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JP3077609B2 - マイクロチップ電気泳動方法及び装置 - Google Patents

マイクロチップ電気泳動方法及び装置

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Publication number
JP3077609B2
JP3077609B2 JP08307055A JP30705596A JP3077609B2 JP 3077609 B2 JP3077609 B2 JP 3077609B2 JP 08307055 A JP08307055 A JP 08307055A JP 30705596 A JP30705596 A JP 30705596A JP 3077609 B2 JP3077609 B2 JP 3077609B2
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JP
Japan
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groove
sample
separation
measurement
microchip
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博昭 中西
昭博 荒井
庸助 岩田
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Publication date
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Priority to US08/949,433 priority patent/US6042708A/en
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/44756Apparatus specially adapted therefor
    • G01N27/44791Microapparatus
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/44704Details; Accessories
    • G01N27/44717Arrangements for investigating the separated zones, e.g. localising zones
    • G01N27/44721Arrangements for investigating the separated zones, e.g. localising zones by optical means

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  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極微量のタンパク
質や核酸などを高速、かつ高分解能に分析する方法とそ
の装置に関し、更に詳しくは、一対の透明板状部材の少
なくとも一方の板状部材の表面に液が流れる溝が形成さ
れ、他方の板状部材にはその溝に対応する位置に貫通穴
が設けられ、これら板状部材がその溝を内側にして貼り
合わされてその溝により分離流路を形成してなるマイク
ロチップを用い、分離流路に泳動液を満たし、その一端
側に試料を注入し、分離流路の両端間に泳動電圧を印加
して試料を分離流路で電気泳動させるマイクロチップ電
気泳動方法とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】極微量のタンパク質や核酸などを分析す
る場合には、従来から電気泳動装置が用いられており、
その代表的なものとしてキャピラリ電気泳動装置があ
る。キャピラリ電気泳動装置は、内径が100μm以下
のガラスキャピラリー内に泳動バッファを充填し、一端
側に試料を導入した後、両端間に高電圧を印加して分析
対象物をキャピラリー内で展開させるものである。キャ
ピラリー内は容積に対して表面積が大きい、すなわち冷
却効率が高いことから、高電圧の印加が可能となり、D
NAなどの極微量試料を高速、かつ高分解能にて分析す
ることができる。
【0003】キャピラリーはその外形が数10μm〜1
