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JP2932236B2 - 可変容量形ポンプ - Google Patents

可変容量形ポンプ

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Publication number
JP2932236B2
JP2932236B2 JP6052659A JP5265994A JP2932236B2 JP 2932236 B2 JP2932236 B2 JP 2932236B2 JP 6052659 A JP6052659 A JP 6052659A JP 5265994 A JP5265994 A JP 5265994A JP 2932236 B2 JP2932236 B2 JP 2932236B2
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JP
Japan
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pump
fluid pressure
chamber
pressure
cam ring
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP6052659A
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English (en)
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JPH07243385A (ja
Inventor
忠晃 藤井
洋人 岩田
祐一 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JIDOSHA KIKI KK
Original Assignee
JIDOSHA KIKI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=12920999&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2932236(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by JIDOSHA KIKI KK filed Critical JIDOSHA KIKI KK
Priority to JP6052659A priority Critical patent/JP2932236B2/ja
Priority to US08/380,575 priority patent/US5518380A/en
Publication of JPH07243385A publication Critical patent/JPH07243385A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2932236B2 publication Critical patent/JP2932236B2/ja
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Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C14/00Control of, monitoring of, or safety arrangements for, machines, pumps or pumping installations
    • F04C14/18Control of, monitoring of, or safety arrangements for, machines, pumps or pumping installations characterised by varying the volume of the working chamber
    • F04C14/22Control of, monitoring of, or safety arrangements for, machines, pumps or pumping installations characterised by varying the volume of the working chamber by changing the eccentricity between cooperating members
    • F04C14/223Control of, monitoring of, or safety arrangements for, machines, pumps or pumping installations characterised by varying the volume of the working chamber by changing the eccentricity between cooperating members using a movable cam
    • F04C14/226Control of, monitoring of, or safety arrangements for, machines, pumps or pumping installations characterised by varying the volume of the working chamber by changing the eccentricity between cooperating members using a movable cam by pivoting the cam around an eccentric axis

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)
