JP3085635B2 - 誘電体磁器組成物 - Google Patents
誘電体磁器組成物Info
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Description
電子回路基板や電子部品等に用いられる誘電体磁器組成
物に関するもので、例えば、共振器,コンデンサ,LC
フィルター等に最適な誘電体磁器組成物に関するもので
ある。
ラミックスが電子回路基板や電子部品等に広く使用され
ており、近年、携帯電話に代表される移動体通信等の高
周波機器の発展と普及に伴い、高周波領域で使用する電
子回路基板や電子部品として、誘電体セラミックスが積
極的に利用されるようになってきた。
基板等と導体を同時焼成するに際しては、基板上に印刷
された導体が誘電体セラミックスの焼成温度で溶融する
ことがないように、該導体には、アルミナ、ステアタイ
ト、フォルステライト等の誘電体セラミックスの焼成温
度よりも高い融点を有する、例えば、Pt,Pd,W,
Mo等の金属が用いられていた。
いことから、従来の電子回路基板では、共振回路やLC
フィルタのQ値が小さくなってしまい、導体線路の伝送
損失が大きくなる等の問題があった。
の小さいAgやCu等の金属を導体として採用し、低温
で同時焼成できる誘電体セラミックスが種々提案されて
いる。更に、最近の高周波電子回路基板に対する小型化
と高性能化の要求に応えるために、特定の周波数領域で
比誘電率εrを高くすることにより共振回路やLCフィ
ルタの小型化を可能とし、また、誘電体セラミックスの
Q値を高くすることにより、共振回路やLCフィルタの
Q値も高くすることができて低損失となることから、各
種の複合誘電体が提案されている。
来、例えば、特開平4−292460号公報に開示され
るものが知られており、この公報には、アノーサイト−
チタン酸カルシウム系のガラスとTiO2 からなるもの
が開示され、低温焼成できるため、導体としてAgやC
u等の金属と同時焼成できる。
4−292460号公報に開示された誘電体磁器組成物
では、比誘電率εrが4〜6GHzの高周波領域の測定
では16未満と低く、高周波電子回路基板の小型化、高
性能化には限界があった。また、この誘電体磁器組成物
は、6GHzの測定周波数でQ値が最大330程度と低
いため、共振回路のQ値が低いものであった。
850〜950℃の比較的低温でAgやCu等の導体金
属と同時に焼成でき、誘電体セラミックスの比誘電率ε
rやQ値が高く、かつ共振周波数の温度係数τfが比較
的小さい等の特徴を有し、高周波電子回路基板等の小型
化と高性能化を実現できる誘電体磁器組成物の提供を目
的とするものである。
物は、金属成分として少なくともBa,Mg,Wおよび
Taを含有する複合酸化物であって、モル比による組成
式をaBaO・bMgO・cWO3 ・dTaO5/2 と表
した時、a、b、cおよびdが、0.40≦a≦0.5
5、0.10≦b≦0.40、0≦c≦0.30、0≦
d≦0.40、0.20≦c+d≦0.40、a+b+
c+d=1を満足する主成分100重量部に対して、硼
酸化合物をB2 O3 換算で0.2重量部よりも多く5.
0重量部以下、アルカリ金属含有化合物を炭酸塩換算で
1.0〜9.0重量部添加してなるものである。
を0.40≦a≦0.55としたのは、BaOのモル比
が0.40未満の場合にはQ値が低下し焼結が困難とな
り、aが0.55を越える場合にはQ値が低下するから
である。BaOのモル比aは0.46≦a≦0.54と
することが特に望ましい。
0.40としたのは、MgOのモル比が0.10未満の
場合には焼結が困難となり、あるいはQ値の低下を招
き、モル比bが0.40を越える場合にはQ値が低下
し、焼結体が困難となるからである。MgOのモル比b
は0.13≦b≦0.25とすることが特に望ましい。
30としたのは、WO3 のモル比が0.30を越える場
合にはQ値が低下するからである。WO3 のモル比cは
0<c≦0.15とすることが特に望ましい。
0.40としたのは、TaO5/2 モル比が0.40より
大きい場合にはQ値が低下するからである。TaO5/2
のモル比dは0.15≦d<0.40とすることが特に
望ましい。
モル比dの合量を0.20≦c+d≦0.40としたの
は、c+dが0.20よりも小さい場合や逆にc+dが
0.40よりも大きい場合には、Q値が低下したり、焼
結不良となるからである。WO3 のモル比cとTaO
5/2 のモル比dの合量は0.24≦c+d≦0.40と
することが望ましい。
100重量部に対して、硼酸化合物をB2 O3 換算で
0.2重量部より多く5.0重量部以下、アルカリ金属
含有化合物を炭酸塩換算で1.0〜9.0重量部添加し
てなるものである。
をB2 O3 換算で0.2重量部より多く5.0重量部以
下添加したのは、硼酸化合物をB2 O3 換算で0.2重
量部以下の場合には950℃以下で焼結が困難となり、
Ag等との同時焼成ができなくなり、逆に5重量部より
多い場合にはQ値が小さくなってしまうからである。
量部添加することが特に望ましい。硼酸化合物として
は、B2 O3 ,コレマナイト,CaB2 O4 ,ZnB2
O4 がある。
属含有化合物を炭酸塩換算で1.0〜9.0重量部添加
したのは、アルカリ金属含有化合物を炭酸塩換算で1.
