JP2903821B2 - 車両用トラクション制御装置 - Google Patents
車両用トラクション制御装置Info
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- JP2903821B2 JP2903821B2 JP62092A JP62092A JP2903821B2 JP 2903821 B2 JP2903821 B2 JP 2903821B2 JP 62092 A JP62092 A JP 62092A JP 62092 A JP62092 A JP 62092A JP 2903821 B2 JP2903821 B2 JP 2903821B2
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- slip
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- Regulating Braking Force (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加速スリップ時にホイ
ールシリンダへのブレーキ圧力を左右駆動輪で独立に制
御できる車両用トラクション制御装置に関する。
ールシリンダへのブレーキ圧力を左右駆動輪で独立に制
御できる車両用トラクション制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加速スリップ時にホイールシリン
ダへのブレーキ圧力を左右駆動輪で独立に制御できるブ
レーキ圧制御アクチュエータを有する車両用トラクショ
ン制御装置としては、例えば、特開昭62−15785
2号公報に記載されている装置が知られている。
ダへのブレーキ圧力を左右駆動輪で独立に制御できるブ
レーキ圧制御アクチュエータを有する車両用トラクショ
ン制御装置としては、例えば、特開昭62−15785
2号公報に記載されている装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の車両用トラクション制御装置にあっては、車速等に
かかわらず完全に左右駆動輪で独立にブレーキ圧力を制
御する装置となっている為、例えば、走行中に高速側で
ブレーキ片効きが発生し、直進安定性が確保できない。
来の車両用トラクション制御装置にあっては、車速等に
かかわらず完全に左右駆動輪で独立にブレーキ圧力を制
御する装置となっている為、例えば、走行中に高速側で
ブレーキ片効きが発生し、直進安定性が確保できない。
【0004】そこで、運転状況に応じて左右独立制御に
よる2チャンネル制御とするか、左右同一制御による1
チャンネル制御とするかを判断し、2チャンネル制御と
1チャンネル制御を変更することが考えられる。
よる2チャンネル制御とするか、左右同一制御による1
チャンネル制御とするかを判断し、2チャンネル制御と
1チャンネル制御を変更することが考えられる。
【0005】しかし、2チャンネル制御時に1チャンネ
ル制御要求に即座に応答して1チャネル制御に変更する
と、2チャンネル制御の時点で発生していた左右ブレー
キ圧力のオフセット圧がそのまま残ってしまい、ブレー
キ片効き感が残り、安定性が低下する。
ル制御要求に即座に応答して1チャネル制御に変更する
と、2チャンネル制御の時点で発生していた左右ブレー
キ圧力のオフセット圧がそのまま残ってしまい、ブレー
キ片効き感が残り、安定性が低下する。
【0006】また、例えば、左右駆動輪の路面摩擦係数
が異なるスプリットμ路の走行時で、TCSブレーキ制
御中に、「2ch→1ch」の変更要求がくると、図8
のA点の様にブレーキ制御入力が不連続となる。その
為、低μ路側ではスリップ過小評価され、高μ路側では
スリップ過大評価され、瞬間的にブレーキ減(増)圧過
多となり、制御性能の低下が生じる。
が異なるスプリットμ路の走行時で、TCSブレーキ制
御中に、「2ch→1ch」の変更要求がくると、図8
のA点の様にブレーキ制御入力が不連続となる。その
為、低μ路側ではスリップ過小評価され、高μ路側では
スリップ過大評価され、瞬間的にブレーキ減(増)圧過
多となり、制御性能の低下が生じる。
【0007】本発明は、上述のような問題に着目してな
されたもので、加速スリップ時にホイールシリンダへの
ブレーキ圧力を左右駆動輪で独立に制御できる車両用ト
ラクション制御装置において、2チャンネル制御による
加速性確保と1チャンネル制御による安定性確保を運転
状況に応じて達成すると共に、2チャンネル制御から1
チャンネル制御への変更時にブレーキ片効きによる安定
性低下と制御入力不連続による制御性能低下を防止する
ことを課題とする。
されたもので、加速スリップ時にホイールシリンダへの
ブレーキ圧力を左右駆動輪で独立に制御できる車両用ト
ラクション制御装置において、2チャンネル制御による
加速性確保と1チャンネル制御による安定性確保を運転
状況に応じて達成すると共に、2チャンネル制御から1
チャンネル制御への変更時にブレーキ片効きによる安定
性低下と制御入力不連続による制御性能低下を防止する
ことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の車両用トラクション制御装置では、運転状況に
応じて2チャンネルと1チャンネルのブレーキ制御を使
い分けると共に、2チャンネル制御時に1チャンネル制
御要求が出た場合、左右駆動輪共にブレーキ圧力が零と
なるブレーキ無制御状態となるまで2チャンネル制御を
維持し、ブレーキ無制御状態となった時点で1チャンネ
ル制御に変更する手段とした。
本発明の車両用トラクション制御装置では、運転状況に
応じて2チャンネルと1チャンネルのブレーキ制御を使
い分けると共に、2チャンネル制御時に1チャンネル制
御要求が出た場合、左右駆動輪共にブレーキ圧力が零と
なるブレーキ無制御状態となるまで2チャンネル制御を
維持し、ブレーキ無制御状態となった時点で1チャンネ
ル制御に変更する手段とした。
【0009】即ち、図1のクレーム対応図に示すよう
