JP3039562B2 - 走査型電子顕微手段を内蔵した複合化装置 - Google Patents
走査型電子顕微手段を内蔵した複合化装置Info
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Description
本発明は、走査型トンネル顕微鏡(STM),原子間力
顕微鏡(AFM)などの観察・計測装置や化学蒸着(CVD)
装置,集束イオンビーム(FIB)装置,ドライエッチン
グ装置などの加工・処理装置と走査型電子顕微装置との
複合化装置に関するものである。
顕微鏡(AFM)などの観察・計測装置や化学蒸着(CVD)
装置,集束イオンビーム(FIB)装置,ドライエッチン
グ装置などの加工・処理装置と走査型電子顕微装置との
複合化装置に関するものである。
例えば、走査型トンネル顕微鏡(STM)などの近視野
顕微鏡は、広い視野の観察には適さないため、視野の選
択を容易にするために、走査型電子顕微鏡(SEM)と複
合化させることが行なわれている。 従来、STM等の観察・計測装置とSEM装置との複合化
は、電子線の集束手段として磁界レンズを用いた大型SE
M装置の試料室内にSTM機能部を内蔵させることによって
実現されている。このような複合化の一例は、レビュー
オブ サイエンティフィック インスツルメンツ 第
57巻,第2号(1986年),第221頁〜第224頁[Review o
f Scientific Instruments vvol.57,No2(1986),pp.22
1−224]に開示されている。 また、化学蒸着(CVD)装置,集束イオンビーム(FI
B)装置やドライエッチング装置などの加工・処理装置
においては、試料の加工や処理の状態をモニタリングす
るために、SEM装置と複合化することが行なわれてい
る。 従来、このような加工・処理装置とSEM装置との複合
化は、これら加工・処理装置の横に、電子線の集束手段
として磁界レンズを用いた大型SEM装置を並設し、加工
・処理装置の試料室とSEMの試料室と連通口を介して連
結させることによって行なわれている。そして、SEM装
置による試料の観察を行なう際には、上記連通口を通し
て試料を加工・処理装置の試料室内からSEM装置の試料
室内へ移動させるようにしている。このようにした一例
は、特開昭61−256554号公報に開示されている。
顕微鏡は、広い視野の観察には適さないため、視野の選
択を容易にするために、走査型電子顕微鏡(SEM)と複
合化させることが行なわれている。 従来、STM等の観察・計測装置とSEM装置との複合化
は、電子線の集束手段として磁界レンズを用いた大型SE
M装置の試料室内にSTM機能部を内蔵させることによって
実現されている。このような複合化の一例は、レビュー
オブ サイエンティフィック インスツルメンツ 第
57巻,第2号(1986年),第221頁〜第224頁[Review o
f Scientific Instruments vvol.57,No2(1986),pp.22
1−224]に開示されている。 また、化学蒸着(CVD)装置,集束イオンビーム(FI
B)装置やドライエッチング装置などの加工・処理装置
においては、試料の加工や処理の状態をモニタリングす
るために、SEM装置と複合化することが行なわれてい
る。 従来、このような加工・処理装置とSEM装置との複合
化は、これら加工・処理装置の横に、電子線の集束手段
として磁界レンズを用いた大型SEM装置を並設し、加工
・処理装置の試料室とSEMの試料室と連通口を介して連
結させることによって行なわれている。そして、SEM装
置による試料の観察を行なう際には、上記連通口を通し
て試料を加工・処理装置の試料室内からSEM装置の試料
室内へ移動させるようにしている。このようにした一例
は、特開昭61−256554号公報に開示されている。
上述した従来の複合化技術においては、SEM装置自体
が非常に大型であるため、該SEM装置をSTMなどの観察・
計測装置や、CVD装置,FIB装置,ドライエッチング装置
などの加工・処理装置に複合化しようとすると、複合化
された装置全体が極めて大型になってしまうという問題
があった。 また、上記した従来技術に従って、観察・計測装置や
加工・処理装置にSEM装置を複合化する場合には、これ
ら観察・計測装置や加工・処理装置のための真空排気系
以外に、新たにSEM装置用の真空排気系を設けることが
必要になるという問題点があった。 さらに、上記従来技術による観察・計測装置とSEM装
置との複合化においては、SEM装置自体が固定設置され
ているため、観察・計測装置側での観察・計測のための
試料移動機構に加えて、SEM装置側でのSEM観察のための
試料移動機構が新たに必要となる。また、上記従来技術
による加工・処理装置とSEM装置との複合化において
は、加工・処理装置の試料室内からSEM装置の試料室内
まで試料を移動させるための試料移動機構がさらに必要
となる。このように、試料を移動させるための機構やそ
の操作が複雑になってしまうという問題があった。 本発明の目的は、上述したような観察・計測装置や加
工・処理装置の構造を格別に大型化することなく、これ
ら観察・計測装置や加工・処理装置にSEM装置を複合化
してなる複合化装置を提供することにある。 本発明の他の目的は、上述したような観察・計測装置
や加工・処理装置に新たな真空排気手段を付設すること
なく、これらの観察・計測装置や加工・処理装置にSEM
装置を複合化してなる複合化装置を提供することにあ
る。 本発明のさらに他の目的は、上述したような観察・計
測装置や加工・処理装置に新たな試料移動機構系を付設
することなく、これらの観察・計測装置や加工・処理装
置にSEM装置を複合化してなる複合化装置を提供するこ
とにある。 本発明のさらに他の目的は、上記したような加工・処
理装置にSEM装置を複合化してなる装置において、試料
の加工・処理を行なわせることによってSEM装置の性能
が劣化せしめられることがないように改良された複合化
装置を提供することにある。
が非常に大型であるため、該SEM装置をSTMなどの観察・
計測装置や、CVD装置,FIB装置,ドライエッチング装置
などの加工・処理装置に複合化しようとすると、複合化
された装置全体が極めて大型になってしまうという問題
があった。 また、上記した従来技術に従って、観察・計測装置や
加工・処理装置にSEM装置を複合化する場合には、これ
ら観察・計測装置や加工・処理装置のための真空排気系
以外に、新たにSEM装置用の真空排気系を設けることが
必要になるという問題点があった。 さらに、上記従来技術による観察・計測装置とSEM装
置との複合化においては、SEM装置自体が固定設置され
ているため、観察・計測装置側での観察・計測のための
試料移動機構に加えて、SEM装置側でのSEM観察のための
試料移動機構が新たに必要となる。また、上記従来技術
による加工・処理装置とSEM装置との複合化において
は、加工・処理装置の試料室内からSEM装置の試料室内
まで試料を移動させるための試料移動機構がさらに必要
となる。このように、試料を移動させるための機構やそ
の操作が複雑になってしまうという問題があった。 本発明の目的は、上述したような観察・計測装置や加
工・処理装置の構造を格別に大型化することなく、これ
ら観察・計測装置や加工・処理装置にSEM装置を複合化
してなる複合化装置を提供することにある。 本発明の他の目的は、上述したような観察・計測装置
や加工・処理装置に新たな真空排気手段を付設すること
なく、これらの観察・計測装置や加工・処理装置にSEM
装置を複合化してなる複合化装置を提供することにあ
る。 本発明のさらに他の目的は、上述したような観察・計
測装置や加工・処理装置に新たな試料移動機構系を付設
することなく、これらの観察・計測装置や加工・処理装
置にSEM装置を複合化してなる複合化装置を提供するこ
とにある。 本発明のさらに他の目的は、上記したような加工・処
理装置にSEM装置を複合化してなる装置において、試料
の加工・処理を行なわせることによってSEM装置の性能
が劣化せしめられることがないように改良された複合化
装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の一実施例にお
いては、試料室内に置かれた試料の観察・計測または加
工・処理を行なう装置において、上記試料室の内部空間
中に、上記試料表面を走査電子顕微法により観察するた
めに上記試料表面に細く集束された電子線を走査しなが
ら照射する集束電子線照射手段を内蔵させてなることを
特徴としている。 また、本発明の他の一実施例においては、試料室内に
置かれた試料の観察・計測または加工・処理を行なう装
置に、上記試料表面を走査型電子顕微法により観察する
ために上記試料表面に細く集束された電子線を走査しな
がら照射するための集束電子線照射手段を付設し、上記
試料室内を真空排気する排気系と上記集束電子線照射手
段の内部を真空排気する排気系とを共用する如く構成し
てなることを特徴としている。 また、本発明のさらに他の一実施例においては、試料
の観察・計測または加工・処理を行なう装置に内蔵もし
くは付設された集束電子線照射手段の試料に対する相対
位置関係を可変ならしめる手段を付設してなることを特
徴としている。 また、本発明のさらに他の一実施例においては、試料
への集束電子線照射によって発生する二次電子を検出す
るための二次電子検出手段の試料に対する相対位置関係
を上記集束電子線照射手段の試料に対する相対位置関係
と共に可変ならしめる手段を付設してなることを特徴と
している。 また、本発明のさらに他の一実施例においては、上記
