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JP2911355B2 - 電源回路及び増幅回路 - Google Patents

電源回路及び増幅回路

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Publication number
JP2911355B2
JP2911355B2 JP6007709A JP770994A JP2911355B2 JP 2911355 B2 JP2911355 B2 JP 2911355B2 JP 6007709 A JP6007709 A JP 6007709A JP 770994 A JP770994 A JP 770994A JP 2911355 B2 JP2911355 B2 JP 2911355B2
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JP
Japan
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voltage
power supply
circuit
signal
unit
Prior art date
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JP6007709A
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Inventor
賢仁 金谷
幸直 佐久間
高久 牧野
聖和 上野
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Sanyo Denki Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Denki Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Denki Co Ltd filed Critical Sanyo Denki Co Ltd
Priority to JP6007709A priority Critical patent/JP2911355B2/ja
Priority to US08/268,012 priority patent/US5450037A/en
Priority to KR1019940015133A priority patent/KR0166112B1/ko
Publication of JPH07221556A publication Critical patent/JPH07221556A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電源回路及び増幅回路に
関し、更に詳しく言えば、オーディオアンプなどの高効
率化のための電源回路及び増幅回路の改善を目的とす
る。
【0002】
【従来の技術】以下で、従来例に係るオーディオアンプ
について図8〜図12を参照しながら説明する。従来例
に係るオーディオアンプにおいては、その高効率化を図
ることが懸案であった。従来のオーディオアンプには、
図8に示すような回路が一般に用いられていた。この回
路は、最終段のトランジスタ(Q1,Q2)がプッシュ
プル回路を構成し、それらのベースに前段からのオーデ
ィオ信号を入力し、これを正電源(+Vcc),負電源
(−Vcc)からの電力で増幅してスピーカ(SP)を
駆動するようにしたものである。
【0003】このような回路構成では、最終段のトラン
ジスタ(Q1,Q2)は常に最大出力を取り出せる大き
さの電源(+Vcc,−Vcc)で駆動されているため
大レベルはもとより、小レベル入力時において、最終段
のトランジスタ(Q1,Q2)において大きな電力損失
が生じるという欠点があった。そこで、このような問題
を解決するための回路として、図9に示すような回路が
提案されている。この回路は、プリアンプ(3)及び最
終段のプッシュプル回路を構成するトランジスタ(Q
1,Q2)によって増幅されたオーディオ信号(以下増
幅信号と称する)の状態に応じてトランジスタ(Q1,
Q2)の電源電圧(+Vc,−Vc)を変化させる回路
である。
【0004】その動作は、プリアンプ(3)とパワーア
ンプ(8)によって増幅された増幅信号(PS)に、オ
フセット電源(4)によって一定電圧が上乗せされてオ
フセット電圧が生成され、コンパレータ(6)の一方の
入力に入力される。同時に、コンパレータ(6)の他方
の入力にはチョッパ電源(7)の出力電圧である電源電
圧(+Vc)が入力されている。
【0005】次いで、コンパレータ(6)によってオフ
セット電圧と電源電圧(+Vc)との比較処理がなさ
れ、コンパレータ(6)の出力によってチョッパ電源
(7)の駆動制御がなされ、電源電圧(+Vc)がオフ
セット電圧に追従するように動作する。実際にこの動作
を実現するには、図10に示すような回路が用いられて
いる。当該回路では、定電圧生成回路(9)によって定
電流の供給源となるトランジスタ(Q3)のベース電位
が一定に保たれているので、トランジスタ(Q3)から
は一定のコレクタ電流(Ic)が流れており、同様にし
てコンパレータ(6)にもトランジスタ(Q4)によっ
ての定電流が供給されている。
【0006】パワーアンプの出力である増幅信号(P
S)がオフセット電源(4)の入力になるトランジスタ
(Q5)のベースに入力されると、増幅信号(PS)の
大小に応じてトランジスタ(Q5)のエミッタ電位が変
動する。これにより、図10のA点の電位は、抵抗(R
0)の電位差すなわちトランジスタ(Q3)のコレクタ
電流(Ic)と抵抗(R0)の積と、トランジスタ(Q
5)のエミッタ電位とを加算した値になる。
【0007】従って、図10のA点の電位は増幅信号
(PS)に抵抗(R0)による一定の電位差が加算され
たオフセット電圧となり、これがコンパレータ(6)の
入力に入力され、チョッパ電源の出力である電源電圧
(+Vc)と比較処理されることになる。すなわち、電
源電圧(+Vc)がオフセット電圧よりも低いときには
コンパレータ(6)の出力がハイレベルになってチョッ
パ電源のスイッチング素子(SW)がONされて電源電
圧(+Vc)が上昇し、電源電圧(+Vc)がオフセッ
ト電圧を上回るとコンパレータ(6)の出力がローレベ
ルになってチョッパ電源のスイッチング素子(SW)が
OFFされて電源電圧(+Vc)が下降するので、電源
電圧(+Vc)は、図11に示すように一定電圧が上乗
せされたオフセット電圧に追従するように動作すること
になる。
【0008】従って、小レベル入力時には電源電圧(+
Vc,−Vc)を低下させ、大レベル入力時には電源電