0重量部よりも少ない場合には950℃以下での焼結が
困難となり、Ag等との同時焼成ができなくなり、逆に
9重量部よりも多い場合にはQ値が小さくなってしまう
からである。例えば、アルカリ金属がLiの場合にはL
i2 CO3 換算で1.0〜9.0重量部、アルカリ金属
がKの場合にはK2 CO3 換算で1.0〜9.0重量
部、アルカリ金属がNaの場合にはNa2 CO3 換算で
1.0〜9.0重量部添加する。アルカリ金属化合物は
酸化物換算で1〜7重量部添加することが望ましい。ア
ルカリ金属としては、Li,Na,K,Rb,Csがあ
る。
記組成を満足するとともに、0.17≦5|a−0.5
|+b+0.2c<0.94を満足することが望まし
い。これは、この範囲内であれば、Q値がより高く、回
路の特性をさらに向上できるからである。
モル比による組成式をaBaO・bMgO・cWO3 ・
dTaO5/2 と表した時、0.46≦a≦0.54、
0.13≦b≦0.25、0<c≦0.15、0.15
≦d<0.40、0.24≦c+d≦0.40、a+b
+c+d=1を満足する主成分100重量部に対して、
硼酸化合物をB2 O3 換算で0.3〜3重量部、アルカ
リ金属含有化合物を炭酸塩換算で1〜7重量部添加する
ことが望ましい。
含有化合物は、主成分の構成元素であるBa,Mg,
W,Taの一部と反応しガラス相を形成し、BaO粒
子、MgO粒子、WO3 粒子、TaO5/2 粒子との間の
粒界に、或いはこれらの粒子とBa,Mg,W,Taが
相互に固溶した固溶体粒子の間の粒界に存在することと
なる。
aCO3 、MgCO3 、WO3 、Ta2 O5 の各原料粉
末を所定量となるように秤量し、混合粉砕し、これを1
200〜1400℃の温度で1〜3時間仮焼する。得ら
れた仮焼物に、例えば、B2O3 等の硼酸化合物と、例
えばLi2 CO3 等のアルカリ金属含有化合物の各粉末
を所定量となるように秤量し、混合粉砕し、プレス成形
等により成形した後、大気中において脱バインダー処理
し、この後、大気中または窒素雰囲気中において850
〜950℃で0.5〜2.0時間焼成することにより得
られる。
0℃の比較的低温でAgやCu等の導体金属と同時に焼
成でき、誘電体セラミックスの比誘電率εrやQ値が高
く、かつ共振周波数の温度係数τfを比較的小さくする
ことができ、高周波電子回路基板等の小型化と高性能化
を実現できる。
基づいて詳細に説明する。
CO3 、WO3 、Ta2 O5 の各原料粉末を表1,2に
示すモル比となるように秤量し、該原料粉末に媒体とし
て水を加えて24時間、ボールミルにて混合した後、該
混合物を乾燥し、次いで該乾燥物を1400℃の温度で
1時間仮焼した。
金属含有化合物を表1,2に示す割合となるように秤量
し、ボールミルにて24時間、混合した後、バインダー
としてポリビニルアルコールを1重量%加えてから造粒
し、該造粒物を約1t/cm2 の加圧力でプレス成形し
て直径約20mm、高さ10mmの円柱状の成形体を成
形した。
0℃の温度で4時間加熱して脱バインダー処理し、引き
続いて950℃で30分間焼成した。かくして得られた
円柱体の両端面を平面研磨し、誘電体特性評価用の試料
を作製した。
電体円柱共振器法により、共振周波数を6〜8GHzに
設定して各試料の比誘電率εrと7GHzにおける1/
tanδ、即ちQ値を測定するとともに、−40〜+8
5℃の温度範囲における共振周波数の温度係数τfを測
定した。これらの結果を表3,4に示す。
の誘電体磁器組成物では、950℃以下の比較的低温で
焼成でき、さらに、比誘電率εrが12以上、Q値が5
00以上、かつ共振周波数の温度係数τfが±30以内
の優れた特性を有することが判る。
℃以下の比較的低温でAgやCu等の導体金属と同時に
焼成でき、高周波領域において高い比誘電率を有すると
ともに、Q値も高く、かつ共振周波数の温度特性にも優
れ、高周波電子回路基板等のより一層の小型化と高性能
化が実現できる。
Claims (1)
- 【請求項1】金属成分として少なくともBa,Mg,W
およびTaを含有する複合酸化物からなり、モル比によ
る組成式を aBaO・bMgO・cWO3 ・dTaO5/2 と表した時、a、b、cおよびdが 0.40≦a≦0.55 0.10≦b≦0.40 0 ≦c≦0.30 0 ≦d≦0.40 0.20≦c+d≦0.40 a+b+c+d=1 を満足する主成分100重量部に対して、硼酸化合物を
B2 O3 換算で0.2重量部より多く5.0重量部以
下、アルカリ金属含有化合物を炭酸塩換算で1.0〜
9.0重量部添加してなることを特徴とする誘電体磁器
組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06315050A JP3085635B2 (ja) | 1994-12-19 | 1994-12-19 | 誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06315050A JP3085635B2 (ja) | 1994-12-19 | 1994-12-19 | 誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08169760A JPH08169760A (ja) | 1996-07-02 |
JP3085635B2 true JP3085635B2 (ja) | 2000-09-11 |
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ID=18060835
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06315050A Expired - Fee Related JP3085635B2 (ja) | 1994-12-19 | 1994-12-19 | 誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3085635B2 (ja) |
-
1994
- 1994-12-19 JP JP06315050A patent/JP3085635B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08169760A (ja) | 1996-07-02 |
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