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JP2932644B2 - チトクロムオキシダーゼの測定方法及び測定装置 - Google Patents

チトクロムオキシダーゼの測定方法及び測定装置

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Publication number
JP2932644B2
JP2932644B2 JP23137890A JP23137890A JP2932644B2 JP 2932644 B2 JP2932644 B2 JP 2932644B2 JP 23137890 A JP23137890 A JP 23137890A JP 23137890 A JP23137890 A JP 23137890A JP 2932644 B2 JP2932644 B2 JP 2932644B2
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JP
Japan
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change
hemoglobin
absorbance
wavelength
cytochrome oxidase
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知巳 田村
守 田村
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Shimazu Seisakusho KK
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  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は近赤外領域の特定波長光を用いて生体内のチ
トクロムオキシダーゼ(cytaa3)の酸化還元状態を無侵
襲に測定する方法とその装置に関するものである。
(従来の技術) 近赤外領域の特定波長光を生体に照射し、その透過光
又は散乱・反射光を測定して、その吸光度の経時変化か
らチトクロムオキシダーゼの酸化還元状態を測定する方
法が知られている(Adv.Exp.Med.Biol.,Vol.248,pp.63
−68(1989)参照)。その方法では、チトクロムオキシ
ダーゼの酸化還元状態による吸光度変化を受けにくい波
長域(700〜780nm)の特定波長と、受けやすい波長域
(780〜900nm)の特定波長での吸光度変化の測定を組み
合わせて、チトクロムオキシダーゼの酸化還元状態を演
算により計測している。
また、本発明者はチトクロムオキシダーゼの酸化還元
状態による吸光度変化を受けにくい波長域においては、
特定の複数波長での吸光度の経時変化からヘモグロビン
の酸素動態を測定する方法をすでに提案している(特願
昭63−248833号参照)。
(発明が解決しようとする課題) 光源としては特定発振波長の半導体レーザを複数種類
組み合わせて用いる方法や、連続波長の光源と分光器を
組み合わせて所定の波長を得る方法等があるが、特に光
源として半導体レーザを用いる場合には、発振波長の制
約から所望の波長を選択できない場合がある。より具体
的に述べると、invivoで生体を計測をする場合には、生
体組織での減光度がかなり大きいため、光源出力をある
程度強くする必要がある。しかし、現在の段階では780n
m以下の波長域で高出力の半導体レーザを入手すること
は困難である。
本発明は高出力半導体レーザの入手が容易な780nm以
上の波長域、すなわちチトクロムオキシダーゼの酸化還
元状態変化に伴う吸光度変化が生じる近赤外領域におい
てのみ吸光度の経時変化を測定することにより選択波長
に制限を受けることなくチトクロムオキシダーゼの酸化
還元状態を計測することのできる方法と、そのための装
置を提供すること目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の測定方法では、以下の工程(A)から(C)
を用いてチトクロムオキシダーゼの変動量を測定する。
(A)ヘモグロビンの酸素化−脱酸素化に伴う吸光度変
化とチトクロムオキシダーゼの酸化還元状態変化に伴う
吸光度変化がともに生ずる近赤外領域において、2組の
異なる波長群の光を生体組織に照射して各波長での吸光
度変化を測定する工程、 (B)各波長群について吸光度変化が全てヘモグロビン
