JP2915253B2 - 球状アパタイト複合粒子の製造方法 - Google Patents
球状アパタイト複合粒子の製造方法Info
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- JP2915253B2 JP2915253B2 JP18009493A JP18009493A JP2915253B2 JP 2915253 B2 JP2915253 B2 JP 2915253B2 JP 18009493 A JP18009493 A JP 18009493A JP 18009493 A JP18009493 A JP 18009493A JP 2915253 B2 JP2915253 B2 JP 2915253B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた油脂吸着能及び
紫外線吸収能を有し、化粧品原料等に用いられる球状ア
パタイト複合粒子の製造方法に関するものである。
紫外線吸収能を有し、化粧品原料等に用いられる球状ア
パタイト複合粒子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、アパタイトの一種である水酸
アパタイト〔Ca10(PO4)6(OH)2 〕は、特開昭
63−27411号公報に記載されているように、人間
の皮脂成分のうち肌に悪影響を及ぼす皮脂老廃物である
遊離脂肪酸を有効に吸着して除去できるものとして知ら
れている。そこで、上記水酸アパタイトを平均粒径20
μm以下の粉末状に形成し、かかる優れた油脂吸着能を
利用して、化粧品等の皮膚外用剤に配合されている。
アパタイト〔Ca10(PO4)6(OH)2 〕は、特開昭
63−27411号公報に記載されているように、人間
の皮脂成分のうち肌に悪影響を及ぼす皮脂老廃物である
遊離脂肪酸を有効に吸着して除去できるものとして知ら
れている。そこで、上記水酸アパタイトを平均粒径20
μm以下の粉末状に形成し、かかる優れた油脂吸着能を
利用して、化粧品等の皮膚外用剤に配合されている。
【0003】また、近年紫外線の皮膚への有害性が認識
されるにともなって、皮膚外用剤に紫外線吸収剤が配合
されるようになってきている。この点に関し、本発明者
は先に、アパタイトスラリーに、紫外線吸収剤として酸
化チタン粉末を混合し、この混合物を噴霧造粒法等によ
って造粒してなるアパタイト複合粒子を提案した(特開
平5−32518号公報)。
されるにともなって、皮膚外用剤に紫外線吸収剤が配合
されるようになってきている。この点に関し、本発明者
は先に、アパタイトスラリーに、紫外線吸収剤として酸
化チタン粉末を混合し、この混合物を噴霧造粒法等によ
って造粒してなるアパタイト複合粒子を提案した(特開
平5−32518号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このアパタイト複合粒
子は、ほぼ球状となるので従来のアパタイト粒子に比べ
て肌に対する「すべり」や「のり」が良く、またより高
い油脂吸着能を備えているが、しかしアパタイト複合粒
子がスプレードライヤー等の噴霧乾燥造粒法により製造
されているため、粒度分布がシャープになり難く、また
酸化チタン含有アパタイト微粒子が、アパタイト複合粒
子の表面だけでなく内部の方にも多く入り込むため、酸
化チタンによる紫外線吸収効果が十分に発揮されず、紫
外線吸収効率が低下するという問題点を有していた。
子は、ほぼ球状となるので従来のアパタイト粒子に比べ
て肌に対する「すべり」や「のり」が良く、またより高
い油脂吸着能を備えているが、しかしアパタイト複合粒
子がスプレードライヤー等の噴霧乾燥造粒法により製造
されているため、粒度分布がシャープになり難く、また
酸化チタン含有アパタイト微粒子が、アパタイト複合粒
子の表面だけでなく内部の方にも多く入り込むため、酸
化チタンによる紫外線吸収効果が十分に発揮されず、紫
