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JP3094803B2 - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドの製造方法

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Publication number
JP3094803B2
JP3094803B2 JP22131994A JP22131994A JP3094803B2 JP 3094803 B2 JP3094803 B2 JP 3094803B2 JP 22131994 A JP22131994 A JP 22131994A JP 22131994 A JP22131994 A JP 22131994A JP 3094803 B2 JP3094803 B2 JP 3094803B2
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JP
Japan
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plate member
substrate
base material
ink
adhesive
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JP22131994A
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JPH0885214A (ja
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洋介 豊福
豊 宮園
哲也 松崎
幸治 松尾
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Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP22131994A priority Critical patent/JP3094803B2/ja
Publication of JPH0885214A publication Critical patent/JPH0885214A/ja
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを吐出すること
により印字を行うインクジェットプリンタに用いられる
インクジェットヘッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種事務機器の出力用印刷機器と
して、高印字品質、高解像度、低騒音および安価であっ
て、しかも印字媒体へのインクの定着などの工程が必要
なく、またマルチ化およびカラー出力化が容易に可能で
ある点などから、インクジェットヘッドを用いたプリン
タが主流となっている。
【0003】以下、インクジェットプリンタに用いられ
る従来のインクジェットヘッドの製造方法について図1
5〜図20を参照しながら詳細に説明する。図15、図
16および図17はそれぞれ従来のインクジェットヘッ
ドの第1、第2および第3の製造工程を示す斜視図であ
る。図18は従来のインクジェットヘッドの第4の製造
工程を示すA−A’断面図、図19は従来のインクジェ
ットヘッドの第5の製造工程を示す斜視図、図20は従
来のインクジェットヘッドの第6の製造工程を示すB−
B’断面図である。
【0004】まず、図15に示す板部材1に、図16に
示すように、吐出開口部3、流路4および配線開口部3
0となる孔および溝が形成される。図16には、加工さ
れた板部材1の裏面が示されている。吐出開口部3は、
図17の基板2と組み合わされることによってインクの
通る空間およびインクが吐出する部分となる。流路4は
インクの流れを制御する部分となる。配線開口部30
は、図17の配線部5を露出させるためのものである。
これらの孔および溝の加工は、切削加工、レーザ加工等
により行われる。
【0005】図17に示すように、基板2には、インク
を吐出するために利用される吐出エネルギーを発生する
吐出エネルギー発生手段6が備えられている。吐出エネ
ルギー発生手段6としては、例えば導電性のインクに通
電することにより生じるジュール熱で沸騰気泡を発生さ
せて沸騰気泡の圧力によりインクを吐出させる手段等が
使用される。また、吐出エネルギー発生手段6には、そ
の吐出エネルギー発生手段6に吐出エネルギーを発生さ
せるための信号やエネルギーを供給するための配線部5
