッチスクリーンセンサパネル積層物100を示す。タッチセンサパネル102は、一方の面にセンス線層104を支持し、もう一方の面にドライブ線層108を支持した基板106を含むことができる。基板106は、センス線層104とドライブ線層108の間の誘電体層として機能することができる。いくつかの実施形態では、ドライブ線層とセンス線層の位置を逆にして、基板層106の上面にドライブ層が配置され、下面にセンス層が配置されるようにすることができる。ドライブ線層は、第1の方向に配置された複数のタッチドライブ線を含むことができ、センス線層は、第2の方向に配置された複数のセンス線を含むことができる。いくつかの実施形態ではこの第2の方向がドライブ線に対して直角である。タッチセンサパネルの下に重ねることができ、感圧型接着剤層114によってタッチセンサパネルに貼り付けることができるディスプレイ110が見えにくくならないように、この複数のドライブ線および複数のセンス線は、酸化インジウムスズ(ITO)などの実質的に透明な導電材料から形成することができる。最後に、タッチセンサパネルは、ガラス、プラスチックまたは他の材料から形成することができるカバー材料112を含むことができる。
図2は、図1で説明した全ての特徴物を含むことができる例示的な他のタッチスクリーンセンサパネル積層物200を示す。上記のことに加えて、ディスプレイ110の周縁を密封する密封ガスケットの役目を果たすウレタンフォームのリング214(商業的にはPoronとして知られている)を挿入することが望ましいことがある。Poronも、感圧型接着剤によってディスプレイパネル110に固定することができる。修理またはアップグレーディングのためディスプレイパネル110とタッチセンサパネル102の間の結合を容易に破壊することができるように、意図的に空隙216を設けることができる。他の実施形態では、ディスプレイパネル110とタッチセンサパネル102のうちの一方または両方の縁を取り囲むベゼル(bezel)に起因する積層物200の通常の機械的構成の結果として、空隙216が形成される。空隙のない実施形態では、タッチセンサパネルとディスプレイパネルとを接続する材料の圧縮によって、これらの2つのパネル間の寄生容量結合が変化することがある。他の実施形態では、空隙216の代わりに、力が加えられたときに形状が変化する材料を使用することができる。
図3は、図示のようにユーザの手によって、または人体の他の部分、スタイラスなどの他の外部の物体によって生じうる外力302の影響を示す。タッチスクリーン積層物300に力302が加えられると、ある程度の可撓性を有することができるタッチセンサパネル102は撓むことができ(一律の尺度では示されていない)、それによってその形状がわずかに変化する。このタッチセンサパネル102の形状の変化は、空隙216の形状の対応する変化を引き起こしうる。その形状変化の量は多くの因子に依存し、そのような因子には、限定はされないが、加えられた力302の量、タッチセンサパネル102の厚さ、タッチセンサパネルの製作に使用された材料、空隙216のサイズおよび位置、Poron層214のサイズ、ディスプレイパネル110の厚さおよび材料などがある。
空隙216の形状の変化は、タッチ事象および近接事象を正確に感知するタッチセンサパネルの能力に影響を及ぼしうる。図4は、本開示のいくつかの実施形態に基づく例示的なタッチセンサパネル400を示す。タッチセンサパネル400はタッチノード406のアレイを含むことができ、このアレイは、図1〜3に示した電極構造体のような誘電材料によって分離された2層電極構造体によって形成することができる。1つの電極層は、複数のセンス線404を含むことができる別の電極層に対して実質的に直角な複数のドライブ線402を含むことができ、ノード406はそれぞれ、関連する相互容量414(結合容量とも呼ぶ)を有する。ドライブ線402とセンス線404は、誘電体によって互いから分離された異なる平面において互いに交差する。あるいは、他の実施形態では、ドライブ線402およびセンス線404を1層電極構造体によって形成することもできる。
ドライブ線402(行、行トレースまたは行電極とも呼ぶ)は、対応するそれぞれのドライブ回路408によって供給される刺激信号によって作動させることができる。ドライブ回路408はそれぞれ、刺激信号源とも呼ぶ交流(AC)電圧源を含むことができる。タッチセンサパネル400上でのタッチ事象(1つまたは複数)を感知するため、ドライブ回路408が、1本または数本のドライブ線402を刺激し、センス回路410が、その結果生じるセンス線404からの電圧値を検出することができる。この電圧値は、相互容量信号からの電荷を手指または物体が変化させたことを示すことができる。検出された電圧値は、ノードタッチの出力値を表すことができ、それらの出力値の変化は、タッチ事象が起こったノードの位置406およびその位置(1つまたは複数)で起こったタッチの量を示す。
図5は、図4のセンス回路410の一例である例示的なセンス回路500を示す。ドライブ回路408は、ドライブ信号(刺激信号Vstimとも呼ぶ)を生成することができ、このドライブ信号は、線抵抗518を含むドライブ線402上を伝送され、ドライブ線とセンス線の間の相互容量414(Csigと呼ぶ)によってセンス線404上に結合される。次いで、この結合された信号をセンス増幅器514によって受け取ることができる。センス増幅器514は演算増幅器502を含むことができ、さらに帰還抵抗506と帰還コンデンサ504のうちの少なくとも一方を含むことができる。図5は、抵抗帰還要素と容量帰還要素の両方を利用する一般的なケースを示している。この信号を、動作増幅器502の反転入力(Vinと呼ぶ)へ入力することができ、いくつかの実施形態では、508において非反転入力を基準電圧Vrefに結合することができる。Vstimが(AC信号などの)正弦波信号である場合には、増幅器の出力Voutも正弦波になるはずである。さらに、Voutは、Vstimと同じ周波数およびある移相を有する正弦波になるはずである。例えば、
Vstim=A sin(ωt)の場合→Vout=B sin(ωt+θ)であり、
上式でθ=移相である。
