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JP3067829B2 - インクジェット記録装置の回復処理方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置の回復処理方法およびインクジェット記録装置

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Publication number
JP3067829B2
JP3067829B2 JP7927191A JP7927191A JP3067829B2 JP 3067829 B2 JP3067829 B2 JP 3067829B2 JP 7927191 A JP7927191 A JP 7927191A JP 7927191 A JP7927191 A JP 7927191A JP 3067829 B2 JP3067829 B2 JP 3067829B2
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JP
Japan
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ink
discharge port
suction
recovery
cap
Prior art date
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JP7927191A
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規文 小板橋
仁 杉本
博司 田鹿
美由紀 松原
篤 新井
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Canon Inc
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録ヘ
ッドの回復方法、および、装置本体に対して着脱可能な
インクジェット記録ヘッドを用いるインクジェット記録
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録ヘッドや装置
において、膜沸騰を利用した熱エネルギ記録方式は、圧
電素子を利用したものに比べて格別に記録特性や記録品
位が良く、光エネルギ等を用いた他の熱エネルギ記録に
比較しても優れたものとして実用化されている。
【0003】しかしかかる記録ヘッドや記録装置では、
記録剤に液体であるインクを用いているため、インク増
粘や固化が生じることがあり、これに起因して生じる不
都合を解消すべく、インクジェット記録装置においては
他の記録装置に見られない固有の構成、すなわち液路内
をリフレッシュしたり、吐出口形成面を良好な状態にす
る手段、所謂記録ヘッドの吐出回復系が設けられてい
る。
【0004】これら吐出回復系には種々の構成のものが
あり、まず液路内をリフレッシュするものとして、記録
時以外に吐出エネルギ発生素子を駆動して所定のインク
受容媒体にインク吐出を行わせるもの(予備吐出または
空吐出とも呼ばれる)がある。
【0005】これを開示する特許としては、英国特許第
2,169,855 号明細書を挙げることができる。この特許
は、上記内容以外にインクを予備的に加熱してから後に
予備吐出を行うことも開示している。
【0006】また、インク供給系を加圧したり、あるい
はインクの吐出口より吸引を行う等、液路に所定の圧力
を作用させてインクを吐出口より強制的に排出させるよ
うにしたものもある。
【0007】これを開示する代表的な特許は、米国特許
第4,600,931号明細書である。この吸引回復は常に行う
ものではなく、記録不良が生じるような状況に至る直前
或いは不吐状態において行われるものである。吸引回復
の発明は多くの出願があり、中でも吸引条件を大にする
大回復と通常吸引を行う通常回復とを切換える発明も知
られている。
【0008】また、吐出口形成面をリフレッシュして吐
出方向の偏向を予防するものとしては、吐出口形成面と
接触するワイピング部材を設け、両者を相対移動させる
ことにより吐出口近傍に付着したインク滴,塵埃等を拭
う(ワイピング)するものもある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明らは、従来の回
復手段について検討したところ、記録時の環境変化(ヘ
ッド温度や周囲温度やシーケンス中の工程等を含む)に
おいて予備吐出条件を変化させることは有効であり、吸
引や加圧ポンプによる強制排出も通常は有効であるが、
以下の問題を見い出すに至った。
【0010】すなわち、より多量にインクを消費し、か
つ長時間をかけても、高水準の回復ができない場合がみ
られたのである。これは、吸引や加圧による強制排出時
に特に問題であり、複数吐出口全体に対して均等な吸引
力や加圧力が作用せずにインクを無駄にしてしまうこと
に起因したものであった。特に、この回復力を強めよう
とポンプの大型化を行ってもそれ程有効でなく、かえっ
てインクの損失量を多大にしていたことが判明した、ま
た、予備吐出による各吐出口からのインク吐出量を増や
すことは回復処理に費やされる時間が長くなり記録のス
ループットが下がってしまう問題がある。これらは低温
環境下での回復処理において顕著である。
【0011】本発明の目的は、与えられた強制回復手段
の回復能力を効率良く向上でき、装置の大型化を招くこ
となく、確実な回復を達成できるインクジェット記録ヘ
ッドの回復方法及びそれを実施する装置の提供にある。
【0012】本発明の他の目的は、記録ヘッドへ供給さ
れるインク収納部内の負圧発生源である吸収体の影響が
あっても確実な回復処理を実行できる回復方法及び記録
装置の提供にある。
【0013】本発明の別の目的は、回復程度が従来に比
べて優れており、その処理時間を短縮でき、最適にはイ
ンク損失量も減じることが可能な回復方法及び記録装置
の提供にある。
【0014】より具体的な本発明のさらに別の目的は、
チューブポンプなどの機構の大型化を招くことなく、効
率のよい吸引を回復処理開始時から得ることのできる回
復方法及び記録装置の提供にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】そのために、請求項1に
係る発明は、吐出口からインクを吐出するために利用さ
れるエネルギを発生するエネルギ発生素子を有する記録
ヘッドと、該記録ヘッドの前記吐出口を覆うためのキャ
ップと、該キャップが前記吐出口を覆っているときに前
記吐出口から吸引を行うための吸引手段と、を有するイ
ンクジェット記録装置の回復処理方法において、前記キ
ャップで前記吐出口を覆った状態で前記吸引手段による
前記吐出口からの吸引を行うとともに、前記エネルギ発
生素子を駆動して前記吐出口からのインク吐出を行う大
回復工程と、前記キャップで前記吐出口を覆った状態で
前記吸引手段による前記吐出口からの吸引であって、前
記大回復工程における吸引力よりも小さい吸引力を作用
せしめる吸引のみを行い前記吐出口からのインク吐出を
行う小回復工程と、を含むことを特徴とする。
【0016】ここで、前記エネルギ発生素子は発熱素子
であって、前記大回復工程では、インクに気泡を形成す
る駆動信号を該発熱素子に供給してもよく、また、前記
大回復工程では、前記発熱素子に複数の前記駆動信号を
供給して複数回のインク吐出を行ってもよい。前記大回
復工程は、装置の長期休止後になされてもよく、さら
に、前記大回復工程は、前記記録ヘッドに対する回復処
理を行ってもインク吐出状態が良好とならないときにな
されてもよい。そして、前記小回復工程は、所定量の記
録動作直後になされてもよい。
【0017】また、請求項7に係る発明は、吐出口から
インクを吐出するために利用されるエネルギを発生する
エネルギ発生素子を有する記録ヘッドと、該記録ヘッド
の前記吐出口を覆うためのキャップと、該キャップが前
記吐出口を覆っているときに前記吐出口から吸引を行う
ための吸引手段と、を有するインクジェット記録装置の
回復処理方法において、前記記録ヘッド内のインクを加
熱する加熱工程と、前記加熱工程後、前記キャップで前
記吐出口を覆った状態で前記吸引手段による前記吐出口
からの吸引を行うとともに、前記エネルギ発生素子を駆
動して前記吐出口からのインク吐出を行う大回復工程
と、前記加熱工程後、前記キャップで前記吐出口を覆っ
た状態で前記吸引手段による前記吐出口からの吸引であ
って、前記大回復工程における吸引力よりも小さい吸引
力を作用せしめる吸引のみを行い前記吐出口からのイン
ク吐出を行う小回復工程とを含むことを特徴とする。
【0018】ここで、前記エネルギ発生素子は発熱素子
であって、前記大回復工程では、インクに気泡を形成す
る駆動信号を該発熱素子に供給してもよい。また、前記
大回復工程では、前記発熱素子に複数の前記駆動信号を
供給して複数回のインク吐出を行ってもよい。
【0019】さらに、請求項10に係る発明は、吐出口
からインクを吐出するために利用されるエネルギを発生
するエネルギ発生素子を有する記録ヘッドにより記録を
行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッド
の前記吐出口を覆うためのキャップと、該キャップが前
記吐出口を覆っているとき該吐出口から吸引を行うため
の吸引手段と、前記キャップにより前記吐出口が覆われ
た状態で前記吸引手段に前記吐出口からの吸引を行わせ
るとともに、前記エネルギ発生素子を駆動させて前記吐
出口からのインク吐出を行わせる大回復処理、または該
キャップにより前記吐出口が覆われた状態で前記吸引手
段に該大回復処理における吸引力よりも小さい吸引力を
作用せしめる吸引のみを行わせ前記吐出口からのインク
吐出を行わせる小回復処理を行わせる制御部とを備える
ことを特徴とする。
【0020】ここで、前記大回復処理は、装置の長期休
止後になされてもよく、また、前記大回復処理は、前記
記録ヘッドに対する回復処理を行ってもインク吐出状態
が良好とならないときになされてもよい。前記小回復処
理は、所定量の記録動作直後になされてもよい。前記制
御部は、前記大回復処理および小回復処理に先立ってイ
ンクが加熱されるようにエネルギ発生素子を駆動させて
もよい。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【作用】本発明は、インクジェット記録装置の回復処理
方法において、キャップで吐出口を覆った状態で吸引手
段による吐出口からの吸引を行うとともに、エネルギ発
生素子を駆動して吐出口からのインク吐出を行う大回復
工程と、キャップで吐出口を覆った状態で吸引手段によ
る吐出口からの吸引であって、大回復工程における吸引
力よりも小さい吸引力を作用せしめる吸引のみを行い吐
出口からのインク吐出を行う小回復工程とを含んでなる
ので吐出口内方の気泡が除去され、しかも、小回復工程