圧(+Vc,−Vc)を上昇させることができるので、
小レベル入力時の最終段のトランジスタ(Q1,Q2)
における電力損失を抑制することができ、効率の向上を
図っていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
に係る図10のオーディオアンプでは、以下に示すよう
な二つの問題が生じる。第一に、図11に示すような回
路構成では、電源部を駆動するための正電源(+Vc
c)に近いほど大きな増幅信号(ZS)がトランジスタ
(Q5)のベースに入力されると、図11のA点の電位
は、この大きな増幅信号(ZS)に抵抗(R0)による
電位差が加算された結果、トランジスタ(Q3)のベー
ス電位にまで達し、トランジスタ(Q3)が飽和してし
まうので、オフセット電圧がトランジスタ(Q3)のベ
ース電位でクリップしてしまう。
【0010】その結果、オフセット電源(4)、コンパ
レータ(6)にそれぞれ定電流を供給するトランジスタ
(Q3,Q4)が正常動作をしなくなり、定電流が供給
されなくなってしまうので、オフセット電源(4)とコ
ンパレータ(6)とがまったく動作しなくなってしま
う。これにより、正電源(+Vcc)近くの大きな増幅
信号(ZS)には対応できず、アンプのダイナミックレ
ンジが十分に確保できないという問題が生じていた。
【0011】第二に、オーディオ信号が急峻に立ち上が
り、チョッパ電源を構成するコイル(L),コンデンサ
(C)からなる低域通過フィルタの立ち上がり速度の限
界値を超えてしまうと、トランジスタ(Q1,Q2)へ
の電力供給が追従できず(図12)、アンプの出力がク
リップしてしまうという問題が生じていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の欠点
に鑑み成されたもので、図1に示すように、信号(Z
S)を出力する駆動対象(15)に電源電圧(+Vc)
を供給する電源回路であって、前記信号(ZS)と一定
電圧とを加算処理してオフセット電圧(Va)を生成
し、電圧供給部(18)に出力するオフセット電圧生成
部(12)と、前記オフセット電圧(Va)に追従する
電源電圧(+Vc)を前記駆動対象(15)に供給する
電圧供給部(18)を具備し、前記電圧供給部(18)
は、前記オフセット電圧(Va)と電源電圧(+Vc)
とを比較処理して電圧生成部(14)を駆動制御するコ
ンパレータ(13A,13B)を有する駆動制御部(1
3)と、前記駆動対象(15)に電源電圧(+Vc)を
供給するチョッパ電源回路を有する電圧生成部(14)
と、前記電源電圧(+Vc)を前記駆動制御部(13)
に帰還させる帰還回路(FB)を有し、前記オフセット
電圧生成部(12)の入力と駆動対象(15)の出力と
の間に信号(ZS)を減衰する第1の減衰器(19A)
が設けられ、前記帰還回路(FB)に、前記電源電圧
(+Vc)を減衰する第2の減衰器(19B)が設けら
れたことを特徴とする電源回路や、図2に示すように、
入力信号(AS)を増幅し、増幅信号(ZS)として出
力する信号増幅部(15)と、前記増幅信号(ZS)と
一定電圧とを加算処理してオフセット電圧(Va)を生
成し、電圧供給部(18)に出力するオフセット電圧生
成部(12)と、前記オフセット電圧(Va)に追従す
る電源電圧(+Vc)を前記信号増幅部(15)に供給
する電圧供給部(18)を具備し、前記電圧供給部(1
8)は、前記オフセット電圧(Va)と電源電圧(+V
c)とを比較処理して電圧生成部(14)を駆動制御す
るコンパレータ(13A,13B)を有する駆動制御部
(13)と、前記信号増幅部(15)に電源電圧(+V
c)を供給するチョッパ電源回路を有する電圧生成部
(14)と、前記電源電圧(+Vc)を前記駆動制御部
(13)に帰還させる帰還回路(FB)を有し、前記オ
フセット電圧生成部(12)の入力と信号増幅部(1
5)の出力との間に信号(ZS)を減衰する第1の減衰
器(19A)が設けられ、前記帰還回路(FB)に、前
記電源電圧(+Vc)を減衰する第2の減衰器(19
B)が設けられたことを特徴とする増幅回路によって、
電源付近にまで達する大振幅のオーディオ信号に対応し
てダイナミックレンジの確保を図り、急峻なオーディオ
信号の立ち上がりにもトランジスタ(Q1,Q2)への
電力供給が追従でき、かつ高効率化が図られたオーディ
オアンプの提供を可能たらしめるものである。
【0013】
【作 用】本発明に係る第1の電源回路によれば、図1
に示すように、オフセット電圧生成部(12)と、駆動
制御部(13),帰還回路(FB)及び電圧生成部(1
4)からなる電圧供給部(18)と、第1の減衰器(1
9A)と、第2の減衰器(19B)とを有し、かつ第1
の減衰器(19A)はオフセット電圧生成部(12)と
駆動対象(15)の出力との間に設けられ、帰還回路
(FB)に第2の減衰器(19B)が設けられている。
【0014】すなわち、駆動対象(15)からの信号
(ZS)が第1の減衰器(19A)によって減衰された
のちにオフセット電圧生成部(12)に出力され、減衰
された信号(ZS)と一定電圧とがオフセット電圧生成
部(12)によって加算されてオフセット電圧(Va)
が生成される。次いで、駆動制御部(13)のコンパレ
ータ(13A,13B)によってオフセット電圧(V
a)と、帰還回路(FB)によって電圧生成部(14)
から帰還されたのちに第2の減衰器(19B)によって
減衰された電源電圧(+Vc)との比較処理がなされ、
その比較処理結果に基づいて電圧生成部(14)の駆動
制御がなされる。
【0015】このため、例えば電圧生成部(14)の出
力である電源電圧(+Vc)がオフセット電圧(Va)
よりも小さい場合は、減衰された電源電圧(+Vc)が
上昇し、逆に減衰された電源電圧(+Vc)がオフセッ
ト電圧(Va)よりも大きい場合には電源電圧(+V
c)が下降するというように、減衰された電源電圧(+
Vc)がつねにオフセット電圧(Va)に追従するよう
に制御することができる。
【0016】これにより、それぞれの減衰比を同一値に
しておけば、結果的には、信号(ZS)に一定電圧を加
算した電圧に電源電圧(+Vc)が追従するように当該
回路を動作させることができるので、信号(ZS)の状
態に応じて効率よく駆動対象(15)に電源電圧(+V
c)を供給することができる。さらに、当該電源回路を
駆動するための電源(+Vcc)に近いほど過大な信号
(ZS)が駆動対象(15)から出力されても、それが
直接オフセット電圧生成部(12)や駆動制御部(1
3)に入力されずに、減衰されて入力されるので、過大
な信号(ZS)がオフセット電圧生成部(12)や駆動
制御部(13)に入力されることによって当該回路が動
作しなくなることを極力抑止しつつ、高効率化を図るこ
