JP3090009B2 - 放電加工用電極線 - Google Patents
放電加工用電極線Info
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- JP3090009B2 JP3090009B2 JP07312290A JP31229095A JP3090009B2 JP 3090009 B2 JP3090009 B2 JP 3090009B2 JP 07312290 A JP07312290 A JP 07312290A JP 31229095 A JP31229095 A JP 31229095A JP 3090009 B2 JP3090009 B2 JP 3090009B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤ放電加工に
用いられる放電加工用電極線、特に、最外層にCu−Z
n合金層を設けた構成の放電加工用電極線に関するもの
である。
用いられる放電加工用電極線、特に、最外層にCu−Z
n合金層を設けた構成の放電加工用電極線に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ワイヤ放電加工は、電極線となる細いワ
イヤ(タングステン、黄銅等)を巻き取りつつ被加工物
に対して三次元の送りをかけ、ワイヤを電極にして被加
工物に放電を行いながら被加工物を溶断して糸鋸式の加
工を行うもので、特定形状の電極を使用しないで高精度
に三次元形状の製品を作成することができる。特に、加
工の困難な超硬合金等の加工も高精度に行えるため、近
年、実用範囲が広がりつつあり、例えば、機械的な切削
や切断加工が困難な金型等の加工にも用いられている。
イヤ(タングステン、黄銅等)を巻き取りつつ被加工物
に対して三次元の送りをかけ、ワイヤを電極にして被加
工物に放電を行いながら被加工物を溶断して糸鋸式の加
工を行うもので、特定形状の電極を使用しないで高精度
に三次元形状の製品を作成することができる。特に、加
工の困難な超硬合金等の加工も高精度に行えるため、近
年、実用範囲が広がりつつあり、例えば、機械的な切削
や切断加工が困難な金型等の加工にも用いられている。
【0003】最近の金型加工分野においては、より高精
度化、高速度化の要求が高く、直径0.1mm以下で1
50kgf/mm2 以上の高引張強度、20%IACS
以上の高導電率特性を有する極細電極線の出現が待たれ
ている。
度化、高速度化の要求が高く、直径0.1mm以下で1
50kgf/mm2 以上の高引張強度、20%IACS
以上の高導電率特性を有する極細電極線の出現が待たれ
ている。
【0004】この種の要求を満たす電極線として、従来
より引張強度の高いW(タングステン)単体の電極線が
用いられている。従来、高張力電極線として用いられて
いるW電極線の引張強度は約400kgf/mm2 であ
り、この値は汎用黄銅電極線の約4倍の強度を有するた
め、高精度化のために線径を0.1mm以下に極細化し
ても加工精度を低下させる原因となる電極線の振動を防
止するに十分な張力を負荷することができる。
より引張強度の高いW(タングステン)単体の電極線が
用いられている。従来、高張力電極線として用いられて
いるW電極線の引張強度は約400kgf/mm2 であ
り、この値は汎用黄銅電極線の約4倍の強度を有するた
め、高精度化のために線径を0.1mm以下に極細化し
ても加工精度を低下させる原因となる電極線の振動を防
止するに十分な張力を負荷することができる。
【0005】しかし、タングステンは希少金属の1つで
あり、また、難加工材でもある。このため、極細電極線
が消耗品であることを考えると非常に高価なものにな
る。また、W電極線を用いた場合、強度が高くなりす
ぎ、電極線に電圧を印加する送り出しリール及び巻き取
りリールの磨耗が激しく、接触抵抗の変化等により不安
定な放電現象が生じ易い。
あり、また、難加工材でもある。このため、極細電極線
が消耗品であることを考えると非常に高価なものにな
る。また、W電極線を用いた場合、強度が高くなりす
ぎ、電極線に電圧を印加する送り出しリール及び巻き取
りリールの磨耗が激しく、接触抵抗の変化等により不安
定な放電現象が生じ易い。
【0006】そこで、最近では、汎用電極線である黄銅
