JP3001862B2 - テトラアルキルジフェノールの新規な製造方法 - Google Patents
テトラアルキルジフェノールの新規な製造方法Info
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Description
フェノールの新規な製造方法に関する。より詳しくは、
高収率でかつ高純度のテトラアルキルジフェノールを製
造でき、また反応終了後、簡単な固体・液体分離、洗
浄、乾燥等の方法により、高純度のテトラアルキルジフ
ェノールを分離できるテトラアルキルジフェノールの製
造方法に関する。
って非常に有用な化学物質である。特に、テトラ第3級
ブチルジフェノール化合物は殺虫剤、化学合成中間体、
高分子共重合体や抗酸化剤等に広く用いられている。例
えば、2,6−ジ第3級ブチルフェノールより合成され
たテトラ第3級ブチルジフェノールは動物性や植物性油
脂、オイル類、ガソリン、潤滑油やゴム組成物の安定剤
として重要な化学物質である。また、このようなテトラ
アルキルジフェノールの脱アルキル化により得られた
4,4’−ジフェノールは、多くの特殊な重合・縮合高
分子化合物や共重合高分子化合物(例えば液晶高分子化
合物)の重要な原料モノマーとして用いられる。
書にテトラアルキルジフェノールの製造方法が記載され
ている。即ち、ジアルキルフェノールを原料に用い、金
属あるいは高濃度のアルカリ金属触媒の存在下、酸素通
気中、テトラアルキルジフェノキノン(tetraalkyl dip
henoquinone )を合成した後、更に高温、高圧条件下、
水添触媒を用いた水添反応より、上記テトラアルキルジ
フェノキノンを還元して高純度のテトラアルキルジフェ
ノール化合物を得る方法である。
下で、テトラアルキルジフェノキノンを水添してテトラ
アルキルジフェノールを合成することが必須である。ま
た、無溶媒下で反応するため、反応終了後、反応生成物
を溶剤に溶解し、水添触媒を濾過して取り除き、生成物
を再結晶する必要がある。さらに、製造工程が複雑で収
量が低い等の問題がある。その他、アメリカ特許第4,
354,047号、4,354,048号、4,20
5,187号、4,085,124号、4,096,1
90号明細書等に記載されている製造方法はすべて上記
に類似した方法を用いている。
号明細書に2段階工程によるテトラアルキルジフェノー
ルの製造方法が記載されている。即ち、第1段階におい
て、アルカリ金属水酸化物の存在下、酸素通気下で、第
1のフェノール(ジアルキルフェノール)を全て、テト
ラアルキルジフェノキノンに転化し、次いで第2段階に
おいて、第2のフェノール(ジアルキルフェノール)を
さらに反応系に添加し、第1段階で生じたテトラアルキ
ルジフェノキノンを、無酸素下で、テトラアルキルジフ
ェノールに転化する。しかし、このような方法は効率が
低い、また反応熱の発散が困難であるため、高温での酸
素爆発の恐れがあり、それに反応後の触媒処理や未反応
物質のモノマーの回収等多くの問題をかかえている。そ
の他のアメリカ特許第3,210,384号、3,30
6,874号、3,306,875号、3,631,2
08号明細書等にも上記反応工程に関連した反応が記載
されている。また、アメリカ特許第4,482,754
号明細書には上記反応にかかわる連続製造工程が記載さ
れている。
4号および4,096,190号明細書にテトラアルキ
ルジフェノールの別の製造方法が記載されている。即
ち、アルカリ金属水酸化物やアミン類、あるいは金属錯
体触媒を含む水性溶液中に、ジアルキルフェノールのカ
ップリング反応により、反応生成物としてテトラアルキ
ルジフェノール、テトラアルキルフェノキノンとその他
の高分子化合物を含む混合物を得、さらに特殊の分離過
程を必要とした製造方法が報告されている。
7号明細書に、各種の異なる触媒を用いて高温・高圧酸
素下で行うテトラアルキルジフェノールの製造方法が開
示されている。この方法は無溶媒でジアルキルフェノー