  • Details And Applications Of Rotary Liquid Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば自動車のハン
ドル操作力を軽減する動力舵取装置のような圧力流体利
用機器に用いられる可変容量形ベーンポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】動力舵取装置用ポンプとして従来一般に
は、自動車用エンジンで直接回転駆動される容量形のベ
ーンポンプが用いられていた。しかし、このような容量
形ポンプは、駆動源であるエンジン回転数に対応して吐
出流量が増減されるため、停車中や低速走行時に大きな
操舵補助力を生じさせ、高速走行時には操舵補助力を小
さくするという動力舵取装置とは相反する特性となって
いる。
【0003】したがって、このようなポンプとしては、
回転数が小さい低速走行時にあっても所要の操舵補助力
が得られる吐出流量を確保できるものが用いられ、かつ
回転数が大きくなったときの吐出流量を一定量以下に制
御するための流量制御弁が必須となる。このため、この
ようなポンプでは、構成部品点数が増え、構造が複雑化
し、さらに通路構造も複雑で、全体の大型化やコスト高
も避けられない。
【0004】また、流量制御弁を用いると、吐出流量を
タンク側に還流させることになるので、駆動馬力が大き
くなり、エネルギ損失が多く、さらに油温が上昇すると
いう問題もある。
【0005】このような容量形での不具合を解決するも
のとして、吐出流量を回転数の増加に伴って段階的に減
少させ得る可変容量形ベーンポンプが、たとえば特開昭
53−130505号公報、特開昭56−143383
号公報、特開昭58−93978号公報、実公昭63−
14078号公報等によって種々提案されている。
【0006】このような可変容量形のポンプでは、容量
形のような流量制御弁が不要で、また無駄な駆動馬力の
増大化を防ぎ、エネルギ効率の面でも優れ、さらにタン
ク側への戻り流量もないことから油温上昇という問題も
低減でき、しかもポンプ内部での漏れ、容積効率低下等
の問題をも防止できる。
【0007】たとえば特開昭56−143383号公報
等に示される可変容量形ポンプは、カムリングをポンプ
ケーシング内で移動可能に構成するとともに、このカム
リングとポンプケーシングとの間に形成した間隙部にお
いて一対のコントロール室となる流体圧室を形成し、そ
れぞれの室に吐出通路途中に設けたオリフィス前後の圧
力を導き、その差圧をカムリングに直接作用させ、この
カムリングをスプリングの付勢力に抗して適宜移動させ
ることにより、ポンプ室の容積(ポンプ容量)を変化さ
せて適正な吐出流量制御を行なうものである。
【0008】しかし、このような従来のポンプでは、カ
ムリングを、ポンプハウジング内で直線移動可能に保持
し、これを吐出通路に直接または間接的に設けたオリフ
ィス上、下流側の圧力差で移動変位させているだけであ
り、ポンプ各部の構成部品や流体通路等が多く、加工
性、組立性は勿論、動作上での信頼性、さらに耐久性の
面で問題をもち、実現性に乏しいものであった。
【0009】前述したように従来から知られている可変
容量形ベーンポンプの一例を、図6等を用いて簡単に説
明すると、図中1はポンプボディ、2はこのボディ1内
に形成されている楕円形空間部3内で支軸部2aを介し
て揺動変位可能に設けられかつ図中白抜き矢印で示す方
向に付勢力が与えられているカムリング、4はこのカム
リング2内でポンプ室5を一側に形成するように他側寄
りに偏心して収容され外部駆動源によって回転駆動され
ることにより放射方向に進退自在に保持したベーン4a
を出入りさせるロータである。
【0010】なお、図中4bはロータ4の駆動軸で、ロ
ータ4は図中矢印で示す方向に回転駆動される。また、
図中3a,3bはボディ空間部3においてカムリング2
の両側室に開口して形成され各室にカムリング2を揺動
変位させるための制御圧、たとえばポンプ吐出側通路に
設けた可変オリフィス前後の流体圧等を導くための通路
で、カムリング2をポンプ吐出側での流量に応じて揺動
変位させ、ポンプ回転数の増加に伴い吐出側の流量を減
少させるような吐出側流量制御を行なうように構成され
る。
【0011】6は前記ポンプ室5におけるポンプ吸込側
領域5Aに臨んで開口されたポンプ吸込側開口、7はポ
ンプ室5のポンプ吐出側領域5Bに臨んで開口されたポ
ンプ吐出側開口で、これらの開口6,7はロータ4およ
びカムリング2からなるポンプ構成要素を両側から挾み
込んで保持するための固定壁部であるプレッシャプレー
トおよびサイドプレート(図示せず)のいずれかに形成
されている。
【0012】また、8,9はポンプボディ1の楕円形空
間部3内でカムリング2の外周部両側に形成された一対
をなす第1および第2の流体圧室で、これらの室8,9
には、前述した通路3a,3bによりポンプ吐出側通路
の可変オリフィス上、下流側の流体圧等が導入され、カ
ムリング2を所要の方向に揺動変位させ、ポンプ室5内
の容積を可変し、ポンプ吐出側での流量に対応して吐出
流量を可変制御するものである。ここで、カムリング2
は図中Fで示すように流体圧室9側から付勢力が与えら
れ、常時はポンプ室5内の容積を最大に維持し得るよう
になっている。また、図中2bはカムリング2の外周部
に設けられ軸支部2aと共に左、右両側に流体圧室8,
9を画成するためのシール材である。
【0013】なお、6a,7aは前記ポンプ吸込側開口
6、吐出側開口7のポンプ回転方向の終端部に連続して
形成されたひげ状のノッチで、これらのノッチ6a,7
aは、ロータ4の回転に伴って各ベーン4aの先端をカ
ムリング2の内周部に摺接させてポンプ作用を行わせる
場合に、各開口6,7の端部に接近するベーン間で挾ま
れた空間とこれに隣接するベーン間の空間との間で流体
圧を高圧側から低圧側へと徐々に逃がす役割を果たすた
めのものである。このようなノッチ6a,7aによれ
ば、ベーン4a間の空間が、各開口6,7の端部に直に