θの値は、センス回路500が遭遇する寄生容量516(Cpar)を含む多くの因子の影響を受ける。寄生容量516は、関心の静電容量であるドライブ線402とセンス線404の間の相互容量414以外の全ての静電容量であると特徴付けることができる。寄生容量は、516cおよび516dに示すようにCsigと直列に接続されていることがあり、あるいは516aまたは516bに示すようにCsigと並列に接続されていることもある。符号516は、寄生容量516a〜516dのうちの任意の1つまたは複数の寄生容量を表すために使用される。寄生容量516の値には、ディスプレイ110内の金属要素との結合、および力が加えられた状態での空隙216または積層物100の他の弾性部材(例えばガスケット、感圧型接着剤)の変形を含む多くの因子が寄与する。次いで、図5に示すように、Voutを乗算器510へ供給することによってVoutをヘテロダイン接続し、局部発振器512との間で乗算を実行して、Vdetect522を生成することができる。Vdetect522の直流(DC)部分を使用して、タッチ事象または近接事象が起こったかどうかを検出することができる。デバイスに加えられている力に起因する局部発振器512とVoutの間の位相のずれによって、Vdetectの歪みが生み出されることがあり、それによってタッチ検出の誤りが生じることがある。このような誤りが、ゴーストタッチ(ghost touch)(または正の画素事象)の検出(物理的なタッチが行われていない位置でタッチ信号が検出されたとき)、またはタッチ事象が起こっていることを検出できないことによる負の画素事象の検出を含むことがある。上で指摘したとおり、Voutと局部発振器512の出力との間の位相のずれは、1つには、寄生容量によって引き起こされる。いくつかの実施形態では、寄生容量が、1つには、パネル積層物200の空隙216の幅の局所的なまたは全体的な変化によって生じるため、外力302によって引き起こされるものなどの空隙の幅の局所的なまたは全体的な変化は、どんなものでも、寄生容量516の変化を引き起こしうる。この動的に変化する寄生容量516が、タッチ事象および近接事象の検出の信頼性をより低いものにすることがある。
タッチ検出の信頼性に対する外力302の影響を低減させる1つの方法は、局部発振器信号の位相がセンス増器514の出力信号Voutの位相と等しくなるかまたはほぼ等しくなるように、局部発振器512を「調整する」方法である。この目的のために、線520に沿って局部発振器512に位相制御信号を供給して、局部発振器512の位相を変更することができる。乗算器510の出力は線522に沿って取り出される。力が加えられていない接触事象中に、局部発振器512の位相を、局部発振器の位相がセンス増幅器514の出力信号Voutの位相と等しくなるかまたは実質的に等しくなるように調整すると、力が加えられていない状態における寄生容量に起因するVdetectの歪みが最小化される。しかしながら、実際の使用では、タッチパネル100との接触に応じて外力302が時間とともに変化するため、寄生容量516の値は絶えず変化する。さらに、導電性の容量接触(すなわちあまり大きくない力での手指による軽い接触)だけに起因する容量の変化を、力が加えられたことによって生じた空隙の歪みだけに起因する容量の変化から分離することは難しい。その結果、タッチパッドを使用しているときの外力に起因するタッチ感知の誤りができるだけ少なくなるように局部発振器512を有効に調整することが難しいことがある。外力の影響を考慮するように局部発振器512を調整する1つの方法は、製造工程中に、局部発振器の位相を、外力の影響を考慮するように較正する方法である。あるいは、局部発振器の位相を較正するのと同じ効果を達成するために、局部発振器512の位相を一定に保ち、その間にVstimの位相を較正することもできる。このVstimの較正も製造工程中に実施することができる。
図6は、本開示の一実施形態に基づく例示的な力試験/較正装置600を示す。アクチュエータ604は、タッチセンサパネル積層物602上の多数の力点に位置するプローブ614に力612を加えることができる。被試験デバイスの部分である積層物602は、図1〜3を参照して説明した構造と同じ構造を有することができる。力の量ならびに力点の数および位置は、平均的なユーザがそのデバイスをどのように使用するのかを観察することによって経験的に決定することができる。プローブ614は非導電性とすることができ、デバイスと接触して力点を画定する非導電性の先端606を有することができる。試験中にタッチパネルを引っ掻くことを防ぐため、非導電性の先端606は、ゴムなどの弾性材料またはフェルトなどの軟質材料から製作することができる。人間オペレータは通常、タッチパネルに触れると、容量結合を経て大地へ至る導電性経路を形成し、このような接触は、タッチセンサパネルとディスプレイパネルの間の空隙を実際に歪めなくても、タッチドライブ線とタッチセンス線の間の容量結合Csigを変化させることができるため、非導電性のプローブ614および非導電性の先端606を使用して、加えられた力が、ユーザからのタッチ信号であると解釈される信号を生み出さないことを保証することができる。全てのプローブを被試験デバイスに対して同時に使用してもよく、または一度に1つずつ、一度に2つずつなど、一度に一部のプローブだけを使用してもよい。概して、最悪のシナリオについて較正を行うことが求められ、したがって、いくつかの実施形態では、全てのプローブを同時に使用して被試験デバイスに力を加えることができる。積層物602は、図2〜5で説明した構造と同じ構造を有することができる。回路構成要素を表す点線630は、被試験デバイス(携帯電話、タブレット、タッチスクリーンデバイスなど)の部分である構成要素を表すことができ、それらの構成要素は、マザーボードもしくは論理ボード(図示せず)上または電子回路を支持している被試験デバイス内の他の基板上に配置されている場合がある。Vdetect信号を受け取るための制御信号を供給するため、またはドライバ論理(driver logic)1314を介してVstim波形の位相を掃引し、もしくはセンスチャンネル(sense channel)1308を介して局部発振器波形の位相を掃引するために、線632に沿って回路構成要素630にプロセッサ610を接続することができる。図6ではプロセッサ610がデバイスの外部にあるように示されているが、プロセッサ610は、被試験デバイスの外部または被試験デバイスの内部に位置することができる。
