JP3027030B2 - シリコンの異方性エッチング液 - Google Patents
シリコンの異方性エッチング液Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコンの微細加工等
に好適に使用される異方性エッチング液に関する。
に好適に使用される異方性エッチング液に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、シリコン単結晶基板を異方性エ
ッチングにより微細加工してシリコンセンサを作製する
場合には、シリコンウエハにあらかじめトランジスタや
歪みゲージ等の素子を形成し、続いてこれらの素子と外
部との電気的接続を行うためのボンディングパッドをア
ルミニウム薄膜によって形成し、最後にシリコン基板表
面の一部を異方性エッチングにより除去する方法が採用
されている。ところが、多くのシリコンの異方性エッチ
ング液は、シリコンより速いエッチング速度でアルミニ
ウムをエッチングしてしまうため、アルミニウム薄膜の
エッチングを防止する手段を講じる必要があった。
ッチングにより微細加工してシリコンセンサを作製する
場合には、シリコンウエハにあらかじめトランジスタや
歪みゲージ等の素子を形成し、続いてこれらの素子と外
部との電気的接続を行うためのボンディングパッドをア
ルミニウム薄膜によって形成し、最後にシリコン基板表
面の一部を異方性エッチングにより除去する方法が採用
されている。ところが、多くのシリコンの異方性エッチ
ング液は、シリコンより速いエッチング速度でアルミニ
ウムをエッチングしてしまうため、アルミニウム薄膜の
エッチングを防止する手段を講じる必要があった。
【0003】そのひとつの手段として、シリコンウエハ
の表面にトランジスタや歪みゲージ等の素子を作製し、
それらを互いにアルミニウム薄膜により接続した後、こ
のアルミニウム薄膜を保護するためにウエハの表面全体
を保護膜により覆い、その後異方性エッチング液により
表面からのエッチングを行い、最後にフォトリソグラフ
ィによって外部端子とアルミニウム薄膜との接続を行う
ためのボンディングパッドを形成する方法が提案され
た。しかし、この方法においては、エッチング加工を行
った後に、フォトリソグラフィ工程を実施することは技
術的に困難であり、また生産性が低くコスト高となる問
題があった。
の表面にトランジスタや歪みゲージ等の素子を作製し、
それらを互いにアルミニウム薄膜により接続した後、こ
のアルミニウム薄膜を保護するためにウエハの表面全体
を保護膜により覆い、その後異方性エッチング液により
表面からのエッチングを行い、最後にフォトリソグラフ
ィによって外部端子とアルミニウム薄膜との接続を行う
ためのボンディングパッドを形成する方法が提案され
た。しかし、この方法においては、エッチング加工を行
った後に、フォトリソグラフィ工程を実施することは技
術的に困難であり、また生産性が低くコスト高となる問
題があった。
【0004】さらに、他の手段として、アルミニウムの
エッチングを阻止するために、アルミニウム薄膜の表面
に無機あるいは有機の保護膜を形成することも試られて
いる。しかし、シリコンの異方性エッチング液は通常p
Hが12以上と高く、エッチング温度も70℃以上と高
いため、このような過酷な条件下において前記保護膜は
十分に機能することが困難であった。
エッチングを阻止するために、アルミニウム薄膜の表面
に無機あるいは有機の保護膜を形成することも試られて
いる。しかし、シリコンの異方性エッチング液は通常p
Hが12以上と高く、エッチング温度も70℃以上と高
いため、このような過酷な条件下において前記保護膜は
十分に機能することが困難であった。
【0005】そこで、アルミニウムをエッチングするこ
となくシリコンのみを選択的にエッチングすることがで
きる異方性エッチング液の開発が要求されている。
となくシリコンのみを選択的にエッチングすることがで
きる異方性エッチング液の開発が要求されている。
【0006】ところで、単結晶シリコンに微細なパター
ンを形成する等の微細加工を施す手段としては、結晶面
方位に依存して選択的にエッチングができる異方性エッ
