JP3178333B2 - 長さ方向の板厚が変化する金属板の圧延方法 - Google Patents
長さ方向の板厚が変化する金属板の圧延方法Info
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- JP3178333B2 JP3178333B2 JP06853596A JP6853596A JP3178333B2 JP 3178333 B2 JP3178333 B2 JP 3178333B2 JP 06853596 A JP06853596 A JP 06853596A JP 6853596 A JP6853596 A JP 6853596A JP 3178333 B2 JP3178333 B2 JP 3178333B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、長さ方向の板厚
が任意のパターンで変化する金属板を、良好な平坦度を
維持して圧延する方法に関するものである。
が任意のパターンで変化する金属板を、良好な平坦度を
維持して圧延する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、構造部材として金属板を使用す
る場合、部材の構成部分によって強度の異なる金属板を
要求される場合がある。このような場合には、厚さの異
なる金属板を接合するか、または、長さ方向に板厚が変
化する金属板が必要とされる。
る場合、部材の構成部分によって強度の異なる金属板を
要求される場合がある。このような場合には、厚さの異
なる金属板を接合するか、または、長さ方向に板厚が変
化する金属板が必要とされる。
【0003】長さ方向に板厚が変化する金属板として、
例えば、図7の(a) に示すような板厚がテーバー状に連
続的に変化する金属板、同図(b) に示すような中央部に
板厚が大きい平坦部を有する金属板、同図(c) に示すよ
うなその両端部に板厚の異なる平坦部を有する金属板等
がある。
例えば、図7の(a) に示すような板厚がテーバー状に連
続的に変化する金属板、同図(b) に示すような中央部に
板厚が大きい平坦部を有する金属板、同図(c) に示すよ
うなその両端部に板厚の異なる平坦部を有する金属板等
がある。
【0004】このように長さ方向の板厚が変化する金属
板を圧延によって製造する方法として、例えば、特公昭
46−37086号公報には、最終パスのみ圧延噛み込
み位置から順次ロールの間隔を変化させる制御方法が開
示されているが、この方法には、被圧延材の平坦度の影
響については何ら配慮されていない。
板を圧延によって製造する方法として、例えば、特公昭
46−37086号公報には、最終パスのみ圧延噛み込
み位置から順次ロールの間隔を変化させる制御方法が開
示されているが、この方法には、被圧延材の平坦度の影
響については何ら配慮されていない。
【0005】そこで、長さ方向の板厚が変化する金属板
を、良好な平坦度を維持して圧延する方法として、特公
平5−49361号公報(以下、先行技術という)に
は、下記からなる圧延方法が開示されている。
を、良好な平坦度を維持して圧延する方法として、特公
平5−49361号公報(以下、先行技術という)に
は、下記からなる圧延方法が開示されている。
【0006】板厚が変化する金属板の最大厚さを平板製
品板厚とする平板と、最小厚さを平板製品板厚とする平
板とについて、長さ方向に同一板厚の素材から圧延を開
始し、同一のパス数で仕上げる圧延パススケジュールを
作成する。中間厚部の目標パス厚は、上記最大目標厚と
最小目標厚に対し内分した値とし、最小厚平板の圧延パ
ススケジユールとして最小厚平板の平坦度を維持できる
限界まで1パス当りの圧下量を大きくしたパススケジユ
ールを採用し、最大厚平板の圧延パススケジユールとし
て最大厚平板の平坦度を維持できる限界まで1パス当り
の圧下量を小さくしたパススケジユールを採用する。
品板厚とする平板と、最小厚さを平板製品板厚とする平
板とについて、長さ方向に同一板厚の素材から圧延を開
始し、同一のパス数で仕上げる圧延パススケジュールを
作成する。中間厚部の目標パス厚は、上記最大目標厚と
