JP3072729B2 - カラーマッチング方法、カラーマッチング装置並びにプログラムを記録した機械読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
カラーマッチング方法、カラーマッチング装置並びにプログラムを記録した機械読み取り可能な記録媒体Info
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Description
カラーモニタ、カラープリンタなどの異なるカラー画像
機器間におけるカラー画像の色再現技術に関し、特に、
基準白色が異なる表色系間での色の見えを一致させなが
ら、元の色空間の任意の色を目的の色空間の色へ変換す
る際に必要となる、人間の視覚の色順応状態に応じたカ
ラーマッチング方法及び装置に関する。
ィスプレイ装置に表示されたカラー画像を、カラープリ
ンタに出力する場合、色の再現がよく問題として挙げら
れる。一般に、多くのディスプレイ装置に標準設定され
ている基準白色は、相関色温度が約9000Kに設定さ
れおり、一方、プリンタは、印刷の色評価用の標準光源
であるD50(相関色温度5003K)で照明したとき
の色が評価される。つまり、ディスプレイ−プリンタ間
の色再現には、基準白色が9000Kに設定されたディ
スプレイ上に表示される色と、5000Kの標準光源で
照らされたプリンタ出力の色を比較する必要があるが、
白色のみに限ってみても、相関色温度が9000Kの白
色と、相関色温度が5000Kの白色では、我々人間が
知覚する色の見えは異なる。
は、まず2台のディスプレイを用意して、一方を相関色
温度9000Kの基準白色に設定し、もう一方を相関色
温度5000Kの基準白色に設定する。そして、両方の
ディスプレイにそれぞれの白色を表示して比較すると、
その色の見えの違いが簡単に分かる。ユーザーの目が、
相関色温度9000Kの基準白色のディスプレイに完全
に色順応している状態で色温度5000Kの基準白色の
ディスプレイに表示されている白色を見ると、それは白
色とは程遠い、いわゆる『きな粉色』として感覚され
る。また、その逆も同様で、目が相関色温度5000K
の基準白色に完全に順応している場合には、相関色温度
9000Kの基準白色は、青白く見えることになる。
において、両眼隔壁の状態、すなわち、右目は9000
Kのディスプレイを、左目は5000Kのディスプレイ
をそれぞれ観察し続けると、徐々にそれぞれの色順応が
進み、両者の白色の色の見えが近づいてくる。つまり、
人間の色順応状態により、両者の白色の見えが異なるこ
とから、異なる基準白色を持ったカラー画像機器間で色
一致させるためには、人間の色順応を考慮した色変換が
不可欠であることが分かる。
て、von Kriesモデルが有名である。この変換
方法は、図10に示すように、照明が変化すると人間の
視覚におけるRGB分光感度が、形を変えずに感度バラ
ンスを白色が一致するように変化することによって色順
応を行うというものである。照明1のRGB値を(R
0,G0,B0)、照明1下の物体のRGB値を(R,
G,B)とし、照明2のRGB値を(R0’,G0’,
B0’)、同一物体の照明2下のRGB値を(R’,
G’,B’)とすると、物体色の視覚系の三色感覚量
は、R/R0、G/G0、B/B0、R’/R0’、
G’/G0’、B’/B0’となる。照明1および照明
2の下で、その物体の色の見えが一致するためには、以
下のように上記の三色感覚量が一致すればよい。
変換で得られる。
R0’、G0’、B0’は、図11に示された照明1お
よび照明2の三刺激値(X0,Y0,Z0)、(X
0’,Y0’,Z0’)を式(3)に代入することによ
って得られる。
Mには、Pittの行列や、Estevezの行列など
が用いられる。
り、以下に示すvon Kriesの色順応予測式が得
られる。
ース中のオリジナル側の入力色の三刺激値(X,Y,
Z)の再現側における対応色は、von Kriesの
色順応予測式(4)から計算できる。
デルが成立する線形過程と、べき指数が順応レベルによ
って変化する非線形過程を組み合わせた色順応モデルを
提案し、1986年にCIEにより色順応予測式として
勧告されている。この色順応予測式について説明する。
色の三刺激値XYZをEstevezの行列を利用して
次式(6)により基礎刺激RGBに変換する。
の基礎刺激R’G’B’を計算する。
(6)の逆変換(次式(8))を行い、対応色の三刺激
値X’Y’Z’を計算する。
ジナル側および再現側の周辺の反射率であり、0.2≦
ρ0、ρ0’≦1.0である。また、ξ、η、ζは以下
の式の通りである。
ξ’、η’、ζ’は、x、yに照明2の色度を用いて同
様に計算する。
ある。
式に、1990年、1994年と改良を施し、1995
年に、文献(Y.Nayatani:“Lightness Dependency of C
hroma Scales of a Nonlinear Color−Appearance Mode
l and its Latest Formulation”, Color Res. Appl.,
Vol.20, No.3, pp.156−167, 1995)において、カラー
アピアランスモデル(以下「Nayataniモデル」と呼ぶ)
を完成させた。さらに、人間の不完全色順応状態を考慮
する補正方法が、1996年と1997年に追加されている。
