JP3025002U - 印刷機のインキ装置で横振りローラを軸方向に往復運動させる装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 横振りローラの行程長さの調節を、機械の回
転数に恒久的に同期して遠隔調節により可能にする、単
純で運転の安定した解決策を提供する。 【解決手段】 横振りローラ（１）の軸方向移動は、横
振りローラ（１）の軸方向に直角の方向に可動に機械側
壁（３）に支持されているローラ（１７）を介して、横
振りローラ（１）の回転に同期して行われる。ローラ
（１７）は、クランクアーム（１２）の２つの接触面
（１６）の間に介在し、横振りローラ（１）の設定され
た行程の長さに対応して位置調整されて置かれる。クラ
ンクアーム（１２）は、横振りローラ（１）の回転に伴
いウォーム歯車装置（１０）、ジャーナル（１３）、連
接棒（１１）、ロッカー（１５）および軸（２１）を介
して駆動されて振り子運動を行う。クランクアーム（１
２）が内部に抱えているローラ（１７）の位置は機械側
枠（３）に対して固定されているので、このクランクア
ーム（１２）の振り子運動のため、逆に横振りローラ
（１）が軸方向に往復運動させられるものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、機械の運転中に横振りローラの行程の長さを調整する装置を有する 、印刷機のインキ装置で横振りローラを軸方向に往復運動させる装置に関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】この種類の公知の装置（ドイツ特許発明明細書第２５１４４ １４Ｃ３号）では、横振りローラを往復運動させるために独立の駆動シリンダを 用いる。この駆動シリンダはアングルレバーと連結したレバーシステムを介しプ ッシュロッドにより横振りローラを軸方向に往復運動させる。その際、駆動シリ ンダは別の駆動装置によって駆動される。その際、この駆動装置は機械速度と同 期させるための制御装置を有していなければならない。この従来の技術に記載さ れた解決手段は非常に多くの支持点を含んでいるが、これらは特に横振りローラ の転向点で位置の遊びを生じることがある。このような遊びは、印刷版の着色に 不利に影響することがある。さらに、この公知の解決策は駆動に関する問題と結 合して構造上の負担が大きく、相応の多大なコストが生じるのは避けられない。 この場合、印刷機製造において複数の横振りローラを連結することは新規ではな いことを前提とする。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、この従来の技術を前提として、機械の回転数に恒久的に同期 されていて、遠隔調節の可能性により最適な機械制御を可能にする、単純で運転 の安定した解決策を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するために、本考案の装置は、横振りローラの軸方向移動が 、横振りローラの縦軸に対して直角に機械側枠に支持されたローラを介して行わ れ、このローラが平行に配置された２つの接触面の間で可動であり、２つの接触 面が、回転中心点の回りで振り子運動を行うクランクアームに設けられており、 ローラが２つの接触面の回転中心点から横振りローラの最大行程まで、調節手段 によって調節可能である。この解決策によって、横振りローラの行程を簡単に最 短時間でゼロにリセットし、停止状態から最大値まで無段階に変えることができ 、しかも軸方向行程の調整を停止状態と機械の運転中とに行うことができる。

【０００５】 本考案の好適な構成は、クランクアームの回転中心点がケーシングに設けられ ていて、このケーシングが横振りローラのジャーナル上に支持されており、クラ ンクアームが伝動装置、好ましくはウォーム歯車装置と、連接棒とを介して駆動 されて揺動運動に入り、さらに伝動装置がケーシング内に設けられている。クラ ンクアームのこのような駆動は、単純かつコンパクトに構成でき、遊びを伴う支 持点は少ない。その上、各々の横振りローラは独立に調節できる。

【０００６】 本考案の別の有利な構成では、ローラがガイドレール上で横振りローラの縦軸 に対して直角に調節可能であり、調節手段として空気圧シリンダが設けられてお り、調節行程がストッパによって限定されていて、それらのうち一方のストッパ が横振りローラの行程を調整するために調節可能である。本考案に従い、調節可 能なストッパはねじ付きスピンドルとして形成されており、このねじ付きスピン ドルが１対の平歯車を介してサーボモータと連結されている。このようにするこ とによって印刷工は、横振りローラの制御を印刷技術上の条件に応じて、たとえ ば制御盤から調整することができ、例えばハンドルなどを使った手作業により与 えられた調整を無制御状態で変更する必要はない。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下に、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【０００８】 横振りローラ１はジャーナル２と一緒に機械側枠３に、軸方向往復運動と回転 運動とを行えるように支持されている。横振りローラ１の駆動は平歯車４を介し て行われ、平歯車４はインキ装置の平歯車５とかみ合い、これによって駆動され る。このようにすることによって横振りローラ１は回転運動を行う。

【０００９】 ジャーナル２の端部には、横振りローラ１と一緒に軸方向に往復運動するケー シング６が支持されている。ケーシング６は、ガイドバー７によって回動しない ように確保されている。ガイドバー７は、控えボルト９によって機械側枠３に固 定されたベースプレート８内を、横振りローラ１の行程に対応して往復運動する 。ケーシング内にはウォーム歯車装置１０が設けられていて、横振りローラ１の ジャーナル２から駆動される。ウォーム歯車装置１０は連接棒１１を駆動し、連 接棒１１はまたクランクアーム１２を揺動運動させる。クランクアーム１２もケ ーシング６内に、振り子運動を行えるように支持されている。その際、連接棒１ １は一方の側では、ウォーム歯車装置１０に偏心して設けられたジャーナル１３ に支持されており、他方の側では、ロッカー１５に固定したジャーナル１４に支 持されている。ロッカー１５はまたクランクアーム１２を駆動する。

