JP2917925B2 - 薄膜トランジスタの製造方法と液晶表示装置用アクティブマトリックスアレイ - Google Patents
薄膜トランジスタの製造方法と液晶表示装置用アクティブマトリックスアレイInfo
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Description
ed Drain)構造を有する薄膜トランジスタ(以下TFTと
略す)とその作製方法に関するもので液晶表示装置用ア
クティブマトリックスアレイに使用可能な技術である。
法としてLDD構造が知られている。
の製造工程断面図を示し、作製工程に関して説明する。
(高耐熱ガラス基板)上に非晶質シリコン薄膜を減圧気
相成長法(LPCVD法)により形成し、窒素雰囲気中
で600℃の熱処理を行い非晶質シリコン薄膜を結晶化
し多結晶シリコン薄膜13を形成する。前記多結晶シリ
コン薄膜を島状に加工し、ゲート絶縁膜14aとなる酸
化シリコン薄膜を形成する。前記酸化シリコン薄膜上に
ゲート電極15を形成する。ゲート電極形成後、ゲート
電極をマスクとしてイオン注入法にて第一の不純物注入
を行い、低濃度不純物注入領域(nー領域)13bを形
成する。第一の不純物注入は燐(P)イオンを、加速電
圧80KV、ドーズ量1x1013/cm2にて注入した。第一の
不純物注入後、図5(b)に示したようにフォトレジスト
25にてnー領域のマスクを形成したのち、第二の不純
物注入を行い高濃度不純物注入領域(n+領域)13c
を形成する。第二の不純物注入は燐(P)イオンを、加
速電圧80KV、ドーズ量1x1015/cm2にて注入した。
第二の不純物注入後、フォトレジストマスクを除去し、
注入した不純物の活性化処理をおこなう。活性化処理は
900℃、2時間行った。活性化処理後、図5(c)に示
したように層間絶縁膜16を形成する。最後にコンタク
トホールを開口したのちソース・ドレイン電極20、2
1を形成し薄膜トランジスタが完成する。
Tにおいては、液晶表示装置等に用いられるアクティブ
マトリックスアレイに応用するにはより作製プロセスの
簡略化と高性能化、特にリーク電流の更なる低減が要求
されている。
ジスタを作製した場合、LDD構造を実現するためには
高濃度、および低濃度の二度のドーピング工程を必要と
し、LDD構造を用いない薄膜トランジスタに比較して
ドーピング工程数が増大し作製プロセスが複雑になる。
及び低濃度の不純物注入領域を形成する手法を提供する
と同時に、よりリーク電流を低減可能な手法を提供する
ことを目的とする。
に本発明は、多結晶シリコンを活性層に用いた薄膜トラ
ンジスタにて、ゲート絶縁膜として下層に酸化シリコ
ン、上層に酸化タンタルを有する2層ゲート絶縁膜を有
し、前記ゲート絶縁膜の酸化タンタルを薄膜トランジス
タのソースおよびドレイン領域とチャネル領域の間に形
成される低濃度不純物領域(LDD領域)上を被覆した状
態で不純物注入を行い、前記不純物注入後、低濃度不純
物注入領域上の酸化タンタル薄膜を除去した後、層間絶
縁膜を形成する工程を有する薄膜トランジスタの製造方
法である。
積化した液晶表示装置用アクティブマトリックスアレイ
において、少なくとも絵素電極を駆動する薄膜トランジ
スタを前記薄膜トランジスタの製造方法により形成した
液晶表示装置用アクティブマトリックスアレイである。
て、図1から図3を用いて説明する。
を用いたLDD構造を有する薄膜トランジスタの工程断
面図の一例である。まず、図1に示したように酸化シリ
コンを表面コートしたガラス基板11上に非晶質シリコ
ン薄膜をプラズマCVD法により50nmの膜厚で形成
する。非晶質シリコンを窒素中にて450℃、90分の
熱処理を行い膜中の水素濃度を低減した後、エキシマレ
ーザーアニールにて結晶化し多結晶シリコン薄膜を形成
する。多結晶シリコン薄膜13を薄膜トランジスタの形
状に加工し(チャネル領域13a、LDD領域13b、ソース
・ドレイン領域13c)、ゲート絶縁膜14aである酸化
シリコンを85nm形成する。酸化シリコン上に第二の
ゲート絶縁膜14bである酸化タンタルを50nm形成
する。酸化タンタル上にゲート電極15を形成する。ゲ
ート電極は酸化タンタルと接するようにチタン(Ti)を
