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JP3099279B2 - 治療薬液を注射するための携帯式ポンプ - Google Patents

治療薬液を注射するための携帯式ポンプ

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JP3099279B2
JP3099279B2 JP03082969A JP8296991A JP3099279B2 JP 3099279 B2 JP3099279 B2 JP 3099279B2 JP 03082969 A JP03082969 A JP 03082969A JP 8296991 A JP8296991 A JP 8296991A JP 3099279 B2 JP3099279 B2 JP 3099279B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の分野】本発明は、治療薬液を注射することが
できる一体形タンクを備えた携帯式ポンプに関するもの
である。
【０００２】
【従来の技術】液状の薬剤を患者に注射することができ
る医療用ポンプは、少なくとも10年前から知られてい
る。この形式のポンプは、特に少量の薬剤を継続的に投
与する必要がある糖尿病患者、癌患者及びエイズ患者の
処置等に用いられ、患者をベッドに拘束したり、やっか
いな医療器具を取り付ける必要がなくなる。これらのポ
ンプは小型であるため、数日間自律作動して、患者は自
由に動くことができる。定期的にタンクに補給するだけ
でよい。医療分野では、ぜん動形ポンプがよく用いられ
る。
【０００３】国際特許出願No．WO 82/04291には、公知
の原理に基づいて機能するぜん動形ポンプが開示されて
いる。これは、変形可能なプラスチック材からなる管を
用いており、管を一点で加圧ローラを備えたロータによ
ってケーシングに押し付けて絞り、モータでロータを回
転移動させることによって管内の液体をタンクからポン
プ出口の方へ吸い出すことができるようになっている。
【０００４】本出願人のフランス特許No.FR 8904044
も、医療分野で用いることができるこの形式のポンプを
開示している。このポンプは、可撓性のプラスチック材
製のバッグの形をした独立形タンクから可撓性管によっ
て供給される「ポンプユニット」として記載されている
ものを有している。このポンプユニットには２つのモジ
ュール、すなわちモータ及びそれの制御回路を有してい
る消毒不能なモータモジュールと、接触ローラを備えた
ロータ、管及び接触ローラとともに動作して前記管を絞
る加圧シリンダを有している消毒可能なポンプモジュー
ルとが設けられている。これらの２つのモジュールは意
のままに組み付け分解ができる。
【０００５】２つの分解可能な部品を設けたこのポンプ
はすでに公知であって、消毒に耐えることができない構
成部材は一方の部品内だけに配置するように製造されて
いるので、簡単に消毒することができる。
【０００６】しかし、このポンプは２つの部品を簡単に
分解でき、使用者がそれの機構及びタンクに触れること
ができるため、十分な安全性を備えていない。この不都
合な点に加えて、ポンプには作動の開始及び停止を行う
制御スイッチが設けられており、これにも使用者が触れ
ることができる。このように、使用者は医師の意図した
処置以外の用途でポンプを簡単に用いることができる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
欠点を解決し、一旦組み付けた後は簡単には内部構成部
材に触れることができないポンプを提供することであ
る。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は、治療薬液を注
射するための携帯式ポンプである。このポンプは、治療
薬液の供給タンクと、治療薬液を供給タンクからポンプ
出口まで送るポンプ手段と、ポンプ手段を作動させるモ
ータ手段と、前記モータ手段のための制御手段との各機
構を有している。本発明はこれらの機構が複数の組み合
わせモジュール内に配置されている。このモジュールの
少なくとも２つが、モジュールを組み合わせることによ
ってポンプの機能を作動させる整合電気接点手段と、こ
の電気接点が切り離された時にポンプの機能を永久的に
停止させる手段とを構成するようにしたことを特徴とす
るものである。
【０００９】永久的にポンプの機能を停止させる切断手
