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JP3157874B2 - 光学式変位検出装置 - Google Patents

光学式変位検出装置

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Publication number
JP3157874B2
JP3157874B2 JP30675191A JP30675191A JP3157874B2 JP 3157874 B2 JP3157874 B2 JP 3157874B2 JP 30675191 A JP30675191 A JP 30675191A JP 30675191 A JP30675191 A JP 30675191A JP 3157874 B2 JP3157874 B2 JP 3157874B2
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JP
Japan
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optical
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interference
coherent light
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Application number
JP30675191A
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JPH05118880A (ja
Inventor
拓己 福田
正明 高木
Original Assignee
日本電産コパル株式会社
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Filing date
Publication date
Application filed by 日本電産コパル株式会社 filed Critical 日本電産コパル株式会社
Priority to JP30675191A priority Critical patent/JP3157874B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学式変位検出装置に関
し、より詳しくはレーザ光源とエンコーダ板との組み合
わせにより光の干渉を利用して変位検出を行なうレーザ
ロータリエンコーダやレーザリニヤエンコーダ等の光学
式変位検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光学式変位検出装置は、例えば特
開昭62−3615号公報に開示されている。同公報に
は、一般的な構造として、固定光源と固定受光素子と両
者の間に介在するロータリエンコーダ板とこれに近接し
て配置された固定マスクとからなる光学式変位検出装置
が記載されている。ロータリエンコーダ板の周方向に沿
ってスリット列が形成されている。移動するスリット列
を透過した入射光は固定マスクを介して受光素子により
受光される。固定光源から受光素子までは幾何光学系を
構成しており、光の直進性を利用して変位検出を行な
う。従ってロータリエンコーダ板と固定マスクは光の回
折現象等を排除する為極めて近接して配置する必要があ
る。
【0003】同公報には、さらにフラウンフォーファ回
折を利用した光学式変位検出装置も記載されている。こ
の方式においては、固定レーザ光源と固定受光素子との
間に移動方向に沿って形成された回折格子を有するエン
コーダ板が介在している。入射したレーザ光は移動する
エンコーダ板によりフラウンフォーファ回折され前方所
定位置に回折パタンを結像する。エンコーダ板の移動に
伴って移動する回折パタンは固定マスクを介して受光さ
れ移動量を検出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光の直進性を利用した
幾何光学系の従来例においては、エンコーダ板に対して
固定マスクを極めて接近させて配置する必要がある。こ
の為、外部から加わる振動や衝撃によってエンコーダ板
と固定マスク板が接触する恐れがあり、エンコーダ板の
損傷や破壊の原因となるという問題点がある。
【0005】又、光の波動性を利用したフラウンフォー
