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JP3145154B2 - 抄紙用添加剤及びそれを用いた製紙方法 - Google Patents

抄紙用添加剤及びそれを用いた製紙方法

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JP3145154B2
JP3145154B2 JP31524091A JP31524091A JP3145154B2 JP 3145154 B2 JP3145154 B2 JP 3145154B2 JP 31524091 A JP31524091 A JP 31524091A JP 31524091 A JP31524091 A JP 31524091A JP 3145154 B2 JP3145154 B2 JP 3145154B2
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JP
Japan
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papermaking
paper
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bentonite
additive
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義武 左近
達宏 茂木
芳功 野村
Original Assignee
ミサワセラミックス株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上利用分野】本発明は、新規な抄紙用添加剤及び
それを用いた製紙方法に関するものである。さらに詳し
くいえば、本発明は、抄紙の際のろ水性及び湿紙の乾燥
性を向上させ、かつ紙力の増強をもたらす抄紙用添加剤
及びこのものを用いて紙力の良好な紙を生産性よく製造
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、紙や板紙の製造においては、抄紙
工程における抄紙機の高速化に伴う生産性の向上、ある
いは紙の多様化に応じた品質向上の目的で、各種のろ水
性を向上させるための添加剤や紙力を増強させるための
添加剤が使用されている。このような添加剤としては、
通常ノニオン性、アニオン性、カチオン性のポリ(メ
タ)アクリルアミド系ポリマーや、ポリエチレンイミ
ン、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂などのカチオ
ン性ポリマーなどが用いられている。
【0003】そして、これまでカチオン性ポリマーとベ
ントナイトを併用してろ水性、乾燥性及び地合などを改
良し、優れた強度をもつ種々の紙を製造する方法(特開
昭62−191598号公報)、両性の(メタ)アクリ
ルアミド系重合体とベントナイトを併用し、紙の強度を
低下させることなく、ろ水性を向上させた紙の製造方法
(特開昭64−85398号公報)などが提案されてい
る。
【0004】前者は、分子量50万以上の実質上線状の
合成カチオン性ポリマーとベントナイトの組合せによる
ろ水性と乾燥性を向上させる紙又は板紙の製造方法であ
り、後者は、(メタ)アクリルアミドを重合成分として
用いた平均分子量10万〜100万の両性重合体とベン
トナイトを併用し、紙の強度を低下させることなく、ろ
水性を向上させた紙の製造方法であって、両性化合物の
1つとしてマンニッヒ反応生成物が示されている。
【0005】しかしながら、これらの方法はいずれも、
ろ水性の向上による紙の乾燥性の改善については必ずし
も十分に満足しうるものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のろ水性向上剤や紙力増強剤が有する欠点を克服
し、抄紙の際のろ水性及び湿紙の乾燥性を向上させ、か
つ紙力の増強をもたらす抄紙用添加剤及びこのものを用
いて紙力の良好な紙を生産性よく製造する方法を提供す
ることを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、抄紙用の
添加剤について鋭意研究を重ねた結果、アクリルアミド
やメタクリルアミドに特定のモノマーを所定の割合で共
重合させて得られた架橋型共重合体のマンニッヒ反応生
成物は、抄紙用添加剤として、ろ水性及び湿紙の乾燥性
を向上させるとともに紙力を増強させるなど、好ましい
性質を有すること及びこのものをベントナイトとともに
抄紙工程に用いることにより、紙力の良好な紙を生産性
よく製造しうることを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、(A)アクリルアミ
ド及びメタクリルアミドの中から選ばれた少なくとも1
種の不飽和アミドと10モル%を超えない量のアニオン
性ビニルモノマーとの混合物と、(B)(A)成分の合
計量に基づき0.01〜0.5モル%の三官能性ビニル
系モノマーとの架橋型共重合体のマンニッヒ反応生成物
から成る抄紙用添加剤及びこの添加剤をパルプ懸濁液
に、その固形分100重量部当り0.01〜2重量部の
割合で、またベントナイトを0.01〜5重量部の割合
でそれぞれ加え、抄紙する製紙方法を提供するものであ
る。
【0009】本発明の抄紙用添加剤は(メタ)アクリル
アミド系架橋型重合体のマンニッヒ反応生成物から成っ
ている。従来、マンニッヒ変性ポリアクリルアミド系ろ
水剤としては、一般に分子量100万以上の高分子量ポ
リアクリルアミドをマンニッヒ変性したカチオン性ポリ
アクリルアミドが、抄紙工程において微細繊維や填料の
歩留り及びろ水性の向上のために利用されている。しか