【００１０】 クランクアーム１２は平行に延びている２つの接触面１６を有しており、それ らの間にローラ１７が設けられている。ローラ１７は保持具１８に固定されてい る。保持具１８はまたガイドレール１９上で、機械側枠３もしくはベースプレー ト８に対して平行に摺動できる。ガイドレール１９はボルト２０によってベース プレート８に固定されている。したがって、ローラ１７は保持具１８、ガイドレ ール１９およびベースプレート８を介して機械側枠３に支持されている。

【００１１】 ローラ１７の保持具１８には、調節手段２２のプッシュロッド２１が係合して いる。調節手段２２は支持ブラケット２３を介してベースプレート８に支持され ている。調節手段２２は、たとえば空気圧シリンダであることができ、これによ ってローラ１７は行程ａだけ摺動できる。ガイドレール１９には第１のストッパ ２４が設けられている。ローラ１７がクランクアーム１２の回転中心点Ｂと一致 するときは、保持具１８はストッパ２４に当たっている。第２の調節可能なスト ッパ２５は軸受体２６に設けられており、ねじ付きスピンドル２７として形成さ れている。ねじ付きスピンドル２７は軸受体２６を貫通し、１対の平歯車２８、 ２９を介してサーボモータ３０と連結している。サーボモータ３０も軸受体２６ に支持されている（図示せず）。サーボモータ３０によりねじ付きスピンドル２ ７が回動することによって、ストッパ２５を図１に示す最大位置から、ローラ１ ７の中心点が回転中心点Ｂと一致するまで動かすことができる。調節手段２２は サーボモータ３０と全く同様に遠隔制御できるので、２つの最終位置の間でロー ラ位置は無段階に変化できる。

【００１２】 横振りローラ１が回転すると、ウォーム歯車装置１０を通して連接棒１１に往 復運動が伝えられる。この往復運動はジャーナル１４とロッカー１５に振り子運 動を行わせ、次にこの振り子運動が軸３１を通してクランクアーム１２に伝えら れる。次にクランクアーム１２は回転中心点Ｂの回りで振り子運動を行う。横振 りローラの軸方向に見てローラ１７が機械側枠３に固く支持されているので、範 囲ａ内のローラ１７の位置に応じてクランクアームの振り子運動は往復運動に転 換される。このとき、クランクアーム１２の振り子運動は回転中心点Ｂに伝えら れ、したがってケーシング６に伝えられる。ケーシング６は横振りローラ１のジ ャーナル２に回転可能に、しかし軸方向には摺動できないように支持されている 。したがってジャーナル２は往復運動に入るが、行程はストッパ２５のそれぞれ の調整に対応している。その際、ローラ１７が点Ｂに位置しているときは、軸方 向運動は横振りローラ１に伝えられない。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本考案による装置の側面図である。

【図２】図２は、図１の装置の平面図である。

【符号の説明】

１ 横振りローラ ２ 軸方向ジャーナル ３ 機械側枠 ４、５、２８、２９ 平歯車 ６ ケーシング ７ ガイドバー ８ ベースプレート ９ 控えボルト １０ ウォーム歯車装置 １１ 連接棒 １２ クランクアーム １３、１４ ジャーナル １５ ロッカー １６ 接触面 １７ ローラ １８ 保持具 １９ ガイドレール ２０ ボルト ２１ プッシュロッド ２２ 調節手段 ２３ 支持ブラケット ２４、２５ ストッパ ２６ 軸受体 ２７ ねじ付きスピンドル ３０ サーボモータ ３１ 軸

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 カールシュテン ケルム ドイツ連邦共和国 68199 マンハイム、 ローゼンシュトラーセ 81

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 機械の運転中に横振りローラの行程の長
   さを調整する装置を有する、印刷機のインキ装置で横振
   りローラを軸方向に往復運動させる装置において、 横振りローラ（１）の軸方向移動が、横振りローラ
   （１）の縦軸に対して直角に機械側枠（３）に支持され
   たローラ（１７）を介して行われ、このローラ（１７）
   は平行に配置された２つの接触面（１６）の間で可動で
   あり、 ２つの接触面（１６）が、回転中心点（Ｂ）の回りで振
   り子運動を行うクランクアーム（１２）に設けられてお
   り、 ローラ（１７）が２つの接触面（１６）の回転中心点
   （Ｂ）から横振りローラ（１）の最大行程まで、調節手
   段（２２）によって調節可能であることを特徴とする、
   印刷機のインキ装置で横振りローラを軸方向に往復運動
   させる装置。
2. 【請求項２】 クランクアーム（１２）の前記回転中心
   点がケーシング（６）に設けられていて、このケーシン
   グ（６）が横振りローラ（１）のジャーナル（２）上に
   支持されており、 クランクアーム（１２）が伝動装置（１０）、好ましく
   はウォーム歯車装置と、連接棒（１１）とを介して駆動
   されて揺動運動に入り、さらに伝動装置（１０）がケー
   シング（６）内に設けられている、請求項１に記載の装
   置。
3. 【請求項３】 ローラ（１７）がガイドレール（１９）
   内で横振りローラ（１）の縦軸に対して直角に調節可能
   であり、 調節手段（２２）として空気圧シリンダが設けられてお
   り、調節行程がストッパ（２４、２５）によって限定さ
   れていて、それらのうち一方のストッパ（２５）が横振
   りローラ（１）の行程を調整するために調節可能であ
   る、請求項１に記載の装置。
4. 【請求項４】 調節可能なストッパ（２５）はねじ付き
   スピンドル（２７）として形成されており、このねじ付
   きスピンドル（２７）が１対の平歯車（２８、２９）を
   介してサーボモータ（３０）と連結されている、請求項
   ３に記載の装置。