図7は、特定のタッチノードのための局部発振器512の位相を較正するためにプロセッサ610が実行することができる例示的なステップを示す。ステップS1で、タッチセンサパネルに圧力が加えられていない間に、プロセッサ610は、測定中のタッチノード応答に対応する局部発振器の位相を、線520に沿って局部発振器512へ印加された制御信号を利用することによって掃引するように、センス回路に命じることができる。この掃引の間に、プロセッサは、掃引中に入力された局部発振器520の位相のそれぞれの値に対するVdetectのDCレベルを測定することができる。
図8は、特定の1つのタッチノードについて、デバイスに力が加えられていないときの復調された信号の例示的なDCレベルを、調整された局部発振器の位相の関数として示す、本開示の一実施形態に基づくグラフである。グラフ800のx軸は、プロセッサ610によって調整された局部発振器512の移相の値を表す。y軸は、局部発振器512が特定の位相に調整されたときに測定されたVdetectの相対DCレベルを表す。図8に示されているように、局部発振器512の位相値を掃引すると、検出される信号のDCレベルが、正弦曲線を描いて周期的に変化する。この位相に対するDCレベルの情報を記憶することができる。次いで、プロセッサ610は、図7のステップS2で、集めたデータを調べ、解析中の特定のタッチノードの信号のDCレベルが最大になるようなその局部発振器512に対する「最適な」位相設定802を決定することができる。最適な位相設定802を決定するこの工程を、タッチセンサパネルのそれぞれのタッチノードに対して繰り返すことができ、プロセッサ610はその結果を記憶することができる。一実施形態では、局部発振器に関連付けられた1つのノードを測定するたびごとに、その局部発振器の位相が、計算された最適な値に設定されるような態様で、プロセッサ610が、それぞれの局部発振器512をタッチノードごとに設定することができる。使用時に局部発振器が共用され、多重化される場合、それぞれのノードをヘテロダイン接続するときに必要に応じて、すなわちその局部発振器が使用されている間に、最適な位相を読み出し、その位相を使用して局部発振器を設定することができるように、プロセッサ610は、積層物のチャンネルスキャン論理(channel scan logic)1310のRAM1312(図13)にローカルテーブル(local table)を記憶することができる。ドライブ刺激信号Vstimを変化させることによって局部発振器の波形とVoutの波形の間の相対位相を掃引しているとき、プロセッサ619は、Vstimの位相角をRAM1312に記憶することができ、チャンネルスキャン論理1310およびドライバ論理1314は、それらの位相角を使用して、Vstimを行ごとに調整することができる。より一般的には、Vstimによって駆動される行ごとにおよびセンスチャンネルによって感知される列ごとにRAM1312から位相角を読み出すことができるように、RAM1312は、Vstim波形に対する位相角設定を画素ごとに記憶することができる。
図9は、本開示の実施形態に基づく相互容量式タッチ感知システムの例示的な列トレースおよび対応するセンス回路を示す。いくつかの実施形態では、多数のタッチノード902が共通のセンス回路を共用することができる。その場合には、センス回路906が一度に1つのタッチノードに対応する信号だけを検出するように、ドライブ線を逐次的にスキャンすることができる。例えば、図9は、センス回路906を共用している1つの列の一組のタッチノード902を示す。タッチノード902はそれぞれ、プロセッサ610が計算した最適な位相設定802を有する。しかしながら、1つの列のタッチノード902は同じ局部発振器を共用しているため、いくつかの実施形態では、プロセッサ610が、1つの最適な位相に対応する移相値を局部発振器512に単純に設定することができない。これは、特定の列の多数のタッチノードに対応する多数の最適な位相が存在するためである。したがって、いくつかの実施形態では、特定の列のための局部発振器にプログラムされる位相値に関して、それぞれのタッチノードに対して計算された最適な位相間の誤差が最小になるように、特定の列の局部発振器の位相に対して1つの値を計算することができる。
デバイスに力が加えられていない間に最適な位相設定を決定した後、図7のステップS3で、デバイスに力を加えることができる。プロセッサ610は、ステップS4で、力が加えられているときに局部発振器512の位相を掃引し、VdetectのDCレベルを局部発振器の位相の関数として決定することができる。いくつかの実施形態では、ステップS4をステップS1の前に実行することができる。
図10は、図7のステップS4が完了した後にプロセッサ610によって集められた、特定の1つのタッチノードに対する例示的なデータのプロットを示す。ステップS4の後に2セットのデータを集めた。第1のデータセットは、デバイスに力が加えられている間に検出された信号のDCレベルを局部発振器の位相の関数として表したものであり、これは、曲線1002によって示されている。第2のデータセットは、デバイスに力が加えられていない間に検出された信号のDCレベルを局部発振器の位相の関数としての表したものであり、これは、曲線1004によって示されている。図7のステップS2で、力が加えられていない場合の曲線に関して最適な位相1006を決定した。図10に示すように、2本の曲線は、位相、DCレベルおよびACレベルがいずれも異なっているが、両方ともに周期性を有する。したがって2本の曲線1002および1004は交点1008を有し、この交点はプロセッサによって決定される。交点1008は、測定中の特定のタッチノードで検出される信号のDCレベルが、デバイスに力が加えられているときとデバイスに力が加えられていないときとで同じになるような局部発振器512の位相設定に対応する。局部発振器が、この交点1008またはほぼこの交点に設定されている場合、デバイスに力が加えられているときまたはデバイスに力が加えられていないときに、検出される信号のDCレベルは変化しないか、または検出される信号のDCレベルは最小限の変化を示す。したがって、局部発振器を点1008で動作させることは、タッチ信号のDCレベルに対する力の影響が効果的に較正されることを意味する。力が加えられている場合の曲線1002と力が加えられていない場合の曲線1004との交点と最適な位相1006との間の位相差を、過補償ファクタ(ΔOC)1010と呼ぶことができる。