チングが有効である。このような異方性エッチングにお
いて用いられるエッチング液としては、従来、水酸化ナ
トリウム水溶液,水酸化カリウム水溶液等の金属含有ア
ルカリ溶液、およびアンモニア水溶液,ヒドラジン水溶
液などの非金属アルカリ溶液が用いられていた。
ンを形成する等の微細加工を施す手段としては、結晶面
方位に依存して選択的にエッチングができる異方性エッ
チングが有効である。このような異方性エッチングにお
いて用いられるエッチング液としては、従来、水酸化ナ
トリウム水溶液,水酸化カリウム水溶液等の金属含有ア
ルカリ溶液、およびアンモニア水溶液,ヒドラジン水溶
液などの非金属アルカリ溶液が用いられていた。
【0007】かかる異方性エッチング液を半導体製造工
程で使用するという観点からは、エッチング液としては
前者の金属含有アルカリ溶液よりも後者の非金属アルカ
リ溶液が適している。これは、前者の金属含有アルカリ
溶液はナトリウムやカリウム等のいわゆるアルカリ金属
イオンを含み、これらのアルカリ金属イオンは半導体基
体表面に強く吸着し、また絶縁膜として用いられるシリ
コン酸化膜の内部にも浸入することから、洗浄処理,加
熱処理等の後処理によっても取り除くことが困難である
ことによる。特に、これらのアルカリ金属イオンがFE
Tのゲート酸化膜に浸入した場合には、スレッシュホー
ルド電圧等のテバイス特性や信頼性に大きな悪影響を及
ぼす。また、これらのアルカリ金属イオンが吸着した基
板をICやLSIの半導体製造工程で処理すると、製造
設備がこれらのアルカリ金属イオンによって汚染され、
製造設備としての機能を果し得ない程度のダメージを受
けることになる。
程で使用するという観点からは、エッチング液としては
前者の金属含有アルカリ溶液よりも後者の非金属アルカ
リ溶液が適している。これは、前者の金属含有アルカリ
溶液はナトリウムやカリウム等のいわゆるアルカリ金属
イオンを含み、これらのアルカリ金属イオンは半導体基
体表面に強く吸着し、また絶縁膜として用いられるシリ
コン酸化膜の内部にも浸入することから、洗浄処理,加
熱処理等の後処理によっても取り除くことが困難である
ことによる。特に、これらのアルカリ金属イオンがFE
Tのゲート酸化膜に浸入した場合には、スレッシュホー
ルド電圧等のテバイス特性や信頼性に大きな悪影響を及
ぼす。また、これらのアルカリ金属イオンが吸着した基
板をICやLSIの半導体製造工程で処理すると、製造
設備がこれらのアルカリ金属イオンによって汚染され、
製造設備としての機能を果し得ない程度のダメージを受
けることになる。
【0008】一方、アルカリ金属イオンを含まない非金
属アルカリ溶液をエッチング液として用いる場合には、
上述なような問題点を有さない点で有利であるが、これ
らのエッチング液においても以下に示すような問題点が
ある。
属アルカリ溶液をエッチング液として用いる場合には、
上述なような問題点を有さない点で有利であるが、これ
らのエッチング液においても以下に示すような問題点が
ある。
【0009】すなわち、例えばヒドラジン水溶液は、ア
ルミニウムをエッチングせずにシリコンのみを選択的に
エッチングする異方性エッチング液として知られてい
る。しかし、ヒドラジンは皮膚,粘膜,呼吸器官および
酵素系に対する悪影響が大きく、人体に対し極めて有害
である。このため、ヒドラジンを使用するためには、細
心の注意と十分な排気設備が必要であり、結局大がかり
な装置を必要とし、生産性が悪くコスト高となってしま
う問題があった。
ルミニウムをエッチングせずにシリコンのみを選択的に
エッチングする異方性エッチング液として知られてい
る。しかし、ヒドラジンは皮膚,粘膜,呼吸器官および
酵素系に対する悪影響が大きく、人体に対し極めて有害
である。このため、ヒドラジンを使用するためには、細
心の注意と十分な排気設備が必要であり、結局大がかり
な装置を必要とし、生産性が悪くコスト高となってしま
う問題があった。
【0010】また、アンモニア水溶液も、アルミニウム
をエッチングせずシリコンのみをエッチングする異方性
エッチング液であり、しかも標準的なICプロセスの中
で使用できるため作業性が高い点で優れている。しか
