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JP3090570B2 - 電子楽器の楽音変調制御装置 - Google Patents

電子楽器の楽音変調制御装置

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Publication number
JP3090570B2
JP3090570B2 JP06047819A JP4781994A JP3090570B2 JP 3090570 B2 JP3090570 B2 JP 3090570B2 JP 06047819 A JP06047819 A JP 06047819A JP 4781994 A JP4781994 A JP 4781994A JP 3090570 B2 JP3090570 B2 JP 3090570B2
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pitch
switch
tone
modulation
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JP06047819A
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英一 田村
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポルタメントやグライ
ド等といった楽音の変調制御を行う電子楽器の楽音変調
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動演奏装置を備えた電子楽器が
開発され実用に供されている。かかる自動演奏装置は、
複数の自動演奏パターンに対応した複数の自動演奏デー
タを、電子楽器内部に設けられた記憶手段に記憶してい
る。そして、操作者が例えば操作パネルを用いて所定の
自動演奏パターンを選択し、自動演奏の開始を指示する
ことにより、自動演奏(例えば所定の音色による自動演
奏)が開始される。
【0003】即ち、自動演奏装置は、選択された自動演
奏パターンに対応する自動演奏データを記憶手段から順
次読み出し、これを音源に送る。音源は、自動演奏デー
タに基づいた楽音信号を生成し、これをスピーカに送
る。これにより、演奏者が選択した自動演奏パターンに
対応した自動演奏音が自動的に発生される。かかる状態
で演奏者が鍵盤を操作することにより、自動演奏音をバ
ックにしたメロディ演奏等が可能になっている。
【0004】ところで、従来の電子楽器には、所定の音
楽的効果を得るために、ポルタメントやグライド等とい
った楽音を変調する機能が備えられていることが多い。
ここでポルタメントは、2音階の間で緩やかにピッチを
移動させるように変調を行う機能である。また、グライ
ドはピッチベンドの一種であり、少しだけピッチを上げ
ながら又は下げならが本来のピッチに辿り着くという変
調を行う機能である。
【0005】このようなポルタメントやグライド機能を
用いる場合は、所定ピッチの音から他のピッチの音に到
達するまでの時間(以下、「変調速度」という。)は、
その時点で演奏されている曲のテンポに一致させる必要
がある。もし、一致していなければ、所望のピッチの音
に到達する前に次の音が発音されたり、或は、所望のピ
ッチの音に到達して所定時間が経過した後に次の音が発
音される場合が発生し、演奏者が所望する音楽的効果が
得られないという不具合が発生する。
【0006】そこで、従来の電子楽器においては、操作
パネル上に、変調速度を所望の値に設定するための操作
子が設けられている。演奏者は、演奏に先立って、この
操作子を操作して変調速度とテンポとが一致するように
設定し、その後演奏を行うようになっている。従って、
例えば自動演奏音に合わせて電子楽器を演奏する場合に
は、演奏者は、先ず自動演奏音のテンポを設定し、更に
このテンポに合わせて変調速度を設定する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、例えば自動演
奏に合わせて演奏を行っている最中にテンポを変更する
ような場合には、新たに設定したテンポに応じて変調速
度も変更する必要があり、操作が面倒であるという問題
があった。また、操作子を操作して変調速度を素早くテ
ンポに合わせた値に設定することが難しく、かかる変調
速度の設定が適切になされないと自動演奏音と演奏者が
演奏する音との不一致が生じて演奏に違和感が生じると
いう問題もあった。
【0008】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、テンポに適合する変調速度を簡単に設定する
ことができ、自動演奏音と演奏者が演奏する音との不一
致による違和感を解消することのできる電子楽器の楽音
変調制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る電子楽器の楽音変調制御装置は、テン
ポを指示するテンポ指示手段と、音高を指示する音高指
示手段と、該音高指示手段で指示された音高の楽音を発
生する楽音発生手段と、該楽音発生手段で所定音高の楽
音を発生中に前記音高指示手段で新たな音高が指示され
た場合に、前記楽音発生手段で発生する楽音の音高を、
前記所定音高から前記新たな音高まで前記テンポ指示手
段で指示されたテンポに応じた速度で変化させる変調手
段、とを備えたことを特徴とする。