到達することで、急激な圧力変動、サージ圧を生じ、そ
の結果としてポンプ吐出側での流体圧力に脈動問題を生
じることを防止するうえで効果的である。
【0014】そして、上述した構造によるポンプでは、
ロータ4の回転に伴ってベーン間の空間を、各開口6,
7に連通されるのに先立って、前記ノッチ6a,7aを
介して各開口6,7との所要の連通状態を生じさせ、高
圧側から低圧側に流体圧力を徐々に逃がすことによっ
て、前述したベーン4a,4a間の空間での急激な圧力
変動を抑制し、サージ圧を小さくし、これによりポンプ
吐出側での流体圧力に生じる脈動を防止しようとする構
成であった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の可変容
量形のポンプ構造によれば、ポンプボディ1内でカムリ
ング2を揺動変位可能に支持する支軸部2aを中心とし
たポンプ室5内のポンプ吐出側領域5Bにおける流体圧
による作用力に、アンバランスな力が発生することがあ
るという問題があった。
【0016】これは、カムリング2内で偏心しているロ
ータ4の一側寄りに形成されているポンプ室5におい
て、ポンプ吐出側領域5Bに開口しているポンプ吐出側
開口7の開口範囲が、図7から明らかなように、カムリ
ング2の揺動支点となる支軸部2aを中心としてカムリ
ング2両側に形成される左、右の流体圧室8,9に対応
する角度範囲がαとα+βというように、第2の流体圧
室9側にずれており、その角度差β分のポンプ吐出側圧
力が、カムリング2に図中右側への揺動変位を生じさせ
るようなアンバランスな力として作用するからである。
【0017】すなわち、ポンプ室5内に開口するポンプ
吐出側開口7の開口位置によって、カムリング2におい
て外周部側が第2の流体圧室9に対応する部分での内
圧、特に角度βに相当する部分での室内圧力が上昇する
と、カムリング2内、外での差圧によって、カムリング
2が図中矢印で示す方向に揺動しようとする力が働くこ
とになる。そして、このような動きに伴なうポンプ室5
の容積減少によって、ポンプ吐出流量が減少すると、こ
のポンプから圧力流体の供給を受ける被利用機器が作動
したときの負荷作用時、つまりポンプ負荷時の流量確保
が困難となってしまうという問題を避けられなかった。
【0018】従来この種の可変容量形ポンプにおいて、
ポンプ吐出側での流量変動に対応して切換えられる切換
えバルブを設け、この切換えバルブによって所定圧力に
制御した流体圧を、カムリング2を移動変位させるため
のカムリング2外周の左、右の流体圧室8,9に供給す
ることにより、ポンプ回転数の変化に対応した所望のポ
ンプ吐出流量が得られるように構成したものが、特願平
4−358801号等により既に提案されている。
【0019】このような可変容量形ポンプでのカムリン
グ2外周の左、右の流体圧室8,9に導入される流体圧
力の変化等は、以下に説明した通りである。すなわち、
カムリング2外周で図中右側にある第2の流体圧室9で
の流体圧PB は、図8の線図から明らかな通りであり、
この流体圧PB が、この右側でのカムリング内面圧に対
応するカムリング外面圧になる。ここで、このようなP
B は、ポンプ回転数が大きくなった流量調整域でも、上
述した切換えバルブの切換え機能によって、完全にはポ
ンプ吸込側(ドレン側)には連通せず、所定レベルでの
低圧状態を維持するようになっている。
【0020】一方、カムリング2外周で図中左側にある
第1の流体圧室8での流体圧PA は、図8の線図から明
らかな通りで、この流体圧PA が図中左側でのカムリン
グ内面圧に対応するカムリング外面圧となるもので、こ
の流体圧PA は、流量調整域では上述したPB よりも若
干大きくなる。そして、このときのPA とPB との圧力
差が、カムリング2を図中左側に付勢するばね力Fに相
当し、通常はこのばね力Fによってバランスするように
なっている。
【0021】このような圧力関係において、前述したよ
うにカムリング2右側でのポンプ吐出側開口7が、第2
流体圧室9側に角度差βをもってずれている場合のカ
ムリング2の内面圧とカムリング外面圧は、次のように
なる。ここで、ポンプ吐出側の圧力をPとする。すなわ
ち、前述したような角度差βに伴なうアンバランスな力
が作用すると、この第2の流体圧室9側部分での圧力差
は、図8の線図から明らかなように(ポンプ吐出圧力P
−PB )となり、図7中矢印で示すようにカムリング2
に対しポンプ室5の容積つまり吐出量を減少させる方向
への揺動変位が生じる。特に、このようなカムリング2
の吐出量減少方向への揺動変位は、流量調整域生じる
ことになる。
【0022】換言すると、上述したような流体圧の不平
衡によって生じるアンバランスな力でカムリング2に揺
動変位、さらには振動が生じると、ポンプ吐出側におい
て大きな流量変動が生じ、これにより脈動が大きくな
り、ポンプ特性上での問題となるもので、このような問
題点を解決することが望まれる。
【0023】特に、このような問題は、可変容量形ポン
プからの流体圧が供給される被利用機器側での作動によ
って、主供給経路中の流体圧が上昇し、これによりこの
経路またはポンプ吐出側通路途中に設けたメータリング
オリフィス上、下流側の差圧が増大したりすることによ
り、ポンプ吐出側圧力の変動が大きく生じた場合に著し
いもので、このような問題点を解決することが必要とさ
れている。たとえば被利用機器がパワーステアリングで
あるとき、大流量または小流量がパワーシリンダ側に流
れるため、舵取ハンドルが急に重くなってり、軽くなっ
たりするもので、このような不安定さは解消することが
望まれる。
【0024】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、カムリング内、外で生じるアンバランスな
力に伴なう揺動変位によって生じ易かった揺動変位をな
くし、ポンプ吐出側での大きな流量変動、脈動等を低減
し、吐出流量が低下するのを防止し得るようにした可変
