JP3007588U - 連続昇降搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 この考案の目的とする所は、建造物の各階層
での床盤に段差を設けないで平坦状となし、エレベータ
と床盤との夫々に設定のコンベヤ相互間の貨物を安全か
つ能率的に援受可能な連続昇降搬送装置を提供しようと
するものである。 【構成】 建造物の各階層における平坦状の床盤Ｓ１，
Ｓ２の夫々に設定した移送コンベヤＴ１付の扛上機Ａ
１，Ａ２で断面略扁平Ｕ字状の循環パレットＰ１を移送
・昇降し、この循環パレットＰ１をエレベータの搭載コ
ンベヤ１１，１２に対し援受可能としたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、台車、パレットもしくは貨物等を載置・搬送する断面略扁平Ｕ字 形の循環パレットを、建造物の各階層間を昇降するエレベータに対し搬出・入さ せる一方、循環パレットと各階層に設置のコンベヤとの間における相互移載で循 環パレットを建造物内の搬送経路を循環させ、他方、循環パレットの最下降時で の底面を各階層の平坦状の床盤に当接もしくは少許の間隙を介し床盤直近に臨ま せることで、建造物自体に段差を設けることなく、しかも安全かつ搬送効率の向 上を期待し得る連続昇降搬送装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、コンベヤ、エレベータ、その他付帯設備を設置した建造物内での台車、 パレットもしくは貨物等の連続搬送に際し、たとえば図５にみるように、各階層 たとえば１階、２階の夫々床盤ｆ_１，ｆ_２には段差ｄ_１，ｄ_２を設け、下段部の 夫々にサージタング式の油圧リフターＮ_１，Ｎ_２を設置し、油圧リフターＮ_１の 上昇過程でその上面に載置されたコンベヤＱ_１上の物品たとえば台車搭載用パレ ットＧを、エレベータケーシング１側の移送コンベヤ２の上面に移載するか、も しくは移送コンベヤ９の上面にエレベータ４側からの物品たとえば空パレット５ を移載可能としてある。なお、前記エレベータ４に一対の搭載コンベヤ６，７を 上下に設置し、床盤ｆ_１，ｆ_２側の移送コンベヤ２，３、８，９等の間における 物品移載に便ならしめてある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前述のような連続昇降搬送手段にあっては、各階層での床盤ｆ_１，ｆ_２の夫々 に段差ｄ_１，ｄ_２の設定を余儀なくされるので、建造物における床盤ｆ_１，ｆ_２ の夫々の形成に多大の手間と経費とを要する上に、段差ｄ_１，ｄ_２の存在で稍も すれば貨物のコンベヤ相互間における移載を円滑かつ安全に必ずしも常時、遂行 し難く、従って搬送時の作業能率の向上を期待できない憾みがある。

【０００４】

【目的】

この考案は前述のような欠点に鑑み提案されたもので、コンベヤ、エレベータ およびその付帯設備を具えた建造物の各階層での床盤に段差設定を要せず、コン ベヤとエレベータとの間における貨物の移載を同一平面で行うことで搬送作業時 での安全にして、かつ能率向上を期待可能な連続昇降搬送装置を提供しようとす るものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前述の目的達成のため、この考案に係る連続昇降搬送装置は、エレベータに設 置の上下一対の搭載コンベヤと建造物の各階層に設置の移送コンベヤとの間でパ レットを授受する連続昇降搬送装置において、前記各階層の平坦状の床盤の夫々 に設置した移送コンベヤ付の扛上機で移送・昇降される断面略扁平Ｕ字形の循環 パレットを、前記搭載コンベヤに対し授受可能としたものである。

【０００６】

【作用】

この考案において、たとえば１階の床板に設定の扛上機に貨物を積載した台車 を搭載の循環パレットを搬入し、ついで扛上機に付設の昇降体で所定位置まで上 昇・保持させた後、扛上機に付設の移送コンベヤで中間コンベヤを介し、もしく は介することなくエレベータにおける上部の搭載コンベヤに循環パレットを搬入 し、所望の階層たとえば３階までエレベータを上昇・保持させてから、搭載コン ベヤから中間コンベヤを介し、もしくは介することなく扛上機における移送コン ベヤに移載した後、扛上機の昇降体の下降で循環パレットの底面を当該床盤直近 に臨ませ、もしくは床盤に当接させ、扛上機近傍に待機の作業者で台車搭載の循 環パレットを円滑かつ安全に扛上機から搬出する。

