JP3024653U - 合成樹脂製連結具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 釦と釦穴又は紐環、ホック、ファスナー、結
び紐等の連結手段の代用として衣服の開閉部分に、また
連結用バックルの代用として携帯用品のバンド結合部分
に、縫着固定できるところの合成樹脂製連結具を提供す
ることにある。 【解決手段】 連結強度を具備させた鈎体(3) 及び樹脂
弾性を利用してバネ機能を具備させた開閉体(4) を、該
開閉体(4) の先端と鈎体(3) の先端とを突合せ状態又は
後記連結環(2) の環枠(7) より狭い間隔で対峙した状態
として、周縁又は周囲に縫着用肉薄部(5a)を形成した基
板(6) と一体に形成したフック体(1) と、環枠(7) によ
り形成された環部(8) に周縁又は周囲に縫着用肉薄部(5
b)を形成した縫着用基板(9) と一体に形成した連結環
(2) とを、熱可塑性合成樹脂でそれぞれ形成し、フック
体(1) と連結環(2) とを、開閉体(4) の先端と鈎体(3)
の先端との衝合又は対峙部分において連結、離脱する構
成としたことを特徴としており、縫着用肉薄部(5a)、(5
b)については、連続する溝、ミシン目間隔凹部、肉薄縁
のいずれかで形成して縫着可能としたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、衣服の開閉部分、鞄本体と掛けバンドの結合部分等に使用する合成 樹脂製連結具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、吊り下げ具として、開閉可能なフック体の根元部分に、フック体形 成部材で一体に形成した、又は別に形成して一体に組立てた接続環を具備した金 属製又は合成樹脂製の吊り環（通称、ナス環）が周知であり、鞄、ゴルフバッグ 、リュックサック等や、各種携帯用品（カメラ、キーホルダー等）或は付属品等 に、螺子固定やリベット、鳩目を使用した加締手段により固定して多く使用され ている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の吊り環は、螺子やリベット、鳩目を使用した加締手段により固定す る構成であるために、固定作業が厄介であるだけでなく、固定手段として用いた 部材によって、皮膚や生地のみでなく他の商品にも傷を与えることが多く、また 外観体裁も悪くなる点に解決すべき課題があって、ファッションに影響を与える 衣服や携帯用品には多くは使用されていない現状であり、少なくとも可撓性シー ト部材で形成される商品については、簡単に取り付けと傷を与えない吊り環に代 わる連結具が、衣服の開閉部分の釦と釦穴又は紐環、ホック、ファスナー、結び 紐等の代用として、また、鞄、ケース等と掛けバンドの結合に使用している連結 用バックルの代用となるならば、従来のこれらの吊り環や釦、バックル等を用い た場合のファッション或はデザインとは趣の異なる商品の提供ができることから 、これらを満足させる連結具の提供が課題となっている。

【０００４】 本考案の目的とするところは、衣服の開閉部分、例えば、前身頃相互の開閉部 には、釦と釦穴又は紐環、ホック、ファスナー、結び紐等の代用として、また携 帯用品のバンドの結合部分の連結用バックルの代用として使用できるところの合 成樹脂製連結具を安価に提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の合成樹脂製連結具は、上記目的達成するものであって、連結強度を具 備させた鈎体(3) 及び樹脂弾性を利用してバネ機能を具備させた開閉体(4) を、 該開閉体(4) の先端と鈎体(3) の先端とを突合せ状態又は後記連結環(2) の環枠 (7) より狭い間隔で対峙した状態として、周縁又は周囲に縫着用肉薄部(5a)を形 成した基板(6) と一体に形成したフック体(1) と、環枠(7) により形成された環 部(8) の周縁又は周囲に縫着用肉薄部(5b)を形成した縫着用基板(9) と一体に形 成した連結環(2) とを、熱可塑性合成樹脂でそれぞれ形成し、フック体(1) と連 結環(2) とを、開閉体(4) の先端と鈎体(3) の先端との衝合又は対峙部分におい て連結、離脱する構成としたことを特徴としており、縫着用肉薄部(5a)、(5b)に ついては、連続する溝、ミシン目間隔凹部、肉薄縁のいずれかで形成する。

【０００６】

【考案の実施の形態】及び

【実施例】

図１は本考案の実施例に係る合成樹脂製連結具を一部破断して示した正面図、 図２は合成樹脂製連結具を一部破断して示した側面図、図３はショルダーバッグ に使用した場合の説明図であって、ナイロン樹脂製のフック体(1) と連結環(2) とからなる。

【０００７】 フック体(1) は、中央部に力骨を形成して断面形状をＴ字形として連結強度を 具備させた鈎体(3) と、ヘラ状として樹脂弾性を利用したバネ機能を具備する厚 みの開閉体(4) と、周縁に肉薄縁からなる縫着用肉薄部(5a)を形成した基板(6) とを、前記開閉体(4) の先端と前記鈎体(3) の先端とが突合せ状態又は後記連結 環(2) の環枠(7) より狭い間隔で対峙した状態とするとともに、連結及び離脱操 作を円滑にするために、開閉体(4) の先端と鈎体(3) の先端との突合せ部分又は 対峙部分には、連結、離脱用のガイド部が形成されるように、一体成形手段によ り製作する。