とが可能になる。
【0017】また、本発明に係る第2の電源回路によれ
ば、本発明に係る第1の電源回路において、帰還回路
(FB)に遅延手段(DE)が設けられている。すなわ
ち、駆動制御部(13)→電圧生成部(14)→帰還回
路(FB)→駆動制御部(13)なるフィードバックが
なされることで、電圧生成部(14)のチョッパ電源回
路が駆動されて電源電圧(+Vc)が生成・出力される
が、この帰還回路(FB)に遅延手段(DE)が設けら
れていることによりチョッパ電源回路の発振安定性が向
上し、電源電圧の供給動作が安定するので、増幅回路の
動作安定が可能になる。
【0018】また、本発明に係る第3の電源回路によれ
ば、図1に示すように、勾配検出部(11)と、オフセ
ット電圧生成部(12)と、駆動制御部(13),帰還
回路(FB)及び電圧生成部(14)からなる電圧供給
部(18)と、第1の減衰器(19A)と、第2の減衰
器(19B)とを有し、かつ第1の減衰器(19A)は
オフセット電圧生成部(12)と駆動対象(15)の出
力との間に設けられ、帰還回路(FB)に第2の減衰器
(19B)が設けられている。
【0019】すなわち、駆動対象(15)からの信号
(ZS)が第1の減衰器(19A)によって減衰された
のちにオフセット電圧生成部(12)に出力され、同時
に信号(ZS)の微分が勾配検出部(11)によって検
出され、減衰された信号(ZS)と一定電圧とがオフセ
ット電圧生成部(12)によって加算されてオフセット
電圧(Va)が生成され、次いで、駆動制御部(13)
のコンパレータ(13A,13B)によってオフセット
電圧(Va)と、帰還回路(FB)によって電圧生成部
(14)から帰還されたのちに第2の減衰器(19B)
によって減衰された電源電圧(+Vc)との比較処理が
なされ、その比較処理結果に基づいて電圧生成部(1
4)の駆動制御がなされる。
【0020】このため、例えば電圧生成部(14)の出
力である電源電圧(+Vc)がオフセット電圧(Va)
よりも小さい場合は、減衰された電源電圧(+Vc)が
上昇し、逆に減衰された電源電圧(+Vc)がオフセッ
ト電圧(Va)よりも大きい場合には電源電圧(+V
c)が下降するというように、減衰された電源電圧が常
にオフセット電圧(Va)に追従するように制御するこ
とができる。
【0021】これにより、それぞれの減衰比を同一値に
しておけば、結果的には、信号(ZS)に一定電圧を加
算した電圧に電源電圧(+Vc)が追従するように当該
回路を動作させることができるので、信号(ZS)の状
態に応じて効率よく駆動対象(15)に電源電圧(+V
c)を供給することができる。また、当該電源回路を駆
動するための電源(+Vcc)に近いほど過大な信号
(ZS)が駆動対象(15)から出力されても、それが
直接オフセット電圧生成部(12)や駆動制御部(1
3)に入力されず、減衰されて入力されるので、過大な
信号(ZS)がオフセット電圧生成部(12)や駆動制
御部(13)に入力されることによって当該回路が動作
しなくなることを極力抑止することが可能になる。
【0022】さらに、第1,第2の電源回路と異なり、
勾配検出部(11)によって検出された信号(ZS)の
微分と一定電圧が上乗された信号(ZS)とを加算処理
してオフセット電圧(Va)を生成し、それに追従する
ように電源電圧(+Vc)を供給しているので、従来電
源供給の追従が困難であった信号(ZS)の変化が急峻
な場合でも、余裕をもって信号(ZS)に追従する電源
電圧(+Vc)を駆動対象(15)に供給することがで
き、信号(ZS)の状態に対応した効率の良い電源電圧
の供給が可能になる。
【0023】さらに、本発明に係る第1の増幅回路によ
れば、図2に示すように、オフセット電圧生成部(1
2)と、駆動制御部(13),帰還回路(FB)及び電
圧生成部(14)からなる電圧供給部(18)と、第1
の減衰器(19A)と、第2の減衰器(19B)と、信
号増幅部(15)を有し、かつ第1の減衰器(19A)
はオフセット電圧生成部(12)と信号増幅部(15)
の出力との間に設けられ、帰還回路(FB)に第2の減
衰器(19B)が設けられている。
【0024】すなわち、信号増幅部(15)からの増幅
信号(ZS)が第1の減衰器(19A)によって減衰さ
れたのちにオフセット電圧生成部(12)に出力され、
減衰された増幅信号(ZS)と一定電圧とがオフセット
電圧生成部(12)によって加算されてオフセット電圧
(Va)が生成される。次いで、駆動制御部(13)の
コンパレータ(13A,13B)によってオフセット電
圧(Va)と、帰還回路(FB)によって電圧生成部
(14)から帰還されたのちに第2の減衰器(19B)
によって減衰された電源電圧(+Vc)との比較処理が
なされ、その比較処理結果に基づいて電圧生成部(1
4)の駆動制御がなされる。
【0025】このため、例えば電圧生成部(14)の出
力である電源電圧(+Vc)がオフセット電圧(Va)
よりも小さい場合は、減衰された電源電圧(+Vc)が
上昇し、逆に減衰された電源電圧(+Vc)がオフセッ
ト電圧(Va)よりも大きい場合には電源電圧(+V
c)が下降するというように、減衰された電源電圧が常
にオフセット電圧(Va)に追従するように制御するこ
とができる。
【0026】これにより、それぞれの減衰比を同一値に
しておけば、結果的には、増幅信号(ZS)に一定電圧
を加算した電圧に電源電圧(+Vc)が追従するように
当該回路を動作させることができ、増幅信号(ZS)の
状態に対応して効率よく信号増幅部(15)に電源電圧
(+Vc)を供給することができる。さらに、当該増幅
回路を駆動するための電源(+Vcc)に近いほど過大
な信号(ZS)が信号増幅部(15)から出力されて
も、それが直接オフセット電圧生成部(12)や駆動制
御部(13)に入力されず、減衰されて入力されるの
で、過大な信号(ZS)がオフセット電圧生成部(1
2)や駆動制御部(13)に入力されることによって当
該回路が動作しなくなることを極力抑止しつつ、高効率
化を図ることが可能になる。
【0027】また、本発明に係る第2の増幅回路によれ
ば、本発明に係る第1の増幅回路において、帰還回路
(FB)に遅延手段(DE)が設けられている。すなわ
ち、駆動制御部(13)→電圧生成部(14)→帰還回
路(FB)→駆動制御部(13)なるフィードバックが
なされることで、電圧生成部(14)のチョッパ電源回
路が駆動されて電源電圧(+Vc)が生成・出力される
が、この帰還回路(FB)に遅延手段(DE)が設けら
れていることによりチョッパ電源回路の発振安定性が向
上し、電源電圧の供給動作が安定するので、増幅回路の
動作安定が可能になる。
【0028】また、本発明に係る第3の増幅回路によれ
ば、図2に示すように、勾配検出部(11)と、オフセ