し、アンモニウム水溶液は、エッチング面の荒れが大き
く、しかもアンモニアの塩基性が低いことおよびアンモ
ニア自体が揮発性であることから、アンモニアの濃度変
化に伴なうエッチング速度の変動が大きく、加工精度が
悪いという問題があった。
をエッチングせずシリコンのみをエッチングする異方性
エッチング液であり、しかも標準的なICプロセスの中
で使用できるため作業性が高い点で優れている。しか
し、アンモニウム水溶液は、エッチング面の荒れが大き
く、しかもアンモニアの塩基性が低いことおよびアンモ
ニア自体が揮発性であることから、アンモニアの濃度変
化に伴なうエッチング速度の変動が大きく、加工精度が
悪いという問題があった。
【0011】
【発明の目的】本発明は、このような従来の問題点を解
決するものであり、その目的は、安全性,生産性に優
れ、エッチング速度が安定で加工精度がよく、かつ平滑
なエッチング面が得られるだけでなく、シリコンを選択
的にエッチングすることができるシリコンの異方性エッ
チング液を提供することにある。
決するものであり、その目的は、安全性,生産性に優
れ、エッチング速度が安定で加工精度がよく、かつ平滑
なエッチング面が得られるだけでなく、シリコンを選択
的にエッチングすることができるシリコンの異方性エッ
チング液を提供することにある。
【0012】
【発明の構成】本発明のシリコンの異方性エッチング液
は、第4級アンモニウム化合物の水酸化物を溶質として
含む溶液に、前記溶質の22重量%以上に相当するシリ
コンを溶解し、さらに、前記第4級アンモニウム化合物
の水酸化物(以下、これを「水酸化第4級アンモニウ
ム」という)は、その濃度が20〜50重量%であるこ
とを特徴とする。
は、第4級アンモニウム化合物の水酸化物を溶質として
含む溶液に、前記溶質の22重量%以上に相当するシリ
コンを溶解し、さらに、前記第4級アンモニウム化合物
の水酸化物(以下、これを「水酸化第4級アンモニウ
ム」という)は、その濃度が20〜50重量%であるこ
とを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明の水酸化第4級アンモニウムは、水溶液
中で高解離度,強塩基性を有することからエッチング速
度が大きい。また、本発明の水酸化第4級アンモニウム
は不揮発性であるため、エッチング速度に影響を与える
濃度変化が小さく、これにより長時間のエッチングに対
してもほぼ一定のエッチング速度を保つことができる。
中で高解離度,強塩基性を有することからエッチング速
度が大きい。また、本発明の水酸化第4級アンモニウム
は不揮発性であるため、エッチング速度に影響を与える
濃度変化が小さく、これにより長時間のエッチングに対
してもほぼ一定のエッチング速度を保つことができる。
【0014】また、本発明のエッチング液は、特定量の
シリコンを含むことによって、アルミニウムをほとんど
エッチングせずにシリコンのみを選択的にエッチングす
ることができるという性質を有する。すなわち、水酸化
第4級アンモニウム水溶液に、該溶液中に含まれる溶質
の22重量%以上、好ましくは25重量%以上、さらに
好ましくは27重量%以上に相当するシリコンを溶解す
ることにより、シリコンに対するアルミニウムのエッチ
ング速度を例えば1/10以下と大幅に小さくすること
が可能である。
シリコンを含むことによって、アルミニウムをほとんど
エッチングせずにシリコンのみを選択的にエッチングす
ることができるという性質を有する。すなわち、水酸化
第4級アンモニウム水溶液に、該溶液中に含まれる溶質
の22重量%以上、好ましくは25重量%以上、さらに
好ましくは27重量%以上に相当するシリコンを溶解す
ることにより、シリコンに対するアルミニウムのエッチ
ング速度を例えば1/10以下と大幅に小さくすること
が可能である。
【0015】すなわち、図3および図4に示すように、
シリコンに対するアルミニウムのエッチング速度の抑制
度合は、水酸化第4級アンモニウムの濃度によって多少
異なるが、基本的にはシリコンの添加量に依存する。こ
の抑制度合は、シリコンの添加割合が溶質たる水酸化第
4級アンモニウムに対して22〜25重量%を越えると