に、加速スリップ時にホイールシリンダa,bへのブレ
ーキ圧力を左右駆動輪で独立に制御できるブレーキ圧制
御アクチュエータcと、左駆動輪の加速スリップ状態を
検出する左駆動輪加速スリップ検出手段dと、右駆動輪
の加速スリップ状態を検出する右駆動輪加速スリップ検
出手段eと、運転状況に応じ、加速スリップブレーキ制
御を左右駆動輪それぞれの加速スリップ状態に応じた独
立制御による2チャンネル制御とするか、加速スリップ
ブレーキ制御を左右駆動輪の加速スリップ状態平均値に
応じた同一制御による1チャンネル制御とするかを判断
する制御チャンネル判断手段fと、チャンネル変更時を
除き前記制御チャンネル判断手段fにより判断された制
御チャンネルにて加速スリップブレーキ制御を行なう加
速スリップブレーキ制御手段gと、2チャンネル制御
時、前記制御チャンネル判断手段fにより1チャンネル
制御要求が出た場合、左右駆動輪共にブレーキ圧力が零
となるブレーキ無制御状態となるまで2チャンネル制御
を維持し、ブレーキ無制御状態となった時点で1チャン
ネル制御に変更するチャンネル変更制御手段hとを備え
ている事を特徴とする。
に、加速スリップ時にホイールシリンダa,bへのブレ
ーキ圧力を左右駆動輪で独立に制御できるブレーキ圧制
御アクチュエータcと、左駆動輪の加速スリップ状態を
検出する左駆動輪加速スリップ検出手段dと、右駆動輪
の加速スリップ状態を検出する右駆動輪加速スリップ検
出手段eと、運転状況に応じ、加速スリップブレーキ制
御を左右駆動輪それぞれの加速スリップ状態に応じた独
立制御による2チャンネル制御とするか、加速スリップ
ブレーキ制御を左右駆動輪の加速スリップ状態平均値に
応じた同一制御による1チャンネル制御とするかを判断
する制御チャンネル判断手段fと、チャンネル変更時を
除き前記制御チャンネル判断手段fにより判断された制
御チャンネルにて加速スリップブレーキ制御を行なう加
速スリップブレーキ制御手段gと、2チャンネル制御
時、前記制御チャンネル判断手段fにより1チャンネル
制御要求が出た場合、左右駆動輪共にブレーキ圧力が零
となるブレーキ無制御状態となるまで2チャンネル制御
を維持し、ブレーキ無制御状態となった時点で1チャン
ネル制御に変更するチャンネル変更制御手段hとを備え
ている事を特徴とする。
【0010】
【作用】車両走行中、制御チャンネル判断手段fにおい
て、運転状況に応じ、加速スリップブレーキ制御を左右
駆動輪それぞれの加速スリップ状態に応じた独立制御に
よる2チャンネル制御とするか、加速スリップブレーキ
制御を左右駆動輪の加速スリップ状態平均値に応じた同
一制御による1チャンネル制御とするかが判断され、加
速スリップブレーキ制御手段gにおいて、チャンネル変
更時を除き制御チャンネル判断手段fにより判断された
制御チャンネルにて加速スリップブレーキ制御行なわれ
る。そして、2チャンネル制御時、制御チャンネル判断
手段fにより1チャンネル制御要求が出た場合、チャン
ネル変更制御手段gにおいて、左右駆動輪共にブレーキ
圧力が零となるブレーキ無制御状態となるまで2チャン
ネル制御が維持され、ブレーキ無制御状態となった時点
で1チャンネル制御に変更される。
て、運転状況に応じ、加速スリップブレーキ制御を左右
駆動輪それぞれの加速スリップ状態に応じた独立制御に
よる2チャンネル制御とするか、加速スリップブレーキ
制御を左右駆動輪の加速スリップ状態平均値に応じた同
一制御による1チャンネル制御とするかが判断され、加
速スリップブレーキ制御手段gにおいて、チャンネル変
更時を除き制御チャンネル判断手段fにより判断された
制御チャンネルにて加速スリップブレーキ制御行なわれ
る。そして、2チャンネル制御時、制御チャンネル判断
手段fにより1チャンネル制御要求が出た場合、チャン
ネル変更制御手段gにおいて、左右駆動輪共にブレーキ
圧力が零となるブレーキ無制御状態となるまで2チャン
ネル制御が維持され、ブレーキ無制御状態となった時点
で1チャンネル制御に変更される。
【0011】そして、2チャンネル制御時、制御チャン
ネル判断手段fにより1チャンネル制御要求が出た場
合、チャンネル変更制御手段gにおいて、左右駆動輪共
にブレーキ無制御状態となるまで2チャンネル制御が維
持され、ブレーキ無制御状態となった時点で1チャンネ
ル制御に変更される。
ネル判断手段fにより1チャンネル制御要求が出た場
合、チャンネル変更制御手段gにおいて、左右駆動輪共
にブレーキ無制御状態となるまで2チャンネル制御が維
持され、ブレーキ無制御状態となった時点で1チャンネ
ル制御に変更される。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。
る。
【0013】構成を説明する。
【0014】図2は本発明の実施例の車両用トラクショ
ン制御装置が適用された後輪駆動車の制駆動系制御シス
テム全体図である。
ン制御装置が適用された後輪駆動車の制駆動系制御シス
テム全体図である。
【0015】この後輪駆動車には、加速スリップ発生時
に後輪スリップ率が最適許容範囲内になる様にモータス
ロットル開度制御を行なうスロットル制御と、加速スリ
ップ発生時に左右各後輪に独立して制動力を与えるブレ
ーキ制御とを併用するトラクション制御システム(ブレ
ーキ制御側は加速スリップブレーキ制御手段に相当)が
搭載されていると共に、減速スリップ時に車輪ロックを
防止する様に前後輪ブレーキ圧力制御を行なうアンチス
キッドブレーキ制御システムが搭載されている。そし
て、これらのシステムの集中電子制御は、トラクション
制御システム&アンチスキッドブレーキ制御システム電
子制御ユニットTCS/ABS-ECU (以下、TCS/ABS-ECU と略
称する)により行なわれる。
に後輪スリップ率が最適許容範囲内になる様にモータス
ロットル開度制御を行なうスロットル制御と、加速スリ
ップ発生時に左右各後輪に独立して制動力を与えるブレ
ーキ制御とを併用するトラクション制御システム(ブレ
ーキ制御側は加速スリップブレーキ制御手段に相当)が
搭載されていると共に、減速スリップ時に車輪ロックを
