JP3015596U - 名刺入れ箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 箱の蓋を閉めたままで少なくなった名刺を１
枚ずつ取り出す。 【構成】 箱本体の下短辺に沿って該本体の内寸と等し
い出口スリットを形成し、該スリットの下内壁は箱本体
の底壁内面と同一の水平面に位置させるとともに、箱本
体の底壁において長孔を箱本体の長辺と平行に設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、箱蓋を閉めたままで少なくなった名刺を１枚ずつ取り出すことがで きる名刺入れ箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】

名刺を印刷屋に注文すると、印刷屋から印刷済みの名刺１００枚を名刺入れ箱 に入れて渡されることが普通である。既存の名刺入れ箱は、直方体形のプラスチ ック箱であり、箱本体とその本体に被せる箱蓋とからなる。この箱から名刺を１ 枚ずつ取り出すには、まず蓋を開けて名刺を取り出してから、該蓋を閉めること が必要である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

名刺を名刺入れ箱から取り出すには、通常箱蓋の開閉だけでよいけれども、こ の箱の中の名刺が少なくなると、箱蓋を開いてから箱本体を裏返し、全部の名刺 を一度箱から出してから１枚を選り分けなければならず、多数枚の名刺を使う人 にとっては意外に煩わしい作業である。また、使用しない名刺を繁雑に箱から出 したり入れたりすれば、名刺が汚損して廃棄してしまうことも生じる。

【０００４】 本考案は、従来の名刺入れ箱に関する前記の問題点を改善 するために提案されたものであり、箱蓋を閉めたままで中の名刺を１枚ずつ取り 出せる名刺入れ箱を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案に係る名刺入れ箱１は、図１から図３に示 すように、直方体形の箱本体２と箱蓋３を有するプラスチック箱からなり、箱本 体２の下短辺に沿って該本体の内寸と等しい出口スリット５を形成する。出口ス リット５は、名刺６（図３）のほぼ１枚分の幅を有していればよく、該スリット の下内壁７を箱本体２の底壁内面と同一の水平面に位置させることを要する。

【０００６】 名刺入れ箱１では、箱本体２の底壁１１において長孔８を 箱本体２の長辺１０と平行に設け、長孔８は使用者の人差し指の指先幅よりも大 きい横幅を有する。長孔８の代りに、図４（１）に示すように、箱本体の底壁１ １において切込み１２を箱本体２の下短辺１４の中央に設けてもよく、切込み１ ２は使用者の人差し指の指先幅よりも大きい横幅を有する。また、図４（２）に 示すように、箱本体の底壁１１において２個の細長い切込み１５，１５を箱本体 の下長辺１０に平行に設けてもよい。

【０００７】 図６では、箱本体の底壁１１において長孔１７を箱本体２ の長辺と平行に設け、滑り止め材付きの搬送片１９（図５）を箱本体の底壁１１ 上に載置し、搬送片１９を長孔１７に取り付けて前後方向に摺動可能とする。搬 送片１９の滑り止め部は、図示のようなゴム板１８や滑り止めシートであっても 搬送片１９の表面自体に滑り止め処理を施してもよい。図８では、箱本体の底壁 １１において長溝２１を箱本体の長辺と平行に設け、名刺係止部２２を形成した 搬送片２３（図７）を箱本体の底壁１１上に載置し、搬送片２３の下方突起部２ ４を長溝２１に嵌入して前後方向に摺動可能とする。

【０００８】

【作用】

本考案の名刺入れ箱１では、箱蓋３を開閉しなくても名刺６を取り出すことが できる。特に、名刺入れ箱１の中の名刺６が少なくなって数枚になっても箱蓋３ を開く必要がなく、簡単な手作業だけで名刺６を最後まで１枚ずつ確実に取り出 せる。

【０００９】

【実施例】

次に、本考案を実施例に基づいて説明する。本考案に係る名刺入れ箱１は、図 １に示すようなプラスチック箱からなり、該プラスチック箱は名刺６（図３）よ りもわずかに大きい矩形平面を有する直方体形の箱本体２と箱蓋３を有し、これ らは通常硬質ポリ塩化ビニルなどの射出成形品である。

【００１０】 名刺入れ箱１について、箱本体２の下短辺に沿って該本体 の内寸と等しい出口スリット５を形成する。出口スリット５は、名刺６のほぼ１ 枚分の幅及び高さを有していればよく、名刺６のスムーズな取り出しを達成する ために、該スリットの下内壁７を箱本体２の底壁内面と同一の水平面に位置させ る。簡単にスリット５を形成するには、箱本体２の下短辺を名刺６のほぼ１枚分 の高さ分だけ開くように削り取ればよい。