【0010】また、同様の目的で、本発明に係る電子楽
器の楽音変調制御装置は、前記変調手段は、前記楽音発
生手段で発生する楽音の音高を、前記所定音高から前記
新たな音高まで前記テンポ指示手段で指示されたテンポ
に比例した速度で変化させることを特徴とする。
【0011】また、同様の目的で、本発明に係る電子楽
器の楽音変調制御装置は、音高の変位単位量を指定する
変位量指定手段と、前記テンポ指示手段で指示されたテ
ンポに応じた時間間隔で処理タイミングを発生させる処
理タイミング発生手段とを更に備え、前記変調手段は、
前記処理タイミング発生手段で処理タイミングが発生さ
れる毎に、前記変位量指定手段で指定された変位単位量
だけ音高を変化させることを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明に係る電子楽器の楽音変調制御装置にお
いては、例えば鍵盤装置等の音高指示手段で指示するこ
とにより所定音高の楽音が発生されている状態におい
て、この音高指示手段で新たに音高が指示された場合
に、上記所定音高から上記新たな音高まで徐々に変化さ
せる。この際、音高の変化の速度は、その時点で指定さ
れているテンポに応じて行うようにしている。
【0013】これにより、テンポ変更に応じて、所定音
高から新たな音高に到達する時間(例えばポルタメント
タイム)が変化する。従って、例えば、自動演奏中にテ
ンポ指示手段でテンポ変更を指示すると自動演奏のテン
ポが変更されると共に、例えばポルタメントタイムも自
動的に変更される。従って、従来のように、テンポ変更
に伴って例えばポルタメントタイムを変更する操作を行
う必要がなく、また、自動演奏をバックに所定の演奏を
行う場合は、自動演奏音と演奏者が演奏する音との間で
違和感が生じることもない。
【0014】また、本発明に係る電子楽器の楽音変調制
御装置においては、上記所定音高から上記新たな音高ま
での変化時間がテンポに比例するようにしている。従っ
て、例えばテンポが速くなればこれに比例して上記変化
時間が短くなり、逆にテンポが遅くなればこれに比例し
て上記変化時間が短くなる。
【0015】これにより、所定音高から新たな音高に到
達する時間(例えばポルタメントタイム)もテンポに比
例して相対的に変化する。従って、例えば、自動演奏中
にテンポ指示手段でテンポ変更を指示すると自動演奏の
テンポが変更されると共に、例えばポルタメントタイム
もテンポに比例して自動的に変更される。従って、上述
した発明と同様の効果を奏する。
【0016】また、本発明に係る電子楽器の楽音変調制
御装置においては、テンポに応じて生成される処理タイ
ミングが到来する都度、例えば割込が発生する都度、変
位単位量(変調変位量ΔP)だけ音高を変化させるよう
にしている。従って、例えばテンポを速くすると処理タ
イミングが発生する時間間隔が小さくなり、所定音高か
ら新たな音高への変化時間が速くなり、逆に、テンポを
遅くすると処理タイミングが発生する時間間隔が大きく
なり、所定音高から新たな音高への変化時間が遅くな
る。
【0017】これにより、所定音高から新たな音高に到
達する時間(例えばポルタメントタイム)もテンポに応
じて相対的に変化する。従って、例えば、自動演奏中に
テンポ指示手段でテンポ変更を指示すると自動演奏のテ
ンポが変更されると共に、例えばポルタメントタイムも
テンポに応じて自動的に変更される。従って、上述した
発明と同様の効果を奏する。
【0018】
【実施例】以下、本発明の電子楽器の楽音変調制御装置
の実施例につき、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、本実施例では、トップノート優先でモノフォニッ
ク発音を行う電子楽器、即ち、押鍵中の最高音を優先し
てモノフォニックで発音する電子楽器に本発明の楽音変
調制御装置を適用し、楽音変調の一例としてポルタメン
ト機能を実現する場合について説明する。
【0019】図1(a)は、本発明の実施例に係る楽音
変調制御装置が適用された電子楽器の構成を示すブロッ
ク図である。本電子楽器は、中央処理装置(以下、「C
PU」という。)10、リードオンリメモリ(以下、
「ROM」という。)11、ランダムアクセスメモリ
(以下、「RAM」という。)12、操作パネル13、
キーボード14及び音源(トーンジェネレータ)15の
各構成要素が、システムバス20で相互に接続されて構
成されている。システムバス20は、例えばアドレス
線、データ線及び制御信号線等で成る。このシステムバ
ス20は、上記各構成要素間における各種データの送受
のために使用される。
【0020】CPU10は変調手段に対応するものであ
り、ROM11に格納されている制御プログラムに従っ
て、本電子楽器の全体を制御する。例えば、CPU10
は、操作パネル13の操作に応じたスイッチイベント処
理、キーボード14の操作に応じたキーイベント処理、
或は自動演奏処理等を行う。これら各処理の詳細につい
ては後述する。
【0021】このCPU10には、図3(a)に示すよ
うな、16ビットのタイマカウンタレジスタTMDRが
含まれている。タイマカウンタレジスタTMDRは処理
タイミング発生手段に対応するものであり、テンポを規
定する割り込みを発生させるために使用される。このタ
イマカウンタレジスタTMDRは、所定時間間隔毎にカ
ウントダウンされる。例えば10MHZのクロックで動
作するCPU10の場合に、例えば20クロック(2マ
イクロ秒)毎にカウントダウンするように構成される。
