JP2930619B2 - チタンもしくはチタン基合金製生体修復部材及びその表面処理法 - Google Patents
チタンもしくはチタン基合金製生体修復部材及びその表面処理法Info
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Landscapes
- Dental Prosthetics (AREA)
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- Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
- Materials For Medical Uses (AREA)
- Prostheses (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は歯科、外科等の医療分野に於て用いるチタン
もしくはチタン基合金製生体修復部材、とりわけインプ
ラント部材、例えば人工関節、骨接合部材、人工骨、人
工歯根、義歯等の改良に関する。
もしくはチタン基合金製生体修復部材、とりわけインプ
ラント部材、例えば人工関節、骨接合部材、人工骨、人
工歯根、義歯等の改良に関する。
(従来の技術) 生体内に埋設される上記生体修復部材の表面と生体組
織との界面に於ける初期接着は部材表面の性状によって
異なる。即ち、凹凸のない鏡面の場合は骨との結合力が
低く当該組織による部材の支持が不充分である。之に対
して凹凸をもった粗面の場合は骨が細隙内に侵入・増殖
して微少投錨効果(マイクロ−アンカーリング)を得る
ことができ、部材の骨内支持が強力なものとなる。また
比較的早期に必要な初期接着強度が得られる。この意に
於て修復部材の表面に粗面加工を行なう技術は従来より
採用されてきた所である。すなわち、最も一般的な方法
として機械加工による素肌のまゝか部材の表面にプラズ
マ溶射による粗面加工を行なうことがなされてきた。し
かし、前者の場合の欠点としては金属製加工具(切削、
研磨用等)からの異種金属が部材表面に転移して生体組
織を汚染することが挙げられ、後者の場合は加工工程が
複雑で加工費も嵩む。このような点に鑑み特開昭55−12
0864によって金属製修復部材表面に10nm〜1000nm(0.01
μm〜1μm)の超微細毛孔を形成する試みが提案され
たが、このような超微細毛孔を形成する加工技術は極め
て面倒複雑でコスト高となり、また細胞との結合力も必
ずしも充分ではない、と云う問題をなお残している。
織との界面に於ける初期接着は部材表面の性状によって
異なる。即ち、凹凸のない鏡面の場合は骨との結合力が
低く当該組織による部材の支持が不充分である。之に対
して凹凸をもった粗面の場合は骨が細隙内に侵入・増殖
して微少投錨効果(マイクロ−アンカーリング)を得る
ことができ、部材の骨内支持が強力なものとなる。また
比較的早期に必要な初期接着強度が得られる。この意に
於て修復部材の表面に粗面加工を行なう技術は従来より
採用されてきた所である。すなわち、最も一般的な方法
として機械加工による素肌のまゝか部材の表面にプラズ
マ溶射による粗面加工を行なうことがなされてきた。し
かし、前者の場合の欠点としては金属製加工具(切削、
研磨用等)からの異種金属が部材表面に転移して生体組
織を汚染することが挙げられ、後者の場合は加工工程が
複雑で加工費も嵩む。このような点に鑑み特開昭55−12
0864によって金属製修復部材表面に10nm〜1000nm(0.01
μm〜1μm)の超微細毛孔を形成する試みが提案され
たが、このような超微細毛孔を形成する加工技術は極め
て面倒複雑でコスト高となり、また細胞との結合力も必
ずしも充分ではない、と云う問題をなお残している。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は凡そ上記問題点の除去に鑑みなされたもの
で、チタンもしくはチタン基合金製生体修復部材の表面
と骨組織との微少投錨効果を確立するためには細胞の初
期部材の表面接着が優れた粗面構造を作成する必要があ
る。しかもその粗面構造の作成方法は簡易で生産性が良
く安価である上に面粗度をコントロールし易い生体修復
部材並びにその表面処理法をこゝに提供せんとするもの
である。
で、チタンもしくはチタン基合金製生体修復部材の表面