ファ回折型の従来例においては、回折パタンがエンコー
ダ板の前方所定位置に結像される為、これに合わせて固
定マスクを正確に位置決めしなければならない。しかし
ながら、様々な変動要因によりエンコーダ板と固定マス
クとの間の距離が変化し、検出結果にノイズが発生する
という問題点がある。
【0006】何れの従来例においても、エンコーダ板と
受光素子との間に固定マスクを介在させる必要がある
為、上述した種々の問題点が発生する。そこで、本発明
は固定マスクを用いる事なくエンコーダ板からの出射光
を受光素子で直接受光して変位検出を行なう事のできる
改良された光学式変位検出装置を提供する事を主目的と
する。
【0007】ところで、光学式変位検出装置は様々な種
類の産業機械器具装置類の駆動制御に用いられる。この
中には、環境条件の厳しい場所に配置もしくは設置され
るものもある。例えば、送電設備あるいは強電設備の近
傍に配置される場合がある。この時には、光学式変位検
出装置にも強い電界あるいは電場が作用する。光学式変
位検出装置の光源として広く用いられているレーザダイ
オード等は電磁誘導ノイズによる悪影響を受け易い為、
誤動作が生じ高電場領域では使用する事ができないとい
う問題点がある。又、使用目的によっては爆発雰囲気下
に置かれる事もある。例えば、特殊な化学プラント内に
光学式変位検出装置を組み込んだ機械器具装置類を設置
もしくは配置する場合である。光学式変位検出装置は光
学系ばかりでなく光源や受光素子等の電気系も含んでい
る。この電気系にショート等の故障が発生すると爆発事
故を起こすという問題点がある。
【0008】そこで、本発明は上述した厳しい環境下に
おいても誤動作する事なく安全に機能する光学式変位検
出装置を提供する事を副目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
とともに本発明の目的を達成する為に講じられた手段を
図1に示す。本光学式変位検出装置は、コヒーレント光
を発生する為の光源ユニット1を備えている。この光源
ユニット1は所定位置から離間して配置されている。光
源ユニット1にはシングルモードの導光部材2が接続さ
れており、コヒーレント光を所定位置に導入する為の光
導波路を構成している。導光部材2の他端には干渉光学
系ユニット3が接続されており、所定の周期を有する干
渉縞4を生成する。この干渉縞4を横切る様に変位する
移動体5が設けられている。移動体5には干渉縞4の周
期に対応したピッチ間隔を有する空間格子6が形成され
ている。
【0010】ここで、図示しないが、この空間格子6を
介して干渉縞4を受光し移動体5の変位を検出する為の
受光手段が具備されている。該受光手段は前述した光源
ユニットと隣接して設けられた受光ユニットからなる。
この受光ユニットは、空間格子6を経たコヒーレント光
を導出する為の光導波路を介して移動体5から離間配置
されている。空間格子6として反射型格子を用いる事が
できる。光源ユニット1からコヒーレント光を導入する
為の光導波路と、移動体5からコヒーレント光を導出す
る為の光導波路と共通の該シングルモード導光部材に
より構成する。かかる構成では、受光ユニットが該共通
の導光部材に接続されているとともに、導出されたコヒ
ーレント光を導入したコヒーレント光から分離する為の
分離素子と該分離されたコヒーレント光を検出する為の
受光素子とを含む。
【0011】さらに好ましくは、干渉光学系ユニット3
は、導光部材2を介して導入されたコヒーレント光を平
行光束7にする為のコリメータレンズ部材8とこの光束
7を所定の角度で交差する2本の光軸に沿って分割し交
差領域に干渉縞4を生成する為の光学分割部材9とから
構成されている。光学分割部材9は図示の様にフレネル
複プリズムを用いる他、フレネル複鏡又はロイド鏡を利
用する事もできる。
【0012】さらに好ましくは、移動体5の変位方向検
出を可能とする為に、一対の干渉光学系ユニットを組み
込む事もできる。一対の干渉光学系ユニットは、空間格
子6に対して異なった周期的位相関係を有する干渉縞を
各々生成する様に固定されている。加えて、対応する一
対の受光手段が組み込まれており、出力信号の相対的な
位相差に応じて移動体の変位方向を知る事ができる。あ
るいは、空間格子6として特殊な構造を有する位相格子
を用いる事により、導入されたコヒーレント光を回折し
移動体5の変位方向情報を含む一対の回折光を生成する
様にしてもよい。各回折光を受光できる位置に一対の受