【０００８】 また連結環(2) は、環枠(7) により半円形に形成された環部(8) の直線枠部側 に、周囲に溝により形成された縫着用肉薄部(5b)を設けた縫着用基板(9) が延設 された形態に一体成形手段により製作する。

【０００９】 上記のように製作された合成樹脂製連結具は、図３に示すように、ショルダー バッグＢの襠部分ｂに、縫着用基板(9) を重ね、その縫着用肉薄部(5b)を縫着し て連結環(2) を固定するとともに、ショルダーバンドＣの端部分に、基板(6) を 重ね、その肉薄縁から形成された縫着用肉薄部(5a)を縫着してフック体(1) を固 定する。

【００１０】 そしてフック体(1) と連結環(2) との連結及び離脱は、開閉体(4) の先端と鈎 体(3) の先端との突合せ部分又は対峙部分から、開閉体(4) の内方向及び外方向 への弾性変形を利用して、フック体(1) を連結環(2) の環部(8) に引っ掛け又は 環部(8) から分離させることにより行う。

【００１１】 なお、上記実施例の合成樹脂製連結具はナイロンを使用しているが、ウレタン 、塩化ビニール等の熱可塑性合成樹脂であればよく、また、実施例における基板 (6) の縫着用肉薄部(5a)は肉薄縁とし、縫着用基板(9) の縫着用肉薄部(5b)は溝 により形成したが、これに限定されるものではなく、連続する溝、ミシン目間隔 凹部、肉薄縁のいずれかとし、連結環(2) の環部(8) と縫着用基板(9) との間に 、フック体(1) と連結環(2) との連結及び離脱操作をやりやすくするために、曲 げ用ライン(10)を形成する場合もある。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明した本考案の合成樹脂製連結具によれば、フック体(1) の基板(6) と 連結環(2) の縫着用基板(9) に形成した縫着用肉薄部(5a)、(5b)を利用して縫着 手段により対象物に固定することができるから、従来のように、螺子やリベット 、鳩目を使用した加締手段により固定するのに比べ、固定作業が簡単となり、ま た螺子やリベット等の使用によって生じていた、皮膚、生地、商品の損傷を解消 するとともに、固定外観体裁を良好となり、ファッションに影響を与える衣服や 携帯用品の広い分野にわたり、釦と釦穴又は紐環、ホック、ファスナー、結び紐 等の代用として、また、鞄、ケース等と掛けバンドの結合に使用している連結用 バックルの代用として使用することができ、従来の吊り環や釦、バックル等を用 いた場合のファッション或はデザインとは趣の異なる商品の提供に貢献すること ができる。

【００１３】 また、フック体(1) と連結環(2) との連結及び離脱は、開閉体(4) の先端と鈎 体(3) の先端との突合せ部分又は対峙部分から、開閉体(4) の内方向及び外方向 への弾性変形を利用して、フック体(1) を連結環(2) の環部(8) に引っ掛け又は 環部(8) から分離させることができるから、両者の脱着操作が便利となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る合成樹脂製連結具を一部
破断した正面図である。

【図２】本考案の実施例に係る合成樹脂製連結具を一部
破断した側面図である。

【図３】本考案の実施例に係る合成樹脂製連結具をショ
ルダーバッグに使用した場合の説明図である。

【符号の説明】

(1) フック体 (2) 連結環 (3) 鈎体 (4) 開閉体 (5a) 縫着用肉薄部 (5b) 縫着用肉薄部 (6) 基板 (7) 環枠 (8) 環部 (9) 縫着用基板 (10) 曲げ用ライン Ｂ ショルダーバッグ Ｃ ショルダーバンド ｂ 襠部分

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 連結強度を具備させた鈎体(3) 及び樹脂
   弾性を利用してバネ機能を具備させた開閉体(4) を、該
   開閉体(4) の先端と鈎体(3) の先端とを突合せ状態又は
   後記連結環(2) の環枠(7) より狭い間隔で対峙した状態
   として、周縁又は周囲に縫着用肉薄部(5a)を形成した基
   板(6) と一体に形成したフック体(1)と、環枠(7) によ
   り形成された環部(8) に周縁又は周囲に縫着用肉薄部(5
   b)を形成した縫着用基板(9) と一体に形成した連結環
   (2) とを、熱可塑性合成樹脂でそれぞれ形成し、フック
   体(1) と連結環(2) とを、開閉体(4) の先端と鈎体(3)
   の先端との衝合又は対峙部分において連結、離脱する構
   成としたことを特徴とする合成樹脂製連結具。
2. 【請求項２】 縫着用肉薄部(5a)、(5b)が、連続する
   溝、ミシン目間隔凹部、肉薄縁のいずれかで形成された
   請求項１記載の合成樹脂製連結具。