と骨組織との微少投錨効果を確立するためには細胞の初
期部材の表面接着が優れた粗面構造を作成する必要があ
る。しかもその粗面構造の作成方法は簡易で生産性が良
く安価である上に面粗度をコントロールし易い生体修復
部材並びにその表面処理法をこゝに提供せんとするもの
である。
(課題を解決するための手段) 本発明はチタンもしくはチタン基合金製生体修復部材
の少なくとも埋入部表面を1〜6wt%濃度のフッ化水素
酸(HF)水溶液と、1〜10wt%濃度の過酸化水素(H
2O2)液との混合水溶液に浸漬処理することにより、平
均孔径1〜10μm、平均深さ0.5〜5μmの不定形の微
細な凹みを設けて成るチタンもしくはチタン基合金製生
体修復部材に関する。更に、本発明は、上記混合水溶液
に浸漬処理するに先立って、上記の埋入部表面を前処理
として、1〜6wt%濃度のフッ化水素酸(HF)水溶液に
より酸処理をすることを含む。本発明はまた、上記酸処
理が前処理として1〜6wt%濃度のフッ化水素酸(HF)
水溶液に上記埋入部表面を30秒〜3分間浸漬処理をする
こと、続いて後処理として1〜6wt%濃度のフッ化水素
酸水溶液と1〜10wt%濃度の過酸化水素(H2O2)液との
混合水溶液に10〜60秒浸漬処理をすることよりなるチタ
ンもしくはチタン基合金製生体修復部材の表面処理法に
関する。
の少なくとも埋入部表面を1〜6wt%濃度のフッ化水素
酸(HF)水溶液と、1〜10wt%濃度の過酸化水素(H
2O2)液との混合水溶液に浸漬処理することにより、平
均孔径1〜10μm、平均深さ0.5〜5μmの不定形の微
細な凹みを設けて成るチタンもしくはチタン基合金製生
体修復部材に関する。更に、本発明は、上記混合水溶液
に浸漬処理するに先立って、上記の埋入部表面を前処理
として、1〜6wt%濃度のフッ化水素酸(HF)水溶液に
より酸処理をすることを含む。本発明はまた、上記酸処
理が前処理として1〜6wt%濃度のフッ化水素酸(HF)
水溶液に上記埋入部表面を30秒〜3分間浸漬処理をする
こと、続いて後処理として1〜6wt%濃度のフッ化水素
酸水溶液と1〜10wt%濃度の過酸化水素(H2O2)液との
混合水溶液に10〜60秒浸漬処理をすることよりなるチタ
ンもしくはチタン基合金製生体修復部材の表面処理法に
関する。
(作用) 前処理としてのフッ化水素酸(HF)水溶液はチタンも
しくはチタン基合金製生体修復部材の表面酸化膜はもと
より加工工程中に受けた異種金属の汚染を十分に洗浄化
し得ると共に後記の限定条件のものを用いることによっ
て平均孔径1〜10μm、平均深さ0.5〜5μmの不定形
の微細な凹みを多設することができる。またHF濃度、浸
漬時間の調整により上記孔径、深さを可変して面粗度を
コントロールすることが可能である。HFの濃度を1〜6w
t%の範囲のものとするのは1%未満の場合は孔径が1
μmに達せず、6%を超えると逆に大きくなって10μm
を超えてしまうからである。而して平均孔径が1μm未
満の場合は細胞の接着力が低くなり、10μmを超えると
組織細胞(その大きさは10〜100μmと云われている)
より大きくなる場合があり、この場合は細胞が凹みの谷
底に付着して山部を跨がないので接着強度が十分に得ら
れないと云う理由による。平均深さが0.5〜5μmの範
囲である理由は0.5μmを下廻る時は骨と部材間におけ
る投錨効果が減少し、5μmを上廻る場合は投錨力はあ
がるものの凹みの稜線部にシャープエッジや尖鋭とげが
出来易く、組織刺戟性(発展的には発癌のトリガーとな
る)が出てくるからである。浸漬時間を30秒〜3分とし
たのは、30秒未満の場合は凹みの深さが浅すぎて処理前
の汚染層を十分に除去しきれない傾向があり、3分を超
えると凹みの深さが深くなりすぎて前記したようにシャ
ープエッジや尖鋭とげが多くなるためである。
しくはチタン基合金製生体修復部材の表面酸化膜はもと
より加工工程中に受けた異種金属の汚染を十分に洗浄化
し得ると共に後記の限定条件のものを用いることによっ
て平均孔径1〜10μm、平均深さ0.5〜5μmの不定形
の微細な凹みを多設することができる。またHF濃度、浸
漬時間の調整により上記孔径、深さを可変して面粗度を
コントロールすることが可能である。HFの濃度を1〜6w
t%の範囲のものとするのは1%未満の場合は孔径が1
μmに達せず、6%を超えると逆に大きくなって10μm