ット電圧生成部(12)と、駆動制御部(13),帰還
回路(FB)及び電圧生成部(14)からなる電圧供給
部(18)と、第1の減衰器(19A)と、第2の減衰
器(19B)とを有し、かつ第1の減衰器(19A)は
オフセット電圧生成部(12)と信号増幅部(15)の
出力との間に設けられ、帰還回路(FB)に第2の減衰
器(19B)が設けられている。
【0029】すなわち、信号増幅部(15)からの増幅
信号(ZS)が第1の減衰器(19A)によって減衰さ
れたのちにオフセット電圧生成部(12)に出力され、
同時に増幅信号(ZS)の微分が勾配検出部(11)に
よって検出され、減衰された増幅信号(ZS)と一定電
圧とがオフセット電圧生成部(12)によって加算され
てオフセット電圧(Va)が生成される。
【0030】次いで、駆動制御部(13)のコンパレー
タ(13A,13B)によってオフセット電圧(Va)
と、帰還回路(FB)によって電圧生成部(14)から
帰還されたのちに第2の減衰器(19B)によって減衰
された電源電圧(+Vc)との比較処理がなされ、その
比較処理結果に基づいて電圧生成部(14)の駆動制御
がなされる。
【0031】このため、例えば電圧生成部(14)の出
力である電源電圧(+Vc)がオフセット電圧(Va)
よりも小さい場合は、減衰された電源電圧(+Vc)が
上昇し、逆に減衰された電源電圧(+Vc)がオフセッ
ト電圧(Va)よりも大きい場合には電源電圧(+V
c)が下降するというように、減衰された電源電圧を、
常にオフセット電圧(Va)に追従するように制御する
ことができる。
【0032】これにより、それぞれの減衰比を同一値に
しておけば、結果的には、増幅信号(ZS)に一定電圧
を加算した電圧に電源電圧(+Vc)が追従するように
当該回路を動作させることができ、効率よく信号増幅部
(15)に電源電圧(+Vcc)を供給することができ
る。また、当該増幅回路を駆動するための電源(+Vc
c)に近いほど過大な増幅信号(ZS)が信号増幅部
(15)から出力されても、それが直接オフセット電圧
生成部(12)や駆動制御部(13)に入力されず、減
衰されて入力されるので、過大な増幅信号(ZS)がオ
フセット電圧生成部(12)や駆動制御部(13)に入
力されることによって当該回路が動作しなくなることを
極力抑止しつつ、高効率化を図ることが可能になる。
【0033】さらに、本発明に係る第1,第2の増幅回
路と異なり、勾配検出部(11)によって検出された、
増幅信号(ZS)の微分と一定電圧が上乗された増幅信
号(ZS)とを加算処理してオフセット電圧(Va)を
生成し、それに追従するように電源電圧(+Vc)を供
給しているので、従来電源供給の追従が困難であった増
幅信号(ZS)の変化が急峻な場合でも、余裕をもって
増幅信号(ZS)に追従する電源電圧(+Vc)を駆動
対象(15)に供給することができ、増幅信号(ZS)
の状態に対応した、効率の良い電源電圧の供給が可能に
なる。
【0034】
【実施例】以下に本発明の実施例に係る電源回路及び増
幅回路について図3〜図7を参照しながら説明する。な
お、本発明の実施例に係る電源回路は、本実施例に係る
増幅回路の一部であって、+側の電源回路(17)及び
−側の電源回路(16)とからなる。
【0035】本発明の実施例に係る増幅回路は、高効率
を図ったオーディオアンプであって、図3に示すように
+側の電源回路(17)、−側の電源回路(16)、プ
リアンプ(15A)、及びパワーアンプ(15B)から
なる。なお、本実施例においては、+側の電源回路(1
7)のみについて説明する。−側の電源回路(16)
は、+側と同様に構成されて、負電源(−Vcc)によ
って駆動され、その動作は+側と対称になっている。
【0036】+側の電源回路(17)は、図3に示すと
おりであって、定電圧発生回路(10),勾配検出部
(11),オフセット電圧生成部(12),第1のコン
パレータ(13A),第2のコンパレータ(13B)、
チョッパ電源回路(14)、第1の減衰器(19A)及
び第2の減衰器(19B)からなり、信号増幅部(1
5)の一実施例を構成するパワーアンプ(15B)の最
終段のトランジスタ(TR11)のコレクタに、正電源
(+Vcc)から増幅信号(ZS)に応じた電源電圧
(+Vc)を生成し、供給するものである。
【0037】定電圧発生回路(10)は、当該増幅回路
に必要な定電圧を発生する回路であって、例えば、第2
のコンパレータ(13B)の非反転入力部すなわちトラ
ンジスタ(TR142)のベースに一定電圧を供給して
いる。勾配検出部(11)は、コンデンサ(C11
0),抵抗(R110)からなる微分回路(11A)
と、トランジスタ(TR110),抵抗(R111,R
112)からなる回路である。
【0038】その機能は、増幅信号(ZS)を微分回路
(11A)で微分し、微分結果に基づいてオフセット電
圧生成部(12)を制御しており、更に詳しくいえば、
微分回路(11A)の出力に応じてトランジスタ(TR
110)のベース電位が変動することでそのコレクタ電
流が変化し、その変化に応じてトランジスタ(TR11
0)のコレクタに接続されたトランジスタ(TR12
1)のベース電位を変化させている。
【0039】オフセット電圧生成部(12)は、トラン
ジスタ(TR121,TR122),抵抗(R121,
R122)からなる回路である。その機能は、第1の減
衰器(19A)の出力である2/3に減衰された増幅信
号(ZS)〔以下これを減衰増幅信号(ZS2)と称す
る〕に一定電圧を上乗せしたのちに、勾配検出部(1
1)からの出力である微分結果とを加算して第1のコン
パレータ(13A)の非反転入力部に出力している。
【0040】これを詳述すれば、抵抗(R123,R1
24)がトランジスタ(TR122)のベースに接続さ
れ、かつ抵抗(R123)がコレクタに接続されてなる
トランジスタ回路によって、減衰増幅信号(ZS2)に
一定電圧を上乗せし、トランジスタ(TR110)のコ
レクタ電流の変動に伴うトランジスタ(TR121)の
ベース電位の変動分と、一定電圧が上乗せされた減衰増
幅信号(ZS2)とが加算された図3のA点の電位〔以
下これをオフセット電圧(Va)と称する〕を第1のコ
ンパレータ(13A)の非反転入力部であるトランジス
タ(TR132)のベースに出力している。
【0041】第1のコンパレータ(13A)及び第2の
コンパレータ(13B)は、駆動制御部(13)の一実
施例を構成するものである。第1のコンパレータ(13
A)は、トランジスタ(TR131〜TR133),抵
抗(R131〜R133)及びコンデンサ(C130)
からなる回路である。
【0042】その機能は、第2の減衰器(19B)の出
力である2/3に減衰された電源電圧(+Vc)〔以下