としてRLABを提案している。本モデルの計算方法を
説明する。まず、オリジナル側の三刺激値XYZから基
礎刺激LMSを以下の式(13)で求める。
る。計算方法は以下の通りである。
(24)によって、参照観察条件下の対応刺激値Xre
f、Yref、Zrefに変換される。
(cd/m2)であり、Ln、Mn、Snは、照明の基
礎刺激値である。式(15)から式(17)中の定数D
は、ハードコピー画像に対しては1.0、モニター表示
に対しては0.0、スライドについては中間値を設定す
る。式(24)中の定数行列Rは以下の通りである。
Zrefを利用して、RLAB値を計算する。
取る。
3。 ・ほの暗い周辺環境のときσ=1/2.9。 ・暗周辺のときσ=1/3.5。
おける入力色に対応するRLAB値から式(26)〜式
(28)の逆計算を行い、照明2における参照三刺激値
Xref’Yref’Zref’を計算する。
9)の右辺に代入することにより、照明2における対応
色X’Y’Z’が計算できる。ただし、式(29)の行
列Aは、照明2に対して計算されたものを利用する。
て、HuntによるHuntモデル、LuoによるLL
AB、CIEが1997年秋に勧告したCIECAM9
7sが、有力なモデルとしてとり挙げらており、クロス
メディア間のカラーアピアランスモデルの評価が行われ
ている。
タ間のように、基準白色の異なるカラー画像機機間にお
けるカラー画像の色の一致については、人間の色順応と
いう視覚機能が複雑に絡んだ色の見えの問題がある。
ンスモデルは、人間の色知覚における様々なカラーアピ
アランス現象を複雑な計算式によってモデル化してい
る。特に、HuntモデルやNayataniモデル
は、あらゆるカラーアピアランス現象を表現するために
非常に複雑な計算を必要とする。しかし、これらのモデ
ルで考慮されている全てのアピアランス現象が、コンピ
ュータシステム上のカラーマネージメントの実用場面に
おいて本当に必要な要素なのか疑問が残る。つまり、全
てのカラーアピアランス現象を考慮すると、計算に必要
な計算コストもそれだけ多くなってしまうため実用的で
はない。
ルでの分光感度を、形を変えないで比率を変化させるv
on Kriesの色順応モデルは、計算に必要なパラ
メータが少ないだけでなく計算コストも低いため、コン
ピュータシステム上のカラーマネージメント機能に適し
ている。しかし、基準白色が大きく異なるディスプレイ
−プリンタ間の色の見えの問題に関して、von Kr
iesモデルでは、満足の得られるカラーアピアランス
を得ることはできない。
像機器間で、カラー画像のカラーマッチングには、カラ
ー画像の色の見えが実際に一致し、かつ、計算コストの
低いモデルが望まれる。
創案されたものであって、その目的は、人間の視覚の色
順応状態を考慮し、少ない計算量で基準白色が大きく異
なるカラー画像機器間においてカラー画像の色の見えを
一致させるカラーマッチング方法及び装置を提供するこ
とにある。
明のカラーマッチング方法は、上記目的を達成するた
め、元色空間中の任意の色を目的色空間の色へ、色の見
えを保ちながら変換するカラーマッチング方法であっ
て、前記元色空間の基準白色である元基準白色の相関色
温度から元色空間の分光分布特性を復元すると共に、前
記目的色空間の基準白色である目的基準白色の相関色温
度から目的色空間の分光分布特性を復元するステップ
と、前記元基準白色の表面反射率として、元基準白色の
三刺激値と前記元色空間の分光分布特性と人間の等色関
数とから第1の白色表面反射率を復元すると共に、元基
準白色の三刺激値と前記目的色空間の分光分布特性と人
間の等色関数とから第2の白色表面反射率を復元するス
テップと、前記第1の白色表面反射率と前記第2の白色
表面反射率との内挿から順応白色表面反射率を得るステ
ップと、前記第1の白色表面反射率と前記順応白色表面
反射率との比率を計算し、分光色順応比率を得るステッ
プと、前記元色空間における任意の色の表面反射率を、
前記任意の色の三刺激値と前記元色空間の分光分布特性
と人間の等色関数とを利用して復元するステップと、前
記任意の色の表面反射率に、前記分光色順応比率を掛け
て、前記任意の色の順応表面反射率を得るステップと、
前記任意の色の順応表面反射率と前記目的色空間の分光
分布特性と人間の等色関数とから前記目的色空間におけ
る色の三刺激値を求めるステップとを含むことを特徴と
する。
前記第1の白色表面反射率と前記第2の白色表面反射率
との内挿から前記順応白色表面反射率を得るステップに
おいて、人間の色視覚における不完全色順応状態に応じ
て不完全色順応係数を変化させることによって、前記第
1の白色表面反射率と前記第2の白色表面反射率との内
挿の度合いを自由に変化させて前記順応白色表面反射率
を得ることを特徴とする。
は、前記元色空間の基準白色と、前記目的色空間の基準
白色の組み合わせから最適な不完全色順応係数を計算す
る最適不完全色順応係数算出ステップを含み、前記最適
不完全色順応係数算出ステップから得られた前記不完全
順応係数を利用することを特徴とする。
ー画像機器における任意の色を目的カラー画像機器の色
へ、色の見えを保ちながら変換するカラーマッチング装
置であって、前記元カラー画像機器の基準白色である元
基準白色の相関色温度から元色空間の分光分布特性を復
元すると共に、前記目的カラー画像機器の基準白色であ
