JP3014638B2 - 誘電体フィルタ - Google Patents
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01P—WAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
- H01P1/00—Auxiliary devices
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- H01P1/201—Filters for transverse electromagnetic waves
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Description
体フィルタに関する。
に向かって伸びる複数の貫通孔を有し、一面を除く面が
導電性物質層で被覆された構造のブロック型誘電体フィ
ルタは、例えば、自動車電話、衛星通信またはコードレ
ス電話等の移動通信装置に用いられる。導電性物質層で
覆われていない一面は、通常、開放端面と称される。
て、共振部の共振周波数を調整する手段として、従来よ
り、貫通孔の長さを変える方法、共振部と側面のグラン
ドとの間で所定の静電容量を得るべく、開放端面に電極
パターンを形成する方法、開放端面の貫通孔を含むか、
または接する部分に凹部を設け、この凹部にも導電性物
質層を被覆し、この凹部と側面GNDとの間で所定の静電
容量を得る方法等(例えば特開平5ー226909号公報)が知
られている。
用途である移動通信装置は、小型化が急速に進められて
おり、その部品であるブロック型誘電体フィルタにも限
りない小型化が求められている現状において、誘電体ブ
ロックの大きさの変更、微細な電極パターンの付加、微
小な凹部の形成等を施すことは、物理的に困難になりつ
つある。
るもう一つの重要な要求項目である結合係数を調整する
手段としては、隣り合う貫通孔の間のほぼ中央部の開放
端面に、貫通孔の配列方向と直角する方向の溝を設置し
ておき、その溝の深さ、幅等を変える方法が知られてい
る(例えば、特開平4ー139901号公報)。
に、共振周波数も変化してしまうことから、共振周波数
を、結合係数から独立して、調整することができない。
しかも、この方法では、共振部の長さは、通常用いられ
るλ/4共振部において、誘電率に相当する分の長さし
か短縮できない。
化された場合でも、各共振部の共振周波数を所定の値に
容易に設定できるブロック型の誘電体フィルタを提供す
ることである。
干の変化を生じるだけで、各共振部の共振周波数を大き
く変更調整できるブロック型の誘電体フィルタを提供す
ることである。
ロックの誘電率に相当する分以上に、小型化し得るブロ
ック型の誘電体フィルタを提供することである。
ため、本発明は、誘電体ブロックの一面から対向する面
に向かって伸びる複数の貫通孔を有し、前記一面を除く
面が導電性物質層で被覆され、隣り合う少なくとも一組
の貫通孔の間の前記一面上に溝を有する誘電体フィルタ
において、前記溝は、前記一組の貫通孔の何れか一方側
に、全体的または部分的に偏位して設置されている。
か一方側に、全体的または部分的に偏位して設置されて
いる。このような構造であると、溝に近い側の貫通孔に
よって構成される共振部の共振周波数が、主として、溝
の偏位量に応じて調整される。この場合、共振部間の結
合係数は、若干変化するだけである。このことは、結合
係数を実質的に変更させずに、各共振部の共振周波数の
設定を大きく変更できることを意味する。
て設置されている条件下では、溝を曲げたり、湾曲させ
たりすることによって、共振周波数を、より一層大きく
変化させることができる。このため、誘電体ブロックの
誘電率に相当する分以上に、小型化し得る。
体ブロックに形成された溝の位置や形状等の選択によっ
て実現されるのであって、誘電体ブロックの大きさの変
更、微細な電極パターンの付加等を施す必要がない。こ
のため、小型化された場合でも、容易に実施でき、各共
振部の共振周波数を所定の値に容易に設定できる。
面を参照して更に具体的に説明する。
電体フィルタの斜視図、図2は図1のA2−A2線上に
おける断面図、図3は図1及び図2に示した誘電体フィ
ルタの電気回路図である。図1及び図2を参照すると、
本発明に係る誘電体フィルタは、誘電体ブロック1の一
面(以下開放端面と称する)11から対向する面に向か
って伸びる複数の貫通孔21、22、23を有し、開放