しながら、このようなマンニッヒ変性ポリアクリルアミ
ドは微細繊維のフロックの形成については良好であるも
のの、機械的ショックによりフロックが再分散し、ワイ
ヤーパート上における紙層形成が不均一となり、ベント
ナイトとの併用においても、所望の良好な地合の形成と
ろ水性の向上による湿紙の乾燥性の改善を図るには不十
分である。
【0010】これに対し、本発明の抄紙用添加剤は、
(A)アクリルアミドやメタクリルアミドとアニオン性
ビニル系モノマーと、(B)三官能性ビニル系モノマー
とを共重合させて得られる架橋構造を有する重合体をマ
ンニッヒ反応させて得られるものであって、ベントナイ
トを併用することにより、地合をそこなうことなく優れ
たろ水性及び乾燥性を向上させるとともに、紙力の良好
な紙を与えることができる。
【0011】本発明においては、前記(メタ)アクリル
アミド系架橋型重合体をを形成する(A)成分として
は、アクリルアミド又はメタクリルアミドの中から選ば
れた少なくとも1種と、アニオン性ビニルモノマーとの
混合物が用いられるが、経済性の面からアクリルアミド
とアニオン性ビニルモノマーとの混合物が好ましい。
【0012】また、この際用いられるアニオン性ビニル
系モノマーとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸
などのモノカルボン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイ
ン酸などのジカルボン酸及びこれらのカルボン酸のナト
リウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩などが挙げら
れる。これらのアニオン性ビニル系モノマーは単独で用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい
が、その使用量は、前記単量体成分に対し10モル%を
超えない範囲で選ばれる。最適な使用量は抄紙系のpH
によって、前記範囲内で適宜選ぶのが望ましい。
【0013】さらに、(B)成分として用いられる三官
能性ビニル系モノマーとしては、例えば1,3,5‐ト
リアクリロイルヘキサヒドロ‐S‐トリアジン、トリア
リルイソシアヌレート、N,N‐ジアリルアクリルアミ
ドなどを挙げることができる。これらの三官能性ビニル
系モノマーは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよく、また、その使用量は前記(A)成分
の合計量に対し、0.01〜0.5モル%、好ましくは
0.02〜0.3モル%の範囲で選ぶことが必要であ
る。この量が0.01モル%未満ではろ水性の向上効果
が不十分であるし、0.5モル%を超えると得られる共
重合体が水不溶性となり、本発明の目的が達せられな
い。
【0014】該架橋型重合体の製造方法については特に
制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。例
えば水性媒体中に、前記(A)成分及び(B)成分と、
過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩又
はこれらと亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤とを組み
合わせたレドックス系重合開始剤などのラジカル重合開
始剤と、必要に応じてイソプロピルアルコールやアリル
アルコールなどの連鎖移動剤を添加し、加熱して重合さ
せることにより、所望の架橋型重合体を製造することが
できる。このようにして得られる架橋型重合体は通常3
0万〜300万の粘度平均分子量を有する。
【0015】本発明においては、このようにして得られ
た架橋型重合体にマンニッヒ反応を施すが、このマンニ
ッヒ反応については特に制限はなく、従来公知の方法を
用いることができる。例えば該架橋型重合体に、ホルム
アルデヒド及びジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエ
タノールアミンなどのアミン類を加え反応させることに
より、該架橋型重合体のマンニッヒ反応生成物が得られ
る。このマンニッヒ反応生成物は、その(メタ)アクリ
ルアミド単位におけるアミド基の20〜80モル%、好
ましくは30〜60モル%がマンニッヒ反応により変性
されたものが好適である。
【0016】本発明方法においては、このようにして調
製された架橋型重合体のマンニッヒ反応生成物を抄紙用
添加剤として用い、パルプ懸濁液にベントナイトととも
に添加される。該ベントナイトはモンモリロナイトを主
成分とするものであって、例えばナトリウムベントナイ
ト、カルシウムベントナイト、さらには炭酸ナトリウム
やシュウ酸ナトリウムなどによる活性ベントナイトなど
が用いられるが、これらの中で特に活性ベントナイトが
好適である。
【0017】このベントナイトは、パルプ懸濁液にその
粉体を直接添加してもよいが、あらかじめ水で0.5〜
10重量%程度の濃度のベントナイトスラリーを調製
し、これを添加するのが作業性の面で好ましい。
【0018】また、該架橋型重合体のマンニッヒ反応生
成物の添加量はパルプスラリーの固形分100重量部当
り、通常固形分として0.01〜2重量部、好ましくは
0.02〜1重量部の範囲で選ばれる。一方、ベントナ
イトの使用量は、パルプスラリーの固形分100重量部
当り、通常0.01〜5重量部、好ましくは0.02〜
3重量部の範囲で選ばれる。さらに添加順序について
は、まず本発明のマンニッヒ反応生成物をパルプスラリ
ーに添加したのち、ベントナイトを添加するのが有利で
ある。
【0019】本発明の架橋構造を有するマンニッヒ反応