る目的基準白色の相関色温度から目的色空間の分光分布
特性を復元する手段と、前記元基準白色の表面反射率と
して、元基準白色の三刺激値と前記元色空間の分光分布
特性と人間の等色関数とから第1の白色表面反射率を復
元すると共に、元基準白色の三刺激値と前記目的色空間
の分光分布特性と人間の等色関数とから第2の白色表面
反射率を復元する手段と、前記第1の白色表面反射率と
前記第2の白色表面反射率との内挿から順応白色表面反
射率を得る手段と、前記第1の白色表面反射率と、前記
順応白色表面反射率との比率を計算し、分光色順応比率
を得る手段と、前記元カラー画像機器における任意の色
の表面反射率を、前記任意の色の三刺激値と前記元色空
間の分光分布特性と人間の等色関数とを利用して復元す
る手段と、前記任意の色の表面反射率に、前記分光色順
応比率を掛けて、前記任意の色の順応表面反射率を得る
手段と、前記任意の色の順応表面反射率と前記目的色空
間の分光分布特性と人間の等色関数とから前記目的カラ
ー画像機器における色の三刺激値を求める手段と、前記
目的カラー画像機器における色の三刺激値を前記目的カ
ラー画像機器のデバイス色データに変換する手段を含む
ことを特徴とする。
は、前記第1の白色表面反射率と前記第2の白色表面反
射率との内挿から前記順応白色表面反射率を得る手段に
おいて、人間の色視覚における不完全色順応状態に応じ
て不完全色順応係数を変化させることによって、前記第
1の白色表面反射率と前記第2の白色表面反射率との内
挿の度合いを自由に変化させて前記順応白色表面反射率
を得ることを特徴とする。
前記元カラー画像機器の基準白色と、前記目的カラー画
像機器の基準白色の組み合わせから最適な不完全色順応
係数を計算する最適不完全色順応係数算出手段を含み、
前記最適不完全色順応係数算出手段から得られた前記不
完全順応係数を利用することを特徴とする。
は、カラー画像機器の基準白色の色度から基準白色の相
関色温度を計算する手段を含むことを特徴とする
する。本発明のカラーマッチング装置は、その好ましい
実施の形態において、元カラー画像機器(図1の20
1)の基準白色である元基準白色の相関色温度(図1の
1)から元色空間の分光分布特性(図1の3)を復元す
ると共に、目的カラー画像機器(図1の202)の基準
白色である目的基準白色の相関色温度(図1の2)から
目的色空間の分光分布特性(図1の4)を復元する仮想
分光分布特性計算手段(図1の100)と、元基準白色
の表面反射率として、元基準白色の三刺激値(図1の1
0)と元色空間の分光分布特性(図1の3)と人間の等
色関数とから第1の白色表面反射率(図2の11)を復
元すると共に、元基準白色の三刺激値(図1の10)と
目的色空間の分光分布特性(図1の4)と人間の等色関
数とから第2の白色表面反射率(図2の12)を復元す
る仮想表面反射率計算手段(図2の101′)と、第1
の白色表面反射率と第2の白色表面反射率との内挿から
順応白色表面反射率(図2の14)を得る完全白色不完
全順応計算手段(図2の107)と、第1の白色表面反
射率と、順応白色表面反射率との比率を計算し、分光色
順応比率(図1、図2の7)を得る比率計算手段(図2
の108)と、元カラー画像機器における任意の色の表
面反射率(図1の6)を該任意の色の三刺激値(図1の
5)と元色空間の分光分布特性(図1の3)と人間の等
色関数とを利用して復元する仮想表面反射手段(図1の
101)と、任意の色の表面反射率(図1の6)に分光
色順応比率(図1の7)を掛けて該任意の色の順応表面
反射率(図1の8)を得る不完全色順応処理手段(図1
の104)と、該任意の色の順応表面反射率と目的色空
間の分光分布特性と人間の等色関数とから目的カラー画
像機器における色の三刺激値を求める三刺激値計算手段
(図1の106)と、目的カラー画像機器における色の
三刺激値を前記目的カラー画像機器のデバイス色データ
に変換するXYZ−RGB変換手段(図1の106)
と、を備えて構成される。
別の実施の形態において、前記元カラー画像機器の元基
準白色の相関色温度(図5の1)と、前記目的カラー画
像機器の目的基準白色の相関色温度(図5の2)の組み
合わせから最適な不完全色順応係数(図5の13)を計
算する最適不完全色順応係数算出手段(図5の206)
を含み、前記最適不完全色順応係数算出手段から得られ
た前記不完全順応係数を利用することを特徴とする。
は、カラー画像機器の基準白色の色度から基準白色の相
関色温度を計算する手段(図6の109)を含む。
間の基準白色である元基準白色の相関色温度から元色空
間の分光分布特性を復元すると共に、前記目的色空間の
基準白色である目的基準白色の相関色温度から目的色空
間の分光分布特性を復元するステップ(図9のS1、
2)と、前記元基準白色の表面反射率として、元基準白
色の三刺激値と前記元色空間の分光分布特性と人間の等
色関数とから第1の白色表面反射率を復元すると共に、
元基準白色の三刺激値と前記目的色空間の分光分布特性
と人間の等色関数とから第2の白色表面反射率を復元す
るステップ(図9のS3、4)と、第1の白色表面反射
率と第2の白色表面反射率との内挿から順応白色表面反
射率を得るステップ(図9のS5)と、第1の白色表面
反射率と順応白色表面反射率との比率を計算し、分光色
順応比率を得るステップ(図9のS6)と、元色空間に
おける任意の色の表面反射率を、該任意の色の三刺激値