なお、カウントダウンする時間間隔は、必要に応じて適
宜選択して決定することができる。また、このタイマカ
ウンタレジスタTMDRは、カウントダウンによって、
その内容がゼロになった場合に割り込みを発生する機能
を有している。この割り込みは、後述する割込処理ルー
チンを起動するために使用される。
【0022】ROM11には、上述したCPU10を動
作させるための制御プログラムが記憶されている他、C
PU10が各種処理に用いる種々の固定データ、自動演
奏を行わせるための自動演奏データ等が記憶されてい
る。更に、このROM11には、テンポ値変換テーブル
110が記憶されている。このテンポ値変換テーブル1
10には、例えば図2に示すように、テンポ値に対応す
るカウント値が各テンポ値に対応して記憶されている。
【0023】ここで、テンポ値はテンポを指定するため
のデータであり、後述する操作パネル13上のテンポス
イッチ130により設定されるものである。また、カウ
ント値は、割込間隔を決定するためのデータである。割
込間隔としては、例えば4分音符の1/48拍に対応す
る時間(相対時間であり絶対時間は設定されたテンポに
よって決まる)が用いられる。なお、割込間隔として
は、4分音符の1/48拍に限らず、要求される処理精
度に応じて任意の間隔を用いることができる。このカウ
ント値は、後述するタイマカウンタリロードレジスタR
LDRにセットされる。
【0024】例えば、テンポ値が「50」の場合は、図
2に示すように、カウント値として「12500」がタ
イマカウンタリロードレジスタRLDRにセットされ
る。このタイマカウンタリロードレジスタRLDRの内
容は、更に、タイマカウンタレジスタTMDRにセット
される。タイマカウンタレジスタTMDRのカウントダ
ウンが上述したように2マイクロ秒毎に行われるとする
と、12500×2=25000マイクロ秒(25ミリ
秒)毎に割込が発生することになる。従って、テンポが
「50」の場合は、1拍の長さは、25×48=120
0ミリ秒(1.2秒)で演奏されることになる。
【0025】このROM11に記憶されている内容はC
PU10により読み出される。即ち、CPU10は、R
OM11から制御プログラム(命令)を読み出して解釈
・実行することにより各種機能を実現する。また、CP
U10は、所定の固定データを読み出して各種処理に使
用し、自動演奏データを読み出して自動演奏処理に用い
る。更に、CPU10は、テンポ値変換テーブル110
を参照することにより、与えられたテンポ値に対応する
カウント値を得る。
【0026】RAM12は、制御プログラムの実行に用
いられる種々のデータを一時記憶するものである。RA
M12には、例えばデータバッファ、レジスタ、カウン
タ、フラグ等の各領域が定義されている。このRAM1
2は、CPU10によりアクセスされる。
【0027】図3(b)〜(f)に、RAM12に定義
されるレジスタであって本実施例で使用されるものを示
す。図3(b)に示すタイマカウンタリロードレジスタ
RLDRは16ビットのレジスタであり、現在のテンポ
を記憶するために使用される。より具体的には、このタ
イマカウンタリロードレジスタRLDRには、後述する
テンポスイッチ130で設定されたテンポ値を、テンポ
値変換テーブル110を用いてカウント値に変換したも
のがセットされる。
【0028】図3(c)に示す現ノートナンバレジスタ
CNRは16ビットのレジスタであり、現在発音中のノ
ートナンバ(現ノートナンバCN)をその上位8ビット
に記憶するために使用される。現ノートナンバレジスタ
CNRの下位8ビットは常にゼロである。
【0029】図3(d)に示す新ノートナンバレジスタ
NNRは16ビットのレジスタであり、新たに検出され
たトップノート、即ち、押鍵中の最高音のノートナンバ
(新ノートナンバNN)をその上位8ビットに記憶する
ために使用される。新ノートナンバレジスタNNRの下
位8ビットは常にゼロである。
【0030】図3(e)に示す現変調値レジスタCPR
は16ビットのレジスタであり、現変調値CPを記憶す
るために使用される。現変調値CPは、押鍵された音の
ピッチに対する変位量を示す値である。例えば、第1の
キーが押下された後に第2のキーが押下された場合に、
これら両キーの音程の差(ピッチの差)が現変調値CP
となる。この現変調値CPは、上記タイマカウンタレジ
スタTMDRから割込が発生する度にゼロに近づくよう
に更新し、ゼロになったら更新を停止するように制御さ
れる(詳細は後述する)。これにより、第1のキーのピ
ッチが第2のキーのピッチに徐々に近づき、第2のキー
のピッチになるとそのピッチで発音が継続されるといっ
たポルタメント効果が得られるようになっている。
【0031】本実施例では、現変調値CPは、100/
256セントの変調精度を有するように構成されてい
る。即ち、半音(=100セント)の1/256セント
の変調精度で、ピッチを変更することができる。この現
変調値レジスタCPRに記憶される現変調値CPは、上
述した現ノートナンバレジスタCNRに記憶されている
現ノートナンバCNと加算されることにより、実際に発
音すべきピッチに対応するノートナンバ(小数点以下の
有効数字を有するノートナンバであり、以下、これを
「実ノートナンバ」という。)が生成される。
【0032】また、この現変調値CPは、2の補数形式
で表記される。従って、この現変調値レジスタCPRで
表現できる現変調値CPは、 8000H(−128半音)〜7FFFH(+127.