00μm程度と細く破損しやすいため、ユーザーが行な
うべきキャピラリー交換時の取扱いが容易でない問題を
有する。そのため、D. J. Harrison et al./ Anal. Chi
m. Acta 283 (1993) 361-366に示されているように、2
枚の基板を接合して形成されたキャピラリー電気泳動チ
ップ(マイクロチップという)が提案されている。その
マイクロチップの例を図1に示す。一対の透明基板(ガ
ラス板)51,52からなり、一方の基板52の表面に
互いに交差する泳動用キャピラリー溝54,55を形成
し、他方の基板51にはその溝54,55の端に対応す
る位置にリザーバ53を貫通穴として設けたものであ
る。
【0004】このマイクロチップを使用するときは、両
基板51,52を(C)に示すように重ね、いずれかの
リザーバ53から泳動液を溝54,55中に注入する。
その後、短い方の溝54の一方の端のリザーバ53に試
料を注入しその溝54の両端のリザーバ53,53間に
電極を差し込んで所定時間だけ高電圧を印加する。これ
により、試料は溝54中に分散される。次に、長い方の
溝55の両端のリザーバ53,53に電極を差し込み、
泳動電圧を印加する。これにより、両溝54,55の交
差部分56に存在する試料が溝55内を電気泳動する。
溝55の適当な位置に紫外可視分光光度計、蛍光光度
計、電気化学検出器等の検出器を配置しておくことによ
り、分離成分の検出を行なう。
【0005】従来のマイクロチップ電気泳動装置で検出
部に光学的検出器を採用したものは、検出手段としてレ
ーザ蛍光検出が行なわれており、紫外可視領域での吸収
による検出を行なっているものはない。紫外可視吸収検
出を適応しようとすれば、汎用のキャピラリー電気泳動
装置と同様に、入射光を流路と垂直に入射させ、出射光
をフォトセルなどの検出手段を用いてその検出部のある
特定位置を通過する目的成分を検出することにより、分
離を確認する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】マイクロチップ電気泳
動の場合、特に光をチップの表面に対する垂直方向から
入射させた場合、光路長は10μm程度しか得られず、
汎用キャピラリー電気泳動と比べてもその1/5程度に
しかならない。また汎用キャピラリー電気泳動にしても
光路長は50μm程度と短かく、高分解能でありなが
ら、その感度の低さが大きな欠点となっている。光路長
を長くする目的でバブルセルなどに見られるようにセル
部分の流路を膨らませることも考えられるが、それでも
なお、十分な光路長を実現するのは難しい。そこで、本
発明はマイクロチップ電気泳動で検出感度を高めること
を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のマイクロチップ
電気泳動方法は、試料中の目的成分が分離を完了した段
階で泳動電圧の印加を停止し、分離流路で目的成分が分
離している所定の範囲にわたって光を照射し、その範囲
全体にわたって試料による吸収又は発光を繰り返して測
定し、その測定値を分離流路の各位置ごとに積算するよ
うにした。
【0008】本発明のマイクロチップ電気泳動装置は、
一対の透明板状部材を備え、少なくとも一方の板状部材
の表面に液が流れる溝が形成され、他方の板状部材には
その溝に対応する位置に貫通穴が設けられ、これら板状
部材が前記溝を内側にして貼り合わされてその溝により
分離流路を形成してなるマイクロチップと、分離流路の
両端間に泳動電圧を印加する泳動電源装置と、分離流路
の所定の範囲にわたって光を照射する照射手段と、分離
流路内で分離された目的成分による前記光の吸収または
発光を検出するための、分離流路にそって配列された複
数個の受光素子を有する光検出手段と、光検出手段によ
る測定を繰り返して行ない、その測定信号を受光素子ご
とに積算した後にデータ処理を行なうデータ処理・制御
部とを備えている。
【0009】データ処理・制御部は、試料の拡散係数及
びピークの劣化度をパラメータとして含んで分離流路で
の光照射による測定の繰返し回数を計算する計算式を備
えており、前記パラメータが入力されることにより測定
の繰返し回数を自動的に計算し、繰返し測定を制御する
ものであることが好ましい。
【0010】目的成分の分離が完了した後、分離流路に
かけられていた泳動電圧を取り除くと、分離された成分