(Cu−35%Zn)電極線とW電極線の中間の引張強
さを有する複合電極線が用いられている。この複合電極
線の詳細については、例えば、特開昭56−12652
8号公報に記載があり、その構造は図4に示す如くであ
る。すなわち、コア部としての高張力鋼線201に対
し、同軸にCu−Zn(黄銅)合金層202を被覆した
構成である。
(Cu−35%Zn)電極線とW電極線の中間の引張強
さを有する複合電極線が用いられている。この複合電極
線の詳細については、例えば、特開昭56−12652
8号公報に記載があり、その構造は図4に示す如くであ
る。すなわち、コア部としての高張力鋼線201に対
し、同軸にCu−Zn(黄銅)合金層202を被覆した
構成である。
【0007】このような構成により、高精度加工に十分
で、送り出しリール及び巻き取りリールとの磨耗が少な
い適度な引張強度である約150〜200kgf/mm
2 の値が得られ、しかも安価に製造することができる。
で、送り出しリール及び巻き取りリールとの磨耗が少な
い適度な引張強度である約150〜200kgf/mm
2 の値が得られ、しかも安価に製造することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の放電加
工用電極線によると、構成材に引張強度の低いCu−Z
n合金を被覆に用いているため、複合電極線としての引
張強度を確保するには、複合電極線のテンションメンバ
ーであるコア部の高抗張力鋼の割合を大きくしなければ
ならない。
工用電極線によると、構成材に引張強度の低いCu−Z
n合金を被覆に用いているため、複合電極線としての引
張強度を確保するには、複合電極線のテンションメンバ
ーであるコア部の高抗張力鋼の割合を大きくしなければ
ならない。
【0009】また、高抗張力鋼の導電率はせいぜい10
%IACS程度であり、複合電極線としての導電率が低
下し、放電加工電流(放電加工の高速化に不可欠であ
る)を高くすることが難しいという問題がある。
%IACS程度であり、複合電極線としての導電率が低
下し、放電加工電流(放電加工の高速化に不可欠であ
る)を高くすることが難しいという問題がある。
【0010】そこで本発明は、高引張強度及び高導電率
の両特性を備え、放電加工の高精度化及び高速度化を達
成することのできる放電加工用電極線を提供することを
目的としている。
の両特性を備え、放電加工の高精度化及び高速度化を達
成することのできる放電加工用電極線を提供することを
目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、焼鈍状態で10kgf/mm2 以上
の常温引張強さを有する金属からなる芯材と、この芯材
に対し同軸に形成されるNb又はNb合金とCu(銅)
又はCu合金の2相による分散強化型複合体層と、この
分散強化型複合体層の直上に被覆されるZn又はCu−
Zn(亜鉛)合金層とを備えた構成にしている。
めに、この発明は、焼鈍状態で10kgf/mm2 以上
の常温引張強さを有する金属からなる芯材と、この芯材
に対し同軸に形成されるNb又はNb合金とCu(銅)
又はCu合金の2相による分散強化型複合体層と、この
分散強化型複合体層の直上に被覆されるZn又はCu−
Zn(亜鉛)合金層とを備えた構成にしている。
【0012】複合材の塑性加工では、各構成材間の変形
抵抗の差が大きすぎるとネッキング現象と称される塑性
不安定現象が発生し、断線等のトラブルが起こりやすく
なる。この発明では、Nb/Cu分散強化型複合体の強
度、即ち、変形抵抗が高くなるため、塑性不安定現象の
発生を防止するためには変形抵抗の高い材料を芯材とし
て用いる必要がある。焼鈍状態で10kgf/mm2 以
上の常温引張強さを有する金属であれば、常温での減面
加工により歪硬化し、その結果、塑性不安定現象の発生
を防止でき、良好な減面加工性を維持できる。
抵抗の差が大きすぎるとネッキング現象と称される塑性
不安定現象が発生し、断線等のトラブルが起こりやすく
なる。この発明では、Nb/Cu分散強化型複合体の強
度、即ち、変形抵抗が高くなるため、塑性不安定現象の
発生を防止するためには変形抵抗の高い材料を芯材とし
て用いる必要がある。焼鈍状態で10kgf/mm2 以
上の常温引張強さを有する金属であれば、常温での減面