端面11を除く面が導電性物質層31で被覆され、隣り
合う一組の貫通孔21、22の間の開放端面11上に、
溝41を有する。
導体となる導電性物質層32が付与されており、これに
よって、貫通孔21、22、23毎に共振部Q1、Q
2、Q3が形成される。導電性物質層31、32は、こ
の種の誘電体フィルタで周知の材料を用いて構成され、
当業者間で、メタライズと称される焼き付け導体膜とし
て形成されている。
内、共振部Q1及びQ2は、誘導結合Mを介して結合さ
れ、共振部Q2及びQ3は結合容量C2を介して結合さ
れている。両側の共振部Q1及びQ3は入力容量Cin及
び出力容量Coutを介して、入出力電極5、6にそれぞ
れ接続されている。導電性物質層31はグラウンドとな
る。
(図1参照)だけ、偏位して設置されている。図示実施
例では、溝41は貫通孔21〜23の配列方向Hとほぼ
直交する方向Vに延びる直線部分と、この直線部分から
貫通孔22の方向に、偏位量△Lだけ折れ曲がった部分
とを有する曲路として形成されている。
の貫通孔22によって構成される共振部Q2の共振周波
数f2が、主として、溝41の偏位量△Lに応じて設定
される。共振周波数f2の変化方向は、周波数が低下す
る方向である。この場合、共振部Q1ーQ2間の結合係
数は、若干変化するだけである。このことは、結合係数
を実質的に変化させずに、共振部Q2の共振周波数f2
を大きく調整できることを意味する。
ち、貫通孔22の側に偏位して設置されている条件下で
は、溝41を、図1に示すように曲げたり、湾曲させた
りすることによって、共振周波数を、より一層大きく変
化させることができる。このため、誘電体ブロック1
を、誘電率に相当する分以上に、小型化し得る。
体ブロック1に形成された溝41の位置や形状等の選択
によって実現される。従って、誘電体ブロック1の大き
さの変更、微細な電極パターンの付加等を施す必要がな
い。このため、小型化された場合でも、各共振部Q1〜
Q3の共振周波数を所定の値に容易に設定できる。
3で被覆されている。導電性物質層33は、導電性物質
層31及び32に導通している。このような構造である
と、溝41と、共振部Q2を構成する貫通孔22との間
に、負荷容量が形成され、電界は導電性物質層33と、
共振部Q2の導電性物質層32との間で結合する。ここ
で、溝41が、貫通孔22の側に、偏位量△Lだけ、偏
位して設置されていることにより、より大きな負荷容量
を形成することが可能となり、共振周波数f2を大きく
下げることができる。
電体フィルタについて共振周波数を測定したところ、従
来の形状では1860MHzであるのに対し、貫通孔を囲
むように折れ曲がった溝を有する形状のブロック型誘電
体フィルタでは、溝に囲まれた方の共振部の周波数は1
842MHzに下がり、他方の共振部の周波数は1870M
Hzに上がることが確認された。
実施例を示す斜視図である。この実施例では、3つの共
振部Q1〜Q3を有する誘電体フィルタにおいて、中央
部の共振部Q2を構成する貫通孔22を囲むように、貫
通孔22の両側に溝41、42を設けてある。通常、3
段以上のフィルタでは中央部の共振部Q2の共振周波数
f2は、両端側の共振部Q1、Q3の共振周波数f1、
f3より低いので、中央部の貫通孔22を囲むように、
溝41、42を設けることにより、両端側の共振部Q
1、Q3の共振周波数f1、f3を実質的に変化させず
に、貫通孔22によって構成される共振部Q2の共振周
波数f2を低下させ、全体としての周波数特性を調整す
ることができる。
実施例を示す斜視図である。この実施例では、4つの共
振部Q1〜Q4を有する誘電体フィルタにおいて、中央
部の2つの共振部Q2、Q3を構成する貫通孔22、2
3を囲むように、貫通孔22、23の両側に円弧状の溝
41、42を設けてある。この実施例の場合は、両端側
の共振部Q1、Q3の共振周波数f1、f3を実質的に
変化させずに、共振部Q2、Q3の共振周波数f2、f
3を低下させ、全体としての周波数特性を調整すること
ができる。
実施例を示す斜視図である。この実施例では、3つの共
振部Q1〜Q3を有する誘電体フィルタにおいて、中央
部の共振部Q2を構成する貫通孔22を、円弧状に囲む
ように、貫通孔22の両側に、半円弧の溝41、42を
設けてある。
実施例を示す斜視図である。この実施例では、3つの共
振部Q1〜Q3を有する誘電体フィルタにおいて、中央
部の共振部Q2を構成する貫通孔22を囲むように、貫
