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JP3150733B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP3150733B2
JP3150733B2 JP28948691A JP28948691A JP3150733B2 JP 3150733 B2 JP3150733 B2 JP 3150733B2 JP 28948691 A JP28948691 A JP 28948691A JP 28948691 A JP28948691 A JP 28948691A JP 3150733 B2 JP3150733 B2 JP 3150733B2
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nylon
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克彦 弘中
清明 西嶋
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デーエスエム ナムローゼ フェンノートシャップ
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂組成物に関し、さら
に詳しくは優れた耐熱性、機械特性、衝撃特性、耐油性
を示すポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)
樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】テトラメチレンジアミンまたはその機能
誘導体とアジピン酸またはその機能誘導体とから得られ
るナイロン46樹脂は知られている。
【0003】このナイロン46樹脂は耐熱性に優れ、ま
た引張強度、曲げ強度などの機械特性や摺動特性等にも
優れるため有用なエンジニアリングプラスチックとして
その利用上の価値が大きいと考えられている。
【0004】特に自動車部品や機械部品の分野では、軽
量化、省力化、低騒音化等を狙ったプラスチック化が進
む一方、それらへの耐熱性の要求が近年ますます高まっ
ていく流れの中でナイロン46樹脂に対する期待は大き
い。
【0005】しかしそれらの分野に使用される際、部品
が各種の油やグリースに接触する機会も数多くある。
【0006】室温において樹脂と油類との接触はほとん
ど問題にならないが、ナイロン46樹脂の耐熱性を生か
した用途、例えば100℃以上の高温において油やグリ
ースと接触するようなときには、多くの場合それら油や
グリース中の各種添加剤の作用によるものであるが、ナ
イロン46樹脂の劣化が促進され、その機械特性の低下
が非常に大きくなる。
【0007】ナイロン46樹脂をガラス繊維等の繊維状
補強材で補強することは強度の向上だけでなく、高温に
おける耐油性を向上させる上でも効果がある。
【0008】しかし、ナイロン46樹脂のもつ衝撃強度
等の靭性を生かす必要のある用途では、ガラス繊維等の
繊維状補強材で補強した場合、その特長が失われてしま
うという問題があり、繊維状補強材で補強されたときの
靭性、衝撃強度の改良が望まれている。
【0009】
【発明の目的】本発明は上述の事情を背景としてなされ
たものであり、耐油性が改良され、耐熱性、靭性等の機
械特性にバランスよく特性を示すナイロン46樹脂組成
物を得る点にある。
【0010】
【発明の構成】本発明者らは、ナイロン46樹脂の耐油
性を改良すべく鋭意研究した結果、ガラス繊維等の繊維
状補強材で補強されたナイロン46樹脂にカルボン酸ま
たはその誘導体を分子鎖中に含むオレフィン系共重合体
を特定量配合した組成物が上述の目的に合致することを
見いだし本発明に到達した。
【0011】すなわち、本発明の樹脂組成物は、(A)
ナイロン46樹脂100重量部当り、(B)カルボン酸
またはその誘導体を分子鎖中に含むオレフィン系共重合
体3〜40重量部、及び(C)繊維状補強材3〜100
重量部を配合してなる樹脂組成物である。
【0012】本発明を説明する。
【0013】本発明において用いられる(A)成分のナ
イロン46樹脂とは、酸成分としてアジピン酸またはそ
の機能誘導体を用い、アミン成分としてテトラメチレン
ジアミンまたはその機能誘導体を用いて縮合反応により
得られるポリアミドを主たる対象とするが、そのアジピ
ン酸成分またはテトラメチレンジアミン成分の一部を他
の共重合成分で置き換えたものでもよい。
【0014】ナイロン46樹脂の好ましい態様は特開昭
56―149430号公報および特開昭56―1494
31号公報に記載されている。