段は、電気接点を支持している機械部材と、モジュール
を分解する時に永久的にそれらを破壊する手段とで構成
することが望ましい。さらにこの切断手段は制御回路内
に設けることが望ましい。さらに前記少なくとも２つの
モジュールの一方に供給タンクを有するようにし、この
タンクを設けたモジュールの他のモジュールと組み付け
た時には触れることができなくなる位置にタンクの注入
口を設けるようにすることが望ましい。
【００１０】
【作用】本発明は上記構成になるので、モジュールを組
み付けた時にポンプが自動的に作動を開始するだけでな
く、それを分解すれば電気接点の支持部を破壊すること
になる。このため、破損部品を組み付け直してからそれ
らを装置内部に再度組み付けなければならないので、ポ
ンプを再び作動させることは難しい。制御回路内に永久
切断手段を設けると、モジュールを分解した時に電子制
御手段が永久的に不作動状態になるため、ポンプの再利
用を確実に不可能にすることができる。専門家でない使
用者が電子回路を構成し直すことは事実上不可能であ
る。
【００１１】タンクをモジュールで構成すると、他のモ
ジュールと分解不能に組み付けられる前に、消毒するこ
とができる。このようにして、タンクを含むモジュール
を選択的に消毒することができるようになる。消毒作業
によって電子回路が破壊されることが多いが、モータ及
び制御回路を含むモジュールはタンクを含まないので消
毒する必要がなくなる。さらに、このポンプには、２つ
のモジュールを一度組み付ければ、ポンプを密封できる
密封手段を設けるのが望ましい。こうすることにより、
使用者はきわめて安全にポンプを付けていることがで
き、例えばポンプを付けたままで入浴することもでき
る。さらに好ましくは、このポンプを２つのモジュー
ル、すなわち薬剤タンク及びタンクからポンプ出口まで
続いた管を含むタンクモジュールと、モータ手段、制御
手段及びロータを有するモータモジュールとに分けるこ
とである。
【００１２】本発明は、添付の図面を参照した本発明の
実施例の詳細な説明からさらに明らかになるであろう。
【００１３】
【実施例】本発明は、図１に概略的に示されている原理
に基づいている。本発明の装置を構成しているすべての
要素がこの図面に示されているが、装置の正確な構造を
示しているわけではない。特定の構造は後続の図面に示
されている。
【００１４】図１に示されているように、ポンプは少な
くとも２つのモジュールからなる。本実施例では４つの
モジュール１、２、３及び４を互いに組み付けて構成さ
れている。本実施例では、モジュールは一方を他方に滑
り込ませてからラッチ機構で留め合わせて組み付けられ
ているが、ねじ接合などの他の手段や差し込み装置など
の手段を用いることもできる。
【００１５】各モジュールにはそれぞれ幾つかの要素
が、すなわち、治療剤の供給タンク５と、前記治療剤を
タンク５からポンプ出口へ送るポンプ手段６と、前記ポ
ンプ手段を作動させるモータ手段７と、前記モータ手段
７に作用する制御手段８とが設けられている。タンク
５、ポンプ手段６、モータ手段７及び制御手段８は分離
されて、モジュール１〜４内に任意に示されているが、
モジュールの数は変更することができ、各要素はモジュ
ール間での分割の仕方を変えることもできることは明ら
かである。しかし、消毒に耐えることができない構成部
材を１つまたは複数のモジュールにまとめることによっ
て、それらに害を与えることなくその他のモジュールに
対して消毒を実施できるようにすることが好ましい。
【００１６】さらに、モジュール１、２、３または４の
少なくとも２つには、モジュールを組み付けた時にポン
プを始動させると同時に、その後に接点手段を分解した
時にポンプの機能を永久的に不能とするために切断する
整合電気接点手段９が設けられている。好ましくは、ポ
ンプ手段６、モータ手段７及び制御手段８は、接点手段
９を設けたモジュール内に配置する。
【００１７】この永久切断手段は、図１には一部分が概
略的に示されているだけである。本発明によれば、それ
は少なくとも３種類の方法で作動させることができる
が、以下に説明する本発明の好適な実施例の場合のよう
に互いに組み合わせて用いることもできる。 第１の方法は、集積回路ＩＣを、それに特別な方法で接
続された電気接点９が切断されると同時に作動を停止す
るようにプログラム化して、回路に入れたプログラムに
よってこの作動停止が永久化するようにして実施され
る。 第２の方法は、電気接点手段に対して支持部（図１には
示されたいない）を設け、それらの支持部を弱くしてモ