996半音) の範囲の値をとることができる。例えば、「FF00
H」は−半音、「0000H」は基準音程、「0100
H」は+半音をそれぞれ表わす。なお、上記数字の末尾
の「H」は16進数であることを示す。これにより、ピ
ッチを徐々に上げるポルタメント効果又はピッチを徐々
に下げるポルタメント効果の双方が可能となっている。
【0033】変調変位レジスタΔPRは16ビットのレ
ジスタであり、変調変位量ΔPを記憶するために使用さ
れる。この変調変位量ΔPも、上記現変調値CPと同様
に、100/256セントの変調精度を有するように構
成されている。変調変位量ΔPは、割込に応じて現変調
値CPを更新する際の変位量を示すデータである。この
変調変位量ΔPは、後述する操作パネル13上のポルタ
メントスイッチ131により設定される。
【0034】図1において、操作パネル13は、本電子
楽器に各種動作を指示するために使用される。この操作
パネル13には、例えば図1(b)に示されるようなテ
ンポスイッチ130、ポルタメントスイッチ131が設
けられている。
【0035】テンポスイッチ130はテンポ指示手段に
対応するものであり、自動演奏のテンポを設定するため
に使用される。テンポスイッチ130は、テンポアップ
スイッチ130Aとテンポダウンスイッチ130Bとに
より構成されている。このテンポスイッチ130は、テ
ンポアップスイッチ130Aが押下される度にテンポ値
が増加し、テンポダウンスイッチ130Bが押下される
度にテンポ値が減少するように制御される。
【0036】このテンポスイッチ130を用いて入力さ
れたテンポ値は、上述したように、テンポ値変換テーブ
ル110で所定の変換が行われ、タイマカウンタリロー
ドレジスタRLDRにセットされる。なお、このテンポ
スイッチ130は、テンキー、スライド式操作子、回転
式操作子等で代替させることもできる。
【0037】また、ポルタメントスイッチ131は変位
量指定手段に対応するものであり、変調速度(ポルタメ
ントタイム)を設定するために使用される。より具体的
には、変調変位量ΔPを設定するために使用される。こ
のポルタメントスイッチ131を用いて入力されたデー
タ、つまり変調変位量ΔPは、変調変位レジスタΔPR
にセットされる。ポルタメントスイッチ131は、複数
のスイッチ131A〜131Eを備えている。図中上側
のスイッチになればなるほど変調速度が速くなり(変調
変位量ΔPが大きくなり)、下側のスイッチになればな
るほど変調速度は遅くなる(変調変位量ΔPが小さくな
る)ように制御される。
【0038】なお、このポルタメントスイッチ131
は、上記テンポスイッチ130と同様に、アップダウン
スイッチを用いて構成することもできるし、また、テン
キー、スライド式操作子、回転式操作子等で代替させる
こともできる。
【0039】操作パネル13には、上述したテンポスイ
ッチ130、ポルタメントスイッチ131以外に、図示
しない自動演奏スタートスイッチ、リズム選択スイッ
チ、音色選択スイッチ、表示器等が設けられている。
【0040】自動演奏スタートスイッチは、自動演奏の
開始又は停止を指示するために使用される。リズム選択
スイッチは、例えば8ビート、ワルツ、マンボ等といっ
た各種リズムに対応した複数のスイッチから構成されて
いる。このリズム選択スイッチの中の何れかのスイッチ
が押下されることによりリズム選択が行われる。音色選
択スイッチは、例えばピアノ、バイオリン、フルート等
といった各種音色に対応した複数のスイッチから構成さ
れている。この音色選択スイッチの中の何れかのスイッ
チが押下されることにより音色選択が行われる。
【0041】表示器は、例えば7セグメントのLED表
示器で構成されている。この表示器には、CPU10か
ら送られて来るデータに従って、数字や英文字等が表示
される。例えば、テンポスイッチ130が操作される
と、その操作に応じたテンポ値が表示され、ポルタメン
トスイッチ131が操作されると、その操作に応じた変
調速度を示すデータが表示される。また、リズム選択ス
イッチの操作に応じたリズム番号、音色選択スイッチの
操作に応じた音色番号等も表示される。
【0042】なお、表示器としては、7セグメントのL
EDに限らず、例えば、文字や数字を表示可能なLCD
表示器やCRTを用いても良いし、更に、その他種々の
表示装置を用いても良い。
【0043】この操作パネル13上の各スイッチは所定
サイクルでスキャンされる。そして、スキャンによって
得られたスイッチデータは、各スイッチのオン又はオフ
に対応してオン又はオフにされたビット列としてCPU
10に送られる。このスイッチデータは、CPU10の
制御の下にRAM12に格納され、スイッチイベントの
有無の判断に使用される(詳細は後述する)。
【0044】キーボード14は音高指示手段に対応する
ものであり、音高を指示するための複数のキーを有して
いる。このキーボード14は所定サイクルでスキャンさ
れる。そして、スキャンによって得られたキーデータ
は、各キーのオン又はオフに対応してオン又はオフにさ
れたビット列としてCPU10に送られる。このキーデ
ータはCPU10の制御の下にRAM12に格納され、
キーイベントの有無の判断に使用される(詳細は後述す
る)。
【0045】音源15には、波形メモリ150が含まれ
ている。この波形メモリ150には、パルスコード変調
(PCM)された波形データが記憶されている。音源1
5は楽音発生手段に対応するものであり、CPU10か
ら送られてくる波形アドレス、周波数データ、エンベロ
ープデータ、フィルタ係数等に応じて波形メモリ150
に記憶されている波形データを読み出し、これにエンベ
ロープを付加して楽音信号を生成する。周波数データと
しては、現ノートナンバCN(又は新ノートナンバN
N)及び現変調値CPが使用される。この音源15で生
成された楽音信号はサウンドシステム16に送られる。
【0046】サウンドシステム16は、例えば増幅器と
スピーカとで構成されている。音源15から送られてき
た楽音信号は、増幅器で所定の増幅が行われ、スピーカ