【００１１】 箱本体２の底壁１１の中央において、長孔８を箱本体２の 長辺１０と平行に設ける。長孔８は、箱本体２の両短辺近傍に達する長さであり 、使用者の人差し指の指先幅よりも大きい横幅を有し、例えば幅１８ｍｍに定め ると好ましい。名刺入れ箱１に名刺６を入れて顧客に渡す時には、出口スリット ５及び長孔８を剥離可能なシール（図示しない）などで閉鎖しておけばよい。

【００１２】 名刺入れ箱１では、図３のように指２５を箱の下方から長 孔８の中に入れ、その指の腹に名刺６を乗せて出口スリット５から引き出し、箱 蓋３を開閉しなくても名刺６を１枚ずつ取り出すことができる。特に、名刺入れ 箱１の中の名刺６が少なくなって数枚になれば、図３に示すように指２５で名刺 ６の後端部を押上げながら引き出し、該名刺の先端部を出口スリット５の中へ入 れると最後まで確実且つ容易に取り出せる。

【００１３】 図４は本考案の変形例を示し、図４（１）の名刺入れ箱２ ６には切込み１２を箱本体底壁１１の下短辺１４の中央に形成し、切込み１２の 横幅は１８ｍｍであって使用者の人差し指の指先幅よりも大きい。名刺入れ箱２ ６では、指を切込み１２の中に入れ、その指の先で名刺の先端部を出口スリット ５から突き出し、ついで該名刺の出た部分を指で持って引き出せばよい。名刺入 れ箱２６の中の名刺が数枚になれば、切込み１２に入れた指で名刺の後端部を押 上げるのは容易であるから、名刺を最後まで確実に取り出せる。

【００１４】 図４（２）には、箱本体の底壁１１において２個の細長い 切込み１５，１５を箱本体の下長辺１０に平行に設けた名刺入れ箱２７を示す。 名刺入れ箱２７では、２本の指を切込み１５，１５に入れ、指の間に箱の中の名 刺を挟んで出口スリット５から押し出す。名刺入れ箱２７は、名刺の押し出しに ２本の指を使うために作業は若干煩わしい。

【００１５】 図６に示す別の変形例では、ゴム板１８のような滑り止め 材を表面中央に貼着した矩形の搬送片１９（図５）を用い、該搬送片はやや弾性 のある薄い透明プラスチック製である。搬送片１９には、貼着したゴム板１８の 両側にＵ字形の切溝３０，３０を対称に設けることにより、１対の係止部３１， ３１を形成する。

【００１６】 図６の箱本体３２の底壁１１には長孔１７を箱本体２の長 辺と平行に設け、該長孔１７は図２に示す長孔８とほぼ同様の平面形状であれば よい。搬送片１９を箱本体３２の底壁１１上に載置し、搬送片１９の係止部３１ ，３１を下向きに曲げて長孔１７の両側縁に取り付け、該搬送片を前後方向に摺 動可能とする。

【００１７】 この名刺入れ箱では、名刺６を乗せた搬送片１９を矢印方 向へ摺動するだけで出口スリット５から引き出し、箱蓋を開閉しなくても名刺６ を１枚ずつ取り出すことができる。搬送片１９において、係止部３１，３１を形 成する代りに下方突起部を一体的に形成してもよく、ゴム板１８の代りに搬送片 １９の表面自体に滑り止め処理を施してもよい。

【００１８】 図８に示すさらに別の変形例では、後方へ突出し且つ直角 に屈曲した名刺係止部２２を有するほぼ矩形の搬送片２３（図７）を用い、該搬 送片は薄い透明プラスチック又は金属製などのいずれてあってもよい。搬送片２ ３の名刺係止部２２の高さは、ほぼ名刺１枚分の厚みである約０.４ｍｍである 。また、搬送片２３の裏側中央には下方突起部２４を一体的に形成する。

【００１９】 図８の箱本体３３の底壁１１には、搬送片２３の下方突起 部２４とほぼ等しい幅の長溝２１を箱本体の長辺と平行に設け、且つ該箱本体の 側壁下端に搬送片２３の名刺係止部２２が嵌り込む穴３４又は凹みを設ける。搬 送片２３を箱本体３３の底壁１１上に載置し、搬送片２３の下方突起部２４を長 溝２１に嵌入して前後方向に摺動可能とする。