ジュールの分解時に破損するようにして実施される。 第３の方法は、電気接点手段を例えば第１モジュールに
設け、第１モジュールに組み付けられる第２モジュール
に機械手段（図１には示されていない）を設けて、これ
らのモジュールの分解時に機械手段が電気接点手段９を
破壊するように配置して実施される。モジュール４にい
ずれの要素も含まれていない場合、それをポンプの永久
切断を行う切断装置にすることもできる。
【００１８】図２は、本発明の好適な実施例によるポン
プを示している。このポンプには２つのモジュール、す
なわちモータモジュール11とタンクモジュール12とが設
けられているだけである。これらの２つのモジュールは
組み付けることができるようになっている。このため、
タンクモジュール12は、出口キャビティ13を備えたほぼ
箱形をしており、モータモジュール11は、キャビティ13
にはめ込むことができるスライド部材になっており、キ
ャビティ13にほぼ組み合わされる形状をしている。
【００１９】本発明のこの実施例では、ポンプ手段６は
ぜん動形ポンプを有するようにすることができるが、本
発明の範囲内においてその他のポンプ手段を考えること
もできる。ポンプ手段がぜん動形ポンプを有している場
合、モータモジュール11は、２段の高さに圧力ローラを
設けたロータ14を有しており、このロータはモータ手段
７（図２には示されていない）によって駆動される。
【００２０】タンクモジュール12には、ポンプの出口15
aに通じている可撓管15を備えた液体タンク５が設けら
れている。この出口15aは、ポンプを接続するのが例え
ば胸部か腹部かによって直接的または可撓管（図示せ
ず）を介して例えば皮下注射針（図示せず）に接続する
ことができる。さらに、タンク５には、好ましくは隔膜
の形をした注入開口16から充填される。一般的には、組
み付けた時のポンプの全長は55mm、全幅は47mm、厚さは
14mmであるが、もちろんこの寸法は一例にすぎない。
【００２１】次に、ポンプについて詳細に説明する。図
２に示されているように、モータモジュール11は細長い
形をしており、その幅の狭い部分にロータ14が設けら
れ、幅の広い後部分にモータ７及び制御手段８（この図
面には示されていない）が設けられている。
【００２２】図４からわかるように、一体状に形成され
てほぼ円筒形をしており、従って軸線Ｘ−Ｘが回転軸線
でもある本体部17がロータ14に設けられている。この本
体部17には、前記モータによって回転駆動される歯付き
ギヤ18を形成している半径方向の中央平面の各側にそれ
ぞれ位置している２層17a及び17bが設けられている。こ
のギヤは円筒形本体部全体を横切るように延出している
ため、本体部はこの部分で最も大径になっている。本体
部17の各高さの層17a、17bには、軸線Ｘ−Ｘに平行な軸
線Ｙ−Ｙに沿って３本のスピンドル19a、19bが設けられ
ている。これらのスピンドル19a、19bは互いに120゜の
間隔で配置されており、スピンドル19aは下側のスピン
ドル19bに対して60゜ずれている（図６を参照）。
【００２３】さらに、本体部17の各高さの層17a、17bに
は、ほぼＶ字形をして端部に丸みが付けられている３つ
のスロート20a、20bが側面向きに設けられている。ま
た、本体部17には軸線Ｘ−Ｘ上に中心にくるように２つ
の止まり穴21a、21bが設けられており、モータ手段11の
支持構造体を有しているブロック23の一部を形成してい
るピボット22a及び22bがこれらの止まり穴21a、21bには
まっている。各スピンドル19a、19bの自由端部に半径方
向スリット24が設けられており、この位置には各ピンの
基部側に向いた肩部を形成する環状部分25が設けられて
いる。
【００２４】ロータ14は各高さの位置に３つのローラ26
a-1、26a-2及び26a-3と26b-1、26b-2及び26b-3（図６を
参照）を、それぞれのスピンドル19a、19bにはめ付け、
肩部25に対してラチェット機構で固定保持し、スピンド
ルに対して常に自在回転できるようにして設けている。
わずかな半径方向の遊びｊを設けて、ローラが一定量だ
け側方移動できるようにしている。
【００２５】各スロート20a、20bは、ロータ14の各高さ
の位置において２つのローラ26a、26b間に設けられてい
る。板ばね27a、27bがローラ26a、26bとロータの中央部
28との間の空間に配置されて、ローラを外向きに押し付
けている。図示されていない本発明の変更例として、各