の集束電子線照射手段を上記試料の加工・処理領域から
隠蔽する手段を付加してなることを特徴としている。 また、本発明のさらに他の一実施例においては、上記
の集束電子線照射手段における電子線集束手段を全て静
電レンズによって構成してなることを特徴としている。
いては、試料室内に置かれた試料の観察・計測または加
工・処理を行なう装置において、上記試料室の内部空間
中に、上記試料表面を走査電子顕微法により観察するた
めに上記試料表面に細く集束された電子線を走査しなが
ら照射する集束電子線照射手段を内蔵させてなることを
特徴としている。 また、本発明の他の一実施例においては、試料室内に
置かれた試料の観察・計測または加工・処理を行なう装
置に、上記試料表面を走査型電子顕微法により観察する
ために上記試料表面に細く集束された電子線を走査しな
がら照射するための集束電子線照射手段を付設し、上記
試料室内を真空排気する排気系と上記集束電子線照射手
段の内部を真空排気する排気系とを共用する如く構成し
てなることを特徴としている。 また、本発明のさらに他の一実施例においては、試料
の観察・計測または加工・処理を行なう装置に内蔵もし
くは付設された集束電子線照射手段の試料に対する相対
位置関係を可変ならしめる手段を付設してなることを特
徴としている。 また、本発明のさらに他の一実施例においては、試料
への集束電子線照射によって発生する二次電子を検出す
るための二次電子検出手段の試料に対する相対位置関係
を上記集束電子線照射手段の試料に対する相対位置関係
と共に可変ならしめる手段を付設してなることを特徴と
している。 また、本発明のさらに他の一実施例においては、上記
の集束電子線照射手段を上記試料の加工・処理領域から
隠蔽する手段を付加してなることを特徴としている。 また、本発明のさらに他の一実施例においては、上記
の集束電子線照射手段における電子線集束手段を全て静
電レンズによって構成してなることを特徴としている。
上記した本発明の特徴的構成によれば、試料室の内部
空間中に集束電子線照射手段を内蔵させたことにより、
観察・計測装置または加工・処理装置の構造寸法を特別
に大型化することなく、これら装置にSEM装置を複合化
してやることができる。 また、上記したように、観察・計測装置または加工・
処理装置の試料室との真空排気系と集束電子線照射手段
の真空排気系とを共用する構成としたことにより、集束
電子線照射手段のために新たな真空排気手段を設けるこ
となく、これら装置にSEM装置を複合化してやることが
できる。 また、上記したように、集束電子線照射手段の試料に
対する相対位置関係を可変ならしめる構成としたことに
より、観察・計測装置または加工・処理装置側に新たな
試料移動機構系を設けることなく、これら装置にSEM装
置を複合化してやることができる。 また、上記したように、集束電子線照射手段を試料の
加工・処理領域から隠蔽する手段を付加したことによ
り、試料の加工・処理を行なうことにってSEM装置側の
性能を劣化させることのない、加工・処理装置とSEM装
置との複合化装置が得られる。 本発明のさらに他の特徴並びにそれに伴って得られる
作用効果については、以下の実施例を挙げての説明の中
で逐次明らかにされよう。
空間中に集束電子線照射手段を内蔵させたことにより、
観察・計測装置または加工・処理装置の構造寸法を特別
に大型化することなく、これら装置にSEM装置を複合化
してやることができる。 また、上記したように、観察・計測装置または加工・
処理装置の試料室との真空排気系と集束電子線照射手段
の真空排気系とを共用する構成としたことにより、集束
電子線照射手段のために新たな真空排気手段を設けるこ
となく、これら装置にSEM装置を複合化してやることが
できる。 また、上記したように、集束電子線照射手段の試料に
対する相対位置関係を可変ならしめる構成としたことに
より、観察・計測装置または加工・処理装置側に新たな
試料移動機構系を設けることなく、これら装置にSEM装
置を複合化してやることができる。 また、上記したように、集束電子線照射手段を試料の
加工・処理領域から隠蔽する手段を付加したことによ
り、試料の加工・処理を行なうことにってSEM装置側の
性能を劣化させることのない、加工・処理装置とSEM装
置との複合化装置が得られる。 本発明のさらに他の特徴並びにそれに伴って得られる
作用効果については、以下の実施例を挙げての説明の中
で逐次明らかにされよう。
以下、本発明の実施例につき、図面を参照して、詳細
に説明する。 第1図に、本発明の一実施例になる複合装置の概略構
成を示す。本実施例は、STM(走査型トンネル顕微鏡)
の原理を応用したAFM(原子間力顕微鏡)の試料室内に
超小型SEMを内蔵させた複合化装置の例である。ここで
は、超高真空容器17の中にAFM装置が設置され、該容器1
7内にアタッチメントとして三次元(xyz)移動機構2に
よって保持された超小型SEM装置の鏡筒部1が内蔵設置
されている。 上記AFM装置は、試料3を保持する試料台4,AFM用の探
針5,該AFM用探針5を保持するカンチレバー6,STM用の探
針7,該STM用探針7の三次元(XYZ)方向位置を制御する
ための圧電素子8X,8Y,8Zからなるトライポッド型スキャ
ナ8,上記試料台4の三次元(XYZ)方向位置を制御する
ための圧電素子9X,9Y,9Zからなるトライポッド型スキャ
ナ9,ベース(支持台)10,カンチレバー6とSTM用スキャ
ナ8とを搭載しベース10上を滑り移動するスライダ11,
該スライダ11上でSTM用スキャナ8をZ軸方向に移動さ
せるためのステップ移動機構12,ベース10上でスライダ1
1をZ軸,X軸方向にそれぞれ移動させるためのステップ
移動機構13,14,ベース10に対しAFM用スキャナ9をY軸
方向に移動させるためのステップ移動機構15,並びに積
層型防振機構16から構成されている。なお、ここでは、
それぞれの構成要素の動作を制御するための制御系につ
いては、図示を省略してある。 上記した構成のAFM装置は、一定斥力モード(探針5
の先端と試料3との間に作用する斥力を一定に保持した
状態)で動作せしめられる。すなわち、AFM用スキャナ
9のZ軸圧電素子9Zを伸長させることによって試料3を
探針5の先端に近づけていくと、探針5の先端と試料3
との間に作用する原子間力(この場合は、斥力)によっ
てカンチレバー6が押されて反り返るが、この時のカン
チレバー6の姿勢(反り返りの状態)が一定となるよう
にZ軸圧電素子9Zの伸縮状態を制御する。この時のカン
チレバー6の姿勢が一定かどうかは、STM用探針7の先
端とカンチレバー6との間の距離が一定かどうかによっ
てチェックされる。つまり、STM用探針7の先端とカン
チレバー6との間に流れるトンネル電流を監視し、該ト
ンネル電流が一定に保たれるようにZ軸圧電素子9Zの伸
縮状態を制御すれば、カンチレバー6の姿勢は常に一定
に保たれる。 したがって、AFM用スキャナ9のX,Y軸圧電素子9X,9Y
によって試料4をXY面内で二次元走査(例えば、ラスタ
ー走査)しながら、上記したようにカンチレバー6の姿
勢が常に一定になるようにZ軸圧電素子9Zによる試料3
のZ軸方向位置制御を行なえば、この時の走査信号(圧
電素子9X,9Yの駆動信号)と圧電素子9Zの駆動信号とを
用いて試料3の表面構造を表示させ、これを観察するこ
とができる。 しかしながら、上記したAFM装置においては、AFM用ス
キャナ9による走査範囲を広くとることが難しいため、
試料表面の高々数μm角程度の範囲しか観察することが
できない。このため、走査範囲の広いSEMによって予め
試料表面の広い範囲を観察して、AFM観察を所望する領
域を探し出すことが必要である。また、上記したAFM装
置においては、STM機構が用いられているため、カンチ
レバー6の裏面の所定位置にSTM用探針7を精密にアラ
イメントすることが必要である。 そこで、本実施例においては、AFM装置による観察視
野の選定を行なう場合には、第2図に示すように、SEM
鏡筒部1の光学軸(電子線軸)を試料3の表面に指向さ
せて試料表面の広い範囲についてのSEM法による観察を
行なったり、試料表面とAFM用探針5先端との同時観察
による両者の位置関係の確認を行なう。また、STM用探
針7のカンチレバー6裏面へのアライメントを行なう場
合には、第3図に示すように、移動機構2によってSEM
鏡筒部1をx,y,あるいはz軸方向に移動させることによ
りSEM鏡筒部1の光学軸をカンチレバー6の裏面に指向
させてSEM法によるカンチレバー6の裏面とSTM用探針7
との同時観察を行なうことによってSTM用探針7のカン
チレバー6の裏面の所定位置への位置合わせ(アライメ
ント)を行なう。 上述したSEM鏡筒部1およびその移動機構2の具体的
構成例を第4図に示す。第4図において、超小型SEMの
鏡筒部1は、電子線集束用レンズとして、励磁コイルの
必要な磁界レンズを用いずに、電極101,104,105および1
06からなる静電レンズを用いているため非常に小型に構
成されている。一例として、第1電極101の外径(鏡筒
部太さ)は30mm、電子銃取付用フランジ116の上面から
第1電極101の下面までの距離(鏡筒部長さ)は100mmと
なっている。このように、本発明による全静電レンズ構
成のSEM鏡筒部は、従来の磁界レンズを用いた鏡筒部構
成に比べ、体積的に約1/100となっているため、該SEM鏡
筒部1全体をAFM装置の超高真空容器17内に内蔵させた
り、該鏡筒部1を超高真空容器17内で移動させたり、該
鏡筒部1内を真空排気するための排気系をAFM装置用の
排気系と共用させたりすることが可能となっている。こ
