JP3163587B2 - 内燃エンジンの動弁制御装置 - Google Patents
内燃エンジンの動弁制御装置Info
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- JP3163587B2 JP3163587B2 JP14875192A JP14875192A JP3163587B2 JP 3163587 B2 JP3163587 B2 JP 3163587B2 JP 14875192 A JP14875192 A JP 14875192A JP 14875192 A JP14875192 A JP 14875192A JP 3163587 B2 JP3163587 B2 JP 3163587B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃エンジンの動弁制
御装置に関し、特に内燃エンジンの吸排気弁のバルブタ
イミングが切換可能なバルブタイミング切換手段を有す
る内燃エンジンの動弁制御装置に関する。
御装置に関し、特に内燃エンジンの吸排気弁のバルブタ
イミングが切換可能なバルブタイミング切換手段を有す
る内燃エンジンの動弁制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃エンジンの排気ガスの一
部を吸気通路に還流させ、エンジンから発生する有害ガ
スの一つである窒素酸化物(NOx)を低減する排気還
流制御システムが広く知られている。
部を吸気通路に還流させ、エンジンから発生する有害ガ
スの一つである窒素酸化物(NOx)を低減する排気還
流制御システムが広く知られている。
【0003】ところで、燃費を向上させるためには可燃
空燃比の最大値すなわち燃焼のリーン限界を拡大するこ
とが必要であり、そのためには燃焼室における点火プラ
グ周りの混合気を燃料リッチにし、ピストン側の混合気
をリーン状態にして所謂成層化燃焼を行うのが好ましい
ことが知られている。そして、前記排気還流制御システ
ムにおいて、排気還流ガス(以下、「EGRガス」とい
う)と新気エアとを異なる吸気ポートから燃焼室に導入
することにより、成層化燃焼を図った技術が既に提案さ
れている(例えば、実開昭62−175248号公報、
実開昭64−34434号公報等)(以下、「第1の従
来例」という)。
空燃比の最大値すなわち燃焼のリーン限界を拡大するこ
とが必要であり、そのためには燃焼室における点火プラ
グ周りの混合気を燃料リッチにし、ピストン側の混合気
をリーン状態にして所謂成層化燃焼を行うのが好ましい
ことが知られている。そして、前記排気還流制御システ
ムにおいて、排気還流ガス(以下、「EGRガス」とい
う)と新気エアとを異なる吸気ポートから燃焼室に導入
することにより、成層化燃焼を図った技術が既に提案さ
れている(例えば、実開昭62−175248号公報、
実開昭64−34434号公報等)(以下、「第1の従
来例」という)。
【0004】一方、内燃エンジンの排気効率に着目して
みると、排気ガス中のHC濃度は、一般的にエンジンの
排気行程における初期と後期に特に高いピークを示すこ
とが知られており、排気ガス中のHC濃度が特に高いエ
ンジンの排気行程の後期にのみ排気還流を行わせること
により、少量の排気還流量で排気ガス中のHCの排出を
効果的に低減するようにした技術も既に提案されている
(例えば、特開平1−244155号公報)(以下、
「第2の従来例」という)。
みると、排気ガス中のHC濃度は、一般的にエンジンの
排気行程における初期と後期に特に高いピークを示すこ
とが知られており、排気ガス中のHC濃度が特に高いエ
ンジンの排気行程の後期にのみ排気還流を行わせること
により、少量の排気還流量で排気ガス中のHCの排出を
効果的に低減するようにした技術も既に提案されている
(例えば、特開平1−244155号公報)(以下、
「第2の従来例」という)。
【0005】すなわち、吸気行程で吸入された新気エア
は、圧縮行程で圧縮されてトップランド隙間(ピスト
ン、ピストンリング、シリンダに囲まれる隙間)に入り
込むため、前記新気エアは、その後の爆発行程を経た
後、排気行程に入って始めて前記トップランド隙間より
燃焼室内に噴出する。しかし、この時すでに燃焼は終了
していることから、この新気エアは燃焼に寄与すること
なくそのまま排気され、この排気されるタイミングが排
気行程後半に相当する。そこで、上記第2の従来例にお
いては、排気行程の後期付近のみ排気還流を行うことに
より、未燃焼成分であるHCの排出抑制を図っている。
は、圧縮行程で圧縮されてトップランド隙間(ピスト
ン、ピストンリング、シリンダに囲まれる隙間)に入り
込むため、前記新気エアは、その後の爆発行程を経た
後、排気行程に入って始めて前記トップランド隙間より
燃焼室内に噴出する。しかし、この時すでに燃焼は終了
していることから、この新気エアは燃焼に寄与すること
なくそのまま排気され、この排気されるタイミングが排
気行程後半に相当する。そこで、上記第2の従来例にお
いては、排気行程の後期付近のみ排気還流を行うことに
より、未燃焼成分であるHCの排出抑制を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記第1の従
来例においては、吸気行程途中においてEGRガスと新
気エアとが共に吸入されているため、該EGRガス及び
新気エアの吸入時における夫々の固有の速度エネルギー
に起因して筒内に吸入された後は燃焼室内はEGRガス
と新気エアとの混合状態となり、燃焼室内において所望
の成層化燃焼状態を得ることができないという問題点が
あった。
来例においては、吸気行程途中においてEGRガスと新
気エアとが共に吸入されているため、該EGRガス及び
新気エアの吸入時における夫々の固有の速度エネルギー
に起因して筒内に吸入された後は燃焼室内はEGRガス
と新気エアとの混合状態となり、燃焼室内において所望
の成層化燃焼状態を得ることができないという問題点が
あった。
【0007】また、燃焼ガスを一旦筒外へ流出させてい
ることから、燃焼ガスの有している熱活性エネルギーが
吸気ポート等を流動する間に壁面より外部へ流出するこ
とを完全に防止することはできないという問題点があっ
た。
ることから、燃焼ガスの有している熱活性エネルギーが
吸気ポート等を流動する間に壁面より外部へ流出するこ