板ばね27a、27bの代わりに中実の弾性ブロックを各高さ
に１つずつ設けても、同じ効果を得ることができる。別
の変更例として、それらを完全になくして、管15自体の
本来の弾性によってローラ26a及び26bが半径方向に押し
付けられるようにすることもできる。
【００２６】図２に示されているように、本実施例の管
15はローラの２つの高さ位置に２つの管形部材28a及び2
8bを、それぞれ各高さに対応するように設けており、モ
ジュール11及び12を組み付けた時にロータ14の外周の一
部を取り囲むように配置されている。管形部材28a、28b
の対応端部はＹコネクタ29及び30で連結されており、コ
ネクタ29は供給タンク５（ポンプの吸引側）に接続して
いるのに対して、コネクタ30は出口15（ポンプ供給側）
に連通している。管形部材28a及び28bはそれぞれブーメ
ラン形の支持部材32に設けられた溝31a、31bにはまっ
て、モータモジュール11を挿入するタンクモジュール11
のキャビティ13からタンクモジュール11のケーシング35
の内部室34を分離する内部隔壁33に当接している。内部
室34には、以下に説明するタンク５が設けられている。
【００２７】図４及び５の断面図を比較すれば明らかな
ように、溝31a及び31bの形状は一様ではなく、それらの
へこみは、支持部の頂点32aから端部32b及び32cに向か
うのに伴って徐々に大きくなる。図示されていない変更
例では、溝31a及び31bの形状を矩形にして、ローラ26a-
1、26a-2、26a-3、26b-1、26b-2及び26b-3を円筒形にす
ることもできる。その場合、管形部材28a及び28bは２つ
の平行面の間で絞られる。
【００２８】モータモジュール11を支持する構造を形成
しているブロック23は、本体部36と、透明材からなるカ
バープレート37とを有しており、本体部及びカバープレ
ートから突出しているディスク形の突出部分38及び39は
ロータ14を取り付けるためのカバーを有している。ロー
タ14は、ディスク38及び39と同じ素材で形成されたピボ
ット22a及び22bの間に回転可能に取り付けられているこ
とを思い出されたい。
【００２９】図４に示されているように、本体部36に設
けられたキャビティ40内に、モータ手段７及び制御装置
８が収容される。モータ手段は駆動モータ41を有してお
り、その駆動軸42のピニオン43が、キャビティ40の上底
部に設けられている軸受45によって回転可能に取り付け
られた中間ホィール44と噛み合っている。このホィール
44は、ロータ14のギヤ18と噛み合っている。
【００３０】モータ手段７及び制御装置８は、時針の軸
線を駆動軸42にした場合の従来形の時計のムーブメント
と同様にして構成することができる。通常は水晶と組み
合わされている集積回路が針の回転を制御しており、本
発明によるポンプに利用することができる。このため、
このムーブメントに簡単な変更を加えて、集積回路をポ
ンプ制御用にプログラムすることができる。この目的に
使用できる時計ムーブメントの一例として、スイス国、
グレーンジのファブリック・デス・ボーゲス(Fabrique
des boges）であるイー・ティー・エー・エス・エー
(ETA SA)が製造販売している400型がある。図10は、一
方で水晶Ｑに、他方で電池Ｂに接続されている集積回路
ICを有している制御手段８を示す時計ムーブメントの電
気回路図である。
【００３１】本発明によれば、電気接点手段９は、集積
回路の入力端子の２つに接続されたスイッチＳの形を取
っている。本発明のこの実施例の構成では、スイッチＳ
が初めて閉じた時、それは集積回路ICの機能を切断し
て、モータ手段７を始動させることに注意する必要があ
る。次に、スイッチＳが再び開くと、組み込まれている
プログラムによって集積回路がモータ手段制御装置を切
断し、その後はモータを再度作動できなくする。このよ
うな集積回路のプログラミングは、プログラミングの専
門家であれば簡単に実施でき、従ってここでは詳細に説
明しない。本発明の変更例では、点線で示されているよ
うにスイッチＳを水晶Ｑと回路ICとの間、または回路と
モータ手段７との間、あるいはまた回路と電池Ｂとの間
に設けてもよい。
【００３２】図９は、電気接点手段９の好適な実施例が
示されている。スイッチＳの可動接点は、ここではモー
タモジュール11の側壁に固定された弾性ばね46であっ
て、それの付近に固定されてスイッチＳの固定接点を構
成している接点ブロック47と協働する。このため、この