においてインクが大回復工程に比べて吐出口から緩やか
に吸引され、そのインクの流れが安定することとなる。
従って、吸引力が大であってインクの流れが安定しない
場合乱流および渦により除去されない微細気泡等が確実
に排除される。また、小回復工程においては、吸引され
るインク量も少なくなるのでインクが必要以上に消費さ
れることが回避される。
【0027】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。
【0028】(1) カートリッジ まず、図1は本実施例に係るインクジェット記録装置の
キャリッジ(第3図につき後述する)に搭載可能なカー
トリッジCの一構成例を示す。本例に係るカートリッジ
Cは、上方にインク吸収体(スポンジ等)を内部に有す
るインクタンク部80、下方に記録ヘッド86を有してお
り、さらに記録ヘッド86を駆動するための信号等を受容
するとともにインク残量検知の出力を行うためのヘッド
側コネクタ85を、インクタンク部80に並ぶ位置に設けて
ある。従って、このカートリッジCを後述のキャリッジ
に装填した際に、その高さHを低く押えることができ
る。また、カートリッジの走査方向の厚みWを薄形化す
ることで、第2図につき後述するようにカートリッジC
を並べて配置するときにキャリッジを小さく構成するこ
とが可能である。
【0029】83はタンク外壁と一体に形成したコネクタ
カバーであり、コネクタ85への不用意な接触を防止して
いる。また81は位置決め部であり、2方向の突き当て面
81a・81b が形成されている。これらの位置決め面と、記
録ヘッド86上に設けられる位置決め用突き当て面と十分
な距離をとることにより、後述の押しピンによる斜面84
部への加圧で確実な記録ヘッドの位置決め固定が可能と
なる。さらに、82はつまみであり、カートリッジCを装
填部に対して着脱する際等に用いる。また、82a は前に
つまみ82に設けられ、インクタンク部80内部を大気と連
通させるための大気連通孔である。さらに82a は切り欠
き部、83b はガイドであって、ともにカートリッジCを
装填部に装填する際のガイドとなる。
【0030】本例に係る記録ヘッド86は、図中底面側に
開口した複数の吐出口を有し、その吐出口に連通した液
路部分にインク吐出に利用されるエネルギを発生する吐
出エネルギ発生素子が配置される。この吐出エネルギ発
生素子としては、吐出口ないし液路の高集積化が可能な
ことから、熱エネルギ発生素子を用いるのが好適であ
る。
【0031】図2(a) および(b) は、それぞれ、記録ヘ
ッド86の吐出方向前方より見た正面図および側断面図を
示す。
【0032】図2(a) および(b) において、101 は記録
ヘッド86のベース板であり、 Alにより形成されてい
る。基板101 上にはSi等で形成される基板(ヒータボー
ド)102 が接着されている。ヒータボード102 にはその
表面には熱エネルギ発生素子としての電気熱変換体(不
図示)やこの電気熱変換体を駆動するための機能素子と
してのダイオード等が形成されている。103 はオリフィ
スプレート(吐出口形成部材)であり、ここでは、イン
ク液室を形成するための溝を設けた天板103Aと一体成形
されている。
【0033】このオリフィスプレート103 における吐出
口の形成は、例えばエキシマレーザ光の照射やフォトエ
ッチング工程によって精度よく行うことができ、これに
より複数の吐出口全体にわたって精度の高い形状を得る
ことができる。また、このオリフィスプレート103 は、
吐出口形成面に複数の異種材料が露出する場合には、こ
れら材料間の濡れ性の違いによって生じる吐出方向の偏
向を防止する意味でも用いられるものである。
【0034】104 はフィルタであり、チップタンク105
から共通液室106 に至るインク供給口に設けられる。フ
ィルタ104 は図中矢印のごとく流れてくるインクの不純
物や塵埃などを取り除く。フィルタ104 を通過したイン
クは共通液室106 に流れ込み、この液室に連通する複数
のインク液路107 の各々にその吐出に応じて供給され
る。109 はオリフィスプレート103 をその弾性力等で押
え、開口面(ここでは特にヒータボード102 の端面)に
対して密着させる押え部材である。本例では押え部材10
9 としてSUS (ステンレス)を用いている。
【0035】以上の構成において、記録ヘッド86に一体
化されているインクタンク部80からチップタンク105 に
インクを供給し、その後図示した矢印のごとくインクが
流れる。まず、フィルタ104 を通過することでインク中
の塵埃や不純物が除去され、共通液室106 に至りそこか
ら液路107 に導かれる。そして液路107 内に配設された
電気熱変換体を駆動することによりインク中に気泡を発
生させ、この気泡の状態変化によって吐出口108 を介し
てインクを吐出する。
【0036】(2) キャリッジ 図3は、図1に示したカートリッジCを装着可能なイン
クジェット記録装置のキャリッジ周辺の構成例を示す平
面図である。図では、キャリッジ2上に4個のカートリ
ッジC1・C2・C3・C4(それぞれ異なった色のインクを収容し
ており、例えばイエロー,マゼンタ,シアン,ブラック
等)を位置決めして装填する例を示している。
【0037】保持部材としてのコネクタホルダ40上に
は、4個の押しピン10(押しピンA〜D)が係合してお
り、バネ10a(バネA〜D)によって図3中左方向に付勢
されている。ここで、保持部材としてのコネクタホルダ
40は、軸20( 軸I・ 軸II) を介してリンク21( リンク
I・ リンクII) と係合し、更にこのリンク21に係合す
る操作レバー7の回転動作(時計方向・反時計方向)に
従って図3中左右方向に移動可能であって、右方向に移
動して加圧を解除してカートリッジの交換を可能とし、
一方左方向に移動してカートリッジの装填を受容する構
成になっている。
【0038】操作レバー7を軸9を中心に時計方向へ回
動させれば、ホルダ40が進んできて、ピン10がカートリ
ッジCと係合してカートリッジCは装填部に装填され
る。そして押しピン10の先端部10b はそれぞれ4個のカ
ートリッジCの突き当て面1dに当接し、カートリッジを
押圧する。また、押しピン10の外周面10c はキャリッジ
2の突き当て面2Sに当接し、発生する押しピン軸と直角
方向のスラスト力をそれぞれ独立に受ける構造になって
いる。従って、保持部材40はバネ10a(バネA〜D)の反
力のみを受けるだけであって、スラスト力が作用しない
ために、複数のカートリッジを同時に解除するときも解
除レバー7を小さな操作力で操作して着脱動作が可能と
なる。
【0039】次にカートリッジC側のヘッドコネクタ85
と、これに係合させるべく本体側に設けたコネクタ(本
体コネクタ)6との嵌合および離脱のための機構ないし
動作について説明する。
【0040】本体コネクタ6がヘッドコネクタ85に挿入
されるとき(尚、本体コネクタ6と一体の係合軸6aが引
張りバネ41(図4参照) の弾性力によってコネクタホル
ダ40のスリット状の係合穴嵌合部に嵌合した状態にあ
る)、レバー7を操作すると、本体コネクタ6とコネク
タホルダ40とが一体となって移動する。すると、ヘッド
コネクタ85と、本体コネクタ6とが出会い、本体コネク
タ6の斜面(図示せず)に案内されて本体コネクタ6が
ヘッドコネクタ85と嵌合(結合)する。この後、コネク
タホルダ40は操作レール11側に所定距離右方に移動する
(この移動はレバー7の回転によって行われる)。ここ
で、この所定距離とは、本体コネクタ6を位置決め状態
から可動な可動(解放)状態にするためのコネクタホル
ダ40の移動距離である。
【0041】そして本体コネクタ6は、ヘッドコネクタ
85と上記引張りバネ41よりも強い力で結合しているの
で、本体コネクタ6はコネクタホルダ40から解放され
る。即ち係合が離れる。従って、本体コネクタ6とヘッ
ドコネクタ85の嵌合(結合) 時は、本体コネクタ6はコ
ネクタホルダ40に対し遊離状態になるので、カートリッ
Cはキャリッジ2に対し、押しピン10による押圧力のみ
で位置決めされる事となり、記録ヘッド86のキャリッジ
2に対する正確な位置決めが確保されるわけである。
【0042】次に、カートリッジCを取り外す(解放す
る)ときには、レバー7を立てた位置から横にした位置
へ反時計方向へ回動させる。すると、係合軸6aはヘッド
コネクタ85と強い力で結合しているが、コネクタホルダ
40が右方に移動するにつれて、係合穴40a の大径部側面
が係合軸6aに突き当たり、第3図中奥方向に係合軸6aを
押しながら、本体コネクタ6をヘッドコネクタ8から離
脱(解放)させる。同時に押しピン10もコネクタホルダ
40と一体となって移動し、記録ヘッド86より離れること
になる。
【0043】(3) 記録装置の概略 図3ないし図5において、11はキャリッジ2の主走査方
向に延在し、キャリッジ2を摺動自在に支持する走査レ
ール、11a は軸受、51はコネクタを介しカートリッジC
との間で種々の信号を授受するためのフレキシブルケー
ブル、52はキャリッジ2を往復動させるための駆動力を
伝達するベルトである。また、17,18 および15,16 は、
記録ヘッド86による記録位置の前後に配置されて記録媒
体の挟持搬送を行うためのローラ対、50は記録媒体の被
記録面を平坦に規制するプラテンである。
【0044】図4は以上の構成を適用したプリンタまた
は複写機,ファクシミリ等の記録装置の概略図を示して
いる。
【0045】記録装置本体1000は、操作側手前が開閉可
能なカバー1101を有している。このカバー1101が回転中
心軸を中心として開状態にされると、本体内部を開放す
る。この開放によって、前述したレバー7の回転動作が
可能となり、カートリッジC1〜C4の装置本体に対する着
脱操作を可能とする。図中の実線表示のレバー7は第1
図示のカートリッジを装着可能とする位置を示し、この
位置では、カバー1101の閉状態への移動を阻止する。な
お、図中の破線表示のカートリッジは装着動作中のもの
を示し、実線表示のカートリッジは装置本体に位置決め
されて記録可能な所定位置にある。このときカートリッ
ジの記録ヘッド86の吐出口形成面は、プラテン50の案内
面に平行に対向し、突出した記録ヘッド部はキャリッジ
から下方へ突出して、記録媒体搬送用ローラ16,18 間に
位置している。1102は電気配線部のフレキシブルシート
を示し、12は前述したレール11とともにキャリッジ2を
支持して案内するためのレールである。
【0046】コネクタホルダ40は、カートリッジが装着
された後に、レバー7を破線の状態にしてカートリッジ
のキャリッジに対する固定を完了した後の状態として図
示されている。20,202は、前述したコネクタホルダ40の
キャリッジに対する相対移動方向に関して両側面側に設
けられている軸であり、互いに位置レベルが同一の位置
に並置されている。この軸は、キャリッジの両側側面の