最小目標厚に対し内分した値とし、最小厚平板の圧延パ
ススケジユールとして最小厚平板の平坦度を維持できる
限界まで1パス当りの圧下量を大きくしたパススケジユ
ールを採用し、最大厚平板の圧延パススケジユールとし
て最大厚平板の平坦度を維持できる限界まで1パス当り
の圧下量を小さくしたパススケジユールを採用する。
【0007】それぞれの目標パス厚を最終パスから逆順
に初パス側へチェックし、最小厚平板の圧延パススケジ
ユールと最大厚平板の圧延パススケジユールとをつなぎ
合わせ、最大厚平板の圧延パススケジユールに対して平
坦度が維持できるか否かをチェックし、不可の場合は修
正する。また、最大厚さおよび最小厚さの間の板厚を平
板製品厚とする複数の平板の圧延パススケジユールを作
成し、目標厚および圧延反力は、上記2つの圧延パスス
ケジユールから内分比を用いて作成し、この圧延パスス
ケジユールによって金属板を圧延する。
に初パス側へチェックし、最小厚平板の圧延パススケジ
ユールと最大厚平板の圧延パススケジユールとをつなぎ
合わせ、最大厚平板の圧延パススケジユールに対して平
坦度が維持できるか否かをチェックし、不可の場合は修
正する。また、最大厚さおよび最小厚さの間の板厚を平
板製品厚とする複数の平板の圧延パススケジユールを作
成し、目標厚および圧延反力は、上記2つの圧延パスス
ケジユールから内分比を用いて作成し、この圧延パスス
ケジユールによって金属板を圧延する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した先行技術は、
1パス当りにおける金属板の最大板厚部と最小板厚部と
の圧延反力差を考慮していないために、板クラウン比率
の変化が大になり、図8に示すような圧延パススケジユ
ールになる。図8において、○印を結ぶ線は金属板の最
小板厚部の圧延パススケジユールであり、●印を結ぶ線
は金属板の最大板厚部の圧延パススケジユールであり、
そして、×印を結ぶ線は金属板の中間板厚部の圧延パス
スケジユールである。図8から明らかなように、最終パ
スにおける圧延反力の差は大きく、金属板の長さ方向に
おける平坦度を維持することはできない。
1パス当りにおける金属板の最大板厚部と最小板厚部と
の圧延反力差を考慮していないために、板クラウン比率
の変化が大になり、図8に示すような圧延パススケジユ
ールになる。図8において、○印を結ぶ線は金属板の最
小板厚部の圧延パススケジユールであり、●印を結ぶ線
は金属板の最大板厚部の圧延パススケジユールであり、
そして、×印を結ぶ線は金属板の中間板厚部の圧延パス
スケジユールである。図8から明らかなように、最終パ
スにおける圧延反力の差は大きく、金属板の長さ方向に
おける平坦度を維持することはできない。
【0009】また、先行技術によると、金属板最大板厚
部の圧延パススケジユールの1パス当りの圧下量を、平
坦度を維持できる限界まで小さくしているので、圧延反
力が小さくなり過ぎ、板厚制御が困難になりやすい。同
様に、金属板最小板厚部の圧延パススケジユールの1パ
ス当りの圧下量を、平坦度を維持できる限界まで大きく
しているので、圧延反力が大きくなり過ぎ、板厚制御が
困難になりやすく、板厚誤差が大になる。更に、必然的
に金属板の最大板厚部は圧延最小反力により制約され、
金属板の最小板厚部は圧延最大反力により制約される結
果、金属板の最大板厚と最小板厚との差が限られる。
部の圧延パススケジユールの1パス当りの圧下量を、平
坦度を維持できる限界まで小さくしているので、圧延反
力が小さくなり過ぎ、板厚制御が困難になりやすい。同
様に、金属板最小板厚部の圧延パススケジユールの1パ
ス当りの圧下量を、平坦度を維持できる限界まで大きく
しているので、圧延反力が大きくなり過ぎ、板厚制御が
困難になりやすく、板厚誤差が大になる。更に、必然的
に金属板の最大板厚部は圧延最小反力により制約され、
金属板の最小板厚部は圧延最大反力により制約される結
果、金属板の最大板厚と最小板厚との差が限られる。
【0010】通常、長さ方向に同一板厚の素材から、板
厚が変化する金属板を、圧延によって製造すると、板厚