形式のスイッチＳは、モータモジュール11がキャビティ
13内へ挿入された時に閉じることは容易に理解されるで
あろう。このように、キャビティ13の側壁は板ばね46を
押し付ける押しボタンとして機能する。
【００３３】図９にはさらに、モジュール11及び12の組
み付け手段48が示されており、これは接点手段49の上方
でそれらに対してモジュール11の挿入方向DIのわずかに
後方に配置されている。この組み付け手段は、キャビテ
ィ13の側壁に形成された２つの窪み49と、モータモジュ
ール11の本体部と同じ素材で形成された２つの弾性フッ
クとを有しており、モジュール11をモジュール12内へ完
全に挿入した後は、各フックが窪み49の一方に引掛か
る。最初に組み付けられた後でモジュール11をモジュー
ル12から取り外そうとした場合、フック50が破損して、
２つのモジュールをしっかり再組み付けすることができ
なくなることがわかるであろう。
【００３４】図２に示されているように、本体部36には
グリップヘッド51が一体状に形成されており、モータモ
ジュール11を操作し易くすると共に、キャビティ13を完
全に閉鎖している。このため、２つのモジュールを組み
付けた後はキャビティ13にまったく触れることができな
くなり、注入開口16は完全に隠れ、電気接点手段９及び
組み付け手段にも手が届かなくなる。
【００３５】また、グリップヘッド51の内面と当接する
ジョイント52がキャビティ13の穴の周囲に設けられてお
り、このジョイントのばね力によってフック50を挿入方
向DI（図９）の反対方向に窪み49内に確実に引掛けるこ
とができるようにすることが好ましい。
【００３６】図11は、電気接点及びポンプ作動永久的切
断手段の第２実施例を示している。モータモジュール11
の各側部に、図９に示されているものと同じ形状のフッ
ク50aが設けられている。タンクモジュール12にも、フ
ック50aをはめ込む窪み49aが設けられている。フック50
aの一方の端部には、図示しない接続部によって図10の
回路図に従った集積回路ICの端子に接続している２つの
分離した電気接点53、54が設けられている。このよう
に、フック50aは電気接点手段の機械的支持部材を構成
している。窪み49aの底部には金属の帯形ばね55が設け
られており、この窪みは、モジュールを組み付けた時に
接点53及び54がばね55によって互いに接続されて、ポン
プを作動させることができる形状になっている。
【００３７】図９で説明したように、モータモジュール
とタンクモジュール12とを分離しようとすると、フック
50aが破損するため、フック50aを取り付け直して集積回
路ICに再度電気接続することは非常に難しいので、ポン
プの作動は永久的に切断される。
【００３８】この装置は、ポンプの作動を永久的に切断
する第２の方法を示しており、これは前述の集積回路の
プログラミングと併用できなくもない。しかし、本発明
のこの実施例では、端子53及び54とばね55との間の接続
の切断後は自動的に遮断されるため、おそらく集積回路
をプログラミングする必要はないであろう。
【００３９】図12は、電気接点手段及びポンプ作動永久
的切断手段の第３実施例を示している。図11の場合と同
様に、モータモジュール11の各側部にフック50bが設け
られ、タンクモジュールのキャビティ13の各側部にはフ
ック50bをはめ込む窪み49bが設けられている。このフッ
ク50b及び窪み49bは、図９に示されているものと同じ形
状である。この場合のスイッチＳの可動接点は、モータ
モジュール11の側壁に固定された導電性板ばね46bにな
っており、それの近接位置に固定されて、スイッチＳの
固定接点を形成している接点ブロック47bと協働する。
このばね46b及び接点ブロック47bは、図10の回路図に従
った集積回路IC（図示せず）の入力端子と接続してい
る。このため、この実施例ではモータモジュール11をモ
ジュール12のキャビティ13に挿入した時、このキャビテ
ィの側壁が板ばね46bの押しボタンとして機能するた
め、スイッチＳが閉じることは容易に理解されるであろ
う。しかし、２つのモジュール11及び12を組み付けた
後、自動的に作動が開始される。また、モジュール12に
は、モジュール11の挿入方向DIにおいてばね46bよりも
わずかに後方に第２窪み48bが設けられている。
【００４０】２つのモジュールの組み付け後にモジュー
ル11をモジュール12から（挿入方向DIの反対向きに）取
り外そうとすると、窪み49bにはまっているばねフック5