ルの酸化カップリング反応を行うものであるが、溶剤を
用いないため、反応生成物、触媒や不純物質の分離処理
等に多くの問題が残されており、特に、触媒と反応物が
同一相に存在しないため、原料のジアルキルフェノール
の転化率の改善が困難で問題となる。
4号明細書に別のテトラアルキルジフェノールの製造方
法が記載されている。即ち、アルカリ金属水酸化物、第
4級アンモニウム塩の相転移触媒および過酸化水素溶液
を用いて、水溶液中でジアルキルフェノールの酸化カッ
プリング反応を行なう方法である。しかし、反応後の生
成物は、イソプロパノールでの再結晶より、未反応のジ
アルキルフェノールを除去する必要がある。
にジフェノールの製造方法が開示されている。まずアル
カリ金属水酸化物の存在下、第3級ブタノール中、酸素
通気下、ジアルキルフェノールをカップリング反応をさ
せ、テトラアルキルジフェノールを得る。次に減圧下で
第3級ブタノールと未反応ジアルキルフェノールを蒸留
除去し、さらに得られた残渣をフェニルエーテルに溶か
した後、触媒を濾過除去し、さらに脱アルキル化触媒を
濾液に加え、脱アルキル化反応を行なう。しかし、この
方法によるジアルキルフェノールの転化率は僅か65〜
70%程度である。
は、テトラアルキルジフェノール化合物の高収率でかつ
高純度の製造方法を提供することである。本発明の第2
の目的は、上記の高効率でかつ高純度のテトラアルキル
ジフェノール化合物の製造方法を提供するとともに、2
段階工程を含む方法より、溶剤中で反応を行ない、そし
て直接種晶(seed crystal) を形成、結晶した後、結晶
を分離する製造方法を提供することである。
ついて鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。 (1) 下記の(a) 〜(c) の工程を含むことを特徴とするテ
トラアルキルジフェノールの製造方法: (a) ジアルキルフェノールをアルカリ性触媒と溶剤の存
在下、酸素の通気により、50〜90℃の範囲で酸化カ
ップリング反応を行う工程; (b) 不活性ガスで反応系内の酸素を置換して酸素含量を
10%以下にコントロールし、180〜260℃の高温
下および高圧下で転化反応を行う工程;および (c) 反応系の降温速度と攪拌速度をコントロールして、
反応生成物であるテトラアルキルジフェノールを溶剤中
で結晶させた後、濾過してテトラアルキルジフェノール
を分離する工程。 (2) ジアルキルフェノールが、ジ(C1-6 )アルキルフ
ェノールである上記(1)記載のテトラアルキルジフェノ
ールの製造方法。 (3) ジ(C1-6 )アルキルフェノールが、ジ第3級ブチ
ルフェノールである上記(2) 記載のテトラアルキルジフ
ェノールの製造方法。 (4) ジ(C1-6 )アルキルフェノールが、2,6−ジ
(C1-6 )アルキルフェノールである上記(2) 記載のテ
トラアルキルジフェノールの製造方法。 (5) 2,6−ジ(C1-6 )アルキルフェノールが、2,
6−ジ第3級ブチルフェノールである上記(4) 記載のテ
トラアルキルジフェノールの製造方法。 (6) 反応生成物が、3,3’,5,5’−テトラ(C
1-6 )アルキルジフェノールである上記(4) 記載のテト
ラアルキルジフェノールの製造方法。 (7) 反応生成物が、3,3’,5,5’−テトラ第3級
ブチルジフェノールである上記(5) 記載のテトラアルキ
ルジフェノールの製造方法。 (8) アルカリ性触媒が、アルカリ金属酸化物、アルカリ
金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アル
コラートおよびアルカリ金属芳香族アルコラートからな
る群より選ばれる少なくとも1つである上記(1) 記載の
テトラアルキルジフェノールの製造方法。 (9) アルカリ性触媒の使用量が、ジアルキルフェノール
1モル当り0.1〜2モルの範囲である上記(8) 記載の
テトラアルキルジフェノールの製造方法。 (10)溶剤が、アルコール類、炭化水素類、ハロ炭化水素