のSEM鏡筒部1は、電子銃141,第1電極101,第2電極10
4,第3電極105,第4電極106,偏向コイル(あるいはアラ
イメントコイルを含んだ偏向コイル)102,該偏向コイル
を取り付けるための絶縁物製ボビン103,電極105,106を
保持する絶縁碍子107,鏡筒部1を支持するホルダ108,お
よび、電子銃114を支持するフランジ116より構成されて
いる。そして、鏡筒部1は、超高真空容器17の真空壁に
設けられた開口部に気密に取り付られるフランジ111に
ベローズ109を介して取り付けられている。また、鏡筒
部1を動かすための移動機構2は、ホルダ108の上部に
形成されたネジ部118に嵌め合わされたナット113を回転
することにより鏡筒部1を光学軸方向(z軸方向)に移
動させるように構成されたz軸移動機構部と、ナット11
3の側面にx,y軸方向からそれぞれ当接された微動ネジ11
0x,110y(y軸方向については図示省略)を回転するこ
とにより鏡筒部1を光学軸に直角な面内でx,y軸方向に
移動させるように構成されたx,y軸移動機構部とからな
っている。なお、ナット113をスムーズに動かせるよう
にするために、ナット113の下面とフランジ111との間に
ボール112が設けられている。ホルダ108とフランジ111
との間には弾性変形するベローズ109が取付けられてお
り、これによって、超高真空容器17内の真空度を維持し
たままの状態で上記した鏡筒部1の移動が可能になって
いる。 上記した構成のSEM装置は次のように動作する。第4
図において、電子銃114の電子放出チップ先端と電子引
出電極としての第4電極104との間に形成された引出電
界によって上記チップ先端から引き出された電子線は、
第2,第3,第4電極104,105,106の三電極からなるコンデ
ンサレンズおよび第1,第2電極101,104の二電極からな
る対物レンズによって細く集束されて試料3上に照射せ
しめられる。さらに、該集束電子線は、第2電極104に
囲まれていることによって該第2電極104と同電位に保
たれている空間内において、電磁偏向コイル102(これ
は静電偏向電極であってもよい)により偏向され、試料
3の表面上で二次元的に走査される。該電子線の照射に
よって試料3表面から放出された二次電子は二次電子検
出器(図示省略)によって検出され、該検出信号を映像
信号して制御・表示装置117内の表示部に試料3表面の
二次元二次電子像を表示させることができる。これらの
制御,信号処理,表示などに関する操作は、すべて制御
・表示装置117によって行なわれるものとする。なお、
鏡筒部1の各電極やコイル等への電圧,電流の供給およ
び二次電子検出信号の取出しは導入端子115を介して行
なわれるものとするが、第4図中では、図面の煩雑化を
避けるために、配線の細部の様子については図示を省略
してある。 上記した対物レンズを構成する第1,第2電極101,104
のうち、電子銃114側にある第2電極104への印加電圧を
試料4側にある第1電極101(アース電位にある)に対
して正側の電圧とし、該印加電圧の大きさを調整して第
1電極101と第2電極104との間の電界を調節することに
より、該対物レンズのレンズ作用の強さが調節される。
そして、両電極の印加電圧間に所定の関係を成立させる
ことによって、対物レンズのレンズ主面が第1電極101
の下側に形成されるようになる。このことにより、レン
ズ主面と試料3表面との距離を短くすることができ、磁
界型対物レンズを用いた場合よりも光学収差を小さくで
きる。 一方、上記したコンデンサレンズは、電子電流の制御
やビームスポット径、焦点深度の調整を行なうためのも
のである。つまり、第3電極105の電圧を調節してコン
デンサレンズのレンズ作用を強くし対物レンズのレンズ
作用を弱くした状態で電子線を試料上にフォーカスさせ
ると、ビームスポット径は大きくなって分解能は低下す
るが、試料に照射される電子電流(プローブ電流)を大
きくし、かつ焦点深度を深くすることができる。これ
は、第3図のようにしてカンチレバー6の裏面にSTM用
探針7のアライメントを行なう場合のように、低倍率で
広い範囲を、しかも深い焦点深度で観察する必要がある
場合に有効である。これとは逆に、高分解能観察すなわ
ち小さなビームスポット径での観察を必要とする場合に
は、コンデンサレンズのレンズ作用を弱くし対物レンズ
のレンズ作用を強くしてフォーカスさせればよい。 本実施例においては、真空容器内に内蔵せしめられた
STM鏡筒部1の各電極コイルに供給すべき電圧や電流
は、フランジ111に取り付けられた複数本(図では、1
本だけを示したが)の導入端子115を介して導入され
る。このように、フランジ111に、SEM鏡筒部1やxyz移
動機構2を取付け、さらに、鏡筒部駆動用の電圧や電流
を供給するための導入端子115をも併せ設けておくこと
は、SEM装置をAFM装置等の真空試料室内にコンパクトに
内蔵させて複合化装置とすることを容易ならしめるもの
であり、極めて重要である。 なお、本実施例では、SEM鏡筒部1内の真空排気に
は、AFM装置の真空排気システムをそのまま兼用してい
る。この方式では、SEM鏡筒部1内の真空排気が十分効
率良く行なわれるようにするために、第1〜第4の電極
の電極構造やその支持体の構造を考慮することが必要で
ある。例えば、これら電極やその支持体の筒状部分の側
壁等に小さな排気孔を多数あけてやるなどの工夫を施す
ことが重要である。また、兼用する真空排気システムと
しては、超高真空用の排気システムとするのが望まし
い。例えは、第1図において、超高真空ポンプ21には、
ノーブルポンプ,イオンポンプ,あるいはチタンゲッタ
ポンプが、また、超高真空ポンプ22には、ターボ分子ポ
ンプ,ノーブルポンプ,イオンポンプ,あるいはチタン
ゲッタポンプが使用され、さらに、粗引き用の低真空ポ
ンプ23には、油回転ポンプが使用される。超高真空排気
用のポンプ21,22は、真空バルブ24,25を介して超高真空
容器17に接続され、低真空排気用のポンプ23は、真空バ
ルブ26を介して超高真空ポンプ22の低真空側に接続され
る。 さらに、二次電子検出器(図示省略)としては、従来
のSEM装置に使用されているものを用いれば良い。この
二次電子検出器は別のフランジに設置してもよいが、空
間的に余裕があるならばSEM鏡筒部1が取り付けられて
いるフランジに併設できればより便利である。 SEM鏡筒部1のx,y軸方向の移動は、微動ネジ110x,110
y(後者については図示省略)を回すことにより、ナッ
ト113を介して鏡筒部1を支持しているホルダ108をx,y
軸方向に微動(微動範囲は1mm角程度)させて行なう。
このとき、ナット113は大気圧により常にフランジ面に
押しつけられているので、両者間にボール112を介在さ
せることによりナット113を移動し易くしてやることが
重要である。また、z軸方向の移動は、ナット113を回
転することにより、鏡筒部1を支持しているホルダ108
を上下させて行なう。このように構成された移動機構を
用いて鏡筒部1を移動させることにより、第2図および
第3図に示したような態様での使用が可能になる。な
お、鏡筒部1の中心軸(光学軸)のフランジ面に対する
傾斜は、例えば、ナット113の下面を球面状とし、該球
面状ナット下面とボール112との間に球面座を有する中
間移動部材を設ける等の工夫を施すことにより実現でき
る。なお、この場合には、微動ネジ110x,110yは、上記
の中間移動部材に当接せしめられる。この鏡筒部1の傾
斜運動と前述したx,y軸方向運動とを複合化することに
より、鏡筒部1のより複雑な運動が実現できる。 第5図に、本発明の他の一実施例になる複合装置の概
略構成を示す。本実施例は、STM(走査型トンネル顕微
鏡)に超小型SEMを内蔵させた複合化装置の例である。
これは、第1図に示したAFM装置における探針5とカン
チレバー6とを取り除き、STM用探針7を直接試料3表
面に近づけて試料表面のSTM観察を行なうようにした所
謂STM装置において、STM観察の際の観察視野の選択、試
料表面観察あるいはSTM用探針7先端の評価のためのSEM
観察を可能にするために、STM装置内に超小型SEMを内蔵
させたものである。ここでも、高倍率から低倍率までの
SEM観察を行なうためのSEM鏡筒部1とその移動機構2と
が必要となるが、これらの部分については、第1〜4図
で説明した具体例と同様な構成を採ることによって容易
に実現可能である。 なお、内蔵させたSEM装置を用いることによって、上
記した二次電子像以外に、反射電子像、試料吸収電子像
やオージェ電子像を得ることも可能である。この場合、
反射電子は半導体検出器で、オージェ電子はエネルギア
ナライザで検出することができる。これらの検出器は、
図には示していないが、従来から使用されているものを
試料3の近傍に配置してやればよい。 上記の実施例では、AFM装置またはSTM装置に超小型SE
Mを複合化した具体例について述べたが、STM装置におけ
るトンネル電流の検出やAFM装置における原子間力(微
小力)の検出以外に、磁気力,静電力,光,電磁波,音
波,歪波,熱(温度),静電容量などの物理量を検出し
ても試料表面の構造や物理的,電気的性質を観察,計測
することができる。これら種々の物理量を用いる近視野
顕微鏡に対しても、上記した実施例と同様にして、超小
型SEMを複合化してやることが有効である。 第6図に、本発明のさらに他の一実施例になる複合装
置の概略構成を示す。本実施例は、分子線結晶成長装置
に超小型SEMを内蔵させた複合化装置の例である。すな
わち、本複合化装置は、分子線源201,202,203を内蔵し