これを減衰電源電圧(+Vc2)と称する〕とオフセッ
ト電圧生成部(12)からのオフセット電圧(Va)と
を比較し、第2のコンパレータ(13B)の動作制御を
している。更に詳しく言えば、減衰電源電圧(+Vc
2)よりもオフセット電圧(Va)の方が低い場合には
トランジスタ(TR131),抵抗(R131,R13
2)及びコンデンサ(C130)からなる定電流生成回
路からの定電流がトランジスタ(TR132)に流れ、
逆に減衰電源電圧(+Vc2)よりもオフセット電圧
(Va)の方が高い場合には、定電流の殆どがトランジ
スタ(TR133)に流れ、トランジスタ(TR13
3)のコレクタ電流でトランジスタ(TR141)のベ
ース電圧を制御することで第2のコンパレータ(13
B)の駆動制御をしている。
【0043】第2のコンパレータ(13B)は、トラン
ジスタ(TR141,TR142),抵抗(R141,
R142)からなる回路である。その機能は、第1のコ
ンパレータ(13A)の出力信号と、定電圧発生回路
(10)の生成する定電圧とを比較し、その状態に応じ
てチョッパ電源(14)の動作制御をしており、具体的
には、第1のコンパレータ(13A)の出力信号に相当
するトランジスタ(TR133)のコレクタ電圧がトラ
ンジスタ(TR141)のベースに入力されるとトラン
ジスタ(TR141)が動作し、そのコレクタ電流によ
ってチョッパ電源(14)のドライブとなるトランジス
タ(TR151,TR152)の動作状態を制御してい
る。
【0044】チョッパ電源(14)は、電圧生成部の一
実施例であって、トランジスタ(TR151,TR15
2),MOS型トランジスタ(TR153),抵抗(R
151),コンデンサ(C151),ダイオード(D1
50)及びコイル(L151)からなる回路であって、
コンデンサ(C151)及びコイル(L151)はLP
F〔Low Pass Filter :低域通過フィルタ〕(14A)
を構成している。
【0045】その機能は、第2のコンパレータ(13
B)の駆動制御に基づいて、パワーアンプ(15B)の
最終段のトランジスタ(TR11)のコレクタに電源電
圧(+Vc)を供給している。第1の減衰器(19A)
は、抵抗(R123,R124)からなり、抵抗値の分
割比によってパワーアンプ(15B)からの出力である
増幅信号(ZS)を2/3に減衰して減衰増幅信号(Z
S2)を生成し、オフセット電圧生成部(12)に出力
するものである。
【0046】第2の減衰器(19B)は、抵抗(R9
1,R92)からなり、抵抗値の分割比によってチョッ
パ電源(14)からの出力である電源電圧(+Vc)を
2/3に減衰して減衰電源電圧(+Vc2)を生成して
第1のコンパレータ(13A)の入力であるトランジス
タ(TR133)に出力するものである。以下で当該回
路の動作について説明する。定電圧発生回路(10),
勾配検出部(11),オフセット電圧生成部(12),
第1のコンパレータ(13A),第2のコンパレータ
(13B)及びチョッパ電源回路(14)には既に当該
回路の正電源(+Vcc)が印加されているものとす
る。
【0047】まずプリアンプ(15A)にオーディオ信
号(AS)が入力され、パワーアンプ(15B)によっ
て増幅されて最終段のトランジスタ(TR11,TR1
2)によって増幅信号(ZS)としてスピーカ(SP)
に出力される。この増幅信号(ZS)は勾配検出部(1
1)の微分回路(11A)にも入力され、同時に第1の
減衰器(19A)に入力され、2/3に減衰されて減衰
増幅信号(ZS2)としてオフセット電圧生成部(1
2)のトランジスタ(TR122)のベースに入力され
る。
【0048】勾配検出部(11)のトランジスタ(TR
110)のベースには、増幅信号(ZS)がないときに
は定電圧発生回路(10)によって生成された定電圧が
印加されているが、そのエミッタ電位が0になっている
ため、コレクタ電流は流れない。パワーアンプ(15
B)から増幅信号(ZS)が入力されると、その信号波
形が微分回路(11A)によって微分され、その微分波
形に応じてトランジスタ(TR110)のベース電位が
変動してそのコレクタ電流が変化する。
【0049】このとき、トランジスタ(TR110)の
ベース電位が、その動作基準値となるダイオード(D1
02)のアノード電位よりも低い部分においてはトラン
ジスタ(TR110)は遮断動作をするために、そのコ
レクタ電流の波形は、微分回路(11A)の出力をクリ
ップした波形となる。例えば増幅信号(ZS)の立ち上
がり勾配が急峻なときには、微分回路(11A)の出力
が正側に大きく振れるため、トランジスタ(TR11
0)のコレクタ電流もそれに応じて大きな値を示す。
【0050】一方、増幅信号(ZS)が立ち下がり勾配
のときには、微分回路(11A)の出力は負側に振れる
が、トランジスタ(TR110)のクリップ作用によ
り、このときコレクタ電流は流れない。トランジスタ
(TR110)のコレクタ電流が流れると、それまで定
電圧発生回路(10)によってそのベース電位が一定に
保たれることにより一定の直流電流をコレクタに流して
いたトランジスタ(TR121)のベース電位がトラン
ジスタ(TR110)のコレクタ電流の変動に応じて低
下し、その低下分だけトランジスタ(TR121)のコ
レクタ電流が増大し、その結果そのコレクタ電位である
点Aの電位が上昇する。
【0051】一方、増幅信号(ZS)は同時に、第1の
減衰器(19A)によって2/3に減衰され、減衰増幅
信号(ZS2)としてオフセット電圧生成部(12)の
トランジスタ(TR122)のベースに入力されてい
る。トランジスタ(TR122)は、減衰増幅信号(Z
S2)に応じてエミッタホロワ動作をするが、減衰増幅
信号(ZS2)が負側に振れる部分はコレクタが飽和す
るので、ベース及びエミッタには、減衰増幅信号(ZS
2)の負側がクリップされた波形が現れる。
【0052】トランジスタ(TR122)のエミッタに
は、抵抗(R122)を介して、トランジスタ(TR1
21)で作られる電流が流れ込む。トランジスタ(TR
122)のエミッタ電位はこの電流に依存しないが、抵
抗(R122)は、電流に応じて電位差を生ずるので、
点Aの電位はトランジスタ(TR122)のエミッタ電
位に、抵抗(R122)によって生じた電位差が加算さ
れた値となる。
【0053】トランジスタ(TR121)のコレクタ電
流は、本来は定電圧発生回路(10)で生成される直流
電圧から、直流電流が作られるため、点Aの電位の波形
はトランジスタ(TR122)のエミッタに現れるクリ
ップ波形が一定電圧にシフトされた波形となる。
【0054】しかし、増幅信号(ZS)に急峻な立ち上
がり勾配があると、上記の勾配検出部(11)の動作に
より、トランジスタ(TR121)のコレクタ電圧が増
