JP3016189U - 玩具空気銃 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この考案は弾がほぼ照準のとおりに発射でき
るようにした構造が簡単で玩具に適する玩具空気銃を提
供するものである。 【構成】 この考案は後部にピストンロッドを介して重
り部を一体に設けたピストンと、このピストンを密接す
るように収容し重り部を除くピストンロッドを進退可能
に貫通させかつ前端部を小径にした小径部を有する前後
方向に進退可能にした作動筒と、この作動筒の小径部に
通ずる部分に設けた常時開放し前方が後方より低圧にな
ると閉じる圧力差弁と、ピストンの後退時復帰する方向
に弾力を及ぼす戻しバネとを有する玩具空気銃を提供す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は銃身と、この銃身の後端部に続いて配置して次に発射する弾の周囲 を囲んで保持する保持部と、蓄圧室と、弾を順次供給する弾倉とを設け、引金を 引くことにより蓄圧室の放出弁が開いて高圧ガスを供給して保持部に保持された 弾を発射して再び保持部に次の弾を保持させるように供給する玩具空気銃に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の玩具空気銃において簡単な構造で弾を発射してピストンや遊底が動くも のはこの考案の考案者が提案した実開平５−８２８５号公報に示されるものがあ るが、弾を発射する前からピストンや遊底が動き始めるものであり、試験すると 銃の本体の前部が下方へ動くように回動するという現象が生じ弾は照準時より下 に向かって発射されるという欠点があった。その理由はピストンや遊底は大きい 重量を有するため、かなりのガスの圧力に基づく力が継続して作用するものであ り、かつこの間ガスの圧力は前方に向かっても作用して銃の本体に力を及ぼし把 持部分が下にある場合前方が下に向かって回動するような力のモーメントを受け ると考えられる。従来弾を発射した後にピストン等が後退するものもあるが、構 造が著しく複雑で故障も多く玩具向きでないものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案はこのような点を解決して弾がほぼ照準のとおりに発射できるように した構造が簡単で玩具に適する玩具空気銃を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案は銃身と、この銃身の後端部に続いて配置して次に発射する弾の周囲 を囲んで保持する保持部と、液化ガスを供給する蓄圧室と、弾を順次供給する弾 倉とを設け、引金を引くことにより蓄圧室の放出弁が開いて高圧ガスを供給して 保持部に保持された弾を発射して再び保持部に次の弾を保持させるように供給す る玩具空気銃において、後部にピストンロッドを介して重り部を一体に設けたピ ストンと、このピストンを密接するように収容し重り部を除くピストンロッドを 進退可能に貫通させかつ前端部を小径にした小径部を有する前後方向に進退可能 にした作動筒と、この作動筒の小径部に通ずる部分に設けた常時開放し前方が後 方より低圧になると閉じる圧力差弁と、ピストンの後退時復帰する方向に弾力を 及ぼす戻しバネとを包含し、前記作動筒の後退時弾倉の先端部の弾は作動筒が前 進すると小径部に押されて保持部に保持されるようになるものであり、前記引金 を引くと放出弁が開いて作動筒のピストンの前方部分に高圧ガスを供給して保持 部に保持される弾を発射すると共にピストンが後退することになり、弾が銃身か ら離れると銃身から大気圧が入ることにより圧力差弁が閉塞し、ピストンが作動 筒の端部に達する等所定位置に達すると重り部の慣性によりこの作動筒も共に後 退しこれに連動して放出弁が閉塞されて高圧ガスの供給が停止しかつ後退が停止 すると戻しバネによりピストンと作動筒が復帰するすることを特徴とする玩具空 気銃を提供するものである。

【０００５】

【実施例】

以下図面を参照しながらこの考案の実施例について説明する。 図１に示すこの考案の一実施例において、１０は銃の本体、１２は銃身、１５ は多数のプラスチック製で球状の弾７０を収容した弾倉、１６はこの弾倉の底部 から延びて弾７０を上方に移動させるようにした弾押しバネである。１７はこの 弾倉１５の上端を覆うカバー部で、その前後両側は開放されている。１９は注入 弁２１にガスボンベの注入口を押し当てて液化ガスを供給する蓄圧室で、例えば この蓄圧室の半分位の体積だけ液化ガスを供給すると一部が気化して高圧ガスが 充満することになる。２３は放出弁で、常時バネ２４により閉塞状態になってい る。引金２５を引くと例えば図示してないバネ等により常時所定位置に保持され ある程度昇降可能にした連結部材２６の係合部２７がレバー２９を回動させ放出 弁２３が開放状態になり、高圧ガスが流路３１を通って流出するようになってい る。

【０００６】 ３３は先端側を小径部３５とした作動筒で、本体１０内において進退可能にな っている。図１には最も前進した状態であって前進する場合弾倉１５内の上端の 弾７０を押してゴム等の弾性部材で構成した保持部３６に保持させるようになっ ている。３７は作動筒３３の前部にこの作動筒が前進した状態で蓄圧室１９の流 路３１に連通するように形成した流入口である。３９は作動筒３３の細径部３５ の入り口部分に設けた圧力差弁で、常時開放しているが、前方側が低圧になり後 方側が高圧になると閉塞するようになっている。４１は作動筒３３内に密接して 進退可能にしたピストンで、ピストンロッド４２が作動筒３３の後端部を貫通し て後端に重量の大きい重り部４３が固着してある。４４はこの重り部の前端付近 下部に下方に傾斜して形成した突出部である。４５は重り部４３に固着して前方 に延びる操作部材で、本体１０に形成した長い開口部４７を移動可能に貫通して いる。５１は重り部４３，ピストン４１等を前方に押し返す戻しバネである。 ５３は上端が重り部４３の下面に接触している棒部材で、下端は常時連結部材 ２６に接触しており、突出部４４に接触すると下降して連結部材２６を下側へ回 動させて係合部２７からレバー２９が外れて放出弁２３が閉塞されるようになっ ている。