で電気信号としての楽音信号が音響信号に変換される。
これにより、キーボード14の押鍵又は自動演奏データ
に応じた楽音が放音されることになる。
【0047】次に、上記の構成において、本発明に係る
電子楽器の楽音変調制御装置が適用された電子楽器の動
作につき、図4〜図7のフローチャートを参照しながら
詳細に説明する。
【0048】図3は、本電子楽器のメインルーチンを示
すフローチャートである。このメインルーチンは、電源
投入により起動される。電源が投入されると、先ず、初
期値設定処理が行われる(ステップS10)。
【0049】この初期値設定処理は、CPU10の内部
状態を初期状態に設定すると共に、RAM12に定義さ
れているレジスタ、カウンタ或いはフラグ等に初期値を
設定する処理である。この際、タイマカウンタリロード
レジスタRLDR及びタイマカウンタレジスタTMDR
には、標準的なテンポ(例えば「120」)に対応する
カウント値が設定される。また、初期値設定処理では、
音源15に所定のデータを送り、電源投入時に不要な音
が発生されるのを防止する処理も行われる。
【0050】この初期値設定処理が終了すると、次い
で、スイッチイベントの有無が調べられる(ステップS
11)。これは、次のようにして行われる。即ち、先ず
操作パネル13をスキャンしてスイッチデータ(以下、
「新スイッチデータ」という。)を取り込む。次いで、
前回のスキャンで取り込んで既にRAM12に記憶され
ているスイッチデータ(以下、「旧スイッチデータ」と
いう。)と上記新スイッチデータとを比較し、相違する
ビットをオンにしたスイッチイベントマップを作成す
る。スイッチイベントの有無はこのスイッチイベントマ
ップを参照することにより判断される。即ち、スイッチ
イベントマップ中にオンになっているビットが1つでも
存在するとスイッチイベントがあった旨が判断され、そ
うでなければスイッチイベントがなかった旨が判断され
る。
【0051】ステップS11において、スイッチイベン
トがあることが判断されると、スイッチイベント処理が
行われる(ステップS12)。このスイッチイベント処
理では、操作パネル13上の各種スイッチの操作に対応
した各種処理が行われる(詳細は後述する)。一方、ス
テップS11においてスイッチイベントがないことが判
断されると、ステップS12のスイッチイベント処理は
スキップされる。
【0052】次いで、キーイベントの有無が調べられる
(ステップS13)。これは、次のようにして行われ
る。即ち、先ずキーボード14をスキャンしてキーデー
タ(以下、「新キーデータ」という。)を取り込む。次
いで、前回のスキャンで取り込んで既にRAM12に記
憶されているキーデータ(以下、「旧キーデータ」とい
う。)と上記新キーデータとを比較し、相違するビット
をオンにしたキーイベントマップを作成する。キーイベ
ントの有無はこのキーイベントマップを参照することに
より判断される。即ち、キーイベントマップ中にオンに
なっているビットが1つでも存在するとキーイベントが
あった旨が判断され、そうでなければキーイベントはな
かった旨が判断される。
【0053】ステップS13において、キーイベントが
あることが判断されると、キーイベント処理が行われる
(ステップS14)。このキーイベント処理では、ポル
タメント効果を発揮させる発音処理又は消音処理が行わ
れる(詳細は後述する)。一方、ステップS13におい
てキーイベントがないことが判断されると、ステップS
14のキーイベント処理はスキップされる。
【0054】次いで、「その他の処理」が行われる(ス
テップS15)。この「その他の処理」では、例えば、
図示しないMIDIインタフェースを介して、本電子楽
器と外部装置との間でMIDIデータを送受信する処理
が行われる。また、図示しないベダルのイベントに対応
する処理等も行われる。この「その他の処理」が終了す
ると、ステップS11に戻り、以下、ステップS11〜
S15を繰り返し実行する。そして、この繰り返し実行
の過程で、操作パネル13の操作に基づくイベント、キ
ーボード14の操作に基づくイベント、又はその他のイ
ベントが発生すると、そのイベントに対応する処理を行
うことにより電子楽器としての各種機能が実現されてい
る。
【0055】次に、スイッチイベント処理の詳細につい
て図5のフローチャートを参照しながら説明する。スイ
ッチイベント処理では、先ず、テンポスイッチ130の
イベントであるかどうかが調べられる(ステップS2
0)。これは、上述したスイッチイベントマップのテン
ポスイッチ130(テンポアップスイッチ130A又は
テンポダウンスイッチ130B)に対応するビットがオ
ンになっているかどうかを調べることにより行われる。
【0056】ここで、テンポスイッチ130のイベント
であることが判断されると、タイマカウンタリロードレ
ジスタRLDRの書き換えが行われる(ステップS2
1)。即ち、テンポスイッチ130(テンポアップスイ
ッチ130A又はテンポダウンスイッチ130B)の操
作により設定されたテンポ値に応じてテンポ値変換テー
ブル110が参照され、そのテンポ値に対応するカウン
ト値が読み出される。この読み出されたカウント値が、
タイマカウンタリロードレジスタRLDRに書き込まれ
る。
【0057】次いで、表示処理が行われる(ステップS
22)。この表示処理では、例えば、操作パネル13の
図示しない表示器にテンポ値を表示する処理が行われ
る。これにより、操作者は現在のテンポを知ることがで
きるようになっている。なお、上記ステップS20でテ
ンポスイッチ130のイベントでないことが判断される
と、ステップS21及びS22の各処理はスキップされ
る。
【0058】次いで、ポルタメントスイッチ131のイ
ベントであるかどうかが調べられる(ステップS2
3)。これは、上述したスイッチイベントマップのポル
タメントスイッチ131(スイッチ131A〜131
E)に対応するビットがオンになっているかどうかを調
べることにより行われる。
【0059】ここで、ポルタメントスイッチ131のイ
ベントであることが判断されると、変調変位レジスタΔ