【0015】本発明で用いられるナイロン46樹脂の極
限粘度は、m―クレゾールを用い35℃で測定したと
き、0.90〜1.90、更には1.00〜1.50の
範囲にあることが望ましい。
【0016】1.90を超える極限粘度のナイロン46
樹脂を用いる場合には組成物の溶融状態における流動性
が悪く、得られる成形品の外観の光沢が失われるのみな
らず、その機械特性、熱特性のバラツキが大きくなるた
め好ましくない。
【0017】一方0.90よりも低い極限粘度では、組
成物の機械的強度が小さくなる欠点を生ずる。
【0018】本発明に用いられる(B)成分のカルボン
酸またはその誘導体を分子鎖中に含むオレフィン系共重
合体とは、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα―オ
レフィンやジエン、例えばプロピレン、1―ブテン、1
―ペンテン、4―メチル―1―ペンテン、1,4―ヘキ
サジエン、ジシクロペンタジエン、2,5―ノルボルナ
ジエン、5―エチル―2,6―ノルボルナジエン、5―
エチリデンノルボルネン、5―(1′―プロペニル)―
2―ノルボルネン、ブタジエン、イソプレン等を主たる
構成成分とし、それらにカルボン酸基やその誘導体、例
えばカルボン酸金属塩基、カルボン酸エステル基、酸無
水物基、酸アミド基の中から選ばれた少なくとも1種の
官能基を有する単量体成分を導入した共重合体をいう。
【0019】この官能基を有する単量体としては、アク
リル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸、クロトン酸、メチルマレイン酸、メチルフマル
酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸2―エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエ
チル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸2―エチ
ルヘキシル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、メタア
クリル酸アミノエチル、マレイン酸ジメチル、イタコン
酸ジメチル、メタアクリル酸ナトリウム、メタアクリル
酸カリウム、メタアクリル酸マグネシウム、アクリル酸
亜鉛、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコ
ン酸、アクリル酸グリシジル、メタアクリル酸グリシジ
ル、ビニルグリシジルエーテル、酢酸ビニル、アクリル
アミド等のα,β―不飽和カルボン酸誘導体等があげら
れる。
【0020】これらの官能基を有する単量体成分を導入
する方法は、エチレン及びα―オレフィンとの共重合
や、あるいはポリオレフィンへのグラフト化等がある。
【0021】また官能基を有する単量体成分の導入量は
全構成成分に対して0.001〜10モル%、好ましく
は0.01〜5モル%である。この導入量が0.001
モル%以下のときはナイロン46樹脂との相溶性が十分
でなく、また10モル%以上ではポリオレフィンの安定
性が低下し、ゲル化等の副反応が起こりやすくなるため
好ましくない。
【0022】本発明に用いられるこれらのカルボン酸ま
たはその誘導体を分子鎖中に含むオレフィン系共重合体
の好ましい例としては、エチレン―アクリル酸共重合
体、エチレン―メタアクリル酸―メタアクリル酸ナトリ
ウム共重合体、エチレン―メタアクリル酸―メタアクリ
ル酸亜鉛共重合体、エチレン―メタアクリル酸―メタア
クリル酸マグネシウム共重合体、エチレン―アクリル酸
イソブチル―メタアクリル酸―メタアクリル酸亜鉛共重
合体、エチレン―アクリル酸メチル共重合体、エチレン
―アクリル酸メチル―アクリル酸共重合体、エチレン―
アクリル酸エチル共重合体、エチレン―メタアクリル酸
グリシジル共重合体、エチレン―酢酸ビニル―メタアク
リル酸グリシジル共重合体、ポリエチレン―無水マレイ
ン酸共重合体、ポリプロピレン―無水マレイン酸共重合
体、ポリ(エチレン/プロピレン)―無水マレイン酸共
重合体、ポリ(エチレン/ブタジエン)―無水マレイン
酸共重合体、ポリ(エチレン/プロピレン/1,4―ヘ
キサジエン)―無水マレイン酸共重合体、ポリ(エチレ
ン/プロピレン/ジシクロペンタジエン)―無水マレイ
ン酸共重合体、ポリ(エチレン/プロピレン/5―エチ
リデンノルボルネン)―無水マレイン酸共重合体、ポリ
イソプレン―無水マレイン酸共重合体等があげられる。
【0023】また(B)成分のこれらの共重合体は前述
の共重合体を含むP―Q―P型またはP―Q―P′型の