80nm、チタン上にアルミニウム(Al)にネオジウム
(Nd)を3.5%含有した合金を150nm形成し、計
230nmの膜厚にて構成されている。ゲート電極形成
後、第二のゲート絶縁膜である酸化タンタル薄膜をLD
D領域上を被覆して、かつソースおよびドレイン領域上
を除去する形状にエッチングする。酸化タンタルのエッ
チングにはCF4と酸素の混合ガス系を用いたリアクテ
ィブイオンエッチング法を用いた。
オンドーピング法にて燐を加速電圧80KV、注入ドー
ズ量1x1015/cm2にて注入する。イオンドーピング法
は水素ガスに5%濃度のPH3を混合したガスを高周波
放電にてプラズマ分解し、生成したイオンを質量分離工
程なく試料に注入している。従って従来のイオン注入法
に比べて多種のイオン、燐と水素の複合イオンが含まれ
るため注入時の不純物プロファイルがブロードである。
この特徴を利用して本発明の製造方法では一度の不純物
注入にてLDD領域とソース及びドレイン領域を形成し
ている。注入条件は薄膜トランジスタのソース及びドレ
イン領域が低抵抗となる最適条件にて注入する。このと
きの加速電圧V(KV)はゲート絶縁膜である酸化シリコン
膜厚をA(nm)とした場合、A−35≦V≦A+10の
関係が成り立つ範囲が最適条件となる。本実施例の場
合、A=85(nm)であるから50≦V≦90(KV)
となり実施例中では80KVの加速電圧で注入した。こ
のときLDD領域は酸化タンタルと酸化シリコンの積層
膜を介して注入されるため、ソース及びドレイン領域に
比較して不純物量は酸化タンタルの膜厚に依存して減少
し、酸化タンタルの膜厚を最適化することにより一度の
不純物注入にて薄膜トランジスタのソース及びドレイン
領域とLDD領域が同時に形成可能となる。我々の検討
結果では酸化タンタル膜厚B(nm)は注入時の加速電圧
をV(KV)、酸化シリコン膜厚をA(nm)とすれば、
(A−V)+10<B<(A−V)+80の関係を満足す
る範囲で最適値が得られる。
(b)に示したようにLDD領域上の酸化タンタル薄膜
を除去する。その後、図1(c)に示したように酸化シ
リコンからなる層間絶縁膜16を形成する。酸化シリコ
ンは常圧CVD法を用いて430℃にて形成しており、
本工程で先に注入した不純物の活性化処理を同時に行っ
ている。不純物注入時の加速電圧V(KV)が先に示した
A−35≦V≦A+10の範囲にある場合には500℃
以下の低温での活性化が可能である。最後に図1(d)
に示したようにコンタクトホールを開口しソース及びド
レイン電極21、22を形成した後、350℃での水素プ
ラズマ処理を行って薄膜トランジスタが完成する。
製したnチャネル薄膜トランジスタの電流・電圧特性を
比較したものであり、縦軸にドレイン電流を、横軸にゲ
ート電圧を取ってプロットしている。薄膜トランジスタ
のサイズはチャネル幅、チャネル長とも12μmであ
り、LDD領域長(ΔL)は2.5μmである。長点線は
LDD構造でない自己整合型薄膜トランジスタの特性を
示しており、ゲート電圧が負の領域、すなわち薄膜トラ
ンジスタが待機状態でのリーク電流が大きくこのような
特性を有する薄膜トランジスタを液晶表示装置の画素駆
動用に用いた場合には電圧保持能力が低く、クロストー
クや画像むらを生じ表示品位に大きく影響する。
製した薄膜トランジスタ(図2(b)参照)の特性を実
線で示している。LDD構造なしの特性に比べて薄膜ト
ランジスタのリーク電流を大幅に改善することができ
た。一方、同じLDD構造を有するもののLDD領域上
の酸化タンタル膜を不純物注入後に除去せずに作製した
薄膜トランジスタ(図2(a)参照)の特性を短点線で
示す。同じLDD構造でありながらLDD領域上の酸化
タンタルを不純物注入後に除去しなかった場合にはリー
ク電流の低減効果は小さく、不純物注入後の酸化タンタ
ル除去工程を有することで大幅にリーク電流が減少し
た。
を用いた液晶表示装置用駆動回路内蔵薄膜トランジスタ
アレイの作製法の一例である。
表面コートしたガラス基板上に非晶質シリコン薄膜をプ
ラズマCVD法により50nmの膜厚で形成する。非晶
質シリコンを窒素中にて450℃、90分の熱処理を行
い膜中の水素濃度を低減した後、エキシマレーザーアニ