光手段を設ける事により、移動体5の変位方向検出が可
能になる。
【0013】
【作用】本発明によれば、干渉光学系ユニット3によっ
て生成された干渉縞4は空間格子6の形成された移動体
5を介して直接受光手段(図示せず)により受光され変
位検出が行なわれる。従って、移動体5と受光手段との
間に何ら固定マスク等の中間部材を介在させる必要がな
い。又、干渉縞4は一対の光束の交差領域に渡って広範
囲に存在するので、移動体5の光軸方向位置を厳しく設
定する必要がなく、外乱に強く且つノイズの少ない検出
出力を得る事ができる。換言すると、干渉縞4のコント
ラスト及び周期は広範囲に渡って実質的に変動しない。
【0014】さらに、本発明によれば光源ユニット1は
導光部材2を介して干渉光学系ユニット3に接続されて
いる。干渉光学系ユニット3自体は何ら電気的要素を含
んでおらず、自由に高電場領域や危険な場所に配置する
事ができる。一方、光源ユニット1は離間配置可能であ
るので、安全な遠隔地あるいは電磁誘導ノイズによる悪
影響を受ける事のない遠隔地等に設置できる。
【0015】
【実施例】以下図面を参照して本発明の好適な実施例を
詳細に説明する。図2は光学式変位検出装置の一例を示
すブロック図である。本装置は本体から離間して配置さ
れた光源ユニット1を含んでいる。光源ユニット1は点
光源例えばレーザダイオード10を備えており球面波1
1からなるコヒーレント光を放射する。球面波11はコ
リメータレンズ12により平面波13に変換される。平
面波13はコリメータレンズ部材14により再び集束さ
れる。本例においては、構造上の観点からコリメータレ
ンズ部材14は屈折率分布型の円筒レンズを用いてい
る。しかしながら、必ずしもこれに限られるものではな
く、通常の球面あるいは非球面レンズを用いてもよい。
【0016】コリメータレンズ部材14の端面部には導
光部材2が接続されており、集束されたコヒーレント光
を本体に導入する為の光導波路を構成している。この導
光部材2としては、例えばシングルモードの光ファイバ
を用いる事ができる。例えば、レーザダイオード10か
ら放射された波長0.780μmのコヒーレント光を導
く為に6μmのコア径を有するシングルモード光ファイ
バが用いられる。
【0017】導光部材2の端部には干渉光学系ユニット
3が接続されている。導光部材2から導入されたコヒー
レント光はコリメータレンズ部材8により平行光束7と
なる。このレンズ部材8も例えば屈折率分布型の円筒型
コリメータレンズからなる。平行光束7は、例えばフレ
ネル複プリズムからなる光学分割部材9により所定の角
度で交差する2本の光軸に沿って分割され、交差領域に
所定の周期を有する干渉縞4を生成する。
【0018】エンコーダ板あるいは移動体5が干渉縞4
を横切る様に変位可能な状態で配置されている。移動体
5には干渉縞4の周期に対応したピッチ間隔を有する空
間格子6が形成されている。本例においては、空間格子
6は反射型格子であり、矢印で示す様に、反射したコヒ
ーレント光は光学分割部材9及びコリメータレンズ部材
8を介して逆進し導光部材2の端面に集束する。即ち、
光学分割部材9の一方の分割面15により屈折された入
射光束は反射の法則に従って他方の分割面16に戻り再
び屈折され、平行光束となってコリメータレンズ部材8
に進入する。同様に、他方の分割面16により屈折され
た入射光束は反射の法則に従って一方の分割面15に戻
り、ここで再び屈折を受けた後平行光束となってコリメ
ータレンズ部材8に進入する。
【0019】最後に、本装置は空間格子6を介して干渉
縞4を受光し移動体5の変位を検出する為の受光手段を
備えている。この受光手段は、空間格子6を経たコヒー
レント光を導出する為の光導波路を介して離間配置され
た受光ユニット17からなる。上述した様に本体部は光
学的な逆進性を有しているので、コヒーレント光を光源
ユニット1から本体に導入する為の光導波路と、反射コ
ヒーレント光を本体から受光ユニット17に導出する為
の光導波路は、共通の導光部材2により構成する事がで
きる。即ち、光源ユニット1と同様に受光ユニット17
も共通の導光部材2に光学的に接続されている。光源ユ
ニット17は、導出されたコヒーレント光を導入したコ
ヒーレント光から分離する為の分離素子例えばビームス
プリッタ18と、分離されたコヒーレント光を検出する
為の受光素子例えばフォトダイオード19とから構成さ
れている。