大するので、結果的に点Aの電位すなわちオフセット電
圧(Va)は、 1)減衰増幅信号(ZS2)のクリップ波形 2)一定の直流電圧 3)微分回路(11A)から出力されるクリップ波形 が各々加算された波形になる。こうして生成されたオフ
セット電圧(Va)が第1のコンパレータ(13A)の
非反転入力部であるトランジスタ(TR132)のベー
スに印加される。
【0055】また、第1のコンパレータ(13A)の反
転入力部であるトランジスタ(TR133)のベースに
は、第2の減衰器(19B)で2/3に減衰されたチョ
ッパ電源(14)の出力電圧、すなわち減衰電源電圧
(+Vc2)が入力される。よって、第1のコンパレー
タ(13A)によってオフセット電圧(Va)と、減衰
電源電圧(+Vc2)との比較処理がなされるわけであ
るが、それ以降の動作については、 (i) オフセット電圧(Va)が減衰電源電圧(+Vc
2)よりも大きい場合 (ii)オフセット電圧(Va)が減衰電源電圧(+Vc
2)よりも小さい場合 の2つの場合について動作が異なるので、各々の場合に
ついて以下で説明する。
【0056】(i) オフセット電圧(Va)が減衰電源電
圧(+Vc2)よりも大きい場合 この場合には、トランジスタ(TR132)のベース電
位がトランジスタ(TR133)のベース電位よりも高
いので、トランジスタ(TR132)はOFFされ、ト
ランジスタ(TR133)がONされる。すると、トラ
ンジスタ(TR133)のコレクタ電流によってトラン
ジスタ(TR141)のベース電位が上昇してトランジ
スタ(TR141)がONされ、トランジスタ(TR1
42)はOFFされる。
【0057】トランジスタ(TR141)がONされて
コレクタ電流が流れることにとってチョッパ電源(1
4)のドライバを構成するトランジスタ(TR151,
TR152)のベース電位が低下し、MOS型トランジ
スタ(TR153)のゲートにはローレベルの電圧が出
力される。MOS型トランジスタ(TR153)はpチ
ャネルなので、ローレベルによってONされ、減衰電源
電圧(+Vc2)がオフセット電圧(Va)に追従する
ように上昇し始め、やがては、オフセット電圧(Va)
を上回るまでに至る。
【0058】(ii)オフセット電圧(Va)が減衰電源電
圧(+Vc2)よりも小さい場合 この場合には、トランジスタ(TR132)のベース電
位がトランジスタ(TR133)のベース電位よりも低
いので、トランジスタ(TR132)はONされ、トラ
ンジスタ(TR133)がOFFされる。すると、トラ
ンジスタ(TR133)のコレクタ電流が流れなくなる
ため、トランジスタ(TR141)のベース電位が低下
してトランジスタ(TR141)がOFFされ、トラン
ジスタ(TR142)はONされる。
【0059】トランジスタ(TR141)がOFFされ
てそのコレクタ電流が遮断されることにとってチョッパ
電源(14)のドライバを構成するトランジスタ(TR
151,TR152)のベース電位が上昇し、MOS型
トランジスタ(TR153)のゲートにはハイレベルの
電圧が出力される。ハイレベルの電圧がMOS型トラン
ジスタ(TR153)のゲートに出力されることによっ
てMOS型トランジスタ(TR153)がOFFされ、
その結果LPF(14A)の出力である電源電圧(+V
c)は下降を始める。
【0060】この場合、時間の経過とともに電源電圧
(+Vc)は接地電位へと低下していくが、常に第1の
コンパレータ(13A)によって減衰電源電圧(+Vc
2)とオフセット電圧(Va)との比較がなされてお
り、減衰電源電圧(+Vc2)がオフセット電圧(V
a)を下回ると、上記の(i) の状態になるので、再びM
OS型トランジスタ(TR153)がONし、減衰電源
電圧(+Vc2)及び電源電圧(+Vc)は上昇を始め
る。
【0061】すなわち、当該回路は、上記の(i) ,(ii)
の動作を常時繰り返すことにより、常に減衰電源電圧
(+Vc2)がオフセット電圧(Va)に追従するよう
に、電源電圧(+Vc)を制御している。なお、上記の
図3の回路は図4に示すように概念的に把握することが
できる。すなわち、本実施例に係る増幅回路によれば、
パワーアンプ(15B)の出力である増幅信号(ZS)
が勾配検出部(11)によって微分されて出力され、オ
フセット電圧生成部(12)によって減衰増幅信号(Z
S2)に一定電圧が上乗せされ、加算回路によって増幅
信号(ZS)の微分と、一定電圧が加算された減衰増幅
信号(ZS2)との和であるオフセット電圧(Va)が
生成される。
【0062】次いで、第1のコンパレータ(13A)に
よって第2の減衰器(19B)の出力である減衰電源電
圧(+Vc2)とオフセット電圧(Va)とが比較処理
され、その比較処理結果に基づいて、第2のコンパレー
タ(13A)及びチョッパ電源(14)が、減衰電源電
圧(+Vc2)がオフセット電圧(Va)に追従するよ
うに動作するものである。
【0063】以上説明したように、当該回路によれば常
に減衰増幅信号(ZS2)、すなわち2/3に減衰され
た増幅信号(ZS)に一定電圧が上乗せされた電圧と増
幅信号(ZS)の微分の和であるオフセット電圧(V
a)に、減衰電源電圧(+Vc2)、すなわち2/3に
減衰された電源電圧(+Vc)が追従するように動作し
ている。
【0064】これにより、それぞれの減衰比が2/3と
同一なので、結果的には、増幅信号(ZS)にある一定
の電圧を加算した電圧に電源電圧(+Vc)が追従する
ように当該回路が動作するので、増幅信号(ZS)に対
応した効率よい電源電圧(+Vc)をパワーアンプ(1
5B)に供給することができる。また、本実施例では、
正電源(+Vcc)に近いほど過大な増幅信号(ZS)
が出力されても、電源電圧(+Vc)及び増幅信号(Z
S)を2/3に減衰して減衰電源電圧(+Vc2)及び
減衰増幅信号(ZS2)を生成しているので、オフセッ
ト電圧生成部(12)の入力であるトランジスタ(TR
122)のベースには、せいぜい正電源(+Vcc)の
2/3にまでの大きさの電圧しか印加されない。
【0065】これにより、トランジスタ(TR121)
からの定電流による抵抗(R122)の電位差が上乗さ
れるA点の電位(Va)が、正電源(+Vcc)を超過
することを極力抑止することができる。例えば、正電源
(+Vcc)が±50Vであって、定電圧生成回路(1
0)による定電圧が3Vの場合に、±50Vの増幅信号
(ZS)が入力されても、第1の減衰器(19A)によ
って2/3に減衰されて±約34Vの減衰増幅信号(Z
S2)がオフセット電圧生成部(12)に入力されるの
で、それに抵抗(R122)の電圧降下分が上乗されて
も、A点の電位(Va)は正電源(+Vcc)を超える
ことはまずありえない。