加工により歪硬化し、その結果、塑性不安定現象の発生
を防止でき、良好な減面加工性を維持できる。
【0013】また、上記構成によれば、Nb(又はNb
合金)とCu(又はCu合金)による2相分散強化型複
合体は分散組織を有し、この分散組織においては複合則
が通用せず、大きな引張強度を有するようになる。ま
た、Cu(又はCu合金)は分散組織になっても存在
し、分散強化型複合体層は高導電率を備えている。した
がって、最外層にZn又はCu−Zn合金層を配して
も、高引張強度及び高導電率の特性を備えた放電加工用
電極線を得ることができ、放電加工の高精度化及び高速
度化が低価格で実現することができる。
合金)とCu(又はCu合金)による2相分散強化型複
合体は分散組織を有し、この分散組織においては複合則
が通用せず、大きな引張強度を有するようになる。ま
た、Cu(又はCu合金)は分散組織になっても存在
し、分散強化型複合体層は高導電率を備えている。した
がって、最外層にZn又はCu−Zn合金層を配して
も、高引張強度及び高導電率の特性を備えた放電加工用
電極線を得ることができ、放電加工の高精度化及び高速
度化が低価格で実現することができる。
【0014】ここで、前記芯材の体積率は30%以下、
前記分散強化型複合体層は体積率が30%以上、及び前
記Zn又はCu−Zn合金層は体積率が65%以下にす
ることが望ましい。
前記分散強化型複合体層は体積率が30%以上、及び前
記Zn又はCu−Zn合金層は体積率が65%以下にす
ることが望ましい。
【0015】この構成によれば、電極線の体積率を最適
に設定したことにより、放電加工用電極線として用いる
線径にあって所望の引張強度及び導電率が得られる。
に設定したことにより、放電加工用電極線として用いる
線径にあって所望の引張強度及び導電率が得られる。
【0016】そして、前記分散強化型複合体層は、Nb
又はNb合金によるシートとCu又はCu合金によるシ
ートとを積層状態に密巻きにして積層複合体とし、前記
積層複合体を減面加工して、分散組織を形成した構成に
することができる。
又はNb合金によるシートとCu又はCu合金によるシ
ートとを積層状態に密巻きにして積層複合体とし、前記
積層複合体を減面加工して、分散組織を形成した構成に
することができる。
【0017】この構成によれば、Nb(又はNb合金)
によるシートとCu(又はCu合金)によるシートとを
積層状態に密巻きにした複合体に対し、減面加工を施す
ことによりCu(又はCu合金)が分散相となって分散
組織が形成され、引張強度が高くなる。したがって、最
外層にZn又はCu−Zn合金層を配しても、高引張強
度及び高導電率の特性を備えた放電加工用電極線を得る
ことができる。
によるシートとCu(又はCu合金)によるシートとを
積層状態に密巻きにした複合体に対し、減面加工を施す
ことによりCu(又はCu合金)が分散相となって分散
組織が形成され、引張強度が高くなる。したがって、最
外層にZn又はCu−Zn合金層を配しても、高引張強
度及び高導電率の特性を備えた放電加工用電極線を得る
ことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明による放電加工用電
極線の第1の実施の形態を示す断面図である。
極線の第1の実施の形態を示す断面図である。
【0019】本発明による放電加工用電極線100は、
芯材としてNb(又はNb合金)線101が用いられ、
このNb線101の外周には同軸にNb(又はNb合
金)/Cu(又はCu合金)2相分散強化型複合体層1
02が設けられている。更に、Nb/Cu2相分散強化
型複合体層102には、Cu−Zn合金層103が被覆
されている。芯材としては、Nb(又はNb合金)線に
替えて炭素鋼等による高抗張力材を用いることができ
る。
芯材としてNb(又はNb合金)線101が用いられ、
このNb線101の外周には同軸にNb(又はNb合
金)/Cu(又はCu合金)2相分散強化型複合体層1
02が設けられている。更に、Nb/Cu2相分散強化
型複合体層102には、Cu−Zn合金層103が被覆
されている。芯材としては、Nb(又はNb合金)線に
替えて炭素鋼等による高抗張力材を用いることができ
る。
【0020】Nb/Cu2相分散強化型複合体層102