を超えてしまうからである。而して平均孔径が1μm未
満の場合は細胞の接着力が低くなり、10μmを超えると
組織細胞(その大きさは10〜100μmと云われている)
より大きくなる場合があり、この場合は細胞が凹みの谷
底に付着して山部を跨がないので接着強度が十分に得ら
れないと云う理由による。平均深さが0.5〜5μmの範
囲である理由は0.5μmを下廻る時は骨と部材間におけ
る投錨効果が減少し、5μmを上廻る場合は投錨力はあ
がるものの凹みの稜線部にシャープエッジや尖鋭とげが
出来易く、組織刺戟性(発展的には発癌のトリガーとな
る)が出てくるからである。浸漬時間を30秒〜3分とし
たのは、30秒未満の場合は凹みの深さが浅すぎて処理前
の汚染層を十分に除去しきれない傾向があり、3分を超
えると凹みの深さが深くなりすぎて前記したようにシャ
ープエッジや尖鋭とげが多くなるためである。
後処理としてのHF及びH2O2混合水溶液浸漬は前処理に
よって形成された微細な凹みに発現するシャープエッ
ジ、尖鋭とげをなめらかにする作用をなす。後の実施例
でも述べる如くこの混合水溶液に代ってH2O2水溶液単味
の場合はシャープエッジ、尖鋭とげの平滑化に役立たな
い。H2O2の濃度を1〜10wt%としたのは、1wt%未満の
場合はHF単味と同じ程度の効果、即ちシャープエッジ、
尖鋭とげの除去作用が不充分であり、10wt%を超えると
孔径を大としてしまい新しいシャープエッジ、尖鋭とげ
が発現し易い傾向となるからである。浸漬時間を10〜60
秒としたのは10秒に満たないときは効果が不充分であ
り、逆に60秒より長くなるとシャープエッジ、尖鋭とげ
が現われてくるからである。
よって形成された微細な凹みに発現するシャープエッ
ジ、尖鋭とげをなめらかにする作用をなす。後の実施例
でも述べる如くこの混合水溶液に代ってH2O2水溶液単味
の場合はシャープエッジ、尖鋭とげの平滑化に役立たな
い。H2O2の濃度を1〜10wt%としたのは、1wt%未満の
場合はHF単味と同じ程度の効果、即ちシャープエッジ、
尖鋭とげの除去作用が不充分であり、10wt%を超えると
孔径を大としてしまい新しいシャープエッジ、尖鋭とげ
が発現し易い傾向となるからである。浸漬時間を10〜60
秒としたのは10秒に満たないときは効果が不充分であ
り、逆に60秒より長くなるとシャープエッジ、尖鋭とげ
が現われてくるからである。
(実施例) 以下に本発明の実施例を比較例及び実験例ともども表
1に示す。
1に示す。
表1の結果を添付図面代用の電子顕微鏡写真(以下単
に写真と略す)を参照しながら表1の順について説明す
る; (1)鏡面仕上げのまゝの無処理の比較例1のものは写
真1の如くショット打痕、クレバス(この他写真外であ
るが隠蔽穴)があり、結合組織の接着を考慮した際不適
である。
に写真と略す)を参照しながら表1の順について説明す
る; (1)鏡面仕上げのまゝの無処理の比較例1のものは写
真1の如くショット打痕、クレバス(この他写真外であ
るが隠蔽穴)があり、結合組織の接着を考慮した際不適
である。
(2)比較例1のものをHF処理をしたものは写真2の如
く酸蝕による多くのピットが発現するが、孔縁がシャー
プエッジ(白い稜線部)をなしており組織への刺戟性を
考慮する時、望ましくない。
く酸蝕による多くのピットが発現するが、孔縁がシャー
プエッジ(白い稜線部)をなしており組織への刺戟性を
考慮する時、望ましくない。
(3)実施例1の如く比較例2のHF処理時間を1/2と
し、これに続いてHF+H2O2の混合液に浸漬したものは写
真3のようにシャープエッジが大部分とれて(白い稜線
部がボヤけてきている)尖鋭とげはない。
し、これに続いてHF+H2O2の混合液に浸漬したものは写
真3のようにシャープエッジが大部分とれて(白い稜線
部がボヤけてきている)尖鋭とげはない。
(4)実施例2の如く比較例2のHF処理と同一条件とし
続いて上記混合液処理を行なったものは写真4の如くシ
ャープエッジ、尖鋭とげは不在でベストモードを示して
いる。
続いて上記混合液処理を行なったものは写真4の如くシ
ャープエッジ、尖鋭とげは不在でベストモードを示して
いる。
(5)HF処理を実施例2の2倍時間かけて実施例2と同
一の混合液処理を行なった実施例3のものは写真5の如
くピット孔径が約2倍に増大すると共に大きなピットの
