JP3084114U - 押出成形型麺製造機の螺旋スクリュ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 適宜の圧力を掛けるとともに混練された
状態の原料に不要な圧力をかけずにスムーズに押し出
し、先端出口まで運んで細糸状の麺を製造することを可
能にする押出成形型麺製造機の螺旋スクリュを提供す
る。 【解決手段】 麺を押し出し成形する麺製造機の螺
旋スクリュの形状が、螺旋スクリュの螺旋螺子山間のピ
ッチを駆動装置に近い部分で広く粗に、押し出し口であ
る先端に向かってピッチを狭く密に形成する。その割合
は、駆動装置に近い部分を粗の部分を１とすると先端の
密であるピッチがその約三分の一となるように構成し、
スクリュの全長の約半分にわたってピッチが粗に形成す
るとともに、先端部の残りの半分がピッチを密に形成す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、蕎麦、うどんその他の麺類またはスパゲッティ等のパスタ類を混練 して押し出し成形する麺類の押し出し型製造機に関し、特に原料を混練する螺旋 スクリュの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

押し出し成形型の麺製造機としては、従来から様々なものが製麺業界では使用 されてきている。普及型の麺製造機１は、図３で示す通り円筒形のフレーム４内 に駆動装置２とそれに連動する螺旋スクリュ５を設けて回転させ、ホッパ７から 供給される水分の含まれた原料８を混練した後に、麺の形状に合わせて孔から押 し出す構造である。シャフトを螺旋形のスクリュ型とするのに変えて、シャフト に各種形状のスクリュを嵌装して原料を徐々に練成しながら先端出口に押し出す 形式のものも存在している。

【０００３】 上記麺製造機の一つの欠点としては、上記シャフトの構造の押し出し成形機で は、麺の原料を入れて練成する際に、適当な混練状態でシャフトの基部から先端 出口にスムーズに原料が押し出されず、シャフトに嵌装されたスクリュ部材の構 造や位置で適宜に前進せずに過剰に練られてしまう可能性があった。この為、製 品としての麺が必要以上に腰の強いものになってしまったり、食感を損なう可能 性があった。

【０００４】 めんの腰は人それぞれ好みによってその強さに対する嗜好が大きく異なる。こ しが弱いと麺はぼそぼそとぶつ切りの状態になってしまい、食感が悪くなると考 えられる。また、強すぎると口の中に入れて噛むのに力が必要で、微妙な味覚を 楽しむには不適合という製品となる虞れがある。特に、蕎麦麺の製造にあっては 、蕎麦粉１００％で水分以外にいわゆるツナギを使わない生粉打ち麺の製造が可 能となる点が注目されているので、食感の微妙な変化が大きな問題となる。 また、原料をスムーズに押し出す為に、シャフトの回転を比較的遅い速度で回 すことも考えられるが、製造時間がかかる欠点がある。機械製麺であるにもかか わらず短時間で製造できず、麺製造機の利点が生かせないという製造することが できなくなるいという矛盾が生ずる。

【０００５】 そこで、強力な圧力を付与できる能力を持ちながら必要に応じて圧力を適当に 逃して過剰に圧力のかかるのを防ぎ、かつ、麺を最適の状態でスムーズに生成で き、食感のよい麺を提供できる麺製造機のシャフトおよびスクリュの新たな構造 が追求されている。従来からも、先端出口付近のスクリュのピッチを基部側より 密にすることが試みられていたが、多くの失敗例があり、食品材料が過圧の為に 予期以上にアルファ化する可能性があり、程よい食感の製品が成形できるスクリ ュの形状が研究されていた。 圧力を逃す方法の一つとして筒状体のケーシングの内壁に溝を設けることも実 用化されている。

【０００６】 また、押出成形型麺製造機は誰でも失敗なく簡単に蕎麦が打てる器械で、しか も打ち上がって蕎麦は１００％の蕎麦粉からなる蕎麦である点が特徴である。器 械は、使用後に細部を掃除して片付けて置くことにより再度の使用が可能となる ものである。本件考案にかかる螺旋スクリュは使用後にその都度、取り外して清 掃して置く必要がある。従って、螺旋スクリュは清潔で清掃等の取扱が簡便なこ とが要求される。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記の問題を解決するスクリュであって、麺製造機のシャフトとな るスクリュの螺旋山のピッチを特定のピッチに設定することにより適宜の圧力を 掛けるとともに混練された状態の原料に不要な圧力をかけずにスムーズに押し出 し、先端出口まで運んで細糸状の麺を製造することを可能にする取扱の簡単な押 出成形型麺製造機の螺旋スクリュを提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために本考案に係る押出成形型麺製造機の螺旋スクリュ は、麺を押し出し成形する方式の麺製造機に用いられる螺旋スクリュであって、 螺旋スクリュの螺旋螺子山間のピッチが駆動装置に近い部分で広く粗であるとと もに、押し出し口である先端に向かってピッチが狭く密に形成された構成である 。 また、螺旋スクリュのピッチは、駆動装置に近い部分を粗の部分を１とすると 先端の密であるピッチがその約三分の一となる構成である。 さらに、螺旋スクリュは、スクリュの全長の約半分にわたる基部のピッチが粗 に形成されているとともに、残りとなる先端部のピッチが密に形成されている構 成である。 また、螺旋スクリュは、表面をテフロンコーティングしてある。