には液体クロマトグラフィーのような慣性力は働かず、
自然拡散するだけで流路内に留まる。その状態で流路全
体に当てられた光による吸収または蛍光を光検出装置で
繰返し測定する。光検出装置の一つ一つの受光素子の位
置が流路の位置と対応しているので、流路各位置の光強
度を測定し、それを繰返し積算していく。測定中、流路
内の成分は自然拡散していくが、例えば後述のように、
ピークの形状が理論段数に換算して90%程度劣化する
までに約2.5秒間があり、その間に300回の積算を
行なうとすれば、S/N比は約17.3倍となる。
【0011】
【実施例】装置の一実施例を図2に示す。マイクロチッ
プ5は図1に示されたものである。その分離流路55の
一定範囲を光照射するために、分離流路55に沿って線
状に延びた光源1からの光がシリンドリカルレンズ2で
平行光にされてバンドパスフィルター3に入射し、バン
ドパスフィルター3を透過して所定の波長にされた光が
シリンドリカルレンズ4によりマイクロチップ5の分離
流路に集光されて入射する。マイクロチップ5の反対側
には分離流路を透過した光を集光するためにシリンドリ
カルレンズ6が設けられ、シリンドリカルレンズ6で集
光された光が光検出器のフォトセルアレイ7に入射して
検出される。シリンドリカルレンズ2,4,6、バンド
パスフィルター3及びフォトセルアレイ7は分離流路よ
りは短かいが、分離流路とほぼ同じ長さを有している。
フォトセルアレイ7は、検出素子として分離流路の長さ
方向の一直線上に配列された、例えば512個のフォト
ダイオードを備えている。
【0012】フォトセルアレイ7は図3のような回路構
成を有している。そのフォトセルアレイ7は、一直線上
で互い違いに並べられた奇数フォトダイオード11と偶
数フォトダイオード12を有しており、両フォトダイオ
ード11,12をあわせれば512個となる。さらに、
測定に用いられるフォトダイオード11,12と同一特
性を持つダミーフォトダイオード13が512個設けら
れている。各フォトダイオード11,12,13には、
MOS−FETからなるスイッチング素子14が接続さ
れている。各スイッチング素子14には奇数シフトレジ
スタ15又は偶数シフトレジスタ16が接続されてお
り、シフトレジスタ15,16からの信号によって各ス
イッチング素子14のオン、オフの切換えが行なわれる
ようになっている。
【0013】17は奇数シフトレジスタ15の動作信号
入力端子、18は偶数シフトレジスタ15の動作信号入
力端子、19は奇数側リセット信号入力端子、20は偶
数側リセット信号入力端子、21は奇数フォトダイオー
ド11からの出力用の出力端子、22は偶数フォトダイ
オード12からの出力用の出力端子、23及び24はダ
ミーフォトダイオードからの出力用の出力端子、Cはコ
ンデンサーである。
【0014】さらに、この電気泳動装置は図4に示す制
御部40を備えており、その制御部40によってこの電
気泳動装置が制御される。制御部40はCPU、RA
M、ROMなどを含むマイクロコンピュータから構成さ
れている。制御部40にはフォトセルアレイ7の入力端
子17〜20が接続されている。フォトセルアレイ7の
出力端子21〜24は、アンプ41及びA/D変換器4
2を介して制御部40に接続されている。制御部40に
はさらに操作者が指令を入力するためのキーや表示を行
なうためのCRTを備えた操作盤43と、測定結果をチ
ャート化するためのXYプリンター44と、電源34と
が接続されている。
【0015】この実施例で、光源1からの光は、シリン
ドリカルレンズ2により平行光となり、バンドパスフィ
ルタ3を通って特定波長のみの光となり、シリンドリカ
ルレンズ4によってマイクロチップ5上の分離流路へ集
光される。分離流路を通過した光はシリンドリカルレン
ズ6により再び平行光になり、フォトセルアレイ7へ照
射される。
【0016】この実施例の動作を図5に示す制御フロー
チャートにしたがって説明する。プログラムがスタート
すると、電源34をオフ状態としたり、プリンタ44を
初期位置にセットしたりするなどの初期設定が行なわれ
る(ステップS1)。操作盤43を介してサンプル注入
時間や電圧、泳動電圧などの分離パラメータの設定が操
作者により行なわれる(ステップS2)。泳動終了時間
(=積算開始時間)や積算時間などの測定パラメータの
設定が操作者により行なわれる(ステップS3)。そし