【０００７】 しかして台車を搬出され空荷状態となった循環パレットに、たとえば３階の台 車もしくは貨物を搭載した後、

【０００６】で述べたと同様な過程で再びエレベ ータにおける上部の搭載コンベヤに搬送・昇降され、所望の階層に搬送される。

【０００８】 空荷状態下の循環パレットは扛上機の移送体で底面を床盤直上を移送され乍ら エレベータの下部の搭載コンベヤに搬入され、また、下部の搭載コンベヤに搭載 の空荷状態下の循環パレットは床盤に接触し乍らもしくは少許の間隙を介し床盤 直上を移送され乍ら扛上機側に向かう。

【０００９】 以上述べたように循環パレットは、エレベータの搭載コンベヤと各階層に設定 の移送コンベヤ付扛上機との間で台車もしくは貨物の授受もしくは空荷状態下で 常時、循環・移行され、しかも扛上機の最下降時、循環パレットの底面を平坦状 の床盤に直接、当接させるか、もしくは少許の隙間を介し床盤直上に保持するこ とで、各階層に大きな段差の設定を必要としない。

【００１０】

【実施例】

以下図１ないし図４を参照しこの考案に係る実施例を述べるに、エレベータケ ーシングＣ内を昇降するエレベータＥに一対の搭載コンベヤ１１，１２を上下に 設定し、このエレベータＥを内装する建造物における各階層における床盤ｓ_１， Ｓ_２等の夫々を平坦状に形成し、これら床盤ｓ_１，ｓ_２の夫々に一対の中間コン ベヤ１３，１４，１５，１６たとえばチェーンコンベヤを上下に設置し、これら 中間コンベヤ１３，１４、１５，１６のエレベータケーシングＣと反対側に扛上 機Ａ_１，Ａ_２を夫々設置してある。

【００１１】 これら扛上機Ａ_１，Ａ_２における前後左右の支柱２０，２０（図１，２におい て）上端に巻揚滑車ｋ，ｋを回動自在に支持し、これら巻揚滑車ｋ，ｋに緊張・ 掛架せるロープｒ，ｒの一端には重錘ｗを、他端には取付片２２，２２を介し断 面横Ｕ字形の機枠２３，２３を定着し、これら機枠２３，２３の夫々に移送コン ベヤＴ_１たとえば無端状のチェーンコンベヤを走行可能に装着し、この移送コン ベヤＴ_１の上部走行面に、断面略扁平Ｕ字形の循環パレットＰ_１の端末の支承部 ｈ_１を載置すると共に、ロープｒの最下降時において循環パレットＰ_１の底面ｂ を床盤ｓ_１，ｓ_２等に直接、当接させるか、もしくは少許の間隙を介し床盤ｓ_１ ，ｓ_２等の直近に保持可能としてある。

【００１２】 前記底面ｂに必要に応じ台車、パレットもしくは貨物のような物品２４を載置 し、巻揚滑車ｋ，ｋの駆動でロープｒ，ｒを介し循環パレットＰ_１を昇降可能と してある。なお、支柱２０，２０の上下に原動機たとえば電動機（図示しない） を夫々収納し巻揚滑車ｋ、移送コンベヤＴ_１を駆動可能としてある。図中２５， ２６は作業者２７_１，２７_２は床盤ｓ_１，ｓ_２の夫々に設定の傾斜台、２８は駆 動軸、２９，３０は移送コンベヤＴ_１誘導用のローラである。

【００１３】

【００１０】ないし

【００１２】で述べた扛上機Ａ_１，Ａ_２付設の移送コンベ ヤＴ_１とは異なる他の形式の移送コンベヤＴ_２にあっては、図３にみるように、 取付片２２と後述の支承部ｈ_２とに模索・定着した載置片２１に搭載の原動機Ｍ_２ で駆動の駆動軸３１にピニオン３２を取付け、このピニオン３２に、循環パレ ットＰ_２の支承部ｈ_２上面に取付けたラック３３を噛合し、ピニオン３２の原動 機Ｍ_２による駆動でラック３３を介し循環パレットＰ_２を移送可能としてある。 図中、ｑ_２は前記取付片２２に定着の断面Ｕ字形の機枠、３４は機枠ｑ_２に横架 ・定着の支軸、ｖ_２は支軸３４に回動自在に支持されたフリーローラてある。