は、NbとCuのシート材を積層及び密巻きして作られ
た複合体であり、高引張強度と高導電率を兼ね備えてい
る。このNb/Cu2相分散強化型複合体層102に対
し、Nb線101はCuよりも強度が大きい芯材として
機能するものである。
は、NbとCuのシート材を積層及び密巻きして作られ
た複合体であり、高引張強度と高導電率を兼ね備えてい
る。このNb/Cu2相分散強化型複合体層102に対
し、Nb線101はCuよりも強度が大きい芯材として
機能するものである。
【0021】最外層のCu−Zn合金層103は放電加
工性を支配する重要な部分である。そこで、放電加工特
性の良好なZnをCuに添加(Zn=10〜50wt
%)したCu−Zn合金を用いている。
工性を支配する重要な部分である。そこで、放電加工特
性の良好なZnをCuに添加(Zn=10〜50wt
%)したCu−Zn合金を用いている。
【0022】ここで、上記の積層複合体が高引張強度特
性を有するNb/Cu2相分散強化型複合体に変化する
様子について説明する。
性を有するNb/Cu2相分散強化型複合体に変化する
様子について説明する。
【0023】Nbシート材102aとCuシート材10
2bを積層し、図2の(a)に示すように複合体に加工
した後、減面加工を施すと図2の(b)の様に皺状に変
形したNb層102cとCu層102dが形成され、組
織が層状から崩れていく。そして、最終的には、図2の
(c)の様に、片方の層が分散相になった分散組織に変
化する。ここでは、Cu層102dが分散相102fに
なり、Nb層102cがNb相102eになる。
2bを積層し、図2の(a)に示すように複合体に加工
した後、減面加工を施すと図2の(b)の様に皺状に変
形したNb層102cとCu層102dが形成され、組
織が層状から崩れていく。そして、最終的には、図2の
(c)の様に、片方の層が分散相になった分散組織に変
化する。ここでは、Cu層102dが分散相102fに
なり、Nb層102cがNb相102eになる。
【0024】層状組織が崩れない領域では、複合則が成
立し、積層複合体自体の引張強度が低く、複合電極線の
強度メンバーとして適用することは困難である。これに
対し、層状組織が崩れ、分散組織になるにしたがってN
b/Cu複合体の引張強度は複合則が適用できなくな
り、最大、約250kgf/mm2 に達する引張強度が
得られるようになる。この結果、複合電極線の強度メン
バーとして適用可能な複合体を得ることができる。そし
て、このNb/Cu複合体においては、分散組織になっ
ても高導電率のCuが存在することにより、Nb/Cu
2相分散強化型複合体層102は高い導電率特性を備え
ることになる。
立し、積層複合体自体の引張強度が低く、複合電極線の
強度メンバーとして適用することは困難である。これに
対し、層状組織が崩れ、分散組織になるにしたがってN
b/Cu複合体の引張強度は複合則が適用できなくな
り、最大、約250kgf/mm2 に達する引張強度が
得られるようになる。この結果、複合電極線の強度メン
バーとして適用可能な複合体を得ることができる。そし
て、このNb/Cu複合体においては、分散組織になっ
ても高導電率のCuが存在することにより、Nb/Cu
2相分散強化型複合体層102は高い導電率特性を備え
ることになる。
【0025】
【実施例】本発明者らは、図1の構成による放電加工用
電極線を製作した。
電極線を製作した。
【0026】製作に際しては、実施例1,2(図1の構
成による)の2例について、図6に示す条件で行った。
すなわち、線径(mm)及び体積率(%)を適宜変え、
各々における引張強度(kgf/mm2 )と導電率(%
IACS)を測定した。また、1つの比較例(図7に示
した従来技術によるもの)を従来技術により製作した。
なお、図6の体積率の欄における「Cu−Zn」は図1
のCu−Zn合金層103に相当し、「Nb/Cu」は
Nb/Cu2相分散強化型複合体層102に相当し、
「Nb」はNb線101に相当する。
成による)の2例について、図6に示す条件で行った。
すなわち、線径(mm)及び体積率(%)を適宜変え、
各々における引張強度(kgf/mm2 )と導電率(%
IACS)を測定した。また、1つの比較例(図7に示
した従来技術によるもの)を従来技術により製作した。