た分子線結晶成長装置の試料室(処理室)204内に移動
機構2を備えたSEM鏡筒部1を内蔵させることにより、
分子線結晶成長装置とSEM装置とを複合化したものであ
る。SEM鏡筒部1およびその移動機構2は、第4図に示
したものと同様の構造のものでよい。SEM鏡筒部1が非
常に小型にできているため、この場合にも、試料室204
内の排気とSEM鏡筒部1内の排気は共通の排気系によっ
て行なわれる。 次に、本複合化装置の使用例について説明する。第6
図において、試料台4上に載置された試料3はGaAs単結
晶からなる結晶成長用の基板であり、分子線源201,202,
203としては、それぞれGa,Al,Asのソースが用いられて
いるものとする。試料(基板)3上に結晶成長を行なわ
せるに先立って、先ず基板(GaAs基板)3上にSEM鏡筒
部1から細く絞った電子線210を走査しながら照射し、
基板表面から放出される二次電子205を二次電子検出器2
06によって検出し、該検出信号を用いて基板表面の二次
電子像を表示させ、基板の表面状態をSEM観察する。こ
れにより、基板表面上の異物や欠陥等についての情報が
得られる。しかる後に、Ga,Al,Asの各ソースから分子線
を発生させて、基板3表面上にGaAlAs層を20nm結晶成長
させる。その後、この結晶成長したGaAlAs層の表面を上
記した電子線走査によるSEM法により観察し、成長結晶
中の結晶欠陥の有無を調べる。この様にして、基板表面
や成長結晶表面の観察と結晶成長とを繰返し行なうこと
により、基板表面上に存在する異物や欠陥とその上の成
長結晶中に現われる欠陥との間の因果関係を調べること
ができる。 第7図に、本発明のさらに他の一実施例になる複合装
置の概略構成を示す。本実施例は、ガスプラズマを利用
するドライエッチング装置に超小型SEMを内蔵させて複
合化装置とした例である。本装置は、ガスプラズマによ
るドライエッチング装置の試料室(処理室)204内に、
移動機構2により移動可能に保持されたSEM鏡筒部1を
内蔵させたものである。SEM鏡筒部1は、第4図に示し
たものと同じ構造であり、非常に小型にできている。こ
のため、エッチング装置としての性能に悪影響を与える
ことなく、SEM鏡筒部1を試料(被処理物)3の近傍に
配置させることが可能となった。 ここでは、試料(被処理物)3は、第8図(a)に示
したようなGaAs/GaAlAs多層結晶体であるとし、そのド
ライエッチング処理を行なう場合を例にとって説明す
る。第8図(a)において、GaAs基板207上に結晶成長
によって形成されているGaAlAs層208の厚さは10nmであ
り、さらにその上のGaAs層209の厚さは20nmである。こ
の多層結晶体は、第6図に示した分子線結晶成長装置を
用いて作成したものである。この様な分子線結晶成長に
より得られたGaAs/GaAlAs多層結晶体における各層の界
面での結晶成長状態を調べるためには、結晶成長後の多
層結晶体を選択エッチングすることにより調べようとす
る結晶層の表面を露出させ、該露出層の表面状態を観察
する必要がある。本実施例による複合化装置によれば、
このような要求に対しても、次のようにして容易に応え
ることができる。 まず、SEM鏡筒部1の先端に設けられた開閉弁211を閉
じた状態で、試料(多層結晶体)3を試料台4上に載置
し、処理室204内を一旦真空排気してから、該処理室内
に例えばCCl2F2ガスなどの反応性ガスを導入すると共に
高周波電源212によって電極213に高周波電圧を印加し
て、該電極213と試料3との間に反応性ガスのプラズマ
を発生させる。この発生プラズマによって試料3のエッ
チング処理が行なわれる。 なお、上記した開閉弁211は、反応性ガスを用いてエ
ッチング処理が行なわれる際に、該反応性ガスがSEM鏡
筒部1の内部に侵入して電極等の電子光学部品を腐食さ
せることによってその電子光学特性を劣化させることが
ないようにするために、SEM鏡筒部1の内部空間をエッ
チング処理が行なわれている空間から隠蔽(遮断)する
ために設けられたものである。また、本実施例において
は、反応性ガスの導入によって処理室204内の真空度が
低下した場合でも、SEM鏡筒部1の内部空間(とくに、
電子源付近の空間)は高真空状態に維持できるようにす
るために、SEM鏡筒部1側の真空排気には、処理室204内
を真空排気するための排気系とは異なる独立した排気系
を用いている。なお、処理室204内の真空度が低下した
場合に、上記した開閉弁211を閉じてやることによっ
て、SEM鏡筒部1内を高真空状態に維持することがさら
に容易になる。 上述したCCl2F2ガスのプラズマを用いたエッチング処
理においては、GaAs層はエッチングされるがGaAlAs層は
エッチングされないという、非常に材料選択性に富んだ
反応性エッチングが行なれる。このため、第8図(a)
に示したような多層結晶体をエッチングした場合、先ず
最上層のGaAs層209がエッチングにより除去されてその
下のGaAlAs層208が露出した状態(第8図(b))にお
いて、エッチングはそれ以上進まなくなり、自動的に停
止する。この段階で、プラズマ発生のための反応性ガス
の供給並びに高周波電圧の印加を停止し、処理室204内
を真空排気してから、開閉弁211を開き、SEM鏡筒部1を
動作させて集束電子線210を露出されたGaAlAs層208を表
面に走査しながら照射し、該層表面のSEM像観察を行な
う。このSEM像観察により、例えば、該層表面の凹凸状
態から結晶欠陥の有無を調べたり、あれいは、該層表面
から放出される二次電子の強度分布から金属不純物を含
む領域208′の有無などを検知することができる。 第9図に、本発明のさらに他の一実施例になる複合装
置の概略構成を示す。本実施例は、FIB装置(集束イオ
ンビーム装置)の試料室内に超小型SEMを内蔵させて複
合化装置とした例である。図において、イオン源220か
らイオン引出電極222によって引き出されたイオンビー
ム221は、第一集束レンズ223および第二集束レンズ225
によって細く集束されて試料3上に照射される。この
際、ブランキング電源224によりイオンビームのON,OFF
が制御され、偏向電極226によりイオンビームの照射位
置が制御される。 試料3表面へのイオンビーム221の照射と同時に、ガ
スボンベ231からノズル229を通してエッチングガスを試
料3表面に供給し、該試料表面のイオンビーム照射部位
において局所的に反応性エッチングを行なわせることが
できる。また、イオンビーム221の照射と同時に、ガス
ボンベ232からノズル230を通してCVDガスを試料3表面
に供給し、該試料表面のイオンビーム照射部位において
局所的なCVD反応を行なわせることができる。これらの
局所加工のモニタリングのために、SEM鏡筒部1が試料
室204内に設けられている。ここで、試料室204とイオン
ビームチャンバ233とSEM鏡筒部1は、それぞれ独立の真
空排気系(図示せず)により個別に排気できるように構
成されているものとし、それによって、イオンビームチ
ャンバ233の内部のSEM鏡筒部1の内部は常に高真空状態
に維持されているものとする。 SEM鏡筒部1は、試料3表面に対する電子線210の照射
傾き角θを変化させるためのθ駆動部227および電子線2
10の試料3周りでの照射方位角φを変化させるためのφ
駆動部228に取り付けられており、試料3に対して常に
最適な方向(傾き角および方位角)から電子線を照射で
きるように構成されている。SEM鏡筒部1からの電子線
照射によって試料3表面から放出される二次電子を二次
電子検出器(図示せず)により検出し、該検出信号を用
いて試料表面のSEM像を表示させることにより、上記し
た局所加工部における加工(処理)形状を詳細にモニタ
リングすることができる。この場合、SEM鏡筒部1が大
きく動いた場合でも常に同じ条件で二次電子を検出でき
るようにするために、二次電子出器はSEM鏡筒部1に対
して所定の位置関係を保持した状態でSEM鏡筒部1に固
定支持され、SEM鏡筒部1を移動させた場合それと一緒
になって二次電子検出器も移動するように構成されてい
るのが望ましい。また、イオンビーム221により試料3
の任意個所に任意深さの穴を掘り、この穴の側面にSEM
鏡筒部1からの電子線を照射して、穴側面をSEM観察す
ることにより、試料の任意個所における断面構造を容易
に観察することができる。 従来、このような加工・処理状態のSEM観察は、試料
を加工・処理装置内から一旦大気中に取り出してから改
めてSEM装置の試料室内に導入することによって、ある
いは、第10図に示すように加工・処理を行なうための試
料室204の横脇に大型のSEM鏡筒部250を備えたSEM観察用
の試料室251を設け、両試料室間をゲートバルブ252を有
する連通口253を介して接続しておき、試料3を加工・
処理用の試料室204内からSEM観察用の試料室251内へ移
動させることによって行なわれていた。しかしながら、
前者のように一旦大気中に試料を取り出す方式において
は、試料表面が酸化してしまったり、異物が付着しやす
いなどの問題点があった。また、後者のように加工・処
理装置の横にSEM装置を設ける構造では、装置全体が大
型化し、排気系や試料の移動機構などが複雑になってし
まうこと、また、それに伴って装置の操作も複雑になる
こと等の問題があった。 これに対し、上記した本発明実施例においては、加工
・処理を行なわせるための試料室204内に超小型SEMの鏡
筒部1を内蔵させているので、装置全体の大型化を防ぐ
ことができ、しかも、加工・処理と観察とを交互に繰り
返す際の試料移動機構をも不要とすることができる。ま