それぞれのタッチノードがそれ自体の局部発振器512を有するいくつかの実施形態では、局部発振器を、それぞれのタッチノードに対して計算された過補償ファクタに単純に設定することができ、それによって較正工程は終了となる。多数のタッチノードが共通のセンス回路局部発振器512を共用する他の実施形態では、タッチノードごとに過補償ファクタ1010を計算し、次いで、タッチノードによって共用されている局部発振器512に対する過補償ファクタを、局部発振器512に対して設定されたΔOCとそれぞれのタッチノードに対して計算されたΔOCとの間の誤差が最小になるように設定することができる。多数のタッチノードが1つの復調器を共用する他の実施形態では、それぞれのタッチノードがそれ自体の復調器設定を効果的に有することができるように、異なる時刻にそれらのタッチノードをスキャンする(時間多重化する)ことができる。したがって、個々のタッチノードが刺激されているとき、そのタッチノードに対応する局部発振器は、そのタッチノードに対する位相値を調べ、その特定のノードが解析されているときに位相をその位相値に設定する。
図11は、センス回路の局部発振器に対して設定する例示的な過補償ファクタを決定するための本開示の一実施形態に基づく流れ図を示す。図12は、特定のタッチノードについて、力が加えられている場合および力が加えられていない場合の復調された信号の応答を示す。局部発振器が交点1212に設定されているときに、力が加えられている状態と力が加えられていない状態とでタッチ信号(Vdetect)のDCレベルに差がないことが理想的である。しかしながら、局部発振器が最適な位相1206で動作しているとき、力が加えられている状態のVdetectと力が加えられていない状態のVdetectの間には差がある。図12では、システムが最適な位相1206で動作している場合、力が加えられていない状態のVdetectのDCレベルは、力が加えられている状態のVdetectのDCレベルよりも大きい。システム性能に関して言うと、タッチ事象は、VdetectのDCレベルの低下によって示されるため、このことは、デバイスに力が加えられているときには、実際にはタッチが行われていないときに特定のノードにおいてタッチ事象が検出される可能性がある正の画素効果(「ゴーストタッチ」とも呼ばれる)が生み出されることがあることを意味する。あるいは、局部発振器が点1214に設定されている場合、力が加えられている状態のVdetectのDCレベルは、力が加えられていない状態のVdetectのDCレベルよりも大きい。システム性能に関して言うと、タッチ事象は、VdetectのDCレベルの低下によって示されるため、このことは、デバイスに力が加えられているときには、タッチ事象が起こっていてもタッチが検出されない負のタッチ画素効果が生み出されることがあることを意味する。
ステップS1100で、全ての局部発振器を、上で決定した計算された最適な位相1206に設定することができる。いくつかの実施形態では、最適な位相値に関係なく、局部発振器を任意の位相値に設定することができ、したがって図7のステップS2を省くことができる。ステップS1110で、全ての局部発振器をあるΔ1210だけ増分することができる。ステップS1120で、そのデバイスに対するフォースパフォーマンス(force performance)を測定することができる。フォースパフォーマンスは多くの方法で測定することができるが、フォースパフォーマンスを、局部発振器の所与の位相設定における力が加えられている状態のVdetectのDCレベルと力が加えられていない状態のVdetectのDCレベルとの間の距離に相関させることができる。いくつかの実施形態では、正の画素効果を生じるであろうタッチノードの数を決定し、そのような正の画素のエネルギー密度を、正の画素値のDCレベル(力が加えられていない場合の曲線が力が加えられている場合の曲線よりも大きいときの、力が加えられていない状態のVdetectと力が加えられている状態のVdetectとの差(図12))の2乗の和を求め、次いで画素の総数にわたってそれを平均することによって計算することにより、フォースパフォーマンスを測定する。他のケースでは、正の画素および負の画素のそれぞれの単純平均または正の画素および負の画素のそれぞれの合計を使用して、フォースパフォーマンスを測定することもできる。したがって、最適な位相1206をあるΔ1208だけ増分した位相でシステムが動作している場合には、力が加えられた状態のタッチ信号と力が加えられていない状態のタッチ信号との差によって、特定のタッチノードのフォースパフォーマンスを決定することができる。局部発振器が交点1212で動作している場合に、力が加えられた状態と力が加えられていない状態の間でVdetectのDCレベルに差がないと理想的である。この設定は、そのタッチノードに対して最大のフォースパフォーマンスを与えることができる。自己容量を使用してタッチ事象または近接事象を検出する他の実施形態では、タッチパッド上の手指または物体の存在が自己容量の増大を引き起こすことがある。以上に説明した方法を、自己容量を利用するタッチパッドに対して使用することができることを当業者は認識することができる。
デバイスのフォースパフォーマンスを測定するために、複数のタッチノードのフォースパフォーマンスを平均することができる。ステップS1130で、デバイスの測定されたフォースパフォーマンスを、予め決められた指定された限界(以後、指定限界)と比較することができる。予め決められた指定限界は、システムが許容できる最悪のケースのフォースパフォーマンスと定義することができる。デバイスの計算されたフォースパフォーマンスが指定限界以内にあると判定された場合、較正は完了であり、この工程は終了となる。しかしながら、計算されたフォースパフォーマンスが指定限界以内でない場合には、プロセッサはステップS1110に戻り、それぞれのタッチノードのための局部発振器の位相を別のΔ値だけ増分することができる。指定限界以内のフォースパフォーマンスに到達するまで、またはそのような状態が存在しなくなるまで、この工程を繰り返すことができる。そのような状態が存在しない場合、較正手順は、そのユニットを「不合格」にする。