容量形ポンプを得ることを目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】このような要請に応える
ために本発明に係る可変容量形ポンプは、ポンプボディ
内で回転自在なベーン付きのロータと、このロータ外周
部との間の一側寄りにポンプ室を形成するように偏心し
嵌装されかつポンプボディ内で移動変位可能に配置さ
れるとともにポンプボディとの間の外周部隙間空間にシ
ール手段を介して第1および第2の流体圧室を形成する
カムリングと、ポンプボディ内でこのカムリングをロー
タ外周部との間でのポンプ容量を最大とする方向に付勢
する付勢手段と、前記ポンプ室から圧力流体を吐出する
ポンプ吐出側通路に設けたメータリングオリフィス
上、下流側での圧力差に応じて作動されポンプ室からの
圧力流体の吐出流量の大小に応じて第1の流体圧室への
供給流体圧を制御するスプール式制御バルブを備え、カ
ムリング外周部の流体圧室のうち、ポンプ容量を最大と
する方向への移動変位を与える第2の流体圧室に、前記
スプール式制御バルブの第2の室に導かれているメータ
リングオリフィス下流側の流体圧を導入するように構成
したものである。
【0026】また、本発明に係る可変容量形ポンプは、
ポンプボディ内で回転自在なベーン付きロータと、この
ロータ外周部との間の一側寄りにポンプ室を形成するよ
うに偏心して嵌装されかつポンプボディ内で移動変位可
能に配置されるとともにポンプボディとの間の外周部隙
間空間にシール手段を介して第1および第2の流体圧室
を形成するカムリングと、ポンプボディ内でこのカムリ
ングをロータ外周部との間でのポンプ容量を最大とする
方向に付勢する付勢手段と、前記ポンプ室から圧力流体
を吐出するポンプ吐出側通路に設けたメータリングオリ
フィス上、下流側での圧力差に応じて作動されポンプ
室からの圧力流体の吐出流量の大小に応じて第1の流体
圧室への供給流体圧を制御するスプール式制御バルブを
備え、カムリング外周部の流体圧室のうち、ポンプ容量
最大とする方向への移動変位を与える第2の流体圧室
に、ポンプ吐出側通路途中のメータリングオリフィス下
流側の流体圧を導入するように構成したものである。
【0027】
【作用】本発明によれば、カムリング外側に形成される
第1の流体圧室に、スプール式の制御バルブによってポ
ンプ吐出側流量の大小に対応してポンプ吸込側の流体圧
やポンプ吐出側でのメータリングオリフィスの上流側の
流体圧を導入するとともに、カムリングを付勢する付勢
手段を設けた第2の流体圧室に、制御バルブの第2の室
を介して、または直接的にポンプ吐出側通路でのメータ
リングオリフィス下流側の流体圧を導入することによ
り、ポンプ作動初期において適切な流量を確保し得ると
ともに、たとえば被利用機器の作動等といったポンプ負
荷時にあっても、カムリング内、外での不平衡な流体圧
によりアンバランスな力が働いたりしても、このカムリ
ングを無用に揺動変位させることがない。
【0028】
【実施例】図1ないし図4は本発明に係る可変容量形ポ
ンプの一実施例を示し、これらの図において、本実施例
では、動力舵取装置の油圧発生源となるベーンタイプの
オイルポンプである場合を説明する。
【0029】まず、全体を符号10で示すベーンタイプ
の可変容量形ポンプは、図1および図2から明らかなよ
うに、ポンプボディを構成するフロントボディ11およ
びリアボディ12を備えている。このフロントボディ1
1は、図2から明らかなように全体が略カップ状を呈
し、その内部にポンプ構成要素13を収納配置する収納
空間14が形成されるとともに、この収納空間14の開
口端を閉塞するようにしてリアボディ12が組合わせら
れて一体化されている。なお、このフロントボディ11
には、前記ポンプ構成要素13の回転子であるロータ1
5を外部から回転駆動するためのドライブシャフト16
が貫通した状態で、軸受16a,16b,16c(16
bはリアボディ12側、16cは後述するプレッシャプ
レート20側に配設される)により回転自在に支持され
ている。
【0030】17はベーン15aを有するロータ15の
外周部に偏心して嵌装される内側カム面17aを有し、
かつこの内側カム面17aとロータ15の外周部との間
の一側寄りにポンプ室18を形成するカムリングで、こ
のカムリング17は、後述するように、ポンプ室18の
容積を可変するように収納空間14内で空間内壁部分に
嵌合状態で設けられたアダプタリング19内で移動変位
可能に配置されている。なお、このアダプタリング19
は、ボディ11の収納空間14内でカムリング17を移
動変位可能に保持するためのものである。
【0031】20は上述したロータ15、カムリング1
7およびアダプタリング19によって構成されているポ
ンプカートリッジのフロントボディ11側に圧接して積
層配置されるプレッシャプレートで、またこのポンプカ
ートリッジの反対側面には前記リアボディ12の端面が
サイドプレートとして圧接され、ボディ11とボディ1
2との一体的な組立てによって所要の組立状態とされ
る。そして、これらの部材によって、前記ポンプ構成要
素13が構成されている。
【0032】ここで、これらのプレッシャプレート20
と、これにカムリング17を介して積層されるサイドプ
レートとなるリアボディ12とは、カムリング17の揺
動変位用の軸支部および位置決めピンとしても機能する
後述するシールピン21や適宜の回り止め手段(図示せ
ず)によって、回転方向で位置決めされた状態で一体的
に組付け固定されている。
【0033】23は前記フロントボディ11の収納空間
14内でその底部側に形成されるポンプ吐出側圧力室
で、プレッシャプレート20にポンプ吐出側圧力を作用
させるようになっている。24はこのポンプ吐出側圧力
室23にポンプ室18からの圧油を導くプレッシャプレ
ート20に穿設されているポンプ吐出側通路である。
【0034】25はリアボディ12の一部に設けられた
吸込ポート26(詳細な図示を省略する)からのポンプ