中に小さな(1〜3μm)のピットが認められシャープ
エッジ、尖鋭とげが殆どない。
一の混合液処理を行なった実施例3のものは写真5の如
くピット孔径が約2倍に増大すると共に大きなピットの
中に小さな(1〜3μm)のピットが認められシャープ
エッジ、尖鋭とげが殆どない。
(6)HFの濃度を前実施例の1/2とし同じ混合液処理を
した実施例4のものは写真6に示す如く孔径の変化は小
さい。シャープエッジ、尖鋭とげは若干あるがこの程度
では心配に値しない。
した実施例4のものは写真6に示す如く孔径の変化は小
さい。シャープエッジ、尖鋭とげは若干あるがこの程度
では心配に値しない。
(7)HFの濃度を実施例1〜3の2倍にし混合液処理を
同じにした実施例5のものは写真7の如く概ね実施例4
のものと同じ所見である。
同じにした実施例5のものは写真7の如く概ね実施例4
のものと同じ所見である。
(8)後処理液としてH2O2水溶液単独を用い後処理時間
を1分とした実験例1のものは写真8の如く孔径が減少
しこれと共に多くのシャープエッジ、尖鋭とげの発現が
みられる。
を1分とした実験例1のものは写真8の如く孔径が減少
しこれと共に多くのシャープエッジ、尖鋭とげの発現が
みられる。
(9)実験例1の後処理液を用い後処理時間を15秒とし
た実験例2のものは写真9より明らかなように実験例1
とほゞ同様な所見となっている。
た実験例2のものは写真9より明らかなように実験例1
とほゞ同様な所見となっている。
(10)実施例1〜5に於て、HFの濃度もしくは浸漬時間
を変えることによってピットの孔径(面粗度)を変える
ことが出来る。
を変えることによってピットの孔径(面粗度)を変える
ことが出来る。
以上を更にまとめると; a)HF処理によって平滑な表面が酸蝕されて多数のピッ
トが形成され、続いてHFとH2O2との混合液による後処理
によって上記ピットの稜縁が平滑にされるも、HFの濃度
が低過ぎてもくシャープエッジ、尖鋭とげが復元する傾
向にある。
トが形成され、続いてHFとH2O2との混合液による後処理
によって上記ピットの稜縁が平滑にされるも、HFの濃度
が低過ぎてもくシャープエッジ、尖鋭とげが復元する傾
向にある。
b)後処理液としてHFを含まずH2O2単独の場合は何故か
シャープエッジ、尖鋭とげの消去に役立たない。
シャープエッジ、尖鋭とげの消去に役立たない。
c)前処理のHFの濃度、処理時間の調整により、ピット
の孔径を変えられる。
の孔径を変えられる。
d)本発明法の後処理液を用いた場合、銀灰色の素地色
は全て銀白色に輝いて見ばえが良好である。
は全て銀白色に輝いて見ばえが良好である。
(発明の効果) 本発明は叙述より理解されたように、チタンもしくは
チタン基合金製生体修復部材の埋入部表面に酸処理によ
る平均孔径1〜10μm、平均深さ0.5〜5μmの不定形
の微細な凹みを多設することによって、結合組織の当該
表面に対する接着強度が優れ且つ見ばえの良い特徴を付
与し得たものであり、またその酸処理も前処理として通
常のフッ化水素酸による酸蝕を行ない、これに後続して
後処理として同フッ化水素酸と過酸化水素との混合液に
よる処理をすればよいので方法的にも簡易で生産性がよ
く且つ前処理としてのHFの濃度もしくは処理時間を変え
ることにより表面粗さを変えることが出来る…等の優れ
た利益がある。
チタン基合金製生体修復部材の埋入部表面に酸処理によ
る平均孔径1〜10μm、平均深さ0.5〜5μmの不定形
の微細な凹みを多設することによって、結合組織の当該
表面に対する接着強度が優れ且つ見ばえの良い特徴を付
与し得たものであり、またその酸処理も前処理として通
常のフッ化水素酸による酸蝕を行ない、これに後続して
後処理として同フッ化水素酸と過酸化水素との混合液に
よる処理をすればよいので方法的にも簡易で生産性がよ
く且つ前処理としてのHFの濃度もしくは処理時間を変え
ることにより表面粗さを変えることが出来る…等の優れ
た利益がある。
第1図は鏡面仕上げのままの無処理の比較例1の表面の
結晶の構造を示す電子顕微鏡写真(×2000)、第2図は
比較例2の表面の結晶の構造を示す電子顕微鏡写真(×
2000)、第3図は実施例1の表面の結晶の構造を示す電
子顕微鏡写真(×2000)、第4図は実施例2の表面の結
晶の構造を示す電子顕微鏡写真(×2000)、第5図は実