と前記元色空間の分光分布特性と人間の等色関数とを利
用して復元するステップ(図9のS7)と、該任意の色
の表面反射率に、該分光色順応比率を掛けて、該任意の
色の順応表面反射率を得るステップ(図9のS8)と、
前記任意の色の順応表面反射率と前記目的色空間の分光
分布特性と人間の等色関数とから前記目的色空間におけ
る色の三刺激値を求めるステップ(図9のS9)とを含
む。
ップ(S1〜S9)の処理は、コンピュータ上で実行さ
れるプログラム制御によって実現するようにしてもよ
い。この場合、コンピュータにおいて該プログラムを記
録した記録媒体からプログラムを読み出し実行すること
で本発明を実施することができる。
詳細に説明する。まず、本発明のカラーマッチング方法
の一実施例について説明する。
機器が異なる基準白色を有する場合のカラーマッチング
について説明する。オリジナル側と再現側それぞれのカ
ラー画像機器の基準白色の相関色温度と三刺激値XYZ
が与えられているものとする。
現されるカラー画像情景中の照明1の色に相当する仮想
分光分布特性Iv1(λ)と、再現側のカラー画像機器
で再現されるカラー画像情景中の照明2の色に相当する
仮想分光分布特性Iv2(λ)を、各カラー画像機器の
基準白色の相関色温度を手がかりに計算する。ここで、
カラー画像機器の基準白色の相関色温度を利用して、カ
ラー画像情景中の照明色に相当する仮想分光分布特性を
計算する方法については、例えば本発明者による特願平
9−047334号(特開平10−229499号公
報)に記載の手法などが利用できる。
が与えられた場合、その三刺激値(Xw,Yw,Zw)
は、画像情景意中の照明1の三刺激値(X0,Y0,Z
0)と一致する。
0)と、照明1の相関色温度から計算された仮想分光分
布特性Iv1(λ)より、オリジナル側の完全白色の仮
想表面反射率Rwv(λ)を計算することができる。物
体の三刺激値XYZと照明の仮想分光分布特性から、物
体の仮想表面反射率の復元方法についても、特願平9−
047334号に記載の方法などが利用できる。
刺激値(Xw,Yw,Zw)を、情景中に照明2を有す
る参照側のカラー画像機器で、全く同じ三刺激値(X
w,Yw,Zw)で再現することを考える。オリジナル
側の完全白色の三刺激値(Xw,Yw,Zw)と、照明
2の相関色温度から計算できる仮想分光分布特性Iv2
(λ)から、参照側における完全白色の仮想表面反射率
R’wv(λ)を、同様に特願平9−047334号
(特開平10−229499号公報)に記載の方法など
利用して計算する。
ル側のカラー画像機器におけるRwv(λ)と、参照側
のカラー画像機器におけるR’wv(λ)の2つの仮想
表面反射率が得られたことになる。
像機器間において、観察者の色視覚が不完全に順応した
状態に対応するため、不完全色順応係数adj(0 ≦
adj ≦ 1の実数)を定義する。
て完全白色の色の見えが両カラー画像機器の下で一致す
る仮想表面反射率Rwvad(λ)を、既に計算されてい
る2つ完全白色の仮想表面反射率Rwv(λ)と、Rw
v’(λ)を用いて以下の式(29)で計算する。
る。式(29)で得た不完全色順応状態における完全白
色の仮想表面反射率Rwvad(λ)と、照明1下におけ
る完全白色の仮想表面反射率Rwv(λ)とから、可視
光領域における各波長について比係数を計算し、これ
を、分光色順応比率として、refcoef(λ)で表す。
分光色順応比率refcoef(λ)は、以下の式(30)
で表される。
光分布特性Iv1(λ)と、オリジナル側のカラー画像
中の任意の色の三刺激値XYZから、例えば特願平9−
047334号(特開平10−229499号公報)に
記載の手法などを利用して、その物体色に相当する仮想
表面反射率Rv(λ)を計算する。
30の分光色順応比率refcoef(λ)を各波長ごとに
掛ける。つまり、不完全色順応状態における任意の入力
色の仮想表面反射率Rvad(λ)は、次式(31)とな
る。
るカラー画像中の任意の入力色の再現側のカラー画像機
器における対応色の三刺激値X’,Y’,Z’は、不完
全色順応状態における物体の仮想表面反射率Rv
ad(λ)と、既に計算されている再現側での照明の仮想
分光分布特性Iv2(λ)を利用した以下の式(32)
で計算できる。
 ̄(λ)、z ̄(λ)は等色関数で既知である。
施例について説明する。図1は、本発明のカラーマッチ
ング装置の第1の実施例の構成を示すブロック図であ
る。
200には、RGB値によって色再現を行う、オリジナ
ル側のカラー画像表示装置201と、参照側のカラー画
像表示装置202とが接続されており、それぞれのカラ
ー画像表示装置の色特性は既知であるものとする。カラ
ーマッチング装置200は、オリジナル側のカラー画像
表示装置201で再現される任意の色を、色の見えが一
致するように、再現側のカラー画像表示装置202にお
ける色に変換するものである。
分布特性計算手段100と、仮想表面反射率計算手段1
01と、RGB−XYZ変換手段102と、分光色順応
比率計算手段103と、不完全色順応処理手段104
と、三刺激値計算手段105とXYZ−RGB変換手段
106と、を備えており、また、不完全色順応係数13
を入力とする。
一の実施例の動作について説明する。
の元基準白色の相関色温度1は、カラー画像表示装置の
色特性として与えられている。この元基準白色の相関色
