JP3075094B2 - 電極水冷型放電灯 - Google Patents
電極水冷型放電灯Info
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Description
源、あるいはソーラーシミュレーター用光源などに使用
される電極水冷型放電灯に関し、特にその陽極に関する
ものである。
のがあり、特に高性能のものは電極胴体部を電気伝導
度、熱伝導度の良い銅やニッケルで構成し、電極先端部
のみ高融点金属であるタングステンあるいはトリエーテ
ッドタングステンのディスクを金属ろうで接合したもの
がある。例えば、実公昭56−25174は、ニッケル
あるいは銅からなる陰極胴体部と、これにコンスタンタ
ン等の金属ろうにより接合されたトリエーテッドタング
ステンの陰極先端部とで構成された電極水冷型高圧放電
灯の陰極に関する技術開示である。同様に、陽極に関し
ても、陽極胴体部を銅で構成し、ニッケルろう等の金属
ろう層を介して陽極先端部にタングステンが接合されて
いるものが現在用いられている。
示す説明図であって、1は発光管、2a,2bは口金、
3a,3bは冷却水給水管、4a,4bは冷却水排水
管、5は水冷型陽極、6は水冷型陰極である。図2は上
記電極水冷型放電灯における従来の水冷型陽極構造を示
す一部切欠断面図であり、7はタングステンで構成され
る陽極先端部、8は銅で構成される陽極胴体部、9は陽
極先端部7と陽極胴体部8とを接合するためのニッケル
ろう層、10は陽極内部に冷却水を導く冷却水導入管で
ある。図中の矢印は陽極内部における冷却水の流れを示
し、陽極胴体部8と冷却水導入管10は同軸的に配置さ
れており、図1の冷却水給水管3aにより供給された冷
却水は冷却水導入管10により陽極先端内面11まで導
かれ、ここで銅とニッケルろう層9を介して、陽極先端
部7のタングステンの熱を奪って、陽極胴体部8と冷却
水導入管10の隙間14を流れて図1の冷却水排水管3
bへと導かれる。
冷型陽極には次の様な欠点があった。 (1)一般に、熱的負荷の大きい放電灯の陽極は、陰極
に比べて高温になるため、発光管の黒化の原因となる付
着物は主に陽極からのタングステンの蒸発によるもので
ある。電極水冷型放電灯においても、陽極先端部7のタ
ングステンの温度が発光管の黒化に大きく影響を及ぼす
が、従来の水冷型陽極のニッケル層9は、銅で構成され
た陽極胴体部8よりも熱伝導が悪く、陽極先端部7のタ
ングステンの冷却を妨げている。このため、陽極先端部
7のタングステンが高温になり、タングステンの蒸発が
促進されて、発光管の黒化による光出力の減衰が早いと
いう欠点があった。 (2)陽極先端部7のタングステンに亀裂が生じ、局所
的にその部分の温度が上昇し、タングステンが蒸発して
発光管が黒化し、光出力の減衰が早くなるという欠点が
あった。 (3)陽極先端部内面11から電池作用によって腐食が
進み、銅及びその先のタングステンにピンホール状の穴
が貫通する。これにより発光管1内への冷却水の侵入、
キセノンガスのリークなどの事故を起こすという欠点が
あった。本発明は、上記欠点を除くためになされたもの
である。
れば次のとおりである。 (1)陽極胴体部銅に、先端部に直接接合したタングス
テンを具えるとともに、陽極胴体部先端の内面に絶縁被
膜が設けられている。 (2)タングステンの外径は、陽極胴体部の外径Dと略
同等で、その厚みLが0.2≦L/D≦0.5である。 (3)絶縁被膜が酸化第一銅もしくは二酸化珪素であ
る。本発明は、以上の構成よりなる電極を備えた電極水
冷型放電灯である。
層を介さず陽極先端部タングステンが冷却できるので、
タングステンの蒸発による発光管の黒化が少ない。ま
た、絶縁被膜により、冷却水に接する陽極先端部内面と
冷却水との間に電位差が生じないので、電池作用による
銅の腐食が起こらない。 (2)タングステンの厚さを規定することにより、タン
グステン内部の温度勾配と温度が制御されているためタ
ングステンの亀裂が発生しない。また、タングステンの
蒸発が少ない。
明による電極水冷型キセノンショートアーク放電灯の実
施例の外観構成は図1に示したものと変わらない。陽極
5と陰極6との放電ギャップdは8mmであり、口金2
a,2b内部にて気密封止されて、発光管内部には室温
(25℃)で4400hPaのキセノンガスが充填され
ている。前記構造の電極水冷型キセノンショートアーク
放電灯は動作電流400A、動作電圧37V、消費電力
15kWで動作させて、その発光をプロジェクター用光
源として利用すると好適である。
を取り出して示す。陽極胴部8は銅製で外径Dが25m
mのものを用い、その先端部には略外径の等しいタング