とを完全に防止することはできないという問題点があっ
た。
【0008】さらに、第2の従来例においては、トップ
ランド隙間より発生する未燃焼成分(HC)に対して排
出を完全に抑制することに対しては困難性を伴い、ま
た、排出されたHCを選択的に排気還流させることは困
難であるため、排気効率をさらに改善させる余地がある
という問題点があった。
ランド隙間より発生する未燃焼成分(HC)に対して排
出を完全に抑制することに対しては困難性を伴い、ま
た、排出されたHCを選択的に排気還流させることは困
難であるため、排気効率をさらに改善させる余地がある
という問題点があった。
【0009】ところで、エンジンの吸気弁及び排気弁の
バルブタイミング開弁時間、弁リフト量をエンジン回転
数に応じて切換可能とした可変バルブタイミング機構を
有する内燃エンジンが本願出願人によって既に公知とさ
れている(例えば、特開平2−102347号公報)。
バルブタイミング開弁時間、弁リフト量をエンジン回転
数に応じて切換可能とした可変バルブタイミング機構を
有する内燃エンジンが本願出願人によって既に公知とさ
れている(例えば、特開平2−102347号公報)。
【0010】上記可変バルブタイミング機構を有する内
燃エンジンは、エンジン回転数やエンジン負荷等エンジ
ンの運転状態に応じてバルブタイミングを高回転領域に
適した高速バルブタイミングと低回転領域に適した低速
バルブタイミングとに切換えることにより吸気吸入効率
(燃焼効率)の向上を図ることができ、エンジンの高出
力化が可能である。
燃エンジンは、エンジン回転数やエンジン負荷等エンジ
ンの運転状態に応じてバルブタイミングを高回転領域に
適した高速バルブタイミングと低回転領域に適した低速
バルブタイミングとに切換えることにより吸気吸入効率
(燃焼効率)の向上を図ることができ、エンジンの高出
力化が可能である。
【0011】本発明は、かかる可変バルブタイミング機
構を利用して上述した問題点を解決しようとしたもので
あって、エンジン低回転時及び低負荷運転領域における
排気効率の改善及び燃費の向上を図ることができる内燃
エンジンの動弁制御装置を提供することを目的とする。
構を利用して上述した問題点を解決しようとしたもので
あって、エンジン低回転時及び低負荷運転領域における
排気効率の改善及び燃費の向上を図ることができる内燃
エンジンの動弁制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る内燃エンジンの動弁制御装置は、内燃エ
ンジンの吸気弁及び排気弁のバルブタイミングが、少な
くとも低回転領域に適した低速バルブタイミングと高回
転領域に適した高速バルブタイミングとに切換可能なバ
ルブタイミング切換手段を備え、前記バルブタイミング
が前記バルブタイミング切換手段により低速バルブタイ
ミングに設定されているときは、前記排気弁がピストン
上死点前の所定クランク角度位置で閉弁する一方、前記
バルブタイミングが前記バルブタイミング切換手段によ
り高速バルブタイミングに設定されているときは、前記
排気弁が前記所定クランク角度位置よりピストン上死点
側のクランク角度位置で閉弁する。
に本発明に係る内燃エンジンの動弁制御装置は、内燃エ
ンジンの吸気弁及び排気弁のバルブタイミングが、少な
くとも低回転領域に適した低速バルブタイミングと高回
転領域に適した高速バルブタイミングとに切換可能なバ
ルブタイミング切換手段を備え、前記バルブタイミング
が前記バルブタイミング切換手段により低速バルブタイ
ミングに設定されているときは、前記排気弁がピストン
上死点前の所定クランク角度位置で閉弁する一方、前記
バルブタイミングが前記バルブタイミング切換手段によ
り高速バルブタイミングに設定されているときは、前記
排気弁が前記所定クランク角度位置よりピストン上死点
側のクランク角度位置で閉弁する。
【0013】また、前記所定クランク角度位置は、具体
的には、排気行程の前半部に相当するクランク角度位置
に設定されていることを特徴とする。
的には、排気行程の前半部に相当するクランク角度位置
に設定されていることを特徴とする。
【0014】さらに、本発明は、前記バルブタイミング
が前記バルブタイミング切換手段により低速バルブタイ
ミングに設定されているときは、前記排気弁がピストン
上死点前の第1の所定クランク角度位置で閉弁し、かつ
前記吸気弁が前記ピストン上死点後の第2の所定クラン
ク角度位置で開弁する一方、前記バルブタイミングが前
記バルブタイミング切換手段により高速バルブタイミン
グに設定されているときは、前記排気弁が前記第1の所
定クランク角度位置よりピストン上死点側のクランク角
度位置で閉弁し、かつ前記吸気弁が前記第2の所定クラ
ンク位置よりピストン上死点側のクランク角度位置で開
弁することを特徴としている。
が前記バルブタイミング切換手段により低速バルブタイ
ミングに設定されているときは、前記排気弁がピストン
上死点前の第1の所定クランク角度位置で閉弁し、かつ
前記吸気弁が前記ピストン上死点後の第2の所定クラン
ク角度位置で開弁する一方、前記バルブタイミングが前
記バルブタイミング切換手段により高速バルブタイミン
グに設定されているときは、前記排気弁が前記第1の所
定クランク角度位置よりピストン上死点側のクランク角
度位置で閉弁し、かつ前記吸気弁が前記第2の所定クラ
ンク位置よりピストン上死点側のクランク角度位置で開
弁することを特徴としている。
【0015】また、前記第1の所定クランク角度位置
は、具体的には、排気行程の前半部に相当するクランク
角度位置に設定される一方、前記第2の所定クランク角
度位置は、筒内圧が略大気圧となる時点に相当するクラ
ンク角度位置に設定されている。
は、具体的には、排気行程の前半部に相当するクランク
角度位置に設定される一方、前記第2の所定クランク角
度位置は、筒内圧が略大気圧となる時点に相当するクラ
ンク角度位置に設定されている。
【0016】
【作用】上記構成によれば、排気弁については、バルブ
タイミングが低速バルブタイミングに設定されていると
きは排気工程の前半部で閉弁し、高速バルブタイミング
に設定されているときは、低速バルブタイミングの閉弁
タイミングより遅い閉弁タイミングで閉弁する。
タイミングが低速バルブタイミングに設定されていると
きは排気工程の前半部で閉弁し、高速バルブタイミング
に設定されているときは、低速バルブタイミングの閉弁