一直線上にその中心長軸を有する2つの長穴の内部内で
移動可能な円柱形状である。図中、軸20,202は、実線で
示す位置で実線図示のレバー7に対応している。これら
の軸20,202はコネクタホルダの平行移動を一層確実なも
のにしている。本例では、軸20,202をコネクタ本体以外
に設け、記録ヘッド位置決め用押しピン10の上方近傍に
配置しているので、記録ヘッド位置決め用押しピン10の
位置精度が向上する。なお、軸20,202と同様な軸をコネ
クタ本体に設けて、コネクタ本体の平行移動を安定化
し、しかもコネクタ接続後は前後方向、側板との間隙分
の左右方向の自由度を与えるように構成することもでき
る。本実施例では、軸202 用の長穴を、コネクタ本体が
コネクタ接続をした後には軸202 を前後方向には固定せ
ずに位置決め用押しピン10の位置決めは軸20にのみ支配
的になるようにすることが好ましい。
【0047】(4) 回復系ユニットの概要 次に本例に係る回復系ユニットについて説明する。
【0048】図5はその回復系ユニットの配設部位およ
び概略構成を説明するための模式図であり、本例におい
ては回復系ユニットをホームポジション側に配設してあ
る。
【0049】回復系ユニットにおいて、300 は記録ヘッ
ド86を有する複数のカートリッジCにそれぞれ対応して
設けたキャップユニットであり、キャリッジ2の移動に
伴って、図12に示すように図中左右方向にスライド可能
であるとともに、下上方向に昇降可能である。そしてキ
ャリッジ2がホームポジションにあるときには、記録ヘ
ッド部86と接合してこれをキャッピングする。
【0050】また、回復系ユニットにおいて、401 およ
び402 は、それぞれワイピング部材としての第1および
第2ブレード、403 は第1ブレード401 をクリーニング
するために、例えば吸収体でなるブレードクリーナであ
る。本例においては、キャリッジ2の移動によって駆動
されるブレード昇降機構により第1ブレード401 を保持
させ、これにより第1ブレード401 を記録ヘッド86の吐
出口形成面のうち露出したオリフィスプレート103 の表
面をワイピングすべく突出(上昇)した位置と、これと
干渉しないように後退(下降)した位置とに設定可能と
する。そして本例では、記録ヘッド86は図2(a) におけ
る幅bを有する部分が第7図中左側にあるように取付け
られているものとし、キャリッジ2が図中左側より右側
に移動するときに第1ブレード401 によるワイピングが
なされるようにする。これにより、露出しているオリフ
ィスプレート103 の面は、図2(a) に示した吐出口の配
設位置によって区画される狭い部分側(幅aの部分)か
ら広い部分側(幅bの部分)に向けてのみワイピングが
なされる。なお、第2ブレード402 については、第1ブ
レード401 によってワイピングされない記録ヘッド86の
吐出口形成面、すなわち図2(a) における露出したオリ
フィスプレート表面の両側部分にある押え部材109 の表
面をワイピングする位置に固定してある。
【0051】さらに、回復系ユニットにおいて、500 は
キャップユニット300 に連通したポンプユニットであ
り、キャップユニット300 を記録ヘッド86を接合させて
行う吸引処理等に際してそのための負圧を生じさせるの
に用いる。
【0052】(4.1) キャップユニット 図6および図7は、それぞれ回復系ユニットの詳細な構
成例を示す平面図および側面図である。
【0053】まずキャップユニット300 は、記録ヘッド
86の吐出口のまわりに密着するキャップ302 と、これを
支持するホルダ303と、空吐出処理および吸引処理に際
してインクを受容する吸収体306 と、この受容されたイ
ンクを吸引するための吸引チューブ304 と、さらにポン
プユニット500 に連通した接続チューブ305 等を有して
いる。このキャップユニット300 はカートリッジCのそ
れぞれに対応した位置に同個数(本例では4個)だけ設
けられ、キャップホルダ330 により支持されている。
【0054】332 および334 はキャップホルダ330 から
突設したピンであり、固定の回復系ベース350 に設けら
れてキャップホルダ330 を上下方向に案内するためのカ
ム溝(不図示)にそれぞれ係合するものである。ばね36
0 は、キャップホルダを右端位置かつ下降位置に保持さ
れるように付勢力を与えている。
【0055】図12に示すように、図6中の342 はキャッ
プホルダ330 から立ち上げられ、スタートポジションよ
り左方の位置においてキャリッジ2と係合する係合部で
ある。キャリッジ2がスタートポジションより左方に移
動すると、これに伴って係合部342 によりキャップホル
ダ330 はばね360 の付勢力に抗して移動する。このとき
キャップホルダ330 は案内され、左方かつ上方に変位す
る。従ってキャップ302 が記録ヘッド86の吐出口の周囲
と密着し、キャッピングが施される。なお、このキャッ
ピングがなされるときのキャリッジ2の位置をホームポ
ジションとする。
【0056】次に、図8を用いて本例に係るキャップユ
ニット300 の構成および動作を説明する。なお、図では
吸収体306 を省略してある。
【0057】キャップ302 は弾性体からなり、ホルダ30
3 への接合固定部302aと、この固定部302aに管状構造30
2bを張設するための縁部302cとからなり、これらが一体
成型されている。
【0058】キャップ302 は、例えばシリコンゴム,ブ
チルゴム等の弾性体から形成することができる。
【0059】図に示したtの部分(縁部302c) の厚さを
できるだけ薄くすることにより、記録ヘッドの吐出口配
列面に対するキャップ302 の追従性を向上させることが
できる。縁部302cの厚さtは、好ましくは0.4mm 以上、
1mm 以下とされるのが望ましい。
【0060】このような構造によって、キャップ302 の
管状構造302bは、該吐出口密閉手段の吐出口配置面への
当接方向において弾性を有し、該弾性を利用して該キャ
ップの吐出口配置面へのエコライズが達成される。な
お、キャップユニット300 の吐出口形成面への当接は、
キャップホルダ330 の回復系ベース350 に対する移動に
より行われる。このとき接続チューブ304 の後端側を大
気に開放して当接を行えば、キャップ内空間が減少して
もキャップ内は大気圧に保持され、吐出口内部のインク
メニスカスが後退することはない。
【0061】次にキャップを離脱させるときには、キャ
ップ内の空間は、キャップ302 が記録ヘッド86に当接さ
せている際に大幅に減少しているので、離脱動作に伴う
キャップの復元によるポンプ作用(負圧作用)が生じ、
従ってキャップ内へのインクの保持がより容易となる。
すなわち、キャップが記録ヘッドから離脱する際に、収
縮したキャップが元の状態にもどるからである。さらに
キャップが離脱すると、キャップ内が負圧条件から大気
圧状態に向って変化するので、キャップ内からインクが
こぼれることが防止され、インクを引続きキャップ内に
保持できる。この作用は、ホルダ303 のキャップ直下の
キャップ内径よりも広い空間の設定でより効果的に得ら
れる。
【0062】(4.2) ブレード昇降機構等 次に第1ブレード401 の昇降機構について説明する。
【0063】再び図7を参照するに、410 は昇降可能な
ブレードホルダであり、その上部に取付け具411 により
第1ブレード401 を取付けてある。412 はブレードホル
ダ410 を下降位置に向けて付勢するためのホルダ復帰ば
ねである。
【0064】430 はブレードホルダ410 に突設したピン
414 のまわりに回動可能で、ストッパ432 の上面部と係
合することによりブレードホルダ410 をその上昇位置に
おいてロックするためのロックレバーであり、ばねによ
り図7において上方に向かって付勢されている。また、
同図示の状態ではブレードホルダ410 に突設した部分41
6 に係合し、図示の位置に保持される。
【0065】440 はブレードホルダ410 から突設したピ
ン418 のまわりに回動可能で、ブレードホルダ410 の上
昇位置におけるロックレバー430 のロック状態を解除す
るための解除レバーであり、ピン418 上方へ向かうこと
によって当該ロックの解除を行う。すなわち、解除レバ
ー440 にはロックレバー430 と係合するピン442 を立設
してあり、解除レバー440 がピン418 のまわりに回動す
ると、ピン442 はロックレバー430 をピン414 のまわり
に回動させ、ロックレバー430 と不図示のストッパの上
面部との係合を解除させる。
【0066】これらの機構は、キャリッジ2の移動に伴
って作動するカム(不図示)からの駆動力ブレードホル
ダ410 を上昇させるためのもので本発明を限定する構成
ではない。
【0067】図9はブレード401 がワイピングを行うと
きの詳細を示す側断面図であり、同図に示すように、本
例においては吐出口から段差部までの幅が狭い方から広
い方にのみワイピングされる。すなわち、吐出口配列が
オリフィスプレート103 において偏倚した方向にワイピ
ングがなされる。こうすることで、吐出口近傍が濡れた
り、塵埃等が付着しても、ワイピングによってきれいな
吐出口面が再現して良好な吐出状態を保つことが可能と
なる。
【0068】逆に、吐出口から段差部までの距離が広い
方から狭い方にワイピングした場合、狭い方の段差部
に、除去し切れず残ったインクや塵埃が溜り、この結果
距離が近いためオリフィスを塞いでしまう可能性がある
ため好ましくない。
【0069】本実施例では第1ブレードを上述の如く適
切に昇降させることによって段差部までの距離が狭い方
から広い方にワイピングされ、最悪の場合でもインクや
塵埃が吐出口8の位置には至らない状態となるため、吐
出口に影響を与えることなく、安定した吐出状態を維持
することが可能となる。
【0070】ところで、本例にあっては図9のようにワ
イピング方向が規定されるために、当該ワイピングの速
度すなわちキャリッジ2の移動速度に何ら考慮を払わな
いとすると、ブレード401 の材質や形状等によって定ま
る諸因子(弾性係数等)により、吐出口形成面の凹凸へ
の追従性に問題が生じる場合がある。すなわち、第1ブ
レード401 が段差部に追従できず、これが復元したとき
には既に吐出口108 を飛越してしまっているような不都
合が生じるからである。そこで本例では、それら諸因子
を考慮し、ワイピング時には通常走査時よりキャリッジ
2を緩速で移動するようになして、吐出口付近が確実に
ワイピングされるようにする。
【0071】図10(a) および(b) はブレード401 のクリ
ーニングの態様を説明するための図である。上述のよう
にキャップユニット300 のスライドに伴いブレード401
が上昇し(同図(a))、その後キャリッジ2の右方への移
動に伴ってワイピングが行われる。このとき本例ではワ
イピングされてブレード401 に受容されたインクはブレ