の酸素化−脱酸素化に依存すると仮定し、吸光係数とし
て各波長での酸素化型ヘモグロビンの吸光係数及び脱酸
素化型ヘモグロビンの吸光係数のみを用いてヘモグロビ
ン量変動を算出する工程、 (C)これら2組の波長群のヘモグロビン量変動算出値
の差からチトクロムオキシダーゼの変動量を算出する工
程。
また、本発明のチトクロムオキシダーゼ測定装置は、
ヘモグロビンの酸素化−脱酸素化に伴う吸光度変化とチ
トクロムオキシダーゼの酸化還元状態変化に伴う吸光度
変化がともに生ずる近赤外領域において、2組の異なる
波長群の光を生体組織に順次照射して各波長での吸光度
変化を測定する測定系と、各波長群について吸光度変化
が全てヘモグロビンの酸素化−脱酸素化に依存すると仮
定し、吸光係数として各波長での酸素化型ヘモグロビン
の吸光係数及び脱酸素化型ヘモグロビンの吸光係数のみ
を用いてヘモグロビン量変動を算出し、これら2組の波
長群のヘモグロビン量変動算出値の差からチトクロムオ
キシダーゼの変動量を算出する演算部とを備えている。
(作用) チトクロムオキシダーゼの酸化還元状態変化に伴う吸
光度変化が生じる波長においては、ヘモグロビンの酸素
化・脱酸素化によっても吸光度変化が生じるため、吸光
度変化はヘモグロビンの吸光度変化とチトクロムオキシ
ダーゼの吸光度変化との和になる。前述の引用文献及び
特許出願にも示されているように、ある波長における吸
光度変化は次の式で表される。
ΔAλn=knΔ〔HbO2〕+kn′Δ〔Hb〕+kn″Δ〔cyta
a3〕 ……(1) この(1)式の右辺第3項がないもの仮定した場合、
つまり吸光度変化は全てヘモグロビンの酸素化−脱酸素
化状態の変化に伴うものであると仮定した場合、酸素化
型ヘモグロビン変動Δ〔HbO2〕又は脱酸素化型ヘモグロ
ビン変動Δ〔Hb〕は前述の特許出願に述べられているよ
うに、 Δ〔HbO2〕={(k2′−k3′)ΔA1−(k1′−k3′)Δ
A2+(k1′−k2′)ΔA3}/K ……(2) Δ〔Hb〕={−(k2−k3)ΔA1+(k1−k3)ΔA2−(k1
−k2)ΔA3}/K ……(3) として算出することができる。ここで、ΔA1,ΔA2,Δ
A3は3波長λ1,λ2,λ3をそれぞれ生体組織に直接照
射して測定した吸光度変化、k1,k2,k3はそれぞれ波長
λ1,λ2,λ3をそれぞれ生体組織に直接照射して測定
された吸光度変化、k1,k2,k3における酸素化型ヘモグ
ロビンの吸光係数、k1′,k2′,k3′はそれぞれ波長λ
1,λ2,λ3における脱酸素化型ヘモグロビンの吸光係
数、K=(k1−k3)(k2′−k3′)−(k2−k3)(k1
−k3′)である。
これらのヘモグロビン変動の式(2),(3)はチト
クロムオキシダーゼの変化分が誤差となるが、逆にこの
ことを利用して選択波長の違いによるチトクロムオキシ
ダーゼの吸光係数の差からこれに依存するパラメータを
算出することができる。チトクロムオキシダーゼの酸化
還元状態変化に伴う吸光度変化がないものとしてある特
定波長の組合せで求めた酸素化型ヘモグロビン変化量Δ
〔HbO2〕aと、別の特定波長の組合せで求めた酸素化型
ヘモグロビン変化量Δ〔HbO2〕bを算出し、それらのゲ
インを合わせた後に減算して得られる次式の新しいパラ
メータN[cytaa3]はチトクロムオキシダーゼの酸化還
元状態変化に比例する量となる。
Δ[cytaa3]≒N[cytaa3] =Δ〔HbO2〕a−KΔ〔HbO2〕b ラットの吸入ガスの酸素濃度を変えた際の脳内酸素化
型ヘモグロビンとチトクロムオキシダーゼの挙動を調べ
た実験によれば、チトクロムオキシダーゼは正常な状態
ではほとんど酸化されているが、吸気ガスの酸素濃度が
減少して酸素化型ヘモグロビンが15%以下になると徐々
に還元されはじめ、オキシヘモグロビンが5%以下にな
ると大幅に還元されることがわかっている。
また、ラット頭部の近赤外吸収スペクトルの測定結果
によれば、780nm以下の波長ではチトクロムオキシダー
ゼの酸化還元状態変化に伴う吸光度変化はなく、ヘモグ
ロビンの酸素化−脱酸素化に伴う吸光度変化のみが観測
され、780nmより長波長側においてはチトクロムオキシ
ダーゼの酸化還元状態変化に伴う吸光度変化と、ヘモグ
ロビンの酸素化−脱酸素化に伴う吸光度変化がともに観
測される。
前記(2)式により酸素化型ヘモグロビン変動量を算
出する例について説明する。
チトクロムオキシダーゼの酸化還元状態変化に伴う吸
光度変化を受ける波長(λ1,λ2,λ3)での吸光度変