て、プログラムはスタート指令を待つ(ステップS
4)。
【0017】操作者は通常のマイクロチップ電気泳動と
同じように試料の注入を行ない、操作盤43のスタート
ボタンを押す。これによりプログラムに従って試料の電
気泳動分離が開始され、設定されたパラメータに基づい
てマイクロチップ5の分離流路の両端間に泳動電圧が印
加される(ステップS4,S5)。これにより、試料は
分離流路内を移動しつつ分離されていく。
【0018】設定された泳動時間が終了すると(ステッ
プS6)、目的成分が分離流路内で分離された状態とな
る。そのとき、図6(A)に示すように、目的成分a,
b,c,dの分離が行なわれているとする。キャピラリ
ー電気泳動(このマイクロチップ電気泳動も同じ)の特
徴として、電気泳動用にかけられていた高電圧を除く
と、キャピラリー中の成分は慣性力の影響もなく、その
場に留まる。したがって、成分a,b,c,dは自然拡
散を行なうだけである。ステップS3での設定に従って
測定を開始する(ステップS7)。このとき、フォトセ
ルアレイ7のフォトダイオード1つ1つが流路の各位置
に対応している。フォトセルアレイ7は、一例として、
512個のフォトダイオードが25μmピッチで並んで
おり、12.8mmの長さである。したがって、分離流
路の12.8mmの長さの範囲の光吸収像が25μmの
分解能で得られる。例えば、図6(A)のような分離の
様子が、図6(B)に見られるような紫外吸収像として
得られる。
【0019】制御部40によりフォトセルアレイ7のス
キャン(走査)が繰り返し行なわれ、積算されていくこ
とにより、図6(B)のS/N比はどんどん大きくなっ
ていく。(ステップS7,S8,S9)。積算が終了す
ると、測定結果がプリンターに出力され(ステップS1
0)、電源ランプがオフにされてプログラムが終了する
(ステップS11,S12)。
【0020】繰返し測定を行なう時間は、理論段数Nの
劣化度を1つの目安として決定することができる。電気
泳動を止めたときの理論段数Nは自然拡散により劣化し
ていくが、例えば10%の劣化で留めるならば、後述す
るように2.5秒間の繰返し時間があり、1スキャンを
8ミリ秒とすると約300回のスキャンを行なうことが
でき、S/N比は約17.3倍となる。また、さらなる
高速スキャン又は拡散係数の小さい成分を分析するとき
はS/N比はさらによくなる。
【0021】図6(C)は通常のキャピラリー電気泳動
で、特定の検出部の位置を通過した目的成分を検出して
得られたエレクトロフェログラムを示したものである。
本発明の図5(B)のものと比べて、S/N比が小さ
く、測定時間は長く、また泳動速度の遅い成分のピーク
幅が広くなっている。
【0022】ここで、泳動電圧の印加を止めた後、繰返
し測定が可能な回数について説明する。一般に、理論段
数Nはキャピラリー長L、ピークの標準偏差σにより N=(L/σ)2 (1) と表わされる。いま、仮りに、L=2cm、N=100
00とすると、 σ2=4/10000 =1/2500 である。泳動電圧の印加停止からt’秒後の理論段数
N’は、次のように示すことができる。 N'=L2/(σ2+σ'2) (2) σ'は泳動電圧の印加停止からt’秒後のピークの標準
偏差である。溶媒中の溶質の自然拡散は、拡散係数を
D、時間をtとして、 σ2=2Dt (3) と表わされるので、 N'=L2/(σ2+2Dt') (4) となる。よって、理論段数がN’に劣化するまでの時
間、すなわち、理論段数がN’に劣化するまでに繰返し
測定が可能な時間t'は、 t'=(L2/N'−σ2)/2D (5) となる。繰返し測定が可能な時間t'が求まれば、フォ
トセルアレイのスキャン1回に要する時間はわかってい
るので、スキャン回数が求まる。理論段数がある程度ま
で低下するまでの時間を実際に求めると表1のようにな
る。
【0023】
【表1】
【0024】キャピラリー電気泳動において泳動途中に
泳動電圧を取り除くと、溶媒中の溶質は自然拡散以外の
移動を起こさないことが知られている。印加電圧を取り
去った状態で分離流路に平行に紫外吸収測定をスキャン
した場合、スキャン回数に応じてS/N比の向上が期待
できる。フォトセルアレイ7としてフォトダイオードア
レイSPD−M10AVP(高速液体クロマトグラフ用
フォトダイオードアレイ検出器で、株式会社島津製作所
の製品)の場合、スキャンに要する時間は8ミリ秒であ