【0020】次に、図3を参照して図2に示す光学式変
位検出装置を応用してレーザロータリエンコーダを構成
した例を説明する。移動体5は双方向に回転可能なロー
タリエンコーダ板からなる。エンコーダ板の表面上円周
方向に沿って反射型の一次元空間格子6が形成されてい
る。この空間格子6は例えは所定のピッチ間隔で配列さ
れたスリット20の列からなる。このピッチ間隔は例え
ば5.5μmに設定されている。スリット列の内側に
は、ロータリエンコーダ板の基準位置を示す為の基準ス
リット21が設けられている。上述したスリット20及
び21は何れも反射型である。本例においては移動体5
の変位方向即ちロータリエンコーダ板の回転方向を検出
する為一対の干渉光学系ユニット3A及び3Bが用いら
れている。これら一対のユニット3A,3Bは、空間格
子6に対して異なった周期的位相関係を有する干渉縞を
各々生成する様に固定配置されている。例えば、一方の
ユニット3Aにより生成される干渉縞の位相は他方のユ
ニット3Bにより生成される干渉縞の位相から90度ず
れている。干渉光学系ユニット3Aは導光部材2Aを介
して一体化された光源ユニット1A及び受光ユニット1
7Aに接続されている。同様に、干渉光学系ユニット3
Bも導光部材2Bを介して対応する一体化された光源ユ
ニット1B及び受光ユニット17Bに接続されている。
加えて、基準スリット21に対応して、集光ユニット3
Zが固定配置されている。このユニット3Zは導光部材
2Zを介して対応する一体化された光源ユニット1Z及
び受光ユニット17Zに接続されている。これらの部品
1Z,2Z,3Z及び17Zは基本的に図2に示す構成
と同様に組み立てられている。但し、異なる点は集光ユ
ニット3Zにおいて、光学分割部材に代えて集光レンズ
22を用いている事である。集光レンズ22は導光部材
2Zによって導入されたコヒーレント光をロータリエン
コーダ板上に結像する。結像したスポットが基準スリッ
ト21により反射されると、コヒーレント光は逆進し導
光部材2Zを介して受光ユニット17Zにより受光され
る。尚、集光レンズ22とその上の円筒コリメータレン
ズと一体的に形成して集光ユニット3Zとしても良い。
最後に、各光源ユニット及び受光ユニットは駆動/処理
回路23に接続されている。この回路は各光源ユニット
の駆動制御を行なうとともに、各受光ユニットから出力
された検出信号を処理して移動体5の変位情報を与え
る。
【0021】次に、図4を参照して図3に示すレーザロ
ータリエンコーダの機械的な構造を示す。理解を容易に
する為、本体部のみを示すとともに、図を見易くする為
1個の干渉光学系ユニット3Aのみを示している。本体
24は円筒型のベース25を用いて組み立てられてい
る。ベース25の中心には軸受を介してシャフト26が
回転可能に装着されている。シャフト26の先端部には
前述した反射型の移動体5あるいはロータリエンコーダ
板が取り付けられている。この移動体5を覆う様にキャ
ップ27がベース25に取り付けられている。キャップ
27の一部には開口が設けられており、干渉光学系ユニ
ット3Aが嵌め込まれている。このユニット3Aは、反
射型の移動体5に対向配置された光学分割部材9Aと円
筒型のコリメータレンズ部材8Aとからなる。ユニット
3Aにはコネクタ28を介して対応する導光部材2Aが
接続されている。図示しないが、他方の干渉光学系ユニ
ット3Bも同様な構造によりキャップ27に固定されて
いる。一対の干渉光学系ユニット3A,3Bの相対的な
位置関係は精密に設定されており、前述した様に各々の
干渉縞に所定の周期的な位相差が与えられる。図4に示
す構造から明らかな様に、本体24は機械的及び光学的
な部品のみから組み立てられており、取り扱いが極めて
容易且つ安全である。加えて、光学部品としてはエンコ
ーダ板と干渉光学系ユニットの他になく、従来に比し構
造が極めて簡略化されている。
【0022】続いて以上に説明した実施例の動作を詳細
に説明する。まず、図5を参照して本発明の基本的な原
理となっている光学分割部材9の波動光学的な作用を詳
細に説明する。図示する様に、光学分割部材9を構成す
るフレネル複プリズムは所定の傾斜角で反対方向に傾い
た一対の分割面15及び16を有している。プリズムに
入射した平面波コヒーレント光は各分割面で各々屈折さ
れ第1の光束29と第2の光束30を出射する。両光束
の光軸は交差角θで互いに交わっている。第1光束29
はその光軸方向に進行する第1波面を有している。この