ード401 の表面を伝ってのみ流れ、装置内に滴下するこ
とはない。
【0072】そして、同図(b) に示すようにキャリッジ
2が右方から移動してくるときにブレード401 は下降す
る。ブレードクリーナ403は、これがキャップユニット3
00に取付けられたものであっても、既にキャップユニッ
ト300 が元の位置に復帰しているためブレード401に接
触している。従って、ブレード401 の下降に伴い、その
表面に付着しているインク等はすべて吸収体形態のクリ
ーナ403 に受容され、ブレード401 が確実に拭われるこ
とになる。
【0073】(4.3) ポンプユニット 図6および図7を参照してポンプユニット500 について
説明する。
【0074】ここで、502 は半円筒面状に設けた回復系
ベースの規制面であり、ここに少なくともその規制面上
では可撓性を有する部材として構成したチューブ304 を
這い回す。510 はチューブ304 を規制面50に対して押付
けながらポンプ軸504 のまわりに回転する加圧コロであ
り、図中矢印方向にチューブ304 を押潰しつつ回転する
ことによりキャップユニット300 に至る空間に負圧を生
じさせ、吐出口からのインク吸引等を行う。
【0075】520 は加圧コロ510 を回転させるためのガ
イドローラであり、ポンプ軸504 に軸支されている。52
2 は加圧コロ510 の軸512 をガイドローラ520 に取付け
るための保持具である。524 はガイドローラ520 に一体
に設けられ、チューブ304 群のおとりを抑制して各別に
分離させておくためのガイド用隔壁である。526 はガイ
ドローラ520 に一体化され、これを回転させるための駆
動力の伝達を受けるポジションカムである。528 はポン
プ駆動ギアであり記録媒体搬送(副走査)用ローラ15の
軸に設けられたギヤ15A と、ポジションカム526 に一体
に設けたギアとに噛合するギアを有する。すなわち、本
例ではポンプ駆動( 加圧コロの回転)のための駆動力は
ローラ15より受けるものである。
【0076】530 はコロ位置を認識するために設けた検
知手段としてのリーフスイッチであり、ポンプ軸504 の
まわりにガイドローラ520と一体に回転するカム532 に
よりスイッチングされる。
【0077】(5) 記録装置のシーケンス (5.1) 加圧コロの位置設定 まず記録ヘッド86よりインクを強制排出させるべく吸引
力を作用させるたのポンプユニット500 の加圧コロの位
置の設定について説明する。
【0078】図11はその説明図であり、(K) 〜(M) が加
圧コロ510 の設定位置である。また、図において反時計
方向(吸引を行う方向)を「+」とし、時計方向を
「−」とする。
【0079】まず位置(K) は加圧コロ510 がチューブ30
4を潰していない状態であり、この状態ではキャッピン
グ時であってもキャップ内ないしインク吸引系が大気と
連通している。位置(L) , (M) は加圧コロ510 が規制面
502 に沿ってチューブ304 を押し潰しつつ+回転した後
に停止される位置であり、これらの設定位置ではチュー
ブ304 が押し潰されているためにキャッピング時にはキ
ャップ内なし吸引系が大気と密閉されている。
【0080】本例においては、インク吸引による回復処
理の形態は2通りある。1つは装置の比較的長期間にわ
たる休止後や、単なる空吐出,ワイピングその他による
他の回復処理によってもインク吐出状態が良好とならな
いとき等に、スイッチ等適宜の操作手段の操作により、
もしくは自動的に行われるものである。このときはイン
クが増粘その他によって排出されにくい状態となってい
るので、キャップ内の吐出口に大きな吸引力を作用せし
め、すなわち流速を高めて急激にインク排出を行わせ
る。なお、これと同時に空吐出動作を実行する(以下こ
れを大回復または回復併用期間という)。
【0081】他方は所定量の記録動作直後においてリフ
レッシュないし冷却等により吐出状態を良好にするべく
行うものである。特に吐出エネルギに熱エネルギを用い
る本例のような装置では、このときはインク温度がある
程度高く、従って粘性が小となっており、インクが比較
的排出され易い状態となっているので、大回復時より小
さい吸引力を作用せしめてインク排出を行わせる(以下
これを小回復という)。
【0082】これら大回復時および小回復時に、本例で
は、+回転させた加圧コロ510 を、それぞれ位置
(L) およびM に設定して所定時間保持する。作用する吸
引力および吸引量は、インク吸引系の内容積の増加、す
なわち+回転した加圧コロ510 がチューブ304 を押潰し
始める位置から停止位置までの長さに対応した内容積に
よって定まるために、位置(M) に停止させたときには位
置(L) の場合よりも吸引力が小となる。これによると、
小回復時には大回復時よりインクが吐出口から緩やかに
引かれることになる。従って流れの状態が安定し、吐出
口内方に存在しうる微細気泡等、すなわち吸引力が大で
あって流れの状態が安定しない場合には乱流や渦の発生
によって除去できないような微細気泡等も確実に排除で
きることになる。また、このとき吸引されるインク量も
少くなるために、インクが必要以上に消費されることも
ない。
【0083】なお、主としてインク消費量の低減化を図
るのであれば、小回復時にも位置(L) に設定し、ここに
停止させておく時間を大回復時より小とすればよい。ま
た、主として微細気泡等の除去を確実化するのであれ
ば、小回復時には加圧コロ510の回転速度を落とし、緩
かにインク吸引が行われるようにしてもよい。さらにこ
の場合停止位置を適切に定めれば、インク消費量の低減
化も達成できる。
【0084】インクを強制排出するための手段として
は、吸引ポンプに他の形態のものを用いたり、あるいは
吐出口に至るインク供給系を加圧して行うものでもよい
が、本例のようなポンプユニット500 を用いれば上記よ
うな制御ないし調整が容易となる。
【0085】(5.2) キャリッジの位置設定 図12を用いてキャリッジ2の位置設定態様等について説
明する。なお、図中の(A) 〜(D) は最も記録領域側に位
置するヘッドを基準とした位置である。
【0086】まず、同図(a) はワイピング時の反転ポジ
ションを示す。さらに本例ではこの位置をキャッピング
を施す場合またはブレード401 を上昇させる場合に設定
される位置とする。本例ではこれらキャッピングやブレ
ード突出のための動作がキャリッジ2の移動に伴って行
われるために、キャリッジ2からはある程度以上大きな
力の伝達が必要である。そこで、キャリッジ2を適切な
位置(A) に設定し、この位置から移動を行わせることに
よりその慣性を利用すれば、キャリッジ2の駆動源たる
モータの大型化や駆動電力の増大をもたらすことなく、
上記機構を駆動するに必要十分な量の駆動力が得られる
ことになる。
【0087】次に、同図(b) の位置(B) は記録動作の開
始ポジションおよび記録動作中の反転ポジションである
スタートポジョンを示す。このときには各ヘッド86と各
キャップ300 とがそれぞれ対向するが、キャップホルダ
330 およびブレードホルダ410 は駆動されておらず、従
ってキャップ300 はヘッド86と離隔した位置にあり、か
つブレード401 も上昇していない。空吐出はこの位置で
行われる。
【0088】次に、同図(c) に示す位置(C) はブレード
ホルダ410 の上昇が起動される位置である。キャッピン
グを行う場合あるいはワイピングを行う場合にはこの位
置を通過し、あるいはこの位置に設定される。また、同
図(d) の位置(D) はキャップホルダ330 が上昇してキャ
ッピングが施される位置であり、この位置で大回復や小
回復が行われたり、記録休止時の待機等が行われる。
【0089】(5.3) 動作シーケンスのまとめ 図13(a) 〜(e) は本例の動作シーケンスをまとめたもの
である。これらにおいて、“1”は加圧コロ510 の位置
を示す欄、“2”はキャリッジ2の位置を示す欄であ
る。また、(K) 〜(M) は図11に示したコロ位置、(A) 〜
(D) は図12(a) 〜(d) に示したキャリッジ位置と同一で
ある。
【0090】同図(a) は電源投入後の初期処理時を示す
もので、加圧コロやキャリッジの位置のイニシャライズ
が行われる。同図(b) はコピーボタンの押下等により記
録開始の指令が与えられときの状態を示すもので、この
後にカセット給紙または手差し給紙による記録媒体の送
給が行われる。同図 (c)は記録処理時において適宜のタ
イミング(例えば5〜10ラインの記録走査毎) で行われ
るワイピングないし空吐出時の処理である。同図(d) は
所定量(本例では1ページ分の記録媒体への記録)終了
直後に行うようにした小回復処理を含む記録終了処理を
示すものである。また、同図(e) は大回復時の処理であ
る。
【0091】これらの詳細については図15〜図20ととも
に説明する。
【0092】(5.4) 制御系の構成 図14は本実施例の制御系の構成例を示す。
【0093】ここで、800 は主制御部をなすコントロー
ラであり、図15および図20に示す手順を実行する例えば
マイクロコンピュータ形態のCPU801、その手順に対応し
たプログラムやその他の固定データを格納したROM803、
および画像データを展開する領域や作業用の領域等を設
けたRAM805等を有する。810 は画像データの供給源をな
すホスト装置(リーダ部等であってもよい)であり、画
像データその他コマンド,ステータス信号等はインター
フェースを(I/F)812を介してコントローラと送受信され
る。
【0094】820 は電源スイッチ822 、記録(コピー)
開始を指令するためのコピースイッチ824 および大回復
の起動を指示するための大回復スイッチ826 等、操作者
による指令入力を受容するスイッチ群である。830 はホ
ームポジションやスタートポジション等キャリッジ2の
位置を検出するためのセンサ832 、およびリーフスイッ
チ530 を含みポンプ位置検出のために用いるセンサ834
等、装置状態を検出するためのセンサ群である。
【0095】840 は記録データ等に応じて記録ヘッド86
の吐出エネルギ発生素子(本例では電気熱変換体) を駆
動するためのヘッドドライバである。850 はキャリッジ
2を主走査方向(第7図の左右方向)に移動させるため
の主走査モータ、852 はそのドライバである。860 は副
走査モータであり、記録媒体を搬送(副走査) するため
に用いられるとともに、本例ではローラ15を介して加圧
コロ510 の駆動を行う。854 はそのドライバである。87
0 は前述のチーブポンプ等の吸引ポンプで、その駆動は
モータドライバ853 によって司どられる。
【0096】(5.5) 制御手順 図15は本例による記録処理手順の概略フローチャートで
ある。
【0097】電源スイッチ822 が操作されて電源投入が
されると本手順が起動し、まずステップSAにて初期処理