防止する様に前後輪ブレーキ圧力制御を行なうアンチス
キッドブレーキ制御システムが搭載されている。そし
て、これらのシステムの集中電子制御は、トラクション
制御システム&アンチスキッドブレーキ制御システム電
子制御ユニットTCS/ABS-ECU (以下、TCS/ABS-ECU と略
称する)により行なわれる。
【0016】前記TCS/ABS-ECU には、右前輪速センサ1
からの右前輪速センサ値VWFR と、左前輪速センサ2か
らの左前輪速センサ値VWFL と、右後輪速センサ3から
の右後輪速センサ値VWRR と、左後輪速センサ4からの
左後輪速センサ値VWRL と、横加速度センサ5からの横
加速度センサ値YGと、TCS スイッチ6からのスイッチ信
号SWTCと、ブレーキランプスイッチ7からのスイッチ信
号SWSTと、スロットルコントロールモジュールTCM (以
下、TCM と略称する)からのスロットル1実開度DKV
と、オートマチックトランスミッション制御ユニットA/
T C/U (以下、A/TC/U と略称する)からのギア位置信
号及びシフトアップ信号と、エンジン集中電子制御ユニ
ットECCS C/U(以下、ECCS C/Uと略称する)からのエン
ジン回転数信号と、第2スロットルセンサ17からの第
2スロットル信号TVO2等が入力される。
からの右前輪速センサ値VWFR と、左前輪速センサ2か
らの左前輪速センサ値VWFL と、右後輪速センサ3から
の右後輪速センサ値VWRR と、左後輪速センサ4からの
左後輪速センサ値VWRL と、横加速度センサ5からの横
加速度センサ値YGと、TCS スイッチ6からのスイッチ信
号SWTCと、ブレーキランプスイッチ7からのスイッチ信
号SWSTと、スロットルコントロールモジュールTCM (以
下、TCM と略称する)からのスロットル1実開度DKV
と、オートマチックトランスミッション制御ユニットA/
T C/U (以下、A/TC/U と略称する)からのギア位置信
号及びシフトアップ信号と、エンジン集中電子制御ユニ
ットECCS C/U(以下、ECCS C/Uと略称する)からのエン
ジン回転数信号と、第2スロットルセンサ17からの第
2スロットル信号TVO2等が入力される。
【0017】そして、TCS/ABS-ECU からは、加速スリッ
プを検出し、スロットル開閉信号としてのスロットル2
目標開度DKR がTCM に出力されると共に、ブレーキ増減
圧信号としてのソレノイド信号が共有ハイドロリックユ
ニットTCS/ABS-HU(以下、TCS/ABS-HUと略称する)の各
ソレノイドバルブに出力される。このトラクション制御
のうちスロットル制御側をTCSスロットル制御とい
い、ブレーキ制御側をTCSブレーキ制御という。
プを検出し、スロットル開閉信号としてのスロットル2
目標開度DKR がTCM に出力されると共に、ブレーキ増減
圧信号としてのソレノイド信号が共有ハイドロリックユ
ニットTCS/ABS-HU(以下、TCS/ABS-HUと略称する)の各
ソレノイドバルブに出力される。このトラクション制御
のうちスロットル制御側をTCSスロットル制御とい
い、ブレーキ制御側をTCSブレーキ制御という。
【0018】また、TCS/ABS-ECU からは、減速スリップ
を検出し、ブレーキ増減圧信号としてのソレノイド信号
がTCS/ABS-HUの各ソレノイドバルブに出力される。この
アンチスキッドブレーキ制御をABSブレーキ制御とい
う。
を検出し、ブレーキ増減圧信号としてのソレノイド信号
がTCS/ABS-HUの各ソレノイドバルブに出力される。この
アンチスキッドブレーキ制御をABSブレーキ制御とい
う。
【0019】尚、TCS/ABS-ECU からは、上記出力以外
に、TCS フェイル時にはTCS フェイルランプ14に点灯
指令が出力され、TCS 作動中にはTCS 作動ランプ15に
点灯指令が出力される。
に、TCS フェイル時にはTCS フェイルランプ14に点灯
指令が出力され、TCS 作動中にはTCS 作動ランプ15に
点灯指令が出力される。
【0020】前記TCM は、スロットルモータ駆動回路を
中心とする制御回路で、第1スロットルセンサ16から
の第1スロットル信号TVO1を入力し、TCS/ABS-ECU にス
ロットル1実開度DKV として出力したり、第2スロット
ルセンサ17からの第2スロットル信号TVO2をスロット
ル2目標開度DKR に対するフィードバック情報として入
力したり、TCS/ABS-ECU からのスロットル2目標開度DK
R に基づきスロットルモータ18にモータ駆動電流IMを
印加する。
中心とする制御回路で、第1スロットルセンサ16から
の第1スロットル信号TVO1を入力し、TCS/ABS-ECU にス
ロットル1実開度DKV として出力したり、第2スロット
ルセンサ17からの第2スロットル信号TVO2をスロット
ル2目標開度DKR に対するフィードバック情報として入
力したり、TCS/ABS-ECU からのスロットル2目標開度DK
R に基づきスロットルモータ18にモータ駆動電流IMを
印加する。
【0021】ここで、第1スロットルセンサ16が設け
られる第1スロットルバルブ19は、アクセルペダル2
0と連動して作動するバルブであり、第2スロットルセ
ンサ17が設けられる第2スロットルバルブ21は、第
1スロットルバルブ19とは直列配置によりエンジン吸
気通路22に設けられ、スロットルモータ18により開
閉駆動されるバルブである。
られる第1スロットルバルブ19は、アクセルペダル2
0と連動して作動するバルブであり、第2スロットルセ
ンサ17が設けられる第2スロットルバルブ21は、第
1スロットルバルブ19とは直列配置によりエンジン吸
気通路22に設けられ、スロットルモータ18により開
閉駆動されるバルブである。
【0022】上記トラクション制御システムには、周辺
システムとして、図示のように、エアフローメータAFM
やECCS C/Uやインジェクタを有し、燃料噴射制御,点火
時期制御,アイドル回転数補正等を集中制御するエンジ
ン集中電子制御システムが搭載されていて、トラクショ