【0066】よって、A点の電位(Va)が正電源(+
Vcc)を超えることでそれぞれトランジスタ(TR1
21,TR131)から定電流がオフセット電圧生成部
(12)や第1のコンパレータ(13A)に供給されず
に、これらが動作しないということを極力抑止すること
ができ、正電源(+Vcc)にほぼ一致するくらいの増
幅信号(ZS)が出力されても、それに追従するように
電源電圧(+Vc)を生成・供給することが可能になる
ので、従来に比して当該回路のダイナミックレンジを拡
大することが可能になる。
【0067】さらに、図5に示すように立ち上がりが急
峻な増幅信号(ZS)について考えると、それを2/3
に減衰した減衰増幅信号(ZS2)に一定値を上乗せ
し、同時に図6に示すような増幅信号(ZS)の微分を
とり、一定値が上乗せされた減衰増幅信号(ZS2)と
増幅信号(ZS)の微分との和をとって、図7に示すよ
うなオフセット電圧(Va)を生成している。増幅信号
(ZS)の微分は、増幅信号(ZS)の変化が急峻なと
きには大きくなるのでオフセット電圧(Va)も大きく
なり、チョッパ電源(14)によって生成される電源電
圧(+Vc)は常にこのオフセット電圧(Va)に追従
するように生成・供給される。
【0068】よって、図9の従来回路において電源電圧
(+Vc)を供給する際に追従が困難であった増幅信号
(ZS)の変化が急峻な場合にはその微分が増大し、増
大した増幅信号(ZS)の微分が上乗せされたオフセッ
ト電圧(Va)に追従するように減衰電源電圧(+Vc
2)が供給されるので、電源電圧(+Vc)の供給が増
幅信号(ZS)の変化に余裕をもって追従でき、従来生
じていたアンプの出力のクリップを抑止しつつ高効率化
を図ることが可能となる。
【0069】なお、本実施例に係る増幅回路と同様の目
的で提案された回路として、増幅信号に追従して電源電
圧に一定のオフセット電圧がかかるようにチョッパ電源
を駆動し、かつ増幅信号が急峻に変化して電力供給が追
従できないようなときには、チョッパ電源とは別の補助
電源路を用いて当該回路を駆動して増幅信号の急峻な変
化に電力供給を追従させるような回路も提案されている
(特開平4−372212)。
【0070】この回路によると、高域,大振幅の増幅信
号が頻繁に出力されるような場合は、頻繁に補助電源路
を動作させなければならないので、これが高効率でない
ために、効率の低下が大きくなる。しかし、本実施例に
係る増幅回路によれば、電源としては高効率なチョッパ
電源(14)のみを用いて、しかも増幅信号が急峻に変
化するような場合でも、電力供給が追従でき、高域,大
振幅の増幅信号が頻繁に出力されるような場合でもその
効率を低下させることがなく、その点でも有効である。
【0071】以上に加え、本実施例に係る電源回路及び
増幅回路のその他の副次的な作用効果について以下で説
明する。本実施例によれば、図3に示すように、チョッ
パ電源(14)の出力が、第1のコンパレータ(13
A)の一入力であるトランジスタ(TR133)のベー
スに接続され、チョッパ電源(14)→第1のコンパレ
ータ(13A)→第2のコンパレータ(13B)→チョ
ッパ電源(14)なるフィードバックがかかっている。
【0072】さらに、第1のコンパレータ(13A)と
第2のコンパレータ(13B)との間に、遅延手段(D
E)の一例であって、一方が接地されているコンデンサ
(C93)が接続されている。このため、例えばコンデ
ンサ(C93)が接続されない場合は、400kHz程
度であったチョッパ電源(14)の発振周波数が、コン
デンサ(C93)が接続されると200kHz程度に低
下するというように、チョッパ電源(14)の発振周波
数が低下して、その発振安定性が向上するので、電源電
圧の供給動作が安定し、ひいては増幅回路の動作が安定
化する。
【0073】なお、ここでは遅延手段(DE)の一例と
してコンデンサ(C93)を用いているが本発明はこれ
に限らず、例えばコイルなどをこのフィードバック系に
含めても同様の効果を奏する。また、オーディオアンプ
程度の増幅回路は発熱による特性変化の影響が大きく、
温度特性の向上が望まれるが、本実施例の回路は温度に
よる特性変化は非常に少ない。その詳細について以下で
説明する。
【0074】すなわち、定電圧生成回路(10)が有す
るトランジスタ(TR101)と、ツェナーダイオード
(ZD10)の組み合わせにより、ここで生成される定
電圧は温度補償が良好であって、その特性が安定であ
る。また、定電圧生成回路(10)が有するトランジス
タ(TR102)の温度によるベース−エミッタ間の電
圧変化は、トランジスタ(TR102)のエミッタにベ
ースが接続されているトランジスタ(TR131)のベ
ース−エミッタ間の電圧変化によって相殺されている。
【0075】さらに、勾配検出部(11)のトランジス
タ(TR110)の温度によるベース−エミッタ間の電
圧変化は、定電圧生成回路(10)のダイオード(D1
02)のアノード−カソード間の電圧変化によって相殺
されているので、温度変化に対する特性の変化が少な
く、十分に温度補償がなされた電源回路及び増幅回路の
提供が可能となる。
【0076】加えて、オフセット電圧生成部(12)の
トランジスタ(TR121)には、温度特性が良好な上
述の定電圧生成回路(10)によって定電圧が印加され
ているので、オフセット電圧生成部(12)において
も、同様にして温度補償特性が良好になる。ところで、
本実施例では上述したように、+側の電源回路(1
7)、−側の電源回路(16)からなる本発明の実施例
に係る電源回路を増幅回路の一部として説明している
が、本発明の電源回路はこれに限らず、例えばモータの
駆動用電源であるとか、テレビの垂直偏向回路の駆動用
電源など、ある一定の信号を出力するような対象を駆動
する電源回路に適用しても、同様の効果を奏する。
【0077】また、本実施例では第1、第2の減衰器
(19A,19B)の減衰比として2/3をとっている
が、本発明はこれに限らず、例えば1/2や3/4のよ
うな値のように、適当な値でも同様の効果を奏する。さ
らに、本実施例では勾配検出部(11)によって増幅信
号(ZS)の微分を算出し、これと減衰増幅信号(ZS
2)と一定電圧とを加算してオフセット電圧(Va)を
生成しているが、本発明はこれに限らず、ダイナミック
レンジを確保するためだけなら、減衰増幅信号(ZS
2)と一定電圧とを加算してオフセット電圧(Va)を
生成してもよい。この場合には勾配検出部(11)が不
要になり、回路構成が若干簡単になるという利点もあ
る。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る電源
回路によれば、オフセット電圧生成部(12)と、駆動