た、SEM鏡筒部が非常に小型であるため、分子線結晶成
長装置のように試料室内が高真空に保持される装置にお
いては、試料室内の排気系とSEM鏡筒部内の排気系を共
用化することができる。さらに、SEM鏡筒部を試料に対
して移動可能に構成しているので、加工・処理条件を変
化させることなく、つまり試料を全く移動させることな
く、試料の様々な領域を様々な方向から観察することが
可能となっている。
に説明する。 第1図に、本発明の一実施例になる複合装置の概略構
成を示す。本実施例は、STM(走査型トンネル顕微鏡)
の原理を応用したAFM(原子間力顕微鏡)の試料室内に
超小型SEMを内蔵させた複合化装置の例である。ここで
は、超高真空容器17の中にAFM装置が設置され、該容器1
7内にアタッチメントとして三次元(xyz)移動機構2に
よって保持された超小型SEM装置の鏡筒部1が内蔵設置
されている。 上記AFM装置は、試料3を保持する試料台4,AFM用の探
針5,該AFM用探針5を保持するカンチレバー6,STM用の探
針7,該STM用探針7の三次元(XYZ)方向位置を制御する
ための圧電素子8X,8Y,8Zからなるトライポッド型スキャ
ナ8,上記試料台4の三次元(XYZ)方向位置を制御する
ための圧電素子9X,9Y,9Zからなるトライポッド型スキャ
ナ9,ベース(支持台)10,カンチレバー6とSTM用スキャ
ナ8とを搭載しベース10上を滑り移動するスライダ11,
該スライダ11上でSTM用スキャナ8をZ軸方向に移動さ
せるためのステップ移動機構12,ベース10上でスライダ1
1をZ軸,X軸方向にそれぞれ移動させるためのステップ
移動機構13,14,ベース10に対しAFM用スキャナ9をY軸
方向に移動させるためのステップ移動機構15,並びに積
層型防振機構16から構成されている。なお、ここでは、
それぞれの構成要素の動作を制御するための制御系につ
いては、図示を省略してある。 上記した構成のAFM装置は、一定斥力モード(探針5
の先端と試料3との間に作用する斥力を一定に保持した
状態)で動作せしめられる。すなわち、AFM用スキャナ
9のZ軸圧電素子9Zを伸長させることによって試料3を
探針5の先端に近づけていくと、探針5の先端と試料3
との間に作用する原子間力(この場合は、斥力)によっ
てカンチレバー6が押されて反り返るが、この時のカン
チレバー6の姿勢(反り返りの状態)が一定となるよう
にZ軸圧電素子9Zの伸縮状態を制御する。この時のカン
チレバー6の姿勢が一定かどうかは、STM用探針7の先
端とカンチレバー6との間の距離が一定かどうかによっ
てチェックされる。つまり、STM用探針7の先端とカン
チレバー6との間に流れるトンネル電流を監視し、該ト
ンネル電流が一定に保たれるようにZ軸圧電素子9Zの伸
縮状態を制御すれば、カンチレバー6の姿勢は常に一定
に保たれる。 したがって、AFM用スキャナ9のX,Y軸圧電素子9X,9Y
によって試料4をXY面内で二次元走査(例えば、ラスタ
ー走査)しながら、上記したようにカンチレバー6の姿
勢が常に一定になるようにZ軸圧電素子9Zによる試料3
のZ軸方向位置制御を行なえば、この時の走査信号(圧
電素子9X,9Yの駆動信号)と圧電素子9Zの駆動信号とを
用いて試料3の表面構造を表示させ、これを観察するこ
とができる。 しかしながら、上記したAFM装置においては、AFM用ス
キャナ9による走査範囲を広くとることが難しいため、
試料表面の高々数μm角程度の範囲しか観察することが
できない。このため、走査範囲の広いSEMによって予め
試料表面の広い範囲を観察して、AFM観察を所望する領
域を探し出すことが必要である。また、上記したAFM装
置においては、STM機構が用いられているため、カンチ
レバー6の裏面の所定位置にSTM用探針7を精密にアラ
イメントすることが必要である。 そこで、本実施例においては、AFM装置による観察視
野の選定を行なう場合には、第2図に示すように、SEM
鏡筒部1の光学軸(電子線軸)を試料3の表面に指向さ
せて試料表面の広い範囲についてのSEM法による観察を
行なったり、試料表面とAFM用探針5先端との同時観察
による両者の位置関係の確認を行なう。また、STM用探
針7のカンチレバー6裏面へのアライメントを行なう場
合には、第3図に示すように、移動機構2によってSEM
鏡筒部1をx,y,あるいはz軸方向に移動させることによ
りSEM鏡筒部1の光学軸をカンチレバー6の裏面に指向
させてSEM法によるカンチレバー6の裏面とSTM用探針7
との同時観察を行なうことによってSTM用探針7のカン
チレバー6の裏面の所定位置への位置合わせ(アライメ
ント)を行なう。 上述したSEM鏡筒部1およびその移動機構2の具体的
構成例を第4図に示す。第4図において、超小型SEMの
鏡筒部1は、電子線集束用レンズとして、励磁コイルの
必要な磁界レンズを用いずに、電極101,104,105および1
06からなる静電レンズを用いているため非常に小型に構
成されている。一例として、第1電極101の外径(鏡筒
部太さ)は30mm、電子銃取付用フランジ116の上面から
第1電極101の下面までの距離(鏡筒部長さ)は100mmと
なっている。このように、本発明による全静電レンズ構
成のSEM鏡筒部は、従来の磁界レンズを用いた鏡筒部構
成に比べ、体積的に約1/100となっているため、該SEM鏡
筒部1全体をAFM装置の超高真空容器17内に内蔵させた
り、該鏡筒部1を超高真空容器17内で移動させたり、該
鏡筒部1内を真空排気するための排気系をAFM装置用の
排気系と共用させたりすることが可能となっている。こ
のSEM鏡筒部1は、電子銃141,第1電極101,第2電極10
4,第3電極105,第4電極106,偏向コイル(あるいはアラ
イメントコイルを含んだ偏向コイル)102,該偏向コイル
を取り付けるための絶縁物製ボビン103,電極105,106を
保持する絶縁碍子107,鏡筒部1を支持するホルダ108,お
よび、電子銃114を支持するフランジ116より構成されて
いる。そして、鏡筒部1は、超高真空容器17の真空壁に
設けられた開口部に気密に取り付られるフランジ111に
ベローズ109を介して取り付けられている。また、鏡筒
部1を動かすための移動機構2は、ホルダ108の上部に
形成されたネジ部118に嵌め合わされたナット113を回転
することにより鏡筒部1を光学軸方向(z軸方向)に移
動させるように構成されたz軸移動機構部と、ナット11
3の側面にx,y軸方向からそれぞれ当接された微動ネジ11
0x,110y(y軸方向については図示省略)を回転するこ
とにより鏡筒部1を光学軸に直角な面内でx,y軸方向に
移動させるように構成されたx,y軸移動機構部とからな
っている。なお、ナット113をスムーズに動かせるよう
にするために、ナット113の下面とフランジ111との間に
ボール112が設けられている。ホルダ108とフランジ111
との間には弾性変形するベローズ109が取付けられてお
り、これによって、超高真空容器17内の真空度を維持し
たままの状態で上記した鏡筒部1の移動が可能になって
いる。 上記した構成のSEM装置は次のように動作する。第4
図において、電子銃114の電子放出チップ先端と電子引
出電極としての第4電極104との間に形成された引出電
界によって上記チップ先端から引き出された電子線は、
第2,第3,第4電極104,105,106の三電極からなるコンデ
ンサレンズおよび第1,第2電極101,104の二電極からな
る対物レンズによって細く集束されて試料3上に照射せ
しめられる。さらに、該集束電子線は、第2電極104に
囲まれていることによって該第2電極104と同電位に保
たれている空間内において、電磁偏向コイル102(これ
は静電偏向電極であってもよい)により偏向され、試料
3の表面上で二次元的に走査される。該電子線の照射に
よって試料3表面から放出された二次電子は二次電子検
出器(図示省略)によって検出され、該検出信号を映像
信号して制御・表示装置117内の表示部に試料3表面の
二次元二次電子像を表示させることができる。これらの
制御,信号処理,表示などに関する操作は、すべて制御
・表示装置117によって行なわれるものとする。なお、
鏡筒部1の各電極やコイル等への電圧,電流の供給およ
び二次電子検出信号の取出しは導入端子115を介して行
なわれるものとするが、第4図中では、図面の煩雑化を
避けるために、配線の細部の様子については図示を省略
してある。 上記した対物レンズを構成する第1,第2電極101,104
のうち、電子銃114側にある第2電極104への印加電圧を
試料4側にある第1電極101(アース電位にある)に対
して正側の電圧とし、該印加電圧の大きさを調整して第
1電極101と第2電極104との間の電界を調節することに
より、該対物レンズのレンズ作用の強さが調節される。
そして、両電極の印加電圧間に所定の関係を成立させる
ことによって、対物レンズのレンズ主面が第1電極101
の下側に形成されるようになる。このことにより、レン
ズ主面と試料3表面との距離を短くすることができ、磁
界型対物レンズを用いた場合よりも光学収差を小さくで
きる。 一方、上記したコンデンサレンズは、電子電流の制御
やビームスポット径、焦点深度の調整を行なうためのも
のである。つまり、第3電極105の電圧を調節してコン
デンサレンズのレンズ作用を強くし対物レンズのレンズ
作用を弱くした状態で電子線を試料上にフォーカスさせ
ると、ビームスポット径は大きくなって分解能は低下す
るが、試料に照射される電子電流(プローブ電流)を大
きくし、かつ焦点深度を深くすることができる。これ
は、第3図のようにしてカンチレバー6の裏面にSTM用