化から算出した酸素化型ヘモグロビン変動量をΔ〔Hb
O2123とし、やはりチトクロムオキシダーゼの酸化還
元状態変化に伴う吸光度変化を受ける他の波長(λ4
λ5,λ6)での吸光度変化から算出した酸素化型ヘモグ
ロビン変動量をΔ〔HbO2456とする。
チトクロムオキシダーゼが殆ど変化しない領域、すな
わちラットの場合であれば吸入ガス中の酸素濃度の高い
状態では、吸光度変化はヘモグロビンのみに依存すると
考えてよく、Δ〔HbO2123とΔ〔HbO2456は同じ波形
となる。ただし絶対値は異なる。このとき各時刻での変
化量Δ〔HbO2123を横軸にとり、Δ〔HbO2456を縦軸
にとってプロットすると、第1図(A)のように直線と
なる。この傾きをKとして N[cytaa3]=Δ〔HbO2456−KΔ〔HbO2123 というパラメータN[cytaa3]を考えると、その波形は
第1図(C)に示されるようにフラットになり、0を示
す。
次に、チトクロムオキシダーゼも途中(時刻t1)から
還元され始めたとすると、Δ〔HbO2123とΔ〔HbO2
456との間に傾きKの比例関係はなくなり、例えば第1
図(B)のようにずれてくる。この時刻t1以降ではパラ
メータN[cytaa3]の値は、第1図(D)に示されるよ
うに、チトクロムオキシダーゼによる吸光度変化分のた
めにずれを生じており、これがすなわちチトクロムオキ
シダーゼの酸化還元状態を反映したパラメータとなる。
これによってチトクロムオキシダーゼの算出法がわから
なくても、ヘモグロビンの算出法さえわかればチトクロ
ムオキシダーゼの酸化還元状態の変化をモニタすること
ができる。
3波長演算によりヘモグロビン変動量を算出するとき
は、その式は(1)式から ΔAλn−kn″Δ〔cytaa3〕=knΔ〔HbO2〕+kn′Δ
〔Hb〕 (n=1,2,3) となる。この式から酸素化型ヘモグロビンの変動量を解
くと、 Δ〔HbO2〕=(An1ΔAλn1+An2ΔAλn2+An3ΔAλn
3)+BnΔ〔cytaa3〕 という形になる。左辺は実際の酸素化型ヘモグロビン変
動量、右辺第1項は見かけの酸素化型ヘモグロビン変動
量、右辺第2項はチトクロムオキシダーゼ吸光度変化に
よる酸素化型ヘモグロビン測定誤差である。左辺は波長
選択が違えば値が違ってくるが、実際は同じ変化量を示
しているので、係数Kを乗じた後、辺々引き算をすれば
チトクロムオキシダーゼの変化量と吸光度変化量の項の
みが残る。すなわち吸光度変化からチトクロムオキシダ
ーゼ変化量を算出することができる。
請求項1ではヘモグロビンの酸素化−脱酸素化に伴う
吸光度変化とチトクロムオキシダーゼの酸化還元状態に
伴う吸光度変化がともに生ずる近赤外領域の2組の波長
ペアを選択しているが、1組をチトクロムオキシダーゼ
の酸化還元状態による吸光度変化がない波長域(700nm
〜780nm)にすればより顕著な差を認めることができ
る。
(実施例) 第2図は一実施例の測定装置を表わす。
2−1〜2−6はそれぞれ特定の波長λ1〜λ6のレー
ザ光を発振するレーザダイオードであり、3個ずつの組
が2組設けられている。発振波長λ1〜λ6は780nm以上
に設定されている。レーザダイオード2−1〜2−3は
駆動回路4によって順次切り替えて発振させられる。駆
動回路4はCPU6によって制御される。8は測定対象とし
ての生体組織であり、レーザダイオード2−1〜2−6
からのレーザビームが照射用光ガイド10によって生体組
織8に導かれる。光ガイド10は例えば直径5mmの光ファ
イバ束である。12は検出器である光電子増倍管であり、
生体組織8による透過光又は反射光が検出用光ガイド14
によって光電子増倍管12に導かれる。光ガイド14も例え
ば直径が5mmの光ファイバ束である。
16は光電子増倍管12の出力信号を増幅するプリアン
プ、18は増幅された信号をサンプルホールドするサンプ
ルホールド回路、20はサンプルホールド回路18の出力信
号を増幅する増幅器、22は増幅された信号電圧を周波数
に変換するV/F変換器であり、V/F変換器22の出力信号が
CPU6に入力されてカウントされる。
CPU6はレーザダイオード2−1〜2−6の発振を制御
するとともに、各波長λ1〜λ6でのデータを取り込み、
経時吸光度変化量ΔA1〜ΔA6を算出する。算出した経時
吸光度変化量ΔA1〜ΔA6と予め測定されて設定された吸
光係数k1,k2,k3,k1′,k2′,k3′とから酸素化型ヘ
モグロビン量変動Δ〔HbO2123とΔ〔HbO2456を算出