る。紫外吸収を有する溶質は分子量が100以上のもの
がほとんどであり、そのような溶質は少なくとも2.5
秒間は理論段数Nが90%以下には劣化しない。2.5
秒間に300回のスキャンを行なったとして、300回
のスキャンによる測定を積算したときのノイズn'は、
1回のスキャンによる測定のノイズnに対し、 n'=n/(300)1/2 ≒n/17.3 となる。よって、約17.3倍のS/N比の向上が期待
できる。
【0025】(5)式で、パラメータに数値を代入して
繰返し可能時間を求めるとスキャン回数を決定すること
ができる。しかし、この計算は煩雑であり、測定前に操
作者が手計算にて行なうには多くの時間を要し、また計
算間違いによる誤った操作を導きかねない。そこで、好
ましい例として、(5)式をコンピュータである制御部
40に記憶させておき、この計算を制御部40に必要な
パラメータを入力するだけで自動的に行なうようにす
る。このときの動作を図7の制御フローチャートにした
がつて説明する。
【0026】プログラムがスタートすると、電源34を
オフ状態としたり、プリンタ44を初期位置にセットし
たりするなどの初期設定が行なわれる(ステップS
1)。操作盤43を介してサンプル注入時間や電圧、泳
動電圧などの分離パラメータの設定が操作者により行な
われる(ステップS2)。次に、スキャン回数を決定す
るためのパラメータ、すなわち拡散係数D、キャピラリ
ー長L、繰返し測定を行なうことによる待ち時間のため
に起こる理論段数の許容劣化度(N'に対応する)の入
力が操作者により行なわれる(ステップS3)。そし
て、プログラムはスタート指令を待つ(ステップS
4)。
【0027】操作者は通常のマイクロチップ電気泳動と
同じように試料の注入を行ない、操作盤43のスタート
ボタンを押す。これによりプログラムに従って試料の電
気泳動分離が開始され、設定されたパラメータに基づい
てマイクロチップ5の分離流路の両端間に泳動電圧が印
加される(ステップS4,S5)。これにより、試料は
分離流路内を移動しつつ分離されていく。設定された泳
動時間が終了すると(ステップS6)、目的成分が分離
流路内で分離された状態となる。フォトセルアレイ7で
の測定では、まず1回目のスキャンが行なわれた後(ス
テップS7)、その測定結果に基づいてサンプルピーク
の標準偏差σが求められ、(5)式からスキャン回数が
計算される(ステップS8)。そして、その計算された
スキャン回数だけフォトセルアレイ7のスキャンが繰り
返し行なわれ、積算されていく(ステップS9)。積算
が終了すると、測定結果がプリンターに出力され(ステ
ップS10)、電源ランプがオフにされてプログラムが
終了する(ステップS11,S12)。
【0028】(5)式は、(1)式の関係から、 t'=L2(1/N'−1/N)/2D (5a) と変形することができる。ステップS8でのスキャン回
数の計算では、1回目のスキャンの測定結果に基づいて
サンプルピークの理論段数Nを求めてスキャン回数を計
算するようにしてもよい。
【0029】1回目の測定による理論段数Nの大小によ
り理論段数許容劣化度を予め決めおき、分離流路の長さ
Lが決まっているとすれば、測定者が入力するパラメー
タは拡散係数Dだけとなる。さらには、測定対象試料と
溶媒が決定していれば拡散係数Dも決まるので、測定者
がパラメータを入力しなくてもはスキャン回数を自動的
に計算することができる。他の実施例として、測定部の
光照射手段と光検出手段がマイクロチップの分離流路に
沿って移動可能に支持したり、又は光照射手段と光検出
手段に対してマイクロチップが移動可能に支持すること
により、測定のスキャンを繰り返すことができる。例え
ば、DNAなどの巨大分子を泳動させた場合や、バッフ
ァ液としてゲル状のものを用いた場合には、サンプルの
拡散(自然拡散)はほとんど起こらないと考えることが
できるので、高速スキャンでなくても積算することがで
きる。
【0030】
【発明の効果】従来のように分離流路の一部に検出器を
備えてその位置を通過する目的成分を検出する方法であ
れば、分離を完了して最後の目的成分がその位置を通過
するまで分析終了とならなかったが、本発明では最後の
目的成分が分離を完了した時点で測定を実行でき、測定
時間が短縮される。測定を繰り返し、測定値を積算する
ことによってS/N比を向上させることができ、検出感