(図16の処理)を行う。次にステップS1にてコピースイ
ッチ824 の操作、またはホスト装置810 からの指令、あ
るいは所謂手差し給紙時における給紙信号等、記録開始
の指令信号を待機する。ホスト装置810 からの画像デー
タの入力に伴ってこれが指示されると、ステップS13 に
て記録準備処理(図17の処理)を行う。
【0098】その後ステップS3にて所定ライン数(本例
では5〜10の複数ライン)の記録を行い、ステップS5に
て1頁分の記録が終了したか否かを判定する。ここで否
定判定であればステップSCの記録時回復処理(図18の処
理)を行い、すなわち所定ライン数の記録終了毎に1回
の回復処理を行い、一方肯定判定であればステップSDに
て記録終了処理(図19の処理)を行った後にステップS1
に移行する。
【0099】次に上記ステップSA〜SDの詳細および大回
復処理の詳細を図16〜図19および図20を参照して説明す
る。なお、これら図16〜図20におけるシーケンスは、図
13(a) 〜(e) にそれぞれ対応する。
【0100】まず、図16に示すように、初期処理時には
ステップSA1にてキャリッジ2のホームポジション( 位
置(D))への設定を行う。また、このとき加圧コロ510 を
位置(L) に設定する(以下この位置をコロのホームポジ
ションともいう)。キャリッジ2のホームポジションへ
の設定にあたっては、その移動を利用してキャップホル
ダ330 およびブレードホルダ510 を駆動するものである
ために、適切な慣性力を得るべくキャリッジ2を回復系
ユニットと重畳しない適宜の位置(例えば図12(a) の位
置(A))に設定し、助走が行われるようにする。そしてホ
ームポジションへの設定によって記録ヘッド86がキャッ
ピングされ、かつキャップ内空間が密閉された状態とな
る。また、このときにはブレード401が突出し、ロック
されるための位置(図12の位置(C) を通過しているの
で、ブレード401 は上昇位置にある(この動作は以下で
も同様である)。なお、キャリッジ2およびコロ510 が
既にホームポジションにあれば、本ステップをスキップ
してもよい。
【0101】次に、ステップSA3 キャリッジ2を位置
(A) に向けて移動させることにより、吐出口形成面のワ
イピングが行われる。キャリッジ2のホームポジション
への設定によって既にブレード401 が突出しているから
である。このときの移動は、前述のように、通常の記録
走査時等よりも低い速度、すなわち段差にブレード401
が追従して確実なワイピングがなされる速度で行う。
【0102】次に、ステップSA5 にて加圧コロ510 を位
置(K) に回動させ、ステップSA7 にてキャリッジ2をス
タートポジション(図12の(B) の位置)に設定しこの位
置で空吐出を行う。すなわち、ワイピング後には空吐出
を行うわけである。これは以下の処理でも同様であり、
本例ではワイピング後に必ず空吐出を行うようにする。
なお、スタートポジションへの移動に伴ってキャリッジ
2が解除レバーに係合し、これを動作させるために、前
述のようにブレード401 は下降する。
【0103】ここで、その空吐出は、1つのブレードで
複数の記録ヘッドをワイピングすることによって生じ得
る混色等の防止のために行われるものであり、本例では
これをより有効に行うべく、後にワイピングされた記録
ヘッドほど、または明度の高いインク(イエロー等)に
対応した記録ヘッドほど、混色が目立ち易いためにその
ような記録ヘッドに対しては念入りに空吐出を行うよう
にする。すなわち、混色が生じ易い記録ヘッドほど空吐
出処理を行う時間を長く、ないしは吐出回数を多くする
等である。
【0104】また、本例では空吐出時には通常記録時よ
り電気熱変換体の駆動周波数を低くする(例えば1/
4)。駆動周波数が低いと吐出口形成面のインクによる
濡れが少ないことが確認されているからである。さら
に、空吐出にあたっては吐出口群を所定個数(例えば8
個)毎にブロック分けし、ブロック毎に順次に電気熱変
換体を駆動するようにする。これによっても濡れが生じ
にくくなることが確認されている。これら態様について
は、以下で行われる空吐出においても同様である。
【0105】なお、濡れを生じにくくするためには、駆
動周波数を変更することに代えて、あるいはこれととも
に駆動パルスの幅,電圧,形状等を変更するようにして
もよく、また駆動態様も適宜定めうるものである。
【0106】このような空吐出後には、ステップSA9
にてキャリッジ2,コロ510をホームポジションに設
定する。ここでは、まずキャリッジ2をホームポジショ
ンに設定することにより、キャッピングするが、このと
き、ステップSA5にてコロ510が位置Kに設定され
て大気連通がなされているために、キャッピング時のキ
ャップ内体積変化によってもキャップ内には正圧が作用
せず、従って吐出口内方に空気が混入することがない。
その後コロ510を図11中−回転させ(+回転ではイ
ンクを吸収してしまい、消費量の低減化の観点からも好
ましくはない)、位置(L)に設定する。これによりチ
ューブ304ないしキャップ内は若干加圧された状態と
なり、かつ先の空吐出によって受容したインクが吸引さ
れずに残留してキャップ内が湿潤な雰囲気に保たれるの
で、吐出口からのインク溶剤成分の蒸発も生じにくくな
る。
【0107】記録開始が指令された場合(ステップS1)
には、記録動作(ステップS3) に移行する前に、図17に
示すように準備処理を行う。ここではまずステップSB1
にて上記ステップSA3 と同様のワイピングを行う(本手
順はステップSA9 のホームポジション設定後に行われる
ためにブレード401 は既に上昇位置にあり、従ってキャ
リッジの位置(A) への移動によりワイピングが行われ
る。次に上記ステップSA7 と同様にしてキャリッジ2を
スタートポジションに設定し、空吐出を行う。続く記録
動作はこの位置(B) から常に行われる。
【0108】所定の数ラインの記録毎に行われる記録時
回復処理にあたっては、図18に示すように、まずステッ
プSC1 にてキャリッジ2を位置(C) に移動させ、ブレー
ドホルダ410 を駆動してブレード401 を突出させる。そ
してこの後上記ステップSB1およびSB3 と同様に、ワイ
ピング(ステップSC3)およびスタートポジションへの設
定・空吐出(ステップSC5 )を実行する。なお、本手順
を記録媒体の搬送処理を行う間に実行するようにすれ
ば、記録のスループットが大きく低下することはない。
【0109】1頁の記録が終了してその記録媒体が排出
されると、引続き図19に示すように加圧コロ510 を位置
(K) に設定する(ステップSD1)。そしてこの状態でステ
ップSD3 にてキャリッジ2をホームポジションに設定
し、キャッピングを施す。
【0110】次にステップSD5 において小回復動作を行
う。ここではまず加圧コロを位置(M)に設定し、この位
置で所定時間(例えば0.1 秒)保持してインク吸引を行
う。その後ステップSD7,SD9,SD11およびSD13にて、それ
ぞれ上記ステップSA3,SA5,SA7 およびSA9 と同様の処理
を行い、装置は記録ヘッドにキャッピングを施した状態
で次の記録開始指令を保持することになる。
【0111】大回復スイッチ826 が操作されると、図20
に示す処理が起動される。本手順では、ステップSE1 に
てキャリッジ2のホームポジション(位置(D))への設定
および加圧コロ510 のホームポジション(位置(L))への
設定を行った後、ステップSE3 の大回復を行う。ここで
は加圧コロ510 を+回転させて位置(L) に再設定し、こ
の位置で所定時間(例えば2〜3秒)保持してインク吸
引を行う。また、これと同時に所定の空吐出動作を行
う。そしてその後ステップSE5,SE7,SE9 およびSE11に
て、それぞれ、図16のステップSA3,SA5,SA7 およびSA9
と同様の処理を行い、本手順を終了する。なお、吸引と
空吐出とを同時に行うためには、例えば大回復に先立っ
て所定の空吐出用駆動データをドライバ840 にセットし
ておき、適宜のタイミングで起動するようにすればよ
い。
【0112】本例にように、大回復処理時にインク吸引
とともに空吐出を行う目的およびその効果は次の通りで
ある。
【0113】図21はヘッドチップ内部において、放置等
によりインク内に溶存ガスが析出したり、吐出時の残留
気泡等が集合して多くの泡が存在した状態を示してい
る。
【0114】この状態で電気熱変換素子112 等の吐出エ
ネルギ発生素子を駆動し、記録のための吐出動作を行う
と、吐出が行われた液路107 には液室106 からインクが
供給されるため、共通液室106 内においてインクの流動
が生ずる。その結果、負圧が発生するためその液路に気
泡が集まり、液路へのインクの供給を阻害することにな
る。従って吐出が不安定なものとなり、ヨレや不吐出が
生じる。甚だしい場合には、気泡が液路後端に貼り付
き、完全に液路内へのインクの供給をしゃ断して不吐出
が生じることもある。
【0115】このように気泡が多数存在すると、吐出が
不安定なものとなるため、通常は吸引や加圧等により気
泡から除去する。しかしながら、高粘度のインクが用い
られる場合や、低温環境下でインクが高粘度になってし
まっている場合には、吸引等で回復を行っても泡をほと
んど除去することができない。それどころか、インクを
徒らに浪費してしまうばかりである。
【0116】図22は泡の大きさと吸引を行っても除去で
きずに残留してしまった泡の率とを示している。
【0117】このときの記録ヘッドの液路径は40μm で
あり、64個の吐出口を有するマルチノズルヘッドを用い
た。吸引ポンプの最大発生負圧は−0.5atmである。
【0118】この図から分かることは、液路径よりも大
きい気泡は除去しずらいが、ある程度の大きさ以上にな
ると、除去しやすいということである。すなわち、液路
径以下の気泡は当然除去できるが、液路径より大きい気
泡でもある程度の大きさ以上になれば気泡が変形して液
路内に入り込み、液路を通して気泡と外気とが連通する
ことで、インクが再び液路内を満たすためと考えられ
る。
【0119】図示のように、ポンプの負圧を大きくする
ことで(−0.5atm→−0.6atm)、気泡の残り率を
減らすことができるが、大きな効果は期待できず、ポン
プ構成の小型化の観点からも望ましいことではない。
【0120】また、以上のことは特に、高濃度を実現す
るためインクの染料濃度を上げたり、高解像にするため
吐出口の大きさを小さくしたときに顕著である。染料濃
度が高いということは粘性が高いということであり、小
さい吐出口では大きい吐出口に対して、同じ大きさの気
泡を除去する場合、気泡をかなり変形させ、吐出口より
も小さくしなければならない。
【0121】そして、吸引する際にはかなりの負圧を発
生するポンプを用いないと気泡をとることは困難であ
り、場合によっては吸引の際気泡によりふさがれていな