生成物は、直鎖構造のマンニッヒ反応生成物に比べて高
い分枝構造を有することから、パルプ繊維間の接点が多
く、繊維のフロック形成能に優れ、ベントナイトとの併
用により紙質に影響を与えることなく、本発明の目的で
あるろ水性と乾燥性の向上を可能にするものと推察され
る。
【0020】
【発明の効果】本発明の抄紙用添加剤は(メタ)アクリ
ルアミド系架橋型重合体のマンニッヒ反応生成物から成
るものであって、抄紙の際のろ水性及び湿紙の乾燥性を
向上させるとともに、紙力の増強をもたらす効果を奏す
る。
【0021】また、本発明方法よると、前記の(メタ)
アクリルアミド系架橋型重合体のマンニッヒ反応生成物
とベントナイトとを併用することにより、紙力の良好な
紙や板紙を生産性よく製造することができる。
【0022】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0023】なお、各特性は次のようにして求めた。 (1)ろ水速度 熊谷理器(株)製DDJを用いて、0.5wt%パルプ
スラリー600mlを容器に注ぎ、800rpmでかき
まぜながら下部のコックを開き200メッシュの金網に
てろ過し、ろ液が200ml、300ml、400ml
になるまでの時間をそれぞれ測定する。その時間が短い
ほどろ水性が良好であることを示す。
【0024】(2)破裂強度 JIS P‐8131に準拠して求めた。
【0025】(3)ろ水度 JIS P‐8121に準拠して求めた。数値が大きい
ほどろ水性が良好であることを示す。
【0026】調製例1 かきまぜ機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管を
備えた四つ口フラスコに、50wt%アクリルアミド水
溶液184g、80wt%アクリル酸水溶液10g、2
0wt%水酸化ナトリウム水溶液17.8g、1,3,
5‐トリアクリロイルヘキサヒドロ‐S‐トリアジン
0.07g、2wt%次亜リン酸ナトリウム水溶液25
g及びイオン交換水430.2gを仕込んだのち、窒素
ガスを通じて重合系内の酸素を除去した。
【0027】次いで、かきまぜながら、重合開始剤とし
て10wt%過硫酸アンモニウム水溶液3gを加え、7
5℃まで昇温し、1時間保温したのち、80℃まで昇温
して、その温度を2時間維持して重合を完了させ、不揮
発分15.3wt%、pH4.5、粘度12000cp
s(25℃)の架橋型重合体を得た。
【0028】次に、この重合体を40℃に保温し、これ
に50wt%ジメチルアミン水溶液48.97g、37
wt%ホルムアルデヒド水溶液31.52gを加え、3
時間反応させたのち、イオン交換水を加えて不揮発分1
5.0wt%、pH11.4、粘度9000cps(2
5℃)及びマンニッヒ変性率がアクリルアミド単位に対
し30モル%のマンニッヒ反応生成物A‐2を得た。
【0029】モノマー組成を変え、前記と同様にして表
1に示すマンニッヒ反応生成物A‐1、A‐3、A‐
4、A‐5及びA‐0を得た。
【0030】
【表1】
【0031】(注) AM:アクリルアミド AAC:アクリル酸 TAF:1,3,5‐トリアクリロイルヘキサヒドロ‐
S‐トリアジン
【0032】実施例1〜5、比較例 パルプスラリー[パルプ:段ボール故紙、カナディアン
スタンダードフリーネス(CSF)380ml]に、そ
の固形分100重量部に対し、硫酸アルミニウム1.0
重量部、調製例1で得たマンニッヒ反応生成物それぞれ
0.4重量部(固形分換算)及びベントナイト[クニソ
ープ、クニミネ工業(株)製]0.2重量部を添加し、
TAPPIスタンダードシートマシンを用い、pH5.
0で抄紙し、さらに105℃、3分間(ドラムドライヤ
ー)の条件にて乾燥し手抄き紙を作製した。
【0033】このようにして得られた手抄き紙を20
℃、65%相対湿度の条件で24時間調湿したのち、破
裂強度を測定し、さらに抄紙時のパルプスラリーを用い
てDDJ(Dynamic Drainage Ja
r)によるろ水速度試験を行った。その結果を表2に示
す。
【0034】
【表2】
【0035】以上の結果から、本発明の架橋型重合体の
マンニッヒ反応生成物は、三官能性ビニル系モノマーを
用いていない未架橋型重合体マンニッヒ反応生成物に比
べてろ水性向上効果に優れるとともに、紙の強度におい
ても優れていることが分かる。また、アクリルアミドに
対するアニオン性ビニルモノマーの共重合割合はろ水性
の向上効果から10モル%以下で十分であることが分か
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−114911(JP,A) 特開 平2−61197(JP,A) 特開 平1−92499(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 17/00 - 27/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アクリルアミド及びメタクリルア
    ミドの中から選ばれた少なくとも1種の不飽和アミドと
    10モル%を超えない量のアニオン性ビニルモノマーと
    の混合物と、(B)(A)成分の合計量に基づき0.0
    1〜0.5モル%の三官能性ビニル系モノマーとの架橋
    型共重合体のマンニッヒ反応生成物から成る抄紙用添加
    剤。
  2. 【請求項2】 パルプ懸濁液に、その固形分100重量
    部当り0.01〜2重量部の請求項1の抄紙用添加剤及
    び0.01〜5重量部のベントナイトを加え、抄紙する
    ことを特徴とする製紙方法。
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