がつながっている。さらに、基板2には、インクを板部
材1の吐出開口部3および流路4に導くためのインク供
給孔7が設けられている。
【0006】ここで、板部材1の裏面を基板2の表面に
接合する。接合工程では、板部材1が真空チャック等の
板部材保持手段で保持され、板部材1の流路4(図16
参照)と基板2の吐出エネルギー発生手段6とが相対す
るような位置関係で板部材1と基板2とが位置合わせさ
れ、これらが互いに貼り合わされる。貼り合わせ方法と
しては、接着剤等による接着が行われている。図18に
板部材1および基板2の貼り合わせ後のA−A’断面図
が示される。
【0007】次に、図19に示すように、前工程で貼り
合わされた板部材1および基板2をダイシングソー等の
切断手段にて複数のインクジェットヘッド8に切り離
す。その後、図20に示すように、基板2の配線部5
(図20には図示せず)に信号等を供給するための駆動
手段9を半田付け、ワイヤボンディング等の手段によっ
て接続する。また、インク供給孔7にはインク収容手段
10が接続される。それにより、必要なインクの供給お
よび吐出が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来のインクジ
ェットヘッドの製造方法では、孔加工や溝加工に伴って
板部材1が剛性を失って変形しやすくなる。それによ
り、板部材1の正確な位置へ孔や溝を加工することが困
難となっていた。
【0009】特に、吐出開口部3や流路4の設計上の制
約、コスト上の制限または加工上の制限により板部材1
の厚みを大きくできない場合には、板部材1の剛性が小
さくなるため、板部材1が図16に破線で示すように変
形する。それにより、板部材1の正確な位置への孔およ
び溝の加工ができない。また、板部材1が反りを持って
いる場合あるいは広い面積でマルチ加工を行う場合に
も、正確な位置への孔および溝の加工ができない。
【0010】その結果、インクジェットヘッドにおいて
インクの吐出方向や吐出エネルギー発生手段6の露出具
合などに影響を及ぼす流路4と吐出エネルギー発生手段
6との位置合わせを正確に行うことが不可能となってい
た。
【0011】また、板部材1の正確な位置へ吐出開口部
3や流路4を加工することが可能であったとしても、板
部材1が孔加工や溝加工によって剛性を失うことによ
り、板部材1と基板2との位置合わせ工程において板部
材1が図16に破線で示すように変形すると、吐出開口
部3や流路4を正確な位置で保持することが困難とな
る。
【0012】特に、上記のように、吐出開口部3や流路
4の設計上の制約、コスト上の制限または加工上の制限
により板部材1の厚みを大きくできない場合には、板部
材1の剛性が小さくなるため、板部材1が変形しやすく
なる。それにより、板部材1の吐出開口部3や流路4を
正確な位置で保持することができない。また、板部材1
が反りを持っている場合あるいは広い面積でマルチ貼り
付けを行う場合にも、板部材1の吐出開口部3や流路4
を正確な位置で保持することができない。
【0013】その結果、インクジェットヘッドにおいて
インクの吐出方向や吐出エネルギー発生手段6の露出具
合などに影響を及ぼす重要な流路4と吐出エネルギー発
生手段6との位置合わせを正確に行うことが不可能とな
っていた。また、正確な貼り合わせ工程も不可能となっ
ていた。
【0014】本発明は、安定した吐出を行うことがで
き、寸法精度が高く、しかも安価で小型のインクジェッ
トヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係るインクジェ
ットヘッドの製造方法は、板部材にその板部材の形状を
保持するための基材を貼り付ける工程と、板部材に溝ま
たは孔加工を行う工程と、インクを吐出するために利用
される吐出エネルギーを発生する吐出エネルギー発生手
段を備えた基板に板部材を接合する工程と、基材を板部
材から剥離する工程とを含むものである。溝または孔が
基材を貫通しないことが好ましい。
【0016】貼り付ける工程において、剥離可能な粘着
剤で基材が板部材と貼り合わされてもよい。貼り付ける
工程において、加熱することにより発泡して粘着力を失
う接着剤で基材が板部材と貼り合わされてもよい。貼り
付ける工程において、熱により粘着力が失われる粘着剤
で基材が板部材と貼り合わされてもよい。貼り付ける工
程において、紫外線により粘着力が失われる粘着剤で基
材が板部材と貼り合わされてもよい。貼り付ける工程に
おいて、弱アルカリ性水溶液で洗浄することにより粘着
力が失われる粘着剤で基材が板部材と貼り合わされても
よい。貼り付ける工程において、水に浸すことにより粘