度が向上する。従来の検出方法であれば、泳動速度の遅
い成分ほどエレクトロフェログラムのピーク幅が広くな
るが、本発明ではどの目的成分でも泳動時間が同じであ
るため、ピーク幅の揃った美しいエレクトロフェログラ
ムを得ることができる。また、繰返し測定を行なう回数
を自動的に計算させるようにすることにより、煩雑な計
算を測定者が手計算にて行なう必要がなくなり、計算間
違いによる誤った操作もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロチップを示す図であり、(A)と
(B)はマイクロチップを構成する透明板状部材を示す
平面図、(C)はマイクロチップの正面図である。
【図2】一実施例を示す概略斜視図である。
【図3】同実施例におけるフォトセルアレイを示す回路
図である。
【図4】同実施例における制御系を示すブロック図であ
る。
【図5】一実施例の動作を示すフローチャート図であ
る。
【図6】一実施例と従来例の動作を示す図であり、
(A)は実施例で分離を停止した状態を示す概略平面
図、(B)は実施例のクロマトグラムを示す波形図、
(C)は従来例のエレクトロフェログラムを示す波形図
である。
【図7】他の実施例の動作を示すフローチャート図であ
る。
【符号の説明】
1 光源 5 マイクロチップ 7 フォトセルアレイ 51,52 透明基板 53 リザーバ 54,55 泳動用キャピラリー溝
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−233778(JP,A) 特開 平8−327593(JP,A) 特開 平9−269315(JP,A) 特開 平9−304338(JP,A) 特開 平9−210960(JP,A) 特開 平4−25759(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/447 ECLA

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の透明板状部材を備え、少なくとも
    一方の板状部材の表面に液が流れる溝が形成され、他方
    の板状部材にはその溝に対応する位置に貫通穴が設けら
    れ、これら板状部材が前記溝を内側にして貼り合わされ
    てその溝により分離流路を形成してなるマイクロチップ
    を用い、分離流路に泳動液を満たし、その一端側に試料
    を注入し、分離流路の両端間に泳動電圧を印加して試料
    を分離流路で電気泳動させる方法において、 試料中の目的成分が分離を完了した段階で泳動電圧の印
    加を停止し、 分離流路で目的成分が分離している所定の範囲にわたっ
    て光を照射し、その範囲全体にわたって試料による吸収
    又は発光を繰り返して測定し、その測定値を分離流路の
    各位置ごとに積算することを特徴とするマイクロチップ
    電気泳動方法。
  2. 【請求項2】 一対の透明板状部材を備え、少なくとも
    一方の板状部材の表面に液が流れる溝が形成され、他方
    の板状部材にはその溝に対応する位置に貫通穴が設けら
    れ、これら板状部材が前記溝を内側にして貼り合わされ
    てその溝により分離流路を形成してなるマイクロチップ
    と、 分離流路の両端間に泳動電圧を印加する泳動電源装置
    と、 分離流路の所定の範囲にわたって光を照射する照射手段
    と、 分離流路内で分離された目的成分による前記光の吸収ま
    たは発光を検出するための、分離流路にそって配列され
    た複数個の受光素子を有する光検出手段と、 前記光検出手段による測定を繰り返して行ない、その測
    定信号を受光素子ごとに積算した後にデータ処理を行な
    うデータ処理・制御部と、を備えたことを特徴とするマ
    イクロチップ電気泳動装置。
  3. 【請求項3】 データ処理・制御部は、試料の拡散係数
    及びピークの劣化度をパラメータとして含んで分離流路
    での光照射による測定の繰返し回数を計算する計算式を
    備えており、前記パラメータが入力されることにより測
    定の繰返し回数を自動的に計算し、繰返し測定を制御す
    るものである請求項2に記載のマイクロチップ電気泳動
    装置。
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