い液路のみからインクが排出され、その部分のインクの
流れが速くなり、気泡によりふさがれた液路部のインク
の流れが遅くなることから、インクの流れが速い方が相
対的に負圧が大きくなるので、一層気泡を除去しにくい
ものとなる。
【0122】そこで本例においては、ステップSE3 の大
回復時に吸引と同時にインクの吐出を行っている。
【0123】すなわち、液路内のインクが吐出されるこ
とで、瞬間的に吐出後の液路内の負圧が大きいものとな
るため、吸引の負圧と相まってポンプ単独の場合に比べ
かなり強い負圧が発生し、しかもその負圧は各液路に対
して同等に作用するため、気泡の除去が容易なものとな
るのである。さらに、本例の場合吐出の際の気泡を発生
させる手段(吐出エネルギ発生素子)としての電気熱変
換体112 が駆動されるため、各液路部のインクの温度が
上昇し、粘度を低下させ、かつ表面張力を低下させるた
めに、一層液路内の流路抵抗力が小さいものとなり、気
泡の除去がさらに容易なものとなる。特に、長い時間ヘ
ッドを放置した場合の増粘はかなり進んでいるため効果
的である。
【0124】すなわち、図23(a) に示すように、吐出口
形成面全体にキャップを密着させ、ポンプにより吸引を
行うと同時に吐出口からインクを吐出させるようにする
と、吸引だけでは液路後端に引きよせられるだけで外へ
吸い出されなかった泡が、吐出を同時に行うことによっ
て液路内にインクの流れが生じ液路内の負圧が増大する
ので、後端に引きよせられていた気泡が液路内に入り込
み、外に排出されることになる。
【0125】これにより、図22の一点鎖線で示すよう
に、吐出口内方の気泡が除去され、安定した吐出を行う
ことが可能となる。
【0126】(6) 他の実施例 本発明の第2の実施例では、吸引と同時に吐出を行うに
際して、ヘッドの吐出特性の限界のインクリフィル周波
数以上の駆動条件にする。すると、吸引により液路内の
気泡は後方に引きよせられ、さらに吐出による液路内の
負圧増大により気泡が液路内に侵入する。一方、液路先
端部分においては、リフィル周波数の限界以上の周波数
で吐出が行われるため、メニスカスが振動している。周
波数、いいかえれば発泡の間隔をメニスカスの後退が最
大となる時間とすると、電気熱変換素子(吐出用ヒー
タ)から発泡された泡とメニスカスとが合体し、メニス
カスの後端が急激になる。
【0127】よって液路後端から侵入した液室内気泡と
先端から増大したメニスカスの後端部分とが合体する。
【0128】ヘッド全体にわたってこの状態を発生させ
ると、液路内には外部から一気に空気が流れ込むため、
液室の内部にインクがなくなった状態(「インク落ち」
と称する)となる。そしてインクがなくなるため、気泡
も吸収されてなくなることになる。
【0129】本例のようなカートリッジCにおいて、イ
ンクタンク80内に吸収体等を入れてヘッドを大気に対し
て負圧にしている構成では、上記のインク落ちは促進さ
れる。しかしこのようなカートリッジではインク落ちが
発生してもヘッドチップの吐出口内方のインクがなくな
るだけで、その分のインクのほとんどはタンク内に戻る
ものである。よってインクはヘッド外部にほとんど出
ず、インクを浪費するものではない。
【0130】そして、図23(b) に示すように、吐出口内
方のインクがほぼなくなってから次に吸引を行う。この
ときは、ポンプの吸引能力としてヘッドチップ内をイン
クで満たし、さらに余分量の吸引が行えるように設定す
る。
【0131】これによって、回復に要する廃インクの量
を極力減らすことができ、カートリッジひいては記録装
置のランニングコストを低減することが可能となる。
【0132】本発明の第3の実施例では、上記第1また
は第2の実施例による処理を行う前に、外部ヒータを駆
動し、あるいは吐出ヒータに吐出が生じない程度の発熱
が生じるように駆動する等により液路内のインク温度を
上昇させ、インクの粘度、表面張力を低下させるように
する。これにより、気泡同志が合体して大きな気泡とな
り易くなり、さらにはインクの流動性も上がるため、第
20図中実線で示すように、上記第1または第2の実施例
効果を一層向上するものとなる。第2実施例のようにイ
ンク落ちさせる方法に適用する場合には、インクの表面
張力が低下しているため液路先端でのメニスカス力が弱
まり、さらには表面張力の低下によるリフィル周波数の
低下が起こるため、吐出の間隔をその本体の最短の吐出
間隔(いわゆるベタ印字を行う場合に相当)以下にする
ことなく、効果的にインク落ちを発生させることができ
るようになる。
【0133】本発明の第4の実施例では、吸引時に駆動
する液路を特定のもの(例えば複数液路の両端側の液路
を駆動して逆に中央域を駆動しない)に限定する。すな
わち、全液路から吐出させると、1つの気泡に対して複
数の液路から力を受けるため気泡が変形しずらくなるこ
とがあるのに対し、所定部分の液路から集中して負圧を
作用させることで気泡の変形度を高めることができる。
【0134】本発明の第5の実施例では、図23(c) に示
すように、吸引と吐出との開始タイミングを完全に同時
とするのではなく多少ずらすようにする。すなわち、吸
引時の最大の発生圧と吐出等の最大負圧とが同時になる
ようにする。吐出時の最大負圧は発泡した泡が消泡する
ときであり、吐出とほぼ同時であるが、ポンプの最大発
生圧はポンプのコロ等が移動する時間だけ遅れるためで
ある。すなわち多少吸引動作を吐出に比べ早く行う方が
良いのである。これによって気泡の除去率を飛躍的に高
めることができる。
【0135】本発明は、以下述べた実施例に限られるこ
となく、本発明の趣旨を変更しない範囲で任意所望の変
形を加えることができるのは勿論である。そにような変
形例としては随所に述べたものの他に、例えば次のよう
なものが挙げられる。
【0136】例えば、小回復処理に際しても必要であれ
ば吸引と同時に空吸引を行うようにしてもよく、また大
回復処理を適宜2種に分け、吸引のみを行うものと空吐
出を併用するものとを設けてもよい。
【0137】また、吸引力を作用するためのポンプとし
ても上例のようにチューブとコロを用いる形態のものの
みならず、シリンダとピストンとから成るものでもよ
い。さらに、吐出口よりインクを吸引して強制排出を行
うもののみならず、インク供給系を加圧するものでもよ
い。
【0138】図24は、上述した装置構成のそれぞれの好
ましい型にはとらわれずに、本発明の好ましい他の実施
例のフローチャートを回復モードとして説明するもので
ある。
【0139】本発明の回復状態は、単位時間当りにヘッ
ドの各吐出口から均一且つ多量のインク排出を行えるほ
ど好ましいことになる。
【0140】本例では、回復モード工程ST1がフローチ
ャートとして又は選択キーからの信号によって又は通常
の主たる吸引回復として採用された場合のものである。
【0141】回復モード指令に伴って、ヘッド内インク
の加熱処理工程ST2が行われる。この工程ST2は共通液
室内部温度を上昇させるものが良いがヘッドの液路内部
のみでも良い。好ましくは、これらの両方が良い。共通
液室加熱としては外部ヒータや液室内ヒータ等周知の手
段が採用できる。液路加熱は、吐出エネルギ発生素子が
気泡を形成する発熱体であれば前述した予備加熱を行う
ように電気信号を供給するだけで得られる。逆に電気・
機械変換体を素子とする場合は、液路それぞれ又は全体
加熱可能なヒータ,光エネルギ等を利用して加熱すれば
良い。この工程ST2によってインクとヘッド内壁との流
体抵抗による慣性力は減少してインクの初期移動時の負
荷を軽減できる利点がある。
【0142】次に、インク吐出用素子の駆動工程ST3が
吸引手段(および/または加圧手段)を駆動する工程ST
4と略同時に行われる。これは吸引手段のインク吸引開
始に伴ってインク自体の移動開始を即時に行う、或いは
早める作用をもたらす。インク吸引時の複数液路,吐出
口それぞれへのインク吸引作用力の均一化を達成できる
と共に回復効率も向上できたことは前述の通りである。
本発明において、工程ST3,ST4を略同時に行うとは、
従来の吸引回復を回復ポンプ装置の大型化を招くことな
く、相対的に短時間で、全体に均一な吸引作用と、全体
として優れた回復効果を得られるものすべても含むもの
である。なお、ステップST3およびST4を同時に行うた
めには、プロセッサを複数具えるようにしてもよいが、
一方(例えば素子駆動)に関しては、当該駆動用データ
をセットしておく手段を具え、指令に応じて該手段によ
り駆動が行われるようにすれば、単一のプロセッサでも
処理できる。
【0143】上述各実施例のいずれにおいても、インク
の慣性力を低下させて、初期インク排出状態を改善して
いるので、従来の問題を解決できた。
【0144】次に、図25および図26を用いて、吐出エネ
ルギ発生素子の駆動期間と吸引或いは加圧用のポンプ等
を利用する強制排出期間とを併用して共に実行する回復
併用期間を有する本発明に係る回復モードの他の例を説
明する。以下の説明中には実質的に同一の課題を解決し
ようとする複数個の発明が含まれている。
【0145】図25は、横軸に時間Tを取り、これを共通
として上方に強制排出期間の圧力変化を示す縦軸の圧力
P(静圧)と、下方に素子駆動期間の縦軸のパルス電圧
Vとを示している。PMAXは強制排出期間中の最大圧力で
時間T4において発生されている。これは、例えばポンプ
の1ストローク中の最大圧力発生時として挙げることが
できる。P2は、最大圧力PMAXの50%の圧力値を、P1は最
大圧力PMAXの30%の圧力値をそれぞれ本例では示すもの
としている。これらの圧力P1,P2 を示す時間は順にT2,T
3 である。圧力P1,P2 は圧力上昇中と、圧力下降中とに
生じ、後者の圧力P1発生時が時間T5である。時間T1は圧
力発生時、時間T6は圧力消滅時である。T0は、回復モー
ドの開始信号を受けた時間である。
【0146】回復用の電圧VPのパルスPUL は、本例で
は、時間T3から時間T4までの間に複数個入力されてい
る。この複数パルスPUL のそれぞれは記録ヘッドのすべ
ての吐出エネルギ素子に実質的に同時に入力されるもの
である。本例は静圧での最大圧力PMAXの50%の時点から
最大圧力PMAXになるまでの強制インク排出期間中に、少
なくとも1つ以上の素子駆動パルスが供給されるもので
ある。従って、本例によれば圧力上昇中の前半の回復力
を大幅にしかも途中から急激化しているので、初期回復
力がインクの慣性力を消すために相殺されてしまう圧力
増加分の損失を防止できる。この趣旨からすると、時間
T2以上、即ち、PMAXの30%以上で素子駆動パルスを与え
ることが好ましい条件となる。無論、増加圧力は発熱素
子による気泡の形成によるものの方が圧電素子に比べて
急激なので好ましい。
【0147】図25について、さらなる例を説明する。上
記例は、圧力Pの増加中に素子駆動パルスPUL を入力し
ているが、総圧力の増加という回復力の増大化は、圧力
Pの下降中に素子駆動パルスを付加することで達成でき