ン制御時を示すトラクションスイッチ信号TCS SWのON信
号が入力されたら、過渡特性補正のため、第1スロット
ル信号TVO1と第2スロットル信号TVO2のうち小さいバル
ブ開度を選択する制御(セレクトロー制御)が行なわれ
ると共に、キャニスタ制御及びEGR制御が中止され
る。
システムとして、図示のように、エアフローメータAFM
やECCS C/Uやインジェクタを有し、燃料噴射制御,点火
時期制御,アイドル回転数補正等を集中制御するエンジ
ン集中電子制御システムが搭載されていて、トラクショ
ン制御時を示すトラクションスイッチ信号TCS SWのON信
号が入力されたら、過渡特性補正のため、第1スロット
ル信号TVO1と第2スロットル信号TVO2のうち小さいバル
ブ開度を選択する制御(セレクトロー制御)が行なわれ
ると共に、キャニスタ制御及びEGR制御が中止され
る。
【0023】また、周辺システムとして、図示のよう
に、A/T C/U やシフトソレノイドを有し、変速制御やロ
ックアップ制御等を行なうオートマチックトランスミッ
ション制御システムが搭載されていて、A/T C/U からは
ギア位置信号及びシフトアップ信号がTCS/ABS-ECU に取
り込まれる。
に、A/T C/U やシフトソレノイドを有し、変速制御やロ
ックアップ制御等を行なうオートマチックトランスミッ
ション制御システムが搭載されていて、A/T C/U からは
ギア位置信号及びシフトアップ信号がTCS/ABS-ECU に取
り込まれる。
【0024】さらに、周辺システムとして、図示のよう
に、ASCDアクチュエータを有し、設定車速を維持するよ
うに車速自動制御を行なう定速走行制御システムが搭載
されていて、制御干渉を防止するため、トラクションス
イッチ信号TCS SWのON信号が入力されたら第1スロット
ルバルブ19の開制御を中止し、TCS SWのOFF 信号が入
力されたら第1スロットルバルブ19の戻し速度を緩や
かにする。
に、ASCDアクチュエータを有し、設定車速を維持するよ
うに車速自動制御を行なう定速走行制御システムが搭載
されていて、制御干渉を防止するため、トラクションス
イッチ信号TCS SWのON信号が入力されたら第1スロット
ルバルブ19の開制御を中止し、TCS SWのOFF 信号が入
力されたら第1スロットルバルブ19の戻し速度を緩や
かにする。
【0025】図3は左右後輪独立のTCSブレーキ制御
と4輪独立のABSブレーキ制御とに共用されるブレー
キ圧力制御系を示す油圧回路図である。
と4輪独立のABSブレーキ制御とに共用されるブレー
キ圧力制御系を示す油圧回路図である。
【0026】このブレーキ圧力制御系は、ブレーキペダ
ル27と、油圧ブースタ28と、リザーバ29を有する
マスタシリンダ30と、ホイールシリンダ31,32,
33,34と、共有ハイドロリックユニットTCS/ABS-HU
(ブレーキ制御アクチュエータに相当)と、ポンプユニ
ットPUと、第1アキュムレータユニットAU1 と、第2ア
キュムレータユニットAU2 と、前輪側ダンピングユニッ
トFDPUと、後輪側ダンピングユニットRDPUとを備えてい
る。
ル27と、油圧ブースタ28と、リザーバ29を有する
マスタシリンダ30と、ホイールシリンダ31,32,
33,34と、共有ハイドロリックユニットTCS/ABS-HU
(ブレーキ制御アクチュエータに相当)と、ポンプユニ
ットPUと、第1アキュムレータユニットAU1 と、第2ア
キュムレータユニットAU2 と、前輪側ダンピングユニッ
トFDPUと、後輪側ダンピングユニットRDPUとを備えてい
る。
【0027】TCS/ABS-HUには、第1切換バルブTV1
と、第2切換バルブTV2と、左前輪増圧バルブ36a
と、右前輪増圧バルブ36bと、左後輪増圧バルブ36
cと、右後輪増圧バルブ36dと、左前輪減圧バルブ3
7aと、右前輪減圧バルブ37bと、左後輪減圧バルブ
37cと、右後輪減圧バルブ37cと、前輪側リザーバ
38aと、後輪側リザーバ38bと、前輪側ポンプ39
aと、後輪側ポンプ39bと、前輪側ダンパー室40a
と、後輪側ダンパー室40bと、ポンプモータ41を有
して構成される。
と、第2切換バルブTV2と、左前輪増圧バルブ36a
と、右前輪増圧バルブ36bと、左後輪増圧バルブ36
cと、右後輪増圧バルブ36dと、左前輪減圧バルブ3
7aと、右前輪減圧バルブ37bと、左後輪減圧バルブ
37cと、右後輪減圧バルブ37cと、前輪側リザーバ
38aと、後輪側リザーバ38bと、前輪側ポンプ39
aと、後輪側ポンプ39bと、前輪側ダンパー室40a
と、後輪側ダンパー室40bと、ポンプモータ41を有
して構成される。
【0028】そして、通常のブレーキ時やABSブレー
キ制御時には、マスタシリンダ30からの圧力を導入す
るべく両切換バルブTV1,TV2は図示のようにOFF
位置とされ、TCSブレーキ制御時には、第2アキュム
レータユニットAU2 からの圧力を導入するべく両切換バ
ルブTV1,TV2がON位置とされる。そして、例え
ば、TCSブレーキ制御での増圧モード時には、両制御
バルブ36c,36d,37c,37dが図示のように
OFF 位置とされ、保持モード時には、増圧バルブ36
c,36dのみON位置とされ、減圧モード時には、両制
御バルブ36c,36d,37c,37dがON位置とさ
れ、ホイールシリンダ33,34からのブレーキ液が後
輪側リザーバ38bに蓄えられ、さらに、後輪側ポンプ
39bの回転により後輪側ダンパー室40bに戻され
る。
キ制御時には、マスタシリンダ30からの圧力を導入す
るべく両切換バルブTV1,TV2は図示のようにOFF
位置とされ、TCSブレーキ制御時には、第2アキュム
レータユニットAU2 からの圧力を導入するべく両切換バ
ルブTV1,TV2がON位置とされる。そして、例え
ば、TCSブレーキ制御での増圧モード時には、両制御
バルブ36c,36d,37c,37dが図示のように
OFF 位置とされ、保持モード時には、増圧バルブ36
c,36dのみON位置とされ、減圧モード時には、両制
御バルブ36c,36d,37c,37dがON位置とさ