通孔22の両側に折れ線状の溝41、42を設けてあ
る。この実施例の場合も、両端側の共振部Q1、Q3の
共振周波数f1、f3を実質的に変化させずに、貫通孔
22によって構成される共振部Q2の共振周波数f2を
低下させることができる。
実施例を示す斜視図である。この実施例では、4つの共
振部Q1〜Q4を有する誘電体フィルタにおいて、中央
部の2つの共振部Q2、Q3を構成する貫通孔22、2
3を囲むように、貫通孔22、23の両側に円弧状の溝
41、42を設けてある。この実施例の場合は、両端側
の共振部Q1、Q4の共振周波数f1、f4を実質的に
変化させずに、共振部Q2、Q3の共振周波数f2、f
3を低下させ、全体としての周波数特性を調整すること
ができる。更に、中央の二つの共振部Q2、Q3の間に
は、別の直線状の溝43が設けられている。この溝43
は、共振部Q2及びQ3の間の結合量を設定するために
設けられたもので、共振部Q2及びQ3のほぼ中間に設
けられる。
別の実施例を示す斜視図である。図1〜図8の実施例の
何れも、溝41、42を、一組の貫通孔の何れか一方側
に偏位して設置する具体的手段として、溝41、42
を、折り曲げ、または湾曲させてあった。図9の実施例
では、溝41、42を直線状に形成し、その位置を制御
することにより、溝41、42を、一組の貫通孔(2
1、22)及び(22、23)において、貫通孔22の
側に偏位して設置してある。例えば、貫通孔21と貫通
孔22との間に形成された溝41を例にとった場合、溝
41の内端から貫通孔21までの距離△L1及び溝41
の内端から貫通孔22までの距離△L2との関係が△L
1>△L2となるように、溝41を偏位して形成してあ
る。この場合も、図1〜図8と同様の作用効果を奏す
る。
に別の実施例を示す斜視図である。図1〜図9に図示さ
れた実施例では、溝41、42が導電性物質層33で被
覆されている例を示したが、図10に示す実施例では、
溝41、42は導電性物質層で被覆されておらず、溝4
1、42の内面が誘電体ブロック1の素体面によって構
成されていている。
いない場合、開放端面11の近傍に比誘電率1の空気が
存在するため、誘電体ブロック1の実質的な誘電率が低
下する。図10の実施例の場合、溝41は貫通孔21〜
23の配列方向Hとほぼ直交する方向Vに延びる直線部
分411と、この直線部分411から貫通孔21の方向に折れ
曲がった部分412を有する曲路として形成されている。
溝42は貫通孔21〜23の配列方向Hとほぼ直交する
方向Vに延びる直線部分421と、この直線部分421から貫
通孔23の方向に折れ曲がった部分422とを有する曲路
として形成されている。
は、中央部の共振部Q2の共振周波数f2は両端側の共
振部Q1、Q3の共振周波数f1、f3より低いので、
3段以上のフィルタに、溝41、42が導電性物質層で
被覆されていない構造を適用する場合は、図10に示す
ように、両端側の貫通孔21、22を囲むように、溝4
1、42を設ける。これにより、貫通孔21、23の共
振周波数f1、f3が高くなる方向に調整される。
に別の実施例を示す斜視図である。この実施例は、4段
のフィルタに対し、溝41、42が導電性物質層で被覆
されていない構造を適用した例を示す。溝41、42は
円弧状に形成されており、溝41は共振部Q1を構成す
る貫通孔21の側に偏位し、溝42は共振部Q4を構成
する貫通孔24の側に偏位している。共振部Q2、Q3
を構成する貫通孔22、23の間には、結合量設定のた
めの溝43が設けられている。
に別の実施例を示す斜視図である。図11と異なる点
は、溝41及び42を直線状に形成したことである。溝
41は共振部Q1を構成する貫通孔21の側に偏位し、
溝42は共振部Q4を構成する貫通孔24の側に偏位し
ている。
下のような効果が得られる。 (a)小型化された場合でも、各共振部の共振周波数を
所定の値に容易に設定できるブロック型の誘電体フィル
タを提供することができる。 (b)結合係数の若干の変化を生じるだけで、各共振部
の共振周波数を大きく変更設定できるブロック型の誘電
体フィルタを提供することができる。 (c)誘電体ブロックの誘電率に相当する分以上に、小
型化し得るブロック型の誘電体フィルタを提供すること
ができる。
図である。
路図である。
実施例を示す斜視図である。
別の実施例を示す斜視図である。
別の実施例を示す斜視図である。
別の実施例を示す斜視図である。
別の実施例を示す斜視図である。
別の実施例を示す斜視図である。
に別の実施例を示す斜視図である。
