JP2980507B2 - テクスチャーの改良された小麦粉製品およびその製造方法 - Google Patents
テクスチャーの改良された小麦粉製品およびその製造方法Info
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ミラーゼおよびグルコースオキシダーゼ若しくはアスペ
ルギルスニガーまたはアスペルギルスオリザエが産生
し、成分中にアミラーゼ、グルコアミラーゼおよびグル
コースオキシダーゼを含む酵素組成物を含有することを
特徴とするテクスチャーの改良された餃子、ワンタン等
の皮類、麺類およびパスタ類等の小麦粉製品に関するも
のである。
更にはスパゲッティ等のパスタ類等の小麦粉製品の製造
において、コシ等の品質改良を目的として、植物性タン
パク(大豆タンパク、グルテン)や乳タンパク、卵白な
どの動物性タンパク等の品質改良剤を加えていた。しか
しながら、これらの品質改良剤を加えると製品の歯ごた
え、弾力性は向上するが、それは単にかたさだけが勝っ
ているだけでしなやかさに欠け、テクスチャーが劣ると
いう欠点があった。
類製品は、抗菌処理のために酢酸等の酸性溶液で処理す
る必要がある。しかし、上記の品質改良剤を添加した製
品は、このような抗菌処理によって歯ごたえ、弾力性を
失ってしまうという欠点があった。さらに、従来の麺類
等の小麦粉製品は、茹ですぎると茹で崩れてしまう欠点
があった。
やかさとコシ等のテクスチャーが改良され、酸性溶液に
よる処理後もテクスチャーが低下せず、かつ茹ですぎて
も茹で崩れすることのない皮類、麺類、パスタ類等の小
麦粉製品を提供することにある。
決するためになされたものであり、アミラーゼ、グルコ
アミラーゼおよびグルコースオキシダーゼの3種類の酵
素を必須成分として含有するか、若しくはアスペルギル
スニガー(Aspergillus Niger)またはアスペルギルス
オリザエ(Aspergillus Oryzae)が産生し、成分中にア
ミラーゼ、グルコアミラーゼおよびグルコースオキシダ
ーゼを含む酵素組成物を含有することを特徴とする餃子
およびワンタン等の皮類、麺類、パスタ類等のテクスチ
ャー等の改良された小麦粉製品に関するものである。
グルコアミラーゼおよびグルコースオキシダーゼ若しく
はアスペルギルスニガーまたはアスペルギルスオリザエ
が産生し、成分中にアミラーゼ、グルコアミラーゼおよ
びグルコースオキシダーゼを含む酵素組成物を添加する
ことを特徴とする餃子およびワンタン等の皮類、麺類、
パスタ類等の小麦粉製品の製造方法に関するものであ
る。
ン、グリコーゲンなどを加水分解する酵素であり、α−
アミラーゼ、β−アミラーゼのいずれでもよくアミラー
ゼの由来は特に限定されない。また、本発明においてア
ミラーゼとともに用いられるグルコアミラーゼ、グルコ
ースオキシダーゼの由来も特に限定されない。
されないが、小麦粉100gに対し、アミラーゼを1〜
100単位、グルコアミラーゼを0.1〜10単位、グ
ルコースオキシダーゼを1〜200単位で配合するのが
好ましい。
なテクスチャー改良効果が得られず、100単位を超え
て配合してもテクスチャー改良効果は増大せず、コスト
増になり好ましくない。また、グルコアミラーゼの添加
量が0.1単位未満の場合も充分なテクスチャー改良効
果が得られず、10単位を超えて配合してもテクスチャ
ーの改良効果は増大せず、コスト増になり好ましくな
い。さらに、グルコースオキシダーゼの添加量が1単位
未満の場合も充分なテクスチャー改良効果が得られず、
200単位を超えて配合してもテクスチャー改良効果は
増大せず、コスト増になり好ましくない。本発明におけ
るアミラーゼ、グルコアミラーゼまたはグルコースオキ
シダーゼをそれぞれ単独で加えても所期のテクスチャー
改良効果はみられない。
ラーゼおよびグルコースオキシダーゼをそれぞれ単品で
添加するかわりに、アスペルギルスニガーまたはアスペ
ルギルスオリザエが産生し、成分中にアミラーゼ、グル
コアミラーゼおよびグルコースオキシダーゼを含む酵素
組成物を添加しても、小麦粉製品のテクスチャー改良効
果がある。
ギルスニガーまたはアスペルギルスオリザエあるいはこ
れらの混合物を、例えばポテト・シュークロース アガ
ー、マルトエキストラクト アガー等の公知の培地で培
養し、得られた代謝物を公知の方法で分離精製すればよ
い。
小麦粉に対するアミラーゼ、グルコアミラーゼおよびグ
ルコースオキシダーゼの各酵素の配合率が、それぞれ上
述した範囲内の割合となるように添加するのが好まし
い。
は、目的とする製品に適したものであれば、薄力粉、中
力粉、強力粉更にはデュラムセモリナ粉を問わず用いる
ことができる。また、本発明の対象となる小麦粉製品と
は、例えば、餃子、ワンタン等の皮類、うどん、そうめ
ん、ひやむぎ、中華麺、焼きそば等の麺類、マカロニ、
スパゲッティ等のパスタ類である。
に従って製造すればよく、例えば原料の小麦粉に所定量
のアミラーゼ、グルコアミラーゼおよびグルコースオキ
シダーゼと食塩等の添加物を水と共に加え、十分混捏
し、皮や麺に成形すればよい。さらに、本発明の小麦粉
製品には、通常用いられている、保湿剤、着色剤、防腐