0bが破損するだけでなく、板ばね46bがそれの形状及び
弾性によって外向きに押し出されるため、やはり破損し
て第２窪み48bによって保持される。ばね46bを付け直し
て回路ICに通じる電気接続を再生することは不可能では
ないにしても非常に難しいため、ポンプ作動は永久的に
切断される。ポンプ作動を永久的に切断するための本発
明のこの第３実施例は、上記の集積回路のプログラミン
グと併用できないこともないことに注意されたい。
【００４１】以上に説明したポンプ作動を切断するため
の電気接点手段及び永久切断手段のこれらの３つの実施
例では、モジュール11に設けるように記載した機構をモ
ジュール12側に設けたり、その逆にすることもできるこ
とは明らかである。
【００４２】次に、タンクモジュールについて詳細に説
明する。図２、３、７及び８から明らかなように、タン
クモジュール12のハウジング56内にタンク５が配置され
ており、タンクは柔軟性のプラスチック材、例えばＰＶ
Ｃからなるバッグをシール（図示せず）で密封して有し
ている。バッグの好ましい容積は、注入用の液体８cc
（例えば毎日１ccの８日分）と予備の２ccとを合わせた
10ccである。この容積はもちろん一例にすぎない。
【００４３】ハウジング56は一方端部が延出して、管58
の一部分を案内保持できるチャネル57（図８）を形成し
ている。この管58はＹ形コネクタ29（図２）でバッグ５
に接続している。同様に、別のチャネル59が、出口15a
に通じているＹ形出口部材30に管（図示せず）を接続さ
せている。２つの管28a及び28bが直接的にロータ14によ
って上記溝31a及び31bに押し付けられるように、これら
のチャネル57及び59はキャビティ13の端部の高さで連結
している。また、バッグ５は、管58を設けた側の反対側
においてキャビティ13の横に隔壁を設けている。
【００４４】ポンプには、装置の故障を知らせる１つま
たは複数の音声または視覚警報器が設けられている。こ
れらの警報器について以下に詳細に説明する。図４及び
図10に示されているように、音声警報器はバイブレータ
60を有しており、モータ手段７の上方にあるモータモジ
ュール11のカバープレート37内にこの目的で設けられた
領域61内に配置することが好ましい。タンクモジュール
12に音声警報器を取り付けた方が適切である場合、その
モジュールにバイブレータ60を配置することもできる。
警報器60は、ポンプの作動開始、作動停止、モータ故障
または管(28a、28b)の詰まりを検出できるように、集積
回路ICの端子に接続することができる。さらに回路ICに
は、電池Ｂ切れの検出、または回路の活動時に警報器60
を鳴らす回路を設けてもよい。
【００４５】ロータ14またはモータ手段７の故障または
停止を表示する視覚警報器62（図２及び４）を設けても
よい。この警報器は、時針42と同軸配置された時計ムー
ブメントの分針64aに固定された色付きの点64を上表面
の周辺部に設けたディスク63を有している。時針42は、
本体部36に設けられた穴65に挿通されている。このた
め、モータ手段７またはロータ14の回転の変化はすべ
て、ディスク63の回転速度の変化またはそれの停止に変
換される。
【００４６】ディスク63の周辺部を外側から見えるよう
にするため、モータモジュール11のカバープレート37及
びタンクモジュール12は透明プラスチック材で形成され
ており、バイブレータ60がディスク64の大部分を覆って
いる。しかし、バイブレータ60をタンクモジュール12内
に配置した場合、ディスク63全体が見えるようになる。
モータモジュール11が間違った向きでタンクモジュール
12内へ挿入されないようにするため、例えばモータモジ
ュール11の表面の１つに長手方向突起66を設けて、キャ
ビティ13の対応表面に形成された長手方向溝67と協働さ
せることもできる。
【００４７】次に、ポンプの作用について説明する。ポ
ンプを病院施設で使用する場合、職員が個別に包装され
ている消毒されていないモジュール11の１つと消毒済み
のモジュール12とを取り出す。まず、本発明によるポン
プを患者に与え、注射針を隔膜16に突き刺して適当な薬
剤をバッグ５に注入し、薬剤が出口15aから出て内部の
空気がポンプから追い出されることを確認する。バック
５の形状から、この空気抜きは容易である。
【００４８】次に、モータモジュール11をキャビティ13
にはめ込むと、次の結果が得られる、すなわち、電気接
点９によってポンプが作動を開始し、フック50が窪み49