類、芳香族炭化水素類、エステル類およびフェノール類
からなる群より選ばれる少なくとも1つである上記(1)
記載のテトラアルキルジフェノールの製造方法。 (11)製造工程(c) の降温速度が1分間当り5℃以下、か
つ攪拌速度が150rpm以下である上記(1) 記載のテ
トラアルキルジフェノールの製造方法。
ールをアルカリ性触媒と溶剤の存在下、酸素の通気によ
り、酸化・カップリング反応を行って、テトラアルキル
ジフェノールを得る;(b) 高温・高圧かつ密閉条件下で
転化反応を続ける;および(c) 反応システムの降温速度
と攪拌速度をコントロールすることにより、反応溶液中
でテトラアルキルジフェノールの種晶を形成して結晶を
生成させ、直接濾過することにより、未反応のジアルキ
ルフェノールと分離し、高純度のテトラアルキルジフェ
ノールを得る、テトラアルキルジフェノールの新規な製
造方法である。
ラアルキルジフェノールの新規な製造方法である。即
ち、(a) ジアルキルフェノールをアルカリ性触媒と溶剤
の存在下で、酸素の通気により、50〜90℃の範囲
で、常圧下、酸化カップリング反応を行い、テトラアル
キルジフェノールとテトラアルキルジフェノキノンに転
化する;(b) 反応系を不活性ガスで置換して酸素含量を
10%以下にコントロールし、更に180〜260℃の
高温下および高圧下で転化反応を続け、(a) 工程におけ
る未反応のジアルキルフェノール、および(a) 工程で生
じたテトラアルキルジフェノキノンをそれぞれテトラア
ルキルジフェノールに転化する;および(c)転化終了
後、降温速度および攪拌速度をコントロールして、テト
ラアルキルジフェノールが溶剤中で種晶を形成して、結
晶を逐次に生成し、未反応のジアルキルフェノールが溶
剤に溶解したまま、室温になるまで降温した後、簡単な
濾過法により固形物の結晶を単離し、更に少量の溶剤を
用いて洗浄、乾燥して高純度のテトラアルキルジフェノ
ールを得る。
であるジアルキルフェノールと目的物質であるテトラア
ルキルジフェノールにおけるアルキル基は、炭素数1〜
6の直鎖もしくは分岐状のアルキル基を表す。具体的に
は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、第2級ブチル基、第3級
ブチル基、アミル基やへキシル基等を挙げることができ
るが、好ましくは第3級ブチル基である。
のフェノール環での置換位置は任意の位置でも良いが、
2,6−ジ置換が好ましい。
ラアルキル基の置換位置は、原料化合物のジアルキルフ
ェノールにおけるアルキル基の置換位置に対応する。例
えば、ジアルキルフェノールとして2,6−ジアルキル
フェノールを用いた場合、その対応するテトラアルキル
ジフェノールとして、3,3’,5,5’−テトラアル
キルジフェノールが得られる。
触媒とは、ジアルキルフェノールの酸化・カップリング
触媒であり、例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム等
のアルカリ金属酸化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;ナトリウムイソプロ
ポキサイド、カリウムイソプロポキサイド、ナトリウム
第3級ブトキサイド、カリウム第3級ブトキサイド等の
アルカリ金属アルコラート;ナトリウム フェノラート
等のアルカリ金属フェノラート等を挙げられる。上記の
アルカリ性触媒は単独もしくは2種以上組合わせて用い
ることができる。
ないが、通常、ジアルキルフェノール1モルに対し、
0.1〜2モル、好ましくは0.01〜1モル、特に好
ましくは、0.05〜0.5モルである。アルカリ性触
媒は固形物のまま直接反応系に加えられても良いが、水
溶液にして用いることもできる。
て、原料化合物とアルカリ性触媒が可溶な溶剤で、しか
もテトラアルキルジフェノールの結晶化に有利であれば
良い。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イ