剤、増量剤等の添加剤をテクスチャーが損なわれない程
度に添加してもよい。
共に、α−アミラーゼ(酵素活性:100単位/g、以
下の実施例において同じ)、グルコアミラーゼ(酵素活
性:10単位/g、以下の実施例において同じ)、グル
コースオキシダーゼ(酵素活性:200単位/g、以下
の実施例において同じ)を表1に示すように所定量加
え、これらを混合機で20分間混捏し、次いで麺帯形成
後、2枚合わせの複合を2回、圧延を3回行ない、最後
にNo.12の切り歯で麺線とし、うどんを調製した。
になるまで茹で上げを行なった。茹で上げたうどんのテ
クスチャーを測定するため、引張り試験における破断強
度と伸びにより物理的にコシの強さを測定し、さらに官
能評価におけるテクスチャーを比較した。その結果を表
1に示す。
科学(株)製レオメータ(CR−200D)を用いて行
なった。テーブル下降速度は6cm/minである。
最小値を除き、残りの測定値を用いて分散分析を行なっ
た。
販の生うどんを同様に茹で上げ、これを基準として下記
のような評価配点により麺のコシの強さおよびテクスチ
ャーを評価した(表中の数字はパネラー6名の平均値を
表す)。
グルコアミラーゼおよびグルコースオキシダーゼを添加
したうどんは、比較例のこれらを加えないかあるいは単
独で加えたうどんと比べて、破断強度、伸びの物理的特
性に優れ、さらに官能評価におけるテクスチャーも優れ
ていた。
のうどんは、ヤング率、破断強度等の物理的な硬さは増
すが、単に硬さだけが勝っているだけで、しなやかさが
なかった。
合) 準強力小麦粉1000gに食塩10g、水330g、か
んすい(「かんすいH」:商品名、オルガノ(株)製)
5gを加えると共にさらに、α−アミラーゼ、グルコア
ミラーゼおよびグルコースオキシダーゼ、卵白、さらに
はアスペルギルスニガーが産生した酵素組成物(α−ア
ミラーゼ活性 50単位/g、グルコアミラーゼ活性
5単位/g、グルコースオキシダーゼ活性 220単位
/g)を表2に示すように所定量を加え、これを混合機
で20分間混捏し、次いで麺帯形成後、2枚合わせの複
合を2回、圧延を3回行ない、最後にNo.22の切り
歯で麺線を得、中華麺を調製した。
1〜72%になるまで行なった。得られた中華麺の引張
り試験と官能評価を実施例1に準じて行なった。その結
果を表2に示す。
アミラーゼ、グルコアミラーゼおよびグルコースオキシ
ダーゼを添加した中華麺は、比較例に比べ、破断強度、
伸びの物理的性質に優れ、さらに官能評価におけるテク
スチャーも優れていた。なお、比較例7、8の場合は、
単に硬さだけが勝っているだけでしなやかさがなかっ
た。
華麺の場合) 準強力小麦粉1000gに食塩10g、水330g、か
んすいH(商品名、オルガノ(株)製かんすい)5gを
加えると共にさらに、α−アミラーゼ、グルコアミラー
ゼおよびグルコースオキシダーゼ、卵白を表3に示すよ
うに所定量を加え、これを混合機で20分間混捏し、次
いで麺帯形成後、2枚合わせの複合を2回、圧延を3回
行ない、最後にNo.22の切り歯で麺線として、中華
麺を調製した。その後、酵素作用を充分働かせるために
室温で一晩麺線をねかせた。
ルバッファーH(商品名、オルガノ(株)製リン酸・有
機酸溶液))で水分量が71〜72%になるまで行な
い、その後、酸溶液(0.5%オルバッファーH、pH
2.2)に麺のpHが4になるように浸漬した。
っ張り試験における破断強度、伸びならびに官能評価に
おける腰の強さ、嗜好性を実施例1に準じて比較した。
その結果を表3に示す。
アミラーゼ、グルコアミラーゼおよびグルコースオキシ
ダーゼを添加して製造し酸処理を行なった中華麺は、比
較例に比べて、破断強度、伸びの物理的特性に優れ、さ
らに官能評価におけるテクスチャーも優れていた。
場合) 強力粉1000gに食塩10g、水450gを加えると
ともにさらにα−アミラーゼ、グルコアミラーゼおよび
グルコースオキシダーゼを表4に示すように所定量を加
え、これらのドウを混合機で20分間混捏し、次いで一
晩ねかし、打粉をふり、圧延することによって餃子の皮
を製造した。
よって餃子を製造したところ比較例の餃子の皮と比較し
て、本発明の餃子の皮は、皮としてしっかりしており、
伸び強さも大きく、皮を製造している間も引きちぎれる
ことがなく、作業性も向上した。
引張り試験における破断強度と歪みを比較した。その結
果を表4に示す。なお、破断強度と歪みは、幅5mm×
厚み1mmの皮帯の引張り試験により求めた。
アミラーゼ、グルコアミラーゼおよびグルコースオキシ
ダーゼを添加した餃子の皮は、これらの添加剤単独もし
くは無添加の場合に比べ、破断強度、歪みにおいて著し
く向上した。
ィの場合) デュラムセモリナ粉1000gに水260gを加えると
ともにさらにα−アミラーゼ、グルコアミラーゼおよび
グルコースオキシダーゼを表5に示す洋に所定量加え、
ミキサーにて15分間混捏し、次いでパスタマシン(ダ
イス穴φ1.5mm)で押し出して麺線とした。なお、
茹で上げは沸騰水中で10分間行った。得られたスパゲ
ッティーの各々について、引っ張り試験における破断強
度、伸びらなびに官能評価における腰の強さ、嗜好性を