温度1は、仮想分光分布特性計算手段100により、オ
リジナル側の照明の色に相当する元色空間の仮想分光分
布特性3に変換される。この仮想分光分布特性計算手段
100には、例えば特願平9−9−047334号に記
載の手法などが利用できる。
2の目的基準白色の相関色温度2についても、色特性と
して与えられており、仮想分光分布特性計算手段100
によって、再現側の照明の色に相当する目的色空間の仮
想分光分布特性4に変換される。
ナル側のカラー画像表示装置201の色空間中の任意の
RGB値を、三刺激値XYZに変換する。オリジナル側
のカラー画像表示装置201の色特性は既知であるた
め、RGB値から三刺激値XYZへの変換は既知の手法
を利用できる。こうして、オリジナル側のカラー画像表
示装置201で再現される色空間の任意の色について、
入力色のXYZ5が計算される。
計算された上記オリジナル側の照明の色に相当する元色
空間の仮想分光分布特性3と、オリジナル側のカラー画
像表示装置201で再現されるカラー画像からの入力色
XYZ5とから、仮想表面反射率計算手段101におい
て、照明に依存しない物体色に相当する入力色の仮想表
面反射率6を計算する。なお、仮想表面反射率手段10
1には、上記の仮想分光分布特性計算手段100と同様
に、例えば特願平9−047334号(特開平10−2
29499号公報)に記載の手法などが利用できる。
明のカラーマッチング方法において、人間の色知覚の不
完全色順応状態で色の見えを実現するために用いる分光
色順応比率refcoef(λ)を計算する。
構成の詳細を示すブロック図である。図2を参照して、
分光色順応比率計算手段103の動作を説明する。
段103では、オリジナル側のカラー画像表示装置20
1で再現される完全白色の三刺激値XYZ10と、オリ
ジナル側の照明の色に相当する元色空間の仮想分光分光
特性3とから、仮想表面反射率計算手段101′におい
て、第1の仮想白色表面反射率11を計算する。この仮
想表面反射率計算手段101′は、カラーマッチング装
置200で説明した仮想表面反射率計算手段101と同
じである。さらに、オリジナル側のカラー画像表示装置
201で再現される完全白色の三刺激値XYZ10と、
再現側の照明の色に相当する目的色空間の仮想分光分光
特性4とから、第2の仮想白色表面反射率12を計算す
る。
上記第1の仮想白色表面反射率11と第2の仮想白色表
面反射率12と、オリジナル側と参照側のカラー画像表
示装置間において、観察者の色視覚が不完全に順応した
状態に対応するための不完全色順応係数13を入力とし
て、観察者の不完全色順応状態において完全白色の色の
見えが両カラー画像表示装置の下で一致する、不完全色
順応状態の完全白色の仮想表面反射率14を、式(2
9)によって計算する。
態の完全白色の仮想表面反射率14と、上記第1の仮想
白色表面反射率11とから、分光色順応比率7を計算す
る。計算方法は、式(30)の通りである。
置200の説明に戻る。不完全色順応処理手段104で
は、式(31)にしたがって、オリジナル側の入力色の
仮想表面反射率6に、上記の分光色順応比率7を掛け
て、不完全色順応状態における任意の入力色の仮想表面
反射率、すなわち、対応色の仮想表面反射率8を出力す
る。
て、対応色の仮想表面反射率8と再現側の照明の色に相
当する仮想分光分布特性4と等色関数とから、式(3
2)にしたがって対応色のX’Y’Z’9を計算する。
よって、対応色のX’Y’Z’9を再現側のカラー画像
表示装置202のRGB値に変換して、再現側のカラー
画像表示装置202へ出力する。
第2の実施例の構成を示すブロック図である。図3にお
いて、図1に示した要素と同一要素には同一の参照符号
が付されている。
装置204には、オリジナル側のカラー画像入力装置2
03と参照側のカラー画像表示装置202が接続されて
いる。オリジナル側のカラー画像入力装置203は、カ
ラー原稿を読み込みRGB値で構成されるカラー画像デ
ータを作成するための装置である。なお、オリジナル側
のカラー画像入力装置203とカラー画像表示装置20
2の色特性は既知であるものとする。
装置204は、図1に示したカラーマッチング装置20
0が備える構成に加え、相関色温度算出手段109を備
えている。相関色温度算出手段109は、オリジナル側
のカラー画像入力装置203の基準白色の色度に基づい
て、元基準白色の相関色温度1を求める。相関色温度算
出手段109で用いられる基準白色の色度から、それに
対応する相関色温度の計算方法としては、例えば特願平
9−047334号(特開平10-229499号公
報)に記載の手法が利用できる。
れた元基準白色の相関色温度1は、仮想分光分布特性計
算手段100に入力される。以下、図1に示したカラー
マッチング装置200と同様の処理が行われ、オリジナ
ル側のカラー画像入力装置203で取り込まれる任意の
入力色が、参照側のカラー画像表示装置202の色へ変
換されて、参照側のカラー画像表示装置202へ出力さ
れる。
第3の実施例の構成を示すブロック図である。カラーマ
ッチング装置205には、RGB値によって色再現を行
う、オリジナル側のカラー画像表示装置201と、参照
側のカラー画像表示装置202とが接続されており、そ
れぞれのカラー画像表示装置の色特性は既知であるもの
とする。図4を参照すると、このカラーマッチング装置