【００１４】 他の形式の移送コンベヤＴ_３にあっては、図４にみるように、循環パレットＰ_３ の支承部ｈ_３に直交・垂下された懸垂部ｉ_３と、支承部ｈ_３内側に定着・垂下 された垂下片３５とに駆動軸３６を貫通・横架し、該駆動軸３６の一端（図にお いて左、右端）を原動機Ｍ_３たとえば電動機に連結し、この原動機Ｍ_３を前記懸 垂部ｉ_３の下端に直交・連設する折曲片ｊ_３に載置・定着し、該折曲片ｊ_３を前 記取付片２２に定着する一方、前記駆動軸３６に定着の駆動輪３７を誘導レール ３８上を転動可能とし、自走式の循環パレットＰ_３に形成してある。なお、誘導 レール３８の下端に定着の連結材３９を図２における取付片２２に取付けてある 。

【００１５】

【実施例の作用】 図１，２において、たとえば１階の床盤ｓ_１側に位置する台車２４を搭載した 循環パレットＰ_１を２階に移載する際、扛上機Ａ_１における巻揚滑車ｋ，ｋの駆 動で図２で実戦位置にある循環パレットＰ_１を鎖線位置に上昇、保持させ、つい で移送コンベヤＴ_１の駆動で循環パレットＰ_１を図１において上方の中間コンベ ヤ１３を介しエレベータＥの上方の搭載コンベヤ１１に搬入させた後、エレベー タＥを図１の鎖線位置に上昇・保持させ、２階の床盤ｓ_２に設置の上方の中間コ ンベヤ１５を介し扛上機Ａ_２側の移送コンベヤＴ_１（このとき、図１において上 方位置に設定されている。）に循環パレットＰ_１を搬入させ、ついで巻揚滑車ｋ の駆動でロープｒを床盤ｓ_２に向け下降させ、ロープｒの最下降時、循環パレッ トＰ_１の底面ｂは床盤ｓ_２直近の位置（図２において実線位置）に保持される。

【００１６】

【００１５】項にあってはパレットに台車もしくは貨物を載置した所謂実パレ ット状態下の説明であるが、空荷状態下の循環パレットＰ_１の移送に際しては、 図２の実線位置におかれた循環パレットＰ_１を下部の中間コンベヤ１４を介しエ レベータＥの下部の搭載コンベヤ１２に搬入後、エレベータＥの２階への上昇・ 保持の後、下部の中間コンベヤ１６を介し扛上機Ａ_２におけるロープｒの最下降 時の移送コンベヤＴ_１に移載する。

【００１７】 図３にあってはピニオン３２の駆動でラック３３を介し循環パレットＰ_２を、 図４にあっては原動機Ｍ_３の駆動で駆動輪３７の誘導レール３８上での転動を介 し循環パレットＰ_３を、夫々扛上機Ａ_１，Ａ_２において進退可能としてある。

【００１８】

【効果】

この考案によれば、エレベータに設置の上・下一対の搭載コンベヤと建造物の 各階層の平坦状の床盤の夫々に設置の扛上機に付設せる移送コンベヤとの間で断 面略扁平Ｕ字形の循環パレットを循環させるとき、床盤には従来におけるような 段差がないので建造物自体の構造を簡単ならしめ、しかも循環パレットの最下降 時での底面を、平坦状の床盤上に当接させるか、もしくは床盤直上に少許の隙間 を介し臨ませ得るので、貨物搬送を安全かつ円滑に行い得て搬送時の作業能率を 従来に比しより向上できると共に、既存の建造物の段差に少許の改変で平坦化す ることで事足りる故、多大の出費を回避し得る等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案品の要部説明図である。

【図２】図１のＩＩ−０−０−ＩＩ線矢視拡大図であ
る。

【図３】扛上機付設の移送コンベヤの他の要部説明図で
ある。

【図４】同上移送体の図３とは別の要部説明図である。

【図５】従来形式の連続昇降搬送形式の要部説明図であ
る。

【符号の説明】

Ａ_１ 扛上機 Ａ_２ 同上 Ｅ エレベータ Ｐ_１ 循環パレット Ｐ_２ 同上 Ｐ_３ 同上 Ｔ_１ 移送コンベヤ Ｔ_２ 同上 Ｔ_３ 同上 ｓ_１ 床盤 ｓ_２ 同上 １１ 搭載コンベヤ １２ 同上

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベータに設置の上下一対の搭載コン
   ベヤと建造物の各階層に設置の移送コンベヤとの間でパ
   レットを授受する連続昇降搬送装置において、前記各階
   層の平坦状の床盤の夫々に設置した移送コンベヤ付の扛
   上機で移送・昇降される断面略扁平Ｕ字形の循環パレッ
   トを、前記搭載コンベヤに対し授受可能とした連続昇降
   搬送装置。