着力が失われる粘着剤で基材が板部材と貼り合わされて
もよい。
【0017】
【作用】本発明に係るインクジェットヘッドの製造方法
においては、板部材に基材が貼り付けられて板部材の形
状が保持された状態で、板部材に溝加工または孔加工が
行われる。したがって、溝加工または孔加工に伴って板
部材が剛性を失っても、板部材が変形することはなく、
正確な位置への溝または孔加工が可能となる。
【0018】特に、溝または孔の設計上の制約、コスト
上の制限または加工上の制限により板部材の厚みを大き
くできない場合でも、板部材が基材によって保持されて
いるため、板部材の剛性が小さくても板部材が変形する
ことはない。したがって、板部材の正確な位置への溝ま
たは孔加工が可能となる。また、板部材が反りを持って
いる場合でも、基材によって板部材の反りが伸ばされる
ので、板部材の正確な位置への溝または孔加工が可能と
なる。さらに、広い面積の板部材を加工する場合でも、
板部材が基材に保持されているので、板部材の正確な位
置への溝または孔加工が可能となる。
【0019】また、板部材と基板との位置合わせ工程に
おいて、基材により板部材の変形が防止されるので、板
部材の溝または孔を正確な位置で保持することが可能と
なる。
【0020】特に、上記のように、溝または孔の設計上
の制約、コスト上の制限または加工上の制限により板部
材の厚みを大きくできない場合でも、基材により板部材
の変形が防止されているので、板部材の溝または孔を正
確な位置で保持することが可能となる。また、板部材が
反りを持っている場合でも、板部材の反りが基材により
伸ばされるので、板部材の溝または孔を正確な位置で保
持することが可能となる。さらに、広い面積の板部材の
接合工程においても、板部材が基材に保持されているの
で、板部材を基板の正確な位置へ貼り合わせることが可
能となる。
【0021】特に、粘着剤を用いて基材を板部材に貼り
合わせることにより、板部材を基板の正確な位置へ接合
した後に、基材を速やかに剥離することが可能となる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
詳細に説明する。
【0023】図1〜図5はそれぞれ本発明の一実施例に
おけるインクジェットヘッドの第1〜第5の製造工程を
示す斜視図である。図6は本発明の一実施例におけるイ
ンクジェットヘッドの第6の製造工程を示すC−C’断
面図である。図7〜図12はそれぞれ本発明の一実施例
におけるインクジェットヘッドの第7の製造工程の第1
〜第6の例を示すC−C’断面図である。図13は本発
明の一実施例におけるインクジェットヘッドの第8の製
造工程を示す斜視図、図14は本発明の一実施例におけ
るインクジェットヘッドの第9の製造工程を示すD−
D’断面図である。
【0024】図1に示す板部材11は、ポリイミド、ア
ラミド、ポリエステル、ポリサルフォン、ポリエーテル
サルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレ
ンサルファイド、アクリル、エポキシ等の寸法安定性、
耐薬品性、および加工性の良好な樹脂、ステンレス、ア
ルミニウム、ニッケル等の金属、またはセラミック、ガ
ラス等により形成されている。
【0025】次に、図2および図3に示すように、板部
材11を剥離可能な粘着剤層12を介して基材13に貼
り付ける。基材13の材料としては、適度な剛性および
弾性を有する部材を用いることが好ましい、例えば、基
材13として、ポリイミド、アクリル、ゴム等の材料を
使用することができる。
【0026】次に、図4に示すように、板部材11およ
び基材13に、吐出開口部15、流路16および配線開
口部28となる孔および溝が設けられる。吐出開口部1
5は、図5に示す基板14と組み合わされることにより
インクの通る空間およびインクが吐出する部分となる。
流路16はインクの流れを制御する部分となる。配線開
口部28は、図5に示す配線部17を露出させるための
ものである。
【0027】ここで、孔や溝は基材13を貫通しないよ
うな深さにすることが好ましい。これらの孔や溝の加工
は、バイト等の刃物による切削加工、ドリルによる孔開
け加工、砥石を用いる研作加工、放電等を用いる放電加
工、レーザ加工、プレス加工、メッキによる加工、薬品
等を用いるエッチング等の工法を単独またはそれらを組
み合わせることによって行われる。図4には加工された
板部材11の裏面が示されている。
【0028】図5に示すように、基板14には、インク
を吐出するために利用される吐出エネルギーを発生する
吐出エネルギー発生手段18が備えられている。吐出エ