ールにて結晶化し多結晶シリコン薄膜を形成する。多結
晶シリコン薄膜を薄膜トランジスタの形状に加工し、ゲ
ート絶縁膜14aである酸化シリコンを85nm形成す
る。酸化シリコン上に第二のゲート絶縁膜14bである
酸化タンタルを50nm形成する。次いでpチャネル薄
膜トランジスタ上にゲート電極15を形成する。ゲート
電極は酸化タンタルと接するようにチタン(Ti)を80
nm、チタン上にアルミニウム(Al)にネオジウム(N
d)を3.5%含有した合金を150nm形成し、計2
30nmの膜厚にて構成されている。このときnチャネ
ル薄膜トランジスタ上はゲート電極材料15にて被覆し
ている。その後、pチャネル薄膜トランジスタのソース
及びドレイン領域にボロンを注入する。ボロンはイオン
ドーピング法を用い、加速電圧60KV、ドーズ量5x
1015/cm2にて注入した。
うにnチャネル薄膜トランジスタ上にゲート電極を形成
し、画素TFTのLDD領域上のみ酸化タンタルで被覆
し、ソース及びドレイン領域上の酸化タンタルを選択的
に除去する。酸化タンタル薄膜を前記形状に加工後、イ
オンドーピング法にて燐を加速電圧80KV、注入ドー
ズ量1x1015/cm2にて注入する。イオンドーピング法
は水素ガスに5%濃度のPH3を混合したガスを高周波
放電にてプラズマ分解し、生成したイオンを質量分離工
程なく試料に注入している。従って従来のイオン注入法
に比べて注入時の不純物プロファイルがブロードであ
る。この特徴を利用して本発明の製造方法では一度の不
純物注入にてLDD領域とソース及びドレイン領域を形
成している。
(c)に示したようにLDD領域上の酸化タンタル薄膜
を除去する。
絶縁膜16を形成する。酸化シリコンは常圧CVD法を
用いて430℃にて形成しており、本工程で先に注入し
た不純物の活性化処理を同時に行っている。不純物注入
時の加速電圧V(KV)が先に示したA−35≦V≦A+
10の範囲にある場合には500℃以下の低温での活性
化が可能である。層間絶縁膜上にITO(Indium-Tin-Ox
ide)膜からなる画素電極17を形成し、第二の層間絶縁
膜18を形成する。コンタクトホールを開口後、ソース
・ドレイン配線20、21を形成する(図3(d))。
Dにて形成し水素雰囲気で350℃のアニール処理を行
った後、画素電極上の窒化珪素・酸化珪素積層膜を選択
的に除去してアクティブマトリックスアレイが完成する
(図3(e))。
イを用いて作製した液晶表示装置の構成断面図の一例
で、画素部を拡大表示したものである。透光性基板11
上に形成したアクティブマトリックスと対向基板43の
間に配向膜46を介して液晶47が保持されており薄膜
トランジスタをスイッチング素子として画素電極17を
駆動して液晶を充電し画像表示を行っている。
ジスタにLDD構造を有する場合に関して説明したが駆
動回路部のnチャネル薄膜トランジスタの少なくとも一
部にもLDD構造を用いてもよく、特に信頼性の向上に
効果がある。
来少なくとも2度以上必要であったLDD薄膜トランジ
スタ作製時の注入工程を低減可能となった。また、従来
の二層ゲート絶縁膜を有するLDD構造に比べ不純物注
入工程以降でLDD領域上の第二の絶縁膜を除去するこ
とにより大幅にリーク電流を減少することができ大きく
特性が向上した。また、簡易な作製プロセスでLDD構
造が実現でき、プロセス歩留まり、素子の信頼性が向上
した。
薄膜トランジスタの工程断面図
薄膜トランジスタの電流・電圧特性の従来例との比較説
明図
液晶表示装置用アクティブマトリックスアレイの工程断
面図
レイを用いた液晶表示装置の断面図
Claims (5)
- 【請求項1】 多結晶シリコンを活性層に用いた薄膜ト
ランジスタにて、ゲート絶縁膜として下層に酸化シリコ
ン、上層に第二の絶縁膜を有する2層ゲート絶縁膜を有
し、薄膜トランジスタのソースおよびドレイン領域とチ
ャネル領域の間に形成される低濃度不純物領域(LDD
領域)上を前記第二の絶縁膜で被膜した状態で、ゲート
電極をマスクにして不純物注入を行うことによりトラン
ジスタのソースおよびドレイン領域と低濃度不純物領域
を同時に形成し、前記不純物注入後、前記低濃度不純物