急激に増加し、シリコンの添加割合が35〜40重量%
でほぼ測定限界に達し、このときシリコンに対するアル
ミニウムのエッチング速度は約1/10,000〜1/
1,000以下となる。同時にシリコンの添加割合の増
加に伴い、シリコンのエッチング速度も低下する。そし
て、適切な抑制度合は、エッチングすべきシリコン基板
の厚さ,アルミニウム層の厚さ,要求されるエッチング
層の深さ,デバイス部保護膜のエッチング速度,シリコ
ンのエッチング速度等の条件に応じて選択されるが、実
用上、シリコンに対するアルミニウムのエッチング速度
は、1/10以下となるのが好ましい。そのためには、
シリコンのエッチング速度は0.1μm/分以上、かつ
溶液中の溶質に対するシリコンの含有割合は、通常25
〜40重量%であることが好ましい。
シリコンに対するアルミニウムのエッチング速度の抑制
度合は、水酸化第4級アンモニウムの濃度によって多少
異なるが、基本的にはシリコンの添加量に依存する。こ
の抑制度合は、シリコンの添加割合が溶質たる水酸化第
4級アンモニウムに対して22〜25重量%を越えると
急激に増加し、シリコンの添加割合が35〜40重量%
でほぼ測定限界に達し、このときシリコンに対するアル
ミニウムのエッチング速度は約1/10,000〜1/
1,000以下となる。同時にシリコンの添加割合の増
加に伴い、シリコンのエッチング速度も低下する。そし
て、適切な抑制度合は、エッチングすべきシリコン基板
の厚さ,アルミニウム層の厚さ,要求されるエッチング
層の深さ,デバイス部保護膜のエッチング速度,シリコ
ンのエッチング速度等の条件に応じて選択されるが、実
用上、シリコンに対するアルミニウムのエッチング速度
は、1/10以下となるのが好ましい。そのためには、
シリコンのエッチング速度は0.1μm/分以上、かつ
溶液中の溶質に対するシリコンの含有割合は、通常25
〜40重量%であることが好ましい。
【0016】このように本発明のエッチング液によれ
ば、シリコンを選択的にエッチングすることが可能であ
るため、アルミニウムによる配線やボンディングパッド
が形成されたシリコン基板表面にアルミニウムのエッチ
ングを阻止する保護膜を形成することなく、簡易なプロ
セスによってエッチングを行うことができる。
ば、シリコンを選択的にエッチングすることが可能であ
るため、アルミニウムによる配線やボンディングパッド
が形成されたシリコン基板表面にアルミニウムのエッチ
ングを阻止する保護膜を形成することなく、簡易なプロ
セスによってエッチングを行うことができる。
【0017】また、本発明のエッチング液は窒化シリコ
ン,酸化シリコンに対してほとんどエッチング作用を示
さないことから、これら窒化物,酸化物は本発明のエッ
チング液の良好なエッチングマスクとして機能すること
ができる。
ン,酸化シリコンに対してほとんどエッチング作用を示
さないことから、これら窒化物,酸化物は本発明のエッ
チング液の良好なエッチングマスクとして機能すること
ができる。
【0018】さらに、本発明の異方性エッチング液は、
エッチング処理後の基板の洗浄が極めて容易であるとい
う特徴を有する。これは、本発明のエッチング液にはア
ルカリ金属イオンが含まれておらず、130℃以上の熱
処理によって容易に分解除去することができ、ICプロ
セスとの適合性に優れている。
エッチング処理後の基板の洗浄が極めて容易であるとい
う特徴を有する。これは、本発明のエッチング液にはア
ルカリ金属イオンが含まれておらず、130℃以上の熱
処理によって容易に分解除去することができ、ICプロ
セスとの適合性に優れている。
【0019】
【発明の効果】本発明の異方性エッチング液は、強塩
基,高解離度および不揮発性を有する水酸化第4級アン
モニウムを主成分としていることから、長時間の使用で
も安定したエッチング速度で平滑な異方性エッチングを
行うことができる。そして、本発明のエッチング液は特
定量のシリコンを含有することから、シリコンのエッチ
ング速度に対するアルミニウムのエッチング速度を例え
ば1/10以下に低下させることが可能となり、アルミ
ニウム部分を含む基板に対して特に好適に使用すること
ができる。
基,高解離度および不揮発性を有する水酸化第4級アン
