JP3040355B2 - シリコーン界面活性剤をベースとした透明なエマルション - Google Patents
シリコーン界面活性剤をベースとした透明なエマルションInfo
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Description
シリコーン界面活性剤を含有し、平均100nm未満の
大きさの油滴を有する、水中油型のエマルション、特
に、透明な水中油型のエマルション、および、特に、化
粧品および/または皮膚科学の分野において、それらを
局所適用用に使用することに関する。
マルションは、化粧品および皮膚用製薬の分野におい
て、特に、ローション、皮膚用強壮剤(トニック)、漿
液、クリーム、またはオードトワレ(eaux de toilett
e)のような製品の調製用として良く知られている。
に、クリームまたはミルクに似た感覚を有する、透明の
組成物を得るために、ナノエマルション(nanoemulsio
n)として知られている平均100nm未満の油滴を含
有するエマルションは、既に使用されている。
162号公報には、ホスホグリセリド類からなる両親媒
性脂肪相を含有するナノエマルションが記載されてい
る。これらのナノエマルションは、高圧ホモジナイゼー
ション法により得られる。それらは、通常の貯蔵温度、
すなわち、0〜45℃での貯蔵に不安定であるという欠
点を示し、このため、数日間の貯蔵後には、組成物は黄
変し、悪臭が発生する。
報には、60℃より高い相転換温度でゲルを形成する石
鹸型の長鎖の脂肪酸の界面活性剤と、長鎖の脂肪アルコ
ールおよび/または脂肪酸とを組み合わせたものを含有
するナノエマルションが記載されている。これらのナノ
エマルションは、70℃より高温で調製されるので、こ
のような組成物においては、熱に不安定な活性源(例え
ば、ビタミン類)を使用することは不可能であった。
ルションの欠点を示さないナノエマルションが必要とさ
れている。
本発明のナノエマルションにより、まさしく、上述した
問題を解決することができる。実際、本出願人は、驚く
べきことに、特定の界面活性剤を使用することにより、
20〜45℃の温度で調製され得る、安定したナノエマ
ルションを得ることが可能になることを見いだした。
分散し、平均100nm未満の大きさの油滴を含有し、
少なくとも1つのシリコーン界面活性剤を含有すること
を特徴とする水中油型のエマルションにある。
の平均サイズの油滴を有するものであり、0〜45℃の
貯蔵において、少なくとも2ヶ月間は安定である。それ
らは、20〜45℃の温度で調製され;よって、熱に不
安定な活性源、例えばビタミン類および不飽和脂肪酸を
含有する植物性油類を、これらの活性源が劣化せしめる
危険性がない状態で、導入することができる。
透明性を維持しつつ、かなりの量の油を含有することが
可能である。さらに、それらは、皮膚の表層への、活性
源の浸透を促進させる。
のオキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化
された鎖を含有するシリコーン化合物である。本発明で
使用可能なシリコーン界面活性剤としては、米国特許第
53646633号および米国特許第5411744号
に記載されているものを挙げることができる。
は、好ましくは、次の式(I):
ており、C1−C6のアルキル基、または基−(CH2)x
−(OCH2CH2)y−(OCH2CH2CH2)z−OR4
であり、基R1、R2またはR3の少なくとも1つは、ア
ルキル基でなく;R4は、水素、アルキル基、またはア
シル基であり;Aは、0〜200の範囲内の整数であ
り;Bは、0〜50の範囲内の整数であり;AとBは、
同時に0ではなく;xは、1〜6の範囲内の整数であ
り;yは、1〜30の範囲内の整数であり;zは、0〜
5の範囲内の整数である]の化合物である。
(I)の化合物は、アルキル基がメチル基であり、xが
2〜6の範囲内の整数であり、yが4〜30の範囲内の
整数である。
て、次の式(II):
あり、Bは2〜10の範囲内の整数であり、yは10〜
20の範囲内の整数である]の化合物を挙げることがで
きる。
例として、次の式(III):
内の整数である]の化合物を挙げることもできる。
(Dow Corning)社からDC 5329、DC 7439-146、DC 2-56
95およびQ4-3667の名称で販売されているものを使用す
ることができる。DC 5329、DC 7439-146およびDC 2-569
5の化合物は、式(II)の化合物において、各々、A
が22、Bが2、yが12;Aが103、Bが10、y
が12;Aが27、Bが3、yが12のものである。