なお、図6の体積率の欄における「Cu−Zn」は図1
のCu−Zn合金層103に相当し、「Nb/Cu」は
Nb/Cu2相分散強化型複合体層102に相当し、
「Nb」はNb線101に相当する。
【0027】そして、Cu−Zn合金層103には実施
例1,2及び比較例共に、Cu−35wt%Zn合金
(JIS C2700)を用いた。また、Nb/Cu2
相分散強化型複合体層102には、厚さ0.2mmの工
業用純Nbシートと厚さ0.12mmの工業用純銅シー
トを密巻きにした積層複合体を母材に用いて形成した。
更に、Nb線101には工業用純Nb材を使用した。そ
して、比較例の芯材には0.25wt%炭素を含有した
炭素鋼を用いた。
例1,2及び比較例共に、Cu−35wt%Zn合金
(JIS C2700)を用いた。また、Nb/Cu2
相分散強化型複合体層102には、厚さ0.2mmの工
業用純Nbシートと厚さ0.12mmの工業用純銅シー
トを密巻きにした積層複合体を母材に用いて形成した。
更に、Nb線101には工業用純Nb材を使用した。そ
して、比較例の芯材には0.25wt%炭素を含有した
炭素鋼を用いた。
【0028】図3から明らかなように、本発明による実
施例1,2は、いずれも引張強度が162kgf/mm
2 以上で且つ20%IACS以上の導電率が得られてい
る。これに対して比較例は、引張強度は十分な値が得ら
れるものの、コア部が導電率の低い炭素鋼であるため、
十分な導電率を得ることができない。
施例1,2は、いずれも引張強度が162kgf/mm
2 以上で且つ20%IACS以上の導電率が得られてい
る。これに対して比較例は、引張強度は十分な値が得ら
れるものの、コア部が導電率の低い炭素鋼であるため、
十分な導電率を得ることができない。
【0029】以上の実施例から、複合則によりNb/C
u2相分散強化型複合体層102の引張強度を逆算する
と、最大約250kgf/mm2 になる。したがって、
引張強度が最大でも約100kgf/mm2 のCu−Z
n合金と複合する場合、Nb/Cu2相分散強化型複合
体層102の体積率は少なくとも35%以上でなけれ
ば、放電加工の高精度及び高速化に必要な特性を得られ
ないことがわかる。
u2相分散強化型複合体層102の引張強度を逆算する
と、最大約250kgf/mm2 になる。したがって、
引張強度が最大でも約100kgf/mm2 のCu−Z
n合金と複合する場合、Nb/Cu2相分散強化型複合
体層102の体積率は少なくとも35%以上でなけれ
ば、放電加工の高精度及び高速化に必要な特性を得られ
ないことがわかる。
【0030】なお、本発明においては、Nb/Cu2相
分散強化型複合体層102を製作するに際し、Nbシー
トとCuシートを積層して巻き寿司形に巻き取るように
したが、これに限定されるものではない。例えば、単純
に積み上げた積層複合体から形成されるNb/Cu2相
分散強化型複合体層にしてもよい。
分散強化型複合体層102を製作するに際し、Nbシー
トとCuシートを積層して巻き寿司形に巻き取るように
したが、これに限定されるものではない。例えば、単純
に積み上げた積層複合体から形成されるNb/Cu2相
分散強化型複合体層にしてもよい。
【0031】
【発明の効果】以上より明らかな如く、本発明によれ
ば、Nb(又はNb合金)とCu(又はCu合金)の2
相による分散強化型複合体層を、焼鈍状態で10kgf
/mm 2 以上の常温引張強さを有する金属からなる芯材
に対し同軸に形成したので、最外層にCu−Zn合金層
を配しても、高引張強度及び高導電率の特性を備えた放
電加工用電極線を得ることができ、放電加工の高精度化
及び高速度化を低価格に実現することができる。
ば、Nb(又はNb合金)とCu(又はCu合金)の2
相による分散強化型複合体層を、焼鈍状態で10kgf
/mm 2 以上の常温引張強さを有する金属からなる芯材
に対し同軸に形成したので、最外層にCu−Zn合金層
を配しても、高引張強度及び高導電率の特性を備えた放
電加工用電極線を得ることができ、放電加工の高精度化
及び高速度化を低価格に実現することができる。
【図1】本発明による放電加工用電極線の第1の実施の
形態を示す断面図である。
形態を示す断面図である。
【図2】積層複合体がNb/Cu2相分散強化型複合体
に変化する様子を示す説明図である。