モニウムを主成分としていることから、長時間の使用で
も安定したエッチング速度で平滑な異方性エッチングを
行うことができる。そして、本発明のエッチング液は特
定量のシリコンを含有することから、シリコンのエッチ
ング速度に対するアルミニウムのエッチング速度を例え
ば1/10以下に低下させることが可能となり、アルミ
ニウム部分を含む基板に対して特に好適に使用すること
ができる。
【0020】
【その他の発明の説明】本発明のエッチング液を構成す
る水酸化第4級アンモニウムは、水酸化アンモニウム
(NH4 OH)の4つの水素をアルキル基で置換した水
酸化テトラアルキルアンモニウム(TAAH)を好まし
く用いることができる。このTAAHのアルキル置換基
としては、炭素数が1〜10のものが好適であり、特に
メチル基およびエチル基が好ましい。例えば、水酸化第
4級アンモニウムとして水酸化テトラメチルアンモニウ
ムを用いることにより、高いエッチング速度でマイクロ
ピラミッドの少ないエッチングが可能となる。
る水酸化第4級アンモニウムは、水酸化アンモニウム
(NH4 OH)の4つの水素をアルキル基で置換した水
酸化テトラアルキルアンモニウム(TAAH)を好まし
く用いることができる。このTAAHのアルキル置換基
としては、炭素数が1〜10のものが好適であり、特に
メチル基およびエチル基が好ましい。例えば、水酸化第
4級アンモニウムとして水酸化テトラメチルアンモニウ
ムを用いることにより、高いエッチング速度でマイクロ
ピラミッドの少ないエッチングが可能となる。
【0021】また、水酸化第4級アンモニウムの濃度
は、20〜50重量%が好適である。この濃度が20重
量%より小さい場合には、エッチング面にマイクロピラ
ミッドが発生し、エッチング面の凹凸が大きくなるため
良好なエッチング加工精度が得られない。また、濃度が
50重量%より大きい場合には、溶液中のOHイオン濃
度が低くなりエッチング速度が著しく低下するととも
に、室温で溶液中に沈澱物が生じ溶液の取扱いが困難と
なる。
は、20〜50重量%が好適である。この濃度が20重
量%より小さい場合には、エッチング面にマイクロピラ
ミッドが発生し、エッチング面の凹凸が大きくなるため
良好なエッチング加工精度が得られない。また、濃度が
50重量%より大きい場合には、溶液中のOHイオン濃
度が低くなりエッチング速度が著しく低下するととも
に、室温で溶液中に沈澱物が生じ溶液の取扱いが困難と
なる。
【0022】さらに、本発明のエッチング液は、50℃
以上の温度で使用されることが好ましい。エッチング液
の温度を高くすることにより、溶解反応の反応速度が上
昇し、シリコン単結晶の(100)面の溶解量が増加す
る。エッチング液の温度が50℃未満の場合には、実用
的なエッチング速度が得られず、またエッチング面の鏡
面性も低下する。
以上の温度で使用されることが好ましい。エッチング液
の温度を高くすることにより、溶解反応の反応速度が上
昇し、シリコン単結晶の(100)面の溶解量が増加す
る。エッチング液の温度が50℃未満の場合には、実用
的なエッチング速度が得られず、またエッチング面の鏡
面性も低下する。
【0023】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面を参照しながら
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【0024】本実施例においては、水酸化第4級アンモ
ニウムとして水酸化テトラメチルアンモニウム(TMA
H)を用い、エッチング温度を90℃に設定してエッチ
ングを行った。
ニウムとして水酸化テトラメチルアンモニウム(TMA
H)を用い、エッチング温度を90℃に設定してエッチ
ングを行った。
【0025】まず、エッチング液に溶解したシリコンの
重量の変化に伴うシリコン単結晶の(100)面のエッ
チング速度の変化およびアルミニウムのエッチング速度
の変化を求めた。その結果を図1および図2に示す。図
1および図2において、横軸はシリコン溶解量(g/
L)、縦軸はエッチング速度(μm/分)を示す。
重量の変化に伴うシリコン単結晶の(100)面のエッ