物において、A’が15、yが13のものである。
のエマルションに含有される油相の重量比は、好ましく
は2〜10、さらに好ましくは3〜6である。
性剤の量は、エマルションの全重量に対して、好ましく
は1〜15重量%、さらに好ましくは3〜6重量%の範
囲内にある。
全重量に対して、好ましくは5〜40重量%、さらに好
ましくは10〜30重量%の範囲内の量の油相を含有す
る。
類(流動ワセリン)、植物性油類(カリテバターの液状
留分、ヒマワリ油)、動物性油類(ペルヒドロスクワレ
ン)、合成油類[プルセリン油(purcellin oil)]、
天然または合成の精油類[ユーカリ、ラバンディン(la
vandin)、ラベンダー、ベチベルソウ、リトシー・クベ
バ(Litsea cubeba)、レモン、ビャクダン、ローズマ
リー、カミルレ、キダチハッカ、ナツメグ、シナモン、
ヒソップ、キャラウェー、オレンジ、ゲラニオール、カ
デ(cade)、およびベルガモットの油]、揮発性のシリ
コーン油類(デカメチルシクロペンタシロキサン)、ま
たは非揮発性のシリコーン油類(デカメチルシクロヘキ
サシロキサン)、フッ化油類(ペルフルオロポリエーテ
ル)、またはハロゲン化された炭化水素類[フッ化炭素
(fluorocarbon)、例えば、フルオロアミン、ペルフル
オロトリブチルアミン、またはフッ化炭化水素類、例え
ばペルフルオロデカヒドロナフタレン]を挙げることが
できる。また、脂肪物質類として、脂肪アルコール類、
脂肪酸類、ロウ類、およびガム類(シリコーンガム)を
使用してもよい。
エマルションは、一または複数のイオン性の両親媒性脂
質を、さらに含有する。
オン性の両親媒性脂質は、好ましくは、中和したアニオ
ン性の脂質、両性イオン性脂質、またはアルキルスルホ
ン酸誘導体により形成されるグループから選択される。
塩類; −硫酸コレステロ−ルのアルカリ金属塩類; −リン酸コレステロ−ルのアルカリ金属塩類; −リポアミノ酸類、例えば、アシルグルタミン酸一ナト
リウム、およびアシルグルタミン酸二ナトリウム; −ホスファチジン酸のナトリウム塩類; −リン脂質; −次の式:
22のアルキル基、特に、C16H33およびC18H38基を表
し、Mは、アルカリ金属、例えば、ナトリウム、カリウ
ムである]で示されるスルホン酸アルキルの誘導体類; −および、それらの混合物;からなるグループから選択
される。
アジノモト社から”アシルグルタマート(acylglutamat
e)HS 21”の名称で販売されているN−ステアロ
イルグルタミン酸、リン酸ジセチルナトリウム、および
リン酸ジミリスチルナトリウムを挙げることができる。
ーン界面活性剤の重量に対して、0〜20重量%、好ま
しくは5〜15重量%の範囲内の濃度で存在する。
を改善するための所定の添加剤を含有することもでき
る。
ール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、または4〜16、好ましくは8〜12ののエチ
レンオキシド単位を含有するポリエチレングリコール; −および、それらの混合物;から形成されるグループか
ら選択することができる。
に対して、好ましくは0〜30重量%の範囲内、さらに
好ましくは5重量%より高い濃度で、発明のエマルショ
ン中に使用される。アルコールは、エマルションの全重
量に対して、好ましくは5〜20重量%の範囲内の濃度
で使用され、グリコールの場合は、好ましくは5〜15
重量%の濃度で使用される。
アルコールを使用すると、防腐剤を含有しないエマルシ
ョンを得ることができる。
は15〜100nm、さらに好ましくは15〜90nm
の範囲内の平均サイズを有するものである。油滴の大き
さを小さくすると、皮膚の表層への活性源の浸透が促進
され(ビヒクル効果)、エマルションの透明性が改善さ
れる。
ずかに青みを帯びたものであり、600nmの波長で測
定された透過率により決定される透明度が、好ましくは
30〜90%、さらに好ましくは50〜80%を示すも
のである。
は、次の段階: −45℃未満の周囲温度で、水性相と油相を激しく撹拌
して混合し、 −108Paより高い、好ましくは12×107〜18×
107Paの範囲内の圧力で、高圧ホモジナイズする;
を含むものである。
化合物と融和するナノエマルションを周囲温度で調製す
ることができる。さらに、これらのナノエマルション
は、かなりの量の油、特に脂肪物質含有する香料を、変
性させないで含有することができる。
利には、化粧品的、および/または皮膚科学的、および
/または製薬的に許容可能な媒体をさらに含有する。
は粘膜、および/または爪、および/または頭皮、およ
び/または髪の美容処理、並びに皮膚、および/または