れ、ホイールシリンダ33,34からのブレーキ液が後
輪側リザーバ38bに蓄えられ、さらに、後輪側ポンプ
39bの回転により後輪側ダンパー室40bに戻され
る。
【0029】前記第1アキュムレータユニットAU1 が油
圧ブースタ28の油圧源とされ、第2アキュムレータユ
ニットAU2 がTCSブレーキ制御の油圧源とされるもの
で、両ユニットAU1,AU2 は、リザーバ29からブレーキ
液を吸い込む共有のポンプユニットPUにより所定のアキ
ュムレータ圧が保たれる。
圧ブースタ28の油圧源とされ、第2アキュムレータユ
ニットAU2 がTCSブレーキ制御の油圧源とされるもの
で、両ユニットAU1,AU2 は、リザーバ29からブレーキ
液を吸い込む共有のポンプユニットPUにより所定のアキ
ュムレータ圧が保たれる。
【0030】前記前輪側ダンピングユニットFDPU及び後
輪側ダンピングユニットRDPUは、ペダルフィーリングを
向上させるために、共有ハイドロリックユニットTCS/AB
S-HUでの圧力変化影響がマスタシリンダ30に及ぶのを
抑えている。
輪側ダンピングユニットRDPUは、ペダルフィーリングを
向上させるために、共有ハイドロリックユニットTCS/AB
S-HUでの圧力変化影響がマスタシリンダ30に及ぶのを
抑えている。
【0031】作用を説明する。
【0032】(イ)トラクション制御作用 図4はTCS/ABS-ECU で行なわれるトラクション制御の概
要を示す制御ブロック図であり、トラクション制御ロジ
ックは、下記の4種の制御に大別できる。
要を示す制御ブロック図であり、トラクション制御ロジ
ックは、下記の4種の制御に大別できる。
【0033】(1) 実スリップ状態の計算 車輪速センサ1,2,3,4の信号にフィルタ処理を行
ない、フィルタ処理後の車輪速値に基づき、各輪独立に
実スリップ状態(スリップ量,スリップ量差分値)の算
出を行なう(左駆動輪加速スリップ検出手段及び右駆動
輪加速スリップ検出手段に相当)。
ない、フィルタ処理後の車輪速値に基づき、各輪独立に
実スリップ状態(スリップ量,スリップ量差分値)の算
出を行なう(左駆動輪加速スリップ検出手段及び右駆動
輪加速スリップ検出手段に相当)。
【0034】(2) 目標スリップ状態の計算 横加速度センサ5の信号にフィルタ処理を行ない、横加
速度による旋回・直進判断と車速とにより走行状態に見
合った目標スリップ状態の算出を行なう。
速度による旋回・直進判断と車速とにより走行状態に見
合った目標スリップ状態の算出を行なう。
【0035】(3) TCSブレーキ制御 基本的には実スリップ状態と目標スリップ状態とを比較
して必要なブレーキ増減圧速度(制御デューティ比)の
算出を行ない、TCS/ABS-HUに出力する。
して必要なブレーキ増減圧速度(制御デューティ比)の
算出を行ない、TCS/ABS-HUに出力する。
【0036】(4) TCSスロットル制御 実スリップ状態と目標スリップ状態とを比較して必要な
スロットル開度,開閉速度の算出を行ない、TCM に出力
する。
スロットル開度,開閉速度の算出を行ない、TCM に出力
する。
【0037】この制御ロジックの特徴は、低μから高μ
に至る各路面状況に応じてベースシャシ性能に基づいた
限界検知性(操舵力,スキル音等)を確保して能動的安
全性を得るために、横加速度の大きさに応じて許容スリ
ップ状態,スロットル・ブレーキ制御の分担を決定して
いる。
に至る各路面状況に応じてベースシャシ性能に基づいた
限界検知性(操舵力,スキル音等)を確保して能動的安
全性を得るために、横加速度の大きさに応じて許容スリ
ップ状態,スロットル・ブレーキ制御の分担を決定して
いる。
【0038】また、変速時の安定性確保や各ギア位置で
の制御性の向上のために、ギア位置に応じたスロットル
・ブレーキ制御を行なっている。
の制御性の向上のために、ギア位置に応じたスロットル
・ブレーキ制御を行なっている。
【0039】さらに、スリップハンチングを抑え滑らか
な加速感,制御性を実現すると共に、レスポンスの良い
エンジントルク増減制御を実現するために、エンジン回
転数に応じた最適なスロットル制御を行なっている。
な加速感,制御性を実現すると共に、レスポンスの良い
エンジントルク増減制御を実現するために、エンジン回
転数に応じた最適なスロットル制御を行なっている。
【0040】(ロ)ABSブレーキ制御作用 制動時に各輪の減速スリップが減速スリップしきい値を
超えた場合、各輪独立でブレーキ増減圧信号としてのソ
レノイド信号をTCS/ABS-HUの各ソレノイドバルブに出力
することで行なわれる。
超えた場合、各輪独立でブレーキ増減圧信号としてのソ
レノイド信号をTCS/ABS-HUの各ソレノイドバルブに出力
することで行なわれる。
【0041】この制御により、低摩擦係数路制動時や急
制動時等のように、ブレーキ力が過剰となって車輪ロッ
クが発生しそうな場合に車輪ロックを抑制することで、
車両の制動安定性や制動距離の短縮が図られる。
制動時等のように、ブレーキ力が過剰となって車輪ロッ
クが発生しそうな場合に車輪ロックを抑制することで、
車両の制動安定性や制動距離の短縮が図られる。
【0042】(ハ)TCSブレーキ制御作用 図5はTCS/ABS-ECU で行なわれるTCSブレーキ制御処
理作動の流れを示すフローチャートで、以下、各ステッ
プについて説明する(加速スリップブレーキ制御手段及
びチャンネル変更制御手段に相当)。
理作動の流れを示すフローチャートで、以下、各ステッ
プについて説明する(加速スリップブレーキ制御手段及
びチャンネル変更制御手段に相当)。
【0043】ステップ50では、運転状況に応じて下記
に列挙する内容のうちいずれのブレーキ制御要求の状態
かが判断される(制御チャンネル判断手段に相当)。
に列挙する内容のうちいずれのブレーキ制御要求の状態
かが判断される(制御チャンネル判断手段に相当)。
【0044】1)1ch制御のまま 2)2ch制御のまま 3)1ch→2ch制御 4)2ch→1ch制御 ここで、運転状況とは、例えば、車速,走行路面状態等
