JP3013755U - 特殊船の自動荷おろしシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、船倉内のばら積み貨物を自動的に
効率良く、かつ計量しながら陸揚げができる特殊船の自
動荷おろしシステムを提供することを目的とするもので
ある。 【構成】 本考案は、船倉４の底壁５をホッパ−状に形
成して該ホッパ−状底部７に排出開口部９を設け、該排
出開口部９の下方に貨物搬出用コンベア１０を設け、該
貨物搬出用コンベア１０に垂直コンベア１５、計量コン
ベア１７および旋回コンベア１９を連設し、該計測コン
ベア１９によって貨物の搬出量を計測できる構成とする
ものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、岩石，砕石等の塊状貨物、土砂，穀物，豆類等の粒状貨物、更には セメント等の粉状貨物、又は海砂や川砂等の液体を含むばら積み貨物を運搬する ための特殊船の自動荷おろしシステムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より塊状、粒状、あるいは粉状等のばら積み貨物は、フィダ−ホ−ス等の 積み込み手段により貨物船の上甲板にある船倉開口から船倉内へ積み込まれる。 また、この貨物船の船倉内にばら積みされた貨物を陸揚げする場合には、船倉 内にブルド−ザ等を導入して船倉内のばら積み貨物を集荷し、これをグラブバケ ット付クレ−ン、バケットホイ−ル、ガントレ−クレ−ン等の搬出装置を用いて 陸揚げしていた。

【０００３】 しかしながら上記船倉内のばら積み貨物をブルド−ザ等によって集荷し、これ をグラブバケット等で陸揚げする場合には、貨物の陸揚げ効率が悪いだけでなく 、クラブバケット付クレ−ン、バケットホイ−ル、ガントリ−クレ−ン等の大型 で重量も大きな揚荷装置を必要とする問題があった。

【０００４】 そこで本願出願人は、上記問題点を解消するために実願平５−６６７０号「特 殊船」を出願した。 この特殊船は、船倉内の貨物を攪拌するための攪拌装置を船首尾方向に移動自 在に設けるとともに、船倉の底壁をホッパ−状に形成して該ホッパ−状底壁に開 閉自在な排出開口を設け、該排出開口の下方に貨物搬出用コンベアを設け、該貨 物搬出用コンベアから垂直コンベア、旋回コンベア等を経て陸揚げする構成とす るものである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 しかし寄港地が数カ所ある場合には、ばら積み貨物の陸揚げ量を定める必要が 生じ、その殆どが船倉内の貨物の目減り、即ち目算によって陸揚げ量を計ってい るのが現状である。 そこで本考案では上記貨物搬出用コンベアから陸揚げ用の旋回コンベアまでの 各工程を自動化し、かつ陸揚げしながら貨物の計量が行える特殊船の自動荷おろ しシステムを提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の上記目的は次の如き構成の特殊船によって達成できる。即ちその要旨 は船倉の底壁をホッパ−状に形成して該ホッパ−状底壁に開閉自在な排出開口を 設け、該排出開口の下方に貨物搬出用コンベアを設け、該貨物搬出用コンベアに 垂直コンベア、計量コンベアおよび旋回コンベアを連設し、該計量コンベアによ って貨物の搬出量を計測できる構成としたことを特徴とする特殊船の自動荷おろ しシステムである。 更に上記船倉の船首尾側の側壁をホッパ−状に傾斜して形成する共に、船倉底 壁の排出開口を液密構造とするものである。 又上記船倉内の貨物を攪拌するための攪拌装置を船首尾方向に移動自在に設け た構成とするものである。

【０００７】

【作用】

本考案の特殊船は、図５に示すように、船体２の船倉４内に積載されるばら積 み貨物Ｂは、各ホッパ−状底部７、７、・・から排出開口部９より、その下方に 配置される貨物搬出用コンベア１０上に投下される。そして同貨物搬出用コンベ ア１０により垂直コンベア１５に移送され、同垂直コンベア１５によって船体２ 上に移送される。この垂直コンベア１５から集積用ホッパ−１６内に投下され、 更にその下方に計量コンベア１７上に投下される。

【０００８】 次に上記計量コンベア１７に投下されたばら積み貨物Ｂは、計量コンベア１７ に設けられる計量機構によって同計量コンベア１７を通過するばら積み貨物Ｂの 重量が積算される。そして旋回コンベア１９に移送されたばら積み貨物Ｂは、こ の旋回コンベア１９によって船外の任意の場所に移送され積載されることなり、 同時にばら積み貨物Ｂの陸揚げ量が正確に把握することができることとなる。 又船倉４内への貨物の積み込みに際しては、攪拌装置Ａを船倉４の船首尾方向 に移動させながら積み込みを行うようにすれば、船倉４内の全体にわたって均一 に貨物をばら積みすることができ、積み込み効率を向上させると同時に、船倉４ 内の貨物の偏在による船体２の安定性の低下を防止して、安全な航行が可能とな る。

