JP3021892B2 - 非水系電解液二次電池 - Google Patents
非水系電解液二次電池Info
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Description
に係わり、特に電解液注液後に予備充電を必要とする非
水系電解液二次電池の最適な予備充電時期の選定に関す
る。
充電時に電析リチウムの生成がないこと、可撓性に優れ
るため電池形状が制限されないことなどの理由から、リ
チウムを吸蔵放出可能な炭素材料が非水系電解液二次電
池の負極材料として提案され脚光を浴びている。
池を組み立てた後に充電(この充電を、本明細書におい
ては、「予備充電」と称する。)を行い、負極材料にリ
チウムを吸蔵(インターカレート)させたのちに実用に
供される。
していない段階の負極の電位は3.2V程度である。こ
の電位は、芯体(負極集電体)に使用されているCu、
Ni、ステンレス等の金属材料が電解液に溶解する最低
電位(この電位を、本明細書では「溶解電位」と称す
る。通常、3V程度である。)以上であるため、電解液
を電池内へ注液して電池を組み立てた後、予備充電する
までの時間が長いと、これらの金属材料が電解液中に徐
々に溶出し、充放電サイクルを繰り返すうちに、セパレ
ータに目詰まりを起こさせたり、電解液中に溶出した金
属材料が負極上に電析したりして、電池特性を阻害する
という問題があることが分かった。
れず、電解液注液後の電位が芯体たる金属材料の溶解電
位以上である負極材料を備える非水系電解液二次電池に
共通して生じる問題であり、たとえばリチウムを吸蔵放
出可能な金属酸化物を負極材料として用いた非水系電解
液二次電池においても生じ得る問題である。
ではなく、芯体と同電位にある負極缶についても、電解
液注液後の負極缶の電位が負極缶を構成する金属材料の
溶解電位以上である場合には、同様に生じる問題であ
る。
れたものであって、その目的とするところは、最適な予
備充電時期を選定することにより、優れたサイクル特性
を発現する非水系電解液二次電池を提供するにある。
の請求項1記載の発明に係る非水系電解液二次電池(以
下、「第一電池」と称する。)は、金属材料からなる芯
体とリチウムを吸蔵放出可能な材料とが結着されてな
り、非水系電解液を電池内に注液した後の電位が前記金
属材料の溶解電位以上である負極と、リチウムを吸蔵放
出可能な金属酸化物を活物質とする正極と、これら両極
間に介装されたセパレータとを備えてなる非水系電解液
二次電池であって、前記負極の電位を前記金属材料の溶
解電位より低くすべく、前記非水系電解液を電池内に注
液した後24時間以内に予備充電がなされていることを
特徴とする。
解液二次電池(以下、「第二電池」と称する。)は、非
水系電解液を電池内に注液した後の負極缶の電位が当該
負極缶を構成する金属材料の溶解電位以上である非水系
電解液二次電池であって、前記負極缶の電位を前記金属
材料の溶解電位より低くすべく、前記非水系電解液を電
池内に注液した後24時間以内に予備充電がなされてい
ることを特徴とする。なお、以下においては、第一電池
と第二電池とを本発明に係る電池と総称する。
る芯体(負極集電体)にリチウムを吸蔵放出可能な材料
を結着剤を介して結着させてなるものであり、且つ、電
解液注液後の電位が前記金属材料の溶解電位以上である
ものである。
成する金属材料の溶解電位以上であるものに限定される
のは、該電位が金属材料の溶解電位未満であるものにつ
いては、本発明が解決せんとする課題、すなわち金属材
料が電解液中に溶出するという課題自体が存在しないか
らである。
ては、Cu、Ni又はステンレス(SUS)からなる箔
やラス板が例示される。
を吸蔵放出可能な材料としては、黒鉛、コークス等の炭
素材料や、WO3 、Fe2 O5 、Nb2 O5 等の金属酸
化物が例示される。
対する溶解電位が3V程度であり、この電位が上記した
炭素材料や金属酸化物を負極材料とする負極の電解液注
液後のLi/Li+ 単極電位に対する電位である3.2
V程度に比し低いため、徐々に電解液中へ溶出するので
ある。
素材料などを、PTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン)、PVdF(ポリ二フッ化ビニリデン)等の結着剤