【０００９】

【作用】

本件考案にかかる押出成形型麺製造機の螺旋スクリュは、筒状の押し出し成形 機の筒状本体の中に回動自在に収納され、駆動装置の回転により、ホッパから供 給される原料の蕎麦粉を適宜に混練する。混練する時間は３０秒程度であるが、 本考案では螺旋スクリュの螺旋螺子山の間隔（ピッチ）が駆動装置に近い原料投 入口付近で広く粗に形成されている。これにより、水分が予め加えられている原 料は充分に捏ねられ、混練されて蕎麦のドゥとなる。これを適当な圧力を加えて 、目皿の装着されている押し出し口である先端に向かって押圧移動する。出口付 近では、螺旋の螺子山と次の螺子山との間隔（ピッチ）が狭く密に形成されてい るので、先端の出口にドゥ（dough）を押圧移動する力は比較的弱くなり炊きす ぎとなるのを防ぐ構造である。 また、螺旋スクリュは、使用後は取り外して清掃できるように、表面をテフロ ンによりコーティングしてあるので水洗いが出来てかつ清潔であり取扱が極めて 簡単である。

【００１０】

【考案の実施の形態】 以下に本考案に係る押出成形型麺製造機の螺旋スクリュの実施例を図面により 詳細に説明する。図１は本考案の押出成形型麺製造機の螺旋スクリュの斜視図で あり、図２は麺製造機に本考案のスクリュを装着した実施例であり、図３は従来 例を示した横断面図である。 本考案に係る押出成形型麺製造機の螺旋スクリュ１０は、回転軸である本体か ら一条の螺旋突起２０が螺旋状に突設されている。一巻き目の間隔３０（ピッチ ）と二巻き目からの間隔４０とでは３：１の比率で間隔が広がっており大きさが 異なる。そして係合部５０で本体と接続することが可能となる。

【００１１】 本考案に係る押出成形型麺製造機の螺旋スクリュ１０は、麺製造機１の円筒形 のフレーム内に装着される回転練成具であり、基部には駆動装置（モータ）の回 転軸と嵌合する係合部５０が突設されている。ホッパから供給される蕎麦の原材 料であるそば粉８は水分を加給された状態でスクリュの基部に供給される。 螺旋スクリュ１０は、その全長の約半分にわたる基部において螺旋のピッチが 粗に形成されている。また、先端半分は基部に較べてピッチが３倍と密に形成さ れている。

【００１２】 従来例では、スクリュのピッチは先端の押出口に向かって基部より徐々に密に なる構成ではあった。しかしながら、この程度の螺旋形状のピッチの差では充分 な効果が現れなかったのが実情であり、このスクリュの構造に関しては、様々な 構造の変更が食感を高めるために提案され実験された。

【００１３】 本考案の螺旋突起２０は、シャフトの軸に設けられた螺旋状の突条であり、水 分を加給されたそば麺の材料であるぞば粉を練成して捏ねられた状態とする。単 に捏ねる作動はシャフトに各種の回転突起を嵌装して水分の加給されたそば粉を 混練すれば足りるが、捏ねつつ練成したそば麺の原料を押し出し成形機の先端に ある出口に向かって進行させる為に、螺旋形のスクリュとしている。 螺旋スクリュの螺旋突起２０が１回転して進行する位置を示す螺旋条の螺子山 間のピッチを駆動装置側で広く粗に形成するとともに、押し出し口である先端側 で密に形成している。

【００１４】 特に、本考案では食感を大切にする観点から、最初の回転である一巻き目の間 隔３０（ピッチ）を、大きく広く取っていることが特徴である。駆動装置に近い 基部の一巻き目の間隔３０と二巻き目からの間隔４０とでは３：１の比率に構成 されている。すなわち、螺旋スクリュのピッチは、粗の部分を１とすると先端の 密であるピッチは約三分の一であり、先端では捏ねる作動により圧力がかかるよ うに構成されている。これにより、充分な圧力によって先端出口から混練された 原料がスムースに排出することができる。