外線吸収効率が低下するという問題点を有していた。
【0005】本発明は、かかる問題点を解決し、ほぼ真
球状の形状を有し、しかも粒度分布がシャープで、肌に
対する「すべり」や「のり」が更に改善された、紫外線
吸収効率のよい球状アパタイト複合粒子の製造方法を提
供するものである。
球状の形状を有し、しかも粒度分布がシャープで、肌に
対する「すべり」や「のり」が更に改善された、紫外線
吸収効率のよい球状アパタイト複合粒子の製造方法を提
供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の球状アパタイト
複合粒子の製造方法は、アパタイト微粒子のスラリーに
酸化チタン粉末を混合してアパタイト複合微粒子のスラ
リーを作成し、次いでこのスラリー中に、球状樹脂粒子
を混合して混合物を得た後、この混合物を高速気流中に
供給して、上記球状樹脂粒子を分散させながら、上記球
状樹脂粒子の表面に上記アパタイト複合微粒子をコーテ
ィングして球状アパタイト複合粒子を得ること、及びア
パタイト微粒子スラリー、酸化チタン粉末、及び球状樹
脂粒子を含む混合物を得た後、この混合物を高速気流中
に供給して、上記球状樹脂粒子を分散させながら、上記
球状樹脂粒子の表面に上記アパタイト微粒子と酸化チタ
ン粉末とをコーティングして球状アパタイト複合粒子を
得ることを特徴とするものである。
複合粒子の製造方法は、アパタイト微粒子のスラリーに
酸化チタン粉末を混合してアパタイト複合微粒子のスラ
リーを作成し、次いでこのスラリー中に、球状樹脂粒子
を混合して混合物を得た後、この混合物を高速気流中に
供給して、上記球状樹脂粒子を分散させながら、上記球
状樹脂粒子の表面に上記アパタイト複合微粒子をコーテ
ィングして球状アパタイト複合粒子を得ること、及びア
パタイト微粒子スラリー、酸化チタン粉末、及び球状樹
脂粒子を含む混合物を得た後、この混合物を高速気流中
に供給して、上記球状樹脂粒子を分散させながら、上記
球状樹脂粒子の表面に上記アパタイト微粒子と酸化チタ
ン粉末とをコーティングして球状アパタイト複合粒子を
得ることを特徴とするものである。
【0007】本発明におけるアパタイト微粒子として
は、一般化学式M10(ZO4)6 X2で表される物質群で
あって、Mとして、Ca、Pb、Ba、Sr、Cd、Z
n、Ni、Mg、Na、K、Fe、Al の元素の中から
少なくとも1種、ZO4 として、PO4、AsO4、VO
4、SiO4またはCO3、Xとして、F、OH、Cl、
Br、Oの元素もしくは原子団の中から少なくとも1種
から構成されたものが使用される。アパタイト微粒子の
平均粒子径は、大きな比表面積を有するアパタイト複合
粒子を得るためには、0.1μm以下とすることが望ま
しい。
は、一般化学式M10(ZO4)6 X2で表される物質群で
あって、Mとして、Ca、Pb、Ba、Sr、Cd、Z
n、Ni、Mg、Na、K、Fe、Al の元素の中から
少なくとも1種、ZO4 として、PO4、AsO4、VO
4、SiO4またはCO3、Xとして、F、OH、Cl、
Br、Oの元素もしくは原子団の中から少なくとも1種
から構成されたものが使用される。アパタイト微粒子の
平均粒子径は、大きな比表面積を有するアパタイト複合
粒子を得るためには、0.1μm以下とすることが望ま
しい。
【0008】アパタイト微粒子は通常水に懸濁したスラ
リー状態で、1〜90重量%の濃度範囲に調整して使用
されるが、より好ましくは3〜30重量%の範囲に調整
して用いられる。アパタイト微粒子の濃度が90重量%
を越えると、スラリーの粘度がかなり高くなるので、攪
拌むらができやすく、均一なスラリーが得難く、造粒に
も不適となる。一方、濃度が1重量%未満になると、ア
パタイト複合粒子の収率が低くなり好ましくない。
リー状態で、1〜90重量%の濃度範囲に調整して使用
されるが、より好ましくは3〜30重量%の範囲に調整