ソブタノール等のアルコール類;へキサン等の炭化水素
類;ジクロロメタン、トリクロロメタン等のハロ炭化水
素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;酢酸エ
チル等のエステル類;フェノール、メタクレゾール、パ
ラクレゾール等のフェノール化合物が挙げられ、中で
も、アルコール類が特に好ましい。
合物とアルカリ性触媒を溶解するに足りる量であれば良
い。通常、ジアルキルフェノールに対して、50〜30
0重量%が用いられ、好ましくは100〜200重量%
の範囲である。
(b) 工程は異なる条件下で連続反応を行なう。(a) 工程
における反応は50〜90℃の温度範囲で、常圧下、酸
素の通気により行なう。酸素の通気には、純酸素あるい
は酸素を含む気体、例えば空気が用いられる。酸素はジ
アルキルフェノールをテトラアルキルジフェノールに転
化する際のカップリング反応の酸化剤として用いられ
る。酸素の使用量は、ジアルキルフェノール1モルに対
し、好ましくは0.25〜2.5モル、より好ましくは
0.5〜1.5モルである。
温高圧条件下で行なわれる。この際に、先ず(a) 工程の
酸素を不活性ガスで置換して、酸素含量を0〜10%、
好ましくは0.5〜5%にコントロールする。この工程
で用いる不活性ガスとして、例えば、ヘリウム、ネオ
ン、アルゴン、窒素等の気体が挙げられ、特に窒素が好
ましい。また(b) 工程において、不活性ガスで置換した
後、反応容器中の酸素含量をガスクロマトグラフィによ
り測定し、不活性ガスの導入時間を決定することができ
る。
キルジフェノールの融点以上の温度とする必要があり、
通常、180〜260℃、好ましくは180〜240℃
の範囲である。反応圧力として、反応温度条件下におけ
る溶剤の飽和蒸気圧が採用される。
晶の形成と結晶の生成は、降温速度および攪拌速度をコ
ントロールすることにより行われる。好ましくは、降温
速度は1分間あたり5℃以下に、攪拌速度は150rp
m以下にコントロールする。室温までに降温した後、結
晶を直接濾過し、反応に用いた溶剤で洗浄して、高純度
のテトラアルキルジフェノールの結晶を得る。
る。即ち、(a) 工程においては、アルカリ性触媒と溶剤
の存在下、50〜90℃の温度かつ常圧下で、酸素の通
気により、ジアルキルフェノールは、その一部が、テト
ラアルキルジフェノールとテトラアルキルジフェノキノ
ンに転化し、残りのジアルキルフェノールはそのまま反
応系に混在する。
内の酸素を置換して酸素含量を10%以下にコントロー
ルし、180〜260℃の高温かつ高圧下で反応を続け
ることにより、反応系に未だ存在している未反応のジア
ルキルフェノール、および(a) 工程で生じた副生成物で
あるテトラアルキルジフェノキノンをそれぞれテトラア
ルキルジフェノールに転化する。即ち、テトラアルキル
ジフェノキノンは、ジアルキルフェノールより水素原子
を受け取り、テトラアルキルジフェノールとなる。水素
原子を失ったジアルキルフェノールは、別のジアルキル
フェノールと反応してテトラアルキルジフェノールとな
る。
562,338号明細書に記載の2段階工程による製造
方法と比較して、ジアルキルフェノールをさらに反応系
に添加することなく、かつ最初から反応系に存在したジ
アルキルフェノールのほとんど全てがテトラアルキルジ
フェノールに転化するのである。従って、反応終了後に
反応系に存在する未反応のジアルキルフェノールが極め
て少なく、ジアルキルフェノールの転化率が非常に高い
ので、高収率でかつ高純度のテトラアルキルジフェノー
ルを得ることができる。
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。実施例1 2,6−ジ第3級ブチルフェノール(206.4g,
1.0モル)を水酸化カリウム(2.78g,0.05
モル)とイソブタノール(206g)を含んでいる高圧
反応器中に加え、予熱攪拌した後、温度を70℃に昇温