吸込側流体を前記ポンプ室18に導くようにリアボディ
12内に形成されたポンプ吸込側通路で、この通路25
はリアボディ12の端面に開口するポンプ吸込用開口2
5aを経てポンプ室18に接続されている。
【0035】28は上述したポンプ室18からポンプ吐
出側通路24、ポンプ吐出側圧力室23、この圧力室2
3からフロントボディ11の上方に延びた通路孔23a
を介して接続されたポンプ吐出側通路で、この通路28
の途中にはメータリングオリフィス29が介在させられ
るとともに外方端側にポンプ吐出側流体圧を図示しない
パワーステアリング装置(図中PSで示す)等の油圧機
器に給送するための吐出ポート28aが設けられてい
る。
【0036】30はフロントボディ11における収納空
間14の上方に略直交して配置され上述したカムリング
17をポンプボディ11(アダプタリング19)内でロ
ータ15に対して移動変位させるための制御バルブで、
この制御バルブ30は、ボディ11に穿設されているバ
ルブ孔30a内で前記ポンプ吐出側通路28のメータリ
ングオリフィス29上、下流側の圧力差およびばね31
の付勢力で摺動動作するリリーフ弁付きのスプール32
を備えている。
【0037】なお、図中29a,29bはオリフィス2
9上、下流側の圧力をバルブ孔30a内に導入する通路
である。さらに、このバルブ孔30aにおいて中央部分
には、前記ポンプ吸込側通路25の一部から分岐されて
流体圧をタンク側に導く低圧側通路25bがそれぞれ形
成され、スプール32の移動に伴なって選択的に開閉制
御され、後述するカムリング17両側の第1、第2の流
体圧室に流体圧を導入するようになっている。
【0038】すなわち、このような制御バルブ30にお
いて、スプール32の一方室(図1の左方で高圧側とな
る第1の室)32aには、前記ポンプ吐出側の圧力室2
3、ポンプ吐出側通路28および通路29aを介してメ
ータリングオリフィス29上流側の流体圧が導かれてい
る。なお、図中33はバルブ孔30a内でスプール32
の左方への移動位置を通路29aの開口端を閉塞しない
位置で係止するロッド33aを有するバルブ孔30aの
閉塞用プラグである。
【0039】また、スプール32の他方室(図1の右方
で低圧側である第2の室)32bには、ばね31が配設
されるとともにメータリングオリフィス29下流側の流
体圧が前記吐出ポート28aに至る通路28途中から前
記通路29bを介して導かれている。なお、この通路2
9b途中の小径部はダンパオリフィス部である。
【0040】さらに、バルブ孔30aの略中央部と右方
端部には、カムリング19の外周部でボディ11側のア
ダプタリング19との間に形成される第1および第2の
流体圧室34,35に、ボディ11、アダプタリング1
9を経て形成されている導圧通路36,37(アダプタ
リング19の通路孔36a,37aを含む)が開口され
ている。なお、カムリング17の外周部には、第1の流
体圧室34をアダプタリング19への接触時にも確保で
きるような凹溝等を形成しておくとよい。
【0041】そして、これらの通路36,37が、スプ
ール32の動きによって、図1等から明らかなように、
前記ポンプ吐出側通路28に通路29bを介して、また
はポンプ吸込用開口25b側に通路25bを介して、選
択的に接続されるようになっている。
【0042】すなわち、ポンプ作動時において吐出側で
の流量変動を、メータリングオリフィス29上、下流側
の圧力差により作動される制御バルブ30により感知
し、このバルブ30によって制御される流体圧を、前記
カムリング17両側の第1、第2の流体圧室34,35
に供給することにより、このカムリング17を所要の状
態で揺動変位させ、ポンプ室18内の容積を可変させ、
ポンプ吐出流量を所要の状態で制御し得る。
【0043】ここで、図1中40はポンプボディ11,
12内で移動変位可能に配置されたカムリング17を、
ロータ15の外周部とに形成されるポンプ室18が最大
容積となるように付勢する押圧部材で、コイルばね41
および筒状の押えプラグ42とから構成されている。
【0044】なお、上述したベーンタイプの可変容量形
ポンプ10において、上述した以外の構成は従来から周
知の通りであり、その詳細な説明は省略する。
【0045】本発明によれば、上述した構成による可変
容量形ポンプ10において、ロータ15外周部との間
一側寄りにポンプ室18を形成するように偏心して嵌装
されかつポンプボディ11,12内で移動変位可能(揺
動変位可能)に配置されるとともにポンプボディ11,
12との間の外周部隙間空間にシール手段21,45を
介して第1および第2の流体圧室34,35が形成され
るカムリング17と、このカムリング17をロータ15
外周部との間でのポンプ室18容積を最大とする方向に
付勢する付勢手段としてのコイルばね41と、ポンプ吐
出側通路28に設けたメータリングオリフィス29上、
下流側での圧力差に応じて作動されポンプ室18からの
圧力流体の吐出流量Qの大小に応じて第1の流体圧室3
への供給流体圧を制御するスプール式制御バルブ30
を備えている。
【0046】そして、このような構成において、カムリ
ング17外周部の流体圧室34,35のうち、ポンプ室
18の容積を最大とする方向(図1中左側)への移動変
位を与える第2の流体圧室35に、スプール式制御バル
ブ30の低圧側である第2の室32bに導かれているメ
ータリングオリフィス29の下流側の流体圧を、導圧通
路37を介して導入するように構成したところに特徴を
有している。
【0047】ここで、図中37bはこの導入通路37に
設けた絞りである。このような絞り37bは、これを付
設することによって制御機能の応答性は多少落ちるが、
カムリング17の制振効果をより一層高めるうえで効果
的なものである。
【0048】このような構成によれば、カムリング17
外側に形成される第1の流体圧室34に、スプール式
御バルブ30によってポンプ吐出側流量Qの大小に応じ
てポンプ吸込側の流体圧やポンプ吐出側でのメータリン