して用いられる。アパタイト微粒子の濃度が90重量%
を越えると、スラリーの粘度がかなり高くなるので、攪
拌むらができやすく、均一なスラリーが得難く、造粒に
も不適となる。一方、濃度が1重量%未満になると、ア
パタイト複合粒子の収率が低くなり好ましくない。
【0009】また本発明で用いる酸化チタン(TiO
2 )粉末は、5μm以下の粒径であれば、粉末のままで
もゾルの状態でも使用することができる。酸化チタン粉
末の添加量が多くなる程、紫外線吸収率(反射率)は高
くなるが、酸化チタン粉末はアパタイト微粒子に対して
10〜50重量%使用することが望ましい。酸化チタン
の使用量が50重量%を越えると、アパタイトを分解す
るという問題点があり、一方10重量%未満になると、
紫外線吸収効果が悪くなり好ましくない。
2 )粉末は、5μm以下の粒径であれば、粉末のままで
もゾルの状態でも使用することができる。酸化チタン粉
末の添加量が多くなる程、紫外線吸収率(反射率)は高
くなるが、酸化チタン粉末はアパタイト微粒子に対して
10〜50重量%使用することが望ましい。酸化チタン
の使用量が50重量%を越えると、アパタイトを分解す
るという問題点があり、一方10重量%未満になると、
紫外線吸収効果が悪くなり好ましくない。
【0010】本発明で使用する球状樹脂粒子としては、
球状の樹脂粒子であれば特に限定されるものではない
が、例えば懸濁重合法により製造された球状のポリメタ
クリル酸メチル(以下、PMMAという)が好適に使用
される。また、球状樹脂粒子の平均粒径は、使用目的に
応じて適宜変更することができるが、通常1〜20μm
程度の範囲のものが使用される。また予め粒子径を揃え
た球状粒子、叉は粒度分布のシャープな球状樹脂粒子選
択して使用することにより、得られる球状アパタイト複
合粒子の粒度分布をシャープにすることができる。
球状の樹脂粒子であれば特に限定されるものではない
が、例えば懸濁重合法により製造された球状のポリメタ
クリル酸メチル(以下、PMMAという)が好適に使用
される。また、球状樹脂粒子の平均粒径は、使用目的に
応じて適宜変更することができるが、通常1〜20μm
程度の範囲のものが使用される。また予め粒子径を揃え
た球状粒子、叉は粒度分布のシャープな球状樹脂粒子選
択して使用することにより、得られる球状アパタイト複
合粒子の粒度分布をシャープにすることができる。
【0011】本発明では、アパタイト微粒子、酸化チタ
ン粉末、及び球状樹脂粒子を混合物溶液中で均一に分散
させるために、分散剤を使用することが望ましい。かか
る分散剤としては、例えば、トリアクリル酸アンモニウ
ム塩、ポリアクリル酸塩、ニトロフミン酸塩、リグニン
スルフォン酸塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体、
ラウリル硫酸ナトリウム等を挙げらることができる。上
記分散剤を混合物にわずかでも加えると、得られる球状
アパタイト複合粒子の真球度が向上するという効果が認
められる。しかし、混合物に加える分散剤の量があまり
増加すると、得られる球状アパタイト複合粒子中に残存
する分散剤の量が増加することになるので、分散剤の添
加量はアパタイト固形分に対して10重量%以下に抑え
ることが好ましい。
ン粉末、及び球状樹脂粒子を混合物溶液中で均一に分散
させるために、分散剤を使用することが望ましい。かか
る分散剤としては、例えば、トリアクリル酸アンモニウ
ム塩、ポリアクリル酸塩、ニトロフミン酸塩、リグニン
スルフォン酸塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体、
ラウリル硫酸ナトリウム等を挙げらることができる。上
記分散剤を混合物にわずかでも加えると、得られる球状
アパタイト複合粒子の真球度が向上するという効果が認
められる。しかし、混合物に加える分散剤の量があまり
増加すると、得られる球状アパタイト複合粒子中に残存