る。この観点からすると、圧力P1になる時間T5までの
間、好ましくは時間T6までの圧力Pの存在期間に該パル
スを付加することは好ましいものである。次に強制排出
期間の終了時と素子駆動期間の終了時とを検討すると、
強制排出の圧力Pは減少していくので、微量圧力により
インクが吐出口近傍にわずかに出たものが吐出口表面に
残る場合も考えられ、圧力Pが消滅したT6以降の所定期
間、即ち時間T7までの間も素子駆動パルスPUL を供給し
続けて、急激な排出力で各インク路の状態をより改善し
ておくことが好ましい。
【0148】ところで、前述した図20のフローチャート
で、大回復すなわち上記併用回復期間を有する回復モー
ドを実行した後、吐出口表面をクリーニングし、さらに
この後、空吐出を行うシーケンスは以下の理由で好まし
いものである。すなわち、大回復では、ヘッド内気泡溜
まりを除去する目的や、目詰まりの原因を吐出口外部へ
排出する目的のいずれでも使用される。この時、吐出口
外部に出たゴミや固形物等の不要物が吐出口周辺に残存
している場合がある。これを効果的に除去するためにク
リーニング工程は重要である。このクリーニングによっ
てわずかに吐出口側へ戻されるような微小不要物があっ
たとしても、大回復で除去するまでもなく、空吐出の吐
出力で確実にしかも吐出口面から離脱せしめることがで
きるからである。
【0149】さらに、強制排出期間の開始時と、素子駆
動期間の開始時とについて検討する。回復処理の初期に
は、インクとインク路壁あるいはインク室壁との密着状
態による慣性力が存在しており、回復圧力を強制排出の
ポンプ力に頼る場合はエネルギ損失が大きい。これを解
決する例としては、素子駆動期間の開始を圧力Pの発生
時T1時に作用させることが挙げられる。これによれば、
ポンプ力の有効利用になるので好ましい。さらに時間T1
から時間T2に至る間にも素子駆動を行うことはさらに好
ましいものである。加えて、時間T1以前で回復信号が出
る時間T0の間に、素子駆動期間の開始を行うことは、強
制排出前に全吐出口のインク流動状態を形成できるので
好ましいものとなる。このように先行した素子駆動期間
の開始から、上述の併用回復期間中までに供給される素
子駆動パルスは、周期が一定のものであることが好まし
い。さらに、最大回復力を得るため、時間T4の時点で素
子駆動パルスが印加されること、具体的には発熱素子の
形成する気泡の最大成長時を一致させることが好ましい
実施例となる。
【0150】本発明において上述した図25に係わる各構
成説明は、それぞれを任意に組合せたものすべてが含ま
れることはいうまでもないことである。
【0151】次に、図26を用いて本発明の特別な実施例
を説明する。本例は、回復モードとして通常回復モード
と前述の回復併用モードとを具備し、これらを切換えて
実行する実施例のうち特殊なものである。すなわち、イ
ンク収納部内に吸収体を有する場合、通常負圧変動範囲
が−30mmHgないし−120mmHg となるものが多い。この場
合、負圧が小さい場合例えば−50mmHgより小さい負圧で
は、通常回復のみで充分なものが得られたとすると、上
述の大回復は−50mmHgないし−120mmHg の負圧の範囲の
みで行えば良くなる。又、インク使用量が所定値以上に
なると大回復を必要とすることがある。
【0152】このような場合にとって常に大回復を行う
ことはインク損失になるので以下のように切換えを行う
ことが好ましい実施例となる。図26のフローチャート
は、上述したように、基準となる所定値が積算カウント
あるいは残検等の検知機構で判別される(SM1 )と、基
準値より大では(負圧の場合は絶対値をとる)、空吐出
のみまたは吸引のみ等の通常回復SM3 を行い、基準値以
上では、上述の回復併用モードSM2 を選択するように設
定するサブルーチンを示している。この基準値としては
先に説明した|−50mmHg|を挙げることができるが、こ
れに限定されるものではない。いずれにしても、回復併
用モードを必要に応じて選択されるような方式は本発明
に含まれるものである。また、本発明は上述した各種の
実施例を回復併用モード中の複数の実行プロセスとして
有し、これらを任意に選択使用することも含むものであ
る。中でも前述した第2実施例は好ましいもので、回復
力を最大にするものである。
【0153】本発明は、大きな圧力を発生するには大型
化してしまうチューブポンプや、カラー複数ヘッドの回
復機構等に対して絶大な効果を発揮できるものである。
【0154】(7) その他 なお、本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも
キャノン(株)が提唱するバブルジェット方式の記録ヘ
ッド、記録装置において優れた効果をもたらすものであ
る。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が達
成できるからである。
【0155】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129 号明細書,同第4740796 号明細
書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好
ましい。この方式は所謂オンデマンド型,コンティニュ
アス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマ
ンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシ
ートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、
記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇
を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによ
って、電気熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘ
ッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆
動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形
成できるので有効である。この気泡の成長,収縮により
吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少な
くとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状
とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、
特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、
より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米
国特許第4463359 号明細書,同第4345262 号明細書に記
載されているようなものが適している。なお、上記熱作
用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124 号
明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れ
た記録を行うことができる。
【0156】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333 号明細書,米国特許第4459600 号
明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加
えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリット
を電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59
−123670号公報や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を
吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号
公報に基いた構成としても本発明の効果は有効である。
すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであって
も、記録を確実に効率よく行いうるからである。
【0157】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0158】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、または装置
本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装
置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチッ
プタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0159】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。
【0160】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るものであってもよい。
【0161】以上説明したように、本発明によれば、吸
引または加圧による強制排出動作と吐出エネルギ発生素
子の駆動による吐出動作とを略同時に行うようタイミン
グ駆動を実施することで、吐出口内方の気泡を簡単に除
去することが可能となった。また、吸引または加圧を行
うためのポンプ等の強制回復手段の能力を大きなものと
する必要がなくなるので、記録装置本体の小型化、低コ
スト化も可能となる。
【0162】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
吸引または加圧による強制排出動作と吐出エネルギ発生
素子の駆動による吐出動作とを同時に行うようにしたこ
とにより、吐出口内方の気泡を簡単に除去することが可
能となった。また、吸引または加圧を行うためのポンプ
等の手段の能力を大きなものとする必要がなくなるの
で、記録装置本体の小型化、低コスト化も可能となる。
【0163】また、与えられた強制回復手段の回復能力
を効率良く向上でき、装置の大型化を招くことなく、確
実な回復を達成できた。
【0164】さらに、このように大回復工程とは別に小
回復工程を含んでいることにより、小回復工程において
インクが大回復工程に比べて吐出口から緩やかに吸引さ
れ、そのインクの流れが安定することとなる。従って、
吸引力が大であってインクの流れが安定しない場合、乱
流および渦により除去されない微細気泡等も確実に排除