第1波面は波長λを有し平行な実線で示す様に山と谷が
交互に配列されている。又、第2光束30もその光軸方
向に沿って進行する第2波面を有しており、同様に波長
λで山と谷が交互に配列している。両光束は交差領域に
おいて互いに干渉し、山と山及び谷と谷が強め合い、所
定の周期Pを有する干渉縞4を生成する。一方、移動体
あるいはエンコーダ板に形成された空間格子6はこの周
期Pに対応した間隔ピッチで形成された反射スリット面
を有しており、干渉縞4のピークを選択的に反射する様
になっている。前述した様に、反射された光は光学分割
部材9を介して逆進し遠隔地点にある受光ユニットによ
って受光検出される。なお、交差角θと干渉縞の周期P
との間には、sinθ=λ/2÷Pの関係が成立する。
【0023】次に図6を参照してレーザロータリエンコ
ーダの変位検出動作を詳細に説明する。図6は、干渉縞
と空間格子との間の相対的配置関係を説明する為の模式
図である。図示する様に、一方の干渉光学系ユニット3
Aに導入されたコヒーレント光は所定の交差領域にA相
干渉縞4Aを生成する。又、他方の干渉光学系ユニット
3Bに導かれたコヒーレント光は所定の交差領域にB相
干渉縞4Bを生成する。図から明らかな様に、A相干渉
縞4AとB相干渉縞4Bとの間には1/4周期分の位相
差即ち90度分の位相差が生じている。さらに、集光ユ
ニット3Zに導入されたコヒーレント光は集光され、前
述した様に固定スポットあるいはZ相スポット4Zを形
成する。
【0024】一方空間格子を構成する反射スリット20
の列は、干渉縞の周期に対応したピッチ間隔で整列して
いる。個々のスリット20はA相干渉縞4AとB相干渉
縞4Bの両者を反射できる様に設定されている。又、ス
リット20の列から離間してエンコーダ板の基準位置に
単独の反射型基準スリット21が設けられている。この
基準スリット21はZ相スポット4Zを反射できる様に
配置されている。
【0025】かかる配置構造において、A相干渉縞4A
のピークは移動するスリット20の列によって間欠的に
反射され、対応する干渉光学系ユニット3Aを介して受
光ユニット17Aにより受光される。受光ユニット17
Aはピークの受光に同期して交流のA相電気信号31A
を出力する。又、B相干渉縞4Bのピークも同一のスリ
ット列20により間欠的に反射され、対応する受光ユニ
ット17Bにより受光される。この受光ユニット17B
はピークの受光に同期してB相電気信号31Bを出力す
る。図から明らかな様に、固定の干渉縞に対してスリッ
ト20の列が相対的に右方向に変位する場合には、先ず
A相干渉縞のピークが個々のスリット20を通過し、次
に1/4周期分遅れてB相干渉縞4Bのピークが個々の
スリット20を通過する。従って、A相電気信号31A
はB相電気信号31Bよりもπ/4だけ進相である。こ
の位相差を駆動/処理回路23で検出する事によりロー
タリエンコーダ板の変位方向が検知できる。又、電気信
号の波数を計数する事によりエンコーダ板の変位量を検
出できる。エンコーダ板が逆に左方向に変位した場合に
は、B相干渉縞4BのピークがA相干渉縞4Aのピーク
に比べて1/4周期分だけ先に個々のスリット20を横
切る。この結果、A相電気信号31AはB相電気信号3
1Bに比べてπ/4だけ遅相となる。さらに、固定のZ
相スポット4Zに対してエンコーダ板の基準スリット2
1が横切った時、対応する受光ユニット17Zはパルス
からなるZ相電気信号31Zを出力する。このパルスを
検出する事によりエンコーダ板の基準位置を検知でき
る。検出された基準位置と変位量から、駆動/処理回路
23はエンコーダ板の絶対変位量を算出する。
【0026】次に、図7を参照して、本発明にかかる光
学式変位検出装置の他の実施例を説明する。この例にお
いては、2光線束干渉光学系ユニットは遠隔地点にある
レーザ光源(図示せず)に対して光ファイバ41を介し
て接続されたコリメータレンズ42とロイド鏡43とか
ら構成されている。このロイド鏡43はコリメータレン
ズ42の光軸に対して傾斜して配置された平面鏡からな
り、コリメータレンズ42から出射した平行コヒーレン
ト光の一部分のみを反射する。従って、反射光束と、反
射せずにそのまま通過した光束とは互いに交差し交差領
域において干渉縞を生成する。この交差領域を横切る様
にリニアエンコーダ板44が配置されている。このリニ
アエンコーダ板44はロータリエンコーダ板と異なり矢
印で示す様に直線方向に移動可能となっており直線変位