に変化を付与するパスにおいて、被圧延材に歪みが発生
する。このような歪みの発生が著しい場合には、金属板
1に図9(a) に示すような耳波2や、同図(b) に示すよ
うな中波3が生じて、圧延された金属板の平坦度が著し
く低下する。更に、厚さに変化を付与するパスにおい
て、金属板の長さ方向の圧下量即ち圧延反力に差が生ず
る結果、金属板の長さ方向における歪みの発生に差が生
じ、この圧延反力の差が著しい場合には、金属板1に図
9(c) に示すような波4が生ずる結果、圧延された金属
板の平坦度が更に低下する。
厚が変化する金属板を、圧延によって製造すると、板厚
に変化を付与するパスにおいて、被圧延材に歪みが発生
する。このような歪みの発生が著しい場合には、金属板
1に図9(a) に示すような耳波2や、同図(b) に示すよ
うな中波3が生じて、圧延された金属板の平坦度が著し
く低下する。更に、厚さに変化を付与するパスにおい
て、金属板の長さ方向の圧下量即ち圧延反力に差が生ず
る結果、金属板の長さ方向における歪みの発生に差が生
じ、この圧延反力の差が著しい場合には、金属板1に図
9(c) に示すような波4が生ずる結果、圧延された金属
板の平坦度が更に低下する。
【0011】従って、この発明の目的は、上述した課題
を解決し、長さ方向に同一板厚の素材から、板厚が変化
する金属板を圧延によって製造するに際し、板厚に変化
を付与するパスにおいて、被圧延材に発生する歪みによ
り金属板に波が生ぜず、長さ方向に良好な平坦度を維持
することができる、板厚変化金属板の圧延方法を提供す
ることにある。
を解決し、長さ方向に同一板厚の素材から、板厚が変化
する金属板を圧延によって製造するに際し、板厚に変化
を付与するパスにおいて、被圧延材に発生する歪みによ
り金属板に波が生ぜず、長さ方向に良好な平坦度を維持
することができる、板厚変化金属板の圧延方法を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、長さ方向に
同一板厚の素材を圧延して長さ方向の板厚が変化する金
属板を製造する方法において、製品の最大板厚と最小板
厚との中間板厚を目標板厚とし、板厚に変化を付与する
圧延パスの前段においては、平坦度を維持し得る限界ま
で1パス当りの圧下量を大きくし、且つ、前記圧延パス
の後段においては、平坦度を維持し得る限界まで1パス
当りの圧下量を小さくし、そして、製品の最大板厚と最
小板厚との差を、板厚に変化を付与する圧延パスの圧下
率で各パスに配分することにより、最大板厚部の圧延パ
ススケジユールおよび最小板厚部の圧延パススケジユー
ルを作成し、このようにして作成された圧延パススケジ
ユールによって圧延を行うことに特徴を有するものであ
る。
同一板厚の素材を圧延して長さ方向の板厚が変化する金
属板を製造する方法において、製品の最大板厚と最小板
厚との中間板厚を目標板厚とし、板厚に変化を付与する
圧延パスの前段においては、平坦度を維持し得る限界ま
で1パス当りの圧下量を大きくし、且つ、前記圧延パス
の後段においては、平坦度を維持し得る限界まで1パス
当りの圧下量を小さくし、そして、製品の最大板厚と最
小板厚との差を、板厚に変化を付与する圧延パスの圧下
率で各パスに配分することにより、最大板厚部の圧延パ
ススケジユールおよび最小板厚部の圧延パススケジユー
ルを作成し、このようにして作成された圧延パススケジ
ユールによって圧延を行うことに特徴を有するものであ
る。
【0013】そして、前記最大板厚部の圧延パススケジ
ユールおよび前記最小板厚部の圧延パススケジユールに
ついて、そのスケジユールによる圧延によって平坦度が
維持され得るか否かをチェックし、チェック結果が不可
の場合には、板厚に変化を付与するパス数を1パスずつ
変化させて平坦度をチェックし、チェック結果が可とな
るまで、最大板厚部の圧延パススケジユールおよび最小
板厚部の圧延パススケジユールを修正することが必要と
される。
ユールおよび前記最小板厚部の圧延パススケジユールに
ついて、そのスケジユールによる圧延によって平坦度が
維持され得るか否かをチェックし、チェック結果が不可
の場合には、板厚に変化を付与するパス数を1パスずつ