205は、前記第1の実施例に示したカラーマッチング
装置200と、不完全色順応係数自動算出装置206と
から構成される。
色の相関色温度2は、カラー画像表示装置の色特性から
得られる。元基準白色の相関色温度1と、目的基準白色
の相関色温度2は、不完全色順応係数自動算出装置20
6に入力される。
06について説明する。
6の構成の一例を示すブロック図である。図5を参照す
ると、不完全色順応係数自動算出装置206は、最適不
完全色順応係数手段110と、不完全色順応係数記憶メ
モリ15を備える。不完全色順応係数自動算出装置20
6では、オリジナル側と参照側のカラー画像機器が有す
る異なる基準白色間において、観察者の色視覚が不完全
に順応した状態に対応するための不完全色順応係数13
を算出する。
K、9000K−5000Kなどの様々な相関色温度の
組み合わせに対して、予め最適な不完全色順応係数ad
jを得ておき、これを不完全色順応係数記憶メモリ15
に記録しておく。最適不完全色順応係数算出手段110
において、入力される元基準白色の相関色温度1と、目
的基準白色の相関色温度2の組み合わせから、これと一
致する不完全色順応係数を不完全色順応係数記憶メモリ
15から取り出し、これを不完全色順応係数13として
出力する。この不完全色順応係数13は、カラーマッチ
ング装置200への入力となる。
て、オリジナル側のカラー画像表示装置201の任意の
色が、参照側のカラー画像表示装置202への色へ変換
される処理過程については、前記第1の実施例で説明し
た通りである。
ジナル側のカラー画像機器にカラー画像入力装置203
を接続することも可能である。
第4の実施例の構成を示すブロック図である。図6を参
照すると、このカラーマッチング装置207は、カラー
マッチング装置205におけるオリジナル側のカラー画
像機器として、カラー画像入力装置203を接続し、元
基準白色の相関色温度1を計算するための相関色温度算
出手段109を追加するとともに、カラーマッチング装
置200を、カラーマッチング装置204に変更するこ
とによって実現できる。
示装置を利用した場合と、オリジナル側にカラー画像入
力装置を利用し、参照側にカラー画像表示装置を利用し
た場合について、前記各実施例では、カラーマッチング
装置200、205、206について説明したが、参照
側のカラー画像機器に、シアン、マジェンタ、イエロ、
ブラックなどの多色インクにより色再現を行うカラー画
像記録装置を接続することも可能である。
第5の実施例の構成を示すブロック図である。図7にお
いて、図1に示した要素と同一又は同等の要素には同一
の参照符号が付されている。
装置208には、オリジナル側のカラー画像表示装置2
01と参照側のカラー画像記録装置207が接続されて
いる。参照側のカラー画像記録装置207は、シアン、
マジェンタ、イエロ、ブラックなどの多色インクにより
カラー画像を出力するための装置である。なお、オリジ
ナル側のカラー画像表示装置201と参照側のカラー画
像記録装置207の色特性は既知であるものとし、多色
インク量と三刺激値との関係を測定して得た参照側のカ
ラー画像記録装置の測色データ16が与えられている。
カラーマッチング装置208は、図1に示したカラーマ
ッチング装置200における、XYZ−RGB変換手段
106が、インク量計算手段111に変更されたもので
ある。
したカラーマッチング装置200と同様にして、オリジ
ナル側のカラー画像表示装置201からの入力色XYZ
5の、参照側のカラー画像記録装置における対応色X’
Y’Z’9を計算する。
る対応色X’Y’Z’9が計算されると、インク量計算
手段106は、参照側のカラー画像記録装置の測色デー
タ16に基づいて対応色X’Y’Z’9を多色インク量
に変換し、参照側のカラー画像記録装置207へ出力す
る。ここで、三刺激値XYZから多色インク量への変換
方法としては、例えば、本発明者による特願平4−17
2246号(特開平6−22124号公報)や、特願平
6−79088号(特開平7−288706号公報)に
記載されている方法を利用できるが、その他の変換方法
も適用できる。
以外にも、図3、図4、図6にそれぞれ示したカラーマ
ッチング装置204、カラーマッチング装置205、カ
ラーマッチング装置207においても、同様の方法を用
いることによって、接続されている再現側のカラー画像
表示装置202を、参照側のカラー画像記録装置207
に変更することが可能である。
示した前記実施例を実現するためのハードウェア構成の
一例を示すブロック図である。図8を参照すると、カラ
ーマッチングプログラムを記憶した記録媒体402を備
えたデータ処理装置400と、入力装置401と、オリ
ジナル側のカラー画像機器300と再現側のカラー画像
機器301とを備えて構成される。記録媒体402は、
磁気ディスク、半導体メモリその他の記憶媒体であって
もよい。データ処理装置400が、例えば図9に示した
本発明に係る方法を実現するカラーマッチングプログラ
ムを記録媒体402から読み取って実行することで本発
明を実施することができる。
基準白色の異なる状況において、人間の色視覚における
不完全色順応状態に対応したカラーマッチングを行うも
のであるので、スキャナ、ディスプレイ、プリンタなど
基準白色が異なるカラー画像機器間におけるカラー画像
の色の見えを一致させることができる、という効果を奏