する分散剤の量が増加することになるので、分散剤の添
加量はアパタイト固形分に対して10重量%以下に抑え
ることが好ましい。
【0012】本発明では、酸化チタンを含有したアパタ
イト複合微粒子と球状樹脂粒子との混合物、或いはアパ
タイト微粒子、酸化チタン粉末、及び球状樹脂粒子を含
む混合物を、高速気流中に供給し、上記球状樹脂粒子を
分散させてその凝集を回避しながら、この球状樹脂粒子
の表面に酸化チタンを含有したアパタイト複合微粒子、
或いはアパタイト微粒子と酸化チタン粉末とを気流中で
コーティングすることにより球状樹脂粒子の表面にアパ
タイト複合微粒子、或いはアパタイト微粒子と酸化チタ
ン粉末とが均一にコーティングされた球状アパタイト複
合粒子を得ることができる。
イト複合微粒子と球状樹脂粒子との混合物、或いはアパ
タイト微粒子、酸化チタン粉末、及び球状樹脂粒子を含
む混合物を、高速気流中に供給し、上記球状樹脂粒子を
分散させてその凝集を回避しながら、この球状樹脂粒子
の表面に酸化チタンを含有したアパタイト複合微粒子、
或いはアパタイト微粒子と酸化チタン粉末とを気流中で
コーティングすることにより球状樹脂粒子の表面にアパ
タイト複合微粒子、或いはアパタイト微粒子と酸化チタ
ン粉末とが均一にコーティングされた球状アパタイト複
合粒子を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
するが、これにより本発明は何等限定されるものではな
い。 〔実施例1〕まず、アパタイトの一種である水酸アパタ
イト微粒子の調製について説明する。最初に、水酸カル
シウム懸濁液中に2〜4倍に希釈したリン酸水溶液を、
攪拌しながらpH11付近に至るまで滴下し、この後約
5倍以上に希釈したリン酸水溶液を滴下してpH10〜
9に調節した後、イオン交換水で希釈することにより、
平均粒径0.1μm以下の水酸アパタイト〔Ca10(P
O4)6(0H)2〕(以下HApという)微粒子が懸濁
したHApスラリー(HAp微粒子濃度20重量%)を
得た。
するが、これにより本発明は何等限定されるものではな
い。 〔実施例1〕まず、アパタイトの一種である水酸アパタ
イト微粒子の調製について説明する。最初に、水酸カル
シウム懸濁液中に2〜4倍に希釈したリン酸水溶液を、
攪拌しながらpH11付近に至るまで滴下し、この後約
5倍以上に希釈したリン酸水溶液を滴下してpH10〜
9に調節した後、イオン交換水で希釈することにより、
平均粒径0.1μm以下の水酸アパタイト〔Ca10(P
O4)6(0H)2〕(以下HApという)微粒子が懸濁
したHApスラリー(HAp微粒子濃度20重量%)を
得た。
【0014】得られたHApスラリー中に、平均粒径約
1μmの酸化チタン粉末をHApに対して、10〜50
重量%添加し、混合して酸化チタンを含有した複合HA
p微粒子を得た。次に、球状アパタイト複合粒子の製造
方法について説明する。上記複合HApスラリーに所定
量の水を加えて攪拌モーターで攪拌して複合HAp調製
物を得た。この複合HAp調製物に、平均粒径が8μm
で、ポリメタクリル酸メチル(以下、PMMAという)
からなるシャープな粒度分布を有する球状樹脂粒子〔積
水化成品工業(株)製、商品名テクポリマーMB−8
C〕、及び水をそれぞれ所定量加え、図1に示すよう
に、HAp複合粒子(アパタイト複合微粒子)1、PM
MA粒子(球状樹脂粒子)2を含む混合物溶液(混合
物)4を調製した。
1μmの酸化チタン粉末をHApに対して、10〜50
重量%添加し、混合して酸化チタンを含有した複合HA
p微粒子を得た。次に、球状アパタイト複合粒子の製造
方法について説明する。上記複合HApスラリーに所定
量の水を加えて攪拌モーターで攪拌して複合HAp調製
物を得た。この複合HAp調製物に、平均粒径が8μm
で、ポリメタクリル酸メチル(以下、PMMAという)
からなるシャープな粒度分布を有する球状樹脂粒子〔積