し、これをもとにしてパラメータ N[cytaa3]=Δ〔HbO2456−KΔ〔HbO2123 を算出する。したがって、CPU6はヘモグロビン量変動算
出値の差からチトクロムオキシダーゼの変動量を算出す
る演算部の機能を実現している。測定系24は第2図で鎖
線で囲まれた部分に該当する。
第2図においてCPU6には入出力部32を介して、この装
置を操作したり吸光係数を入力するためのキーボード3
4、測定値などを表示する液晶ディスプレイ36、測定結
果を出力するレコーダ38、異常を知らせる警報装置40な
どが接続されている。
次に、本実施例における吸光度測定動作について説明
する。
第3図はCPU6が測定値を取り込み、ダーク補正をする
までのタイムチャートである。図には簡単のために、3
波長で測定を行なうように説明しているが、第2図の実
施例は6波長での測定であり、単にレーザダイオードの
数が増えるだけと考えればよい。
第3図で、A,B,Cはそれぞれ波長λ1,λ2,λ3のレー
ザダイオード2−1〜2−3の駆動パルス、Dは積分パ
ルス、Eはサンプリングパルス、Fはリセットパルス、
Gは光電子増倍管12の出力信号、Hは波長λ1のチャネ
ルのサンプルホールド前の出力信号である。他のチャネ
ルについても同様の出力信号Hが得られる。Sλ1は信
号レベル、Dλ1はダークレベルである。IはSλ1−D
λ1であり、これによって真の信号レベルを得ることが
できる。
(発明の効果) 本発明によれば、ヘモグロビンの酸素化−脱酸素化に
伴う吸光度変化とチトクロムオキシダーゼの酸化還元状
態変化に伴う吸光度変化がともに生ずる近赤外領域にお
いて、ヘモグロビン量変動値からチトクロムオキシダー
ゼの酸化還元状態を測定するので、ヘモグロビンに比べ
て吸光度変化の小さいチトクロムオキシダーゼの酸化還
元状態を光源波長の選択の制約を受けることなく、無侵
襲に測定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の測定原理を説明する図、第2図は測定
装置の一実施例を示すブロック図、第3図は一実施例の
検出動作を示すタイムチャートである。 2−1〜2−6……レーザダイオード、6……CPU、8
……生体組織、24……測定系。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−275323(JP,A) 特開 平3−68336(JP,A) 特開 昭62−41639(JP,A) 特開 昭61−11614(JP,A) 特開 昭48−101195(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/61

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の工程(A)から(C)を用いてチト
    クロムオキシダーゼの変動量を測定する方法。 (A)ヘモグロビンの酸素化−脱酸素化に伴う吸光度変
    化とチトクロムオキシダーゼの酸化還元状態変化に伴う
    吸光度変化がともに生ずる近赤外領域において、2組の
    異なる波長群の光を生体組織に照射して各波長での吸光
    度変化を測定する工程、 (B)各波長群について吸光度変化が全てヘモグロビン
    の酸素化−脱酸素化に依存すると仮定し、吸光係数とし
    て各波長での酸素化型ヘモグロビンの吸光係数及び脱酸
    素化型ヘモグロビンの吸光係数のみを用いてヘモグロビ
    ン量変動を算出する工程、 (C)これら2組の波長群のヘモグロビン量変動算出値
    の差からチトクロムオキシダーゼの変動量を算出する工
    程。
  2. 【請求項2】ヘモグロビンの酸素化−脱酸素化に伴う吸
    光度変化とチトクロムオキシダーゼの酸化還元状態変化
    に伴う吸光度変化がともに生ずる近赤外領域において、
    2組の異なる波長群の光を生体組織に順次照射して各波
    長での吸光度変化を測定する測定系と、各波長群につい
    て吸光度変化が全てヘモグロビンの酸素化−脱酸素化に
    依存すると仮定し、吸光係数として各波長での酸素化型
    ヘモグロビンの吸光係数及び脱酸素化型ヘモグロビンの
    吸光係数のみを用いてヘモグロビン量変動を算出し、こ
    れら2組の波長群のヘモグロビン量変動算出値の差から
    チトクロムオキシダーゼの変動量を算出する演算部とを
    備えたチトクロムオキシダーゼ測定装置。
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