と混練して負極合剤を得た後、この負極合剤を上記した
芯体に圧延して、250°C程度の温度で2時間程度真
空熱処理することにより作製される。
の負極缶の電位が、該負極缶を構成する金属材料の溶解
電位以上であるものである。このように電解液注液後の
電位が負極缶を構成する金属材料の溶解電位以上である
ものに限定されるのも、既述した芯体における理由と同
理由による。
としては、ステンレス、Feが例示される。
活物質)としては、二次電池用としてリチウムを吸蔵放
出可能な金属酸化物であれば特に制限されず、たとえば
LiCoO2 、LiMn2 O4 、LiNiO2 などが挙
げられる。
ば上記した正極材料をアセチレンブラック、カーボンブ
ラック等の導電剤及びPTFE、PVdF等の結着剤と
混練して正極合剤とした後、この正極合剤を芯体(正極
集電体)としてのアルミニウム製のラス板に圧延して、
250°C程度の温度で2時間程度真空熱処理すること
により作製される。
特に制限されず、ポリプロピレン、ポリエチレンなどか
らなる微孔性薄膜など、非水系電解液二次電池用として
従来使用されている種々のセパレータを用いることがで
きる。
も、特に制限されず、プロピレンカーボネート、エチレ
ンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、ジメ
チルカーボネート、ジエチルカーボネート等の溶媒にL
iPF6 等の溶質を溶かした溶液など、非水系電解液二
次電池用として従来提案されている種々の非水系電解液
を用いることができる。
非水系電解液二次電池の負極の電位を芯体又は負極缶を
構成する金属材料の溶解電位より低くすべく、非水系電
解液の電池内への注液後24時間以内に予備充電がなさ
れてなる。
液の注液後24時間以内に行うこととした理由は、電解
液注液後24時間以内であれば、充放電サイクルを繰り
返し行った場合でも、材料劣化による電池容量の低下が
若干ある程度であり、芯体や負極缶を構成する金属材料
が電解液中に溶出することによる電池容量の低下は殆ど
ないからである。この事実は、後述する実施例により明
らかにされる。
は、予備充電による負極材料の負極化が、非水系電解液
の注液後24時間以内になされるので、芯体又は負極缶
を構成する金属材料の非水系電解液への溶出が少ない。
このため、充放電サイクルを重ねた場合でも、セパレー
タの目詰まりや、前記金属材料の非水系電解液からの電
析が殆ど起こらない。以下に、本発明の原理(作用)
を、より一層明らかにするために、図を参照して説明す
る。
Li/Li+ 単極電位に対する炭素材料を負極材料とす
る負極の電位(V)(以下の電位も同様)を、また横軸
に、予備充電開始後の時間(h)をとって、グラフに示
したものである。
は、3.2V程度(a点)であった負極の電位は、予備
充電が進み負極材料によるリチウムの吸蔵量が増すにつ
れて徐々に降下し、予備充電完了時には、0Vを示すb
点に至る。次いで、外部抵抗を接続して放電を行うと、
負極の電位は徐々に上昇して放電終止電位を示すc点
(1V程度)に至る。なお、放電により元のa点と同じ
電位まで負極の電位が復帰しないのは、吸蔵されたリチ
ウム金属の一部が負極材料に捕捉されるためである。さ
らに再使用するために、充電を行うと、負極の電位はc
点から徐々に降下して、充電完了時には、0Vを示すd
点に至る。以後の充放電サイクルの繰り返しにおいて
は、負極の電位はb→c→dの電位サイクルを繰り返す
こととなる。
後、予備充電を行う前の負極の芯体や負極缶の電位は、
一般に3.2V前後である。このため、溶解電位が上記
3.2Vより低い3V程度であるCu、Ni、ステンレ
ス、Fe等の金属材料を負極の芯体や負極缶の材料とし
て用いた場合、予備充電前の高電位にある間に、それら
の金属材料が電解液中に溶出することとなる。
液の注液後24時間以内という早期に予備充電を行い、
負極の電位を金属材料の溶解電位より低くしてやること
により、可及的に低減させることにしたものである。
に説明するが、本発明は下記実施例により何ら限定され
るものではなく、その要旨を変更しない範囲において適
宜変更して実施することが可能なものである。
レンブラック及び結着剤としてのフッ素樹脂ディスパー