【０００７】 前述したように構成したものにおいて、図２に示すような第１番目の弾７０が 保持部３６に保持されかつ作動筒３３及びピストン４１が前端に達した状態から の動作を説明する。もし、保持部３６に弾７０が保持されていない場合には操作 部材４５を後退させて釈放すると上端の弾７０が小径部３５の先端部に押されて 所定位置に来るようになっている。引金２５を引くと図３に示すように放出弁２ ３が開放され高圧ガスが流路３１，流入口３７を通って作動筒３３の前部に流入 し一部は圧力差弁３９を通って小径部３５内へ流入して弾７０を銃身１２内へ前 進せる。また、高圧ガスは同時にピストン４１に作用してピストン４１，重り部 ４３，操作部材４５を後退させる。次に図４に示すように弾７０は質量が小さい ために速やかに発射されることになり、大気圧が圧力差弁３９の前に作用して圧 力差が大きくなるためこの弁が閉塞状態になり、引き続きピストン４１等が後退 する。その後重り部４３の突出部４４が棒部材５３に接触して連結部材２６が下 方へ回動してレバー２９が係合部２７から外れ、放出弁２３が閉塞されて高圧ガ スの供給が停止される。図５に示すようにピストン４１等は全体の質量が大きい ため慣性も大きくて後退を続けピストン４１が作動筒３３の後端面に接触して作 動筒３３を後退させ小径部３５が弾倉１５の上の部分から離れて後方へ移動する ことになる。 次にピストン４１等の慣性が消滅すると戻しバネ５１によりピストン４１等が 前進して作動筒３３も最初の状態に復帰する。この場合作動筒３３の小径部３５ の先端によって弾倉１５の上にあった弾７０が保持部３６に保持されるようにな る。 再び引金２５を引くと同様な動作が繰り返され連続して弾７０を発射すること ができる。

【０００８】 この考案においては種々の変更をすることができる。操作部材４５を設けるこ となく例えば実開平５−８２８５号公報に示される場合とほぼ同様に例えば重り 部４３の後端に銃の本体１０に対して進退可能な遊底を固着し、戻しバネ５１を 銃身１２の下方に設けて遊底を後退させると戻しバネがピストン４１等に前進す る方向に弾力を及ぼすように構成してもよい。 また、ピストン４１が作動筒３３の後端に達する前であっても所定位置まで後 退した場合操作部材４５の前端部が作動筒３３に係合してこの作動筒を後退させ るように構成することもできる。 また、操作部材４５を重くして重り部４３の機能を兼ねさせこれを重り部４３ としてもよい。 また、圧力差弁３９は図６の（ａ）又は（ｂ）に示すような構成にしてもよい 。

【０００９】

【考案の効果】

この考案は前述したように構成してあるから、極めて簡単な構成であり、例え ば０．１〜０．２ｇ等の軽い弾７０は１００〜２００ｇ等の重いピストン４１等 に比較して著しく容易に動いてピストン４１等が動き始めるのと同時に発射され てしまうため、銃身１２が下向きに回動する前に発射されることになり照準通り に進むという効果を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例による玩具空気銃の概略を
示す縦断面図である。

【図２】その要部の最初の状態を示す動作説明図であ
る。

【図３】その弾が銃身内を前進している段階を示す動作
説明図である。

【図４】その弾が銃身を離れた段階を示す動作説明図で
ある。

【図５】そのピストン及び作動筒が後退した段階を示す
動作説明図である。

【図６】その圧力差弁の変更を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１０ 本体 １２ 銃身 １５ 弾倉 １９ 蓄圧室 ２３ 放出弁 ２５ 引金 ３３ 作動筒 ３５ 小径部 ３６ 保持部 ３９ 圧力差弁 ４１ ピストン ４２ ピストンロッド ４３ 重り部 ５１ 戻しバネ ７０ 弾

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 銃身と、この銃身の後端部に続いて配置
   して次に発射する弾の周囲を囲んで保持する保持部と、
   液化ガスを供給する蓄圧室と、弾を順次供給する弾倉と
   を設け、引金を引くことにより蓄圧室の放出弁が開いて
   高圧ガスを供給して保持部に保持された弾を発射して再
   び保持部に次の弾を保持させるように供給する玩具空気
   銃において、後部にピストンロッドを介して重り部を一
   体に設けたピストンと、このピストンを密接するように
   収容し重り部を除くピストンロッドを進退可能に貫通さ
   せかつ前端部を小径にした小径部を有する前後方向に進
   退可能にした作動筒と、この作動筒の小径部に通ずる部
   分に設けた常時開放し前方が後方より低圧になると閉じ
   る圧力差弁と、ピストンの後退時復帰する方向に弾力を
   及ぼす戻しバネとを包含し、前記作動筒の後退時弾倉の
   先端部の弾は作動筒が前進すると小径部に押されて保持
   部に保持されるようになるものであり、前記引金を引く
   と放出弁が開いて作動筒のピストンの前方部分に高圧ガ
   スを供給して保持部に保持される弾を発射すると共にピ
   ストンが後退することになり、弾が銃身から離れると銃
   身から大気圧が入ることにより圧力差弁が閉塞し、ピス
   トンが作動筒の端部に達する等所定位置に達すると重り
   部の慣性によりこの作動筒も共に後退しこれに連動して
   放出弁が閉塞されて高圧ガスの供給が停止しかつ後退が
   停止すると戻しバネによりピストンと作動筒が復帰する
   することを特徴とする玩具空気銃。