を検出する為のものである。エンコーダ板44の表面に
は、干渉縞の周期に対応したピッチ間隔で配列された反
射スリット列あるいは光反射条からなる反射型の空間格
子が形成されている。さらに、反射光軸の延長上にコリ
メータレンズ45が配置されており、光ファイバ46を
介して遠隔地点にある受光ユニット(図示せず)に接続
されている。図から明らかな様に、反射型のエンコーダ
板44に関し、入射光軸と反射光軸は互いに傾いてい
る。この為、図2に示す逆進構造と異なり、コヒーレン
ト光の導入経路と導出経路は少なくとも部分的に分離し
ている。なお、コリメータレンズ45に代えて、反射光
を直接受光できる位置に受光素子を設けた構造としても
よい。この場合には、少なくとも光源ユニットを遠隔地
点に配置する事ができる。
【0027】図8は本発明のさらに他の実施例を示す模
式図であり、透過型のレーザロータリエンコーダを示し
ている。この例は光学分割部材としてフレネル複鏡を用
いたものである。即ち、2光線束干渉光学系ユニット
は、光ファイバ47を介して遠隔地点にある光源ユニッ
ト(図示せず)に接続されたコリメータレンズ48とフ
レネル複鏡49とから構成されている。フレネル複鏡4
9は互いに反対側に傾斜した一対の反射分割面50及び
51を有している。一方の反射分割面50により反射さ
れた光束は他方の反射分割面51により反射された光束
と所定の交差領域で干渉し合い干渉縞を生成する。この
交差領域を横切って移動可能な様にロータリエンコーダ
板52が配置されている。ロータリエンコーダ板52に
は干渉縞の周期に対応した構造を有する透過型の空間格
子53が形成されている。エンコーダ板52の裏面側に
は光ファイバ54を介して遠隔地点にある受光ユニット
(図示せず)に接続されたコリメータレンズ55が配置
されている。
【0028】空間格子53は、導入されたコヒーレント
光を回折しエンコーダ板52の変位方向情報を含む一対
の回折光56,57を生成する機能を有する位相格子か
らなる。加えて、各回折光を受光できる位置に一対のコ
リメータレンズ58,59が設けられている。各コリメ
ータレンズは対応する光ファイバ60,61を介して遠
隔地点にある受光ユニット(図示せず)に接続されてい
る。これらの受光ユニットから出力される電気信号を処
理する事によりエンコーダ板52の変位方向検出が可能
になる。
【0029】本実施例で用いられる位相格子は、干渉縞
の周期の半分に相当するピッチで交互に形成された第1
光路部62及び第2光路部63とその間に形成された第
3光路部64とからなる特有の光学的周期構造を有して
いる。かかる位相格子により生じたA相回折光56及び
B相回折光57の間には周期的光強度変化の位相差が現
われる。この位相差に基づいてエンコーダ板52の変位
方向を検出している。例えば、エンコーダ板52が一方
向に変位する時にはA相回折光56に対応するA相電気
信号はB相回折光57に対応するB相電気信号に比べて
進相となり、逆に他方向に変位する場合には遅相とな
る。なお、かかる構造の詳細については、同一出願人に
かかる先の特許出願特願平3−232242号公報に開
示されている。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らか様に、本発明によ
れば、2光線束干渉光学系ユニットを用いて干渉縞を生
成するとともに、この干渉縞を移動体に照射し受光ユニ
ットで直接受光する様にしている。従って、移動体と受
光ユニットとの間に何ら固定マスク板等を介在させる必
要がないので、光学式変位検出装置の構造を小型化し且
つ単純化する事ができるという効果がある。固定マスク
板等を用いないので、従来例に述べた様な固定マスクに
起因する様々な不具合を解消できるという効果がある。
又、干渉光学系ユニットにより生成された干渉縞は光軸
方向の広い範囲に渡って一定のコントラスト及び周期を
有しており、移動体の位置が外乱等により光軸方向に変
動しても検出誤差の原因となるノイズが発生しないとい
う効果がある。さらには、固定マスクを介在させていな
いので入射光の損失が少なく高感度の光学的変位検出を
行なう事ができるという効果がある。加えて、移動体近
傍に配置される干渉光学系ユニットと、光源ユニット及
び受光ユニットは光ファイバ等で連結されているので互
いに電気的に分離されている。この為、光源ユニット及
び受光ユニットを有害な電磁誘導ノイズから保護する事