し、反応器のガス導入口より、1分間あたり100cc
の流速で酸素を徐々に通気し、更に螺旋葉式の攪拌棒に
より500rpmの速度で攪拌した。反応器のガス排出
口より、イソブタノール水溶液を排除しつつ、2時間程
度このような通気、反応を続けた後、酸素の導入を止め
て、窒素ガスで置換した。反応器中の酸素含量が3.6
%程度になった所で、更に180℃まで昇温し、反応を
1.5時間行った後、1分間当り3℃の速度で降温し、
攪拌速度を100rpmに下げて、3,3’,5,5’
−テトラ第3級ブチルジフェノールの種晶を形成して、
結晶の生成を促した。室温まで降温した後、濾過、洗浄
し、70℃で一夜乾燥して目的物を得た。HPLCで分
析したところ、純度は99.81%であった。融点は1
89℃(DSC)であり、2,6−ジ第3級ブチルフェ
ノールの転化率は96.5%であった。
1.0モル)、5%水酸化カリウム水溶液(22.4
g,0.1モル)、イソプロパノール(309g)を高
圧反応釜に入れ、予熱し、攪拌しながら80℃に昇温
し、徐々に100cc/minの流量で酸素を導入し、
螺旋葉式攪拌棒で500rpmの速度で攪拌しながら、
6.5時間反応した後、酸素の導入を止め、窒素で置換
して密封した。反応釜内の酸素含量は約3.5%の程度
で200℃に加熱昇温し、反応を2.5時間続けた後、
4℃/minの速度で降温し、攪拌速度を100rpm
に低下して、生成物の種晶の形成と結晶の生成を促し
た。室温まで降温した後、濾過、洗浄して、得られた生
成物を70℃で一夜乾燥した。HPLCで分析したとこ
ろ、純度は99.81%であった。融点は189℃(D
SC)てあり、2,6−ジ第3級ブチルフェノールの転
化率は96.5%であった。
1.0モル)、50%水酸化カリウム水溶液(5.56
g,0.05モル)とイソブタノール(309g)を1
リットルのガラス反応器に入れ、水浴で80℃に加熱
し、攪拌しながら、1分間当り200ccの流量で酸素
を導入し、コンデンサーを通して大気中にガスを排出し
ながら反応を4時間続けた後、酸素の供給を止め、窒素
ガスで反応器中の酸素を置換し、水浴に替えて電熱で1
00分間かけて200℃まで昇温した。同時に反応器中
のイソブタノール水溶液を留出し、温度を200℃に維
持しながら未反応の2,6−ジ第3級ブチルフェノール
を減圧下で留出した。200torrの減圧下で約15
分間保持し、攪拌速度を下げながら降温を続け、温度が
100℃付近になった時、大量の純水を注入して強力攪
拌し、生成した懸濁物の分散をはかったが、一部結塊し
た。得られたスラリー状の反応生成物を濾過、洗浄し、
HPLCで分析したところ、純度は91.4%であり、
未反応の2,6−ジ第3級ブチルフェノール5.26%
と3,3’,5,5’−テトラ第3級ブチルジフェノキ
ノン3.34%を含んでいた。2,6−ジ第3級ブチル
フェノールの転化率は63.4%程度しかなかった。
0.5モル)、50%水酸化カリウム水溶液(5.6
g,0.05モル)、m−クレゾールとp−クレゾール
の混合物(60/40,309g)を高圧反応釜に人
れ、予熱、攪拌しながら90℃に昇温し、1分間あたり
50ccの流量で酸素を徐々に導入し、螺旋葉式の攪拌
棒で500rpmの廻転速度で攪拌を行ない、反応釜の
ガス排出口より、水で吸着したm−とp−クレゾールの
混合物を大気中に排出しながら、反応を5.5時間続け
た後、酸素の導入を止めて窒素ガスで置換して密封し
た。反応器中の酸素含量は1.6%程度にして、210
℃に昇温して反応を3.5時間続けた後、1分間あたり
3℃の速度で降温し、攪拌速度を100rpmにさげて
種晶と結晶の形成を促した。室温までに降温した後、濾
過し、m−とp−クレゾールの混合物と90℃の熱水で
洗浄した。得られた反応生成物を70〜80℃の範囲の
温度で一夜乾燥した。HPLCで分析したところ、純度
は99.9%であった。融点は186.4℃(DSC)
であり、2,6−ジ第3級ブチルフェノールの転化率は
97.8%に達した。