PRの書き換えが行われる(ステップS24)。即ち、
ポルタメントスイッチ131(スイッチ131A〜13
1Eの何れか)の操作に応じた変調変位量ΔPが変調変
位レジスタΔPRに書き込まれる。
【0060】次いで、表示処理が行われる(ステップS
25)。この表示処理では、例えば、操作パネル13の
図示しない表示器に、ポルタメントの変調速度を示す値
を表示する処理が行われる。上記ステップS23でポル
タメントスイッチ131のイベントでないことが判断さ
れると、ステップS24及びS25の処理はスキップさ
れる。
【0061】次いで、「その他のスイッチ処理」が行わ
れる(ステップS26)。この「その他のスイッチ処
理」では、例えば、自動演奏スタートスイッチのイベン
トに応じて自動演奏を開始させる処理、リズム選択スイ
ッチのイベントに応じたリズム選択処理、音色選択スイ
ッチのイベントに応じた音色変更処理等が行われる。こ
れらの処理はいずれも本発明に直接関係しないので説明
は省略する。その後、このスイッチイベント処理ルーチ
ンからリターンしてメインルーチンに戻る。
【0062】次に、キーイベント処理の詳細について図
6のフローチャートを参照しながら説明する。キーイベ
ント処理では、先ず、押鍵中の最高音のノートナンバを
新ノートナンバNNとして新ノートナンバレジスタNN
Rに書き込む(ステップS30)。新ノートナンバNN
は、旧キーデータ又は新キーデータ中のオンにされてい
るビットのうち、最も高いノートに対応するビットを見
出し、これを対応するノートナンバに変換することによ
り得られる。
【0063】次いで、先に検出されたキーイベントがオ
ンイベントであるかどうかが調べられる(ステップS3
1)。これは、上述したキーイベントマップのオンにな
っているビットに対応する新キーデータ中のビットがオ
ンになっているかどうかを調べることにより行われる。
【0064】ここで、オンイベントでないことが判断さ
れるとオフイベントである旨が認識され、ノートオフ処
理が行われる(ステップS42)。このノートオフ処理
では、CPU10は音源15に所定のデータを送る。こ
れにより発音中の音が消音される。
【0065】一方、上記ステップS31でオンイベント
であることが判断されると、次いで、現在発音中である
かどうかが調べられる(ステップS32)。これは、例
えば旧スイッチデータ中にオンになっているビットが存
在するかどうかを調べることにより行われる。そして、
現在発音中でないことが判断されると、楽音が発音され
ていない状態で押鍵された旨が認識され、第1のノート
オン処理(ステップS33〜S36)が実行される。
【0066】第1のノートオン処理では、先ず、現変調
値レジスタCPRをゼロにクリアする(ステップS3
3)。次いで、現変調値レジスタCPRの内容、即ち、
現変調値CP(ゼロとなっている)を音源15に出力す
る(ステップS34)。従って、現変調値CPは、音源
15で実ノートナンバを決定するため、即ち発音のピッ
チを決定するためには寄与しない。
【0067】次いで、NNオン処理が行われる(ステッ
プS35)。このNNオン処理では、新ノートナンバレ
ジスタNNRにセットされている新ノートナンバNNが
音源15に送られる。音源15は、新ノートナンバNN
と現変調値CP(ゼロになっている)とを加算して実ノ
ートナンバを生成し、この実ノートナンバに基づいて楽
音信号を生成する。即ち、実ノートナンバに応じた周波
数で、波形メモリ150から波形データを読み出して楽
音信号を生成する。これにより、発音されていない状態
で押鍵があった場合に、押下中のキーのうちの最高音に
対応するキーの音が、そのキー本来のピッチで発音され
る。
【0068】次いで、新ノートナンバレジスタNNRに
記憶されている新ノートナンバNNが現ノートナンバレ
ジスタCNRにセットされる(ステップS36)。この
現ノートナンバレジスタCNRにセットされた現ノート
ナンバCNは、新たなキーが押下された場合に、消音す
べき音を決定するために使用されると共に、新たな現変
調値CPを算出するために使用される。その後、このキ
ーイベント処理ルーチンからリターンしてメインルーチ
ンに戻る。
【0069】一方、上記ステップS31で現在発音中で
あることが判断されると、既に楽音が発音中に新たな押
鍵があった旨が認識され、第2のノートオン処理(ステ
ップS37〜S41)が行われる。
【0070】この第2のノートオン処理では、先ず、C
Nオフ処理が行われる(ステップS37)。このCNオ
フ処理は、現ノートナンバレジスタCNRに記憶されて
いる現ノートナンバCNの音を消音させる処理である。
これは、上述したノートオフ処理と同様に、CPU10
が音源15に所定のデータを送ることにより実現され
る。これによりモノフォニック機能の一部、即ち発音中
の音を消音する機能が実現されている。
【0071】次いで、現変調値CPの更新が行われる
(ステップS38)。新たな押鍵があった時点で実際に
発音されている実ノートナンバは、現ノートナンバCN
と現変調値CPとの和「CN+CP」である。この実ノ
ートナンバに基づくピッチから、新たな押鍵に基づく新
ノートナンバNNで指定されるピッチへ変調するには、
上記実ノートナンバと新ノートナンバNNとの差分、即
ち「(CN+CP)−NN」を新たな現変調値CPとす
れば良い。従って、ここでは、「(CN+CP)−N
N」の式で算出された値が現変調値CPとして現変調値
レジスタCPRにセットされる。
【0072】次いで、現変調値レジスタCPRの内容、
即ち、現変調値CP{(CN+CP)−NNとなってい
る}を音源15に出力する(ステップS39)。この現
変調値CPは、音源15で実ノートナンバを決定するた
め、即ち発音のピッチを決定するために使用される。
【0073】次いで、NNオン処理が行われる(ステッ
プS40)。このNNオン処理では、新ノートナンバレ
ジスタNNRにセットされている新ノートナンバNNが
音源15に送られる。音源15は、新ノートナンバNN
と現変調値CP{(CN+CP)−NNになっている}