する。
よれば、計算コストも低く、高速な色変換を実現するこ
とができるという効果を奏する。
の構成を示すブロック図である。
における分光色順応比率計算手段の構成を示すブロック
図である。
の構成を示すブロック図である。
の構成を示すブロック図である。
における不完全色順応係数自動算出装置のブロック図で
ある。
の構成を示すブロック図である。
の構成を示すブロック図である。
ドウェア構成の一例を示すブロック図である。
示す流れ図である。
図である。
た図である。
チング装置 201 オリジナル側のカラー画像表示装置 202 参照側のカラー画像表示装置 203 オリジナル側のカラー画像入力装置 206 不完全色順応係数自動算出装置 400 データ処理装置 401 入力装置 402 記録媒体
Claims (12)
- 【請求項1】元色空間中の任意の色を目的色空間の色
へ、色の見えを保ちながら変換するカラーマッチング方
法であって、 (a)前記元色空間の基準白色である元基準白色の相関
色温度から元色空間の分光分布特性を復元すると共に、
前記目的色空間の基準白色である目的基準白色の相関色
温度から目的色空間の分光分布特性を復元するステップ
と、 (b)前記元基準白色の表面反射率として、元基準白色
の三刺激値と前記元色空間の分光分布特性と人間の等色
関数とから第1の白色表面反射率を復元すると共に、前
記元基準白色の三刺激値と前記目的色空間の分光分布特
性と前記人間の等色関数とから第2の白色表面反射率を
復元するステップと、 (c)前記第1の白色表面反射率と前記第2の白色表面
反射率との内挿から順応白色表面反射率を得るステップ
と、 (d)前記第1の白色表面反射率と前記順応白色表面反
射率との比率を計算し分光色順応比率を得るステップ
と、 (e)前記元色空間における任意の色の表面反射率を、
前記任意の色の三刺激値と前記元色空間の分光分布特性
と人間の等色関数とを利用して復元するステップと、 (f)前記任意の色の表面反射率に、前記分光色順応比
率を掛けて、前記任意の色の順応表面反射率を得るステ
ップと、 (g)前記任意の色の順応表面反射率と前記目的色空間
の分光分布特性と人間の等色関数とから前記目的色空間
における色の三刺激値を求めるステップと、 を含むことを特徴とするカラーマッチング方法。 - 【請求項2】請求項1記載のカラーマッチング方法にお
いて、前記第1の白色表面反射率と前記第2の白色表面
反射率との内挿から前記順応白色表面反射率を得る前記
(c)のステップにおいて、人間の色視覚における不完
全色順応状態に応じて不完全色順応係数を変化させるこ
とによって、前記第1の白色表面反射率と前記第2の白
色表面反射率との内挿の度合いを自由に変化させて前記
順応白色表面反射率を得る、ことを特徴とするカラーマ
ッチング方法。 - 【請求項3】請求項2記載のカラーマッチング方法にお
いて、さらに、前記元色空間の基準白色と、前記目的色
空間の基準白色の組み合わせから最適な不完全色順応係
数を計算する最適不完全色順応係数算出ステップを含
み、前記最適不完全色順応係数算出ステップから得られ
た前記不完全順応係数を利用する、ことを特徴とするカ
ラーマッチング方法。 - 【請求項4】元カラー画像機器における任意の色を目的
カラー画像機器の色へ、色の見えを保ちながら変換する
カラーマッチング装置であって、 前記元カラー画像機器の基準白色である元基準白色の相
関色温度から元色空間の分光分布特性を復元すると共
に、前記目的カラー画像機器の基準白色である目的基準
白色の相関色温度から目的色空間の分光分布特性を復元
する手段と、 前記元基準白色の表面反射率として、前記元基準白色の
三刺激値と前記元色空間の分光分布特性と人間の等色関
数とから第1の白色表面反射率を復元すると共に、元基
準白色の三刺激値と前記目的色空間の分光分布特性と人
間の等色関数とから第2の白色表面反射率を復元する手
段と、 前記第1の白色表面反射率と前記第2の白色表面反射率
との内挿から順応白色表面反射率を得る手段と、 前記第1の白色表面反射率と、前記順応白色表面反射率
との比率を計算し、分光色順応比率を得る手段と、 前記元カラー画像機器における任意の色の表面反射率
を、前記任意の色の三刺激値と前記元色空間の分光分布
特性と人間の等色関数とを利用して復元する手段と、 前記任意の色の表面反射率に、前記分光色順応比率を掛
けて、前記任意の色の順応表面反射率を得る手段と、 前記任意の色の順応表面反射率と前記目的色空間の分光
分布特性と人間の等色関数とから前記目的カラー画像機
器における色の三刺激値を求める手段と、 前記目的カラー画像機器における色の三刺激値を前記目
的カラー画像機器のデバイス色データに変換する手段
と、 を含むことを特徴とするカラーマッチング装置。 - 【請求項5】請求項4記載のカラーマッチング装置にお
いて、前記第1の白色表面反射率と前記第2の白色表面
反射率との内挿から前記順応白色表面反射率を得る手段
において、人間の色視覚における不完全色順応状態に応
じて不完全色順応係数を変化させることによって、前記
第1の白色表面反射率と前記第2の白色表面反射率との
内挿の度合いを自由に変化させて前記順応白色表面反射
率を得る、ことを特徴とするカラーマッチング装置。 - 【請求項6】請求項5記載のカラーマッチング装置にお
いて、前記元カラー画像機器の基準白色と、前記目的カ