変化させて平坦度をチェックし、チェック結果が可とな
るまで、最大板厚部の圧延パススケジユールおよび最小
板厚部の圧延パススケジユールを修正することが必要と
される。
【0014】
【発明の実施の形態】平板の圧延パススケジユールの作
成方法として、美坂等によって提案された板クラウン率
一定圧延法(美坂・横井:「塑性と加工」16−168, (19
75), 10.)が知られている。この理論によれば、圧延各
パスの圧延反力を下記(1) 式によって決定しており、平
坦に圧延する圧延パススケジユールを容易に作成するこ
とができる。
成方法として、美坂等によって提案された板クラウン率
一定圧延法(美坂・横井:「塑性と加工」16−168, (19
75), 10.)が知られている。この理論によれば、圧延各
パスの圧延反力を下記(1) 式によって決定しており、平
坦に圧延する圧延パススケジユールを容易に作成するこ
とができる。
【0015】Pi=αHi+β・・・・・・・(1) Pi:iパスの圧延反力 Hi:iパスの出側板厚 α :板クラウンを定める係数 β :クラウン率一定圧延法を実施する際に圧延反力を
決定する式の係数であって、βには板厚に対して板クラ
ウン比率の変化が板波形状として顕在化しない範囲即ち
上限値と下限値とが存在する。
決定する式の係数であって、βには板厚に対して板クラ
ウン比率の変化が板波形状として顕在化しない範囲即ち
上限値と下限値とが存在する。
【0016】平板の圧延パススケジユールを作成する場
合、上記理論によれば、αおよびβの値のとり方によっ
て、仕上パスの圧延反力即ち圧下量が比較的大きい圧延
パススケジユール、および、仕上パスの圧延反力即ち圧
下量が比較的小さい圧延パススケジユールを作りわける
ことができる。
合、上記理論によれば、αおよびβの値のとり方によっ
て、仕上パスの圧延反力即ち圧下量が比較的大きい圧延
パススケジユール、および、仕上パスの圧延反力即ち圧
下量が比較的小さい圧延パススケジユールを作りわける
ことができる。
【0017】次に、この発明の方法を図1に示す工程図
に従って説明する。 (1) 金属板に板厚の変化を付与するための圧延総パス数
(Ps)を仮に決定する。 (2) 上述した理論に従い、金属板の最大製品板厚と最小
製品板厚との中間板厚を目標板厚とし、板厚に変化を付
与する複数のパスの前段においては、上記(1)式にお
けるβを上限値付近即ち平坦度を維持し得る限界まで1
パス当りの圧下量を大きくし、そして、板厚に変化を付
与する複数のパスの後段においては、上記(1)式にお
けるβを下限値付近即ち平坦度を維持し得る限界まで1
パス当りの圧下量を小さくした、図2に示す中間厚のパ
ススケジユールを作成する。図2において、H′は、板
厚に変化を付与するためのパスのスタートを示してお
り、×印は板厚に変化を付与する各パスにおける中間厚
の圧延パススケジユールを示している。
に従って説明する。 (1) 金属板に板厚の変化を付与するための圧延総パス数
(Ps)を仮に決定する。 (2) 上述した理論に従い、金属板の最大製品板厚と最小
製品板厚との中間板厚を目標板厚とし、板厚に変化を付
与する複数のパスの前段においては、上記(1)式にお
けるβを上限値付近即ち平坦度を維持し得る限界まで1
パス当りの圧下量を大きくし、そして、板厚に変化を付
与する複数のパスの後段においては、上記(1)式にお
けるβを下限値付近即ち平坦度を維持し得る限界まで1
パス当りの圧下量を小さくした、図2に示す中間厚のパ
ススケジユールを作成する。図2において、H′は、板
厚に変化を付与するためのパスのスタートを示してお
り、×印は板厚に変化を付与する各パスにおける中間厚
の圧延パススケジユールを示している。
【0018】(3) 上記(2) により作成した図2に示すパ
ススケジユールにおいて、板厚に変化を付与するパスに
おける中間厚の総圧下量をHとし、板厚に変化を付与す
る各パスの中間厚の圧下量をΔHnとし、そして、最終
製品の板厚変化量をhとすると、板厚に変化を付与する
各パスの最大板厚と最小板厚との差即ち各パスの板厚変
化量Δhnは、下記(2) 式によって与えられる。