水化成品工業(株)製、商品名テクポリマーMB−8
C〕、及び水をそれぞれ所定量加え、図1に示すよう
に、HAp複合粒子(アパタイト複合微粒子)1、PM
MA粒子(球状樹脂粒子)2を含む混合物溶液(混合
物)4を調製した。
【0015】また、固形分〔第一工業製薬(株)製、メ
チルセルロース系バインダー商品名EB−43PS〕と
水との割合(重量比)を1/60に調製したバインダー
溶液を所定量加えた混合物溶液4も調製した。これらの
各混合比および後述する操作条件は表1に記載した。
チルセルロース系バインダー商品名EB−43PS〕と
水との割合(重量比)を1/60に調製したバインダー
溶液を所定量加えた混合物溶液4も調製した。これらの
各混合比および後述する操作条件は表1に記載した。
【0016】
【表1】
【0017】ただし、PMMA粒子、HApスラリー、
水、バインダーの配合量の単位はグラムで表示した。液
供給量は1〜3Kg/hで行い、乾燥温度は110℃で
行った。種々の混合比で調製した各混合溶液4を、定量
ポンプ5によりコーティング機(日清エンジニアリング
製、型式DC−08)6の液体コーティングノズル7に
所定の供給量で供給して、コンプレッサー8からの圧縮
空気により液体コーティングノズル7内に生じている高
速気流中にそれぞれ供給した。
水、バインダーの配合量の単位はグラムで表示した。液
供給量は1〜3Kg/hで行い、乾燥温度は110℃で
行った。種々の混合比で調製した各混合溶液4を、定量
ポンプ5によりコーティング機(日清エンジニアリング
製、型式DC−08)6の液体コーティングノズル7に
所定の供給量で供給して、コンプレッサー8からの圧縮
空気により液体コーティングノズル7内に生じている高
速気流中にそれぞれ供給した。
【0018】高速気流中の混合物溶液4は、高速気流に
よって分散されながら乾燥チェンバー9内に噴霧され
る。PMMA粒子2は、分散されながら表面にHAp複
合粒子1がコーティングされた後、液体コーティングノ
ズル7から排出される高速気流に乗って、乾燥チェンバ
ー9の中心部を下降し、続いて、乾燥チェンバー9の下
部から上方に吹き出しているヒーター11で加温された
熱風によって、乾燥されながら上昇し、その後、サイク
ロン12を経てフィルター13にて回収された。
よって分散されながら乾燥チェンバー9内に噴霧され
る。PMMA粒子2は、分散されながら表面にHAp複
合粒子1がコーティングされた後、液体コーティングノ
ズル7から排出される高速気流に乗って、乾燥チェンバ
ー9の中心部を下降し、続いて、乾燥チェンバー9の下
部から上方に吹き出しているヒーター11で加温された
熱風によって、乾燥されながら上昇し、その後、サイク
ロン12を経てフィルター13にて回収された。
【0019】PMMA粒子、HApスラリー、水、及び
バインダーの混合比を表1に示したが、HAp複合粒子
1に対してPMMA粒子2の割合が大きくなると、PM
MA粒子2が凝集し易くなるので、混合物溶液4に分散
剤3を加えた。分散剤3としては、トリアクリル酸アン
モニウム塩(第一工業製薬社製D−134)を所定濃度
となるように添加した。
バインダーの混合比を表1に示したが、HAp複合粒子
1に対してPMMA粒子2の割合が大きくなると、PM
MA粒子2が凝集し易くなるので、混合物溶液4に分散
剤3を加えた。分散剤3としては、トリアクリル酸アン
モニウム塩(第一工業製薬社製D−134)を所定濃度
となるように添加した。
【0020】上記実施例1で得られた各球状アパタイト
複合粒子10について、走査型電子顕微鏡でコーティン
グ状態をそれぞれ観察したところ、PMMA粒子の凝集
がなく、1つのPMMA粒子の表面にアパタイト複合微
粒子が綺麗にコーティングされたほぼ真球形状の球状ア
パタイト複合粒子がそれぞれ得られていることが分かっ
た。なお、バインダーを加えなくとも球状アパタイト複
合粒子を得ることもできるが、バインダーを加えること