ブロック共重合体であってもよい。
【0024】本発明において用いられる(C)成分の繊
維状強化材としては、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素
繊維、スチール繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウ
ムウィスカー、ボロンウィスカー等が例示でき、これら
の2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0025】これらの繊維状強化材の中ではガラス繊維
による強化が好ましく、ガラス繊維としては一般に樹脂
の強化用に用いられるものであれば特に限定はない。例
えば長繊維タイプ(ガラスロービング)や短繊維状のチ
ョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択し
て用いることができる。
【0026】またガラス繊維等の繊維状強化材は集束剤
(例えばポリ酢酸ビニル、ポリエステル集束剤等)、カ
ップリング剤(例えばシラン化合物、ボラン化合物、チ
タン化合物等)、その他の表面処理剤で処理されていて
もよい。
【0027】通常、長繊維タイプのガラス繊維は樹脂と
のブレンド前または後に所望の長さに切断されて用いら
れるが、この使用態様も本発明には有用である。
【0028】繊維状強化材の配合量は、ナイロン46樹
脂100重量部に対して3〜100重量部が好ましい。
この配合量が3重量部より少ないところでは成形品の機
械的強度や耐油性等の耐熱性の向上効果が十分でなく、
満足な成形品を得ることができない。また、100重量
部を超える場合には、組成物の溶融状態における流動性
が著しく劣ってくるため外観の良好な成形品を得ること
ができず、また強度的にも飽和に達してくるため好まし
くない。
【0029】ガラス繊維を用いる場合ガラス繊維長は組
成物中の主たる部分が0.2mm以上の長さになるような
ものが好ましく用いられる。
【0030】このガラス繊維等の繊維状補強材でナイロ
ン46樹脂を補強した場合、機械的強度のみならずナイ
ロン46樹脂の高温における耐油性も大きく向上する一
方、その組成物は衝撃強度等の靭性に劣るという欠点も
有する。
【0031】しかしながら、その組成物にさらにカルボ
ン酸またはその誘導体を分子鎖中に含むオレフィン系共
重合体を配合すると、その耐油性を低下させることなく
衝撃強度等の靭性を改良できるという効果を見いだし
た。
【0032】カルボン酸またはその誘導体を分子鎖中に
含むオレフィン系共重合体は、ナイロン46樹脂中に単
独で配合したときにその衝撃強度等の靭性を改良するも
のもあることから、ガラス繊維等の繊維状補強材で補強
したときにも同様な効果を発現することは容易に推測で
きる。
【0033】ところが、ナイロン46樹脂よりもそれ自
身耐熱性に劣るこの共重合体をナイロン46樹脂に配合
することにより、その耐油性が劣ることなくむしろ向上
するという効果を示す。
【0034】ガラス繊維等の補強材を含まないとき、こ
のカルボン酸またはその誘導体を分子鎖中に含むオレフ
ィン系共重合体をナイロン46樹脂中に配合してもその
耐油性はほとんど向上しない。
【0035】よって、本発明におけるこれらの効果は、
それぞれの構成単位からは全く予想できないものであ
り、それらを組み合わせることによってはじめて発現す
るものである。
【0036】それにより、機械特性、靭性、耐油性にバ
ランスのとれたナイロン46樹脂組成物がえられ、ナイ
ロン46樹脂の特徴を保ったままその特性を更に向上さ
せることができる。
【0037】このカルボン酸またはその誘導体を分子鎖
中に含むオレフィン系共重合体のナイロン46樹脂に対
する配合量は、ナイロン46樹脂100重量部当り、3
〜40重量部である。
【0038】この配合量が3重量部より小さいときに
は、目的とする靭性の向上効果が得られず、また40重
量部より多いときには荷重たわみ温度等の耐熱性が低下
し、ナイロン46樹脂の特徴が失われてしまう。
【0039】本発明では、これら(A)〜(C)成分か
らなる組成物に(D)成分としてハイドロタルサイトを
配合したものも好ましく、その場合組成物の耐油性が更
に向上するという効果が得られる。
【0040】本発明に用いられる(D)成分のハイドロ
タルサイトは下記一般式(化1)
【0041】
【化1】M1-x M′x (OH)2 x/n ・mH2
【0042】で表される金属塩であり、式中MはMg、
Mn、Fe、Co、Ni、Cu、及びZnからなる群よ
り、M′はAl、Fe、Cr、Co、及びInからなる