1.0モル)、49.6%水酸化ナトリウム水溶液
(4.032g,0.05モル)とイソブタノール(2
06g)を高圧反応釜に入れ、予熱、攪拌しながら60
℃に昇温し、酸素を1分間あたり75ccの流量で徐々
に導入し、螺旋葉式攪拌棒を用いて500rpmの速度
で攪拌し、反応釜のガス排出口より水で吸着したイソブ
タノールを排出しながら反応を7時間続け、酸素の導入
を止め、窒素ガスで置換して密封した。反応釜内の酸素
含量は2.3%程度であり、更に180℃に昇温して反
応を2時間続けた後、1分間あたり4℃で降温し、攪拌
速度を100rpmに下げて、種晶と結晶の形成を促し
た。室温までに降温した後、濾過し、洗浄した。得られ
た反応生成物を70〜80℃の範囲で一夜乾燥した。H
PLCで分析したところ、純度は99.81%であっ
た。融点は187.5℃(DSC)であり、2,6−ジ
第3級ブチルフェノールの転化率は95.6%であっ
た。
製造方法によれば、高収率でかつ高純度のテトラアルキ
ルジフェノール化合物を得ることができる。また反応終
了後、直接種晶を形成、結晶させるので、簡単な固体・
液体分離、洗浄、乾燥等の方法により、高純度のテトラ
アルキルジフェノール化合物を得ることができる。
Claims (10)
- 【請求項1】 下記の(a) 〜(c) の工程を含むことを特
徴とするテトラアルキルジフェノールの製造方法: (a) ジアルキルフェノールをアルカリ性触媒と溶剤の存
在下、酸素の通気により、50〜90℃の範囲で酸化カ
ップリング反応を行う工程; (b) 不活性ガスで反応系内の酸素を置換して酸素含量を
10%以下にコントロールし、180〜260℃の高温
下および高圧下で転化反応を行う工程;および (c) 反応系の降温速度を1分間当り5℃以下、かつ攪拌
速度を150rpm以下にコントロールして、反応生成
物であるテトラアルキルジフェノールを溶剤中で結晶さ
せた後、濾過してテトラアルキルジフェノールを分離す
る工程。 - 【請求項2】 ジアルキルフェノールが、ジ(C1-6 )
アルキルフェノールである請求項1記載のテトラアルキ
ルジフェノールの製造方法。 - 【請求項3】 ジ(C1-6 )アルキルフェノールが、ジ
第3級ブチルフェノールである請求項2記載のテトラア
ルキルジフェノールの製造方法。 - 【請求項4】 ジ(C1-6 )アルキルフェノールが、
2,6−ジ(C1-6 )アルキルフェノールである請求項
2記載のテトラアルキルジフェノールの製造方法。 - 【請求項5】 2,6−ジ(C1-6 )アルキルフェノー
ルが、2,6−ジ第3級ブチルフェノールである請求項
4記載のテトラアルキルジフェノールの製造方法。 - 【請求項6】 反応生成物が、3,3’,5,5’−テ
トラ(C1-6 )アルキルジフェノールである請求項4記
載のテトラアルキルジフェノールの製造方法。 - 【請求項7】 反応生成物が、3,3’,5,5’−テ
トラ第3級ブチルジフェノールである請求項5記載のテ
トラアルキルジフェノールの製造方法。 - 【請求項8】 アルカリ性触媒が、アルカリ金属酸化
物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アル
カリ金属アルコラートおよびアルカリ金属芳香族アルコ
ラートからなる群より選ばれる少なくとも1つである請
求項1記載のテトラアルキルジフェノールの製造方法。 - 【請求項9】 アルカリ性触媒の使用量が、ジアルキル
フェノール1モル当り0.1〜2モルの範囲である請求
項8記載のテトラアルキルジフェノールの製造方法。 - 【請求項10】 溶剤が、アルコール類、炭化水素類、
ハロ炭化水素類、芳香族炭化水素類、エステル類および
フェノール類からなる群より選ばれる少なくとも1つで
ある請求項1記載のテトラアルキルジフェノールの製造
方法。
Applications Claiming Priority (2)
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