できる。また、小回復工程においては、吸引されるイン
ク量も少なくなるのでインクが必要以上に消費されるこ
とも回避できる。即ち、無駄となる廃インクが少なく、
しかも、最適で速やかな回復を行うことができるという
利点を有する。
【0165】加えて、回復程度が従来に比べて優れてお
り、その処理時間を短縮でき、最適にはインク損失量も
減じることが可能となった。
【0166】さらにくわえて、チューブポンプなどの機
構の大型化を招くことなく、効率のよい吸引を回復処理
開始から得ることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で用いた記録ヘッド・インク
タンク一体型カートリッジの斜視図である。
【図2】図2(a) および(b) は、それぞれ、その記録ヘ
ッドの構成例を示す正面図および側断面図である。
【図3】図1に示したカートリッジが装着される本実施
例装置のキャリッジ周辺を示す平面図である。
【図4】本実施例装置を利用して構成した記録装置を説
明するための側断面図である。
【図5】本実施例に係る装置の主要部である回復系ユニ
ットの概略を示すための当該装置の模式的斜視図であ
る。
【図6】その回復系ユニットの詳細な構成例を示す平面
図である。
【図7】同じくその側面図である。
【図8】その回復系ユニットに配設したキャップユニッ
トの詳細な構成および動作を説明するための正面図であ
る。
【図9】ブレード昇降機構によって昇降されるブレード
によるワイピングの態様を説明するため説明図である。
【図10】図10(a) および(b) は、同じくそのブレード
に対するクリーニングの態様を説明するための説明図で
ある。
【図11】本実施例で採用したインク吸引機構の動作を
説明するための説明図である。
【図12】図12(a) 〜(d) は本実施例における回復処理
時のキャリッジ位置を説明するための説明図である。
【図13】図13(a) 〜(e) は本実施例のシーケンス実行
時における図11に示したインク吸引機構および図12に示
したキャリッジの動作位置の関係を説明するための説明
図である。
【図14】本実施例に係る制御系の一構成例を示すブロ
ック図である。
【図15】図14に示した制御系による概略の記録動作手
順の一例を示すフローチャートである。
【図16】制御系による初期処理手段の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図17】同じく記録準備処理手段の一例を示すフロー
チャートである。
【図18】同じく記録時回復処理手段の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図19】同じく記録終了処理手段の一例を示すフロー
チャートである。
【図20】同じく大回復処理手順の一例を示すフローチ
ャートである。
【図21】ヘッドチップ内に存在する気泡の状態を説明
するための説明図である。
【図22】本発明実施例の効果を説明するための説明図
である。
【図23】図23(a),(b) および(c) は本発明の各実施例
における大回復処理時の駆動状態を示すタイミングチャ
ートである。
【図24】本発明の好ましい他の実施例を示すフローチ
ャートである。
【図25】本発明の好ましいさらに他の実施例を説明す
るための説明図である。
【図26】本発明の別の実施例を示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
C カートリッジ 2 キャリッジ 80 インクタンク部 86 記録ヘッド 103 オリフィスプレート 108 吐出口 109 押え部材 300 キャップユニット 302 キャップ 303 ホルダ 304,305 チューブ 330 キャップホルダ 332,334 ピン 342 係合部 350 回復系ベース 401,402 ブレード 403 ブレードクリーナ 410 ブレードホルダ 430 ロックレバー 440 解除レバー 450 カム部材 500 ポンプユニット 502 規制面 504 ポンプ軸 510 加圧コロ 520 ガイドローラ 528 ポンプ駆動ギア 530 リーフスイッチ 532 カム 800 コントローラ 810 ホスト装置 820 スイッチ群 830 センサ群 850 主走査モータ 860 副走査モータ
フロントページの続き (72)発明者 松原 美由紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 新井 篤 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−295268(JP,A) 特開 昭63−295267(JP,A) 特開 平1−285355(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/18 B41J 2/05 B41J 2/175 B41J 2/185

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出口からインクを吐出するために利用
    されるエネルギを発生するエネルギ発生素子を有する記
    録ヘッドと、該記録ヘッドの前記吐出口を覆うためのキ
    ャップと、該キャップが前記吐出口を覆っているときに
    前記吐出口から吸引を行うための吸引手段と、を有する
    インクジェット記録装置の回復処理方法において、 前記キャップで前記吐出口を覆った状態で前記吸引手段
    による前記吐出口からの吸引を行うとともに、前記エネ
    ルギ発生素子を駆動して前記吐出口からのインク吐出を
    行う大回復工程と、 前記キャップで前記吐出口を覆った状態で前記吸引手段
    による前記吐出口からの吸引であって、前記大回復工程
    における吸引力よりも小さい吸引力を作用せしめる吸引
    のみを行い前記吐出口からのインク吐出を行う小回復工
    程と、 を含むことを特徴とするインクジェット記録装置の回復
    処理方法。
  2. 【請求項2】 前記エネルギ発生素子は発熱素子であっ
    て、前記大回復工程では、インクに気泡を形成する駆動
    信号を該発熱素子に供給することを特徴とする請求項1
    に記載のインクジェット記録装置の回復処理方法。
  3. 【請求項3】 前記大回復工程では、前記発熱素子に複
    数の前記駆動信号を供給して複数回のインク吐出を行う
    ことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録
    装置の回復処理方法。
  4. 【請求項4】 前記大回復工程は、装置の長期休止後に
    なされることを特徴とする請求項1に記載のインクジェ
    ット記録装置の回復処理方法。
  5. 【請求項5】 前記大回復工程は、前記記録ヘッドに対
    する回復処理を行ってもインク吐出状態が良好とならな
    いときになされることを特徴とする請求項1に記載のイ
    ンクジェット記録装置の回復処理方法。
  6. 【請求項6】前記小回復工程は、所定量の記録動作直後
    になされることを特徴とする請求項1に記載のインクジ
    ェット記録装置の回復処理方法。
  7. 【請求項7】吐出口からインクを吐出するために利用さ
    れるエネルギを発生するエネルギ発生素子を有する記録
    ヘッドと、該記録ヘッドの前記吐出口を覆うためのキャ
    ップと、該キャップが前記吐出口を覆っているときに前
    記吐出口から吸引を行うための吸引手段と、を有するイ
    ンクジェット記録装置の回復処理方法において、 前記記録ヘッド内のインクを加熱する加熱工程と、 前記加熱工程後、前記キャップで前記吐出口を覆った状
    態で前記吸引手段による前記吐出口からの吸引を行うと
    ともに、前記エネルギ発生素子を駆動して前記吐出口か
    らのインク吐出を行う大回復工程と、 前記加熱工程後、前記キャップで前記吐出口を覆った状
    態で前記吸引手段による前記吐出口からの吸引であっ
    て、前記大回復工程における吸引力よりも小さい吸引力
    を作用せしめる吸引のみを行い前記吐出口からのインク
    吐出を行う小回復工程と、 を含むことを特徴とするインクジェット記録装置の回復
    処理方法。
  8. 【請求項8】 前記エネルギ発生素子は発熱素子であっ
    て、前記大回復工程では、インクに気泡を形成する駆動
    信号を該発熱素子に供給することを特徴とする請求項7
    に記載のインクジェット記録装置の回復処理方法。
  9. 【請求項9】 前記大回復工程では、前記発熱素子に複
    数の前記駆動信号を供給して複数回のインク吐出を行う
    ことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録
    装置の回復処理方法。
  10. 【請求項10】 吐出口からインクを吐出するために利
    用されるエネルギを発生するエネルギ発生素子を有する
    記録ヘッドにより記録を行うインクジェット記録装置に
    おいて、 前記記録ヘッドの前記吐出口を覆うためのキャップと、 該キャップが前記吐出口を覆っているとき該吐出口から
    吸引を行うための吸引手段と、 前記キャップにより前記吐出口が覆われた状態で前記吸
    引手段に前記吐出口からの吸引を行わせるとともに、前
    記エネルギ発生素子を駆動させて前記吐出口からのイン
    ク吐出を行わせる大回復処理、または、該キャップによ
    り前記吐出口が覆われた状態で前記吸引手段に該大回復
    処理における吸引力よりも小さい吸引力を作用せしめる
    吸引のみを行わせ前記吐出口からのインク吐出を行わせ
    る小回復処理を行わせる制御部と、 を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 前記大回復処理は、装置の長期休止後
    になされることを特徴とする請求項10に記載のインク
    ジェット記録装置。
  12. 【請求項12】 前記大回復処理は、前記記録ヘッドに
    対する回復処理を行ってもインク吐出状態が良好となら
    ないときになされることを特徴とする請求項10に記載
    のインクジェット記録装置。
  13. 【請求項13】 前記小回復処理は、所定量の記録動作
    直後になされることを特徴とする請求項10に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  14. 【請求項14】 前記制御部は、前記大回復処理および
    小回復処理に先立ってインクが加熱されるようにエネル
    ギ発生素子を駆動させることを特徴とする請求項10に
    記載のインクジェット記録装置。
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