群より選ばれ、またRはOH、F、Cl、Br、N
3 、CO3 、SO4 、Fe(CN)6 及びCH3 CO
Oからなる群より選ばれる。また、mは正の数であり、
xは0<x≦0.5の範囲の数、nはRのアニオンの価
数と同じ数である。
【0043】このハイドロタルサイトは天然化合物、合
成化合物両種あるが、本発明にはいずれも使用できる。
【0044】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて顔
料その他の配合剤をその発現量添加してもよい。このよ
うな配合剤としては充填剤、例えばカオリン、クレー、
ウォラストナイト、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、
硫酸バリウム、ガラスビーズ、ガラスフレークス等の粉
末状、粒状あるいは板状の無機充填剤が例示できる。こ
れらの充填剤は、通常補強材、表面改質材として、ある
いは電気的、熱的特性等の改質を目的として配合される
が、配合による効果発現の最小量と過剰配合による組成
物本来の優れた特性、成形上の利点を損失しない範囲で
配合されるべきである。
【0045】また難燃剤、例えば臭素化ポリスチレン、
臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化エポキシ、臭素
化ビスフェノール―A―ジグリシジルエーテルおよびそ
のオリゴマー、臭素化ビスフェノール―Aを原料として
製造されるポリカーボネートオリゴマー、臭素化ビフェ
ニルエーテル、臭素化ジフタルイミド化合物、塩素化ヘ
キサペンタジエンの2量体等のハロゲン含有化合物;赤
リン、トリフェニルホスフェート等のリン化合物;ホス
ホン酸アミド等のリン―窒素化合物;メタミン、メラ
ム、メレム、メロン、シアヌール酸、シアヌール酸メラ
ミン等のトリアジン化合物;水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム、ドーソナイト、二水和石コウ等の金属
水酸化物や上記ハロゲン含有化合物との併用または単独
で用いられる難燃助剤、例えば三酸化アンチモン等のア
ンチモン化合物、酸化ホウ素、酸化鉄等の金属酸化物等
の配合が可能である。
【0046】更に、耐熱性向上を目的としてヨウ化銅等
の銅化合物、ヒンダードフェノール化合物、芳香族アミ
ン化合物、有機リン化合物、硫黄化合物等の酸化防止剤
あるいは熱安定剤を添加することもできる。また溶融粘
度安定性、耐加水分解性の改良等の目的には、各種のエ
ポキシ化合物、オキサゾリン化合物等を添加してもよ
い。エポキシ化合物としては、例えばビスフェノール―
Aとエピクロルヒドリンを反応させて得られるビスフェ
ノール―A型エポキシ化合物、各種グリコールやグリセ
ロールとエピクロルヒドリンとの反応から得られる脂肪
族グリシジルエーテル、ノボラック型エポキシ化合物、
芳香族または脂肪族カルボン酸型エポキシ化合物、脂環
化合物型エポキシ化合物などが好ましく、オキサゾリン
化合物としては芳香族または脂肪族ビスオキサゾリン、
特に2,2′―ビス(2―オキサゾリン)、2,2′―
m―フェニレンビス(2―オキサゾリン)が好ましい。
【0047】その他安定剤、着色剤、滑剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤の添加もできる。
【0048】更に、少量の割合で他の熱可塑性樹脂、例
えば他のポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミ
ドエラストマー、ポリエステルエラストマー等;熱硬化
性樹脂、例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等を配合してもよ
い。
【0049】本発明の樹脂組成物を得るには任意の配合
方法を用いることができる。
【0050】通常これらの配合成分はより均一に分散さ
せることが好ましく、その全部若しくは一部を同時にあ
るいは別々に例えばブレンダー、ニーダー、ロール、押
出機等の混合機で混合し均質化させる方法や、混合部分
の一部を同時にあるいは別々に例えばブレンダー、ニー
ダー、ロール、押出機等で混合し、更に残りの成分をこ
れらの混合機あるいは押出機で混合し均質化させる方法
を用いることができる。更に予めドライブレンドされた
組成物を加熱した押出機で溶融混練して均質化したあと
針金状に押出し、次いで所望の長さに切断して粒状化す
る方法がある。このようにして造られた成形用組成物
は、通常十分乾燥された状態に保たれて成形機ホッパー
内に投入され成形に供される。更にまた、組成物の構成
原料をドライブレンドして直接成形機ホッパー内に投入