により、コーティングがより強固になっていた。
複合粒子10について、走査型電子顕微鏡でコーティン
グ状態をそれぞれ観察したところ、PMMA粒子の凝集
がなく、1つのPMMA粒子の表面にアパタイト複合微
粒子が綺麗にコーティングされたほぼ真球形状の球状ア
パタイト複合粒子がそれぞれ得られていることが分かっ
た。なお、バインダーを加えなくとも球状アパタイト複
合粒子を得ることもできるが、バインダーを加えること
により、コーティングがより強固になっていた。
【0021】〔実施例2〕HApスラリー80g、酸化
チタン粉末7g、PMMA粒子100g、バインダー水
溶液(固形分0.5%)150g、及び水70gを混合
して混合物溶液を調整した後、実施例1と同様の装置と
条件にて球状複合アパタイト複合粒子を得た。
チタン粉末7g、PMMA粒子100g、バインダー水
溶液(固形分0.5%)150g、及び水70gを混合
して混合物溶液を調整した後、実施例1と同様の装置と
条件にて球状複合アパタイト複合粒子を得た。
【0022】次いで、上記各球状アパタイト複合粒子に
ほぼ紫外線領域の光(200nm〜500nm)を連続
的にスキャンしてそれぞれ照射し、球状アパタイト複合
粒子からの反射率を測定することで、それぞれの紫外線
吸収率を測定した。この結果を図2に示した。この結果
から明らかなように、各球状アパタイト複合粒子におい
ては、HAp微粒子単体を用いて造粒した粒子と比べて
有意の紫外線吸収率を示し、また、酸化チタンの含有率
が高くなるにつれて紫外線吸収率が高くなっていた。ま
た、実施例2で得られた球状アパタイト複合粒子の紫外
線吸収率を図3に示す。この方法のように、HApと酸
化チタンを反応させずにPMMA粒子とHApスラリー
の混合時に酸化チタン粉末を添加すると、酸化チタンと
同等の高い紫外線吸収率を得ることができる。
ほぼ紫外線領域の光(200nm〜500nm)を連続
的にスキャンしてそれぞれ照射し、球状アパタイト複合
粒子からの反射率を測定することで、それぞれの紫外線
吸収率を測定した。この結果を図2に示した。この結果
から明らかなように、各球状アパタイト複合粒子におい
ては、HAp微粒子単体を用いて造粒した粒子と比べて
有意の紫外線吸収率を示し、また、酸化チタンの含有率
が高くなるにつれて紫外線吸収率が高くなっていた。ま
た、実施例2で得られた球状アパタイト複合粒子の紫外
線吸収率を図3に示す。この方法のように、HApと酸
化チタンを反応させずにPMMA粒子とHApスラリー
の混合時に酸化チタン粉末を添加すると、酸化チタンと
同等の高い紫外線吸収率を得ることができる。
【0023】
【発明の効果】本発明の球状アパタイト複合粒子の製造
方法は、酸化チタンを含有したアパタイト複合微粒子と
球状樹脂粒子との混合物、或いはアパタイト微粒子、酸
化チタン粉末、及び球状樹脂粒子を含む混合物を、高速
気流中に供給し、上記球状樹脂粒子を分散させてその凝
集を回避しながら、この球状樹脂粒子の表面に酸化チタ
ンを含有したアパタイト複合微粒子、或いはアパタイト
微粒子と酸化チタン粉末とを気流中でコーティングする
ことにより球状樹脂粒子の表面にアパタイト複合微粒
子、或いはアパタイト微粒子と酸化チタン粉末とが均一
にコーティングされた球状アパタイト複合粒子を得る方
法である。
方法は、酸化チタンを含有したアパタイト複合微粒子と
球状樹脂粒子との混合物、或いはアパタイト微粒子、酸
化チタン粉末、及び球状樹脂粒子を含む混合物を、高速
気流中に供給し、上記球状樹脂粒子を分散させてその凝
集を回避しながら、この球状樹脂粒子の表面に酸化チタ
ンを含有したアパタイト複合微粒子、或いはアパタイト
微粒子と酸化チタン粉末とを気流中でコーティングする
ことにより球状樹脂粒子の表面にアパタイト複合微粒
子、或いはアパタイト微粒子と酸化チタン粉末とが均一
にコーティングされた球状アパタイト複合粒子を得る方
法である。
【0024】それゆえ、上記球状樹脂粒子を分散させ