制御部(13),帰還回路(FB)及び電圧生成部(1
4)からなる電圧供給部(18)と、第1の減衰器(1
9A)と、第2の減衰器(19B)とを有し、かつ第1
の減衰器(19A)はオフセット電圧生成部(12)と
駆動対象(15)の出力との間に設けられ、帰還回路
(FB)に第2の減衰器(19B)が設けられている。
【0079】このため、電源に近いほど過大な信号(Z
S)が駆動対象(15)から出力されても、それが直接
オフセット電圧生成部(12)や駆動制御部(13)に
入力されず、減衰されて入力されるので、大信号がオフ
セット電圧生成部(12)や駆動制御部(13)に入力
されることによって当該回路が動作しなくなるようなこ
とを極力抑止しつつ、高効率化を図ることが可能にな
る。
【0080】さらに、本発明に係る増幅回路によれば、
信号増幅部(15)と、オフセット電圧生成部(12)
と、駆動制御部(13),帰還回路(FB)及び電圧生
成部(14)からなる電圧供給部(18)と、第1の減
衰器(19A)と、第2の減衰器(19B)と、信号増
幅部(15)を有し、かつ第1の減衰器(19A)はオ
フセット電圧生成部(12)と信号増幅部(15)の出
力との間に設けられ、帰還回路(FB)に第2の減衰器
(19B)が設けられている。
【0081】このため、電源に近いほど過大な増幅信号
(ZS)が信号増幅部(15)から出力されても、それ
が直接オフセット電圧生成部(12)や駆動制御部(1
3)に入力されず、減衰されて入力されるので、大信号
がオフセット電圧生成部(12)や駆動制御部(13)
に入力されることによって当該回路が動作しなくなるよ
うなことを極力抑止しつつ、高効率化を図ることが可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電源回路の原理図である。
【図2】本発明に係る増幅回路の原理図である。
【図3】本発明の実施例に係る増幅回路の回路図であ
る。
【図4】本発明の実施例に係る増幅回路を機能的に説明
する構成図である。
【図5】本発明の実施例に係る増幅回路の作用効果を説
明する第1の図である。
【図6】本発明の実施例に係る増幅回路の作用効果を説
明する第2の図である。
【図7】本発明の実施例に係る増幅回路の作用効果を説
明する第3の図である。
【図8】従来例に係る増幅回路を説明する第1の回路図
である。
【図9】従来例に係る増幅回路を説明する第2の回路図
である。
【図10】従来例に係る増幅回路を説明する第3の回路
図である。
【図11】従来例に係る増幅回路の動作を説明するグラ
フである。
【図12】従来例に係る増幅回路の問題点を説明するグ
ラフである。
【符号の説明】
(10) 定電圧発生回路 (11) 勾配検出部 (11A)微分回路 (12) オフセット電圧生成部 (13) 駆動制御部 (13A)第1のコンパレータ (13B)第2のコンパレータ (14) 電圧生成部〔チョッパ電源〕 (14A)LPF (15) 信号増幅部〔駆動対象〕 (15A)プリアンプ (15B)パワーアンプ (16) −側の電源回路 (17) +側の電源回路 (18) 電圧供給部 (19A)第1の減衰器 (19B)第2の減衰器 (SP) スピーカ (Va) オフセット電圧 (+Vcc)正電源 (+Vc) 電源電圧 (+Vc2)減衰電源電圧 (AS) オーディオ信号〔入力信号〕 (ZS) 増幅信号〔信号〕 (ZS2)減衰増幅信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 聖和 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−84509(JP,A) 特開 昭56−10715(JP,A) 特開 昭58−151710(JP,A) 特開 昭57−212811(JP,A) 特開 平7−74548(JP,A) 特開 昭57−184308(JP,A) 実開 昭61−26316(JP,U) 実開 昭61−5013(JP,U) 実開 昭58−508(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H03F 1/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出力信号を出力する駆動対象に電源電圧
    を供給する電源回路であって、 前記駆動対象の出力信号の勾配を検出して、前記勾配の
    大きさに応じた電圧を出力する勾配検出部と、 前記駆動対象の出力信号、前記勾配検出回路の出力信号
    および一定電圧を加算処理してオフセット電圧を生成
    し、電圧供給部に出力するオフセット電圧生成部と、 前記オフセット電圧に追従する電源電圧を前記駆動対象
    に供給する電圧供給部を具備し、 前記電圧供給部は、前記オフセット電圧と前記電源電圧
    とを比較処理して電圧生成部を駆動制御するコンパレー
    タを有する駆動制御部と、 前記駆動対象に前記電源電圧を供給するチョッパ電源回
    路を有する電圧生成部と、 前記電源電圧を前記駆動制御部に帰還させる帰還回路を
    有し、 前記オフセット電圧生成部の入力と駆動対象の出力との
    間に前記信号を減衰する第1の減衰器が設けられ、 前記帰還回路に、前記電源電圧を減衰する第2の減衰器
    が設けられたことを特徴とする電源回路。
  2. 【請求項2】 入力信号を増幅し、増幅信号として出力
    する信号増幅部と、 前記増幅信号の勾配を検出して、前記勾配の大きさに応
    じた電圧をオフセット電圧生成部に出力する回路を有す
    る勾配検出部と、 前記増幅信号、前記勾配検出部の出力信号および一定電
    圧を加算処理してオフセット電圧を生成し、電圧供給部
    に出力するオフセット電圧生成部と、 前記オフセット電圧に追従する電源電圧を前記信号増幅
    部に供給する電圧供給部を具備し、 前記電圧供給部は、前記オフセット電圧と前記電源電圧
    とを比較処理して電圧生成部を駆動制御するコンパレー
    タを有する駆動制御部と、 前記信号増幅部に電源電圧を供給するチョッパ電源回路
    を有する電圧生成部と、 前記電源電圧を前記駆動制御部に帰還させる帰還回路を
    有し、 前記オフセット電圧生成部の入力と信号増幅部の出力と
    の間に前記増幅信号を減衰する第1の減衰器が設けら
    れ、 前記帰還回路に、前記電源電圧を減衰する第2の減衰器
    が設けられたことを特徴とする増幅回路。
  3. 【請求項3】 前記勾配の大きさに応じた電圧を生成す
    る回路は、微分回路である請求項1または請求項2記載
    の増幅回路。
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