タイミングより遅い閉弁タイミングで閉弁する。
【0017】また、吸気弁については、バルブタイミン
グが低速バルブタイミングに設定されているときは、筒
内圧が大気圧と略同一圧力となった時点で開弁し、高速
バルブタイミングに設定されているときは低速バルブタ
イミングの開弁タイミングより速い開弁タイミングで開
弁する。
グが低速バルブタイミングに設定されているときは、筒
内圧が大気圧と略同一圧力となった時点で開弁し、高速
バルブタイミングに設定されているときは低速バルブタ
イミングの開弁タイミングより速い開弁タイミングで開
弁する。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳説す
る。
る。
【0019】図1は、本発明に係る内燃エンジンの動弁
制御装置の一実施例を示す要部断面図である。
制御装置の一実施例を示す要部断面図である。
【0020】図中、1はDOHC直列4気筒の内燃エン
ジン(以下、単にエンジン」という)であって、該エン
ジン1は、3個のピストンリング2が固着されたピスト
ン3と、該ピストン3が嵌合された4個のシリンダ4を
並設してなるシリンダブロック5と、該シリンダブロッ
ク5の上方に結合されたシリンダヘッド6とを備えてい
る。また、シリンダヘッド6は、前記ピストン3の上方
に対応する部分に1対の吸気口7及び1対の排気口8が
夫々形成され、さらに吸気口7はシリンダヘッド6の一
方の側面に開口する吸気ポート(図示せず)に連なり、
排気口8はシリンダヘッド6の他方の側面に開口する排
気ポート9に連なっている。
ジン(以下、単にエンジン」という)であって、該エン
ジン1は、3個のピストンリング2が固着されたピスト
ン3と、該ピストン3が嵌合された4個のシリンダ4を
並設してなるシリンダブロック5と、該シリンダブロッ
ク5の上方に結合されたシリンダヘッド6とを備えてい
る。また、シリンダヘッド6は、前記ピストン3の上方
に対応する部分に1対の吸気口7及び1対の排気口8が
夫々形成され、さらに吸気口7はシリンダヘッド6の一
方の側面に開口する吸気ポート(図示せず)に連なり、
排気口8はシリンダヘッド6の他方の側面に開口する排
気ポート9に連なっている。
【0021】シリンダヘッド6に固着された弁ガイド1
0,11には1対の吸気弁12a,12b及び排気弁1
3a,13bが挿通され、吸気口7及び排気口8が開閉
可能に構成されている。そして、ピストン3の上方と吸
気口7及び排気口8とで囲繞された部分により燃焼室1
4が形成されている。
0,11には1対の吸気弁12a,12b及び排気弁1
3a,13bが挿通され、吸気口7及び排気口8が開閉
可能に構成されている。そして、ピストン3の上方と吸
気口7及び排気口8とで囲繞された部分により燃焼室1
4が形成されている。
【0022】以下の説明において、吸気側の動弁機構と
排気側の動弁機構とは構成が同一であるので、排気側に
ついてのみその構成を説明し、吸気側については省略す
る。
排気側の動弁機構とは構成が同一であるので、排気側に
ついてのみその構成を説明し、吸気側については省略す
る。
【0023】すなわち、図1において、前記排気弁13
a,13bの鍔部15a,15bとシリンダヘッド6と
の間には弁ばね16a,16bが縮設されており、該弁
ばね16a,16bにより排気弁13a,13bは図中
上方(閉弁方向)に向けて弾発付勢される。
a,13bの鍔部15a,15bとシリンダヘッド6と
の間には弁ばね16a,16bが縮設されており、該弁
ばね16a,16bにより排気弁13a,13bは図中
上方(閉弁方向)に向けて弾発付勢される。
【0024】一方、シリンダヘッド6の上方には、1対
の低速用カム17a,17bと高速用カム18とが嵌合
されたカム軸19が回転自在に配設されている。該カム
軸19は、タイミングベルト(図示せず)を介してクラ
ンク軸(図示せず)に連結されている。
の低速用カム17a,17bと高速用カム18とが嵌合
されたカム軸19が回転自在に配設されている。該カム
軸19は、タイミングベルト(図示せず)を介してクラ
ンク軸(図示せず)に連結されている。
【0025】前記カム17a,17b,18と排気弁1
3a,13bとの間には油圧駆動弁ユニット20が介装
されている。該油圧駆動弁ユニット20は、排気弁13
a,13bのバルブタイミング切換制御を行う電磁弁2
1と、油圧の高/低を切換えてバルブタイミングの切換
を行う切換弁22とが内有され、オイルタンク23から
オイルポンプ24及び油路25を介して所定の油圧が油
圧駆動弁ユニット20に供給される。
3a,13bとの間には油圧駆動弁ユニット20が介装
されている。該油圧駆動弁ユニット20は、排気弁13
a,13bのバルブタイミング切換制御を行う電磁弁2
1と、油圧の高/低を切換えてバルブタイミングの切換
を行う切換弁22とが内有され、オイルタンク23から
オイルポンプ24及び油路25を介して所定の油圧が油
圧駆動弁ユニット20に供給される。
【0026】さらに、該油圧駆動弁ユニット20は、電
子コントロールユニット(以下、「ECU」という)2
6に電気的に接続され、排気弁13の閉弁タイミングを
制御するための制御信号(θOFF)がECU26から
供給される。これにより、排気弁13a,13bのバル
ブタイミングが、エンジンの高速回転領域に適した高速
バルブタイミング(高速V/T)と、低速回転領域に適
した低速バルブタイミング(低速V/T)との2段階に
切換可能とされている。
子コントロールユニット(以下、「ECU」という)2
6に電気的に接続され、排気弁13の閉弁タイミングを
制御するための制御信号(θOFF)がECU26から
供給される。これにより、排気弁13a,13bのバル
ブタイミングが、エンジンの高速回転領域に適した高速
バルブタイミング(高速V/T)と、低速回転領域に適
した低速バルブタイミング(低速V/T)との2段階に
切換可能とされている。
【0027】排気弁13の鍔部15の近傍には、排気弁
13のリフト量を検出するリフトセンサ27が配設され
ており、その検出信号はECU26に供給される。
13のリフト量を検出するリフトセンサ27が配設され
ており、その検出信号はECU26に供給される。
【0028】また、ECU26には、スロットル弁開度
(θTH)センサ28が接続され、該θTHセンサ28
は、スロットル弁の弁開度θTHを検出してその電気信