ができるという効果がある。又、干渉光学系ユニットは
何ら電気的な構成部分を有しないので爆発環境等危険な
領域においても安全に用いる事ができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学式変位検出装置の基本的構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】反射型光学式変位検出装置の一実施例を示すブ
ロック図である。
【図3】光学式変位検出装置を応用したレーザロータリ
エンコーダの例を示す模式的な斜視図である。
【図4】図3に示すレーザロータリエンコーダの本体部
分を示す模式的な断面図である。
【図5】光学式変位検出装置に組み込まれる干渉光学系
ユニットの作用を説明する為の線図である。
【図6】図3に示すレーザロータリエンコーダの動作を
説明する為の線図である。
【図7】他の実施例を示す模式図である。
【図8】さらに他の実施例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 光源ユニット 2 導光部材 3 干渉光学系ユニット 4 干渉縞 5 移動体 6 空間格子 8 コリメータレンズ部材 9 光学分割部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 5/26 - 5/38 G01B 11/00 - 11/30

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定位置から離間して配置されておりコ
    ヒーレント光を発生する為の光源ユニットと、該コヒー
    レント光を所定位置に導入する為の光導波路を構成する
    シングルモードの導光部材と、該導光部材に接続されて
    おり所定の周期を有する干渉縞を生成する為の干渉光学
    系ユニットと、該周期に対応したピッチ間隔を有する空
    間格子が形成されており干渉縞を横切る様に変位する移
    動体と、該空間格子を介して干渉縞を受光し移動体の変
    位を検出する為の受光手段とから構成されており、 該受光手段は、該空間格子を経たコヒーレント光を導出
    する為の光導波路を介して離間配置された受光ユニット
    からなり、 コヒーレント光を導出する為の光導波路は、コヒーレン
    ト光を導入する為の光導波路と共通の該シングルモード
    の導光部材で構成されている 光学式変位検出装置。
  2. 【請求項2】 該空間格子は反射型格子であるととも
    に、コヒーレント光を導入する為の光導波路と反射コヒ
    ーレント光を導出する為の光導波路が該共通の導光部材
    により構成されている請求項に記載の光学式変位検出
    装置。
  3. 【請求項3】 該受光ユニットは、該共通の導光部材に
    接続されており、導出されたコヒーレント光を導入した
    コヒーレント光から分離する為の分離素子と、該分離さ
    れたコヒーレント光を検出する為の受光素子とを含んで
    いる請求項に記載の光学式変位検出装置。
  4. 【請求項4】 該干渉光学系ユニットは、導入されたコ
    ヒーレント光を平行光束にする為のコリメータレンズ部
    材と、該光束を所定の角度で交差する二本の光軸に沿っ
    て分割し交差領域に干渉縞を生成する為の光学分割部材
    とからなる請求項1に記載の光学式変位検出装置。
  5. 【請求項5】 該光学分割部材は、フレネル複プリズ
    ム、フレネル複鏡又はロイド鏡から構成される請求項
    に記載の光学式変位検出装置。
  6. 【請求項6】 該空間格子に対して異なった周期的位相
    関係を有する干渉縞を各々生成する様に固定された一対
    の干渉光学系ユニットと、対応する一対の受光手段とを
    備えており、該移動体の変位方向検出を可能とした請求
    項1に記載の光学式変位検出装置。
  7. 【請求項7】 該空間格子は導入されたコヒーレント光
    を回折し移動体の変位方向情報を含む一対の回折光を生
    成する機能を有する位相格子からなるとともに、各回折
    光を受光できる位置に設けられた一対の受光手段を備え
    ており、該移動体の変位方向検出を可能とした請求項1
    に記載の光学式変位検出装置。
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