図13は、前述の1つまたは複数の実施形態と同様のタッチセンサパネル1324を含むことができる例示的なコンピューティングシステム1300を示す。コンピューティングシステム1300は、1つまたは複数のパネルプロセッサ1302および周辺装置1304、ならびにパネルサブシステム1306を含むことができる。周辺装置1304は、限定はされないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)または他のタイプの記憶装置、ウオッチドッグタイマなどを含むことができる。パネルサブシステム1306は、限定はされないが、1つまたは複数のセンスチャンネル1308、チャンネルスキャン論理1310およびドライバ論理1314を含むことができる。チャンネルスキャン論理1310は、RAM1312にアクセスし、センスチャンネルからデータを自主的に読み出し、センスチャンネルに対する制御を提供することができる。チャンネルスキャン論理1310はさらに、ドライバ論理1314を制御して、さまざまな周波数および位相の刺激信号1316を生成することができ、刺激信号1316は、タッチセンサパネル1324のドライブ線に選択的に印加することができる。いくつかの実施形態では、パネルサブシステム1306、パネルプロセッサ1302および周辺装置1304を一体化して、単一の特定用途向けIC(ASIC)とすることができる。
タッチセンサパネル1324は、複数のドライブ線および複数のセンス線を有する容量感知媒体を含むことができる。しかしながら、他の感知媒体を使用することもできる。ドライブ線とセンス線のそれぞれの交点は容量感知ノードを表すことができ、画像要素(画素)1326と考えることができ、このことは、タッチセンサパネル1324をタッチの「画像」を捕捉するものであると考えたときに特に有用である(言い換えると、タッチセンサパネル上のそれぞれのタッチセンサにおいてタッチ事象が検出されたかどうかをパネルサブシステム1306が判定した後に、タッチ事象が起こったマルチタッチパネル上のタッチセンサのパターンを、タッチの「画像」(例えばパネルに触れている手指のパターン)と考えることができる)。この容量感知ノードを、タッチセンサまたはタッチノードと呼ぶこともできる。タッチセンサパネル1324のそれぞれのセンス線は、パネルサブシステム1206内のセンスチャンネル1308(本明細書では事象検出/復調回路とも呼ぶ)を駆動することができる。
コンピューティングシステム1300はさらに、パネルプロセッサ1302の出力を受け取り、その出力に基づいて機能を実行するホストプロセッサ1328を含むことができ、この機能には、限定はされないが、カーソル、ポインタなどのオブジェクトを移動させること、スクローリングもしくはパニングを実行すること、制御設定を調整すること、ファイルもしくはドキュメントを開くこと、メニューを閲覧すること、選択を実施すること、命令を実行すること、ホストデバイスに結合された周辺装置を動作させること、電話に出ること、電話をかけること、電話を切ること、音量設定もしくは音声設定を変更すること、アドレス、頻繁にかける電話番号、受信した着信、受信できなかった着信、コンピュータまたはコンピュータネットワーク上へのロギング(logging)など通話に関係した情報を記憶すること、コンピュータもしくはコンピュータネットワークの制限エリアへの認められた個々のアクセスを許可すること、コンピュータデスクトップのユーザの好ましい配置に関連したユーザプロファイルをロードすること、ウェブコンテンツへのアクセスを許可すること、特定のプログラムを起動すること、メッセージを暗号化しまたは復号すること、および/またはその他の機能が含まれる。ホストプロセッサ1328はさらに、パネル処理には関係のない追加の機能を実行することができ、デバイスのユーザにUIを提供するために、ホストプロセッサ1328を、プログラム記憶装置1332およびLCDディスプレイなどの表示デバイス1330に結合することができる。表示デバイス1330は、タッチセンサパネル1324の下にその一部または全体が配置されたときに、タッチセンサパネル1324とともにタッチスクリーン1318を形成することができる。
上に記載した機能のうちの1つまたは複数の機能は例えば、記憶装置(例えば前記周辺装置のうちの1つ)に記憶され、パネルプロセッサ1302によって実行されるファームウェアによって、またはプログラム記憶装置1332に記憶され、ホストプロセッサ1328によって実行されるファームウェアによって実行することができることに留意されたい。このファームウェアは、コンピュータベースのシステム、プロセッサを含むシステム、または命令実行システム、装置もしくはデバイスから命令を取り出しその命令を実行することができる他のシステムなどの命令実行システム、装置もしくはデバイスによって使用され、あるいはそのような命令実行システム、装置もしくはデバイスとともに使用されるコンピュータ可読記憶媒体に記憶し、かつ/あるいはそのようなコンピュータ可読記憶媒体に記憶された状態で移送することもできる。本明細書の文脈において、「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」は、命令実行システム、装置もしくはデバイスによって使用され、または命令実行システム、装置もしくはデバイスとともに使用されるプログラムを含むことができまたは記憶することができる任意の媒体である。非一時的コンピュータ可読記憶媒体には、限定はされないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線もしくは半導体システム、装置もしくはデバイス、携帯可能なコンピュータディスケット(磁気)、ランダムアクセスメモリ(RAM)(磁気)、リードオンリーメモリ(ROM)(磁気)、消去可能プログラム可能リードオンリーメモリ(EPROM)(磁気)、CD、CD−R、CD−RW、DVD、DVD−R、DVD−RWなどの携帯可能な光学ディスク、またはコンパクトフラッシュカード(compact flash card)、セキュアードディジタルカード(secured digital card)、USBメモリデバイス、メモリスティックなどのフラッシュメモリなどが含まれる。