ススケジユールにおいて、板厚に変化を付与するパスに
おける中間厚の総圧下量をHとし、板厚に変化を付与す
る各パスの中間厚の圧下量をΔHnとし、そして、最終
製品の板厚変化量をhとすると、板厚に変化を付与する
各パスの最大板厚と最小板厚との差即ち各パスの板厚変
化量Δhnは、下記(2) 式によって与えられる。
【0019】 Δhn=ΔHn/H×h・・・・・・・(2) (4) 上記(2) により作成した図2に示すパススケジユー
ルにおいて、板厚に変化を付与するパスの目標パス厚
に、上記(3) の(2)式によって求められた各パスの板
厚変化量Δhnの半分を加えた板厚を目標板厚とした、
図3に●印で示す最大板厚部の圧延パススケジユールを
作成する。図3において、×印は板厚に変化を付与する
各パスにおける中間厚の圧延パススケジユールである。
ルにおいて、板厚に変化を付与するパスの目標パス厚
に、上記(3) の(2)式によって求められた各パスの板
厚変化量Δhnの半分を加えた板厚を目標板厚とした、
図3に●印で示す最大板厚部の圧延パススケジユールを
作成する。図3において、×印は板厚に変化を付与する
各パスにおける中間厚の圧延パススケジユールである。
【0020】(5) 上記(2) により作成した図2に示すパ
ススケジユールにおいて、板厚に変化を付与するパスの
目標パス厚に、上記(3) の(2)式によって求められた
各パスの板厚変化量Δhnの半分を差し引いた板厚を目
標板厚とした、図3に○印で示す最小板厚部の圧延パス
スケジユールを作成する。図3において、Hmax は最終
製品における最大板厚であり、Hmin はその最小板厚で
ある。また、Pmax とPmin との差は最終パスにおける
圧延反力差である。
ススケジユールにおいて、板厚に変化を付与するパスの
目標パス厚に、上記(3) の(2)式によって求められた
各パスの板厚変化量Δhnの半分を差し引いた板厚を目
標板厚とした、図3に○印で示す最小板厚部の圧延パス
スケジユールを作成する。図3において、Hmax は最終
製品における最大板厚であり、Hmin はその最小板厚で
ある。また、Pmax とPmin との差は最終パスにおける
圧延反力差である。
【0021】このようにして、製品の最大板厚と最小板
厚との差を、板厚に変化を付与する圧延パスの圧下率で
各パスに配分することにより、最大板厚部の圧延パスス
ケジユールおよび最小板厚部の圧延パススケジユールが
作成され、作成されたパススケジユールによって圧延が
行われる。
厚との差を、板厚に変化を付与する圧延パスの圧下率で
各パスに配分することにより、最大板厚部の圧延パスス
ケジユールおよび最小板厚部の圧延パススケジユールが
作成され、作成されたパススケジユールによって圧延が
行われる。
【0022】(6) 前述した理論に従い、最大板厚部の圧
延パススケジユールと最小板厚部の圧延パススケジユー
ルとについて、各パスの圧延反力が(1) 式を満足してい
るか否か即ち平坦度が維持されているか否かをチェック
する。
延パススケジユールと最小板厚部の圧延パススケジユー
ルとについて、各パスの圧延反力が(1) 式を満足してい
るか否か即ち平坦度が維持されているか否かをチェック
する。
【0023】(7) 上記(6) による平坦度のチェック結果
が不可の場合には、上記(1) により仮に定めた、金属板
に板厚の変化を付与するための圧延総パス数(Ps)を修正
し、1パスずつ変化させて平坦度をチェックし、チェッ
ク結果が可となるまで、再度上記(2) からの工程を行
い、最大板厚部の圧延パススケジユールおよび最小板厚
部の圧延パススケジユールを修正することが必要であ
る。
が不可の場合には、上記(1) により仮に定めた、金属板
に板厚の変化を付与するための圧延総パス数(Ps)を修正
し、1パスずつ変化させて平坦度をチェックし、チェッ
ク結果が可となるまで、再度上記(2) からの工程を行
い、最大板厚部の圧延パススケジユールおよび最小板厚
部の圧延パススケジユールを修正することが必要であ
る。
【0024】この発明の方法によれば、板厚に変化を付
与するパスの後段における圧下量が小さいことにより、
最終パス付近で最大板厚部の圧延反力が小さくなり過ぎ