領域上の前記第二の絶縁膜のみを除去した後、層間絶縁
膜を形成する工程を少なくとも有する薄膜トランジスタ
の製造方法。 - 【請求項2】 第二の絶縁膜として酸化タンタルを用
い、その膜厚が20nm以上100nm以下、かつ酸化
シリコン膜厚が50nm以上かつ150nm以下である
ことを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタの製
造方法。 - 【請求項3】 不純物注入にイオンドーピング法を用
い、注入時の加速電圧V(KV)が酸化シリコン膜厚をA
(nm)とした場合、 A−35≦V≦A+10 の範囲にあることを特徴とす
る請求項1記載の薄膜トランジスタの製造方法。 - 【請求項4】 第二の絶縁膜として酸化タンタルを用
い、第二の絶縁膜である酸化タンタル膜厚B(nm)
が、イオンドープ時の加速電圧をV(KV)、酸化シリ
コン膜厚をA(nm)とした場合、 (A−V)+10<B<(A−V)+80の範囲にある
ことを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタの製
造方法。 - 【請求項5】 周辺回路を同一基板上に集積化した液晶
表示装置用アクティブマトリックスアレイにて、少なく
とも絵素電極を駆動する薄膜トランジスタを請求項1記
載の製造方法により形成したことを特徴とする液晶表示
装置用アクティブマトリックスアレイ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP20161796A JP2917925B2 (ja) | 1996-07-31 | 1996-07-31 | 薄膜トランジスタの製造方法と液晶表示装置用アクティブマトリックスアレイ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP20161796A JP2917925B2 (ja) | 1996-07-31 | 1996-07-31 | 薄膜トランジスタの製造方法と液晶表示装置用アクティブマトリックスアレイ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1051000A JPH1051000A (ja) | 1998-02-20 |
JP2917925B2 true JP2917925B2 (ja) | 1999-07-12 |
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ID=16444035
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP20161796A Expired - Fee Related JP2917925B2 (ja) | 1996-07-31 | 1996-07-31 | 薄膜トランジスタの製造方法と液晶表示装置用アクティブマトリックスアレイ |
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Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10135462A (ja) * | 1996-10-28 | 1998-05-22 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 薄膜トランジスタ |
JP3883706B2 (ja) | 1998-07-31 | 2007-02-21 | シャープ株式会社 | エッチング方法、及び薄膜トランジスタマトリックス基板の製造方法 |
KR100317128B1 (ko) * | 1999-11-30 | 2001-12-24 | 오길록 | 전계 효과 트랜지스터 및 그 제조 방법 |
-
1996
- 1996-07-31 JP JP20161796A patent/JP2917925B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1051000A (ja) | 1998-02-20 |
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