ネルギー発生手段18としては、例えば、導電性のイン
クに通電することにより生じるジュール熱で沸騰気泡を
発生させて沸騰気泡の圧力によりインクを吐出させる手
段、抵抗体の発熱によりインクに沸騰気泡を発生させて
沸騰気泡の圧力によりインクを吐出させる手段、圧電素
子の変形の圧力でインクを吐出させる手段等が使用され
る。
【0029】また、吐出エネルギー発生手段18には、
その吐出エネルギー発生手段18に吐出エネルギーを発
生させるための信号またはエネルギーを供給するための
配線部17がつながっている。さらに、基板14には、
インクを板部材11の吐出開口部15および流路16
(図4参照)に導くためのインク供給孔19が設けられ
ている。
【0030】ここで、図5および図6に示すように、基
材13に保持された板部材11を基板14に接合する。
接合工程において、板部材11および基材13は、真空
チャック、機械的チャック等の保持手段により基材13
側から保持され、板部材11の流路16と基板14の吐
出エネルギー発生手段18とが相対するような位置関係
で、板部材11および基板14が位置合わせされた後、
それらが互いに貼り合わされる。貼り合わせ方法として
は、シール剤、粘着剤、熱硬化型の接着剤、紫外線硬化
型の接着剤、湿気硬化型の接着剤、または2液混合型の
接着剤を用いた接合、超音波接合、熱溶着、拡散接合、
ろう付け等の接合方法を単独で用いるか、あるいはそれ
らを組み合わせることにより行われる。
【0031】その後、図7〜図12に示すように、基材
13を板部材11から引き剥がす。図7の例では、粘着
剤層12として、剥離可能な粘着剤が用いられている。
その場合、基材13は、力を加えることによって板部材
11から引き剥がされる。
【0032】図8の例では、粘着剤層12として、加熱
することにより発泡して粘着力を失う粘着剤が用いられ
ている。この例では、粘着剤層12を加熱手段20によ
り加熱することにより、粘着剤層12が発泡し、粘着剤
層12の表面部21が板部材11に対して点接触にな
る。それにより、粘着剤層12の接着強度が低下し、基
材13を板部材11から剥離することが可能になる。こ
の場合、基材13はほとんど力を加えることなく板部材
11から引き剥がされ、また板部材11上にもほとんど
粘着剤層12の残渣が残らない。
【0033】図9の例では、粘着剤層12として、熱に
より粘着力が失われる粘着剤が用いられている。この例
では、粘着剤層12に加熱手段20により熱を加えるこ
とにより、粘着剤層12の接着強度が低下し、基材13
を板部材11から剥離することが可能になる。この場合
も、基材13はほとんど力を加えることなく板部材11
から引き剥がされ、また板部材11上にもほとんど粘着
剤層12の残渣が残らない。
【0034】図10の例では、粘着剤層12として、紫
外線により粘着力が失われる粘着剤が用いられている。
この例では、粘着剤層12に紫外線照射装置22により
紫外線を照射することにより、粘着剤層12の接着強度
が低下し、基材13を板部材11から剥離することが可
能になる。この場合も、基材13はほとんど力を加える
ことなく板部材11から引き剥がされ、また板部材11
上にもほとんど粘着剤層12の残渣が残らない。
【0035】図11の例では、粘着剤層12として、ア
ルカリ性水溶液で洗浄することにより粘着力が失われる
粘着剤が用いられている。この例では、粘着剤層12を
アルカリ性水溶液付与手段23により洗浄する。それに
より、粘着剤層12の接着強度が低下し、基材13を板
部材11から剥離することが可能になる。この場合も、
基材13はほとんど力を加えることなく板部材11から
引き剥がされ、また板部材11上にもほとんど粘着剤層
12の残渣が残らない。
【0036】図12の例では、粘着剤層12として、水
に浸すことにより粘着力が失われる粘着剤が用いられて
いる。この例では、粘着剤層12により接着された板部
材11および基材13を水槽24内の水に浸す。それに
より、粘着剤層12の接着強度が低下し、基材13を板
部材11から剥離することが可能になる。この場合も、
基材13はほとんど力を加えることなく板部材11から
引き剥がされ、また板部材11上にもほとんど粘着剤層
12の残渣が残らない。
【0037】その後、図13に示すように、前工程で貼
り合わされた板部材11および基板14をダイシングソ
ー等の切断手段にて複数のインクジェットヘッド25に
切り離す。そして、図14に示すように、基板14の配
線部17(図14には図示せず)に信号等を供給するた
めの駆動手段26を半田付け、ワイヤボンディング等の
手段により接続する。また、基板14のインク供給孔1