実施例1に準じて比較した。その結果を表5に示す。
アミラーゼ、グルコアミラーゼおよびグルコースオキシ
ダーゼを添加して製造したスパゲッティは、比較例に比
べて、破断強度、伸びの物理的特性に優れ、さらに官能
評価におけるテクスチャーも優れていた。
アミラーゼ、グルコアミラーゼおよびグルコースオキシ
ダーゼを併用し、若しくはアスペルギルスニガーまたは
アスペルギルスオリザエが産生し、成分中にアミラー
ゼ、グルコアミラーゼおよびグルコースオキシダーゼを
含む酵素組成物を小麦粉製品に用いることにより、歯ご
たえ、コシ、しなやかさ等のテクスチャーが改良され、
さらに茹でうどん等の場合の酸処理によってもテクスチ
ャーが低下せず、茹でのび、茹でどけを防ぐ小麦粉製品
を得ることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 アミラーゼ、グルコアミラーゼおよびグ
ルコースオキシダーゼを含有することを特徴とする餃子
およびワンタン等の皮類、麺類、パスタ類等の小麦粉製
品。 - 【請求項2】 小麦粉製品中のアミラーゼ、グルコアミ
ラーゼおよびグルコースオキシダーゼの配合率が、小麦
粉100g当たりアミラーゼが1〜100単位、グルコ
アミラーゼが0.1〜10単位、グルコースオキシダー
ゼが1〜200単位である請求項1記載の小麦粉製品。 - 【請求項3】 アスペルギルスニガーまたはアスペルギ
ルスオリザエが産生し、成分中にアミラーゼ、グルコア
ミラーゼおよびグルコースオキシダーゼを含む酵素組成
物を含有することを特徴とする餃子およびワンタン等の
皮類、麺類、パスタ類等の小麦粉製品。 - 【請求項4】 小麦粉にアミラーゼ、グルコアミラーゼ
およびグルコースオキシダーゼを添加することを特徴と
する餃子およびワンタン等の皮類、麺類、パスタ類等の
小麦粉製品の製造方法。 - 【請求項5】 小麦粉にアスペルギルスニガーまたはア
スペルギルスオリザエが産生し、成分中にアミラーゼ、
グルコアミラーゼおよびグルコースオキシダーゼを含む
酵素組成物を添加することを特徴とする餃子およびワン
タン等の皮類、麺類、パスタ類等の小麦粉製品の製造方
法。
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---|---|---|---|
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JP2790493 | 1993-02-17 | ||
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06296467A JPH06296467A (ja) | 1994-10-25 |
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Family Applications (1)
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JP6010444A Expired - Fee Related JP2980507B2 (ja) | 1993-02-17 | 1994-02-01 | テクスチャーの改良された小麦粉製品およびその製造方法 |
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BRPI9609230B1 (pt) | 1995-06-07 | 2016-03-08 | Bioteknologisk Inst | molécula de dna recombinante, célula hospedeira microbiana, preparação compreendendo um polipeptídio apresentando atividade da hexose oxidase, polipeptídio de espécie algácea marinha tendo atividade da hexose oxidase e método de fabricar um produto cosmético |
US7745599B1 (en) | 1995-06-07 | 2010-06-29 | Danisco A/S | Hexose oxidase-encoding DNAs and methods of use thereof |
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TWI446875B (zh) | 2009-02-04 | 2014-08-01 | Ajinomoto Kk | 麵類之製造方法及麵類改質用之酵素製劑 |
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1994
- 1994-02-01 JP JP6010444A patent/JP2980507B2/ja not_active Expired - Fee Related
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