号をECU26に供給する。
(θTH)センサ28が接続され、該θTHセンサ28
は、スロットル弁の弁開度θTHを検出してその電気信
号をECU26に供給する。
【0029】さらに、ECU26には、気筒判別(CY
L)センサ29及びクランク角(CRK)センサ30が
電気的に接続されている。気筒判別(CYL)センサ2
9及びクランク角(CRK)センサ30は、エンジン1
のカム軸周囲又はクランク軸周囲の所定位置に夫々取付
けられ、CYLセンサ29は、エンジン1のクランク軸
2回転毎に特定の気筒の所定のクランク角度位置でパル
ス信号(以下、「CYL判別信号」という)を出力し、
CRKセンサ30は、所定クランク角度毎(例えば30
°毎)にパルス信号(以下、「CRKパルス信号」とい
う)を出力し、これらパルス信号はECU26に供給さ
れる。
L)センサ29及びクランク角(CRK)センサ30が
電気的に接続されている。気筒判別(CYL)センサ2
9及びクランク角(CRK)センサ30は、エンジン1
のカム軸周囲又はクランク軸周囲の所定位置に夫々取付
けられ、CYLセンサ29は、エンジン1のクランク軸
2回転毎に特定の気筒の所定のクランク角度位置でパル
ス信号(以下、「CYL判別信号」という)を出力し、
CRKセンサ30は、所定クランク角度毎(例えば30
°毎)にパルス信号(以下、「CRKパルス信号」とい
う)を出力し、これらパルス信号はECU26に供給さ
れる。
【0030】大気圧(PA)センサ31は、エンジンの
適所に配設されて大気圧PAを検出し、その検出信号を
ECU26に供給する。
適所に配設されて大気圧PAを検出し、その検出信号を
ECU26に供給する。
【0031】しかして、ECU26は、上述の各種セン
サからの入力信号波形を整形して電圧レベルを所定レベ
ルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換す
る等の機能を有する入力回路と、中央演算処理回路(以
下「CPU」という)と、該CPUで実行される各種演
算プログラムや各種マップ及び演算結果等を記憶するR
OM及びRAMからなる記憶手段と、前記油圧駆動弁ユ
ニット20に駆動信号を供給する出力回路とを備えてい
る。
サからの入力信号波形を整形して電圧レベルを所定レベ
ルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換す
る等の機能を有する入力回路と、中央演算処理回路(以
下「CPU」という)と、該CPUで実行される各種演
算プログラムや各種マップ及び演算結果等を記憶するR
OM及びRAMからなる記憶手段と、前記油圧駆動弁ユ
ニット20に駆動信号を供給する出力回路とを備えてい
る。
【0032】図2は、排気側動弁機構の詳細図(図1の
(A−A)矢視図)であって、カム軸19には前述した
ように高速用カム18と1対の低速用カム17a,17
bとが前記カム軸19と一体的に外嵌されている。ま
た、ロッカ軸32が前記カム軸19と平行に配設される
と共に、1対の駆動ロッカアーム33a,33bと、自
由ロッカアーム34とが前記ロッカ軸32に枢支されて
いる。そして、前記カム17a,17b,18は、ロッ
カアーム33a,33b,34と当接可能とされ、前記
カム17a,17b,18の回転駆動により排気弁13
a,13bの開閉弁を制御する。
(A−A)矢視図)であって、カム軸19には前述した
ように高速用カム18と1対の低速用カム17a,17
bとが前記カム軸19と一体的に外嵌されている。ま
た、ロッカ軸32が前記カム軸19と平行に配設される
と共に、1対の駆動ロッカアーム33a,33bと、自
由ロッカアーム34とが前記ロッカ軸32に枢支されて
いる。そして、前記カム17a,17b,18は、ロッ
カアーム33a,33b,34と当接可能とされ、前記
カム17a,17b,18の回転駆動により排気弁13
a,13bの開閉弁を制御する。
【0033】しかして、上記動弁機構は、バルブタイミ
ングを切換えるための連結切換機構を有している。
ングを切換えるための連結切換機構を有している。
【0034】具体的には、図3に示すように、連結切換
機構35は、第1の駆動ロッカアーム33aと自由ロッ
カアーム34とを連結可能とする第1の切換ピン36
と、自由ロッカアーム34と第2の駆動ロッカアーム3
3bとを連結可能とする第2の切換ピン37と、第1及
び第2の切換ピン36,37の移動を規制する規制ピン
38と、これらピン36〜38を連結解除側に弾発付勢
する戻しばね39とを備えている。
機構35は、第1の駆動ロッカアーム33aと自由ロッ
カアーム34とを連結可能とする第1の切換ピン36
と、自由ロッカアーム34と第2の駆動ロッカアーム3
3bとを連結可能とする第2の切換ピン37と、第1及
び第2の切換ピン36,37の移動を規制する規制ピン
38と、これらピン36〜38を連結解除側に弾発付勢
する戻しばね39とを備えている。
【0035】第1の駆動ロッカアーム33aには、自由
ロッカアーム34側が開放状とされた有底形状の第1の
ガイド穴40がロッカ軸32と平行に凹設されており、
この第1のガイド穴40に第1の切換ピン36が摺動可
能に嵌合され、第1の切換ピン35の一端側と第1のガ
イド穴40の閉塞端との間に油圧室41が画成されてい
る。さらに、第1の駆動ロッカアーム33aには油圧室
41に連通する通路42が貫設され、かつロッカ軸32
には給油路43が設けられている。該給油路43は第1
の駆動ロッカアーム33aの揺動状態に拘らず通路42
を介して油圧室41に常時連通する。
ロッカアーム34側が開放状とされた有底形状の第1の
ガイド穴40がロッカ軸32と平行に凹設されており、
この第1のガイド穴40に第1の切換ピン36が摺動可
能に嵌合され、第1の切換ピン35の一端側と第1のガ
イド穴40の閉塞端との間に油圧室41が画成されてい
る。さらに、第1の駆動ロッカアーム33aには油圧室
41に連通する通路42が貫設され、かつロッカ軸32
には給油路43が設けられている。該給油路43は第1
の駆動ロッカアーム33aの揺動状態に拘らず通路42
を介して油圧室41に常時連通する。
【0036】自由ロッカアーム34は、第1のガイド穴
40と対向状にガイド孔44が前記自由ロッカアーム3
4の両側面間に亘って貫設されており、一端が第1の切
換ピン36に当接可能とされた第2の切換ピン37が前