探針7のアライメントを行なう場合のように、低倍率で
広い範囲を、しかも深い焦点深度で観察する必要がある
場合に有効である。これとは逆に、高分解能観察すなわ
ち小さなビームスポット径での観察を必要とする場合に
は、コンデンサレンズのレンズ作用を弱くし対物レンズ
のレンズ作用を強くしてフォーカスさせればよい。 本実施例においては、真空容器内に内蔵せしめられた
STM鏡筒部1の各電極コイルに供給すべき電圧や電流
は、フランジ111に取り付けられた複数本(図では、1
本だけを示したが)の導入端子115を介して導入され
る。このように、フランジ111に、SEM鏡筒部1やxyz移
動機構2を取付け、さらに、鏡筒部駆動用の電圧や電流
を供給するための導入端子115をも併せ設けておくこと
は、SEM装置をAFM装置等の真空試料室内にコンパクトに
内蔵させて複合化装置とすることを容易ならしめるもの
であり、極めて重要である。 なお、本実施例では、SEM鏡筒部1内の真空排気に
は、AFM装置の真空排気システムをそのまま兼用してい
る。この方式では、SEM鏡筒部1内の真空排気が十分効
率良く行なわれるようにするために、第1〜第4の電極
の電極構造やその支持体の構造を考慮することが必要で
ある。例えば、これら電極やその支持体の筒状部分の側
壁等に小さな排気孔を多数あけてやるなどの工夫を施す
ことが重要である。また、兼用する真空排気システムと
しては、超高真空用の排気システムとするのが望まし
い。例えは、第1図において、超高真空ポンプ21には、
ノーブルポンプ,イオンポンプ,あるいはチタンゲッタ
ポンプが、また、超高真空ポンプ22には、ターボ分子ポ
ンプ,ノーブルポンプ,イオンポンプ,あるいはチタン
ゲッタポンプが使用され、さらに、粗引き用の低真空ポ
ンプ23には、油回転ポンプが使用される。超高真空排気
用のポンプ21,22は、真空バルブ24,25を介して超高真空
容器17に接続され、低真空排気用のポンプ23は、真空バ
ルブ26を介して超高真空ポンプ22の低真空側に接続され
る。 さらに、二次電子検出器(図示省略)としては、従来
のSEM装置に使用されているものを用いれば良い。この
二次電子検出器は別のフランジに設置してもよいが、空
間的に余裕があるならばSEM鏡筒部1が取り付けられて
いるフランジに併設できればより便利である。 SEM鏡筒部1のx,y軸方向の移動は、微動ネジ110x,110
y(後者については図示省略)を回すことにより、ナッ
ト113を介して鏡筒部1を支持しているホルダ108をx,y
軸方向に微動(微動範囲は1mm角程度)させて行なう。
このとき、ナット113は大気圧により常にフランジ面に
押しつけられているので、両者間にボール112を介在さ
せることによりナット113を移動し易くしてやることが
重要である。また、z軸方向の移動は、ナット113を回
転することにより、鏡筒部1を支持しているホルダ108
を上下させて行なう。このように構成された移動機構を
用いて鏡筒部1を移動させることにより、第2図および
第3図に示したような態様での使用が可能になる。な
お、鏡筒部1の中心軸(光学軸)のフランジ面に対する
傾斜は、例えば、ナット113の下面を球面状とし、該球
面状ナット下面とボール112との間に球面座を有する中
間移動部材を設ける等の工夫を施すことにより実現でき
る。なお、この場合には、微動ネジ110x,110yは、上記
の中間移動部材に当接せしめられる。この鏡筒部1の傾
斜運動と前述したx,y軸方向運動とを複合化することに
より、鏡筒部1のより複雑な運動が実現できる。 第5図に、本発明の他の一実施例になる複合装置の概
略構成を示す。本実施例は、STM(走査型トンネル顕微
鏡)に超小型SEMを内蔵させた複合化装置の例である。
これは、第1図に示したAFM装置における探針5とカン
チレバー6とを取り除き、STM用探針7を直接試料3表
面に近づけて試料表面のSTM観察を行なうようにした所
謂STM装置において、STM観察の際の観察視野の選択、試
料表面観察あるいはSTM用探針7先端の評価のためのSEM
観察を可能にするために、STM装置内に超小型SEMを内蔵
させたものである。ここでも、高倍率から低倍率までの
SEM観察を行なうためのSEM鏡筒部1とその移動機構2と
が必要となるが、これらの部分については、第1〜4図
で説明した具体例と同様な構成を採ることによって容易
に実現可能である。 なお、内蔵させたSEM装置を用いることによって、上
記した二次電子像以外に、反射電子像、試料吸収電子像
やオージェ電子像を得ることも可能である。この場合、
反射電子は半導体検出器で、オージェ電子はエネルギア
ナライザで検出することができる。これらの検出器は、
図には示していないが、従来から使用されているものを
試料3の近傍に配置してやればよい。 上記の実施例では、AFM装置またはSTM装置に超小型SE
Mを複合化した具体例について述べたが、STM装置におけ
るトンネル電流の検出やAFM装置における原子間力(微
小力)の検出以外に、磁気力,静電力,光,電磁波,音
波,歪波,熱(温度),静電容量などの物理量を検出し
ても試料表面の構造や物理的,電気的性質を観察,計測
することができる。これら種々の物理量を用いる近視野
顕微鏡に対しても、上記した実施例と同様にして、超小
型SEMを複合化してやることが有効である。 第6図に、本発明のさらに他の一実施例になる複合装
置の概略構成を示す。本実施例は、分子線結晶成長装置
に超小型SEMを内蔵させた複合化装置の例である。すな
わち、本複合化装置は、分子線源201,202,203を内蔵し
た分子線結晶成長装置の試料室(処理室)204内に移動
機構2を備えたSEM鏡筒部1を内蔵させることにより、
分子線結晶成長装置とSEM装置とを複合化したものであ
る。SEM鏡筒部1およびその移動機構2は、第4図に示
したものと同様の構造のものでよい。SEM鏡筒部1が非
常に小型にできているため、この場合にも、試料室204
内の排気とSEM鏡筒部1内の排気は共通の排気系によっ
て行なわれる。 次に、本複合化装置の使用例について説明する。第6
図において、試料台4上に載置された試料3はGaAs単結
晶からなる結晶成長用の基板であり、分子線源201,202,
203としては、それぞれGa,Al,Asのソースが用いられて
いるものとする。試料(基板)3上に結晶成長を行なわ
せるに先立って、先ず基板(GaAs基板)3上にSEM鏡筒
部1から細く絞った電子線210を走査しながら照射し、
基板表面から放出される二次電子205を二次電子検出器2
06によって検出し、該検出信号を用いて基板表面の二次
電子像を表示させ、基板の表面状態をSEM観察する。こ
れにより、基板表面上の異物や欠陥等についての情報が
得られる。しかる後に、Ga,Al,Asの各ソースから分子線
を発生させて、基板3表面上にGaAlAs層を20nm結晶成長
させる。その後、この結晶成長したGaAlAs層の表面を上
記した電子線走査によるSEM法により観察し、成長結晶
中の結晶欠陥の有無を調べる。この様にして、基板表面
や成長結晶表面の観察と結晶成長とを繰返し行なうこと
により、基板表面上に存在する異物や欠陥とその上の成
長結晶中に現われる欠陥との間の因果関係を調べること
ができる。 第7図に、本発明のさらに他の一実施例になる複合装
置の概略構成を示す。本実施例は、ガスプラズマを利用
するドライエッチング装置に超小型SEMを内蔵させて複
合化装置とした例である。本装置は、ガスプラズマによ
るドライエッチング装置の試料室(処理室)204内に、
移動機構2により移動可能に保持されたSEM鏡筒部1を
内蔵させたものである。SEM鏡筒部1は、第4図に示し
たものと同じ構造であり、非常に小型にできている。こ
のため、エッチング装置としての性能に悪影響を与える
ことなく、SEM鏡筒部1を試料(被処理物)3の近傍に
配置させることが可能となった。 ここでは、試料(被処理物)3は、第8図(a)に示
したようなGaAs/GaAlAs多層結晶体であるとし、そのド
ライエッチング処理を行なう場合を例にとって説明す
る。第8図(a)において、GaAs基板207上に結晶成長
によって形成されているGaAlAs層208の厚さは10nmであ
り、さらにその上のGaAs層209の厚さは20nmである。こ
の多層結晶体は、第6図に示した分子線結晶成長装置を
用いて作成したものである。この様な分子線結晶成長に
より得られたGaAs/GaAlAs多層結晶体における各層の界
面での結晶成長状態を調べるためには、結晶成長後の多
層結晶体を選択エッチングすることにより調べようとす
る結晶層の表面を露出させ、該露出層の表面状態を観察
する必要がある。本実施例による複合化装置によれば、
このような要求に対しても、次のようにして容易に応え
ることができる。 まず、SEM鏡筒部1の先端に設けられた開閉弁211を閉
じた状態で、試料(多層結晶体)3を試料台4上に載置
し、処理室204内を一旦真空排気してから、該処理室内
に例えばCCl2F2ガスなどの反応性ガスを導入すると共に
高周波電源212によって電極213に高周波電圧を印加し
て、該電極213と試料3との間に反応性ガスのプラズマ
を発生させる。この発生プラズマによって試料3のエッ
チング処理が行なわれる。 なお、上記した開閉弁211は、反応性ガスを用いてエ
ッチング処理が行なわれる際に、該反応性ガスがSEM鏡
筒部1の内部に侵入して電極等の電子光学部品を腐食さ
せることによってその電子光学特性を劣化させることが
ないようにするために、SEM鏡筒部1の内部空間をエッ
チング処理が行なわれている空間から隠蔽(遮断)する
ために設けられたものである。また、本実施例において