ず、また最小板厚部の圧延反力が大きくなり過ぎず、長
手方向における圧延反力差を少なくすることができ、長
さ方向の板厚が変化する金属板を、良好な平坦度で、板
厚の誤差が少なく圧延することができる。
与するパスの後段における圧下量が小さいことにより、
最終パス付近で最大板厚部の圧延反力が小さくなり過ぎ
ず、また最小板厚部の圧延反力が大きくなり過ぎず、長
手方向における圧延反力差を少なくすることができ、長
さ方向の板厚が変化する金属板を、良好な平坦度で、板
厚の誤差が少なく圧延することができる。
【0025】
【実施例】図10(a) に示すようなテーバー状の表1に
示す寸法の鋼板をこの発明の方法により圧延した。図4
に、そのときの圧延パススケジユールを示す。
示す寸法の鋼板をこの発明の方法により圧延した。図4
に、そのときの圧延パススケジユールを示す。
【0026】
【表1】
【0027】図4に示すように、板厚に変化を付与する
前段のパスにおいては、大圧下量での圧延によって、圧
延能率を向上させることができ、そして、板厚に変化を
付与する後段のパスにおいては、最大板厚部と最小板厚
部との圧延反力の差が少ないことにより、長さ方向の平
坦度を維持することができた。
前段のパスにおいては、大圧下量での圧延によって、圧
延能率を向上させることができ、そして、板厚に変化を
付与する後段のパスにおいては、最大板厚部と最小板厚
部との圧延反力の差が少ないことにより、長さ方向の平
坦度を維持することができた。
【0028】図5は、製品鋼板の長さ方向における板厚
精度を示すグラフである。この発明の方法によれば、最
大板厚部の圧延反力が小さくなり過ぎず、また、最小板
厚部の圧延反力が大きくなり過ぎず、長さ方向の圧延反
力差が小さいことにより、板厚の交差は、製品寸法に対
し長さ方向で±0.1mm以内になった。
精度を示すグラフである。この発明の方法によれば、最
大板厚部の圧延反力が小さくなり過ぎず、また、最小板
厚部の圧延反力が大きくなり過ぎず、長さ方向の圧延反
力差が小さいことにより、板厚の交差は、製品寸法に対
し長さ方向で±0.1mm以内になった。
【0029】図6は、製品鋼板の長さ方向における板ク
ラウンを示すグラフである。最大板厚部と最小板厚部と
の板クラウン差は、僅か0.05mmで極めて少なく、板
クラウン比率変化も0.1%以内であって、長さ方向に
十分な平坦度が得られた。
ラウンを示すグラフである。最大板厚部と最小板厚部と
の板クラウン差は、僅か0.05mmで極めて少なく、板
クラウン比率変化も0.1%以内であって、長さ方向に
十分な平坦度が得られた。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
長さ方向に同一板厚の素材から、板厚が変化する金属板
を圧延によって製造するに際し、板厚に変化を付与する
パスにおいて、被圧延材に発生する歪みにより金属板に
波が生ぜず、長さ方向に良好な平坦度を有する板厚変化
金属板を製造することができる、工業上有用な効果がも
たらされる。
長さ方向に同一板厚の素材から、板厚が変化する金属板
を圧延によって製造するに際し、板厚に変化を付与する
パスにおいて、被圧延材に発生する歪みにより金属板に
波が生ぜず、長さ方向に良好な平坦度を有する板厚変化
金属板を製造することができる、工業上有用な効果がも
たらされる。
【図1】この発明の方法を示す工程図である。
【図2】この発明の方法における中間厚のパススケジユ
ールである。
ールである。
【図3】この発明の方法における最大板厚部および最小
板厚部の圧延パススケジユールである。
板厚部の圧延パススケジユールである。
【図4】この発明の実施例を示す圧延パススケジユール
である。
である。
【図5】この発明の方法により圧延された製品鋼板の長
さ方向における板厚精度を示すグラフである。
さ方向における板厚精度を示すグラフである。
【図6】この発明の方法により圧延された製品鋼板の長
さ方向における板クラウンを示すグラフである。
さ方向における板クラウンを示すグラフである。
【図7】長さ方向に板厚が変化する鋼板の例を示す側面
図である。
図である。