記ガイド孔44に摺動可能に嵌合されている。
40と対向状にガイド孔44が前記自由ロッカアーム3
4の両側面間に亘って貫設されており、一端が第1の切
換ピン36に当接可能とされた第2の切換ピン37が前
記ガイド孔44に摺動可能に嵌合されている。
【0037】第2の駆動ロッカアーム33bは、第2の
ガイド穴45が、前記ガイド孔44と対向する位置に前
記ロッカ軸32と平行に貫設されており、第2の切換ピ
ン37の他端に当接する円盤状の規制ピン38が第2ガ
イド穴45に摺動可能に嵌合されている。さらに第2の
ガイド穴45の他端には案内筒46が嵌合されており、
この案内筒46内に摺動可能に嵌合する軸部47が規制
ピン38に突設されている。また、戻しばね39は案内
筒46及び規制ピン38間に縮設されており、この戻し
ばね39により各ピン36〜38が油圧室41(連結解
除)側に弾発付勢される。
ガイド穴45が、前記ガイド孔44と対向する位置に前
記ロッカ軸32と平行に貫設されており、第2の切換ピ
ン37の他端に当接する円盤状の規制ピン38が第2ガ
イド穴45に摺動可能に嵌合されている。さらに第2の
ガイド穴45の他端には案内筒46が嵌合されており、
この案内筒46内に摺動可能に嵌合する軸部47が規制
ピン38に突設されている。また、戻しばね39は案内
筒46及び規制ピン38間に縮設されており、この戻し
ばね39により各ピン36〜38が油圧室41(連結解
除)側に弾発付勢される。
【0038】このように構成された連結切換機構35に
おいては、油圧室41の油圧が高くなることにより、第
1の切換ピン36がガイド孔44側(図中、右方)に摺
動するとともに第2の切換ピン37が第2のガイド穴4
5側(図中、右方)に摺動して、各ロッカアーム33
a,33b,34が連結される。また、油圧室41の油
圧が低くなると戻しばね39の油圧室41側(図中、左
方)への弾発付勢力により、第1の切換ピン36は一端
が第1のガイド穴40の側部に当接すると共に、第2の
切換ピン37はガイド孔44内に収まり、各ロッカアー
ム33a,33b,34の連結状態が解除される。
おいては、油圧室41の油圧が高くなることにより、第
1の切換ピン36がガイド孔44側(図中、右方)に摺
動するとともに第2の切換ピン37が第2のガイド穴4
5側(図中、右方)に摺動して、各ロッカアーム33
a,33b,34が連結される。また、油圧室41の油
圧が低くなると戻しばね39の油圧室41側(図中、左
方)への弾発付勢力により、第1の切換ピン36は一端
が第1のガイド穴40の側部に当接すると共に、第2の
切換ピン37はガイド孔44内に収まり、各ロッカアー
ム33a,33b,34の連結状態が解除される。
【0039】また、前記ロッカ軸32内の給油路43
は、切換弁22を介してオイルポンプ24に接続されて
おり、該切換弁22の切換作動により給油路43内の油
圧、従って前記連結切換機構35の油圧室41内の油圧
が高/低に切換えられる。この切換弁22は前記電磁弁
21に接続されており、該切換弁22の切換作動は、E
CU26により電磁弁21を介して制御される。
は、切換弁22を介してオイルポンプ24に接続されて
おり、該切換弁22の切換作動により給油路43内の油
圧、従って前記連結切換機構35の油圧室41内の油圧
が高/低に切換えられる。この切換弁22は前記電磁弁
21に接続されており、該切換弁22の切換作動は、E
CU26により電磁弁21を介して制御される。
【0040】上述のように構成されたエンジン1の排気
側動弁機構は以下のように作動する。
側動弁機構は以下のように作動する。
【0041】ECU26から電磁弁21に対して開弁指
令信号が出力されると、該電磁弁21が開弁作動し、切
換弁22が開弁作動して給油路43の油圧が上昇する。
その結果、連結切換機構35が作動して各ロッカアーム
33a,33b,34が連結状態となり、高速用カム1
8によって、各ロッカアーム33a,33b,34が一
体的に作動し(第2図はこの状態を示している)、一対
の排気弁13a,13bが、開弁期間とリフト量を比較
的大きくした高速バルブタイミングで開閉作動する。
令信号が出力されると、該電磁弁21が開弁作動し、切
換弁22が開弁作動して給油路43の油圧が上昇する。
その結果、連結切換機構35が作動して各ロッカアーム
33a,33b,34が連結状態となり、高速用カム1
8によって、各ロッカアーム33a,33b,34が一
体的に作動し(第2図はこの状態を示している)、一対
の排気弁13a,13bが、開弁期間とリフト量を比較
的大きくした高速バルブタイミングで開閉作動する。
【0042】一方、ECU26から電磁弁21に対して
閉弁指令信号が出力されると、電磁弁21、切換弁22
が閉弁作動し、給油路43の油圧が低下する。その結
果、連結切換機構が上述と逆に作動して、各ロッカアー
ム33a,33b,34の連結状態が解除され(図3は
この状態を示している)、低速用カム17a,17bに
よって夫々対応するロッカアーム33a,33bが作動
し、一対の吸気弁13a,13bが開弁期間とリフト量
を比較的小さくした低速バルブタイミングで作動する。
閉弁指令信号が出力されると、電磁弁21、切換弁22
が閉弁作動し、給油路43の油圧が低下する。その結
果、連結切換機構が上述と逆に作動して、各ロッカアー
ム33a,33b,34の連結状態が解除され(図3は
この状態を示している)、低速用カム17a,17bに
よって夫々対応するロッカアーム33a,33bが作動
し、一対の吸気弁13a,13bが開弁期間とリフト量
を比較的小さくした低速バルブタイミングで作動する。
【0043】しかして、上記内燃エンジンの動弁制御装
置においては、図4に示すように、バルブタイミングの
設定状態に応じて以下の如く吸排気弁12,13が作動
する。
置においては、図4に示すように、バルブタイミングの
設定状態に応じて以下の如く吸排気弁12,13が作動
する。
【0044】すなわち、バルブタイミングが低速V/T
に設定されているときは、爆発行程が終了するピストン
下死点(BTDC180°)近傍のクランク角度位置よ
り通常通り排気弁13a,13bは開弁し、排気行程前
半、すなわち、BTDC90°に到達する迄に排気弁1
3a,13bは閉弁する。この時吸気弁12a,12b
は閉弁されている為、排気行程途中より排気ガスを筒内
に留めたまま圧縮が始まる。そして、筒内に残留してい