チング速度の変化およびアルミニウムのエッチング速度
の変化を求めた。その結果を図1および図2に示す。図
1および図2において、横軸はシリコン溶解量(g/
L)、縦軸はエッチング速度(μm/分)を示す。
【0026】図1は、TMAHの濃度が5重量%、図2
は、TMAHの濃度が22重量%の場合の測定結果であ
る。なお、シリコンを含まないときのシリコン単結晶
(100)面のエッチング速度は、TMAHが5重量%
のときには1.4μm/分、TMAHが22重量%のと
きは1.0μm/分である。また、シリコンを含まない
ときのアルミニウムのエッチング速度は、TMAHが5
重量%および22重量%のいずれの場合にもほぼ1.0
μm/分である。
は、TMAHの濃度が22重量%の場合の測定結果であ
る。なお、シリコンを含まないときのシリコン単結晶
(100)面のエッチング速度は、TMAHが5重量%
のときには1.4μm/分、TMAHが22重量%のと
きは1.0μm/分である。また、シリコンを含まない
ときのアルミニウムのエッチング速度は、TMAHが5
重量%および22重量%のいずれの場合にもほぼ1.0
μm/分である。
【0027】図3および図4は、横軸にTMAHの重量
に対するシリコンの重量割合(%)、縦軸にエッチング
速度(μm/分)をとり、図1および図2に示すデータ
を再プロットしたものである。図3および図4より明ら
かなように、シリコンのエッチング溶液への添加による
アルミニウムのエッチング抑制効果はTMAHの濃度に
よって多少異なるが、溶質(TMAH)の25〜27重
量%以上に相当するシリコンを溶解したときに、シリコ
ンのエッチング速度に対するアルミニウムのエッチング
速度を1/10以下に低下させることが可能となる。
に対するシリコンの重量割合(%)、縦軸にエッチング
速度(μm/分)をとり、図1および図2に示すデータ
を再プロットしたものである。図3および図4より明ら
かなように、シリコンのエッチング溶液への添加による
アルミニウムのエッチング抑制効果はTMAHの濃度に
よって多少異なるが、溶質(TMAH)の25〜27重
量%以上に相当するシリコンを溶解したときに、シリコ
ンのエッチング速度に対するアルミニウムのエッチング
速度を1/10以下に低下させることが可能となる。
【0028】このように、本実施例のエッチング液は、
アルミニウムに対するエッチング作用が小さく、シリコ
ンのみを選択的にエッチングすることができる。したが
って、このエッチング液によれば、アルミニウムによる
配線やボンディングパッドが形成されたシリコン基板表
面を該アルミニウム層に保護膜を形成することなくエッ
チングすることが可能となり、ICプロセスにおける異
方性エッチング液として優れた機能を有している。
アルミニウムに対するエッチング作用が小さく、シリコ
ンのみを選択的にエッチングすることができる。したが
って、このエッチング液によれば、アルミニウムによる
配線やボンディングパッドが形成されたシリコン基板表
面を該アルミニウム層に保護膜を形成することなくエッ
チングすることが可能となり、ICプロセスにおける異
方性エッチング液として優れた機能を有している。
【0029】次に、本発明の異方性エッチング液の適用
例として、これを用いてシリコン加速度センサを作製す
る場合のプロセスについて説明する。
例として、これを用いてシリコン加速度センサを作製す
る場合のプロセスについて説明する。
【0030】図5(A)〜(C)は、このプロセスを概
念的に示す説明図である。 (A) まず、シリコン基板10の所定部分に拡散型歪
みゲージ12を形成した後、シリコン基板10の両面に
二酸化シリコンからなる絶縁層14を形成する。この絶
縁層14にリソグラフィによって所定のパターンを形成
し、さらに蒸着等により前記拡散型歪みゲージ12に電
気的に接続されるアルミニウム層16を形成し、リソグ
ラフィによって所定のパターンを形成する。 (B) 上記(A)で得られた基板の表面および裏面に
マスク18を形成し、リソグラフィにより所定のパター
ンでボンディングパッド用窓20およびエッチング用窓
22を形成する。 (C) 上記(B)で得られた基板を本発明の異方性エ