ジョンと、重量比90:6:4の比率で混練して正極合
剤を得た。次いで、この正極合剤を集電体としてのアル
ミニウム製のラス板に圧延し、250°Cで2時間真空
熱処理して正極を作製した。
粉末に、結着剤としてのフッ素樹脂ディスパージョン
を、重量比95:5の比率で混合して負極合剤を得た。
この負極合剤を、集電体(芯体)としての銅製のラス板
に圧延し、250°Cで2時間真空下で熱処理して負極
を作製した。
ートとジメチルカーボネートとの体積比1:1の混合溶
媒に、LiPF6 を1モル/リットル溶かして非水系電
解液を調製した。
両極、セパレータ、負極缶などで円筒形の二次電池を構
成し、これに非水系電解液を注液して電池を組み立てた
後、25°Cで1時間放置した後に予備充電を行って本
発明電池BA1(電池寸法:直径14.2mm、高さ:
50.0mm)を作製した。なお、負極缶としては、鉄
製材料を用い、またセパレータとしては、ポリプロピレ
ン製の微孔性薄膜を用いた。
であり、同図に示す電池BA1は、正極1及び負極2、
これら両電極を離隔するセパレータ3、正極リード4、
負極リード5、正極外部端子6、負極缶7などからな
る。正極1及び負極2は非水電解液が注入されたセパレ
ータ3を介して渦巻き状に巻き取られた状態で負極缶7
内に収容されており、正極1は正極リード4を介して正
極外部端子6に、また負極2は負極リード5を介して負
極缶7に接続され、電池BA1内部で生じた化学エネル
ギーを電気エネルギーとして外部へ取り出し得るように
なっている。
時間放置した後に行ったこと以外は実施例1と同様にし
て本発明電池BA2を作製した。
時間放置した後に行ったこと以外は実施例1と同様にし
て比較電池BC1を作製した。
あり、縦軸に電池容量(mAh)を、横軸にサイクル数
(回)をとって示したグラフである。同図より、放置時
間が24時間以内である本発明電池BA1及びBA2
は、500サイクル後も電池容量のサイクル劣化が材料
の疲労による容量低下程度であるのに対して、放置時間
が48時間である比較電池BC1の電池容量の低下はサ
イクル数を重ねるごとに激しく、初期には500mAh
弱あった電池容量が500サイクル後には、初期の半分
以下の200mAh程度に低下していることが分かる。
電を、電解液注液後、それぞれ10時間、20時間、3
0時間、36時間、25°Cで各電池を放置した後に行
ったこと以外は実施例1と同様にして、本発明電池BA
3、BA4、比較電池BC2及びBC3を作製した。
置時間とサイクル特性との関係図であり、縦軸に500
サイクル経過後の放電容量(mAh)を、横軸に電解液
注液後の放置時間(h)をとって示したグラフである。
なお、図4中には、先の本発明電池BA1、BA2、比
較電池BC1についてのデータも転記してある。
本発明電池BA1〜BA4は、500サイクル後の放電
容量が400mAh強と大きいのに対して、放置時間が
24時間を越える比較電池BC1〜BC3は、本発明電
池BA1〜BA4に比し、500サイクル後の放電容量
が、いずれも小さいことが分かる。
電を、電解液注液後、それぞれ1時間、10時間、20
時間、24時間、30時間、36時間、48時間、40
°Cで各電池を放置した後に行ったこと以外は実施例1
と同様にして、本発明電池BA5〜BA8、比較電池B
C4〜BC6を作製した。
置時間とサイクル特性との関係図であり、縦軸に500
サイクル経過後の放電容量(mAh)を、横軸に電解液
注液後の放置時間(h)をとって示したグラフである。
いても、放置温度が25°Cである場合と同様、放置時
間が24時間以内である本発明電池BA5〜BA8は、
500サイクル後の放電容量が400mAh強と大きい
のに対して、放置時間が24時間を越える比較電池BC
4〜BC6は、本発明電池BA5〜BA8に比し、50
0サイクル後の放電容量が、全て小さいことが分かる。
予備充電を、電解液注液後、それぞれ1時間、10時
間、20時間、24時間、30時間、36時間、60°
Cで各電池を放置した後に行ったこと以外は実施例1と
同様にして、本発明電池BA9〜BA12並びに比較電
池BC7及びBC8を作製した。
置時間とサイクル特性との関係図であり、縦軸に500
サイクル経過後の放電容量(mAh)を、横軸に電解液
注液後の放置時間(h)をとって示したグラフである。