【図8】先行技術における最大板厚部および最小板厚部
の圧延パススケジユールである。
の圧延パススケジユールである。
【図9】長さ方向に板厚が変化する鋼板の平坦度不良の
例をしめす説明図である。
例をしめす説明図である。
1 金属板 2 耳波 3 中波 4 波
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/00 - 1/46 B21B 37/00 - 37/78
Claims (2)
- 【請求項1】 長さ方向に同一板厚の素材を圧延して長
さ方向の板厚が変化する金属板を製造する方法におい
て、製品の最大板厚と最小板厚との中間板厚を目標板厚
とし、板厚に変化を付与する圧延パスの前段において
は、平坦度を維持し得る限界まで1パス当りの圧下量を
大きくし、且つ、前記圧延パスの後段においては、平坦
度を維持し得る限界まで1パス当りの圧下量を小さく
し、そして、製品の最大板厚と最小板厚との差を、板厚
に変化を付与する圧延パスの圧下率で各パスに配分する
ことにより、最大板厚部の圧延パススケジユールおよび
最小板厚部の圧延パススケジユールを作成し、このよう
にして作成された圧延パススケジユールによって圧延を
行うことを特徴とする、長さ方向の板厚が変化する金属
板の圧延方法。 - 【請求項2】 前記最大板厚部の圧延パススケジユール
および前記最小板厚部の圧延パススケジユールについ
て、そのスケジユールによる圧延によって平坦度が維持
され得るか否かをチェックし、チェック結果が不可の場
合には、板厚に変化を付与するパス数を1パスずつ変化
させて平坦度をチェックし、チェック結果が可となるま
で、最大板厚部の圧延パススケジユールおよび最小板厚
部の圧延パススケジユールを修正する、請求項1記載の
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06853596A JP3178333B2 (ja) | 1996-03-25 | 1996-03-25 | 長さ方向の板厚が変化する金属板の圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06853596A JP3178333B2 (ja) | 1996-03-25 | 1996-03-25 | 長さ方向の板厚が変化する金属板の圧延方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09253725A JPH09253725A (ja) | 1997-09-30 |
JP3178333B2 true JP3178333B2 (ja) | 2001-06-18 |
Family
ID=13376540
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06853596A Expired - Fee Related JP3178333B2 (ja) | 1996-03-25 | 1996-03-25 | 長さ方向の板厚が変化する金属板の圧延方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3178333B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101242841B1 (ko) * | 2010-12-28 | 2013-03-12 | 주식회사 포스코 | 강압하가 가능한 후강판의 조압연 방법 및 장치 |
KR101253891B1 (ko) * | 2011-03-21 | 2013-04-16 | 주식회사 포스코 | 압연 중 코일 목표두께 변동시 압하율 설정 장치 및 방법 |
-
1996
- 1996-03-25 JP JP06853596A patent/JP3178333B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09253725A (ja) | 1997-09-30 |
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