る排気ガスは排気行程が終了するまで圧縮されて吸気行
程に入り膨張する。次いで、吸気行程に入りピストン3
が下降することにより筒内圧力が下降し、筒内圧PA
(PAセンサ31により検出される)が、大気圧と略同
一となった時点(例えばATDC90°)で吸気弁12
a,12bが開弁する。そして、このように吸気弁12
a,12bが開弁し、かつ筒内圧PAが大気圧より下が
った後、新気エアの筒内への吸入が始まる。すなわち、
新気エアはスロットル弁により調圧されて燃焼室14内
に流入し、該燃焼室14内に残留している燃焼ガスの上
にゆっくり吸入される。つまり、排気ガスは筒内に残留
した状態を維持することにより、所謂内部EGRが達成
され、吸入ポートからの新気エアとピストン上部の燃焼
ガスとにより層状化(成層化)が得られる。しかも、新
気エアの吸入速度は、吸入行程に入った時点ですでに筒
内にガスが存在していること、及び吸気弁の開弁時期が
吸気行程の途中となることにより、スロットル弁開度が
小さい場合においても筒内発生負圧は低く、従って、流
入速度も低いものとなり、層状化を阻害する筒内流動が
防止される。
に設定されているときは、爆発行程が終了するピストン
下死点(BTDC180°)近傍のクランク角度位置よ
り通常通り排気弁13a,13bは開弁し、排気行程前
半、すなわち、BTDC90°に到達する迄に排気弁1
3a,13bは閉弁する。この時吸気弁12a,12b
は閉弁されている為、排気行程途中より排気ガスを筒内
に留めたまま圧縮が始まる。そして、筒内に残留してい
る排気ガスは排気行程が終了するまで圧縮されて吸気行
程に入り膨張する。次いで、吸気行程に入りピストン3
が下降することにより筒内圧力が下降し、筒内圧PA
(PAセンサ31により検出される)が、大気圧と略同
一となった時点(例えばATDC90°)で吸気弁12
a,12bが開弁する。そして、このように吸気弁12
a,12bが開弁し、かつ筒内圧PAが大気圧より下が
った後、新気エアの筒内への吸入が始まる。すなわち、
新気エアはスロットル弁により調圧されて燃焼室14内
に流入し、該燃焼室14内に残留している燃焼ガスの上
にゆっくり吸入される。つまり、排気ガスは筒内に残留
した状態を維持することにより、所謂内部EGRが達成
され、吸入ポートからの新気エアとピストン上部の燃焼
ガスとにより層状化(成層化)が得られる。しかも、新
気エアの吸入速度は、吸入行程に入った時点ですでに筒
内にガスが存在していること、及び吸気弁の開弁時期が
吸気行程の途中となることにより、スロットル弁開度が
小さい場合においても筒内発生負圧は低く、従って、流
入速度も低いものとなり、層状化を阻害する筒内流動が
防止される。
【0045】このように、筒内に留まる燃焼ガスは、前
記内部EGRの達成により新たに吸入される新気エアが
ピストン3付近に到達するのを妨ぐように作用するた
め、トップランド隙間に新気エアが入り込むのが防止さ
れ、未燃焼成分であるHCの発生が発生源より抑制され
る。しかも、圧縮開始時点に筒内に留まっているガス量
が多く、また圧縮開始時点の筒内圧縮が高く、さらに新
気エアの吸入を行う行程に必要とされるエネルギーが少
ないこと等により、燃料消費率の低減を図ることができ
る。
記内部EGRの達成により新たに吸入される新気エアが
ピストン3付近に到達するのを妨ぐように作用するた
め、トップランド隙間に新気エアが入り込むのが防止さ
れ、未燃焼成分であるHCの発生が発生源より抑制され
る。しかも、圧縮開始時点に筒内に留まっているガス量
が多く、また圧縮開始時点の筒内圧縮が高く、さらに新
気エアの吸入を行う行程に必要とされるエネルギーが少
ないこと等により、燃料消費率の低減を図ることができ
る。
【0046】また、バルブタイミングが高速V/Tに設
定されているときは、略通常通りオーバーラップ期間O
VTを有するバルブタイミングで吸排気弁が作動する。
定されているときは、略通常通りオーバーラップ期間O
VTを有するバルブタイミングで吸排気弁が作動する。
【0047】すなわち、排気弁13a,13bの閉弁タ
イミングは、低速V/T時の閉弁タイミングより遅く閉
弁し、また吸気弁12a,12bの開弁タイミングは低
速V/T時の開弁タイミングより速く開弁することによ
りエンジンの出力特性低下を防いでいる。
イミングは、低速V/T時の閉弁タイミングより遅く閉
弁し、また吸気弁12a,12bの開弁タイミングは低
速V/T時の開弁タイミングより速く開弁することによ
りエンジンの出力特性低下を防いでいる。
【0048】図5及び図6は、低速V/T時及び高速V
/T時のPV線図を示したものであって、縦軸は圧力
P、横軸は行程容積Vである。
/T時のPV線図を示したものであって、縦軸は圧力
P、横軸は行程容積Vである。
【0049】バルブタイミングが低速V/Tに設定され
ているときは、筒内圧が大気圧PAより若干大きな圧力
値を示す時点で排気弁13が開弁し、該排気弁13は排
気行程突入後ピストン3がBDC(下死点)からTDC
(上死点)に移動中におけるその前半部で閉弁する
(尚、このとき筒内圧は略大気圧である)。そして、排
気弁13が閉弁されたことによりその後TDCまで筒内
圧は徐々に上昇するが、その後ピストンは下降するため
筒内圧が再び大気圧に近付く。そして、吸気弁12は筒
内圧が略大気圧となった時点で開弁し、該吸気弁12は
ピストン3がBDCからTDCに移動途中における筒内
圧が大気圧PAと略同一となった時点で閉弁し、その後
圧縮行程、爆発行程中、PV線図上において図示仕事を
実行し(斜線部)、再び排気弁13が開弁する。
ているときは、筒内圧が大気圧PAより若干大きな圧力
値を示す時点で排気弁13が開弁し、該排気弁13は排
気行程突入後ピストン3がBDC(下死点)からTDC
(上死点)に移動中におけるその前半部で閉弁する
(尚、このとき筒内圧は略大気圧である)。そして、排
気弁13が閉弁されたことによりその後TDCまで筒内
圧は徐々に上昇するが、その後ピストンは下降するため
筒内圧が再び大気圧に近付く。そして、吸気弁12は筒
内圧が略大気圧となった時点で開弁し、該吸気弁12は
ピストン3がBDCからTDCに移動途中における筒内
圧が大気圧PAと略同一となった時点で閉弁し、その後
圧縮行程、爆発行程中、PV線図上において図示仕事を
実行し(斜線部)、再び排気弁13が開弁する。
【0050】また、バルブタイミングが高速V/Tに設