施例3の表面の結晶の構造を示す電子顕微鏡写真(×20
00)、第6図は実施例4の表面の結晶の構造を示す電子
顕微鏡写真(×2000)、第7図は実施例5の表面の結晶
の構造を示す電子顕微鏡写真(×2000)、第8図は実験
例1の表面の結晶の構造を示す電子顕微鏡写真(×200
0)、第9図は実験例2の表面の結晶の構造を示す電子
顕微鏡写真(×2000)である。
結晶の構造を示す電子顕微鏡写真(×2000)、第2図は
比較例2の表面の結晶の構造を示す電子顕微鏡写真(×
2000)、第3図は実施例1の表面の結晶の構造を示す電
子顕微鏡写真(×2000)、第4図は実施例2の表面の結
晶の構造を示す電子顕微鏡写真(×2000)、第5図は実
施例3の表面の結晶の構造を示す電子顕微鏡写真(×20
00)、第6図は実施例4の表面の結晶の構造を示す電子
顕微鏡写真(×2000)、第7図は実施例5の表面の結晶
の構造を示す電子顕微鏡写真(×2000)、第8図は実験
例1の表面の結晶の構造を示す電子顕微鏡写真(×200
0)、第9図は実験例2の表面の結晶の構造を示す電子
顕微鏡写真(×2000)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−120864(JP,A) 特開 平3−47264(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23F 1/00 - 1/46 A61C 8/00 A61L 27/00 A61F 2/28
Claims (5)
- 【請求項1】チタンもしくはチタン基合金製生体修復部
材の少なくとも埋入部表面を、1〜6wt%濃度のフッ化
水素酸(HF)水溶液と、1〜10wt%濃度の過酸化水素
(H2O2)液との混合水溶液に浸漬処理することにより、
平均孔径1〜10μm、平均深さ0.5〜5μmの不定形の
微細な凹みを設けて成るチタンもしくはチタン基合金製
生体修復部材。 - 【請求項2】チタンもしくはチタン基合金製生体修復部
材の少なくとも埋入部表面を、1〜6wt%濃度のフッ化
水素酸水溶液で酸処理した後、1〜6wt%濃度のフッ化
水素酸水溶液と、1〜10wt%濃度の過酸化水素液との混
合水溶液に浸漬処理することにより、平均孔径1〜10μ
m、平均深さ0.5〜5μmの不定形の微細な凹みを設け
て成るチタンもしくはチタン基合金製生体修復部材。 - 【請求項3】チタンもしくはチタン基合金製生体修復部
材の少なくとも埋入部表面を、1〜6wt%濃度のフッ化
水素酸(HF)水溶液と、1〜10wt%濃度の過酸化水素
(H2O2)液との混合水溶液に浸漬処理することにより、
平均孔径1〜10μm、平均深さ0.5〜5μmの不定形の
微細な凹みを設けるチタンもしくはチタン基合金製生体
修復部材の表面処理方法。 - 【請求項4】チタンもしくはチタン基合金製生体修復部
材の少なくとも埋入部表面を、1〜6wt%濃度のフッ化
水素酸水溶液で酸処理した後、1〜6wt%濃度のフッ化
水素酸水溶液と、1〜10wt%濃度の過酸化水素液との混
合水溶液に浸漬処理することにより、平均孔径1〜10μ
m、平均深さ0.5〜5μmの不定形の微細な凹みを設け
るチタンもしくはチタン基合金製生体修復部材の表面処
理方法。 - 【請求項5】上記のフッ化水素酸水溶液による酸処理時
間が30秒〜3分間であり、上記の混合水溶液による浸漬
処理時間が10〜60秒間である請求項4に記載のチタンも
しくはチタン基合金製生体修復部材の表面処理方法。
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JP1282570A JP2930619B2 (ja) | 1989-10-30 | 1989-10-30 | チタンもしくはチタン基合金製生体修復部材及びその表面処理法 |
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-
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- 1989-10-30 JP JP1282570A patent/JP2930619B2/ja not_active Expired - Lifetime
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