をいう。具体的に、車速の場合、低車速域では2ch制
御とし、安定性が要求される高車速域では1ch制御と
する。走行路面状態の場合、ハイドロプレーン状態,ス
プリットμ路等の車両安定性が低下する路面の時には1
ch制御とし、高μ路等の加速性が要求される他の路面
の時には2ch制御とする。
をいう。具体的に、車速の場合、低車速域では2ch制
御とし、安定性が要求される高車速域では1ch制御と
する。走行路面状態の場合、ハイドロプレーン状態,ス
プリットμ路等の車両安定性が低下する路面の時には1
ch制御とし、高μ路等の加速性が要求される他の路面
の時には2ch制御とする。
【0045】ステップ50で、1),2),3)のブレーキ制
御要求の状態の時には、ステップ51へ進み、現在の要
求『ブレーキ制御状態』に応じてTCSブレーキ制御が
行なわれる。1),2)の場合は勿論のこと、制御チャンネ
ルを1ch→2chに変更する3)の場合もブレーキ制御
要求に従って直ちに実行されることになる。
御要求の状態の時には、ステップ51へ進み、現在の要
求『ブレーキ制御状態』に応じてTCSブレーキ制御が
行なわれる。1),2)の場合は勿論のこと、制御チャンネ
ルを1ch→2chに変更する3)の場合もブレーキ制御
要求に従って直ちに実行されることになる。
【0046】ステップ50で、4)のブレーキ制御要求の
状態の時には、ステップ52へ進み、左右駆動輪が共に
無制御状態(ブレーキ圧力が零)かどうかが判断され
る。
状態の時には、ステップ52へ進み、左右駆動輪が共に
無制御状態(ブレーキ圧力が零)かどうかが判断され
る。
【0047】尚、無制御状態を判断するにあたっての左
右駆動輪のブレーキ圧力は、下記のような手法により検
出される。
右駆動輪のブレーキ圧力は、下記のような手法により検
出される。
【0048】(1) TCSブレーキ制御での増圧時間と減
圧時間により推定する。
圧時間により推定する。
【0049】(2) 圧力検出装置で検出する。
【0050】ステップ52でNOと判断された時は、ス
テップ53へ進み、左右駆動輪の各加速スリップ状態に
応じて左右独立に2チャンネルのTCSブレーキ制御が
行なわれる。
テップ53へ進み、左右駆動輪の各加速スリップ状態に
応じて左右独立に2チャンネルのTCSブレーキ制御が
行なわれる。
【0051】ステップ52でYESと判断された時に
は、ステップ51へ進み、制御要求に従って左右駆動輪
の加速スリップ状態の平均値に基づいて左右同一のTC
Sブレーキ制御が行なわれる。
は、ステップ51へ進み、制御要求に従って左右駆動輪
の加速スリップ状態の平均値に基づいて左右同一のTC
Sブレーキ制御が行なわれる。
【0052】これにより、下記に列挙する作用が達成さ
れる。
れる。
【0053】(1) 例えば、高μ路走行時で、ブレーキ制
御要求が『2ch制御のまま』である時には、ステップ
50→ステップ51へと進む流れとなり、加速スリップ
の発生に対し左右駆動輪で独立にブレーキ圧力が制御さ
れることで、加速スリップの発生に対しブレーキ圧力の
過不足がなく、加速性が確保される。
御要求が『2ch制御のまま』である時には、ステップ
50→ステップ51へと進む流れとなり、加速スリップ
の発生に対し左右駆動輪で独立にブレーキ圧力が制御さ
れることで、加速スリップの発生に対しブレーキ圧力の
過不足がなく、加速性が確保される。
【0054】(2) 例えば、低μ路走行時やスプリットμ
路走行時等で、ブレーキ制御要求が『1ch制御のま
ま』である時には、ステップ50→ステップ51へと進
む流れとなり、左右駆動輪での加速スリップの発生に対
し加速スリップ状態の左右平均値に基づいて左右同一の
TCSブレーキ制御が行なわれ、左右駆動輪のブレーキ
圧力差によるヨーモーメントの発生がなく、車両の挙動
安定性が確保される。
路走行時等で、ブレーキ制御要求が『1ch制御のま
ま』である時には、ステップ50→ステップ51へと進
む流れとなり、左右駆動輪での加速スリップの発生に対
し加速スリップ状態の左右平均値に基づいて左右同一の
TCSブレーキ制御が行なわれ、左右駆動輪のブレーキ
圧力差によるヨーモーメントの発生がなく、車両の挙動
安定性が確保される。
【0055】(3) 例えば、雪路から乾燥路へ入った場合
等で、ブレーキ制御要求が『1ch→2ch制御』であ
る時には、ステップ50→ステップ51へと進む流れと
なり、制御要求に応じて1ch制御から2ch制御へと
直ちに制御が変更される。つまり、図6に示すように、
制御変更要求が出された時間t0 の時点で2ch制御に
変更されることで、応答良く1ch制御による安定性と
2ch制御による加速性との両立を図ることができる。
等で、ブレーキ制御要求が『1ch→2ch制御』であ
る時には、ステップ50→ステップ51へと進む流れと
なり、制御要求に応じて1ch制御から2ch制御へと
直ちに制御が変更される。つまり、図6に示すように、
制御変更要求が出された時間t0 の時点で2ch制御に
変更されることで、応答良く1ch制御による安定性と
2ch制御による加速性との両立を図ることができる。
【0056】尚、1ch→2chの制御変更は、変更時
に左右駆動輪に付与されているブレーキ圧力が同圧であ
り、制御入力も連続性を持つことで、後述の2ch→1
chの制御変更のような問題は生じない。
に左右駆動輪に付与されているブレーキ圧力が同圧であ
り、制御入力も連続性を持つことで、後述の2ch→1
chの制御変更のような問題は生じない。
【0057】(4) 例えば、乾燥路から雪路へ入ったり、
低速走行から高速走行へ移行する場合等であって、ブレ
ーキ制御要求が『2ch→1ch制御』である時には、
左右駆動輪が共に無制御状態となるまでは、ステップ5
0→ステップ52→ステップ53へと進む流れとなり、
2ch制御が維持され、その後、左右駆動輪が共に無制
御状態となったら、ステップ50→ステップ52→ステ
ップ51へと進む流れとなり、1ch制御に変更され
る。つまり、図7に示すように、時間t0 の時点で2c
h→1chの制御変更要求が出されても、左右駆動輪が