このファームウェアは、コンピュータベースのシステム、プロセッサを含むシステム、または命令実行システム、装置もしくはデバイスから命令を取り出しその命令を実行することができる他のシステムなどの命令実行システム、装置もしくはデバイスによって使用され、あるいはそのような命令実行システム、装置もしくはデバイスとともに使用される移送媒体に入れて頒布することもできる。本明細書の文脈において、「移送媒体」は、上記の命令実行システム、装置もしくはデバイスによって使用されるプログラムまたは上記の命令実行システム、装置もしくはデバイスとともに使用されるプログラムを伝達し、頒布し、または移送することができる任意の媒体である。可読移送媒体には、限定はされないが、電子、磁気、光学、電磁気または赤外線式の有線または無線伝播媒体が含まれる。
図14Aは、タッチセンサパネル1424および表示デバイス1430を含むことができる例示的な携帯電話1436を示す。このタッチセンサパネルは、前述の1つまたは複数の実施形態と同様に、力の影響に関して較正されている。
図14Bは、タッチセンサパネル1424および表示デバイス1430を含むことができる例示的なディジタルメディアプレーヤ1440を示す。このタッチセンサパネルは、前述の1つまたは複数の実施形態と同様に、力の影響に関して較正されている。
図14Cは、タッチセンサパネル(トラックパッド)1424およびディスプレイ1430を含むことができる例示的なパーソナルコンピュータ1444を示す。このパーソナルコンピュータのタッチセンサパネルおよび/または(ディスプレイがタッチスクリーンの部分である実施形態において)ディスプレイは、前述の1つまたは複数の実施形態と同様に、力の影響に関して較正されている。
したがって、以上の説明によれば、本開示のいくつかの例は、タッチセンサパネルを較正する方法であって、タッチセンサパネルに力が加えられた状態で、パネルの少なくとも1つのタッチノードに関連付けられたタッチセンサパネルドライブ回路またはセンス回路のパラメータを変化させ、センス回路のある範囲の第1の出力値を捕捉すること、タッチセンサパネルに力が加えられていない状態で、前記少なくとも1つのタッチノードに関連付けられたタッチセンサパネルドライブ回路またはセンス回路の前記パラメータを変化させ、センス回路のある範囲の第2の出力値を捕捉すること、ならびにタッチセンサパネルドライブ回路またはセンス回路の前記パラメータの特定の値であり、第1および第2の出力値の関数である性能測定基準(performance metric)を向上させる特定の値を選択することを含む方法を対象とする。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、前記パラメータの前記特定の値を選択することが、第1の出力値と第2の出力値の差を実質的に最小にすることを含む。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、この方法が、第1の出力値と第2の出力値とが実質的に同じになる前記パラメータの前記特定の値を選択することをさらに含む。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、前記パラメータがセンス回路の位相であり、前記特定の値が最適な位相である。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、センス回路の局部発振器の位相を調整することによってセンス回路の位相を変化させる。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、この方法が、タッチセンサパネルに力が加えられた状態で、複数のノードに対して前記パラメータを変化させ、その間に、対応するある範囲の第1の出力値を捕捉すること、タッチセンサパネルに力が加えられていない状態で、前記複数のノードに対して前記パラメータを変化させ、その間に、対応するある範囲の第2の出力値を捕捉すること、およびそれぞれのノードについて、第1の出力値と第2の出力値の差を実質的に最小にするセンス回路の最適な位相を選択することをさらに含み、前記複数のタッチノードが共通の局部発振器を共用し、前記共通の局部発振器の位相が、前記共通の局部発振器を共用している前記複数のタッチノードの選択された最適な位相に基づくある値に設定される。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、局部発振器の位相が、設定された前記値と前記複数のタッチノードの前記最適な位相との間の誤差が最小になるようなある値に設定される。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、前記力が、少なくとも1つの非導電性プローブによってタッチセンサパネルに加えられる。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、前記力が、複数の導電性プローブによってタッチセンサパネルに加えられる。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、この方法が、前記特定の値における第1の出力値と第2の出力値の差を決定し、前記差が所定のしきい値よりも小さい場合に較正を終了することをさらに含む。