【００２０】 この名刺入れ箱では、名刺６を乗せた搬送片２３を矢印方 向へ摺動するだけで出口スリット５から引き出し、箱蓋を開閉しなくても名刺６ を１枚ずつ取り出すことができる。下方突起部２４は、搬送片２３が箱本体３３ から脱離しないように２部分に分けて反対向けに折り曲げたり、長溝２１に挿入 後に先端部を加熱変形してもよい。この名刺入れ箱は、容易な操作でもっとも確 実に名刺６を取り出すことができる。

【００２１】

【考案の効果】

本考案の名刺入れ箱では、箱蓋を全く開閉しなくても名刺を取り出すことがで きる。特に、名刺入れ箱の中の名刺が少なくなっても箱蓋を開く必要がなく、簡 単な手作業で名刺を最後まで１枚ずつ取り出せる。この結果、数少ない名刺を名 刺入れ箱から取り出す際に箱本体を裏返したり、全部の名刺を一度箱から出さな くてもよいから、多数枚の名刺を使う人にとって非常に便利である。

【００２２】 本考案の名刺入れ箱を使用すると、名刺を他人に渡す時に だけ箱から出し、普段は箱の中に入れたままでよい。したがって、名刺を使用す る前に汚損してしまうことが解消するので経済的でもある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る名刺入れ箱を示す分解斜視図で
ある。

【図２】 図１の名刺入れ箱の裏側を示す斜視図であ
る。

【図３】 図１の名刺入れ箱の使用状態を示す縦断面図
である。

【図４】 （１）及び（２）ともに本考案の変形例を示
す斜視図である。

【図５】 本考案の別の変形例で用いる搬送片の平面図
である。

【図６】 図５の搬送片を用いた名刺入れ箱の部分断面
図である。

【図７】 本考案のさらに別の変形例で用いる搬送片の
平面図である。

【図８】 図７の搬送片を用いた名刺入れ箱の部分断面
図である。

【符号の説明】

１ 名刺入れ箱 ２ 箱本体 ３ 箱蓋 ５ 出口スリット ６ 名刺 ８ 長孔

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 直方体形のプラスチック箱からなり、箱
   本体の下短辺に沿って該本体の内寸と等しい出口スリッ
   トを形成し、該スリットの下内壁は箱本体の底壁内面と
   同一の水平面に位置させるとともに、箱本体の底壁にお
   いて長孔を箱本体の長辺と平行に設け、この長孔は使用
   者の人差し指の指先幅よりも大きい横幅を有する名刺入
   れ箱。
2. 【請求項２】 直方体形のプラスチック箱からなり、箱
   本体の下短辺に沿って該本体の内寸と等しい出口スリッ
   トを形成し、該スリットの下内壁は箱本体の底壁内面と
   同一の水平面に位置させるとともに、箱本体の底壁にお
   いて切込みを箱本体の下短辺中央に設け、この切込みは
   使用者の人差し指の指先幅よりも大きい横幅を有する名
   刺入れ箱。
3. 【請求項３】 直方体形のプラスチック箱からなり、箱
   本体の下短辺に沿って該本体の内寸と等しい出口スリッ
   トを形成し、該スリットの下内壁は箱本体の底壁内面と
   同一の水平面に位置させるとともに、箱本体の底壁にお
   いて２個の細長い切込みを箱本体の下長辺に平行に設け
   る名刺入れ箱。
4. 【請求項４】 直方体形のプラスチック箱からなり、箱
   本体の下短辺に沿って該本体の内寸と等しい出口スリッ
   トを形成し、該スリットの下内壁は箱本体の底壁内面と
   同一の水平面に位置させるとともに、箱本体の底壁にお
   いて長孔を箱本体の長辺と平行に設け、滑り止め材付き
   の搬送片を箱本体の底壁上に載置し、該搬送片を前記長
   孔に取り付けて前後方向に摺動可能とする名刺入れ箱。
5. 【請求項５】 直方体形のプラスチック箱からなり、箱
   本体の下短辺に沿って該本体の内寸と等しい出口スリッ
   トを形成し、該スリットの下内壁は箱本体の底壁内面と
   同一の水平面に位置させるとともに、箱本体の底壁にお
   いて長溝を箱本体の長辺と平行に設け、名刺係止部を形
   成した搬送片を箱本体の底壁上に載置し、該搬送片の下
   方突起部を前記長溝に嵌入して前後方向に摺動可能とす
   る名刺入れ箱。