共に無制御状態となる時間t1 の時点までは2ch制御
が維持され、この時間t1 の時点で2ch制御から1c
h制御へと制御変更され、その後、時間t2 の時点で加
速スリップによるTCS作動要求が出されたら1ch制
御が維持されることになる。
低速走行から高速走行へ移行する場合等であって、ブレ
ーキ制御要求が『2ch→1ch制御』である時には、
左右駆動輪が共に無制御状態となるまでは、ステップ5
0→ステップ52→ステップ53へと進む流れとなり、
2ch制御が維持され、その後、左右駆動輪が共に無制
御状態となったら、ステップ50→ステップ52→ステ
ップ51へと進む流れとなり、1ch制御に変更され
る。つまり、図7に示すように、時間t0 の時点で2c
h→1chの制御変更要求が出されても、左右駆動輪が
共に無制御状態となる時間t1 の時点までは2ch制御
が維持され、この時間t1 の時点で2ch制御から1c
h制御へと制御変更され、その後、時間t2 の時点で加
速スリップによるTCS作動要求が出されたら1ch制
御が維持されることになる。
【0058】従って、2ch制御時に1ch制御要求に
即座に応答して1ch制御に変更する場合のように、2
ch制御の時点で発生していた左右ブレーキ圧力のオフ
セット圧がそのまま残ってしまうことによるブレーキ片
効きが解消され、車両安定性の低下が防止される。
即座に応答して1ch制御に変更する場合のように、2
ch制御の時点で発生していた左右ブレーキ圧力のオフ
セット圧がそのまま残ってしまうことによるブレーキ片
効きが解消され、車両安定性の低下が防止される。
【0059】また、例えば、スプリットμ路の走行時等
で、2ch制御時に1ch制御要求に即座に応答して1
ch制御に変更する場合、図8のA点の様にブレーキ制
御入力が不連続となる為、低μ路側ではスリップ過小評
価され、高μ路側ではスリップ過大評価され、瞬間的に
ブレーキ減(増)圧過多となり、制御性能の低下が生じ
るが、2ch制御中に1ch制御要求が出されても加速
スリップが収束してから1chブレーキ制御に移行する
ようにしている為、ブレーキ制御入力の不連続性が解消
され、TCSブレーキ制御性能の低下が防止される。
で、2ch制御時に1ch制御要求に即座に応答して1
ch制御に変更する場合、図8のA点の様にブレーキ制
御入力が不連続となる為、低μ路側ではスリップ過小評
価され、高μ路側ではスリップ過大評価され、瞬間的に
ブレーキ減(増)圧過多となり、制御性能の低下が生じ
るが、2ch制御中に1ch制御要求が出されても加速
スリップが収束してから1chブレーキ制御に移行する
ようにしている為、ブレーキ制御入力の不連続性が解消
され、TCSブレーキ制御性能の低下が防止される。
【0060】効果を説明する。
【0061】(1)加速スリップ時にホイールシリンダ
33,34へのブレーキ圧力を左右駆動輪で独立に制御
できる車両用トラクション制御装置において、運転状況
に応じて2chブレーキ制御と1chブレーキ制御を使
い分けると共に、2ch制御時に1ch制御要求が出た
場合、左右駆動輪共にブレーキ無制御状態となるまで2
ch制御を維持し、ブレーキ無制御状態となった時点で
1ch制御に変更する装置とした為、2chブレーキ制
御による加速性確保と1chブレーキ制御による安定性
確保を運転状況に応じて達成すると共に、2ch制御か
ら1ch制御への変更時にブレーキ片効きによる安定性
低下と制御入力不連続による制御性能低下を防止するこ
とができる。
33,34へのブレーキ圧力を左右駆動輪で独立に制御
できる車両用トラクション制御装置において、運転状況
に応じて2chブレーキ制御と1chブレーキ制御を使
い分けると共に、2ch制御時に1ch制御要求が出た
場合、左右駆動輪共にブレーキ無制御状態となるまで2
ch制御を維持し、ブレーキ無制御状態となった時点で
1ch制御に変更する装置とした為、2chブレーキ制
御による加速性確保と1chブレーキ制御による安定性
確保を運転状況に応じて達成すると共に、2ch制御か
ら1ch制御への変更時にブレーキ片効きによる安定性
低下と制御入力不連続による制御性能低下を防止するこ
とができる。
【0062】(2)1ch制御時に2ch制御要求が出
た場合、直ちに2chブレーキ制御に変更する装置とし
た為、応答良く1chブレーキ制御による安定性と2c
hブレーキ制御による加速性との両立を図ることができ
る。
た場合、直ちに2chブレーキ制御に変更する装置とし
た為、応答良く1chブレーキ制御による安定性と2c
hブレーキ制御による加速性との両立を図ることができ
る。
【0063】以上、実施例を図面に基づいて説明してき
たが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではな
い。
たが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではな
い。
【0064】例えば、実施例では、スロットル+ブレー
キの併用によるトラクション制御システムへの適用例を
示したが、ブレーキ制御のみによりトラクション制御を
行なうシステムにも適用することができる。
キの併用によるトラクション制御システムへの適用例を
示したが、ブレーキ制御のみによりトラクション制御を
行なうシステムにも適用することができる。
【0065】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明にあっ
ては、加速スリップ時にホイールシリンダへのブレーキ
圧力を左右駆動輪で独立に制御できる車両用トラクショ
ン制御装置において、運転状況に応じて2チャンネルと
1チャンネルのブレーキ制御を使い分けると共に、2チ
ャンネル制御時に1チャンネル制御要求が出た場合、左
右駆動輪共にブレーキ圧力が零となるブレーキ無制御状
態となるまで2チャンネル制御を維持し、ブレーキ無制
御状態となった時点で1チャンネル制御に変更するチャ
ンネル変更制御手段を設けた為、2チャンネル制御によ
る加速性確保と1チャンネル制御による安定性確保を運
転状況に応じて達成すると共に、2チャンネル制御から