グオリフィス29の上流側の流体圧を導入するととも
に、第2の流体圧室35に、制御バルブ30の低圧側の
第2の室32bを介してポンプ吐出側通路28でのメー
タリングオリフィス29の下流側流体圧を導入するこ
とにより、ポンプ10の作動初期には所要の吐出流量制
御を行ない、所定流量を得られるばかりでなく、被利用
機器の作動等といったポンプ負荷時にあっても、従来問
題であったカムリング17内、外での不平衡な流体圧に
よりアンバランスな力が働いて、このカムリング17を
不用意に揺動変位させるといった不具合をなくし、結果
としてポンプ吐出側での流量変動や流量低下を解消し、
安定した流量制御を行なえる。
【0049】すなわち、このような構成では、流体圧力
変化に伴なうカムリング17内圧の上昇に対抗できる程
度の略吐出圧力に近いメータリングオリフィス29後の
下流側圧力を、カムリング17外側の第2の流体圧室3
5に導入することにより、ポンプ負荷等による吐出側圧
力Pの上昇によっても、図3および図4の特性図から明
らかなように、流量変動や流量低下を生じないようにす
ることができる。特に、ポンプ10からの流体圧が供給
される被利用機器での作動によるポンプ負荷時に、ポン
プ吐出側流体圧Pが上昇しても、流量低下といった問題
を生じないようにすることができる。
【0050】これを図3および図4を用いて簡単に説明
すると、前述したようなアンバランスな力によるカムリ
ング17の吐出量減少方向への動きを解消するために、
前記第2の流体圧室35での流体圧PB を略吐出圧に近
いメータリングオリフィス29の下流側での流体圧力を
導入するようにしている。そして、このようにすれば、
ポンプ吐出側圧力Pに略等しい圧力(PB )を、第2の
流体圧室35に導入することができ、その結果カムリン
グ17の内、外での圧力差(P−PB )を減少させ、た
とえば被利用機器であるパワーステアリング等での作動
によるポンプ負荷時のように、吐出側流体圧力Pが上昇
しても、流量Qが低下したりすることがなくなり、これ
によりポンプの流量制御を安定して行なえる。
【0051】また、このような構成を採用することによ
り、従来のポンプ構造において流量調整域で制御中にポ
ンプ吸込側に連通させたり、ポンプ作動直後にメータリ
ングオリフィス29の上流側圧力を導入していた通路等
を不要とし、これによって各部の構造の簡素化を図り、
各部の加工性等も向上させることができる。
【0052】ここで、このようなポンプ吐出側流体圧の
上昇時において、カムリング17の揺動変位を制御する
左、右の流体圧室34,35への流体圧は、制御バルブ
30による制御機能によって差圧を制御されている。本
発明では、このような状況下において、調整流量分だけ
を制御するように、カムリング17へのアンバランスな
力をなくすようにしたものである。これは、図3におい
て、本発明での無負荷時の流量特性がa、負荷時流量特
性がbであり、従来構造での負荷時流量特性cのよう
に、調整流量域での流量の急激な低下が生じないことに
よる。さらに、本発明での圧力状況を図4に示す通りで
あり、本発明では、流量調整域では第2の流体圧室35
での流体圧PB が、ポンプ吐出圧Pに圧力差が小さい状
態となっており、その作用効果は容易に理解されよう。
【0053】なお、本実施例では、前述した図7の従来
例と同様に、ポンプ室18内でポンプ吐出側領域に開口
するポンプ吐出側開口24を、ポンプ吸込側領域側であ
って予圧縮可能な位置までずらして形成している。ま
た、ポンプ室18内でポンプ吐出側領域に開口するポン
プ吐出側開口24に、ポンプ吸込側領域側の端部からポ
ンプ回転方向の終端部に連続してひげ状ノッチ24cを
延設して形成している。このようにすれば、ポンプの作
動特性を安定化させ、所望の流体圧力制御と流量制御を
行なうことが可能となる。
【0054】ここで、上述した実施例では、カムリング
17とアダプタリング19との間の環状隙間空間を分割
するために本実施例では、図1および図2から明らかな
ように、環状隙間空間を左、右に分割するように上、下
に位置付けられて配置されている前述した位置決めピン
としても機能する第1のシールピン21とカムリング1
7の摺接面に凹設した溝部内に弾性部材を介して組み込
まれている第2のシールピン45を設けている。
【0055】そして、左側の空間を第1の流体圧室34
とし、この室34を前記流体通路36a,36を介して
制御バルブ30の第1の室32aまたはポンプ吸込側に
選択的に接続可能に構成されている。また、右側の空間
を第2の流体圧室35とし、この室35を前記流体通路
37a,37を介して制御バルブ30における低圧側の
第2の室32bを介してメータリングオリフィス29下
流側に接続可能に構成されている。
【0056】さらに、上述した筒状を呈する押圧部材4
0は、図1から明らかなように、コイルばね41によっ
てカムリング17を、図1中左方に常時押圧するように
構成されている。なお、この押圧部材40としては、カ
ムリング17を押圧し、常時はポンプ室18の内容積が
最大となるように押圧可能なものであれば、如何なる形
状を呈するものであってもよい。
【0057】以上の構成によれば、ポンプ10の始動時
には、カムリング17は図1から明らかなようにボディ
11の収納空間14内の一側にロータ15との間のポン
プ室18の内容積が最大となるように押圧部材40のコ
イルばね41により付勢された状態にある。このとき、
制御バルブ30は、図1とは異なり、第1の流体圧室3
4をポンプ吸込側に、第2の流体圧室35をポンプ吐出
側でのメータリングオフィス29下流側に接続された状
態にある。
【0058】そして、ポンプ回転数が徐々に増大して駆
動されると、このポンプ回転数に比例して得られるポン
プ吐出側でオリフィス29上、下流側の流体圧による差
圧によって、制御バルブ30のスプール32を切換え作
動させ、これにより調整流量域では、カムリング17外
側の第1の流体圧室34はポンプ吐出側でメータリング