9にはインク収容手段27を接続する。これにより、必
要なインクの供給および吐出が行われる。
【0038】このように、本実施例のインクジェットヘ
ッドの製造方法によれば、剥離可能な粘着剤層12によ
り板部材11が基材13に貼り付けられた状態で孔加工
および溝加工が行われる。それにより、板部材11の形
状が保持されるので、孔加工および溝加工に伴って板部
材11が剛性を失った場合でも、板部材11が変形する
ことはなく、板部材11の正確な位置へ孔加工および溝
加工を行うことが可能となる。
【0039】特に、吐出開口部15や流路16の設計上
の制約、コスト上の制限または加工上の制限により板部
材11の厚みを大きくできない場合でも、基材13によ
り板部材11が保持されているので、板部材11の剛性
が小さくても板部材11が変形しない。したがって、板
部材11の正確な位置へ孔加工および溝加工を行うこと
が可能となる。また、板部材11が反りを持っている場
合でも、基材13により板部材11の反りが伸ばされる
ので、板部材11の正確な位置へ孔加工および溝加工を
行うことが可能となる。さらに、広い面積の板部材11
を加工する場合にも、板部材11が基材13により保持
されているので、板部材11の正確な位置へ孔加工およ
び溝加工を行うことが可能となる。
【0040】板部材11と基板14との位置合わせ工程
においても、基材13により板部材11の変形が防止さ
れるので、板部材11が孔加工および溝加工により剛性
を失っていても、板部材11の吐出開口部15および流
路16を正確な位置で保持することが可能となる。
【0041】特に、上記のように、吐出開口部15や流
路16の設計上の制約、コスト上の制限または加工上の
制限により板部材11の厚みを大きくできない場合で
も、基材13により板部材11の変形が防止されるの
で、板部材11の剛性が小さくても、板部材11の吐出
開口部15および流路16を正確な位置で保持すること
が可能となる。また、板部材11が反りを持っている場
合でも、基材13により板部材11の反りが伸ばされる
ので、板部材11の吐出開口部15および流路16を正
確な位置で保持することが可能となる。さらに、広い面
積の板部材11の接合工程においても、基材13により
板部材11が保持されるので、板部材11を正確な位置
で基材13に貼り合わせることが可能となる。
【0042】上記の結果、板部材11の流路16と基板
14の吐出エネルギー発生手段18との位置合わせの精
度が向上する。また、基材13と板部材11とが剥離可
能な粘着剤層12を用いて貼り合わされているので、板
部材11を基板14の正確な位置に接合した後に、基材
13を速やかに剥離することが可能となる。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、板部材に
基材が貼り付けられて板部材の形状が保持された状態で
板部材に溝または孔加工が行われるので、板部材の正確
な位置への溝または孔加工を行うことが可能となり、か
つ接合工程において、板部材の溝または孔を正確な位置
で保持することが可能となり、板部材を基板の正確な位
置へ貼り合わせることも可能となる。したがって、位置
合わせ精度を保ちつつ板部材の厚みを小さくすることが
可能となる。その結果、安定した吐出を行うことがで
き、寸法精度が高く、しかも安価で薄型のインクジェッ
トヘッドが提供される。
【0044】また、粘着剤を用いて基材を板部材に貼り
合わせることにより、板部材を基板の正確な位置へ接合
した後に、基材を速やかに剥離することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるインクジェットヘッ
ドの第1の製造工程を示す斜視図
【図2】本発明の一実施例におけるインクジェットヘッ
ドの第2の製造工程を示す斜視図
【図3】本発明の一実施例におけるインクジェットヘッ
ドの第3の製造工程を示す斜視図
【図4】本発明の一実施例におけるインクジェットヘッ
ドの第4の製造工程を示す斜視図
【図5】本発明の一実施例におけるインクジェットヘッ
ドの第5の製造工程を示す斜視図
【図6】本発明の一実施例におけるインクジェットヘッ
ドの第6の製造工程を示すC−C’断面図
【図7】本発明の一実施例におけるインクジェットヘッ
ドの第7の製造工程の第1の例を示すC−C’断面図
【図8】本発明の一実施例におけるインクジェットヘッ
ドの第7の製造工程の第2の例を示すC−C’断面図
【図9】本発明の一実施例におけるインクジェットヘッ
ドの第7の製造工程の第3の例を示すC−C’断面図
【図10】本発明の一実施例におけるインクジェットヘ