は、反応性ガスの導入によって処理室204内の真空度が
低下した場合でも、SEM鏡筒部1の内部空間(とくに、
電子源付近の空間)は高真空状態に維持できるようにす
るために、SEM鏡筒部1側の真空排気には、処理室204内
を真空排気するための排気系とは異なる独立した排気系
を用いている。なお、処理室204内の真空度が低下した
場合に、上記した開閉弁211を閉じてやることによっ
て、SEM鏡筒部1内を高真空状態に維持することがさら
に容易になる。 上述したCCl2F2ガスのプラズマを用いたエッチング処
理においては、GaAs層はエッチングされるがGaAlAs層は
エッチングされないという、非常に材料選択性に富んだ
反応性エッチングが行なれる。このため、第8図(a)
に示したような多層結晶体をエッチングした場合、先ず
最上層のGaAs層209がエッチングにより除去されてその
下のGaAlAs層208が露出した状態(第8図(b))にお
いて、エッチングはそれ以上進まなくなり、自動的に停
止する。この段階で、プラズマ発生のための反応性ガス
の供給並びに高周波電圧の印加を停止し、処理室204内
を真空排気してから、開閉弁211を開き、SEM鏡筒部1を
動作させて集束電子線210を露出されたGaAlAs層208を表
面に走査しながら照射し、該層表面のSEM像観察を行な
う。このSEM像観察により、例えば、該層表面の凹凸状
態から結晶欠陥の有無を調べたり、あれいは、該層表面
から放出される二次電子の強度分布から金属不純物を含
む領域208′の有無などを検知することができる。 第9図に、本発明のさらに他の一実施例になる複合装
置の概略構成を示す。本実施例は、FIB装置(集束イオ
ンビーム装置)の試料室内に超小型SEMを内蔵させて複
合化装置とした例である。図において、イオン源220か
らイオン引出電極222によって引き出されたイオンビー
ム221は、第一集束レンズ223および第二集束レンズ225
によって細く集束されて試料3上に照射される。この
際、ブランキング電源224によりイオンビームのON,OFF
が制御され、偏向電極226によりイオンビームの照射位
置が制御される。 試料3表面へのイオンビーム221の照射と同時に、ガ
スボンベ231からノズル229を通してエッチングガスを試
料3表面に供給し、該試料表面のイオンビーム照射部位
において局所的に反応性エッチングを行なわせることが
できる。また、イオンビーム221の照射と同時に、ガス
ボンベ232からノズル230を通してCVDガスを試料3表面
に供給し、該試料表面のイオンビーム照射部位において
局所的なCVD反応を行なわせることができる。これらの
局所加工のモニタリングのために、SEM鏡筒部1が試料
室204内に設けられている。ここで、試料室204とイオン
ビームチャンバ233とSEM鏡筒部1は、それぞれ独立の真
空排気系(図示せず)により個別に排気できるように構
成されているものとし、それによって、イオンビームチ
ャンバ233の内部のSEM鏡筒部1の内部は常に高真空状態
に維持されているものとする。 SEM鏡筒部1は、試料3表面に対する電子線210の照射
傾き角θを変化させるためのθ駆動部227および電子線2
10の試料3周りでの照射方位角φを変化させるためのφ
駆動部228に取り付けられており、試料3に対して常に
最適な方向(傾き角および方位角)から電子線を照射で
きるように構成されている。SEM鏡筒部1からの電子線
照射によって試料3表面から放出される二次電子を二次
電子検出器(図示せず)により検出し、該検出信号を用
いて試料表面のSEM像を表示させることにより、上記し
た局所加工部における加工(処理)形状を詳細にモニタ
リングすることができる。この場合、SEM鏡筒部1が大
きく動いた場合でも常に同じ条件で二次電子を検出でき
るようにするために、二次電子出器はSEM鏡筒部1に対
して所定の位置関係を保持した状態でSEM鏡筒部1に固
定支持され、SEM鏡筒部1を移動させた場合それと一緒
になって二次電子検出器も移動するように構成されてい
るのが望ましい。また、イオンビーム221により試料3
の任意個所に任意深さの穴を掘り、この穴の側面にSEM
鏡筒部1からの電子線を照射して、穴側面をSEM観察す
ることにより、試料の任意個所における断面構造を容易
に観察することができる。 従来、このような加工・処理状態のSEM観察は、試料
を加工・処理装置内から一旦大気中に取り出してから改
めてSEM装置の試料室内に導入することによって、ある
いは、第10図に示すように加工・処理を行なうための試
料室204の横脇に大型のSEM鏡筒部250を備えたSEM観察用
の試料室251を設け、両試料室間をゲートバルブ252を有
する連通口253を介して接続しておき、試料3を加工・
処理用の試料室204内からSEM観察用の試料室251内へ移
動させることによって行なわれていた。しかしながら、
前者のように一旦大気中に試料を取り出す方式において
は、試料表面が酸化してしまったり、異物が付着しやす
いなどの問題点があった。また、後者のように加工・処
理装置の横にSEM装置を設ける構造では、装置全体が大
型化し、排気系や試料の移動機構などが複雑になってし
まうこと、また、それに伴って装置の操作も複雑になる
こと等の問題があった。 これに対し、上記した本発明実施例においては、加工
・処理を行なわせるための試料室204内に超小型SEMの鏡
筒部1を内蔵させているので、装置全体の大型化を防ぐ
ことができ、しかも、加工・処理と観察とを交互に繰り
返す際の試料移動機構をも不要とすることができる。ま
た、SEM鏡筒部が非常に小型であるため、分子線結晶成
長装置のように試料室内が高真空に保持される装置にお
いては、試料室内の排気系とSEM鏡筒部内の排気系を共
用化することができる。さらに、SEM鏡筒部を試料に対
して移動可能に構成しているので、加工・処理条件を変
化させることなく、つまり試料を全く移動させることな
く、試料の様々な領域を様々な方向から観察することが
可能となっている。
本発明によれば、種々の観察・計測装置または加工・
処理装置の試料室内に集束電子線照射手段として小型に
構成されたSEM鏡筒部を内蔵させることにより、装置全
体を格別に大型化することなく、これらの装置にSEM装
置を複合化することができる。 また、本発明によれば、観察・計測装置または加工・
処理装置の試料室内を真空排気するための排気系と集束
電子線照射手段としてのSEM鏡筒部内を真空排気するた
めの排気系とを共用化させることにより、SEM鏡筒部内
排気用の真空排気系を別途独立して設けることを要せず
して、これらの装置にSEM装置を複合化してやることが
できる。 さらに、本発明によれば、集束電子線照射手段として
のSEM鏡筒部の試料に対する相対位置関係を可変に構成
することにより、観察・計測装置または加工・処理装置
側に新たにSEM観察に際して試料を移動させるための試
料移動機構を設けることなく、これら装置にSEM装置を
複合化することができる。 さらに、本発明によれば、集束電子線照射手段として
のSEM鏡筒部の内部空間を試料の加工・処理を行なって
いる空間領域から隠蔽(遮断)する手段を付設させるこ
とにより、加工・処理装置とSEM装置との複合化装置に
おいて試料の加工・処理を行なうことによってSEM装置
の性能劣化が生じることを防ぐことができる。
処理装置の試料室内に集束電子線照射手段として小型に
構成されたSEM鏡筒部を内蔵させることにより、装置全
体を格別に大型化することなく、これらの装置にSEM装
置を複合化することができる。 また、本発明によれば、観察・計測装置または加工・
処理装置の試料室内を真空排気するための排気系と集束
電子線照射手段としてのSEM鏡筒部内を真空排気するた
めの排気系とを共用化させることにより、SEM鏡筒部内
排気用の真空排気系を別途独立して設けることを要せず
して、これらの装置にSEM装置を複合化してやることが
できる。 さらに、本発明によれば、集束電子線照射手段として
のSEM鏡筒部の試料に対する相対位置関係を可変に構成
することにより、観察・計測装置または加工・処理装置
側に新たにSEM観察に際して試料を移動させるための試
料移動機構を設けることなく、これら装置にSEM装置を
複合化することができる。 さらに、本発明によれば、集束電子線照射手段として
のSEM鏡筒部の内部空間を試料の加工・処理を行なって
いる空間領域から隠蔽(遮断)する手段を付設させるこ
とにより、加工・処理装置とSEM装置との複合化装置に
おいて試料の加工・処理を行なうことによってSEM装置
の性能劣化が生じることを防ぐことができる。
第1図は、本発明の一実施例になるAFM装置とSEM装置と
の複合化装置の概略構成を示す断面模式図, 第2図は、第1図示の装置において試料のSEM観察を行
なう際の試料とSEM鏡筒部との相対位置関係を示す模式
図, 第3図は、同じく第1図示の装置においてカンチレバー
裏面のSEM観察を行なう際のカンチレバーとSEM鏡筒部と
の相対位置関係を示す模式図, 第4図は、本発明による複合化装置に内蔵せしめられる
SEM鏡筒部とその移動機構との具体的構成を示す断面
図, 第5図は、本発明の他の一実施例になるSTM装置とSEM装
置との複合化装置における試料とSEM鏡筒部との相対位
置関係を示す模式図, 第6図は、本発明のさらに他の一実施例になる分子線結
晶成長装置とSEM装置との複合化装置の概略構成を示す
断面模式図, 第7図は、本発明のさらに他の一実施例になるドライエ
ッチング装置とSEM装置との複合化装置の概略構成を示
す断面模式図, 第8図は、第7図示の装置を用いて試料のエッチング処
理とSEM観察とを行なう様子を説明するための試料(多