にはまって、モジュール11がモジュール12内にしっかり
固定される。その後直ちにポンプは皮下注射器によって
患者に取り付けられることは理解されたい。図６に示さ
れているように、ポンプが作動を開始すると、ロータ14
が回転し始めて、ローラ26a及び26bがそれぞれ管28a及
び28bを順次押し付けながら、部分32の溝31a及び31bの
外形に沿って進行する。ローラ26a、26b間に位置してい
る部分の管は、ロータ14の溝20a、20bにはまっている。
ローラ26aとロータ26bとを60゜離して配置することによ
り、薬剤を出口へ規則的に供給できる。
【００４９】例えば、制御手段８に用いられている水晶
Ｑが32768Hzの周波数で作動する場合、ポンプモータ
（ステップ形）に対して２の６乗で割り、さらに５で割
った102.4Hzの制御周波数を得ることができる。単相双
極形であるモータ41は、１回転で２回作動して、ホィー
ル44及びギヤ18によって形成された適当なギヤ減速機構
によって36分に１回転する速度をロータ14に与える。こ
のため、ポンプの平均供給量は、24時間で１cm3程度に
することができる。管28a及び28bの内径を変える（但し
管の厚みは同じにする）ことによって、24時間に３cm3
程度の供給量にすることもできる。
【００５０】本発明によるポンプは、一度組み付けれ
ば、ポンプの作動は組み付け作業だけによって開始さ
れ、さらに一度組み付けたのちは、この構造に必須の１
つまたは複数の部材、特にポンプのための制御回路を破
壊しなければ装置を分解することができず、専門家では
ない使用者にはこれを修理することはできない、といっ
た望ましい安全性をすべて保証することができる。さら
に本発明は、少なくとも２つのモジュールが別々に用意
されて、ポンプの使用時に組み付けるだけでよいため、
保管中に管がロータで変形したり、絞られることはな
い。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の原理を示す概略図である。
【図２】２つのモジュールを組み付ける前のポンプの斜
視図である。
【図３】２つのモジュールを組み付けて、ポンプの上側
ケーシングを取り除いた状態の図２のポンプの平面図で
ある。
【図４】図３のIVーIV線に沿ったポンプの断面図であ
る。
【図５】図３のＶーＶ線に沿ったポンプの断面図であ
る。
【図６】図４のVIーVI線に沿ったポンプの部分断面図で
ある。
【図７、８及び９】図３のポンプのそれぞれＡ，Ｂ及び
Ｃで示されている部分の拡大詳細図である。
【図10】ポンプのモータの制御手段の回路図である。
【図11】図９に示されている電気接点手段及び組み付け
手段の第１変更例である。
【図12】図９に示されている電気接点手段及び組み付け
手段の第２変更例である。
【符号の説明】
５ バッグ ９ 電気接点手段 11 ポンプモジュール 12 タンクモジュール 14 ロータ 41 モータ 48 組み付け手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アントワン・デュボア フランス国 エフ−25130・ヴィラール ル ラク・ル ショウファー・（番地 なし) (56)参考文献 特開 昭63−272359（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−272358（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61M 5/00 330 A61M 5/00 335 A61M 5/142

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】治療薬液を注射するための携帯式ポンプで
    あって、前記治療薬液の供給タンクと、前記治療薬液を
    供給タンクからポンプ出口まで送るポンプ手段と、前記
    ポンプ手段を作動させるモータ手段と、前記モータ手段
    のための制御手段との各機構を有しており、前記機構は
    複数の組み合わせモジュール内に配置されていて、この
    モジュールの少なくとも２つが、それらを組み合わせる
    ことによってポンプの機能を作動させる整合電気接点手
    段と、この電気接点手段が切り離された時にポンプの機
    能を永久的に停止させる手段とを構成していることを特
    徴とする携帯式ポンプ。
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