【００１５】 特に、本件実用新案は、蕎麦粉だけの１００％蕎麦であり、風味も食感も良い 点で他に類を見ない。また、蕎麦を茹でる作業中にも蕎麦が切れることがないの で、大切な食感を損なうことがない。 また、蕎麦粉にいわゆる繋ぎき素材を混入していないので、そばを茹でた後の 蕎麦湯も風味豊かで賞味するのに値する。また、健康法にも利用することが可能 である。

【００１６】 係合部５０は、駆動装置の回転をスクリュに伝達する為の接合部であり、この 実施例では、駆動装置の回転軸に設けられ他嵌合凹部に螺旋スクリュの元部に設 けられた凸部を嵌合して両者を係合する構成である。 このような嵌合式の係合装置であれば、従来のような回転圧力の上昇により係 合ピンが破損したりする危険がなく、充分な圧力を加えることが可能となり、よ り良い状態で混練することができ、かつ混成した原料に適宜な圧力を加えて押し 出し成形することができる。

【００１７】 螺旋は回転方向等により、右巻き、左巻きが選択可能である。また、麺製造機 の大きさによって、シャフトおよびシャフトに嵌合する各種形状のスクリュを大 きくすることもまた突条の形状または高さを変化することも可能である。

【００１８】 本考案の押出成形型麺製造機の螺旋スクリュは、他の風味を重んじる食品にも 応用することが出来る。例えば、そば麺以外にも麺製造器に取り付けることが可 能である。さらにラーメンやうどんの製造や、スパゲッティその他のパスタ類も 製造することが可能である。

【００１９】 螺旋スクリュ１０は、全体が表面をテフロン加工してある。これは、誰でも簡 易に蕎麦を打てる器械であり、使用後は簡単に螺旋スクリュを取り外して清掃で きるような構造である。表面がテフロンコーティングしてあるので水洗いが出来 てかつ清潔であり取扱が極めて簡単である。

【００２０】

【考案の効果】

以上に説明したこの考案にかかる押出成形型麺製造機の螺旋スクリュは上記の 通りの構成であるので、以下の効果を奏する。 １ 螺旋螺子のピッチが駆動装置に近い部分で広く粗であり、先端の押出口に向 かってピッチが狭く密に形成されているので、α化することなく充分に混練が可 能とであり、原料にツナギを入れなくても結着させることが可能となった。また 、製品であるそば麺に強すぎない適度なこしを与えることが可能となった。 ２ 基部の駆動装置に近い部分のピッチを粗の部分と先端の密であるピッチを１ ：３の比率にすることにより、混練された原料のドゥ（dough）をスムーズに押 し出すことができる。

【００２１】 ３ スクリュの全長の約半分が粗なピッチに形成されているので、押出成形がス ムーズに行われる。押圧に異常な圧力がかからないので、炊け過ぎることがなく 、かつスムーズに押し出し成形できるので、食感をうることができる。 ４ 螺旋スクリュは、表面をテフロンコーティングしてあるので清潔で簡単に水 洗いすることが出来るのでだれにでも取扱が簡単である。また、清掃時に混練状 態の蕎麦が容易に剥がれ落ちるので、清掃が簡単であるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の麺製造機の部品であるシャフトの構
造の断面図

【図２】 麺製造機に本考案のシャフトを設置させた一
例図

【図３】 従来の押出製麺機の例を示す断面図

【符号の説明】

１ 麺製造機 ２ 駆動装置 ４ フレーム ５ 螺旋スクリュ ７ ホッパ ８ 原料（蕎麦粉） １０ シャフト ２０ 螺旋突起条 ３０ 一巻き目の間隔（ピッチ） ４０ 二巻き目からの間隔（ピッチ） ５０ 係合部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 麺を押し出し成形する方式の麺製造機に
   用いられる螺旋スクリュにおいて、螺旋スクリュの螺旋
   螺子山間のピッチが駆動装置に近い部分で広く粗である
   とともに、押し出し口である先端に向かってピッチが狭
   く密に形成されていることを特徴とする押出成形型麺製
   造機の螺旋スクリュ
2. 【請求項２】 前記螺旋スクリュのピッチは、駆動装置
   に近い部分を粗の部分を１とすると先端の密であるピッ
   チがその約三分の一であることを特徴とする請求項１記
   載の押出成形型麺製造機の螺旋スクリュ
3. 【請求項３】 前記螺旋スクリュは、スクリュの全長の
   約半分にわたる基部のピッチが粗に形成されているとと
   もに、残りとなる先端部のピッチが密に形成されている
   ことを特徴とする請求項１記載の押出成形型麺製造機の
   螺旋スクリュ
4. 【請求項４】 前記螺旋スクリュは、表面をテフロンコ
   ーティングしてあることを特徴とする請求項１記載の押
   出成形型麺製造機の螺旋スクリュ