1チャンネル制御への変更時にブレーキ片効きによる安
定性低下と制御入力不連続による制御性能低下を防止す
ることができるという効果が得られる。
ては、加速スリップ時にホイールシリンダへのブレーキ
圧力を左右駆動輪で独立に制御できる車両用トラクショ
ン制御装置において、運転状況に応じて2チャンネルと
1チャンネルのブレーキ制御を使い分けると共に、2チ
ャンネル制御時に1チャンネル制御要求が出た場合、左
右駆動輪共にブレーキ圧力が零となるブレーキ無制御状
態となるまで2チャンネル制御を維持し、ブレーキ無制
御状態となった時点で1チャンネル制御に変更するチャ
ンネル変更制御手段を設けた為、2チャンネル制御によ
る加速性確保と1チャンネル制御による安定性確保を運
転状況に応じて達成すると共に、2チャンネル制御から
1チャンネル制御への変更時にブレーキ片効きによる安
定性低下と制御入力不連続による制御性能低下を防止す
ることができるという効果が得られる。
【図1】本発明の車両用トラクション制御装置を示すク
レーム対応図である。
レーム対応図である。
【図2】実施例の車両用トラクション制御装置が適用さ
れた後輪駆動車の制駆動系制御システム全体図である。
れた後輪駆動車の制駆動系制御システム全体図である。
【図3】実施例の車両用トラクション制御装置が適用さ
れた制駆動系制御システムのブレーキ圧力制御系を示す
油圧回路図である。
れた制駆動系制御システムのブレーキ圧力制御系を示す
油圧回路図である。
【図4】実施例でのトラクション制御の概略を示すブロ
ック図である。
ック図である。
【図5】実施例装置のTCS&ABS電子制御ユニット
により行なわれるTCSブレーキ制御作動の流れを示す
フローチャートである。
により行なわれるTCSブレーキ制御作動の流れを示す
フローチャートである。
【図6】1ch制御から2ch制御への制御変更時の左
右駆動輪のブレーキ圧タイムチャートである。
右駆動輪のブレーキ圧タイムチャートである。
【図7】2ch制御から1ch制御への制御変更時の左
右駆動輪のブレーキ圧タイムチャートである。
右駆動輪のブレーキ圧タイムチャートである。
【図8】スプリットμ路等での走行時に2ch制御から
1ch制御への制御変更時、変更要求に従って直ちに変
更を行なう場合の車輪速特性図である。
1ch制御への制御変更時、変更要求に従って直ちに変
更を行なう場合の車輪速特性図である。
a,b ホイールシリンダ c ブレーキ圧制御アクチュエータ d 左駆動輪加速スリップ検出手段 e 右駆動輪加速スリップ検出手段 f 制御チャンネル判断手段 g 加速スリップブレーキ制御手段 h チャンネル変更制御手段
Claims (1)
- 【請求項1】 加速スリップ時にホイールシリンダへの
ブレーキ圧力を左右駆動輪で独立に制御できるブレーキ
圧制御アクチュエータと、 左駆動輪の加速スリップ状態を検出する左駆動輪加速ス
リップ検出手段と、 右駆動輪の加速スリップ状態を検出する右駆動輪加速ス
リップ検出手段と、 運転状況に応じ、加速スリップブレーキ制御を左右駆動
輪それぞれの加速スリップ状態に応じた独立制御による
2チャンネル制御とするか、加速スリップブレーキ制御
を左右駆動輪の加速スリップ状態平均値に応じた同一制
御による1チャンネル制御とするかを判断する制御チャ
ンネル判断手段と、 チャンネル変更時を除き前記制御チャンネル判断手段に
より判断された制御チャンネルにて加速スリップブレー
キ制御を行なう加速スリップブレーキ制御手段と、 2チャンネル制御時、前記制御チャンネル判断手段によ
り1チャンネル制御要求が出た場合、左右駆動輪共にブ
レーキ圧力が零となるブレーキ無制御状態となるまで2
チャンネル制御を維持し、ブレーキ無制御状態となった
時点で1チャンネル制御に変更するチャンネル変更制御
手段と、 を備えている事を特徴とする車両用トラクション制御装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62092A JP2903821B2 (ja) | 1992-01-07 | 1992-01-07 | 車両用トラクション制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62092A JP2903821B2 (ja) | 1992-01-07 | 1992-01-07 | 車両用トラクション制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05178190A JPH05178190A (ja) | 1993-07-20 |
JP2903821B2 true JP2903821B2 (ja) | 1999-06-14 |
Family
ID=11478776
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62092A Expired - Lifetime JP2903821B2 (ja) | 1992-01-07 | 1992-01-07 | 車両用トラクション制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2903821B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2564292C (en) | 2004-05-04 | 2014-08-26 | Metrika, Inc. | Mechanical cartridge with test strip fluid control features for use in a fluid analyte meter |
-
1992
- 1992-01-07 JP JP62092A patent/JP2903821B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05178190A (ja) | 1993-07-20 |
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