層結晶体)の断面図, 第9図は、本発明のさらに他の一実施例になるFIB装置
とSEM装置との複合化装置の概略構成を示す断面模式
図, 第10図は、従来例による加工・処理装置とSEM装置との
複合化装置の概略構成を示す断面模式図,である。 図中の符号の説明 1:SEM鏡筒部,2:移動機構,3:試料,4:試料台,5:AFM用探
針,6:カンチレバー,7:STM用探針,8,9:トライポッド型ス
キャナ,10:ベース,11:スライダ,12〜15:ステップ移動機
構,16:積層型防振機構,17:超高真空容器,18,19:超高真
空ポンプ,20:粗引き用ポンプ,21〜23:真空バルブ,101:
第1電極,102:偏向コイル,103:ボビン,104:第2電極,10
5:第3電極,106:第4電極,107:絶縁碍子,108:ホルダ,10
9:ベローズ,110x:微動ネジ,111:フランジ,112:ボール,1
13:ナット,114:電子銃,115:導入端子,116:電子銃フラン
ジ,117:制御・表示装置,118:ネジ部,201〜203:分子線
源,204:試料室,205:二次電子,206:二次電子検出器,207:
GaAs基板,208:GaAlAs層,209:GaAs層,210:電子線,211:開
閉弁,212:高周波電源,213:電極,220:イオン源,221:イオ
ンビーム,222:イオン引出電極,223:第一集束レンズ,22
4:ブランキング電極,225:第二集束レンズ,226:偏向電
極,227:θ駆動部,228:φ駆動部,229,230:ノズル,231:エ
ッチングガスボンベ,232:CVDガスボンベ,223:イオンビ
ームチャンバ,250:従来のSEM鏡筒,251:SEM試料室。
の複合化装置の概略構成を示す断面模式図, 第2図は、第1図示の装置において試料のSEM観察を行
なう際の試料とSEM鏡筒部との相対位置関係を示す模式
図, 第3図は、同じく第1図示の装置においてカンチレバー
裏面のSEM観察を行なう際のカンチレバーとSEM鏡筒部と
の相対位置関係を示す模式図, 第4図は、本発明による複合化装置に内蔵せしめられる
SEM鏡筒部とその移動機構との具体的構成を示す断面
図, 第5図は、本発明の他の一実施例になるSTM装置とSEM装
置との複合化装置における試料とSEM鏡筒部との相対位
置関係を示す模式図, 第6図は、本発明のさらに他の一実施例になる分子線結
晶成長装置とSEM装置との複合化装置の概略構成を示す
断面模式図, 第7図は、本発明のさらに他の一実施例になるドライエ
ッチング装置とSEM装置との複合化装置の概略構成を示
す断面模式図, 第8図は、第7図示の装置を用いて試料のエッチング処
理とSEM観察とを行なう様子を説明するための試料(多
層結晶体)の断面図, 第9図は、本発明のさらに他の一実施例になるFIB装置
とSEM装置との複合化装置の概略構成を示す断面模式
図, 第10図は、従来例による加工・処理装置とSEM装置との
複合化装置の概略構成を示す断面模式図,である。 図中の符号の説明 1:SEM鏡筒部,2:移動機構,3:試料,4:試料台,5:AFM用探
針,6:カンチレバー,7:STM用探針,8,9:トライポッド型ス
キャナ,10:ベース,11:スライダ,12〜15:ステップ移動機
構,16:積層型防振機構,17:超高真空容器,18,19:超高真
空ポンプ,20:粗引き用ポンプ,21〜23:真空バルブ,101:
第1電極,102:偏向コイル,103:ボビン,104:第2電極,10
5:第3電極,106:第4電極,107:絶縁碍子,108:ホルダ,10
9:ベローズ,110x:微動ネジ,111:フランジ,112:ボール,1
13:ナット,114:電子銃,115:導入端子,116:電子銃フラン
ジ,117:制御・表示装置,118:ネジ部,201〜203:分子線
源,204:試料室,205:二次電子,206:二次電子検出器,207:
GaAs基板,208:GaAlAs層,209:GaAs層,210:電子線,211:開
閉弁,212:高周波電源,213:電極,220:イオン源,221:イオ
ンビーム,222:イオン引出電極,223:第一集束レンズ,22
4:ブランキング電極,225:第二集束レンズ,226:偏向電
極,227:θ駆動部,228:φ駆動部,229,230:ノズル,231:エ
ッチングガスボンベ,232:CVDガスボンベ,223:イオンビ
ームチャンバ,250:従来のSEM鏡筒,251:SEM試料室。
フロントページの続き (72)発明者 中山 義則 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 原市 聡 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所生産技術研究所内 (56)参考文献 特開 平1−181529(JP,A) 特開 昭58−223248(JP,A) 特開 昭59−143249(JP,A) 実開 昭53−101590(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/28
Claims (6)
- 【請求項1】試料室内に置かれた試料の観察,計測また
は加工,処理を行なう装置において、上記試料室の内部
空間中に、上記した試料の観察,計測または加工,処理
を行なうための手段とは別に、上記試料表面を走査型電
子顕微法により観察するための静電型対物レンズを含ん
だ走査型電子顕微手段を内蔵させてなり、上記の静電型
対物レンズは、第二電極および上記第二電極と上記試料
との間に上記第二電極に対面して配置された第一電極と
を含んでなり、上記第二電極の電位を上記第一電極の電
位より正側の電位とし、上記静電型対物レンズのレンズ
主面を上記第二電極より上記試料に近い位置に形成して
なることを特徴とする走査型電子顕微手段を内蔵した複
合化装置。 - 【請求項2】上記した試料の観察,計測を行なう装置は
原子間力顕微鏡であることを特徴とする請求項1記載の
走査型電子顕微手段を内蔵した複合化装置。 - 【請求項3】上記した試料の観察,計測を行なう装置は
走査型トンネル顕微鏡であることを特徴とする請求項1
記載の走査型電子顕微手段を内蔵した複合化装置。 - 【請求項4】上記した試料の加工,処理を行なう装置は
分子線結晶成長装置であることを特徴とする請求項1記
載の走査型電子顕微手段を内蔵した複合化装置。 - 【請求項5】上記した試料の加工,処理を行なう装置は
ガラスプラズマを用いたドライエッチング装置であるこ
とを特徴とする請求項1記載の走査型電子顕微手段を内
蔵した複合化装置。 - 【請求項6】上記した試料の加工,処理を行なう装置は
集束イオンビーム装置であることを特徴とする請求項1
記載の走査型電子顕微手段を内蔵した複合化装置。
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---|---|---|---|
JP2322304A JP3039562B2 (ja) | 1990-11-28 | 1990-11-28 | 走査型電子顕微手段を内蔵した複合化装置 |
US07/714,018 US5229607A (en) | 1990-04-19 | 1991-06-12 | Combination apparatus having a scanning electron microscope therein |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2322304A JP3039562B2 (ja) | 1990-11-28 | 1990-11-28 | 走査型電子顕微手段を内蔵した複合化装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP9325807A Division JPH10154481A (ja) | 1997-11-27 | 1997-11-27 | 走査顕微応用装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04196043A JPH04196043A (ja) | 1992-07-15 |
JP3039562B2 true JP3039562B2 (ja) | 2000-05-08 |
Family
ID=18142138
Family Applications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105593689A (zh) * | 2013-08-06 | 2016-05-18 | 巴塞尔大学 | 用于原子力显微镜的样本支架 |
-
1990
- 1990-11-28 JP JP2322304A patent/JP3039562B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105593689A (zh) * | 2013-08-06 | 2016-05-18 | 巴塞尔大学 | 用于原子力显微镜的样本支架 |
US10823756B2 (en) | 2013-08-06 | 2020-11-03 | Universität Basel | Sample holder for holding a sample for use with an atomic force microscope |
CN105593689B (zh) * | 2013-08-06 | 2022-02-08 | 巴塞尔大学 | 用于原子力显微镜的样本支架 |
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