とを加算して実ノートナンバを生成し、この実ノートナ
ンバに応じた周波数で、波形メモリ150から波形デー
タを読み出して楽音信号を生成する。これにより実ノー
トナンバは、消音された音が直前まで発音していたノー
トナンバと等しくなり、消音時点のピッチで発音が開始
される。
【0074】次いで、新ノートナンバレジスタNNRに
記憶されている新ノートナンバNNが現ノートナンバレ
ジスタCNRにセットされる(ステップS41)。以
下、後述する割込処理においては、この現ノートナンバ
レジスタCNRにセットされている現ノートナンバCN
に、現変調値CPに応じた変調を加えながら、即ちピッ
チを変更しながら発音がなされ、ポルタメント効果が発
揮される。その後、このキーイベント処理ルーチンから
リターンしてメインルーチンに戻る。
【0075】本電子楽器では、以上説明したメインルー
チンの処理と並行して、割込処理が行われる。この割込
処理においては、ポルタメント効果を発揮させるべく、
現変調値CPを更新する処理が行われる。この割込処理
の詳細は、図7のフローチャートに示されている。
【0076】割込処理ルーチンは、上述したタイマカウ
ンタレジスタTMDRからの割込が発生した時に起動さ
れる。割込処理では、先ず、タイマカウンタリロードレ
ジスタRLDRの内容がタイマカウンタレジスタTMD
Rにセットされる(ステップステップS50)。これに
より、次回の割込は、タイマカウンタレジスタTMDR
にセットされたカウント値に応じた時間の経過の後に発
生する。
【0077】次いで、現変調値レジスタCPRにセット
されている現変調値CPがゼロであるかどうかが調べら
れる(ステップS51)。ここでゼロであることが判断
されると、発音されていない状態で押鍵がなされて1音
のみの発音が行われている状態、又は既に新たに押下さ
れたキーのピッチへ到達し持続音を発生している状態の
何れかであることが認識される。従って、この場合は変
調処理を行う必要がないので、現変調値CPの変更処理
(ステップS52〜S57)は行わずにステップS58
へ分岐し、自動演奏処理が行われる(詳細は後述す
る)。
【0078】一方、現変調値レジスタCPRの内容、即
ち現変調値CPがゼロでないことが判断されると、ステ
ップS52以下の現変調値CPの変更処理が行われる。
即ち、先ず、現変調値レジスタCPRの内容、即ち、現
変調値CPが正であるかどうかが調べられる(ステップ
S52)。そして、現変調値CPが負の値であることが
判断されると、ピッチを上げる変調が行われている旨が
認識され、現変調値レジスタCPRの内容に変調変位レ
ジスタΔPRの内容である変調変位量ΔPを加算する
(ステップS53)。これにより、現変調値CPが変調
変位量ΔPだけゼロに近づき、発音中の音のピッチが上
がる。
【0079】一方、現変調値CPが正の値であることが
判断されると、ピッチを下げる変調が行われている旨が
認識され、現変調値レジスタCPRの内容から変調変位
レジスタΔPRの内容である変調変位量ΔPが減算され
る(ステップS54)。これにより、現変調値CPが変
調変位量ΔPだけゼロに近づき、発音中の音のピッチが
下がる。
【0080】次いで、上記ステップS53における加算
又は上記ステップS54における減算の結果、キャリー
が発生したかどうかが調べられる(ステップS55)。
ここでキャリーが発生するということは、ステップS5
3における加算で結果がゼロ以上になった、又はステッ
プS54における減算で結果がゼロ以下になったことを
意味する。従って、キャリーが発生したことが判断され
ると、新たに押下されたキーのピッチへ到達した旨が認
識され、現変調値レジスタCPRの内容をゼロにクリア
する(ステップS56)。これにより、以下の変調処理
は抑止されることになる。
【0081】一方、キャリーが発生しなかったことが判
断されると、ステップS56はスキップされる。これに
より、現変調値CPを変調変位量ΔPだけ変化させる機
能が実現されている。
【0082】次いで、現変調値レジスタCPRに記憶さ
れている現変調値CPを音源15に出力する(ステップ
S57)。これにより、音源15では、実ノートナンバ
を算出するに際して送られてきた現変調値CPが参照さ
れることになる。
【0083】次いで、発音処理が行われる(ステップS
58)。この発音処理では、上述した現変調値CPと、
その時点で現ノートナンバレジスタCNRにセットされ
ている現ノートナンバCNを加算して実ノートナンバを
生成し、この実ノートナンバに応じたピッチを有する音
を発音する。
【0084】次いで、自動演奏処理が行われる(ステッ
プS59)。この自動演奏処理では、ROM11に記憶
されている自動演奏データに基づいて所定の楽音を発生
させる処理が行われる。その後、この割込処理ルーチン
からリターンしてメインルーチンの割込まれた位置にリ
ターンする。
【0085】自動演奏処理は、スイッチイベント処理ル
ーチン(図5)の「その他のスイッチ処理」(ステップ
S26)で、自動演奏スタートスイッチが押下されたこ
とが検出された場合に、その旨を示す自動演奏フラグが
セットされる。このステップS59の自動演奏処理にお
いては、上記自動演奏フラグがオンにされていなければ
何等の処理も行われない。一方、自動演奏フラグがオン
にされていればROM11から自動演奏データを読み出
し、この読み出した自動演奏データに基づいて例えば伴
奏音の発音が行われる。この際、自動演奏データはテン
ポスイッチ130で指定されたテンポに応じたタイミン
グで処理され、テンポに応じた速度で自動演奏音を発生
できるようになっている。なお、自動演奏を行わせるた
めの処理自体は周知であるので説明は省略する。
【0086】このように、割込処理ルーチンにおいて、
ポルタメント効果を発揮させるための変調処理及び自動
演奏処理の両方を行うようにしているので、テンポが変
更されて割込処理ルーチンがコールされる間隔が変更さ
れれば、ポルタメントの変調速度と自動演奏のテンポが
同期して変更される。従って、従来のようにテンポが変
更されてもポルタメントの変調速度が変更されないこと