し成形機中で溶融混練することも可能である。
【0051】
【実施例】以下実施例により本発明を詳述する。なお、
実施例中の各種特性の測定は以下の方法によった。
【0052】(1)機械的強度:引張試験はASTM
D638に、衝撃試験はASTMD256(アイゾッ
ト、ノッチ付)にそれぞれ準拠。
【0053】(2)荷重たわみ温度(HDT):AST
M DD648に準拠。(荷重18.6キログラム毎平
方センチメートル) (3)体油性:引張特性評価用の試験片を140℃に加
熱したオイル(モービルSHC―629)中に浸漬し、
引張強度の経時変化にて評価。
【0054】(4)極限粘度:溶媒としてm―クレゾー
ルを用い、オストワルド粘度管により35℃にて測定。
【0055】
【実施例1〜4及び比較例1〜5】110℃、10To
rrの減圧下で12時間乾燥した極限粘度数1.42の
ナイロン46樹脂(「STANYL」オランダ国DSM
社製)と無水マレイン酸を分子鎖中に含むエチレン/プ
ロピレン共重合体(オレフィン系共重合体1、「EXX
ELAR VA1801」エクソン社製)または無水マ
レイン酸を分子鎖中に含むスチレン―エチレン/ブタジ
エン―スチレンブロック共重合体(オレフィン系共重合
体2、「クレイトンFG1901X」シェル化学(株)
社製)、ハイドロタルサイト(「DHT―4A・2」協
和化学(株)社製)、及びガラス繊維(日本電気硝子
(株)社製)を表1に示す量割合にて、予めタンブラー
で均一に混合した後スクリュー径各44mmのベント付き
二軸押出機を用いて真空に引きながらシリンダー温度3
30℃、スクリュー回転数160rpm、吐出量40kg
/hにて溶融混練し、ダイスから吐出するスレッドを冷
却切断して成形用ペレットを得た。
【0056】次いでこのペレットを用いて射出容量5オ
ンスの射出成形機にてシリンダー温度300℃、金型温
度120℃、射出圧力800キログラム毎平方センチメ
ートル、冷却時間15秒、及び全成形サイクル40秒の
条件で各特性測定用の成形品を成形した。
【0057】これらの成形品を用いて各特性を測定し
た。成形品は測定前にJIS K7100に従い、23
℃、相対湿度50%の雰囲気中で88時間状態調節を行
った。それらの結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】ナイロン46樹脂はHDTで表される耐熱
性や衝撃強度で表される靭性に優れ、高い引張強度も示
すが、140℃という高温のオイル中に浸漬した場合そ
の引張強度の低下は非常に大きい(比較例1)。
【0060】これに上述のオレフィン系共重合体を配合
してもその耐油性は向上せず、衝撃強度は上昇するもの
のHDTが大幅に下がってナイロン46樹脂の特徴が失
われる(比較例2,3)。また、ナイロン46樹脂にガ
ラス繊維を配合すると、引張強度やHDTは向上し、そ
の高温オイル中浸漬後の引張強度も保たれるようになる
が、その衝撃強度は低くなり靭性は低下してしまう(比
較例4,5)。
【0061】しかしながら、ナイロン46樹脂中にガラ
ス繊維と上述のオレフィン系共重合体を同時に配合する
と、引張強度、HDT、衝撃強度いずれにも優れるのみ
ならず、高温オイル中浸漬後の引張強度にもほとんど低
下が見られない(実施例1〜3)。そしてこの耐油性
は、組成物中の含有量がより多いガラス繊維単独の場合
(比較例4)をも上回り、ガラス繊維とオレフィン系共
重合体の層状作用により発現するものであることがわか
る。
【0062】これらの組成物に、ハイドロタルサイトを
配合するとその耐油性を更に向上させることができ、ナ
イロン46樹脂の利用価値を一層高めることもできる
(実施例4)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−138366(JP,A) 特開 平3−243657(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 77/00 - 77/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ナイロン46樹脂100重量部当
    り、(B)カルボン酸またはその誘導体を分子鎖中に含
    むオレフィン系共重合体3〜40重量部、及び(C)繊
    維状補強材3〜100重量部、及び(D)ハイドロタル
    サイト0.01〜3重量部を配合してなる樹脂組成物
  2. 【請求項2】 (C)成分がガラス繊維である請求項1
    に記載の樹脂組成物。
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