定されているときは、低速V/Tと略同様、筒内圧が大
気圧PAより若干大きな値を示す時点で排気弁13が開
弁し、該排気弁13は排気行程のピストンTDC近傍で
閉弁すると共に、吸気弁12が開弁する。
定されているときは、低速V/Tと略同様、筒内圧が大
気圧PAより若干大きな値を示す時点で排気弁13が開
弁し、該排気弁13は排気行程のピストンTDC近傍で
閉弁すると共に、吸気弁12が開弁する。
【0051】そして、吸気弁12は上記低速V/T時と
同様、BDCからTDCへの移動途中における筒内圧が
略大気圧PAとなる時点で閉弁し、その後圧縮行程、爆
発行程中、PV線図上において図示仕事を実行し(斜線
部)、再び排気弁13が開弁する。
同様、BDCからTDCへの移動途中における筒内圧が
略大気圧PAとなる時点で閉弁し、その後圧縮行程、爆
発行程中、PV線図上において図示仕事を実行し(斜線
部)、再び排気弁13が開弁する。
【0052】
【発明の効果】以下、詳述したように本発明に係る内燃
エンジンの動弁制御装置は、内燃エンジンの吸気弁及び
排気弁のバルブタイミングが、少なくとも低回転領域に
適した低速V/Tと高回転領域に適した高速V/Tとに
切換可能なバルブタイミング切換手段を備え、前記バル
ブタイミングが前記バルブタイミング切換手段により低
速V/Tに設定されているときは、前記排気弁がピスト
ン上死点前の所定クランク角度位置で閉弁する一方、前
記バルブタイミングが前記バルブタイミング切換手段に
より高速V/Tに設定されているときは、前記排気弁が
前記所定クランク角度位置よりピストン上死点側のクラ
ンク角度位置で閉弁するので、低速V/Tのときは排気
弁が閉弁してから吸気弁が開弁するまでの所定期間の
間、筒内には大量の排気ガスが滞留することとなり、N
OxやHC等の有害成分の大気への排出をより一層抑制
することができる。また、圧縮開始時点に筒内に留まっ
ているガス量が多く、また圧縮開始時点の筒内圧力が高
く、さらに新気エアの吸入を行う行程に必要とされるエ
ネルギーが少ないこと等により、燃料消費率の低減を図
ることができる。さらに、所望の成層化燃焼が可能とな
るため、アイドル運転時や低負荷運転域においても新気
エアをシリンダヘッド近傍に位置させることができて着
火が容易となり、しかも排気ガスの有する活性な熱エネ
ルギーを散逸することなく利用が可能となり、吸入され
る新気エアは排気ガスにより点火前に活性化され、燃焼
の改善を図ることができる。
エンジンの動弁制御装置は、内燃エンジンの吸気弁及び
排気弁のバルブタイミングが、少なくとも低回転領域に
適した低速V/Tと高回転領域に適した高速V/Tとに
切換可能なバルブタイミング切換手段を備え、前記バル
ブタイミングが前記バルブタイミング切換手段により低
速V/Tに設定されているときは、前記排気弁がピスト
ン上死点前の所定クランク角度位置で閉弁する一方、前
記バルブタイミングが前記バルブタイミング切換手段に
より高速V/Tに設定されているときは、前記排気弁が
前記所定クランク角度位置よりピストン上死点側のクラ
ンク角度位置で閉弁するので、低速V/Tのときは排気
弁が閉弁してから吸気弁が開弁するまでの所定期間の
間、筒内には大量の排気ガスが滞留することとなり、N
OxやHC等の有害成分の大気への排出をより一層抑制
することができる。また、圧縮開始時点に筒内に留まっ
ているガス量が多く、また圧縮開始時点の筒内圧力が高
く、さらに新気エアの吸入を行う行程に必要とされるエ
ネルギーが少ないこと等により、燃料消費率の低減を図
ることができる。さらに、所望の成層化燃焼が可能とな
るため、アイドル運転時や低負荷運転域においても新気
エアをシリンダヘッド近傍に位置させることができて着
火が容易となり、しかも排気ガスの有する活性な熱エネ
ルギーを散逸することなく利用が可能となり、吸入され
る新気エアは排気ガスにより点火前に活性化され、燃焼
の改善を図ることができる。
【0053】具体的には、前記所定クランク角度位置
は、排気行程の前半部に相当するクランク角度位置に設
定されることにより容易に上記効果を実現することがで
きる。
は、排気行程の前半部に相当するクランク角度位置に設
定されることにより容易に上記効果を実現することがで
きる。
【0054】さらに、前記バルブタイミングが前記バル
ブタイミング切換手段により低速V/Tに設定されてい
るときは、前記排気弁がピストン上死点前の第1の所定
クランク角度位置で閉弁され、かつ前記吸気弁が前記ピ
ストン上死点後の第2の所定クランク角度位置で開弁す
る一方、前記バルブタイミングが前記バルブタイミング
切換手段により高速バルブタイミングに設定されている
ときは、前記排気弁が前記第1の所定クランク角度位置
よりピストン上死点側のクランク角度位置で閉弁され、
かつ前記吸気弁が前記第2の所定クランク位置よりピス
トン上死点側のクランク角度位置で開弁され、しかも前
記第1の所定クランク角度位置は、排気行程の前半部に
相当するクランク角度位置に設定する一方、前記第2の
所定クランク角度位置は、筒内圧が略大気圧となる時点
のクランク角度位置に設定されていることにより、スロ
ットル弁開度が狭い場合においても筒内発生負圧は低
く、従って、流入速度も低いものとなり、層状化を阻害
する筒内流動が防止される。したがって、筒内に留まる
燃焼ガスは、新たに吸入される新気エアがピストン付近
に到達することを妨げるように作用することとなり、ト
ップランド隙間に新気エアが入り込むことにより生成、
排出される未燃焼燃料によるHCの発生がより効果的に
防止される。
ブタイミング切換手段により低速V/Tに設定されてい
るときは、前記排気弁がピストン上死点前の第1の所定
クランク角度位置で閉弁され、かつ前記吸気弁が前記ピ
ストン上死点後の第2の所定クランク角度位置で開弁す
る一方、前記バルブタイミングが前記バルブタイミング
切換手段により高速バルブタイミングに設定されている
ときは、前記排気弁が前記第1の所定クランク角度位置
よりピストン上死点側のクランク角度位置で閉弁され、
かつ前記吸気弁が前記第2の所定クランク位置よりピス
トン上死点側のクランク角度位置で開弁され、しかも前
記第1の所定クランク角度位置は、排気行程の前半部に
相当するクランク角度位置に設定する一方、前記第2の
所定クランク角度位置は、筒内圧が略大気圧となる時点
のクランク角度位置に設定されていることにより、スロ