オリフィス29の上流側に、第2の流体圧室35は、メ
ータリングオリフィス29の下流側に接続され、これに
よりロータ15に対して偏心しているカムリング17
を、コイルばね41に抗してポンプ室18の内容積が減
少する方向(図1参照)に移動変位する。
【0059】このとき、ポンプ吐出側の流体流量の大小
に応じた制御バルブ30のスプール32による切換え作
動で、第1の流体圧室34に対しポンプ吸込側またはオ
リフィス29の上流側のポンプ吐出側が、これに相対向
して位置付けられている第2の流体圧室35に対しこれ
よりも低圧なオリフィス29下流側が適宜接続される
ことから、カムリング17は、制御バルブ30の作動状
態によって適宜移動変位され、結果として内容積が変化
するポンプ室18から吐出される流量制御が所要の状態
で行なえ、動力舵取装置PSに至る所定流量の給送が可
能となる。
【0060】特に、上述した構成によれば、ポンプ回転
数に伴なって増減するポンプ吐出量により、メータリン
グオリフィス29で生じる差圧に応じて制御バルブ30
切換え制御し、これによってカムリング17をコイル
ばね41の付勢力に抗して図中右側に、またはこの付勢
力によって図中左側に、移動変位させ得るもので、その
結果としてポンプ室18の内容積を可変制御し、ポンプ
からの吐出量を、たとえば図3、図4に示されるよう
に、ポンプ回転数に合わせてバランスさせ、所望の特性
を得られるように制御し得る。
【0061】ここで、本実施例では、カムリング17
を、ロータ15に偏心させた状態で移動変位可能に構成
しており、その内周壁は真円形状で形成できるもので、
加工性の面で優れているという利点がある。
【0062】図5は本発明に係る可変容量形ポンプの別
の実施例を示し、この実施例では、制御バルブ30とし
て、ポンプ吐出側通路28に設けたメータリングオリフ
ィス29上、下流側での圧力差に対応して作動されポン
プ室18からの圧力流体の吐出流量Qの大小に対応して
第1の流体圧室34への供給流体圧PA を制御するもの
を用い、かつカムリング17外周部の流体圧室のうち、
ポンプ室18の容積を最大とする方向への移動変位を与
える第2の流体圧室35に、ポンプ吐出側通路28途中
のメータリングオリフィス29下流側の流体圧を、上述
した実施例とは異なり、ボディ11内に設けた導圧通路
60によって直接導入するように構成したものである。
【0063】なお、図中60aはこの導圧通路60での
絞りであり、この絞り60aによってカムリング17の
制振効果を得られることは前述した実施例と同様であ
る。
【0064】そして、このようなこの実施例構造によっ
ても、前述した実施例と略同等の作用効果が得られるこ
とは容易に理解されよう。また、このような構成では、
前述した実施例のようにバルブ30を通る通路が必要な
くなり、ボディ内での単純な通路60でよいために構成
が簡素化し、各部の加工性や組立性も向上するという利
点もある。
【0065】なお、本発明は上述した実施例構造に限定
されず、各部の形状、構造等を、適宜変形、変更するこ
とは自由であり、種々の変形例が考えられよう。たとえ
ば上述した実施例では、カムリング17を移動変位可能
に保持する環状隙間空間を、アダプタリング19との間
に形成した場合を示したが、本発明はこれに限定され
ず、ポンプボディ11内にカムリング17を移動変位可
能に保持させるように構成してもよい。
【0066】さらに、上述した構成によるベーンタイプ
の可変容量形ポンプ10としては、上述した実施例構造
に限定されないことは勿論、上述した実施例で説明した
パワーステアリング装置以外にも、各種の機器、装置に
適用してもよいことも言うまでもない。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る可変容
量形ポンプによれば、ポンプボディ内で回転自在なベー
ン付きのロータと、その外周部との間の一側寄りにポン
プ室を形成するように偏心して嵌装されかつポンプボデ
ィ内で移動変位可能に配置されるとともにポンプボディ
との間の外周部隙間空間にシール手段を介して第1およ
び第2の流体圧室が形成されるカムリングと、これをロ
ータ外周部との間でのポンプ容量を最大とする方向に付
勢する付勢手段と、ポンプ吐出側通路に設けたメータリ
ングオリフィス上、下流側での圧力差に応じて作動され
ポンプ室からの圧力流体の吐出流量の大小に応じて第1
の流体圧室への供給流体圧を制御するスプール式制御バ
ルブを備え、カムリング外周側でポンプ容量を最大とす
る方向への移動変位を与える第2の流体圧室に、スプー
ル式制御バルブの第2の室に導かれているメータリング
オリフィス下流側の流体圧を導入するように構成したの
で、簡単な構造であるにもかかわらず、以下のような優
れた効果を奏する。
【0068】本発明によれば、カムリング外側に形成さ
れる第1の流体圧室に、スプール式の制御バルブによっ
てポンプ吐出側流量の大小に応じてポンプ吸込側の流体
圧やポンプ吐出側でのメータリングオリフィスの上流側
の流体圧を導入するとともに、第2の流体圧室に、ポン
プ吐出側通路でのメータリングオリフィス下流側の流体
圧を導入することにより、たとえば被利用機器の作動等
といったポンプ負荷時にあっても、カムリング内、外で
の不平衡な流体圧によりアンバランスな力が働いて、こ
のカムリングを揺動させるといった不具合をなくし、結
果としてポンプ吐出側での流量変動や流量低下を解消す
ることができる。
【0069】換言すれば、本発明によれば、流体圧力変
化に伴なうカムリング内圧の上昇に対抗できる程度の略
吐出圧力に近いメータリングオリフィス下流側の圧力
を、カムリング外周側の第2の流体圧室に導入すること
によって、ポンプ負荷時等による吐出側圧力の上昇によ
っても、流量変動や流量低下を生じないようにすること
ができる。
【0070】特に、本発明によれば、ポンプからの流体
圧が供給される被利用機器での作動によるポンプ負荷時
に、ポンプ吐出側流体圧が上昇しても、流量低下といっ