【０００９】

【実施例】

以下本考案に係る特殊船を、その実施例を示す図面を参酌し乍ら詳述する。 図１および図２に示すように、特殊船１は、船体２には推進装置を有すること なく、推進装置を備えた押船３によって押航する形態であり、本実施例の他に船 体２に推進装置を備えて航行する形態、あるいは引船を利用して引っ張って航行 する形態がある。

【００１０】 そして船体２の底部に空間を残して積載用としての船倉４が設けられている。 この船倉４の底壁５は、船体２の船幅方向両側から船倉４の中央に向かって傾 斜し、更に下方に向けて傾斜状とされる多数の仕切り部６によって多数のホッパ −状底部７が形成されている。このホッパ−状底部７は、図３に示すように、船 倉４内における船幅方向の左右両側壁８、８から中央に向かって下方へ傾斜する とともに、最低位置の中央部には、船首尾方向に沿って船倉４の全長に渡って水 平状の排出開口部９が形成されており、更にその下方に水平状の貨物搬出用コン ベア１０が配置されている。

【００１１】 そこで上記各排出開口部９には、これを開閉する開閉扉１１が設けられている 。この開閉扉１１の開閉機構は、油圧シリンダ−等の扉開閉用シリンダ１２によ って左右にスライドさせる機構とし、更に上記排出開口部９を液密構造とするた めに、上記排出開口部９の開口周縁部分にＰパッキンや板ゴムパッキン等のパッ キン１３を取り付け、扉開閉用シリンダ１２により開閉扉１１で排出開口部９を 閉鎖した後に、上記開閉扉１１の下方から押し付け用シリンダ１４にて開閉扉１ １を上記パッキン１３に押し付けることで、排出開口部９部分における液密性が 確保されることとなる。

【００１２】 又上記船倉４の上部に、船倉４内のばら積み貨物を攪拌するための攪拌装置Ａ が船首尾方向に移動自在に設けられている。 次に図１に示すように、貨物搬出用コンベア１０の先端側、即ち船首側に同貨 物搬出用コンベア１０から搬送される貨物を船倉４内から船体２上に搬送する垂 直コンベア１５を設けるものである。そして垂直コンベア１５の末端に集積用ホ ッパ−１６を架設し、図４に示すように同集積用ホッパ−１６の排出下方に、計 量コンベア１７を配置するものである。この計量コンベア１７は、そのコンベア の途中のコンベア受けロ−ラ−１８により、荷重による歪みを検出し、これを重 量に変換して計量するロ−ドセル方式による計量機構を設けるものである。

【００１３】 そして計量コンベア１７の末端側に旋回コンベア１９が配置され、船外の任意 の場所に貨物を搬送させる構成とするものである。 なお上記計量機構は、ロ−ドセル方式の他に種々の機構が考えられものであり 、その状況に最も適した機構を採用することが望ましい。

【００１４】

【考案の効果】

以上述べて来た如く本考案によれば、船倉内のばら積み貨物の搬送を、その底 部の各ホッパ−状底部より均一に排出し、貨物搬出用コンベアおよび垂直コンベ アによって船上に移送し、かつ計量コンベアによって排出量を計量しながら旋回 コンベアによって陸揚げをするものであり、その一連の荷揚げ作業が自動化する ことが可能となり、かつ陸揚げ量を正確に把握することができ、数カ所への寄港 による陸揚げ作業が効率よく行えるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る特殊船の側断面説明図である。

【図２】同平面説明図である。

【図３】本考案の排出開口部分を示す横断面説明図であ
る。

【図４】本考案の計量コンベア部分を示す側面説明図で
ある。

【図５】本考案の搬出工程を示す全体説明図である。

【符号の説明】

Ａ 攪拌装置 Ｂ ばら積み貨物 １ 特殊船 ２ 船体 ３ 押船 ４ 船倉 ５ 底壁 ６ 仕切り部 ７ ホッパ−状底部 ８ 左右両側壁 ９ 排出開口部 １０ 貨物搬出用コンベア １１ 開閉扉 １２ 扉開閉用シリンダ １３ パッキン １４ 押し付け用シリンダ １５ 垂直コンベア １６ 集積用ホッパ− １７ 計量コンベア １８ コンベア受けロ−ラ− １９ 旋回コンベア

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 船倉の底壁をホッパ−状に形成して該ホ
   ッパ−状底壁に開閉自在な排出開口を設け、該排出開口
   の下方に貨物搬出用コンベアを設け、該貨物搬出用コン
   ベアに垂直コンベア、計量コンベアおよび旋回コンベア
   を連設し、該計量コンベアによって貨物の搬出量を計測
   できる構成としたことを特徴とする特殊船の自動荷おろ
   しシステム。
2. 【請求項２】 船倉の船首尾側の側壁をホッパ−状に形
   成してなることを特徴とする請求項１記載の特殊船の自
   動荷おろしシステム。
3. 【請求項３】 船倉底壁の排出開口を液密構造としたこ
   とを特徴とする請求項１若しくは２記載の特殊船の自動
   荷おろしシステム。
4. 【請求項４】 船倉内の貨物を攪拌するための攪拌装置
   を船首尾方向に移動自在に設けたことを特徴とする請求
   項１、２若しくは３記載の特殊船自動荷おろしシステ
   ム。