により生じる違和感は解消できるものとなっている。
【0087】以上説明したように、本実施例によれば、
例えばキーボード14を押下することにより所定音高の
楽音が発生されている状態において、このキーボード1
4の他のキーで新たに音高が指示された場合に、既に発
音されている音から新たに押されたキーに対応する音ま
で徐々に音程を変化させる。この際、変化の速度は、そ
の時点で指定されているテンポに応じて行うようにして
いる。より具体的には、テンポに応じた時間間隔で割込
が発生する度に、ポルタメントスイッチ131で指定さ
れた変調変位量ΔPを現変調値CPに加算又は減算して
音程を変更するようにしている。
【0088】これにより、テンポ変更に応じて、所定音
高から新たな音高に到達するポルタメントタイムが変化
する。従って、例えば、自動演奏中にテンポスイッチ1
30でテンポ変更を指示すると自動演奏のテンポが変更
されると共に、例えばポルタメントタイムも自動的に変
更される。従って、従来のように、テンポ変更に伴って
ポルタメントタイムを変更する操作を行う必要がなく、
また、自動演奏をバックに所定の演奏を行う場合は、自
動演奏音と演奏者が演奏する音との間で違和感が生じる
こともない。
【0089】なお、上記実施例では、トップノート優先
でモノフォニック発音を行う場合について説明したが、
後押し優先でモノフォニック発音する場合にも同様に適
用できる。この場合は、キーイベント処理ルーチン(図
6)のステップS30で、その時点での最高音のキーナ
ンバを新ノートナンバレジスタNNRにセットするので
はなく、キーイベントのあったキーのキーナンバを新ノ
ートナンバレジスタNNRにセットするように変更すれ
ば良い。
【0090】また、上記実施例では、テンポ指示手段と
してテンポスイッチ130を用い、このテンポスイッチ
130から送られてきたデータを用いてテンポ変更を行
うように構成したが、外部から送られて来るMIDIイ
ンタフェースを介して送られて来るテンポ変更メッセー
ジ、又は自動演奏データとして送られて来るテンポ変更
データを用いることもできる。
【0091】同様に、音高指示手段としてキーボード1
4を用い、このキーボード14から送られてきたデータ
を用いて音高を指定するように構成したが、外部から送
られて来るMIDIインタフェースを介して送られて来
るノートオン/オフメッセージ、又は自動演奏データと
して送られて来るノートオン/オフデータを用いること
もできる。
【0092】同様に、変位量指定手段としてポルタメン
トスイッチ131を用い、このポルタメントスイッチ1
31から送られてきたデータを用いてポルタメントの1
回の処理当りの変位量、即ち変調速度を変更するように
構成したが、外部から送られて来るMIDIインタフェ
ースを介して送られて来るポルタメント変更メッセー
ジ、又は自動演奏データとして送られて来るポルタメン
ト変更データを用いることもできる。
【0093】また、上記実施例では、処理タイミング発
生手段として、タイマカウンタレジスタTMDRが発生
する割込を用いるように構成したが、時計機構を設け、
この時計機構で計時している時刻をメインルーチンのル
ープの中でチェックして変調処理(図7の割込処理ルー
チンで行っている処理に対応する処理)を行うタイミン
グが到来したかどうかを調べるように構成することもで
きる。この場合、その時点のテンポ値に応じて変調処理
を行う時間間隔が決定されることになる。
【0094】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
テンポに適合する変調速度を簡単に設定することがで
き、自動演奏音と演奏者が演奏する音との不一致による
違和感を解消することのできる電子楽器の楽音変調制御
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る楽音変調制御装置が適用
される電子楽器の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例で使用されるテンポ値変換テー
ブルの一例を示す図である。
【図3】本発明の実施例で使用されるレジスタを説明す
るための図である。
【図4】本発明の実施例の動作を示すフローチャート
(メインルーチン)である。
【図5】本発明の実施例の動作を示すフローチャート
(スイッチイベント処理ルーチン)である。
【図6】本発明の実施例の動作を示すフローチャート
(キーイベント処理ルーチン)である。
【図7】本発明の実施例の動作を示すフローチャート
(割込処理ルーチン)である。
【符号の説明】
10 CPU 11 ROM 110 テンポ値変換テーブル 12 RAM 13 操作パネル 130 テンポスイッチ 131 ポルタメントスイッチ 14 キーボード 15 音源 150 波形メモリ 16 サウンドシステム

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テンポを指示するテンポ指示手段と、該テンポ指示手段で指示されたテンポに応じた時間間隔
    で処理タイミングを発生させる処理タイミング発生手段
    と、 半音の複数分の一の精度で音高の変位単位量を指定する
    変位量指定手段と、 音高を指示する音高指示手段と、 該音高指示手段による指示に応答して楽音を発生する楽
    音発生手段と、該楽音発生手段で楽音を発生中に前記音高指示手段で新
    たな音高が指示された場合に、前記発生中の楽音を消音
    し、該消音した楽音と同じ音高の楽音の発生を開始し、
    その後は、前記処理タイミング発生手段で処理タイミン
    グが発生される毎に、前記楽音発生手段で発生される楽
    音の音高を、前記変位量指定手段で指定された変位単位
    量だけ変化させ、以て前記消音した楽音の音高から前記
    新たな音高まで変化させる 変調手段、 とを備えたことを特徴とする電子楽器の楽音変調制御装
    置。
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