ッチング液を用いてエッチングし、貫通孔24および孔
26を形成して加速度センサのカンチレバーを形成す
る。
念的に示す説明図である。 (A) まず、シリコン基板10の所定部分に拡散型歪
みゲージ12を形成した後、シリコン基板10の両面に
二酸化シリコンからなる絶縁層14を形成する。この絶
縁層14にリソグラフィによって所定のパターンを形成
し、さらに蒸着等により前記拡散型歪みゲージ12に電
気的に接続されるアルミニウム層16を形成し、リソグ
ラフィによって所定のパターンを形成する。 (B) 上記(A)で得られた基板の表面および裏面に
マスク18を形成し、リソグラフィにより所定のパター
ンでボンディングパッド用窓20およびエッチング用窓
22を形成する。 (C) 上記(B)で得られた基板を本発明の異方性エ
ッチング液を用いてエッチングし、貫通孔24および孔
26を形成して加速度センサのカンチレバーを形成す
る。
【0031】このとき、異方性エッチング液に含まれる
水酸化第4級アンモニウムおよびシリコンの含有量は、
エッチングすべきシリコン基板10の厚さ,アルミニウ
ム層16の厚さ,孔26の深さ,これら各層におけるエ
ッチング速度等を考慮して決定される。
水酸化第4級アンモニウムおよびシリコンの含有量は、
エッチングすべきシリコン基板10の厚さ,アルミニウ
ム層16の厚さ,孔26の深さ,これら各層におけるエ
ッチング速度等を考慮して決定される。
【0032】例えば、このプロセスにおいて、シリコン
基板10の厚さが100μm,アルミニウム層16の厚
さが1.5μm,孔26の深さが80μmのとき、90
℃,22重量%のTMAH水溶液に、TMAHに対し3
5重量%のシリコンを溶解したエッチング液を用いる
と、エッチングに必要に時間は、約160分となる。こ
のとき、エッチングされるアルミニウム層16の厚みは
0.16μmであり、これは本来のアルミニウム層16
の厚さの約10%に相当する。
基板10の厚さが100μm,アルミニウム層16の厚
さが1.5μm,孔26の深さが80μmのとき、90
℃,22重量%のTMAH水溶液に、TMAHに対し3
5重量%のシリコンを溶解したエッチング液を用いる
と、エッチングに必要に時間は、約160分となる。こ
のとき、エッチングされるアルミニウム層16の厚みは
0.16μmであり、これは本来のアルミニウム層16
の厚さの約10%に相当する。
【図1】TMAHの濃度が5重量%のときの、シリコン
溶解量とエッチング速度との関係を示す図である。
溶解量とエッチング速度との関係を示す図である。
【図2】TMAHの濃度が22重量%のときにおける、
シリコン溶解量とエッチング速度との関係を示す図であ
る。
シリコン溶解量とエッチング速度との関係を示す図であ
る。
【図3】TMAHの濃度が5重量%の場合における、T
MAH重量に対する溶解シリコン重量の割合とエッチン
グ速度との関係を示す図である。
MAH重量に対する溶解シリコン重量の割合とエッチン
グ速度との関係を示す図である。
【図4】TMAHの濃度が22重量%の場合における、
TMAH重量に対する溶解シリコン重量の割合とエッチ
ング速度との関係を示す図である。
TMAH重量に対する溶解シリコン重量の割合とエッチ
ング速度との関係を示す図である。
【図5】本発明の異方性エッチング液をシリコン加速度
センサの製作に応用した場合のプロセスを概念的に示す
説明図である。
センサの製作に応用した場合のプロセスを概念的に示す
説明図である。
10 シリコン基板 12 拡散型歪みゲージ 16 アルミニウム層
TC006501
TC006501
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 進 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭50−147287(JP,A) 特開 昭63−291425(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/306,21/308 C23F 1/00 - 3/06
Claims (3)
- 【請求項1】 第4級アンモニウム化合物の水酸化物を