粘膜、および/または爪、および/または頭皮、および
/または髪の病気の皮膚科学的治療を意図した組成物の
調製に、上述したエマルションを使用することにある。
または粘膜、および/または爪、および/または頭皮、
および/または髪に、上述したエマルションを適用する
ことからなる、皮膚、および/または粘膜、および/ま
たは爪、および/または頭皮、および/または髪の非治
療的美容方法にある。
を与え、脂性肌および敏感肌を処置することができる。
よって、本発明は、皮膚に潤いを与え、および/または
脂性肌を処置し、および/または敏感肌を処置するため
に、上述したエマルションを使用することにもある。敏
感肌の定義は、欧州特許公開第680749号公報を参
照することができる。
ョン、漿液、またはゲルの形態で提供することができ、
考慮される分野において通常使用されるアジュバント
類、例えば、ゲル化剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、フ
ィラー類、着色物質、および脂質小胞体を含有してもよ
い。
手、爪、またはボディを洗浄、保護、トリートメント、
または手入れするための組成物(例えばクレンジングミ
ルク、メークアップ除去用ミルク、またはボディミル
ク)、人工的に日焼け状態とするための組成物、または
バスまたはシャワー用の組成物を構成することができ
る。また、本発明のエマルションは、シャンプー、ヘア
セッティング用ローション、トリートメント用ローショ
ン、スタイリングクリームまたはゲル、染色用組成物ま
たは抜け毛防止用のゲルまたはローションを構成するこ
ともできる。
/または皮膚科学的な活性を有する水溶性または脂溶性
の活性源を含有してもよい。脂溶性の活性源は、エマル
ションの油滴中に存在し、水溶性の活性源は、エマルシ
ョンの水性相に存在する。例えば、脂溶性の活性源とし
て、レチノール(ビタミンA)およびその誘導体、例え
ばパルミチン酸レチノールを挙げることができる。
施例を挙げるが、これは本発明を限定するものではな
い。
される: −第1の相Aにおいて、成分の混合を、45℃でホノジ
ナイズすることにより行い; −第2の相Bにおいて、親水性のアジュバント類および
活性源を、20〜30℃で溶解し; −ついで、A相とB相をプロペラホモジナイザーを使用
して混合し、ついで、Soavi-Niro型の高圧ホモジナイザ
ーを使用して、圧力1500バール、7パスで、生成物
の温度を30℃以下に維持しつつ、ホモジナイズした。
相にA相を添加する直前に、エタノールをA相に添加し
ておく。
の油滴の大きさは52nmであり、600nmでの透過
率により決定される透明度は80%であった。
があった。
が得られた。このものの油滴の大きさは70nmであ
り、透明度は40%であった。
い感触があり、敏感肌の処置に適したものであった。
の油滴の大きさは57nmであり、透明度は67%であ
った。
のに、適したものであった。
Claims (22)
- 【請求項1】 水性相に油相が分散し、平均100nm
未満の大きさの油滴を含有し、次の式(I): 【化1】 [上式(I)中、R1、R2およびR3は、互いに独立し
ており、C1−C6のアルキル基、または基−(CH2)x
−(OCH2CH2)y−(OCH2CH2CH2)z−OR4
であり、基R1、R2またはR3の少なくとも1つは、ア
ルキル基でなく;R4は、水素、アルキル基、またはア
シル基であり; Aは、0〜200の範囲内の整数であり; Bは、0〜50の範囲内の整数であり;AとBは、同時
に0ではなく; xは、1〜6の範囲内の整数であり; yは、1〜30の範囲内の整数であり; zは、0〜5の範囲内の整数である]で表される少なく
とも1つのシリコーン界面活性剤を含有し、 シリコーン界面活性剤の量に対する油相の重量比が2〜
10であり、かつ、 −リン酸ジミリスチルとリン酸ジセチルのアルカリ塩; −硫酸コレステロールのアルカリ塩; −リン酸コレステロールのアルカリ塩; −リポアミノ酸塩; −ホスファチジン酸のナトリウム塩; −リン脂質; −次の式: 【化2】 [上式中、Rは、混合形態か単独の形態をとって、C 16
−C 22 のアルキル基を表し、Mはアルカリ金属である]
で示されるスルホン酸アルキルの誘導体類; −および、それらの混合物; からなるグループから選択される少なくとも1つのイオ
ン性の両親媒性脂質を更に含有 することを特徴とする水
中油型のエマルション。 - 【請求項2】 シリコーン界面活性剤が、アルキル基が
メチル基であり、xが2〜6の範囲内の整数であり、y
が4〜30の範囲内の整数である、式(I)の化合物で