本開示のいくつかの例は、デバイスのタッチセンサパネルを較正する装置であって、タッチセンサパネルに接触するための1つまたは複数のプローブと係合した力アクチュエータを制御すること、およびタッチセンサパネルのドライブ回路に信号を印加し、タッチセンサパネルのセンス回路から信号を受け取ることができるプロセッサを備え、ドライブ回路が、タッチセンサパネルの複数のドライブ線に刺激信号を印加するように動作可能であり、センス回路が、タッチセンサパネルの複数のセンス線に結合された静電容量を感知するように動作可能である装置を対象とする。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、プローブが非導電性である。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、プローブが導電性である。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、プロセッサがさらに、力アクチュエータがタッチセンサパネルの表面に力を加えているときにセンス回路から第1のデータを受け取り、プローブがタッチセンサパネルの表面に力を加えていないときにセンス回路から第2のデータを受け取ることができる。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、プロセッサがさらに、力が加えられた状態でタッチセンサパネルが動作しているときのタッチセンサパネルの性能と、力が加えられていない状態でタッチセンサパネルが動作しているときのタッチセンサパネルの性能との差が小さくなるように、タッチセンサパネルの設定を調整することができる。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、調整することが、ドライブ回路によってタッチセンサパネルに印加されている刺激信号の位相を変化させることを含む。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、調整することが、タッチセンサパネルのセンス回路の局部発振器の位相を変化させることを含む。
本開示のいくつかの例は、タッチセンサパネルを較正するための一組の命令が記憶された非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、この一組の命令が、プロセッサによって実行されたときに、1つまたは複数の非導電性プローブを使用してタッチセンサパネルの表面に力を加えるために1つまたは複数のアクチュエータに接続し、タッチセンサパネルに力が加えられた状態で、タッチセンサパネルドライブ回路またはセンス回路のパラメータを変化させ、センス回路のある範囲の第1の出力値を捕捉し、タッチセンサパネルに加えられた力を除去するために前記アクチュエータを分離し、タッチセンサパネルに力が加えられていない状態で、タッチセンサパネルドライブ回路またはセンス回路の前記パラメータを変化させ、センス回路のある範囲の第2の出力値を捕捉し、タッチセンサパネルドライブ回路またはセンス回路の前記パラメータの特定の値であり、その特定の値において第1の出力値と第2の出力値の差が小さくなる特定の値を選択するようにプロセッサに命じる非一時的コンピュータ可読記憶媒体を対象とする。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、タッチセンサパネルを設定することが、タッチセンサパネルを駆動する目的に使用する刺激信号の位相を設定することを含む。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、前記パラメータがセンス回路の位相であり、プロセッサがさらに、第1の出力値と第2の出力値とが実質的に同じになるセンス回路の位相を表す最適な位相を選択するように命じられる。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、センス回路の位相が、センス回路の局部発振器の位相を調整することによって設定される。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、複数のタッチノードが共通の局部発振器を共用し、局部発振器の位相が、共通の局部発振器を共用している前記複数のタッチノードの最適な位相に基づく特定の値に設定される。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、局部発振器の位相が、設定された前記値と前記複数のタッチノードの最適な位相との間の誤差が最小になるようなある値に設定される。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例では、プロセッサがさらに、前記特定の値における第1の出力値と第2の出力値の差を決定し、前記差が所定のしきい値よりも小さい場合に較正を終了するように命じられる。
本開示のいくつかの例は、タッチセンサパネルを較正する方法であって、タッチセンサパネルに力が加えられた状態で、パネルのタッチセンサパネルドライブ回路またはセンス回路のパラメータを変化させ、センス回路のある範囲の第1の出力値を捕捉すること、タッチセンサパネルに力が加えられていない状態で、タッチセンサパネルドライブ回路またはセンス回路の前記パラメータを変化させ、センス回路のある範囲の第2の出力値を捕捉すること、ならびにタッチセンサパネルドライブ回路またはセンス回路の前記パラメータの特定の値であり、第1および第2の出力値の関数である性能測定基準を向上させる特定の値を選択することを含む方法を対象とする。上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例に加えてまたは上に開示した例のうちの1つもしくは複数の例の代わりに、いくつかの例は、上記方法に従って較正されたタッチセンサパネルを含む。
添付図面を参照して開示の実施形態を十分に説明したが、当業者には、さまざまな変更および改変が明白であることに留意されたい。そのような変更および改変は、添付の実用新案登録請求の範囲によって定義された開示の実施形態の範囲に含まれることを理解されたい。