溶質として含む溶液に、前記溶質の22重量%以上に相
当するシリコンを溶解し、さらに、前記第4級アンモニ
ウム化合物の水酸化物は、その濃度が20〜50重量%
であることを特徴とするシリコンの異方性エッチング
液。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記第4級アンモニウム化合物の水酸化物として水酸化
テトラメチルアンモニウムを用いたことを特徴とするシ
リコンの異方性エッチング液。 - 【請求項3】 請求項1または2において、 前記シリコンの含有割合は、25〜40重量%であるこ
とを特徴とするシリコンの異方性エッチング液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3175961A JP3027030B2 (ja) | 1991-06-19 | 1991-06-19 | シリコンの異方性エッチング液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3175961A JP3027030B2 (ja) | 1991-06-19 | 1991-06-19 | シリコンの異方性エッチング液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04370932A JPH04370932A (ja) | 1992-12-24 |
JP3027030B2 true JP3027030B2 (ja) | 2000-03-27 |
Family
ID=16005288
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3175961A Expired - Lifetime JP3027030B2 (ja) | 1991-06-19 | 1991-06-19 | シリコンの異方性エッチング液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3027030B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7994062B2 (en) | 2009-10-30 | 2011-08-09 | Sachem, Inc. | Selective silicon etch process |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5302551B2 (ja) * | 2008-02-28 | 2013-10-02 | 林純薬工業株式会社 | シリコン異方性エッチング液組成物 |
JP5853953B2 (ja) | 2010-08-20 | 2016-02-09 | 三菱瓦斯化学株式会社 | トランジスタの製造方法 |
KR20130114083A (ko) | 2010-08-31 | 2013-10-16 | 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 | 실리콘 에칭액 및 이를 이용한 트랜지스터의 제조 방법 |
US8771531B2 (en) * | 2011-04-19 | 2014-07-08 | Canon Kabushiki Kaisha | Method of producing substrate for liquid ejection head |
-
1991
- 1991-06-19 JP JP3175961A patent/JP3027030B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7994062B2 (en) | 2009-10-30 | 2011-08-09 | Sachem, Inc. | Selective silicon etch process |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04370932A (ja) | 1992-12-24 |
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