て、その凝集を回避しながら、上記球状樹脂粒子の表面
に酸化チタンを含有したアパタイト複合微粒子、或いは
アパタイト微粒子と酸化チタン粉末とを均一にコーティ
ングできるので、1つの球状樹脂粒子の表面にアパタイ
ト複合微粒子、或いはアパタイト微粒子と酸化チタン粉
末とが均一にコーティングされた球状アパタイト複合粒
子を得ることができる。
て、その凝集を回避しながら、上記球状樹脂粒子の表面
に酸化チタンを含有したアパタイト複合微粒子、或いは
アパタイト微粒子と酸化チタン粉末とを均一にコーティ
ングできるので、1つの球状樹脂粒子の表面にアパタイ
ト複合微粒子、或いはアパタイト微粒子と酸化チタン粉
末とが均一にコーティングされた球状アパタイト複合粒
子を得ることができる。
【0025】したがって、酸化チタンが球状樹脂粒子の
表面層にのみ存在することとなるため、酸化チタンによ
る紫外線吸収効果が十分発揮され、紫外線吸収効率を高
めることができる。また形状が球状の樹脂粒子を使用す
ることから、得られたアパタイト複合粒子の形状をほぼ
真球状にすることができる。なお、予め粒子径を揃えた
球状樹脂粒子、叉は粒度分布のシャープな球状樹脂粒子
を使用することにより、粒度分布のシャープな球状アパ
タイト複合粒子を得ることができる。
表面層にのみ存在することとなるため、酸化チタンによ
る紫外線吸収効果が十分発揮され、紫外線吸収効率を高
めることができる。また形状が球状の樹脂粒子を使用す
ることから、得られたアパタイト複合粒子の形状をほぼ
真球状にすることができる。なお、予め粒子径を揃えた
球状樹脂粒子、叉は粒度分布のシャープな球状樹脂粒子
を使用することにより、粒度分布のシャープな球状アパ
タイト複合粒子を得ることができる。
【0026】その結果、形状がほぼ真球形状で、しかも
粒度分布がシャープであることから、基材に対する「す
べり」や「のり」の良い球状アパタイト複合粒子を安定
的に製造することができるという効果を奏する。また、
得られた球状アパタイト複合粒子は、皮膚外用剤原料
(医薬品、医薬用外品、化粧品等)として好適に使用さ
れるが、紫外線吸収能を備えているため、紫外線をカッ
トするファンデーション等の皮膚に塗布する化粧品原料
として特に好適に使用することができる。
粒度分布がシャープであることから、基材に対する「す
べり」や「のり」の良い球状アパタイト複合粒子を安定
的に製造することができるという効果を奏する。また、
得られた球状アパタイト複合粒子は、皮膚外用剤原料
(医薬品、医薬用外品、化粧品等)として好適に使用さ
れるが、紫外線吸収能を備えているため、紫外線をカッ
トするファンデーション等の皮膚に塗布する化粧品原料
として特に好適に使用することができる。
【0027】更に、HApが生体内における骨などの構
成材料であるので、得られた球状アパタイト複合粒子も
充分な生体親和力を有し、歯科材料や骨充填材等にも適
用することが可能である。
成材料であるので、得られた球状アパタイト複合粒子も
充分な生体親和力を有し、歯科材料や骨充填材等にも適
用することが可能である。
【図1】本発明の球状アパタイト複合粒子の製造方法に
おける、実施例1において用いたコーティング機の概略
構成図である。
おける、実施例1において用いたコーティング機の概略
構成図である。
【図2】上記各球状アパタイト複合粒子の紫外線反射率
をそれぞれ示すグラフである。
をそれぞれ示すグラフである。
【図3】実施例2において得られた球状アパタイト複合
粒子の紫外線反射率をそれぞれ示すグラフである。
粒子の紫外線反射率をそれぞれ示すグラフである。
1 HAp複合粒子(アパタイト複合微粒子) 2 PMMA粒子(球状樹脂粒子) 4 混合物溶液(混合物) 10 球状アパタイト複合粒子
Claims (2)
- 【請求項1】アパタイト微粒子のスラリーに酸化チタン
粉末を混合してアパタイト複合微粒子のスラリーを作成
し、次いでこのスラリーの中に球状樹脂粒子を混合して