に変化する様子を示す説明図である。
【図3】本発明の実施結果及び構成条件を示す説明図で
ある。
ある。
【図4】従来の放電加工用電極線の構成を示す断面図で
ある。
ある。
【符号の説明】100 放電加工用電極線 101 Nb線 102 Nb/Cu2相分散強化型複合体層 102f 分散相 102e Nb相 103 Cu−Zn合金層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 守男 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電 線株式会社 システムマテリアル研究所 内 (72)発明者 中川 和彦 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電 線株式会社 システムマテリアル研究所 内 (72)発明者 山中 務 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電 線株式会社 システムマテリアル研究所 内 (72)発明者 木村 孝光 茨城県日立市川尻町4丁目10番1号 日 立電線株式会社 豊浦工場内 (56)参考文献 特開 平9−150323(JP,A) 特開 平9−57585(JP,A) 特開 平7−156021(JP,A) 特開 平6−238523(JP,A) 特開 昭60−29235(JP,A) 特開 昭63−221925(JP,A) 特表 平3−501101(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23H 1/00 - 7/24
Claims (3)
- 【請求項1】焼鈍状態で10kgf/mm2 以上の常温
引張強さを有する金属からなる芯材と、 前記芯材に対し同軸に形成されるNb又はNb合金とC
u又はCu合金の2相による分散強化型複合体層と、 前記分散強化型複合体層の直上に被覆されるZn又はC
u−Zn合金層とを具備することを特徴とする放電加工
用電極線。 - 【請求項2】前記芯材は体積率が30%以下、前記分散
強化型複合体層の体積率が35%以上、及び前記Zn又
はCu−Zn合金層は体積率が65%以下であることを
特徴とする請求項1記載の放電加工用電極線。 - 【請求項3】前記分散強化型複合体層は、Nb又はNb
合金によるシートとCu又はCu合金によるシートとを
積層状態に密巻きにして積層複合体とし、前記積層複合
体を減面加工して、分散組織を形成した構成であること
を特徴とする請求項1記載の放電加工用電極線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07312290A JP3090009B2 (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | 放電加工用電極線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07312290A JP3090009B2 (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | 放電加工用電極線 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09150319A JPH09150319A (ja) | 1997-06-10 |
JP3090009B2 true JP3090009B2 (ja) | 2000-09-18 |
Family
ID=18027476
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07312290A Expired - Fee Related JP3090009B2 (ja) | 1995-11-30 | 1995-11-30 | 放電加工用電極線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3090009B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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