あることを特徴とする請求項1に記載のエマルション。 - 【請求項3】 シリコーン界面活性剤が、次の式(I
I): 【化3】 [上式(II)中、Aは20〜105の範囲内の整数で
あり、Bは2〜10の範囲内の整数であり、yは10〜
20の範囲内の整数である]の化合物であることを特徴
とする請求項1または2に記載のエマルション。 - 【請求項4】 シリコーン界面活性剤が、Aが22、B
が2、yが12;Aが103、Bが10、yが12;A
が27、Bが3、yが12である、式(II)の化合物
から選択されることを特徴とする請求項3に記載のエマ
ルション。 - 【請求項5】 シリコーン界面活性剤が、次の式(II
I): 【化4】 [上式(III)中、A’およびyは10〜20の範囲
内の整数である]の化合物であることを特徴とする請求
項1または2に記載のエマルション。 - 【請求項6】 シリコーン界面活性剤が、Aが15、y
が13である、式(III)の化合物であることを特徴
とする請求項5に記載のエマルション。 - 【請求項7】 シリコーン界面活性剤の量が、エマルシ
ョンの全重量に対して、1〜15重量%の範囲内にある
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記
載のエマルション。 - 【請求項8】 シリコーン界面活性剤の量が、エマルシ
ョンの全重量に対して、3〜6重量%の範囲内にあるこ
とを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載
のエマルション。 - 【請求項9】 油相が、エマルションの全重量に対し
て、5〜40重量%の範囲内の量で存在することを特徴
とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のエマル
ション。 - 【請求項10】 油相が、エマルションの全重量に対し
て、10〜30重量%の範囲内の量で存在することを特
徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のエマ
ルション。 - 【請求項11】 イオン性の両親媒性脂質が、シリコー
ン界面活性剤の重量に対して、5〜15重量%の範囲内
の濃度で存在することを特徴とする請求項1ないし10
のいずれか1項に記載のエマルション。 - 【請求項12】 油相が、少なくとも1つのシリコーン
油および/またはシリコーンゴムを含有することを特徴
とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載のエマ
ルション。 - 【請求項13】 粒子の大きさが、エマルションを透明
にする程度であることを特徴とする請求項1ないし12
のいずれか1項に記載のエマルション。 - 【請求項14】 低級アルコール、グリコールおよびそ
れらの混合物のうちから選択される透明性を改善するこ
とのできる添加剤を含有することを特徴とする請求項1
ないし13のいずれか1項に記載のエマルション。 - 【請求項15】 添加剤が、低級アルコール、グリコー
ル、およびそれらの混合物から選択されることを特徴と
する請求項14に記載のエマルション。 - 【請求項16】 添加剤が、エマルションの全重量に対
して、5〜30重量%の範囲内の濃度で存在することを
特徴とする請求項14または15に記載のエマルショ
ン。 - 【請求項17】 油滴が15〜90nmの範囲の平均サ
イズを有するものであることを特徴とする請求項1ない
し16のいずれか1項に記載のエマルション。 - 【請求項18】 化粧品用組成物を含むことを特徴とす
る請求項1ないし17のいずれか1項に記載のエマルシ
ョン。 - 【請求項19】 水溶性および/または脂溶性の化粧品
活性源を含有することを特徴とする請求項1ないし18
のいずれか1項に記載のエマルション。 - 【請求項20】 請求項1ないし19のいずれか1項に
記載のエマルションを含有してなる、皮膚および/また
は粘膜および/または爪および/または頭皮および/ま
たは髪の美容処理用の組成物。 - 【請求項21】 請求項1ないし19のいずれか1項に
記載のエマルションを含有してなる、皮膚に潤いを与
え、および/または脂性肌を処置し、および/または敏
感肌を処置するための組成物。 - 【請求項22】 皮膚および/または粘膜および/また
は爪および/または頭皮および/または髪に、請求項1
ないし19のいずれか1項に記載のエマルションを適用
することからなる、皮膚および/または粘膜および/ま
たは爪および/または頭皮および/または髪の非治療的
美容方法。
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