ステン7を直接接合し、台形状に加工したものを用い
る。12はその接合面を示す。この直接接合は、真空中
の鋳造プロセスによって得られるもので、接合面積はほ
ぼ100%である。タングステンと銅の接合に、銅に比
べて熱伝導率の悪いニッケルろう層を介在させていない
ので従来のニッケルろうを用いたものに比べて陽極先端
部のタングステンを効率よく冷却できる。このため、タ
ングステンの温度を低くすることができ、蒸発を少なく
することができて、タングステンの付着による発光管の
黒化が少なくできる。
ートアーク放電灯と、陽極以外の条件は同じで陽極にの
み従来のニッケルろう層を使った従来放電灯とについて
水平光度維持率を比較して図4に示す。水平光度維持率
とは、使用開始時の水平光度(放電の方向に対して垂直
な方向における光度)の値を100%として各時間毎に
水平光度を測定し、初期の値に対する比を求めたもので
ある。図4は、使用開始1000時間後で、本実施例が
従来例に比べ水平光度維持率が9%改善されていること
を示している。
放電灯の課題として陽極先端部タングステン亀裂、陽極
先端内面の腐食という問題がある。これらの問題を解決
するために種々の検討を重ねた結果、タングステンの亀
裂はタングステン自身の温度勾配によって生ずる熱応力
によるものであることが分かった。また、腐食は陽極内
部と冷却水との間の電位差による局所的な電池作用によ
る銅イオンの流出によるものであることが分かった。
の陽極胴体部8に直径D=25mmのタングステンで厚
さLを変えて、タングステン内部の温度勾配が異なる様
にした。以下の5種類のサンプルを用意する。 L1 =2.5mm L1 /D=0.1 L2 =5mm L2 /D=0.2 L3 =10mm L3 /D=0.4 L4 =12.5mm L4 /D=0.5 L5 =15mm L5 /D=0.6 各々のサンプルで水冷型陽極を構成し、5種類の電極水
冷型キセノンショートアーク放電灯を形成する。また、
すべてのサンプルについて、陽極先端内面には二酸化珪
素を主成分とした絶縁被膜13を設ける。この時上記陽
極以外の放電灯の設計仕様は全く同じにする。
して陽極先端の亀裂の発生状況、陽極先端部内面の腐食
有無について観察した結果を図6の表に示す。またこの
実施例と従来例との水平光度維持率の比較を図7に示
す。図6の表が示す様にL1 =2.5mm L1 /D=
0.1のサンプルのみに亀裂が生じ、それ以外のものは
亀裂が発生していない。この理由はタングステンの厚さ
Lが大きくなるにしたがいタングステン内部の温度勾配
が緩やかになり、温度勾配によって生ずる熱応力が減少
するためである。また、すべてのサンプルについて陽極
先端内面に腐食は認められなかった。この理由は、陽極
先端内面に施した絶縁被膜13により、冷却水に接する
陽極先端内面と冷却水との間に電位差が生じないためで
ある。他方、図7に示すL5 =15mm,L5 /D=
0.6の水平光度維持率は1000時間点灯後には初期
70%以下に低下している。この理由は、タングステン
をL5 =15mm,L5 /D=0.6程度に大きくする
とタングステン先端部の温度が上昇し、タングステンの
蒸発が促進されてバルブの黒化が早くなるためである。
絶縁被膜を形成し、陽極先端部のタングステンの厚みL
は、陽極胴体部の直径Dに次の関係を成立させることが
好ましい。 0.2≦(L/D)≦0.5
ば、発光管の黒化による光出力の低下が少なく、かつ、
陽極先端部のタングステンの亀裂、陽極先端内面の腐食
などによる事故の少ない長寿命な電極水冷型放電灯を提
供することができる。
る。
構造の一部切欠断面図である。
極の実施例を説明する一部切欠断面図である。
したデータの説明図である。
極の他の実施例を説明する一部切欠断面図である。
るデータの表である。
したデータの説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 電極内部水冷型の陽極を具えた放電灯に
おいて、前記陽極は胴体部を銅で構成し、先端に銅に直
接接合したタングステンを具えてなるとともに、 前記陽極胴体先端部の内面に絶縁被膜が設けられている
ことを特徴とする電極水冷型放電灯。 - 【請求項2】 陽極先端部に直接接合されたタングステ
ンが、その外径は前記陽極胴体部の外径Dと略同等で、
その厚みLが、0.2≦L/D≦0.5に規定されてな
ることを特徴とする請求項1に記載の電極水冷型放電
灯。 - 【請求項3】 絶縁被膜が酸化第一銅、もしくは二酸化
珪素であることを特徴とする請求項1または2に記載の
電極水冷型放電灯。
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