混合物を得た後、この混合物を高速気流中に供給して、
上記球状樹脂粒子を分散させながら、上記球状樹脂粒子
の表面に上記アパタイト複合微粒子をコーティングする
ことを特徴とする球状アパタイト複合粒子の製造方法。 - 【請求項2】アパタイト微粒子のスラリー、酸化チタン
粉末、及び球状樹脂粒子を含む混合物を得た後、この混
合物を高速気流中に供給して、上記球状樹脂粒子を分散
させながら、上記球状樹脂粒子の表面に上記アパタイト
微粒子と酸化チタン粉末とをコーティングすることを特
徴とする球状アパタイト複合粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18009493A JP2915253B2 (ja) | 1993-07-21 | 1993-07-21 | 球状アパタイト複合粒子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18009493A JP2915253B2 (ja) | 1993-07-21 | 1993-07-21 | 球状アパタイト複合粒子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0731864A JPH0731864A (ja) | 1995-02-03 |
JP2915253B2 true JP2915253B2 (ja) | 1999-07-05 |
Family
ID=16077337
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18009493A Expired - Lifetime JP2915253B2 (ja) | 1993-07-21 | 1993-07-21 | 球状アパタイト複合粒子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2915253B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003006159A1 (fr) * | 2001-07-10 | 2003-01-23 | Yoshiyuki Nagae | Matiere de revetement, peinture et procede de production de la matiere de revetement |
DE10306887A1 (de) * | 2003-02-18 | 2004-08-26 | Daimlerchrysler Ag | Verfahren zur Beschichtung von Partikeln für generative rapid prototyping Prozesse |
IT1393370B1 (it) * | 2009-03-23 | 2012-04-20 | Rigano | Composizioni cosmetiche comprendenti idrossiapatite come filtro solare fisico |
CN102744010B (zh) * | 2012-07-24 | 2014-04-23 | 陈林书 | 一种喷浆造粒方法 |
FR3030227B1 (fr) * | 2014-12-17 | 2018-01-26 | L'oreal | Emulsion stabilisees par des particules composites amphiphiles |
-
1993
- 1993-07-21 JP JP18009493A patent/JP2915253B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0731864A (ja) | 1995-02-03 |
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