ラー画像機器の基準白色の組み合わせから最適な不完全
色順応係数を計算する最適不完全色順応係数算出手段を
含み、前記最適不完全色順応係数算出手段から得られた
前記不完全順応係数を利用することを特徴とするカラー
マッチング装置。 - 【請求項7】請求項4乃至6のいずれか一に記載のカラ
ーマッチング装置において、元カラー画像機器にカラー
画像表示装置を、目的カラー画像機器にカラー画像表示
装置を備えることを特徴とするカラーマッチング装置。 - 【請求項8】請求項4乃至6のいずれか一に記載のカラ
ーマッチング装置において、元カラー画像機器にカラー
画像表示装置を、目的カラー画像機器に多色インクによ
り色再現を行うカラー画像記録装置を備え、 前記目的カラー画像機器における色の三刺激値を前記目
的カラー画像機器のデバイス色データに変換する手段と
してインク量計算手段を備えることを特徴とするカラー
マッチング装置。 - 【請求項9】請求項4乃至8のいずれか一に記載のカラ
ーマッチング装置であって、カラー画像機器の基準白色
の色度から基準白色の相関色温度を計算する手段を含む
ことによって、元カラー画像機器にカラー画像入力装置
を備えることを特徴とするカラーマッチング装置。 - 【請求項10】(a)元カラー画像機器の基準白色であ
る元基準白色の相関色温度から元色空間の分光分布特性
を復元すると共に、目的カラー画像機器の基準白色であ
る目的基準白色の相関色温度から目的色空間の分光分布
特性を復元する手段と、 (b)前記元基準白色の表面反射率として、元基準白色
の三刺激値と前記元色空間の分光分布特性と人間の等色
関数とから第1の白色表面反射率を復元すると共に、元
基準白色の三刺激値と前記目的色空間の分光分布特性と
人間の等色関数とから第2の白色表面反射率を復元する
手段と、 (c)前記第1の白色表面反射率と前記第2の白色表面
反射率との内挿から順応白色表面反射率を得る手段と、 (d)前記第1の白色表面反射率と、前記順応白色表面
反射率との比率を計算し、分光色順応比率を得る手段
と、 (e)前記元カラー画像機器における任意の色の表面反
射率を、前記任意の色の三刺激値と前記元色空間の分光
分布特性と人間の等色関数とを利用して復元する手段
と、 (f)前記任意の色の表面反射率に、前記分光色順応比
率を掛けて、前記任意の色の順応表面反射率を得る手段
と、 (g)前記任意の色の順応表面反射率と前記目的色空間
の分光分布特性と人間の等色関数とから前記目的カラー
画像機器における色の三刺激値を求める手段と、 (h)前記目的カラー画像機器における色の三刺激値を
前記目的カラー画像機器のデバイス色データに変換する
手段と、 の上記(a)乃至(h)の各手段をコンピュータで機能
させるためのプログラムを記録した機械読み取り可能な
記録媒体。 - 【請求項11】(a)カラー画像機器の基準白色の色度
から基準白色の相関色温度を計算する手段と、 (b)元カラー画像機器の基準白色である元基準白色の
相関色温度から元色空間の分光分布特性を復元すると共
に、目的カラー画像機器の基準白色である目的基準白色
の相関色温度から目的色空間の分光分布特性を復元する
手段と、 (c)前記元基準白色の表面反射率として、元基準白色
の三刺激値と前記元色空間の分光分布特性と人間の等色
関数とから第1の白色表面反射率を復元すると共に、元
基準白色の三刺激値と前記目的色空間の分光分布特性と
人間の等色関数とから第2の白色表面反射率を復元する
手段と、 (d)前記第1の白色表面反射率と前記第1の白色表面
反射率との内挿から順応白色表面反射率を得る手段と、 (e)前記第1の白色表面反射率と、前記順応白色表面
反射率との比率を計算し、分光色順応比率を得る手段
と、 (f)前記元カラー画像機器における任意の色の表面反
射率を、前記任意の色の三刺激値と前記元色空間の分光
分布特性と人間の等色関数とを利用して復元する手段
と、 (g)前記任意の色の表面反射率に、前記分光色順応比
率を掛けて、前記任意の色の順応表面反射率を得る手段
と、 (h)前記任意の色の順応表面反射率と前記目的色空間
の分光分布特性と人間の等色関数とから前記目的カラー
画像機器における色の三刺激値を求める手段と、 (i)前記目的カラー画像機器における色の三刺激値を
前記目的カラー画像機器のデバイス色データに変換する
手段と、 の上記(a)乃至(i)の各手段をコンピュータで機能
させるためのプログラムを記録した機械読み取り可能な
記録媒体。 - 【請求項12】不完全順応の程度に応じた色変換を表面
反射率よりなる分光特性レベルで行うカラーマッチング
方法であって、 元色空間および目的色空間の基準白色の分光分布特性を
復元し 、前記元色空間の元基準白色の表面反射率として前記元基
準白色の三刺激値と前記元色空間の分光分布特性から第
1の白色表面反射率を復元すると共に、前記元 基準白色
の三刺激値と目的色空間の分光分布特性から第2の白色
表面反射率を復元し、 前記第1の白色表面反射率と前記第2の白色表面反射率
の内挿によって元色空間および目的色空間で色が一致し
て見える白色の順応表面反射率を計算し、 白色以外の色についても前記第1の白色表面反射率と前
記順応表面反射率から得られる分光色順応比率を用いて
順応表面反射率を計算する、ことを特徴とするカラーマ
ッチング方法 。
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