JP3077381U - 医療用開創器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】単一の開創器で様々な症例に対応する。切開創
に対しまた体表面に対しフィットし、侵襲が少なく、術
者の妨げとならず、よい視野を確保できる開創器を提供
する。 【解決手段】ブレードを着脱式とした。ブレードとアー
ムの角度を可変式、又はブレードを回転式とした。アー
ム上に複数のブレードを設置できる構造とした。アーム
に関節を設けた。回転ハンドルを取り外し式とし、リバ
ーシブルでの使用を可能とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は外科手術で用いる器具であり、切開創を開き手術視野を確保ための医 療用開創器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の医療用開創器は一つのブレードがアームに固定式であり、アームには関 節がなく、リバーシブルには使用できない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ブレードが固定式であると切開創の深さ、幅、開きたい位置が限定され、目的 又は患者の体型ごとの開創器を複数用意する必要がある。

【０００４】 また切開創は通常直線で切り、その線を左右に開くので両側に弧を描いた形で 開かれる。ブレードが固定式であるとこの弧状の形にフィットしない。

【０００５】 ブレードがアームに一つしか付いていない場合、切開創への圧迫力が集中する 。

【０００６】 人体表面はどの部分であっても通常曲面を呈している。従って切開線に平行す るアームが直線状であるとレール及びハンドル部分が体表面から浮いてしまい、 術者及び介助者の動作の妨げとなる。

【０００７】 レール部分は切開創と垂直に交わるため、しばしば視野を妨げ、或いは術者の 動作の妨げとなる。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記の問題点を解決するために、本考案はブレードとアームの接続部分にプラ ンジャー等の小型バネを使用し、ブレードの着脱を可能とした。

【０００９】 またブレードとアームとの角度が可変式となるか、或いはブレードが回転式と なるようなジョイントを備えた。

【００１０】 またアーム上に複数のブレードを設置できるような構造を持つこととした。

【００１１】 アームの途中に関節を設け、アームの折り曲げを可能とした。

【００１２】 可動側アームのレール側に設けられている回転ハンドルを取り外し式とし、回 転ハンドル受けが表裏両面に備えられており、リバーシブルで使用が可能な構造 とした。

【００１３】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。図１は請求項１、２、 及び３に係る開創器を例示している。ブレード１のアーム２ａ、２ｂへの接続部 分は直方体ボックス状の形状となっており、ブレード側が凹、アーム側が凸形状 となっている。プランジャー７は半球面の先端を持った埋没式の小型バネであり 、これをアーム側に仕込み半球面の先端がブレードとの接触面に突出するように する。ブレード側はそれを受ける穴８が直方体ボックス内に施してある。この構 造によりアームとブレードの着脱が可能となる。ブレードは幅、深さ等が各サイ ズ用意されている。またブレードにはアームとの角度が可変式となるようジョイ ント９が備えられている。この図の場合、１８０度上方向にも回転するので請求 項３に係るリバーシブルでの使用に対応する。またアームの途中には関節６を設 け、アームの折り曲げを可能としている。上下に折れ曲がるので同様に請求項３ に係るリバーシブルでの使用に対応する。上下３０度までの折れ曲げ制限を施し ているので過度に折れ曲がり、取り扱いに支障をきたすことはない。可動側アー ムのレール３側に設けられている回転ハンドル４は蝶ネジ型であり、内側は六角 溝が施してあり、取り外し式である。回転ハンドル受け５は六角柱形状で表裏両 面に突出しており、リバーシブルで使用が可能な構造となっている。

【００１４】 図２は請求項１及び２に係るアーム上に複数のブレードを設置できるような構 造を持つ開創器を示している。術者は患者の状態、開創する位置等を考慮しブレ ードの設置位置を決めることができる。アームの関節は２箇所に施してある。ブ レードは開き始めは切開線に平行して直線状であり、徐々に開いていくに従い弧 状の切開線に対応して同様の弧状を呈するよう回転する構造となっている。プラ ンジャーはアーム下部、ブレード上部に設置してある。

【００１４】

【考案の効果】

上述のように本考案により、ブレードの着脱が可能となり目的別、患者別の複 数の開創器を準備する必要がない。医療費削減、医療機関の経営状況悪化の環境 下では器具に余計な経費はかけられない。

【００１５】 ブレードが回転、或いはアームに対して角度が可変式になると切開創の形状に フィットし、患者への負担が軽減する。またブレードが複数である場合も圧迫力 が分散し、侵襲が少ない。

【００１６】 アームに関節が付いていると開創器全体が体表面に沿うように位置し、術者及び 介助者の動作の妨げとならない。

【００１７】 開創器が反転可能なリバーシブルであると、切開創と直交するレール部分が視野 を妨げる時、反転させ良好な視野を確保できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】開創器の外観図である。

【図２】開創器の外観図である。

【符号の説明】

１ブレード ２ａ可動側アーム ２ｂ固定側アーム ３レール ４回転ハンドル ５回転ハンドル受け ６関節 ７プランジャー ８穴 ９ジョイント

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外科手術で用いる切開創を開くための器具
   であり、創部を開く部分であるブレード、ブレードを固
   定するための固定側アーム及びスライドする可動側アー
   ム、固定側アームと直角に接続し可動側アームがその上
   をスライドするレール、及び可動側アームをレール上で
   スライドさせるための回転ハンドルの各部品から構成さ
   れ、プランジャー等の小型バネを使用することによりア
   ームに固定され、ブレードがアームからの着脱が可能と
   なっており、ブレードとアームとの角度が可変式となる
   か、或いはブレードが回転式となるようなジョイントを
   備え、またアーム上に複数のブレードを設置できるよう
   な構造を持つことを特徴とする医療用開創器。
2. 【請求項２】上記医療用開創器の内、固定側アームと可
   動側アームの途中に関節があり、各アームの折り曲げを
   可能とした構造を持つことを特徴とする請求項１記載の
   医療用開創器。
3. 【請求項３】上記医療用開創器の内、可動側アームのレ
   ール側に設けられている回転ハンドルが取り外し式であ
   り、回転ハンドル受けが表裏両面に備えられており、リ
   バーシブルで使用が可能な構造を持つことを特徴とする
   請求項１及び２記載の医療用開創器。