に別の実施例を示す斜視図である。
に別の実施例を示す斜視図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 複数の貫通孔を備える誘電体ブロック
と、少なくとも1つの溝とを含む誘電体フィルタであっ
て、 前記誘電体ブロックは、一面を除くほぼ全面が導電性物
質層で被覆されており、 前記複数の貫通孔は、前記誘電体ブロックの長さ方向に
間隔を隔てて前記一面に配置されると共に、前記一面か
ら前記誘電体ブロックの前記一面と対向する面に延びて
おり、 前記溝は、前記複数の貫通孔のうちの隣り合う貫通孔の
間に配置され、前記誘電体ブロックの前記長さ方向と直
交する幅方向で見て、前記一面の全幅にわたって形成さ
れており、 前記溝を構成する2つの相対向する壁面のそれぞれは、
前記一面の幅方向の少なくとも一方側において、前記隣
り合う貫通孔の何れか一方に近付き、他方から遠ざかる
方向に曲り、前記溝を構成する2つの相対向する前記壁面は、更に、
前記一面の全幅にわたって互いにほぼ平行になっている
誘電体フィルタ。 - 【請求項2】 複数の貫通孔を備える誘電体ブロック
と、少なくとも1つの溝とを含む誘電体フィルタであっ
て、 前記誘電体ブロックは、一面を除くほぼ全面が導電性物
質層で被覆されており、 前記複数の貫通孔は、前記誘電体ブロックの長さ方向に
間隔を隔てて前記一面に配置されると共に、前記一面か
ら前記誘電体ブロックの前記一面と対向する面に延びて
おり、 前記溝は、前記複数の貫通孔のうちの隣り合う貫通孔の
間に配置され、前記誘電体ブロックの前記長さ方向と直
交する幅方向で見て、前記一面の全幅にわたって形成さ
れており、 前記溝を構成する2つの相対向する壁面のそれぞれは、
折れ曲がる面からなり、前記一面の幅方向の少なくとも
一方側において、前記隣り合う貫通孔の何れか一方に近
付き、他方から遠ざかる方向に曲がり、前記溝を構成する2つの相対向する前記壁面は、更に、
前記一面の全幅にわたって互いにほぼ平行になっている
誘電体フィルタ。 - 【請求項3】 複数の貫通孔を備える誘電体ブロック
と、少なくとも1つの溝とを含む誘電体フィルタであっ
て、 前記誘電体ブロックは、一面を除くほぼ全面が導電性物
質層で被覆されており、 前記複数の貫通孔は、前記誘電体ブロックの長さ方向に
間隔を隔てて前記一面に配置されると共に、前記一面か
ら前記誘電体ブロックの前記一面と対向する面に延びて
おり、 前記溝は、前記複数の貫通孔のうちの隣り合う貫通孔の
間に配置され、前記誘電体ブロックの前記長さ方向と直
交する幅方向で見て、前記一面の全幅にわたって形成さ
れており、 前記溝を構成する2つの相対向する壁面のそれぞれは、
曲面からなり、前記一面の幅方向の少なくとも一方側に
おいて、前記隣り合う貫通孔の何れか一方に近付き、他
方から遠ざかる方向に曲がり、前記溝を構成する2つの相対向する前記壁面は、更に、
前記一面の全幅にわたって互いにほぼ平行になっている
誘電体フィルタ。 - 【請求項4】 複数の貫通孔を備える誘電体ブロック
と、少なくとも1つの溝とを含む誘電体フィルタであっ
て、 前記誘電体ブロックは、一面を除くほぼ全面が導電性物
質層で被覆されており、 前記複数の貫通孔は、前記誘電体ブロックの長さ方向に
間隔を隔てて前記一面に配置されると共に、前記一面か
ら前記誘電体ブロックの前記一面と対向する面に延びて
おり、 前記溝は、前記複数の貫通孔のうちの隣り合う貫通孔の
間に配置され、前記誘電体ブロックの前記長さ方向と直
交する幅方向で見て、前記一面の全幅にわたって形成さ
れており、 前記溝を構成する2つの相対向する壁面のそれぞれは、
曲面と、平面とからなり、前記一面の幅方向の少なくと
も一方側において、前記隣り合う貫通孔の何れか一方に
近付き、他方から遠ざかる方向に曲がり、前記溝を構成する2つの相対向する前記壁面は、更に、
前記一面の全幅にわたって互いにほぼ平行になっている
誘電体フィルタ。 - 【請求項5】 請求項1ないし4の何れかに記載された
誘電体フィルタであって、 前記溝は、前記壁面が前記導電性物質層と連続する導電
性物質層によって被覆されている誘電体フィルタ。 - 【請求項6】 請求項1ないし4の何れかに記載された
誘電体フィルタであって、 前記溝は、前記壁面が前記誘電体ブロックの素体面によ
って構成されている誘電体フィルタ。
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