上に記載した機能のうちの1つまたは複数の機能は例えば、記憶装置(例えば前記周辺装置のうちの1つ)に記憶され、パネルプロセッサ1302によって実行されるファームウェアによって、またはプログラム記憶装置1332に記憶され、ホストプロセッサ1328によって実行されるファームウェアによって実行することができることに留意されたい。このファームウェアは、コンピュータベースのシステム、プロセッサを含むシステム、または命令実行システム、装置もしくはデバイスから命令を取り出しその命令を実行することができる他のシステムなどの命令実行システム、装置もしくはデバイスによって使用され、あるいはそのような命令実行システム、装置もしくはデバイスとともに使用されるコンピュータ可読記憶媒体に記憶し、かつ/あるいはそのようなコンピュータ可読記憶媒体に記憶された状態で移送することもできる。本明細書の文脈において、「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」は、命令実行システム、装置もしくはデバイスによって使用され、または命令実行システム、装置もしくはデバイスとともに使用されるプログラムを含むことができまたは記憶することができる任意の媒体である。非一時的コンピュータ可読記憶媒体には、限定はされないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線もしくは半導体システム、装置もしくはデバイス、携帯可能なコンピュータディスケット(磁気)、ランダムアクセスメモリ(RAM)(磁気)、リードオンリーメモリ(ROM)(磁気)、消去可能プログラム可能リードオンリーメモリ(EPROM)(磁気)、CD、CD−R、CD−RW、DVD、DVD−R、DVD−RWなどの携帯可能な光学ディスク、またはコンパクトフラッシュ(登録商標)カード(compact flash card)、セキュアードディジタルカード(secured digital card)、USBメモリデバイス、メモリスティックなどのフラッシュメモリなどが含まれる。

Claims (17)

  1. タッチセンサパネルを較正するための装置であって、
    前記タッチセンサパネルに力を加え、前記パネルの少なくとも1つのタッチノードに関連付けられたタッチセンサパネルドライブ回路またはセンス回路のパラメータを変化させ、前記センス回路のある範囲の第1の出力値を捕捉する手段と、
    前記タッチセンサパネルに力が加えられていない状態を作り出し、前記少なくとも1つのタッチノードに関連付けられた前記タッチセンサパネルドライブ回路またはセンス回路の前記パラメータを変化させ、前記センス回路のある範囲の第2の出力値を捕捉する手段と、
    前記タッチセンサパネルドライブ回路またはセンス回路の前記パラメータの特定の値であり、前記第1および第2の出力値の関数である性能測定基準を向上させる特定の値を選択する手段と
    を備える装置。
  2. 前記パラメータの前記特定の値を選択する前記手段が、前記第1の出力値と前記第2の出力値の差を実質的に最小にする手段を含む、請求項1に記載の装置。
  3. 前記第1の出力値と前記第2の出力値とが実質的に同じになる前記パラメータの前記特定の値を選択する手段をさらに備える、請求項1に記載の装置。
  4. 前記パラメータが前記センス回路の位相であり、前記特定の値が最適な位相である、請求項1に記載の装置。
  5. 前記センス回路の局部発振器の位相を調整することによって前記センス回路の前記位相を変化させる手段をさらに備える、請求項4に記載の装置。
  6. 前記タッチセンサパネルに前記力が加えられた状態で、複数のノードに対して前記パラメータを変化させ、その間に、対応するある範囲の前記第1の出力値を捕捉する手段と、
    前記タッチセンサパネルに前記力が加えられていない状態で、前記複数のノードに対して前記パラメータを変化させ、その間に、対応するある範囲の前記第2の出力値を捕捉する手段と、
    それぞれのノードについて、前記第1の出力値と前記第2の出力値の差を実質的に最小にする前記センス回路の最適な位相を選択する手段と
    をさらに備え、
    前記複数のタッチノードが共通の局部発振器を共用し、前記装置が、前記共通の局部発振器の前記位相を、前記共通の局部発振器を共用している前記複数のタッチノードの選択された前記最適な位相に基づくある値に設定する手段をさらに含む、
    請求項5に記載の装置。
  7. 前記局部発振器の前記位相を、設定された前記値と前記複数のタッチノードの前記最適な位相との間の誤差が最小になるようなある値に設定する手段をさらに備える、請求項6に記載の装置。
  8. 少なくとも1つの非導電性プローブによって前記タッチセンサパネルに前記力を加える手段をさらに備える、請求項1に記載の装置。
  9. 複数の導電性プローブによって前記タッチセンサパネルに前記力を加える手段をさらに備える、請求項1に記載の装置。
  10. 前記特定の値における前記第1の出力値と前記第2の出力値の差を決定し、前記差が所定のしきい値よりも小さい場合に較正を終了する手段をさらに備える、請求項1に記載の装置。
  11. デバイスのタッチセンサパネルを較正する装置であって、
    タッチセンサパネルに接触するための1つまたは複数のプローブと係合した力アクチュエータを制御する手段と、
    前記タッチセンサパネルのドライブ回路に信号を印加し、前記タッチセンサパネルのセンス回路から信号を受け取る手段と
    を備え、
    前記ドライブ回路が、前記タッチセンサパネルの複数のドライブ線に刺激信号を印加するように動作可能であり、前記センス回路が、前記タッチセンサパネルの複数のセンス線に結合された静電容量を感知するように動作可能である
    装置。
  12. 前記プローブが非導電性である、請求項11に記載の装置。
  13. 前記プローブが導電性である、請求項11に記載の装置。
  14. 前記力アクチュエータが前記タッチセンサパネルの表面に力を加えているときに前記センス回路から第1のデータを受け取り、前記プローブが前記タッチセンサパネルの表面に力を加えていないときに前記センス回路から第2のデータを受け取る手段をさらに備える、請求項11に記載の装置。
  15. 力が加えられた状態で前記タッチセンサパネルが動作しているときの前記タッチセンサパネルの性能と、力が加えられていない状態で前記タッチセンサパネルが動作しているときの前記タッチセンサパネルの性能との差が小さくなるように、前記タッチセンサパネルの設定を調整する手段をさらに備える、請求項11に記載の装置。
  16. 調整する前記手段が、前記ドライブ回路によって前記タッチセンサパネルに印加されている刺激信号の位相を変化させる手段を含む、請求項15に記載の装置。
  17. 調整する前記手段が、前記タッチセンサパネルの前記センス回路の局部発振器の位相を変化させる手段を含む、請求項15に記載の装置。
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