た問題を生じないようにすることができる。
【0071】さらに、本発明によれば、ポンプ内部での
通路構成の簡素化やこれに伴なう各部材の加工性等の向
上を図ることもできる。
【0072】また、本発明に係る可変容量形ポンプによ
れば、スプール式制御バルブとして、ポンプ吐出側通路
に設けたメータリングオリフィス上、下流側での圧力差
に応じて作動されポンプ室からの圧力流体の吐出流量の
大小に応じてポンプ吸込側の流体圧やポンプ吐出側での
メータリングオリフィスの上流側の流体圧を第1の流体
圧室への供給流体圧を制御するような構成とし、かつカ
ムリング外周側のポンプ容量を最大とする方向への移動
変位を与える第2の流体圧室に、ポンプ吐出側通路途中
のメータリングオリフィス下流側の流体圧を導入するよ
うに構成したので、簡単な構造であるにもかかわらず、
上述したと同様な作用効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る可変容量形ポンプの一実施例を
示し、ポンプの要部構造を示す概略横断面図である。
【図2】 図1の要部構造を説明するために断面して示
す要部縦断面図である。
【図3】 本発明によるポンプ回転数Nと吐出流量Qと
の関係を示す特性図である。
【図4】 本発明によるポンプ回転数Nとポンプ吐出側
圧力Pとの関係を示す特性図である。
【図5】 本発明に係る可変容量形ポンプの別の実施例
を示すポンプ要部構造の概略横断面図である。
【図6】 従来の可変容量形ポンプの要部構造を説明す
るための概略図である。
【図7】 従来の可変容量形ポンプの別の例を示す概略
説明図である。
【図8】 従来ポンプでのポンプ回転数Nとポンプ吐出
側圧力P、吐出流量Qとの関係を示す特性図である。
【符号の説明】
10…ベーンタイプの可変容量形ポンプ、11…フロン
トボディ(ポンプボディ)、12…リアボディ、13…
ポンプ構成要素、14…収納空間、15…ロータ、15
a…ベーン、16…ドライブシャフト(回転軸)、17
…カムリング、17a…カム面、18…ポンプ室、19
…アダプタリング、20…プレッシャプレート、21…
シールピン(カムリング軸支部)、23…ポンプ吐出側
圧力室、23a…ポンプ吐出側通路、24…ポンプ吐出
側通路、25…ポンプ吸込側通路、25b…低圧側通
路、26…吸込ポート、28…ポンプ吐出側通路、28
b…高圧側通路、29…メータリングオリフィス、29
a…通路、29b…通路、30…スプール式制御バル
、31…ばね、32…スプール、32b…低圧側の第
2の室、34…第1の流体圧室、35…第2の流体圧
室、36…導圧通路、37…導圧通路(メータリングオ
リフィス下流側流体圧導入用)、37b…絞り部、40
…押圧部材、41…コイルばね、45…第2のシールピ
ン、60…導圧通路(メータリングオリフィス下流側流
体圧導入用)、60a…絞り部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−200883(JP,A) 特開 昭58−93978(JP,A) 特開 昭53−130505(JP,A) 特開 昭56−143383(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04C 2/30 - 2/352 F04C 18/30 - 18/352 F04C 15/04 321

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベーンを有しポンプボディ内に回転自在
    に配設されたロータと、 このロータ外周部との間の一側寄りにポンプ室を形成す
    るように偏心して嵌装されかつ前記ポンプボディ内で移
    動変位可能に配置されるとともにポンプボディとの間の
    外周部隙間空間にシール手段を介して第1および第2の
    流体圧室を形成するカムリングと、前記ポンプボディ内で このカムリングをロータ外周部と
    の間でのポンプ容量を最大とする方向に付勢する付勢手
    段と、前記ポンプ室から圧力流体を吐出する ポンプ吐出側通路
    に設けたメータリングオリフィス上、下流側での圧力
    差によって作動され前記ポンプ室からの圧力流体の吐出
    流量に応じて前記第1の流体圧室への供給流体圧を制御
    するスプール式の制御バルブとを備えてなり、 前記カムリング外周部の流体圧室のうち、ポンプ容量
    最大とする方向への移動変位を与える第2の流体圧室
    に、前記スプール式制御バルブの第2の室に導かれてい
    るメータリングオリフィス下流側の流体圧を導入するよ
    うに構成したことを特徴とする可変容量形ポンプ。
  2. 【請求項2】 ベーンを有しポンプボディ内に回転自在
    に配設されたロータと、 このロータ外周部との間の一側寄りにポンプ室を形成す
    るように偏心して嵌装されかつ前記ポンプボディ内で移
    動変位可能に配置されるとともにポンプボディとの間の
    外周部隙間空間にシール手段を介して第1および第2の
    流体圧室を形成するカムリングと、前記ポンプボディ内で このカムリングをロータ外周部と
    の間でのポンプ容量を最大とする方向に付勢する付勢手
    段と、前記ポンプ室から圧力流体を吐出する ポンプ吐出側通路
    に設けたメータリングオリフィス上、下流側での圧力
    差に応じて作動され前記ポンプ室からの圧力流体の吐出
    流量に応じて前記第1の流体圧室への供給流体圧を制御
    するスプール式の制御バルブとを備えてなり、 前記カムリング外周部の流体圧室のうち、ポンプ容量
    最大とする方向への移動変位を与える第2の流体圧室
    に、前記ポンプ吐出側通路途中のメータリングオリフィ
    ス下流側の流体圧を導入するように構成したことを特徴
    とする可変容量形ポンプ。
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