ッドの第7の製造工程の第4の例を示すC−C’断面図
【図11】本発明の一実施例におけるインクジェットヘ
ッドの第7の製造工程の第5の例を示すC−C’断面図
【図12】本発明の一実施例におけるインクジェットヘ
ッドの第7の製造工程の第6の例を示すC−C’断面図
【図13】本発明の一実施例におけるインクジェットヘ
ッドの第8の製造工程を示す斜視図
【図14】本発明の一実施例におけるインクジェットヘ
ッドの第9の製造工程を示すD−D’断面図
【図15】従来のインクジェットヘッドの第1の製造工
程を示す斜視図
【図16】従来のインクジェットヘッドの第2の製造工
程を示す斜視図
【図17】従来のインクジェットヘッドの第3の製造工
程を示す斜視図
【図18】従来のインクジェットヘッドの第4の製造工
程を示すA−A’断面図
【図19】従来のインクジェットヘッドの第5の製造工
程を示す斜視図
【図20】従来のインクジェットヘッドの第6の製造工
程を示すB−B’断面図
【符号の説明】
11 板部材 12 粘着剤層 13 基材 14 基板 15 吐出開口部 16 流路 17 配線部 18 吐出エネルギー発生手段 19 インク供給孔 20 加熱手段 21 表面部 22 紫外線照射装置 23 アルカリ性水溶液付与手段 24 水槽 25 インクジェットヘッド 26 駆動手段 27 インク収容手段 28 配線開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 幸治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−251458(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/16 B41J 2/135

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板部材にその板部材の形状を保持するため
    の基材を貼り付ける工程と、前記板部材に溝または孔加
    工を行う工程と、インクを吐出するために利用される吐
    出エネルギーを発生する吐出エネルギー発生手段を備え
    た基板に前記板部材を接合する工程と、前記基材を前記
    板部材から剥離する工程とを含むことを特徴とするイン
    クジェットヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】前記溝または孔は前記基材を貫通しないこ
    とを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッドの
    製造方法。
  3. 【請求項3】前記貼り付ける工程において、前記基材は
    剥離可能な粘着剤で前記板部材と貼り合わされることを
    特徴とする請求項1または2記載のインクジェットヘッ
    ドの製造方法。
  4. 【請求項4】前記貼り付ける工程において、前記基材は
    加熱することにより発泡して粘着力を失う粘着剤で前記
    板部材と貼り合わされることを特徴とする請求項1また
    は2記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】前記貼り付ける工程において、前記基材は
    熱により粘着力が失われる粘着剤で前記板部材と貼り合
    わされることを特徴とする請求項1または2記載のイン
    クジェットヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】前記貼り付ける工程において、前記基材は
    紫外線により粘着力が失われる粘着剤で前記板部材と貼
    り合わされることを特徴とする請求項1または2記載の
    インクジェットヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】前記貼り付ける工程において、前記基材は
    弱アルカリ性水溶液で洗浄することにより粘着力が失わ
    れる粘着剤で前記板部材と貼り合わされることを特徴と
    する請求項1または2記載のインクジェットヘッドの製
    造方法。
  8. 【請求項8】前記貼り付ける工程において、前記基材は
    水に浸すことにより粘着力が失われる粘着剤で前記板部
    材と貼り合わされることを特徴とする請求項1または2
    記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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