ットル弁開度が狭い場合においても筒内発生負圧は低
く、従って、流入速度も低いものとなり、層状化を阻害
する筒内流動が防止される。したがって、筒内に留まる
燃焼ガスは、新たに吸入される新気エアがピストン付近
に到達することを妨げるように作用することとなり、ト
ップランド隙間に新気エアが入り込むことにより生成、
排出される未燃焼燃料によるHCの発生がより効果的に
防止される。
【0055】また、本発明は、従来技術のように排気ガ
スを外部に還流していないため、排気還流ガスによるデ
ポジットが発生することもない。
スを外部に還流していないため、排気還流ガスによるデ
ポジットが発生することもない。
【図1】本発明に係る内燃エンジンの動弁制御装置の一
実施例を示す要部構成図である。
実施例を示す要部構成図である。
【図2】図1の(A−A)矢視図である。
【図3】図1の(B−B)矢視図である。
【図4】本発明に係る内燃エンジンの動弁制御装置の吸
排気弁の動作を説明する特性図である。
排気弁の動作を説明する特性図である。
【図5】低速V/T時で運転したときのPV線図であ
る。
る。
【図6】高速V/Tで運転したときのPV線図である。
1 内燃エンジン 20 油圧駆動ユニット(バルブタイミング切換手段) 26 ECU 30 CRKセンサ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−228843(JP,A) 特開 平3−189336(JP,A) 特開 昭60−27710(JP,A) 特開 平2−161154(JP,A) 特開 昭60−27714(JP,A) 特開 昭60−27715(JP,A) 特開 昭63−140822(JP,A) 実開 昭63−14814(JP,U) 実開 昭60−127406(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 13/02 F02D 41/00 - 45/00
Claims (4)
- 【請求項1】 内燃エンジンの吸気弁及び排気弁のバル
ブタイミングが、少なくとも低回転領域に適した低速バ
ルブタイミングと高回転領域に適した高速バルブタイミ
ングとに切換可能なバルブタイミング切換手段を備え、 前記バルブタイミングが前記バルブタイミング切換手段
により低速バルブタイミングに設定されているときは、
前記排気弁がピストン上死点前の所定クランク角度位置
で閉弁する一方、前記バルブタイミングが前記バルブタ
イミング切換手段により高速バルブタイミングに設定さ
れているときは、前記排気弁が前記所定クランク角度位
置よりピストン上死点側のクランク角度位置で閉弁する
ことを特徴とする内燃エンジンの動弁制御装置。 - 【請求項2】 前記所定クランク角度位置は、排気行程
の前半部に相当するクランク角度位置に設定されている
ことを特徴とする請求項1記載の内燃エンジンの動弁制
御装置。 - 【請求項3】 内燃エンジンの吸気弁及び排気弁のバル
ブタイミングが、少なくとも低回転領域に適した低速バ
ルブタイミングと高回転領域に適した高速バルブタイミ
ングとに切換可能なバルブタイミング切換手段を備え、 前記バルブタイミングが前記バルブタイミング切換手段
により低速バルブタイミングに設定されているときは、
前記排気弁がピストン上死点前の第1の所定クランク角
度位置で閉弁し、かつ前記吸気弁が前記ピストン上死点
後の第2の所定クランク角度位置で開弁する一方、前記
バルブタイミングが前記バルブタイミング切換手段によ
り高速バルブタイミングに設定されているときは、前記
排気弁が前記第1の所定クランク角度位置よりピストン
上死点側のクランク角度位置で閉弁し、かつ前記吸気弁
が前記第2の所定クランク位置よりピストン上死点側の
クランク角度位置で開弁することを特徴とする内燃エン
ジンの動弁制御装置。 - 【請求項4】 前記第1の所定クランク角度位置は、排
気行程の前半部に相当するクランク角度位置に設定され
る一方、前記第2の所定クランク角度位置は、筒内圧が
略大気圧となる時点に相当するクランク角度位置に設定
されていることを特徴とする請求項3記載の内燃エンジ
ンの動弁制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14875192A JP3163587B2 (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | 内燃エンジンの動弁制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14875192A JP3163587B2 (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | 内燃エンジンの動弁制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05321702A JPH05321702A (ja) | 1993-12-07 |
JP3163587B2 true JP3163587B2 (ja) | 2001-05-08 |
Family
ID=15459820
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14875192A Expired - Fee Related JP3163587B2 (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | 内燃エンジンの動弁制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3163587B2 (ja) |
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JP4326044B2 (ja) | 1998-08-21 | 2009-09-02 | 日産自動車株式会社 | 4サイクル内燃機関 |
JP4604995B2 (ja) * | 2005-12-08 | 2011-01-05 | マツダ株式会社 | 火花点火式ガソリンエンジン |
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1992
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