いても、放置時間が24時間以内である本発明電池BA
9〜BA12は、放置時間が24時間を越える比較電池
BC7及びBC8に比し、500サイクル後の放電容量
が大きいことが分かる。なお、図4〜図6の3図を比較
することにより、放置温度が25°Cから40°C、6
0°Cと高くなるにつれて、放電容量のサイクル劣化が
大きくなることが理解される。
用する場合の具体例について説明したが、電池の形状に
特に制限はなく、本発明は扁平型、角型など、種々の形
状の非水系電解液二次電池に適用し得るものである。
予備充電が非水系電解液の注液後24時間以内になされ
ているので、芯体又は負極缶を構成する金属材料の非水
系電解液への溶出が少なく、このため充放電サイクルを
重ねてもセパレータの目詰まりや前記金属材料の負極上
への電析が殆ど起こらず、優れたサイクル特性を発現す
るなど、本発明は優れた特有の効果を奏する。
る。
イクル特性との関係図である。
イクル特性との関係図である。
イクル特性との関係図である。
Claims (5)
- 【請求項1】金属材料からなる芯体とリチウムを吸蔵放
出可能な材料とが結着されてなり、非水系電解液を電池
内に注液した後の電位が前記金属材料の溶解電位以上で
ある負極と、リチウムを吸蔵放出可能な金属酸化物を活
物質とする正極と、これら両極間に介装されたセパレー
タとを備えてなる非水系電解液二次電池であって、前記
負極の電位を前記金属材料の溶解電位より低くすべく、
前記非水系電解液を電池内に注液した後24時間以内に
予備充電がなされていることを特徴とする非水系電解液
二次電池。 - 【請求項2】前記金属材料がCu、Ni又はステンレス
である請求項1記載の非水系電解液二次電池。 - 【請求項3】前記リチウムを吸蔵放出可能な材料が炭素
材料又は金属酸化物である請求項1記載の非水系電解液
二次電池。 - 【請求項4】非水系電解液を電池内に注液した後の負極
缶の電位が当該負極缶を構成する金属材料の溶解電位以
上である非水系電解液二次電池であって、前記負極缶の
電位を前記金属材料の溶解電位より低くすべく、前記非
水系電解液を電池内に注液した後24時間以内に予備充
電がなされていることを特徴とする非水系電解液二次電
池。 - 【請求項5】前記金属材料がステンレス又はFeである
請求項4記載の非水系電解液二次電池。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP3352080A JP3021892B2 (ja) | 1991-12-12 | 1991-12-12 | 非水系電解液二次電池 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3352080A JP3021892B2 (ja) | 1991-12-12 | 1991-12-12 | 非水系電解液二次電池 |
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JPH05166535A JPH05166535A (ja) | 1993-07-02 |
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ID=18421646
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3352080A Expired - Lifetime JP3021892B2 (ja) | 1991-12-12 | 1991-12-12 | 非水系電解液二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP5447176B2 (ja) * | 2010-05-17 | 2014-03-19 | ソニー株式会社 | 非水電解質二次電池の充電方法及び製造方法 |
-
1991
- 1991-12-12 JP JP3352080A patent/JP3021892B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH05166535A (ja) | 1993-07-02 |
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